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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#03 UFC アダム・ボリッチ アンドレイ・コレシュコフ オットー・ホドリゲス ガブリエル・ブラガ ゴイチ・ヤマウチ ジャスティン・ゲイジー タイラー・ダイヤモンド チムール・カイズリエフ ドン・マッジ ネイマン・グレイシー バッバ・ジェンキンス パトリシオ・フレイレ ブレナン・ワード ブレンダン・ラウネーン ペドロ・カルバーリョ ローガン・ストーリー

【PFL2024#03】1年半振りの復帰はPFL、ヒザ神=アダム・ボリッジ「ザ・キッドは生まれ変わった」

【写真】溌溂としていたアダム・ボリッチ(C)MMAPLANET

19日(金・現地時間)、イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナでPFL2024#03が開催される。2024年シーズン、最後に開幕を迎えるのはウェルター級とフェザー級だ。
Text by Manabu Takashima

例年、一・ニを争う混戦となる両階級にBellator勢が加わり、さらにタフになることは間違いない。そんなフェザー級にアダム・ボリッチが参戦、実に1年半振りのファイトでエンリケ・ベルゾラとBellator対決を戦う。長いレイオフから復帰するザ・キッドにPFLで戦う心境を尋ねた。


──アダム、実に1年半振りの試合がBellatorではなくPFLになりました。それにしても長いレイオフでしたね。

「パトリシオ・フレイレ戦の直後にACLの手術をして、回復するまで本当に長い時間がかかった。ようやく、戻ってくることができた。心の底から嬉しいよ」

──心身ともにリフレッシュできたと捉えて良いでしょうか。

「そうだね。でも去年は少しストレスを感じていた。手術後、ハンガリーに戻って、1年間は向うにいたよ。少しでも早く復帰したかったのに、1年以上も時間がかかってしまって。12月になってようやくトレーニングに戻ることができた。そこからはヒザの調子も良いし、心身ともに過去最高の状態にあるよ。なんていうのか……生まれ変わったような気分なんだ。

でもフロリダに戻って、驚いたよ。凄く日本のファイターが増えていた(笑)。皆、礼儀正しくて『アリガト』っていつも言ってくるよ(笑)」

──アハハハハ。ところで、この間にBellatorがPFLに買収されました。

「何が起こっているから分かっていなかったから、ちょっと怖かった。これは事実だ。結果、Bellatorも継続して活動できることになり、MMA界にとって良かったと思う。その上で僕自身はPFLで戦うことになった。しかも長い間、実戦を経験していない状況でのPFLでの試合だから新しいチャレンジになる。

とにかく戦えることが嬉しい。別に試合前にゴチャゴチャ言い合うとか、そういうことはどうでも良いから。最後の試合のデキが良くなくて、あのままのイメージを引きづってしまっている。体調はあの時とは全く違う。これで、ようやくあの時の記憶を上書きできると思うとホッとしているよ」

──ではPFLとの対抗戦でBellatorが5勝1敗と大勝したことに関して、どのように感じましたか。

「そりゃあ、嬉しかったよ。でも、その強いBellatorファイターがPFLに大挙参戦する。つまりPFLの選手が強くなるということになる」

──これまでは2カ月、3カ月間、1人の相手に集中して調整できました。そして試合が終わると休息をし、次の試合が決まるまでは対策練習でなく自身の技量を上げるトレーニングができた。PFLのシーズンフォーマットは、まるで違います。

「ハードになる。それは絶対だ。だからこそ、新しいチャレンジになるんだ。だって、これまでにやったことがないんだから。ノウハウもない。ただケージの中でフィニッシュをし、ケガをしないこと。それってこれまでと何も変わらない。フィニッシュを狙わないことはなかったし、ケガをしても構わないなんて気持ちで戦うこともなかったから。

フィニッシュが多くなるのは、ファンにとっては良いだろう。僕自身は目の前の相手に集中すること。シーズンフォーマットだからって、この先のことを考えてケージに上がるなんてことはない。4月19日のエンリケ・バルボサとの試合しか、頭にないよ。違いは試合が終わってもハンガリーに戻らず、フロリダで次の試合に備えること。それで100万ドルを狙うことができるんだ。最高だよ。凄くタフなテストになるけど、だからこそ遣り甲斐があるってもんだよ(笑)」

──では、そのバルゾラの印象を教えてください。

「経験豊かなファイターだ。UFCとBellatorで、その強さを見せてきた。良い選手──だけど、チャンピオンになるような能力はない」

──アダム・ボリッチのカムバックとニューチャレンジ、楽しみでしょうがないです。

「ありがとう。ザ・キッドは生まれ変わった。この世界でベストの1人であることを証明したい。前回の世界タイトル戦は、コンディションに問題があった。あれがアダム・ボリッチの真の姿ではない。体調さえ100パーセントなら、僕はチャンピオンになれる力が十分にある。そう皆が思える試合を、次は見せたい」

■視聴方法(予定)
4月20日(土・日本時間)
午前7時45分~U-NEXT

■ PFL2024#03対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
ローガン・ストーリー(米国)
シャミル・ムサエフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)
ネイマン・グレイシー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
カイ・カマカ2世(米国)

<フェザー級/5分3R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
エンリケ・バルボーザ(ペルー)

<フェザー級/5分3R>
チムール・カイズリエフ(ロシア)
ブレット・ジョンズ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ラウレアノ・エスタロポリ(アルゼンチン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ドン・マッジ(南アフリカ)
ブレナン・ワード(米国)

<フェザー級/5分3R>
タイラー・ダイヤモンド(米国)
オットー・ホドリゲス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ホマン・ドゥビエンヌ(フランス)
サッド・ジーン(米国)

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45 BELLATOR Bellator CS2024#01 MMA MMAPLANET o PFL RIZIN UFC アーロン・ピコ クレベル・コイケ ジェレミー・ケネディ パトリシオ・フレイレ

【Bellator CS2024#01】ケネディ沈めたパトリシオが「この惑星で一番強い145lbsを決めよう」

【写真】苦しい展開でもチャンスを逃さないのは流石だったパトリシオ(C)PFL

<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
Def.3R4分07秒by TKO
ジェレミー・ケネディ(カナダ)

上背で優るケネディが左ジャブを狙う。パトリシオは右カーフ、ケネディの左ハイをかわしてカーフを続ける。ジャブに右を合わせにいくパトリシオは引き続きカーフを蹴り、ケネディのリードフックをかわす。ケネディは左ミドル、間合いの測り合いのなかで右ミドルを入れる。パトリシオは左インローから右カーフ、ケネディがワンツー。パトリシオが左ハイ、ここで中央を取ったケネディのテイクダウン狙いで頭が当たりブレイクが入る。

ほぼ胸に当たっており、試合はすぐに再開される。ケネディは右前蹴りも、カーフを蹴られる。ジャブを当てたケネディだが、リードを許したか。

2R、パトリシオが初回と同様に、まずカーフを蹴る。慎重な間合いの測り合いのなかで、やはり決まるのはパトリシオの右カーフだ。さらに左リードフックを入れたパトリシオが右カーフ、ケネディのワンツーをかわす。ケネディも左ジャブを届かせ、ワンツーを決めて距離を詰める。ジャブが当たると、右も当たるようになったケネディが距離を詰めていく。カーフから右のパトリシオに対し、ケネディが左ジャブを入れる。組んだパトリシオがすぐに離れ、前蹴りを掴まれると急ぎ距離を取り直す。

ケネディはカーフにも、ワンツーからダブルレッグへ。ギロチンを外してテイクダウン決めたケネディはボディロックから足を払い、反応したパトリシオのバックを伺う。正対して立ち上がったパトリシオをケージに詰め、ヒザ蹴りのケネディ。これが急所に入り、再び試合は中断された。ベルトラインと急所、どちらにも当たっているように見えたヒザ蹴り、パトリシオはしっかりと時間を使い――リスタート時点では12秒しか残っておらず、コンタクトはなかった。

3R、ケネディがカーフからジャブ、リードフックを振るう。カーフにも前に出るケネディが、右オーバーハンドをかわしてカーフを蹴る。パトリシオはカウンター狙いの姿勢を崩さず、カーフを続ける。ケネディはジャブを当て、続いてカーフに左フックでダウンを奪う。パンチを纏め、立ち上がったパトリシオをケージに押し込んだケネディがクリンチからヒザを入れる。流血のパトリシオは、右エルボーを受ける。

しっかりと左を差したケネディに対し、ケージを背負ったパトリシオがヒザを繰り出す。回って離れたパトリシオに対し、右ローを蹴ったケネディがワンツーで前に出る。右ヒザをボディに決めたケネディのMMAが回転し始めるか。と、逆に右を効かせたパトリシオがケージにつまったケネディにパンチ、ボディへのヒザ、左右のエルボー、そして左右のボディフックと攻めたてる。最後はヒザ蹴りで2発から縦のエルボーでダウンを奪うとレフェリーが試合を止めた。

「タフな相手で、あんまり覚えていないけど左パンチが良かった。今週、歩けなくなったけど神に戦わせてくれと祈った。俺はRIZIN王者のクレベル・コイケを倒した。PFLチャンピオンと戦いたい。最後にフェザー級のUFC王座を狙う。レッツゴー、やろうじゃないか。この惑星で一番強い145ポンドを決めよう」といったうえで、次の挑戦者にアーロン・ピコをコールアウトした。


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【Bellator CS2024#01】That’s MMA fighter=ジェレミー・ケネディ―02―「3つの要素のうち、2つは」

【写真】大会自体は90分後にスタート (C)PFL

1時間20分後に開始するBellator Champions Series2024#01「Belfast」でBellator世界フェザー級王者パトリシオ・フレイレに挑戦するジェレミー・ケネディ・インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

ミックスというよりも、メルト。全てが融合したスタイルの持ち主は、打・倒・極の回転でストロング・ベースを持つファイターに勝つには、打撃、レスリング、柔術の3つの局面のうち2つで相手を上回る必要があると言い切った。

<ジェレミー・ケネディ・インタビューPart.01はコチラから>


――練習をしてきた中で、このスタイルを構築するうえで影響を受けた選手はいますか。

「そうだね……。誰か一人、練習仲間で影響を受けたファイターがいるとすれば、それはビビアーノ・フェルナンデスだよ。僕とビビアーノと同じジム、彼の近くで練習をすることで成長できた。試合数はそれほど多くないかもしれないけど、トーナメントで勝ち、本当に長い間ONEの世界チャンピオンに君臨し続けていた。そんなビビアーノの背中をずっと見ていたんだ。

ビビアーノって、本当に大変な幼少期を送っていて。ファイトのことだけでなく、そこで学んだ人生哲学を色々と教えてくれた。人生の先生的な存在でもあったんだ」

――なるほど。技術的にはジェレミーのMMAは、打撃・テイクダウン・寝技に切れ目がないです。

「僕が心がけているのは、全てを使うのではなくてミックスすること。打撃とレスリング、グラップリングがつながっている。一度としてベスト・ストライカーになったことはないし、ベスト・レスラーにもベスト・グラップラーにもなったことはない。でも、この3つを融合させることなら、僕の右に出る者はいないと思っている」

――その3つを回転させ、打撃が使えるレスラーに勝てると踏んで、跳ね返されることが日本の選手には多いです。

「それは組み合わせ……チョイスの問題だと思う。対戦相手の仕掛けに、自分が何を使って対抗するのか。強いストロングベースを持つ相手に対し、上回ることをどうぶつけるのか。強豪レスラーに対し、僕は打撃と柔術で上回ることができる。柔術ファイターには打撃とレスリングで上回っている。ストライカーにはレスリングと柔術だ。3つの要素のうち、2つは相手を上回るだけの技量が必要で。3つの要素をミックスできても、劣る部分を1つというレベルにしないといけない」

――う~ん、言うは易く行うは難し――を地で行っているのがジェレミーなんですよね。

「それは僕が凄く若い頃から、マーシャルアーツの練習をしてきたからだと思う。積み上げてきたモノが違う。13歳の時に柔術を始め、カナダ、米国、タイとたくさんのジムを巡り、小さなピースを一つずつ組み合わせてきた。得意なモノだけでなく、苦手なモノもね。好き嫌いに関わらず、必要なモノを集めてきたんだ」

――なるほど。大局的なMMAではなく、ディティールにこだわって積み上げたきというわけですね。では、そんなジェレミーにとってパトリシオとはどのようなファイターでしょうか。

「この階級では少し小さいけど、凄く優秀なファイターだよ。距離の取り方が上手い、カウンターパンチャーで一発一発に力がある。なにより、これだけトップにいるから5Rの戦い方を知り抜いている。その経験が最大の強みだろう。

でもね、僕の方が全てにおいて上だ。打撃でも、レスリングでも。背中をつけさせると、戻させない。もう、僕の時代がやってきたと思っている」

――今のパトリシオはディフェンシブ・アタッカーと呼ぶべき、慎重な試合運びをすることが多いです。

「それこそRIZINでのクレベル・コイケとの試合が、最適な例だよね。今は少し安全に戦うようになった。と同時に、効果的な攻めができる。ただし僕を相手にした場合、爆発力のある試合はできないと思う。間合いを重視して、カウンター狙いという試合をしてくるだろう。テイクダウンされることを嫌がるだろうから。そこを考えて、しっかりと準備してきたよ」

――ではどのような試合を世界に発信したいと思っていますか。

「立ち技から寝技まで、フルスペックの試合を見せたい。パトリシオの打撃に応じるし、レスリングに応じて、グラップリングにも応じる。試合が5Rになるなら、それだけのガソリンが入っていることを証明する。僕の全てを見せたい」

――日本のコアファンにとって、ジェレミーのスタイルは大好物です。そんな日本のファンにメッセージをお願いします。

「Xで日本のファンとも、意見の交換をたくさんさせてもらっているんだ。僕のキャリアのゴールは日本で戦うこと。PFL傘下になってもBellatorとRIZINの関係が続いてほしい。そして、日本で戦いたい」

■視聴方法(予定)
11月23日(土)
午前1時30分~ U-NEXT

■ Bellator CS2024#01対戦カード

<Bellator世界ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
コーリー・アンダーソン(米国)
カール・ムーア(アイルランド)

<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] パトリシオ・フレイレ(米国)
[挑戦者]ジェレミー・ケネディ(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
ファビアン・エドワーズ(英国)
アーロン・ジェフリー(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ティム・ワイルド(英国)
マノエル・ソウザ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジェイムス・ギャラガー(アイルランド)
レアンドロ・イーゴ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
キアラン・クラーク(アイルランド)
ダリウス・マフィ(英国)

<フェザー級/5分3R>
ネイサン・ケリー(オランダ)
ヴィカス・シン・ルフル(インド)

<ヘビー級/5分3R>
アブラハム・バッドリー(英国)
アイザイア・ピンソン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ルーク・トレイナー(英国)
グラント・ニール(米国)

<ライト級/5分3R>
アルフィー・デイヴィス(英国)
オスカー・オウンズワース(英国)

<130ポンド契約/5分3R>
ネイト・ケリー(アイルランド)
ジョーダン・エリオット(英国)

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【Bellator CS2024#01】パトリシオに挑戦、3大メジャーで勝ち越し=ジェレミー・ケネディ「GSPの影響」

【写真】UFCとBellator、PFLの全てで勝ち越している31歳って凄いだろう(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)に英国は北アイルランドのベルファーストにあるSSEアリーナで開催されるBellator Champions Series2024#01「Belfast」でジェレミー・ケネディがBellator世界フェザー級王者パトリシオ・フレイレに挑戦する。
Text by Manabu Takashima

当初の予定ではジェイムス・ギャラガーと対戦予定だったケネディだったが、パトリシオがPFL Champ vs Bellator Champでファイトを失し、急遽ベルファーストで世界戦が決まった。昨年2月にペドロ・カルバーリョを下し3連勝としたケネディは、それ以来パトリシオに挑戦することを念頭にトレーニングを続けてきたという。

UFCで3勝1敗、PFLで2勝1敗、Bellatorで4勝1敗。世界三大メジャーで勝ち越す実力者の世界挑戦前に初インタビュー。通のファンを唸らせるジェレミー・ケネディの内側に迫った。


──ジェレミー、同サイトで待望の初インタビューとなります。この機会を得られて凄く嬉しいです。

「こちらこそ、ありがとう」

──ジェイムス・ギャラガーとのワンマッチが一転、パトリシオ・フレイレの持つBellator世界フェザー級王座挑戦となりました。パトリシオが2月24日に試合ができなかったことで、急転直下のタイトル挑戦です。

「いずれにせよ、タイトルに挑戦できるのは素晴らしいことだよ。ずっと長い間タイトル挑戦の機会を待っていた。そして1年間、彼に挑戦することを期待して、その試合のためにトレーニングを積んできたんだ。この間パトリシオはバンタム級で戦い、RIZINで戦い、本来はPFLとのチャンピオン対決と僕にその機会は巡って来なかった。それが、今回の件でいなりタイトルに挑戦できることになった。

ギャラガーと戦うことも楽しみにしていたけど、このゴタゴタがあってタイトルショットが巡ってきた。より気合いが入ったよ。凄くエキサイトしている」

──ようやく巡ってきた世界挑戦ですが、4週間の準備ということに躊躇することはなかったですか。

「いつタイトル戦のオファーが来ても良いように、通常から5Rを想定したトレーニングをやってきた。もう、ずっとね。確かに試合まで1カ月もないオファーで、ラウンドも3Rから5Rに変わる。でも去年からファブリシオ戦を念頭に、世界戦の準備のために5R用のトレーニングをしてきた。つまりコーチはパトリシオ対策を考え、パトリシオと戦うためのゲームプランを練り、パトリシオと5R戦で戦うためにトレーニングパートナーとスパーリングをしてきたんだ。ギャラガーとの3回戦からパトリシオとの世界戦、5R戦は大きな違いだけど、やるべきことは大きく変える必要はなかった」

──なるほど、です。ところでジェレミーはとても興味深いキャリアを過ごしてきました。

「どういうことだい?」

──23歳でUFCにデビューして3連勝後にアレックス・ヴォルカノフスキーに敗れ、キャリア12戦目で初黒星を喫しました。それでもオクタゴン3勝1敗、立派な成績なのにUFCを離れ、BRAVE CFとサインをしてモロッコとサウジアラビアで戦いました。なぜ、勝ち越しているUFCとの契約を更新しなかったのでしょうか。しかも、中東ベースのプロモーションに転じるというのは例がないことではないかと。

「その通りだね。僕のキャリアの積み方って、どうにかしているよね(笑)」

──アハハハハ。

「凄く若い時にUFCと契約して、3勝1敗という戦績は成功といって良いだろう」

──ハイ。

「4試合の契約を終え、契約更新の交渉が始まった。でも、凄く時間が掛ってしまっていた」

──とはいってもヴォルカノフスキー戦からBRAVE CFで戦うまで半年のインターバルしかなかったです。

「僕はまだ若かった。初めて敗北を経験して、少しでも早く勝ち星を手にしたくてしょうがなかった。でもUFCの考え方は少し僕とは違っていて、時間を掛けて交渉してきた。ちょうどコンテンダーシリーズとか、TUFとかの時期と重なって僕の試合をすぐに組もうという気はなかった。その時、BRAVE CFからコンタクトがあり、極めて良い条件で試合も多くこなせるという条件を提示してもらったんだ。

あの時点において、BRAVE CFの条件こそが僕が求めているモノだった。ただ、ずっとBRAVE CFで戦っていこうとは考えてはいなかったよ。短期間で、試合を複数こなして現状を変えたかったんだ。BRAVEで連勝した時に、PFLから2019年シーズン出場というオファーがあった。PFLはUFCに戻るために最適だと思ったんだ。それを考えると今、またPFLに戻ったことになるのは興味深いよね」

──そのPFLではプレーオフ&準決勝進出もファイナルには残れなかったですが(準決勝でダニエル・ピネダに敗れるが、ピネダが禁止薬物使用でNCに)、2勝1敗1NCでベスト4。PFLはベスト4のファイターは契約を更新しますが、ジェレミーは2020年にはBellatorに転じました。

「UFCを離れた時、僕にはマネージャーがいなかった。この時はもういて、PFLで戦う気でいた。でもコロナ禍で、知っての通りPFLは2020年の全イベントをキャンセルした。僕といえば、頻繁に試合をしてアクティブに過ごしたいという軸に変わりはなかった。だぁらマネージャーに『何かオプションはない? 長い間、試合をしないで過ごすのは避けたい』と伝えたんだよ。

その結果、2020年10月にBellatorとサインし、翌月にBellator初戦を戦った。僕はただ試合数をこなしたいだけで、PFLがシーズンを続けていれば離れることはなかった。とにかく試合を続けていれば、一度は離れてもドアが完全に閉まることは決してない。勝っていれば、また機会を訪れると考えていたよ。

Bellatorでは5試合戦って4勝1敗という状況で、PFLに買収された。僕はPFL傘下のBellatorでベルトを巻いて、防衛戦を行っていくつもりだよ」

──UFC、PFL、Bellatorの全てで勝ち越しているジェレミーですが、試合としてはハイライトリールでガンガン流れるタイプではなくて、7つのKO勝ちと2つの一本勝ちをしてなお堅実かつ安定したファイトで勝ち星を積み上げてきました。

「僕はいつだって、試合の一瞬・一瞬で勝利を手にするという意識を持ち続けている。堅実で安定したファイトかもしれない。ただし、競り合いが好きでも接戦なんて好きじゃない。だから判定勝ちした時もジャッジは30-27をつけるし、スプリットで勝つのも嫌だ。試合を支配する。ドミネイトかフィニッシュ、常に勝利を意識してきた。確かにベストファイターと戦っていると、そんな風に戦えないこともある。でも、どのような試合展開になろうとも……KO、一本勝ちだけでなく判定勝ちでも、誰が見ても僕の勝ちは明白という試合を心掛けている」

──そのようなファイト哲学を持つようになったのは、誰かの影響を受けたからなのでしょうか。それとも、それがジェレミーの気質なのですか。

「哲学というか、ごく自然にそういう動きになるんだよね。柔術家がガードを取っても、僕には通用しない。レスラーと対戦しても、簡単にテイクダウンを奪われることもない。ストライカーは、自分の戦いに僕を持ちこむことはできない。こういう戦い方になったのは、やっぱりGSPの影響が強いよ(笑)」

──あっ、納得です(笑)。

「同じカナダ人だからってことでなく、誰が相手でも完全にドミネイトするGPSの戦い方が大好きで。50-45の判定勝ちを常にするって、凄いことだよ。一方的な試合をする。そこが最高に格好良かった」

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
3月23日(土・日本時間)
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【Bellator CS2024#01】ジェレミー・ケネディと防衛戦。パトリシオ・フレイレ─02─「神に祈っている」

【写真】鈴木千裕へのリベンジ。その想いの強さが伝わってきた(C)MMAPLANET

22日(金・同)に英国は北アイルランドのベルファーストにあるSSEアリーナで開催されるBellator Champions Series2024#01「Belfast」でジェレミー・ケネディの挑戦を受けるBellator世界フェザー級王者パトリシオ・フレイレ・インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

サウジアラビアでのヘスス・ピネド戦、そしてガブリエル・ブラガ戦が消滅したパトリシオは4週間後のケネディ戦を承諾した。Bellator勢の大勝と、ケネディとの防衛戦。そして鈴木千裕への想いを尋ねた。

<パトリシオ・フレイレ・インタビューPart.01はコチラから>

──ガブリエル・ブラガへの想い、しっかりと理解させていただきました。と同時にPFLとBellatorの対抗戦という歴史的なイベントに参加できなかったことに関しては、どのような想いでいますか。

「最初に戦うはずだったヘスス・ピネドがケガをした。それは誰もコントロールできないことで。ガブリエルに関しても、同じだ。BellatorとPFLの歴史的な対抗戦で、新しいベルトを手にしたかった。だから、そこは残念でならない。ただ、大会前からBellatorファイターの方が、PLFの選手よりも力があることは皆分かっていたはずだ。対抗戦でBellatorが大勝したことは、思った通りの結果だった」

──そしてジェレミー・ケネディとの防衛戦が決まりました。その時は、どのような気持ちでしたか。

「大会の翌日に正式にオファーがあったんだ。俺にとって防衛戦はアダム・ボリッチ戦以来となる(2022年10月1日)。ジャレミー・ケネディは、いずれ戦うことになるファイターの1人だと思っていた。互いが、互いのことをもう理解している。そして4週間の準備期間がある。2人ともタイトル戦を戦うことは、何も問題がなかった。ただタイトル防衛をするために、この4週間を過ごす」

──オファーを了承するまで、どれぐらいの期間が必要でしたか。4週間といっても、本来は試合を終えて休む期間だったはずですし、試合に向けての練習が4週間増える。そしてサウジアラビアからブラジルに戻り、アイルランドでの試合になります。

「戦うことを決めるまで、少し時間は必要だった。チームの皆も同じだったよ。やはりショートノーティスで試合を受けたチヒロとのファイトが、ああいう結果に終わったことは皆が引っ掛かっていた。4週間では万全なキャンプができるというわけでもない。でも、戦うこと決めた今は、完全な4週間にするしかない。そしてベルトをブラジルに持って帰る」

──ピネド戦は3Rでしたが、世界戦は5回戦です。その辺りはどのように考えていますか。

「そこは5Rの方が慣れているから、戦いやすい。もう5回戦ばかり戦ってきた。3Rよりも5Rの方が、俺にとっては都合が良いよ」

──ではジェレミー・ケネディの印象を教えてください。

「良いファイターだ。レスリングができるストライカーだね。スマートな選手で、どうすれば勝てるのかが分かっている試合巧者だ。自分自身を分かっていることが、ジェレミー・ケネディの長所だろう。ただ、俺はファイトに持ち込んでヤツの想う様な試合はさせない」

──ケネディのグラップリングは、レスリングと柔術を融合させていると思います。ビビアーノ・フェルナンデス仕込みのグラップリングをどのように評価しますか。

「う~ん、俺と戦う時は寝技勝負はしてこないはずだ。言っただろう? ジャレミー・ケネディの強味は、自分を理解していることだって。ただヤツは寝技もできるよ。そして、寝技でも俺の方が上だ」

──5R戦は体力を温存しないといけない面もあり、3Rよりもより慎重になる傾向があるかと思います。そして、それはファンが求める試合内容ではない。特にファブシリオは数々の試合で一撃の凄まじさを見せつけてきました。その辺りも踏まえて、ケネディ戦ではどのような試合をファンに見せたいと考えていますか。

「とにかく勝利すること。それが一番大切だ。KOだとか、サブミッションだとか、あるいはコントロールしてだとか勝ち方は問わない。この腰にベルトが戻ってくることが重要で、そのために勝つ」

──ところで鈴木千裕選手が4月29日に金原正徳選手と防衛戦を行います。今、千裕選手にはどのような想いでいますか。

「俺はチヒロがタイトルを防衛することを神に祈っている。そして、フェザー級で誰がベストなのか証明するために、チヒロともう一度戦う。再戦は、俺にとってリベンジの場となる。必ず再戦を実現させ、リベンジを成し遂げる」

──パトリシオ、いつもインタビューに快く応じてくれてありがとうございます。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本のファンの皆、いつも感謝している。皆が送ってくれるメッセージは、全て読んでいる。日本に戻る時を待っていてほしい」

■視聴方法(予定)
3月23日(土・日本時間)
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【Bellator CS2024#01】パトリシオ・フレイレ─01─「チヒロとの試合を思い出さないわけはなかった」

【写真】パトリシオのリモートインタビューでの背景は、お馴染みの感じになってきた(C)MMAPLANET

22日(金・同)に英国は北アイルランドのベルファーストにあるSSEアリーナで開催されるBellator Champions Series2024#01「Belfast」でジェレミー・ケネディの挑戦を受けるBellator世界フェザー級王者パトリシオ・フレイレ。
Text by Manabu Takashima

パトリシオは本来2月24日(土・同)にサウジアラビアで実現したPFL Champ vs Bellator ChampでPFL世界フェザー級王者ヘスス・ピネドとの王者対決が決まっていた。しかし、ファイトウィークになりピネドが足の負傷で欠場となり、ガブリエル・ブラガとの対戦が発表されていた。

ところが計量の日になってブラガは父の死を引きずっているという理由で試合がキャンセルに。現地入りして激しい感情の起伏を経験したパトリシオ。ショートノーティスでの試合を受ける際に、彼が昨年7月の鈴木千裕戦を思い出さないわけがなかった。

それでも試合を受け、結果的にキャンセルとなったパトリシオにサウジアラビアで起こった出来事について訊いた。


──2月24日のPFL vs Bellator、パトリシオはローラーコースターのようなファイトウィークを送ったことだと思います。まずヘスス・ピネドとのチャンプ・チャンプ対決が行われなくなったことをいつ知ったのですか。

「サウジアラビアに着いてからだった。プロモーションの方からは試合を組む意向だと聞かされていたけど、計量の2日前になってガブリエル・ブラガと戦うことになった。でも、知っての通り試合は行われなかった」

──ピネドとの試合が無くなったと知った、昨年7月に鈴木千裕選手とショートノーティスで戦ったことが思い出されました。実際にパトリシオ陣営の人間からも『代役とは戦うべきでない』という言葉が自分の下には届いていました。ピネドが欠場になった時、代替カードに出場しないという選択肢はありませんでしたか。

「ショートノーティスでガブリエルと戦うことを決める前に、チヒロとの試合を思い出さないわけはなかった。それは今回、ジェレミー・ケネディの挑戦を受けることを決めた時も同じだったよ。短い準備期間で違うファイターと戦えば、またあの敗北のような経験をするかもしれないという考えは常にあった。

ただ結局のところ、俺はウォリアーなんだ。戦いたいという気持ちが、躊躇する考えを上回った。ガブリエル戦が伝えられた時も同じ状況で、俺だけが不利ということではないからね。だから戦うことを決めた。チヒロとの試合前は、首にシリアスな負傷があった。ヒチロは優れたファイターだけど、首の状態の悪さが敗北を招いたと思っている。

ただ手術をして、首は完治した。今は当時より、ずっと良いコンディションだ。あの手の負傷はもう2度とすることはないだろう」

──う~ん、なおさら試合を受けた理由が分かりかねるのですが。そこが日本だったということは関係していますか。

「その通りだよ。若かった頃、俺のヒーローは皆がPRIDEで戦っていた。自分にとって日本で戦うことは夢だった。日本という国で、日本に住む皆の前で戦いたかった……にも関わらず、クレベル・コイケとの試合で俺は何かを失ったような気がしていた。それもあってショートノーティス、体調も良くなかったけど俺は日本のファンの前で最高の試合がしたかった。結果として、大きな代償を支払うことになってしまったんだけどね。だからこそ、チヒロとの再戦は少しで早く実現させたい」

──あの試合を受けたことに後悔することはなかったですか。

「思ったような結果を手にすることはできなかった。ただし、あの場で戦うことを頼まれて、そこに応えない方がずっと恥ずべきことだと俺は今でも思っている」

──ウォリアーの言葉通り、地球の反対側のサムライです。

「ハハハハハハ(にっこりと笑顔を浮かべ、刀で斬る仕草を見せた)」

──鈴木選手との試合と違い、ブラガ戦は実現しませんでした。お父さんを亡くしたことは本当に悲しむべきことです。と同時に1カ月以上前にアーロン・ピコと対戦が決まっており、開催地まで来てお父さんを失ったことが原因で戦わなかったという話が伝わってきて、釈然としないというのが正直なところでした。

「計量後、ガブリエルが戦えないということを聞かされた。彼の気持ちは分かる。ガブリエルは試合を戦わなかっただけでなく、引退を決めたんだ。トレーナーとしても、彼を導いてきた父親を亡くしたことでね。自分がそんな状況に直面したら、やっぱり戦うことはできなくなるだろう」

──……。

「ガブリエルとは計量の翌日、ファイトデーの日に話をした。俺と俺のチーム、ガブリエルとガブリエルのチームの面々で揃ってグロッサリーストアに行き、食事も一緒にしたんだ。彼がこのタイミングで試合をしようと決めたのは、父親の死を乗り越えて前に進むためだった。ファイトキャンプをハードに行い。前向きに生きて行こうという決意の表れだったんだよ。そして、ガブリエルはしっかりとキャンプをやり切ったんだ。

でも飛行機に乗った途端、父親との遠征や練習、全ての思い出が蘇ってきた。ファイトウィークの練習も、減量も全て亡き父を思い出さずにはいられない。そんな精神状況に陥ってしまった。俺との試合をPFLは発表していたけど、ガブリエルはピコとの試合すら取りやめて引退することを決めていたと話してくれたよ。

でも彼のマネージメントチームは、俺との試合のオファーをPFLから受けて、そこも前向きに捉えよう。ここを乗り越えようと、彼を鼓舞した。ガブリエルも応じて、必死で父の死を乗り越えようとしたけど減量の段階になって、もう本当に無理だと悟った。結果、引退することを選んだ」

──……。

「そんな状態で無理をして戦う必要はないと、俺だって思う。俺はプロフェッショナル・ファイターだけど、正直なことを言えばガブリエルとの試合が実現しなくてホッとした部分もある。俺は彼が子供との頃から知っていて、それは亡くなった彼の父親と親交があったからに他ならない。それにガブリエルはチーム・ノゲイラ時代のチームメイトだったからね……」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
3月23日(土・日本時間)
午前1時30分~U-NEXT

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【Bellator CS2024#01】パトリシオ・フレイレがジェレミー・ケネディ相手にBellatorフェザー級王者防衛戦

【写真】これは楽しみ、そして超タフな防衛戦だ(C)BELLATOR

2月29日(木・現地時間)、PFLが3月22日(金・同)に英国は北アイルランドのベルファーストにあるSSEアリーナで開催されるBellator Champion Series2024#01「Belfast」でBellator世界フェザー級選手権試合=王者パトリシオ・フレイレ×挑戦者ジェレミー・ケネディーが組まれることを発表した。
Text by Manabu Takashima

2月24日(土・同)にサウジアラビアはリヤドで行われたPFL Champ vs Bellator Champで、パトリシオはPFL世界フェザー級王者ヘスス・ピネドと王者対決が実現する予定だったが、ピネドの負傷欠場によりファイトウィークになったガブリエル・ブラガとの対戦が発表されていた。

しかし計量の日になってブラガは父の死を引きずっているという理由で試合をキャンセル──パトリシオは戦わずして中東を去ることになった。


しかし、計両当夜には既にPFL側ではパトリシオ陣営に今回の試合をオファーし、パトリシオも納得の北アイルランドでの防衛戦に挑むことは内々で決まっていた。

同大会ではもともとケネディはジェイムス・ギャラガーと戦うはずだったが、棚ぼたでタイトル挑戦権を獲得。ケネディ戦がバラされたギャラガーは、フレイレの同門レアンドロ・イーゴとのマッチアップが五月雨式に決まっている。

パトリシオ×ケネディの世界フェザー級選手権試合は、コーリー・アンダーソン✖カール・ムーアのBellator暫定世界王座決定戦の1試合前=コメインで組まれている。なおオリジナルカードでコメインだった女子ファザー級戦=リア・マコート✖シネード・カヴァナウの一戦は前者のワキ腹の負傷でキャンセルされていた。

また同大会ではトフィック・ムサエフが、英国の進化系キックMMAファイターのアルフィー・デイビスと戦う一戦など12試合が決まっている。

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【PFL】PFL vs Bellator計量終了 二転三転──残念、怒り心頭パトリシオ・フレイレのカードは消滅

【写真】アリの孫について話してほしかった……マイク・タイソンの登壇(C)PFL

24 日(土・日本時間)にサウジアラビアはリヤドのキングダム・アリーナで開催されるPFL Champions vs Bellator Championsの計量が23日(金・同)に行われている。
Text by Manabu Takashima

実況&インタビュアーも完全にPFL ✖ Bellatorの様相を呈していたセレモニアル計量。

コメイン計量の前にマイク・タイソンが登場し「テクニカルファイト、多くのノックアウトを期待している」と話すと、メインイベントの勝者がPFL PPV第2弾でガヌーと戦うことに関して「ベストガイが戦うことになる」とコメントした。


そのコメインのミドル級でチャンプ対決に挑むPFL2023ライトヘビー級ウィナーのインパ・カサンガネイは、エブレンは無敗、最強のミドル級ファイターという評価を得ているとインタビュアーに振られると「皆が何を言おうが関係ない。自分のやるべきことをやるだけ。なら勝ってタイトルを保持し、この階級で戦い続ける」と答えた。

対してBellator世界ミドル級王者のエブレンは「俺はファッ〇ンなパンチ力があり、スタミナも十分だ。フィニッシュする。マイク・タイソンにベルトを巻かれることが待ち切れない」と非常にリラックスした受け答えをしていた。

なおオフィシャル計量結果のリリース、セレモニアル配信からフェザー級のガブリエル・ブラガ×パトリシオ・フレイレの一戦が抜け落ちていたが、日本時間の昨日午後には米国のメディアはこの試合がキャンセルされたことを伝えている。

MMAPLANETでは計量後にフレイレのインタビューを行う予定だったが、フレイレ陣営= ジョルジ・ギマリャエスBlack House代表から「試合はなくなった。ブラガが父親を亡くしたことで戦う状態にないと言っている。ピッチブゥは怒り狂っている。インタビューは難しい」という連絡が日本時間の午後4時45分(リヤド時間午前10時45分)に入っていた。

フレイレはもともとヘスス・ピネドと対戦予定だったが、ヘススが負傷欠場となり、ファイトウィークになってアーロン・ピコと戦うことが決まっていた──シーズン準優勝の──ブラガと戦うことが決まっていた。

ピネド戦に関しても、取材依頼に対してスペイン語の通訳がいないから難しいという解答がPFLサイドから先週にあり、「これは……」という空気は存在していたことは事実だ。そしてピネドの欠場をPFL関係者が認めると同時に、フレイレがBellatorに出場し始めた頃から彼を支えてきた人物から「去年の夏のRIZINのことがある。パトリシオは代替試合を受けないだろうし、今回は試合をしない方が良い」という話もあった。

よってブラガとの対戦を受けたもののフレイレも相当にナーバスになっていたのか、メディアデーは1日2度のインタビュー対応時間を全てキャンセルしていた。その結果、本当にブラガの欠場理由が父の死であれば──この不幸な事実はブラガ×ピコ戦が正式発表の前夜に起こっていた──フレイレが怒り心頭になるのも致し方ない。

いずれにせよ、PFL Champ vs Bellator Champというヒストリカルショーは日本から見れば、一番の人気者の試合がなくなったことになる。非常に残念だ。

■視聴方法(予定)
2月25日(日・日本時間)
午前2時00分~U-NEXT

■ PFL x Bellator計量結果

<ヘビー級/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ: 263.2ポンド(119.38キロ)
ライアン・ベイダー: 231.1ポンド(104.82キロ)

<ミドル級/5分3R>
インパ・カサンガネイ: 185.8ポンド(84.27キロ)
ジョニー・エブレン: 185.5ポンド(84.14キロ)

<182ポンド契約/5分3R>
レイ・クーパー3世: 182.4ポンド(82.73キロ)
ジャイソン・ジャクソン: 182ポンド(82.55キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ: 236.2ポンド(107.13キロ)
ワジム・ネムコフ: 238.1ポンド(108.00キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チアゴ・マヘタ・サントス: 205.2ポンド(93.07キロ)
ヨエル・ロメロ: 205ポンド(92.99キロ)

<ライト級/5分3R>
クレイ・コラード: 155.5ポンド(70.53キロ)
AJ・マッキー: 154.8ポンド(70.21キロ

<ライト級/5分3R>
ヘンリー・コラレス: 155.7ポンド(70.62キロ)
アーロン・ピコ: 155.7ポンド(70.62キロ)

<ライト級/5分3R>
ビアッジョ・アリ・ウォルシュ: 154.4ポンド(70.03キロ)
エマニュエル・パラシオ: 152.6ポンド(69.21キロ)

<165ポンド契約/5分3R>
クラレッサ・シールズ: 164.4ポンド(74.57キロ)
ケルシー・デサントス: 164.6ポンド(74.66キロ)

<フェザー級/5分3R>
アブドゥラ・アルカタニ: 146ポンド(66.22キロ)
デドゥコンダラ・ラオ: 145.7ポンド(66.08キロ)

<アマ・フェザー級/3分3R>
マリク・バサハル: 124.9ポンド(56.65キロ)
ヴィニシウス・ペレイラ: 129.2ポンド(58.6キロ)

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【PFL】AJ・マッキー戦前 クレイ・コラード「俺たちはBellatorのヤツらのように相手を選ぶこともなかった」

【写真】自信タップリ、そして今後への期待の高さがヒシヒシと伝わってきた (C)MMAPLANET

24 日(土・日本時間)にサウジアラビアはリヤドのキングダム・アリーナで開催されるPFL Champions vs Bellator Champions。
Text by Manabu Takashima

世界第2位と3位のMMAプロモーションの合体ショーのインパクトは凄まじい。そんな歴史的ショーの本戦、PFLにとって初のPPVイベントのメインカード第一試合でクレイ・コラードがAJ・マッキーと対戦する。

現時点でPFLファイターは、Bellatorファイターと比較すると知名度は低い。しかし、シーズン・プラットフォームというタフな状況で戦ってきたコラードは、この大会によりPFLファイターの強さが世に知れ渡ることを信じて疑っていなかった。


──クレイ、インタビューの時間を調整していただき……そして、こちらの都合で1時間ずらしていただきありがとうございます。

「全然、問題ないよ。ちょうどワークアウトの時間にあてがうことができたから」

──もうサウジアラビアに入られているのですか(※取材は13日に行われた)。

「まだ米国にいるよ。日曜日にサウジアラビアに向かうんだ」

──押忍。そのサウジアラビアではAJ・マッキーと対戦します。歴史的なショーに参戦するわけですが、どのような気持ちですか。

「ボディは信じられないほど絶好調だ。メンタル面も完全に準備ができている。メインカードの最初の試合で戦うことの意味も分かっている。俺の試合から、ショーを盛り上げるよ。歴史に名を刻む、このスポーツの頂上に位置するショーで戦うことわけだし、このまま数年間はハイエストレベルのトップ……メインで戦っていきたい。それが俺のゴールだから、今回のショーに参加できて最高にハッピーだよ」

──クレイは常にPFLで観客を沸かせてきましたが、最初の2シーズンはプレーオフに残ることができませんでした。昨年、プレーオフ進出がなったことに関してどのように思っていますか。

「PFLで戦うようになって以来、ケガも含めて色々なことがあった。でも、そこを乗り越えることができたからプレーオフ進出を果たせた」

──その2023年シーズンの際中にPFLがBellatorを買収するという話が広まりましたね。

「MMAの歴史で、最大の出来事だろう。それは皆が口を揃えていることだ。とにかくBellatorファイターがPFLとサインをするんだから、これから楽しいことがたくさん起こるとワクワクしたよ」

──日本ではBellatorファイターは、PFLファイターより有名です。米国ではどうだと感じていますか。

「PFLの方が歴史が浅いから、それはしょうがないだろう。でもPFLは世界中からタレントを発掘するなど、素晴らしい仕事をこの間にやってきた。そのなかには世界の最高クラスのファイターも含まれている。PFLファイターはもっと名が知られるようになる。俺たちが如何に優れているのかを証明する機会が、今回のショーだよ。

俺たちは6週間から8週間ごとに4試合を戦ってきた。Bellatorよりタフな状況で試合をしてきたことは絶対だ。Bellatorのスケジュールだと、ケガをおして戦うなんてことはないだろう。俺たちは皆、そこを乗り越えてファイトしてきたんだ。トレーニングキャンプ、ファイト、トレーニングキャンプ、ファイト、トレーニングキャンプ、そしてファイトを繰り返してきた。俺たちはBellatorのヤツらのように相手を選ぶこともなかった。

でもヤツらは休んで、対戦相手を選んで試合をするんだ。試合をすれば、しっかりと休める。俺たちはそんなことはなかった。どっちがタフなのかは、明らかだろう。俺は過去3年間PFLで戦ってきて、本当に強くなれた。マーシャルアーチストとして、成長してきたよ」

──今回対戦するAJはBellatorを代表する人気者です。MMAファイターとして、彼をどのように見ていますか。

「打撃が少し粗い。スクランブルが強いけど、自分よりも能力の劣る相手と戦った時にその力を発揮している。俺はヤツと比べてもクリーンなボクシングができるし、ハイキックに注意は必要だけど──マーシャルアーチストとしてウェルラウンダーなのは、俺だ。レスリングに関しても、俺はずっとレスリングとともに人生を歩んできた。ヤツがレスリングを得意としていることは百も承知だから、それだけ俺も色々と用意はしてある。どっちが本当の意味で有名で、本当の意味でスーパースターの資質があるのか試合でハッキリさせる」

──MMAは個人戦ですが、今回はPFLの看板を背負って戦います。

「俺の肩に重荷が掛かっているとは思っていない。俺はPFLでなくて、自分を代表して戦う。いつも通り、皆が熱狂する試合をするだけだ。皆が何を求めているのかは分かっている。そこをやり通すよ。ただPFLファイターが1人でも多く勝てることを願っている。俺たちは一緒にショーを盛り上げ、時間を共有してきた。ただ、俺のやるべきことはPFLの勝利のためでなくて、カシアス・クレイのショーを皆に披露することだよ」

──PFL2024年シーズンの面子がどのように振り分けられるのか分かりませんが、AJ戦後は今年をどのように戦っていこうと思っていますか。

「ライト級は去年の優勝者が戦いの場を去った。当然、何人か……4、5人はBellatorサイドから新しい顔が出場してくるだろう。ただ、今は24日の試合に集中している。AJを倒してから、これからのことを考えるよ」

■視聴方法(予定)
2月25日(日・日本時間)
午前2時00分~U-NEXT

■ 対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ(ブラジル)
ライアン・ベイダー(米国)

<ミドル級/5分3R>
インパ・カサンガネイ(米国)
ジョニー・エブレン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
パトリシオ・フレイレ(ブラジル)

<182ポンド契約/5分3R>
レイ・クーパー3世(米国)
ジャイソン・ジャクソン(ジャマイカ)

<ヘビー級/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
ワジム・ネムコフ(ロシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
チアゴ・マヘタ・サントス(ブラジル)
ヨエル・ロメロ(キューバ)

<ライト級/5分3R>
クレイ・コラード(米国)
AJ・マッキー(米国)

<ライト級/5分3R>
ヘンリー・コラレス(米国)
アーロン・ピコ(米国)

<ライト級/5分3R>
ビアッジョ・アリ・ウォルシュ(米国)
エマニュエル・パラシオ(アルゼンチン)

<フェザー級/5分3R>
アブドゥラ・アルカタニ(サウジアラビア)
デドゥコンダラ・ラオ(インド)

<アマ・フェザー級/3分3R>
マリク・バサハル(サウジアラビア)
ヴィニシウス・ペレイラ(ブラジル)

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【Special】J-MMA2023─2024、鈴木千裕「僕が突き抜ければ、日本のRIZINが世界のRIZINになる」

【写真】とにかく外連味のない返答が連続しました(C)MANABU TAKASHIMA

2024年も早くも1カ月が過ぎようというなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、こらからの1年について話してもらった。
Text by Nakamura Takumi

J-MMA2023-2024、第十八弾はRIZINフェザー級チャンピオン鈴木千裕に話を訊いた。

クレベル・コイケ戦の一本負け→ノーコンテスト後、スクランブル出場の154ポンド契約体重戦でパトリシオ・フレイレをKOして世界を驚かせ、ヴガール・ケラモフを下からのパウンドで倒し世の中を震撼させたRIZINフェザー級チャンピオンは、徹底して本物に拘り、世間を騒がせる平本蓮をぶった斬った。そして──これからも二刀流で世界を構築することを高らかに宣言した。

■2023年鈴木千裕戦績

6月24日 RIZIN43
──1R2分59秒 by 腕十字 クレベル・コイケ(ブラジル)
※クレベルの体重超過により、ノーコンテストに

7月30日 Super RIZIN01
○ 1R2分32秒by KO パトリシオ・フレイレ(ブラジル)

11月4日 RIZIN LANDMARK07
○1R1分28秒by KO ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)


──最初にお伺いしたいことは、12月10日の渋谷での会見です。アレを視た千裕選手が激高していると、実は山口(元気)会長から電話を頂いて……。「もうRIZINには出たくない」まで言っていたとか。

「あぁ……あの時は、ですね(笑)。僕のなかで大晦日って1年の締めくくりだと思ってきたんです。明確なリーグ戦ではないけど、この1年間に結果を残して……一番優秀な結果を残してきた人間のステージだと。アレを視るとそうじゃなくなっていたので、なんか方向性が変わったのかなって。『俺、こんなの出たくない』って思っちゃったんですよね。でも僕以外でも皆、思っているはずですよ」

──その大晦日、5月6日(※後に4月29日に変更)に金原正徳選手の挑戦を受けることが発表されました。

「ハイ。結果を残したヤツが出られるのが、大晦日だと勝手に僕が思っていただけで。そうじゃなくても大晦日の大会に出られるもんなんだと。それは、それで良いです。そっちの枠はそっちの枠で盛り上げてもらって、本物枠がちゃんとあった。本物枠で僕は頑張れば良い。そっちの枠がないと、そっちの層には見られない。本物枠がないと、こっちの層が見なくなる。そういうバランスの上で、大晦日は成り立っている。

あの時は腹が立ちましたけど、僕らがやっている格闘技は結果が出る。本物しか残らないですからね。だから本物枠でない奴が、本物に突っかかって来るなら──もう、殴るしかない(笑)。僕が思う本物じゃない格闘家とは、100回やったら100回勝てるって思いますね」

──その千裕選手が本物でないとした選手が、ここでMMAに本気になってくれるのか。

「皆、それで勝つ人は勝ちますし。不思議なことに口で盛り上げても、試合内容は面白くない。もう答えは出ています。だから、俺がRIZINを世界にすれば良い。本物じゃないヤツらが入ってこられない、強い外国人を日本に呼んで戦う、そうなっていけば良いと思っています」

──ズバリ、平本蓮✖YA-MAN戦はどのように映ったのでしょうか。

「あれはキックボクシングで(苦笑)。実際に平本はMMAの選手に勝っているわけじゃなくて、キックボクサーに勝っているだけで。だからMMAファイターとは言えないんじゃないですか。MMAファイターは弥益(ドミネーター聡志)さんだけで。弥益さんとの試合は頑張ったと思います。でも、怪物君(鈴木博昭)、YA-MANとの試合はほぼキックボクシングで。荻原(京平)選手、斎藤(裕)選手とMMAの選手には勝てていないわけであって。でも世間は分からないですよね。だから、別に構わないですよ」

──YA-MAN選手はしっかりとMMAの練習をしてきたと思いました。腕を差して、胸を合わせて体を入れ替えるとか。一朝一夕ではできないだろうと。

「あっ、そうッスね。でも、当たり前ですよ。していなかったら、失礼ですよ。それが仕事なのに。そうじゃないのが目立つから、当然のことをやっているだけで、しっかりとやっていると思われる。普通に新人王トーナメントですよ、アマチュアの。皆、言わないだけで心の中ではそう思っていますよ」

──そうですか!! いや平本✖YA-MANはあの距離で一定の時間、打撃戦を続けるという点において、組み技主体の日本のMMAファイターが越えないといけない壁と感じていたので感心して見てしまっていました。

「だって、MMAだから組めば良いわけで」

──組んで倒せない時、あの距離で戦うのが世界ではないですか。両者が外国人選手とあの距離で殴り合えるのか。そういうことを想像していました。

「あの人たちは、組んだら倒せる。それなのにあの距離で打ち合っているだけです。それにパンチ力がないから、怖くない」

──おお、そうなるわけですね!!

「だって一発貰うと倒されるパンチだと、近づけないですもん。でもお互いにパンチ力がないから、あの距離で打ち合っていられる。倒される怖さがないから、打ち合えるだけで。一発で『ヤベェ、殺される』となったら100パーセント、組みに行きますよ」

──去年の今頃、その言葉を聞いても半信半疑だったかもしれないですけど、2024年1月の鈴木千裕が言うと誰も反論できないですね。

「だって一発で殺されるという殺気を持っている相手が目の前にいたら……。例えば片手にメリケンサックをつけた相手と近距離になったら、絶対に組みますよね。どんな素人でも組みますよ。その怖さがないから、打ち合える。僕はその違いだと思いますよ。

クレベル(コイケ)選手とか、絶対に極められるという恐怖があるから皆、組まないじゃないですか。その恐怖心があるから、僕もいけなかった。その逆で、クレベル選手の打撃ができるバージョンだと皆、組みにいく。あの2人は、そういう怖いモノを持っていない。

別にパンチも強くないし、寝技もできないし、レスリングもできない。ならポコポコ打ち合うしかない。そうじゃなくて堀口(恭司)選手と神龍(誠)選手の試合は、組みがあって打撃もできるから面白い試合になる。展開が波打つので。

じゃあ、平本選手とYA-MAN選手の試合が波打っていましたか。打ち合って、ツー。ハイ、終り──だけ。それならキックで良くないですか」

──平本選手はポテンシャルが高いという見方をされますが、その辺はどのように思っていますか。

「ポテンシャルは皆が持っています。別に練習していないわけじゃないし、1日毎に1ミリずつでも強くなっている。だから全員にポテンシャルはあって、彼が特別なわけじゃない。全員にそれは言えることで。でも、それ以外のところが面白いから皆は買っているわけで。実力だけで言ったら、誰も買わないですよ。でもメディアとか、面白いから買っている。それが答えですよ」

──外連味のない返答が続いて、気持ちが良いです。

「いやぁ(笑)」

──千裕選手はSNSをどのように活用しているのですか。

「やりますけど、そんなにやらないですね。やんないなぁ。言い合いとかは、もうやらないです。そのフェーズは終わりました」

──なるほどです。そして金原選手とのタイトル戦が発表されましたが、5カ月先の試合が決まるというのは異例のことかと。

「僕自身はいつ戦うのかっていうことは、特に考えていなくて。その時期で要請されたので、『はい。やりましょう』と」

──この期間、どのように過ごそうと思っていますか。試合があれば、大好きなお金も入ってくるじゃないですか。

「アハハハハ。ハイ。本当は3月にキックの試合をやるつもりでした。3月、5月、6月、8月と試合がしたかったです。試合には出たいですよ。でも、もうそうはいかないので。それにチャンピオンになれば1試合、1試合に価値が生まれます。歴史に残る試合しかしたくないし、以前のようにポン・ポン・ポンと試合をすることは、もうできないんだなと思います。団体のチャンピオンは顔であり、看板です。誰とでも軽々しく戦うのも違うな、と。

だから金原選手との試合まで、もう練習だけですね。3月に入る前まではフィジカルに力を入れて、そこから競技練習を多めにしようと思っています」

──金原選手との試合はこの間にまた話を伺う時が来ると思います。なので今日は2024年の展望として、凄く気が早い話になってしまうのですが──金原選手との試合後は、どのような青写真を描いていますか。

「去年より1ミリでも前に進めればと思っています。チャンピオンになると応援してくれる方が増えます。良い人も、悪い人も増えます。加えて練習がなかなかできなくなる。そういう練習以外のことを如何に必要、不必要と分けることができるか。そこがポイントになってくると思います。

以前、魔裟斗さんと対談をさせてもらった時に、『俺はチャンピオンになって、メディアに出るようなると少し練習をしなくなった。ベルトを取られて、もう一度やり直そうとそういうことを止めて、練習をやりなおしてチャンピオンに返り咲いた』と言われていて」

──ハイ。

「そういう先人の言葉も聞かせてもらっています。僕も分かるんです、テレビに出たりメディアで露出している方が練習より楽しいです。だからこそ、練習をしないといけない。練習に軸を置いた生活をしないと。芸能人じゃなくて、格闘家なので。そこを見失うと、勝てなくなります」

──戦うステージもRIZINのチャンピオンになったので、その座を守っていくということでしょうか。

「そうですね。そこが一番です」

──MMAとキックの両方での活躍というのは、今年も?

「真面目な話、MMAとキックの両方って、皆、やれないですよ。やりたくても、やれない。両方で結果を残すことは、ごく一部の人間にしかできない。それは僕にしかできないと思っているので、そこは楽しもうと思っています。『一本に絞れ』とかいう人がいますけど、『あなた達はキックボクシングの練習をしないんですか?』、『しますよねぇ』、『それで試合に出ちゃいけないの?』って。お前はできなくても、俺はできるから。

ただ、それだけ。何も言うんじゃねぇって。そうやってきたら、結果的にチャンピオンになったわけじゃないですか。誰も文句言わないですよね」

──MMAは絶対的な世界の最高峰が存在していますが、キックは存在していません。キック・ルールの試合でも世界最高峰を目指したいという気持ちはあるのですか。

「そこは……どうなんですかね。今、言われたようにキックには世界最強に関して明確な答えがないじゃないですか。KNOCK OUTのチャンピオンになってもISKAだったり、どこどこのチャンピオンっていう風にチャンピオンがいっぱいる。逆にRIZINはシンプルで、RIZINのチャンピオンになったら日本チャンピオンっていう称号を手に入れることができる。

キックはどこの団体のチャンピオンになっても『K-1とやったら?』、『KNOCK OUTとやったら?』、『どこどことやったら?』って『たら?』がつくんですよ。でもRIZINのチャンピオンになったら日本チャンピオン──で、終わりなんですよ」

──国内の他のプロモーションで戦うとどうなるのか、という論議にならない絶対的な存在ということですね。

「そうなんです。他に競い合うことがない。キックは団体数が多すぎて……それを纏めるのは、僕なりに……KOすることだと。KO勝ちを続けて、『千裕選手、どこにいっても絶対にチャンピオンになるよね。どこにいっても誰も敵わないよね』って言われるようになれば、それが世界一だと思っています。回りを納得させるのが一番。

よく言われるじゃないですか、『ムエタイ・ルールだったら…………』って。でもブアカーオって昔、K-1最強って言われて、ムエタイでも最強って言われた。だから誰も勝てないですよ。でもヒジ有りができない選手が『ヒジ有りだとブアカーオに勝てないけど、K-1ルールだったらぁ』とかいうじゃないですか。そういうことを言わせなくするのが、やっぱりMMAのチャンピオンであり、キックのチャンピオンであること。それが世界一だと僕は思っています」

──千裕選手の言葉を借りると、今はMMAで日本チャンピオン。では世界チャンピオンを目指すことに関して、どのように考えていますか。

「それは自分を世界にすれば良い。今は日本チャンピオンですけど、僕が突き抜ければ『日本に最強がいるぞ』って海外から集まってきますよ。そうなれば日本のRIZINが世界のRIZINになる。現になっているじゃないですか。僕と戦いたいと言っているのはクレベル選手、ウガール・ケラモフ、フアン・アルチュレタ、パトリシオ・フレイレ。全員、外国人選手なので、勝手に世界に変わりつつある。KNOCK OUTもそうですよ、外国人選手が入ってきている。

だからKNOCK OUTもRIZINも世界になりつつあるんですよ。僕のなかで、僕は世界との戦いになっているんで。だから、それで良いんですよ」

──押忍。ところで、KNOCK OUT UNLIMITEDルールというのがあるのですが……。

「ハイ、知っています(笑)」

──ストライカーがMMAに転じる前にワンクッションを置くルールであると同時に、全局面の打撃が見られるルールをどのように思われていますか。

「凄く良いです。危険なところもあるし、皆が見たいところが凝縮されているというか。組んでアタックはできるけど、寝技の攻防がない。一般の人が見ても、面白いと思える究極の形なのかなって感じはしますよね」

──6月大会で2000万積めば、千裕選手の出場があるかも──と呟いている人の姿を見かけました(笑)。

「3000万でーす。アハハハハハ」

──ハハハハハ。今日はありがとうございました。また金原戦について話をお伺いに来ますので、宜しくお願いします。

「ハイ。また、お願いします!!」


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