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【Grachan68 x Brave Fight31】トーナメント決勝、櫻井隆多戦へ。青木忠秀「打ち合って負ける気はしない」

【写真】爽やかイケメン、剛拳につき(C)MMAPLANET

10日(日)に東京都大田区にある大田区産業プラザPIOで開催されるGRACHAN68 × BRAVE Fight31。メインのウェルター級トーナメント決勝で、青木忠秀が櫻井隆多と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2022年8月のプロデビュー戦から、ここまで4戦無敗の青木。1つの引き分けを挟み、3勝は全てKOによるものだ。人生を野球に捧げてきた男がMMAを始め、30歳を過ぎてプロデビューし、ベルトに手を掛けるまでに至った道程とは? さらに「球を投げる動作とパンチの動きは似ている説」を、元ピッチャーの視点から語ってくれた。


――MMAPLANET初登場ということで、これまでのキャリアをお聞きしたいのですが……まず驚くのは30歳を過ぎてのプロデビューなのですね。

「そうなんですよ(笑)。遅めのプロデビューです。格闘技を始めたのが大学に通っている頃で。それまでは小学校からずっと野球をやっていました。大学の時に野球を辞めて、格闘技を始めたのが21歳ぐらいの頃ですね」

――小学校から大学まで野球をやっていたということは、それこそエースで4番だったのでしょうか。

「いえいえ、そんなことはないですよ。ピッチャーではありましたけど高校時代は怪我もあってレギュラーに入れずに、ずっとトレーニングばかりしていて。試合で投げることはあってもエースではなかったです」

――当時の夢はプロ野球選手だったのですか。

「はい。プロ野球選手になることしか考えていませんでした」

――大阪で生まれ育ってプロ野球選手を目指した場合、阪神タイガースに入りたいと思うものなのでしょうか。

「アハハハ。実は僕の両親が巨人ファンで(笑)。大阪って阪神ファンが多いのはもちろんですけど、実は巨人ファンも多いんですよ。自分としては、どの球団に入りたいという希望はなかったです」

――失礼いたしました(笑)。高校時代にレギュラーを獲得できない状況でありながら練習は続けて大学に進んで野球を続けるというのは、それだけ野球にこだわりがあったのではないですか。

「野球が大好きだし、野球で成功したいという信念はありました。入った大学も、まず野球部のセレクション(※練習に参加したり、能力テスト等で入部できるかどうかの評価が行われる)に参加して」

――セレクションですか! そこまでして続けたかった野球を、なぜ辞めたのでしょうか。

「大学に入ってから、また怪我をしてしまい……。それと入ってみたら、考えていたような練習環境ではなかったので、野球部は辞めました。

それとは別に、ずっと格闘技は好きだったんですよ。大晦日は格闘技を視て、1年が終わる。家でも野球雑誌より格闘技雑誌のほうが多かったぐらいで(笑)。当時は五味隆典さんのファンでした。それは僕が今、パンチで倒すというスタイルにも繋がっていますね。あと格闘技を始める決め手になったのは、2004年の魔裟斗×山本KID徳郁の一戦だったんです」

――そうだったのですね。野球部を辞めたあとに、コブラ会へ入会したのですか。

「最初はシューティングジム大阪へ見学に行き、その日のうちに入会しました。当時は中蔵隆志さんが代表で、僕もアマ修斗に出てプロを目指すという方向だったんです。でも2年間ほど在籍させていただいた間に、腰を痛めてしまって。そこから何もしない時期が5~6年ぐらい続き、30歳を過ぎてプロデビューすることになったんですよ」

――大学在学中に入門して2年ということは、その頃は就職していたのですか。

「いえ、フリーターで食いつないでいました。ただ、腰の怪我だったのでアルバイトもしづらくなっていて。その時に筋トレを始めたんですよ。そうしたら腰も治りました。あれだけ痛かった状態が、まるで嘘のように。絶対に動かしたらアカンと思っていた腰を、むしろ動かしたら治ったという(笑)。

腰を痛めて何もできなかった時期も、ずっと格闘技を視ていました。UFCも公開計量の中継から見るぐらい好きで。そこで腰も治ったし、もう一度格闘技を始めようと思った時に――自分の階級で強い選手がいるジムを調べたんですよ。その時にストラッサー起一さんとレッツ豪太さんの存在を知ってコブラ会に入りました」

――それだけの繋がりがあったからなのでしょうか……。グラチャンのデビュー戦で青木選手がKO勝ちを収めた時、ケージサイド最前列で観ていたストラッサー選手の喜び方が尋常ではなかったです(笑)。

「アハハハ! あの時はコブラ会から3人が出場していて、ストラッサーさんもケージサイドから凄く声を送ってくれていました。セミで鍵山雄介さんがKO勝ちした時の盛り上がりも異常なぐらいで」

――なるほど。青木選手としては5~6年の間、全く体を動かさない状態から格闘技を再開し、プロMMAデビューに至りました。年齢も30歳を過ぎ、不安はなかったでしょうか。

「不安は全くなかったです。『いけるやろ』っていう自信がありました。その時に少しでも不安があったら、ここまで頑張ることはできなかったでしょうね。その自信も根拠がなかったわけじゃなく、やっぱり子供の頃から野球をやっていて、自分の体の状態は自分が一番分かると思っているので」

――ただ、野球とMMAでは競技として全く異なります。その点については……。

「自分の場合はMMAを始めた時に、すでに体は出来上がっていました。野球時代から走り込みも、体幹トレーニングもしっかりやっていたので。あとはピッチャーだったので、今は打撃が得意なんじゃないかと思います。投げる動作とパンチの動作って似ているところがあるんですよ」

――野球経験者のMMAファイターは、皆さんそう言いますね。

ピッチングとパンチの類似性とはーー2022年8月のプロデビー戦から右クロス一発でKO勝ち。(C)SHOJIRO KAMEIKE

「リリースポイントとインパクトの考え方とかは近いです。慣性の法則みたいな感じで、野球ではストレートを投げる時に左足をしっかり止める。MMAでストレートを打つ時も、しっかり左足を止めてパンチを出す。それが似ていると思っています」

――そうなのですね。ただ、野球の場合はピッチャー以外でも、内野手も外野手でも球を投げる動作があります。MMAでパンチを出す動作というのは、どのポジションの動作とも近いのでしょうか。

「あぁ、それは違いますね。内野手も外野手も、動きながら球を投げますから。ピッチャーの場合は、しっかり振りかぶってから左足を止めて投げる。最小限の動きのなかで最大限のパワーを生み出すのがピッチャーなので、それがパンチを出す動作に似ているんですよ。MMAで内野手や外野手のように走ってパンチを打たないですから」

――とても分かりやすいです! ではMMAを始めた時、「やりやすい」という印象を持ちましたか。

「打撃に関しては、そうですね。でもMMAは寝技があるので……。コブラ会に入った頃は、ストラッサーさんにバンバン倒されていました。それでも練習できていたのは、シューティングジム大阪の寝技クラスで基礎を教えていただいていたおかげです。あの時の経験がなければ、コブラ会のプロ練習にも参加できなかったかもしれません」

――そうした経緯を経てプロデビューに至り、いきなりグラチャンのベルトを賭けたウェルター級トーナメントに出場することになりました。

「最初に話を聞いた時に『えっ!? 自分で良いの?』という感覚はなかったです。自分としては状況がよく分かっていなかったのと、なぜか自信がありました(笑)」

――結果、ここまで一度の引き分けを挟み無敗で、3勝は全てKO勝ちを収めています。

「次の決勝戦も、櫻井選手と打ち合って負ける気はしません。リーチも僕のほうが長いし、遠い距離でも戦える。櫻井選手の得意な展開に持ち込まれないよう、相手のペースに付き合わないように戦いたいですね。
この試合に至るまで、とにかく自分と向き合って、自分に嘘をつかずに練習してきました。あとは試合で負けを恐れず、後悔しないような試合をしてベルトを大阪に持って帰りたいですね」


■放送予定
3月10日(日・日本時間)
午後1時00分~GRACHAN放送局

■GRACHAN68 × BRAVE Fight31対戦カード

<Grachan初代ウェルター級T決勝戦/5分3R>
櫻井隆多(日本)
青木忠秀(日本)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
岸本篤史(日本)
芳賀ビラル海(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
黒井海成(日本)
高橋孝徳(日本)

<73㎏以下契約/5分2R+Ex1R>
エドモンド金子(日本)
草訳駿介(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
萩原一貴(日本)
高須将大(日本)

<65㎏以下契約/5分2R+Ex1R>
久保達也(日本)
矢上諒(日本)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
木村柊也(日本)
長南崇志(日本)

<フライ級/5分2R+Ex1R>
髙橋謙斗(日本)
道端正司(日本)

<フライ級/5分2R+Ex1R>
テム(日本)
小田魁斗(日本)

<フライ級/5分2R+Ex1R>
三笠貴大(日本)
原拓郎(日本)

<フライ級/5分2R+Ex1R>
熊崎夏暉(日本)
平野紘希(日本)

<フライ級/5分2R+Ex1R>
鈴木嵐士(日本)
上田麟(日本)

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Grachan Grachan62 MMA MMAPLANET o 村田俊 鍵山雄介

【Grachan62】ケージ際の攻防。スイープ狙いで引き込む鍵山に一票。上を取った村田だがドローに

【写真】ドローに両者は御覧の表情を浮かべた(C)SHOJIRO KAMEIKE

<68キロ契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
Draw.1-0
村田俊(日本)

左右に回る鍵山の左ミドルに村田が右を合わせようとする。ローの鍵山、村田のステップインに中を取る。ワンツーフックで前に出た鍵山に対し、村田は右ストレート、左フック、そして右ミドルを繰り出す。右を振るって組んだ鍵山は、ケージに村田を押し込むも体を入れ替えられて小外を狙う。村田が許さず押し込み返し、鍵山は小外で姿勢を崩したがケージを利して耐え──試合は打撃の間合いに。

右クロス、そしてオーバーハンドを振るう鍵山は左ロー、村田はワンツーをかわされ左ミドルを食らう。村田のステップインを下がってかわした鍵山は、組まれてケージに押し込まれる。残り30秒、ボディロックから互いにテイクダウンを狙うが倒せず、最後の10秒もパンチを見せてクリンチという互角の展開で初回は終わった。

2R、開始直後にケージに押し込んだ村田がレベルチェンジ、ダブルレッグへ。引き込むように下になった鍵山はケージを背負って座った状態からギロチンでリバーサル。そのままスクランブルとなり、村田が再び鍵山をケージに押し込んだ。鍵山はダブルレッグをハーフネルソンで耐えるが、スイープ狙いで尻をつける。それでも下にされないよう立ち上がった鍵山に、執拗にダブルレッグを仕掛ける村田は結果、ネルソンからスイープ狙いの鍵山からトップを奪取しそうに。

鍵山はネルソンを軸に頭を跨いでバック狙いも、村田が右足をコントロールして前方に落とす。残り1分、ケージを使って立ち上がった鍵山の引き込みからスイープ狙いは、ここも村田が許さず同体で立ち上がり時間に。

結果、瞬時でも上を取った村田が競り勝ったかと思われたが、ジャッジ1人が左ミドルの鍵山を支持、他の2人はドローで痛み分けとなった。


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【Grachan62】田中智也戦へ弘田颯志 & 釜谷真─02─「『できるなかで一番強い相手を』と」(釜谷真)

【写真】対戦相手の田中智也はキャリア14勝3敗。確かにこの大会で戦える一番強い相手だと断言できる (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62で田中智也と対戦する弘田颯志と、所属するSWAG GYM KYOTO釜谷真代表のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

師弟ではなく、練習仲間からスタートした2人。出会った時から才能を感じ取っていた釜屋が語る弘田の強さとは。そして弘田がUFCにたどり着くための「最短距離」とは――。

<釜谷真&弘田颯志対談Part.01はコチラから>


――釜谷代表としては京都に戻ってきてすぐ、弘田選手のような意識を持っている若い世代と出会った時の印象はいかがでしたか。

釜谷 「やっぱり俺は持っている男やな」って思いました(笑)。

――アハハハ。

釜谷 空手の世界ユースで優勝していて――まだ格闘技を始めていない20歳の僕が出会ったら、どうやっても勝てないレベルじゃないですか(笑)。僕が自分に対して『これぐらいやれるんちゃうかな』と想像しながら辿り着けなかった場所に、彼は行けると思っています。

――弘田選手と出会った時、すでにMMAを戦えるレベルにあったのでしょうか。

釜谷 いや、さすがに組みのレベルがMMAを戦うレベルにはなかったです。僕は組みを消化していないMMAファイターが好きではないんですよ。

弘田 組みについては小学校の頃に、柔術をやったことがありました。でも叔父が通っていたピュアブレッド京都へ連れていってもらい、遊ばせてもらっていたぐらいで。レスリングは全く経験がなかったです。やってみると難しいし、面白かったですね。最初は組まれると、ただ暴れて逃げるもんやと思っていました(笑)。理屈が分かってくると、いろんなことが繋がってきて面白いです」

――アマチュア時代にはグラチャン・チャレンジで、レスリング出身のミランダ亜廉選手にテイクダウンからパウンドアウトされています。敗れましたが、MMAを戦っていくうえで、あの経験は大きかったですか。

弘田 正直言うと、もっと落ち着いて戦えば倒せていた試合です。今でもあの試合の映像を何回も見ています。「ここでこうしておけば……」という後悔ばかりで。自分の中では絶対に勝てた試合だったと思っています。でも空手ではああいう負け方をしたことがなかったので、良い経験でした。

釜谷 勝った相手が注目を浴びるのは当然ですが、あの試合は関西アマチュアMMAの頂上決戦の一つやったと思います。当日は、ミランダ選手と颯志君の試合だけレベルが違っていました。彼はミランダ戦以外だと左ミドルでKO勝ちしていたり。

弘田 今は階級が違いますけど(ミランダはバンタム級でプロデビュー)、もしプロで再戦することになったら、今度はちゃんと準備して必ず勝ちます。

――弘田選手は今年5月のプロデビュー戦で、鈴木嵐士選手を2RでKOしています。プロデビュー戦の感想を教えてください。

弘田 まず100パーセント負けることはない相手だと思っていて。だから「できるだけ差を見せつけてやろう」と考えていたんですよ。最初に組んだ時、「これは組みだけで勝てる」と感じて、その通りに勝ちました。本当は胴廻し回転蹴りで倒したかったんですけど。

そうは言うても、マカコ会長も若い頃は──手段がそことギロチンに二択だったとしても──思い切り、勢いありまくりの真っ新なファイトをしていました

釜谷 ここがもう違いますよね。

僕のプロデビュー戦なんて、まず勝つことに必死でした。毎試合「会場にいる全員が俺の負けと思っても良い。ジャッジ2名だけが俺の勝ちだと言ってくれればいい」と思っていましたね(笑)。颯志君のプロデビュー戦は、「試合中に怪我でもしないかぎり負けることはない。どんな試合するんやろうな」と思っていたら、僕と3年間一緒にやってきたことを見せてくれて。

弘田 はい、そうですね。あの時は釜谷さんと一緒にやってきたことを100パーセント出すことができました。

釜谷 僕としては「空手らしさを見せるんかな」と考えていました。それがしっかりとMMAをやり、組んで勝った。単純に、ただただ嬉しかったです。

弘田 あれは僕がMMAの練習を始めてから、自分がやられてきたことでした。おかげで自分も試合中に考えんでも出るぐらいまで技術が染み込んでいて。

――それほど会心の勝利を飾ったデビュー戦に続き、次は田中智也選手と対戦します。田中選手はグラチャンの岩﨑ヒロユキ代表が「本来ならフライ級トーナメントに出場して良いレベル」と称するとおり、プロ2戦目の相手としては格上すぎるようにも思いますが……。

釜谷 はい。僕も選手によっては、プロ2戦目だと対戦させない相手かもしれないです。でも僕は颯志君のMMAへの想いを聞き、最短距離で頂上に行かせたい。デビュー戦が終わった直後、岩﨑さんに「次に試合ができるなかで一番強い相手をぶつけてください」とお願いしました。次は間違いなくデビュー戦よりタフな試合になるでしょう。でも颯志君がデビュー戦と同じような勝ち方ができる可能性も高い。なら、やるしかないですよ。

弘田 釜谷さんがそう考えてくださっているのが本当に嬉しいです。釜谷さんが交渉してくれているのを見て、自分が何のためにMMAをやるのかって改めて分かりました。僕としては次の試合が勝負やとは思っていません。いつも練習している釜谷さんや福田龍彌君のほうが強いし、僕が集中して臨むことができれば負けることはないです。

福田の王座戴冠も、一緒に体感した弘田

釜谷 ここ数年の中で一番、福田君と戦っているのが颯志君やと思いますよ。

同じフライ級で、福田君のセコンドにも就いていますしね。

――それは楽しみです。先ほど「最短距離」と仰いましたが、何試合目あるいは何年後にUFCへ辿り着きたいと考えていますか。

釜谷 それに関しては正直何とも言えないです。ただ、最初に会った時に「UFCに行きたい」と言われても、それは無理やと思いました。でも今はあと3試合ぐらいKO勝ちして、来年RTUが開催されれば、颯志君も選ばれるんじゃないかと考えています。それが今の僕たちにとっての最短距離ですね。次の対戦相手を倒す前提で喋っていて申し訳ないけど、3戦目は国内のチャンピオンクラスと対戦させたいです。

弘田 僕も毎試合そのつもりで準備しています。次はテイクダウンがしつこい選手ですが、最初だけ注意して自分の展開に持ち込みたいです。まだまだ足りひんところもあるけど、少しずつ目標に辿り着けるように頑張りますので、宜しくお願いします」

■Grachn62視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

■Grachn62対戦カード

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
小川道的(日本)

<無差別級/5分2R>
ハシモト・ブランドン(ブラジル)
岡本純一朗(日本)

<68㎏以下契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
村田俊(日本)
※当初、鍵山と対戦予定だった室井大勢が怪我のため欠場に。対戦相手が村田に変更となった

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀(日本)
モリシマン(日本)

<フライ級/5分2R>
弘田颯志(日本)
田中智也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
上田拳翔(日本)
遠塚浩希(日本)

<ストロー級/5分2R>
藪本龍作(日本)
大貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
中嶋紳乃介(日本)
有田一貴(日本)

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【Grachan62&MMA甲子園】「いま僕が死んだら、グラチャンはなくなる。でもMMA甲子園は、僕が死んでも残るものでないといけない」岩﨑ヒロユキ-02-

【写真】素晴らしい覚悟のある言葉です (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62を前に、岩﨑ヒロユキ代表がMMA甲子園の実行委員長に就任した。
Text by Shojiro Kameike

プロ興行のグラチャンと、グラチャンのもとで開催されるアマチュア大会グラチャン・チャレンジとの関係、大阪でのアマチュア展開など岩﨑代表の想いを訊いた。

<岩﨑ヒロユキ・インタビューPart.01はコチラから>


――MMA甲子園の話に戻りますが、階級と減量についてはどのようにお考えですか。現状、MMA甲子園で設定されている最も軽い階級はフライ級です。高校生の場合、ストロー級が最適な選手もいるかと思います。

「階級については悩みました。実行委員会の皆さんとも相談していて――たとえば身長×体重でレギュレーションを考えるとか。でもMMA甲子園はアマチュア大会で、当日計量ですし、何をどうやっても減量はするわけじゃないですか。となると選手に無理な減量をさせたら所属ジムにペナルティを課すなどの対応を検討しています」

――まだ体が出来上がっていない段階で大幅な減量をしてしまうと、その後の身体形成に関わってきますからね。

「それは実行委員会と所属ジムが二人三脚でやっていくしかないです。実行委員会としても常に目を配っておかないといけない問題で。減量については選手ではなく、所属ジムの問題として捉えます。何かあれば所属ジムにも問題意識を持ってもらうように、実行委員会としても指導していくしかないですね」

――高校生の大会を開催するためには、プロ興行も問題意識を持たなければいけないと思います。キッズから高校生までが目標としてくれるようなプロ興行を開催すること。アマチュア大会だから厳しい、プロ興行だから緩い……ということは、あってはいけないわけで。

「計量について言えば、人間だから誰でもミスすることはあります。ミスした時にどうするのか。グラチャンに関して言うと、計量オーバーしたら次は同じ階級でオファーしません。いつも計量をクリアできるかどうか危ない選手には、常に指導し続けています。誰かは名前を出せないけど(笑)。

MMA甲子園では、そういった規約を明確にしておいたほうが良いでしょうね。一度計量オーバーしたら、二度とその階級で出場することはできないとか。そのためにもプロ興行を正しく運営していかないといけない、という意見は分かります」

――では、プロ興行においてタトゥーをどうするのか。MMA甲子園ではタトゥーが入っている選手は試合に出場できない。でもプロ興行なら良いのか。近年はタトゥーを入れることも一般的にはなってきましたが、アマとプロの関係を考えると問題は残ります。

「MMA甲子園ではタトゥーが入っている場合、オフィシャルのラッシュガードを購入してもらいます。ということは、それだけお金が掛かってしまいますよね。高校生にとっては決して安くない金額です。余計なお金を掛けたくないなら最初からタトゥーを入れない、という考えを持ってもらいたいですね。

一方で、プロは仕方ない面もあります。今はYouTubeでMMAを観ると、国内でも海外でもタトゥーが入った選手ばかりで。だからこそ、MMA甲子園なんですよ。『ラッシュガードを買わなきゃいけないなら、タトゥーを入れるのは止めようかな』と思ってくれる高校生が増えてくれたら――タトゥー問題に対して、MMA甲子園が少しでも抑止力になることができたら嬉しいです。もちろんタトゥーはファッションだし、高校を卒業して20歳を過ぎたら自分でどうするか考えれば良くて。もう大人ですからね。でもせめて……高校生の間は、その時の気分でタトゥーを入れるのは止めてほしい」

――タトゥーが入っている選手のみがラッシュガード着用で、相手がラッシュガードなしだとアンフェアになりませんか。

「そうですね。もともとラッシュガード着用については道徳面を優先して考えました。ただしフェアにならないというのは、そのとおりです。両方ともラッシュガード着用にするか、相手がラッシュガード着用でもOKした場合に試合を認めるか等、今後の検討課題ですね」

――MMA甲子園を開催することで、グラチャンは何か変わりますか。

「あくまで別組織なので、MMA甲子園に紐づいてグラチャンを何か変えないといけない、ということはないです。先ほど言ったとおり、計量については今のやり方を貫いていきます。たとえ選手にとっては厳しくても」

――分かりました。ではプロ興行のお話に移りますが、7月23日は前回の大阪大会と比べるとタイトルマッチもなく、関西の選手が中心となっています。

「大阪で大会を行うかぎり、大阪の選手が出ないと意味はないですからね。僕としては、いずれ大阪大会は関西の選手だけで試合を組みたいと考えています。これは書いてくれて良いけど、今回は手塚基伸と海外選手の試合を組む予定でした。でも海外選手が出場できなくなってしまって……」

――それは残念です。手塚選手と海外勢の試合は見たかったですね。

「今大会でいえば、第一試合に出る有田一貴選手はグラチャン・チャレンジ(以下、GC)を経ている選手です。来年は大阪大会でも、もっとGC出身選手がプロデビューすると思います。ようやく撒いてきた種が実を結びつつあるんですよね。

繰り返しになりますが、僕は選手にプロデビューしたことを後悔してほしくなくて。今まで、いろんな選手を見てきました。正直、グラチャンも初期は『プロかどうか』というレベルの選手も出ていたと思います。そういう選手が負けて、格闘技を辞めてしまう姿を見てきたんです。

彼らもアマチュアだったら格闘技を続けていたかもしれない。プロデビューするからには辞めてほしくないので、まずアマチュアで経験を積んでほしい。そう思っているからこそ僕もアマチュアにこだわっているのかな、って思います」

――MMA甲子園に出場した選手が芽を出すには、何年かかると思いますか。

「最低、3年はかかるんじゃないですか」

――MMAだけでなく、それこそ格闘技界だけでなく日本全体が経済的にも厳しい状況にあります。そのなかで高校生の大会を、いかにして3年以上続けていくか。

「だからこそ、各支部の力が必要なんです。僕ひとりだけでは絶対に無理ですよ。いま僕が死んだら、グラチャンはなくなるでしょう。でもMMA甲子園は、僕がいなくなっても残るものでないといけない。だから、しっかりと組織として固めていきたいです」

――グラチャン、GC、MMA甲子園以外にも今年開催された『J-MMAルーキーカップ』があります。

「ルーキーカップは10月8日が決勝で、来年も開催しますよ。これから各プロモーターの方々に相談します。今年は春に1回戦を行いましたが、来年は夏以降のスタートになるかもしれません。MMA甲子園の全国大会が来年に2月の開催予定ですからね。今後も楽しみにしていてください」

■Grachn62視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

■Grachn62対戦カード

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
小川道的(日本)

<無差別級/5分2R>
ハシモト・ブランドン(ブラジル)
岡本純一朗(日本)

<68㎏以下契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
村田俊(日本)
※当初、鍵山と対戦予定だった室井大勢が怪我のため欠場に。対戦相手が村田に変更となった

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀(日本)
モリシマン(日本)

<フライ級/5分2R>
弘田颯志(日本)
田中智也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
上田拳翔(日本)
遠塚浩希(日本)

<ストロー級/5分2R>
藪本龍作(日本)
大貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
中嶋紳乃介(日本)
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【Grachan61】高橋孝徳とフェザー級王座決定T決勝、小島勝志─01─「いわゆるギャングをやっていました」

【写真】ギャングをやっていました──と、サラっといえるのが何となく凄い (C)SHOJIRO KAMEIKE

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、小島勝志×高橋孝徳によるフェザー級王座決定トーナメント決勝戦が行われる。
Text by Shojiro Kameike

山本琢也が返上したフェザー級王座を賭けて、昨年8月よりスタートしたトーナメント。小島は1回戦で和田健太郎を、準決勝で鍵山雄介をそれぞれKOで下して決勝に進んだ。地下格闘技からプロMAファイターへ――山梨県在住のプロファイターとしてのキャリアについて訊くと、スタートは和術慧舟會のバックテイク& RNCだった。


――今回が初インタビューとなります。まずキャリアについてお聞きしたいのですが、MMAだけでなく格闘技を始めたのは、いつ頃なのでしょうか。

「23歳ですね」

――他の競技を経験したのちに23歳ごろからMMAを始める選手もいるかとは思いますが、かなり遅いスタートではないですか。

「アハハハ。特に昔から格闘技が好きだったわけでもなくて。成り行きというか、日常がつまらないと思って、23歳の時に初めて山梨にある和術慧舟會フォーランバス(現在は和術慧舟會ではない)というジムに入会したんです」

――23歳まで他のスポーツ経験はあったのでしょうか。

「小学校からサッカーを始めて、中学時代はクラブチームに入っていました」

――クラブチームということは、Jリーグを目指すようなサッカー選手だったわけですね。

「はい……。でもサッカーは中学まででした」

――そのまま高校に進学して、サッカーを続けようとは思わなかったのですか。

「それが――ちょっとグレてしまったんです(苦笑)。サッカーも中3ぐらいから、やる気を失っていました。高校も定時制には入ったけど、それもすぐに辞めて。16~18歳まで、いわゆるギャングをやっていたんですよね。でも20歳になった頃、もうケンカとかは辞めて仕事をし始めたのですが、日常には不満があって……。その頃に地下格闘技というものがあると知ってジムに入ろうと決めた、という経緯です」

――23歳から地下格闘技へ!

「定時制の高校を辞めてから建設業をやっていたんですよ。それで23歳の時に独立しまして。それで『一つ目標が達成した』という気持ちがありました。本当は、独立してからもっと頑張らないといけないですけどね(笑)。それで次の目標を見つけたい――という時に格闘技と出会いました」

――ただ、K-1やPRIDEを中心とした格闘技ブーム全盛期は知らなかったのですね。

「当時流行っていたとは思いますけど、全く知らなかったです。それよりはアウトサイダーや地下格闘技のほうを知って。でも、元々ファンだったわけではなかったです」

――そこで小島選手をMMAに向かわせた要因は何だったのでしょうか。

「ネットで検索して和術慧舟會フォーランバスに入門した初日に、寝技オタクみたいな人たちにやられて。絶対負けたくない、その気持ちが原動力になりました(笑)。そこから、どっぷりと格闘技に浸かっています」

――そこから地下格闘技は何試合、経験しているのですか。

「細かくは覚えていないですけど、50~60戦ぐらいはやったはずです。 2週連続で試合したり、1カ月に4回出場したこともありましたよ。戦績は……地下格闘技で負けたのは10回ぐらいで、ほとんど負けていなかったと思います」

――地下格闘技時代の試合映像も拝見すると、当時から今のスタイルに繋がる、しっかりと右のナックルを急所に当てる技術を持っていました。てっきり空手や他の打撃競技をやっていたのかと思っていたのですが……。

「ありがとうございます。もともとは打撃をやりたくて。近所にキックボクシングのジムがあったんですけど、なぜか入ることができませんでした。次に近いのが、車で45分ほど行ったところにある和術慧舟會フォーランバスで。そこに入ったものの、打撃はやらせてもらえませんでした(笑)」

――そこで和術慧舟會に入ったおかげか、地下格闘技時代からバックテイクは慧舟會スタイルでしたね。首に腕を回すと同時にスッとバックに回るという。

「そうなんです! 今までのキャリアの中でも、寝技のフィニッシュはRNCが一番多くて。あのやり方をジムの代表に教わっていました」

――なるほど、合点がいきました。一方、打撃面はどのように練習していたのですか。

「特に誰かに教わったというのはないです。友達とミットを持ち合っていたぐらいで、動画を見て研究するタイプでもなかったですし。なんとなく――ですね」

――その後、地下格闘技団体の王者になってから次の道は、どう考えていたのでしょうか。

「次はプロでやりたいと思って、池袋のブルードッグジムへ行かせてもらうようになり、プロを目指して練習していました。東京ではスカイライブRにも行かせてもらって」

――スカイライブRとは、魔裟斗さんのトレーナーを務めていた土居進さんのパーソナルトレーニングジムですよね。

「はい。スカイライブRにはコロナ禍になるまで、週1で山梨から通っていました。僕は集団のクラストレーニングに参加していて、とにかくキツかったです。おかげでスタミナ面では、5分2Rフルで戦える自信はつきました。それまで山梨では経験したことのなかったトレーニングで、衝撃を受けましたよね。K-1に出場されている選手もたくさん来ていて、『これぐらいトレーニングしないとプロでは勝てないのか』と実感しました。そういうところは、すごく大きな影響を受けています」

――その経験から東京に拠点を移そうとは考えなかったのですか。

「実は一時期、東京に住んでいました。でも当時、格闘技へのモチベーションが落ちてしまったんですよ。GRACHANで咲田ケイジ選手に負けた試合(2015年9月、ギロチンで一本負け)と、地下格闘技を含めて4連敗して山梨に戻りました。いま考えると、『もう格闘技は辞めてもいいかな』という気持ちだったと思います」

――そこまでモチベーションが落ちたにも関わらず、再びケージの中に戻ってきた要因は何だったのでしょうか。

「地元では昔からの練習仲間が、変わらず車で片道45分かけて練習していました。そんな彼らのために、近くに良い練習環境をつくりたくて、自分のジム(スタイルプラスジム)を立ち上げたんです。そして彼らと一緒に練習しているうちに、自分も続けようと思いました。

ただ、その後はパンクラスに出ていて、なかなか勝てませんでした。自分としてはジムを軌道に乗せないといけないし、建設業もやっていたので徐々に仕事のほう重きを置くようになって……。そんな時に、グラチャンの岩﨑(ヒロユキ代表)さんから、『最近試合していないけど、どうしたの?』と連絡を頂いたんです。

そして『グラチャンに出るならチャンピオンを目指して、しっかりやっていこう』と言われました。おかげで僕も気持ちを切り替えて、グラチャン王者を目指すことにしたんですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

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【Grachan58】イ戦前の伊藤空也─02─も注目トーナメント「無差別級は桜井選手、フェザー級は小島選手」

【写真】伊藤空也がファン目線で当日行われる両トーナメントの見所を話してくれた (C)MMAPLANET

4日(日)、千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示10ホールで開催されるGRACHAN58で、韓国のイ・ハンヒョンと対戦する伊藤空也のインタビュー後編。

昨年、手塚基伸に敗れバンタム級のベルトを手放した伊藤が、この1年の取り組みを語る。さらに現在行われている無差別級&フェザー級についても、GRACHANファン目線で紹介してくれた。

<伊藤空也インタビューPart.01はコチラから>


――以前は柔術の練習を、そこまで取り入れてはいなかったのですか。

「4年ぐらい前まで長野県にいて、当時は毎週やっていました。でも関東に来てからは、そんなに柔術に触れる機会もなくて。どちらかといえばレスリングとグラップリングが中心になっていたんですよね。BRAVEジムでトライフォース柔術アカデミーと連携した柔術クラスが始まったので、去年から参加するようにしました。そこで改めて柔術の奥深さ、寝技の基礎の大切さをイチから学んでいます。そうして迎えたのが魚井戦だったので、自分のやるべきことはやれたんじゃないかと思っています」

――柔術クラスで学んでいるのは、MMAの中の柔術ですか。それともベーシックなブラジリアン柔術をイチから学んでいるのでしょうか。

「純粋なブラジリアン柔術を教わっています。柔術をやることによって、組んでも落ち着いて対処できるようになりますよね。しっかりと際の展開で、一つひとつ組み立てていくことができる。相手が仕掛けてくることを、一つひとつ潰していける。そういう動きが身体に染みついてきました。あとはムエタイのウィラサクレックジムさんへ行って、首相撲の動きも取り入れています」

――柔術だけでなく、ムエタイも! すると、この1年で動きは大きく変わったのではないですか。

「そうですね。動きも変わったし、打撃に関しては去年の倍は研ぎ澄まされていると思います。得意なところは伸ばし、苦手なものは一つひとつ潰して――ということをやってきたので。技に深みが出て来たような感じがあります」

――なるほど。プロモーターサイドやファンからすれば、獅庵戦と金太郎戦を経て、これからも伊藤選手には同じような……むしろ、それ以上の激闘が求められるかもしれません。しかし現在、伊藤選手が取り組んでいることは、そうした激闘とは方向性が異なる部分もあります。そこに葛藤はないですか。

「MMAなので、その激闘とは違う見せ方がありますからね。ただ、僕自身も練習ではスマートな動きができるのですが、試合だと激しい展開になっちゃうんですよ(苦笑)。自分で意識しているわけではなく、試合中のテンションでそうなってしまいます。やっている動きは、練習してきたものなんです。だからテンションの問題か……。

でも魚井戦は、激闘にならなかったけど、相手の動きを潰して完封できました。試合のない期間は、ずっとスマートな動きを試合で出せるように練習してきたので、あとはしっかりと試合で見せるだけですね。自分でも未知数な部分はありますが、自信はあります」

――魚井戦はリングで行われました。リングで出せたことをケージで出せるか、あるいは同じことをやっていいのかどうかは一つの課題ではあります。

「はい。でも今はずっとケージを想定して練習しているので、次のイ・ハンヒョン戦では新しい自分を見せることができると思います。相手がキックボクサーになったのも、これまでムエタイをやってきた成果を見せるチャンスなのかな、って。結果的に良かったんじゃないですか。今はONEのオープンフィンガー・ムエタイを結構見ていて、それに近いものが見せられるんじゃないかと思います」

――それは次の試合がとても楽しみです。次に伊藤選手の試合以外のお話を伺いたいのですが、グラチャンで他の試合はチェックされていますか。

「はい。グラチャン放送局でチェックしています」

――グラチャンでは無差別級とフェザー級のトーナメントが開催されており、今回は同じ大会で準決勝戦が行われます。いちGRACHANファンとして、各トーナメントに対する印象をお願いします。

「無差別級は怪物みたいな選手が揃いましたよね。やっぱり僕たちは無差別級の試合に魅力を感じて、格闘技を始めた時代じゃないですか。だから今でも無差別級に求められているのは、そういう怪物性だと思うんです。そんな試合をグラチャンで実現してくれるのは、観ていてワクワクというか、ゾクゾクします。ファン目線で見ても楽しみですね」

――組み合わせは前日の計量時に決まるとのことですが、準決勝に勝ち上がった4選手の中で誰が勝ち上がると思いますか。

「僕が注目しているのは、桜井隆多選手です。もともとウェルター級で戦っていた選手が無差別級に出場していて。前回の試合も体格差があるのにパンチで仕留めて――まるでドラマを見ているようでした。僕自身も昔から見ていた選手なので、思い入れもあります。桜井選手ってカッコイイんですよね。

変わらない強さの中に、進化しているところもあって。そこでヘビー級に挑戦する生き様がカッコイイ、僕もすごく憧れている選手です。MMAの経験はダントツじゃないですか。トーナメントに出場している他の選手と比べても、一番ケージでの戦い方が分かっている試合内容だと思うんですよね。だから僕の考えではありますけど、桜井選手が優勝に一番近いんじゃないかと思っています」

――フェザー級トーナメントはいかがでしょうか。

「フェザー級は小島勝志選手に注目しています。僕は和田健太郎が決勝に行くのかな、と考えていたんですよ。でも小島選手が和田選手を相手に、あれだけパンチとボディブローで試合をつくっていって、最後はTKOで仕留めた。対レスラーの試合としては、理想的な勝ち方だったと思います。その和田戦を見ても、今までの試合と比べてさらに強くなっていましたから。これまでも打撃の強さは見せていましたが、さらにレスリング技術もプラスされて、際の部分でも綺麗に戦っていて。全局面で強さを感じました。

あと、小島選手は山梨県在住で、僕は長野県出身じゃないですか。同じ地方出身者として、ファン目線で応援してしまいます。しかも地元で自分のジムも出していて、自分の練習もしながらトーナメントで勝ち上がっていく。そこで優勝するストーリーに期待してしまいますね」

――最近では首都圏以外の選手が勝ち上がるケースが、どんどん増えています。

「桜井隆多選手もそうですよね。そういう意味では、僕は関東にいる立場ですけど、地方をナメんなよって気持ちがあります。で、それこそグラチャンがやってきたことじゃないですか。地方の選手が首都圏でチケットを売れるわけじゃない。でも大阪もそうだし、北海道でも大会を開催し、地方でも活躍した選手を首都圏の試合に呼んでいて。僕もファイトマネーをもらう限りは、そのぶん皆さんが見に来てくれるように頑張ります」

■視聴方法(予定)
12月4日(日)
午後4時30分~ GRACHAN放送局

■ Grachan58対戦カード

<ウェルター級/5分2R>
川中孝浩(日本)
渡辺良知(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
イ・ハンヒョン(韓国)

<ライト級/5分2R>
ルクク・ダリ(コンゴ)
林RICE陽太(日本)

<Grachan無差別級準決勝/5分2R>
桜井隆多(日本)
瓜田幸造(日本)
荒東 怪獣キラー 英貴(日本)
ハシモト・ブランドン(ペルー)

<Grachanフェザー級T準決勝/5分2R>
小島勝志(日本)
高橋孝徳(日本)
崎山勲(日本)
鍵山雄介(日本)

<ライト級/5分2R>
岸本篤史(日本)
渡辺和幸(日本)

<無差別級/5分2R>
上田幹雄(日本)
ソン・ムジェ(韓国)

<柔術/5分1R>
村田良蔵(日本)
田中義篤(日本)

<フェザー級/5分2R>
萩原一貴(日本)
黒井海成(日本)

<無差別級/5分2R>
石川廉(日本)
田馬場貴裕(日本)

<バンタム級/5分2R>
YO-HEI(日本)
ロバ・モー(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本尚大日本)
佐々木歩夢(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本大輔(日本)
安部路人(日本)

<フライ級/5分2R>
水谷健人(日本)
金井一将(日本)

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【GRACHAN58】極真世界王者=上田幹雄のMMA2戦目が決定。韓国のソン・ムジェと対戦

【写真】上田のプロ2戦目がグラチャンのケージに決まった。世界王者とはいえ別競技、基礎工事となる時間を大切にしてほしい (C)MMAPLANET

8日(火)、12月4日(日)に千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示10ホールで開催されるGRACHAN58に極真空手・第12回全世界空手選手権大会優勝の上田幹雄が韓国のソン・ムジェと対戦することが発表された。

2013年に全日本ウエイト別、2018年に全日本、2019年に世界大会を制し、2021年4月に百人組手に挑戦も60人目でドクターストップとなり八巻建志以来となる史上2人目の極真グランドスラムを逃した上田は、昨年9月にMMA転向を発表した。


その5カ月後にMMA転向を発表し、BRAVE所属なり今年の4月にRIZINでデビュー戦を戦った上田。しかし、高阪剛の右フックに倒されパウンドアウト負け──打撃で敗れるという厳しい船出となった。

7カ月を経てケージでMMAを戦うこととなった上田の相手ソン・ムジェは全く実体が知れないが、今回がプロデビュー戦で韓国のセミプロで6戦6勝とリリースには記されている。

既に桜井隆多、荒東英貴、瓜田幸造、ハシモト・ブランドンが出場する無差別級トーナメント準決勝。小島勝志、鍵山雄介、高橋孝徳、崎山勲が戦うフェザー級トーナメント準決勝、
川中孝浩✖渡辺良知のウェルター級戦、ライト級のルクク・ダリ✖林RICE陽太、バンタム級ではチャンピオン伊藤空也とキム・ヒョロンなどが決まっている同大会。今日のリリースでSJJJF(スポーツ柔術日本連盟)提供の柔術マッチ=村田良蔵×田中義篤という柔術マッチが実現することも明らかとなっている。


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Grachan56 MMA MMAPLANET o 大搗汰晟 鍵山雄介

【Grachan56】大搗が得意の袈裟固めから仕留められず、ベテラン鍵山雄介が逆転のパウンドアウト

【写真】ベテランが若手に逆転勝利、会場はおおいに沸いた(C)SHOJIRO KAMEIKE

<フェザー級トーナメント1回戦/5分2R 延長1R>
鍵山雄介(日本)
Def.3R1分25秒 by TKO
大搗汰晟(日本)

ともにサウスポー。鍵山の左フックに合わせて組みついた大搗が、相手の頭を叩きつける形でテイクダウンを奪う。そのまま得意の袈裟固めで抑え込む大搗。鍵山は左右にエビ、ブリッジを試みるが返すことができない。そのままラウンド終了まで大搗が袈裟固めからパンチを落とし続け、ゴング直前で相手の首にプレッシャーをかけていった。

2Rは鍵山が右フック、右ミドルハイ、左右のミドルと打撃で攻め立てる。相手の右ミドルをキャッチした大搗が、またも大外刈りから袈裟固めへ。しかし今度は鍵山がエビで体をスライドさせ続け、立ち上がる。大搗は組みついてきた鍵山を、再びグラウンドに引きづりこんだ。

鍵山はハーフガードから潜ってスクランブルへ。ここは大搗が制したが、鍵山が再びハーフからスイープを仕掛け、トップを奪った。ハーフガードを取る大搗にパンチを連打する鍵山。大搗は前に振り落とそうとするも、そのまま鍵山が殴り続けてラウンドを終えた。

判定はドローで延長戦へ。開始早々から、スタミナの切れた大搗を右ハイと右フックで攻め立てる鍵山。右、右と攻めた鍵山が、ケージ際で左ハイを繰り出すとクリーンヒット。ダウンした大搗を鍵山がパウンドアウトした。

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Grachan56 MMA MMAPLANET o UFC コナー・マクレガー ミランダ亜廉 中村倫也 大宮優 大搗汰晟 林RICE陽太 海外 鍵山雄介

【Grachan56】「100キロぐらいまでならバック投げも」。デビュー戦欠場、ミランダ亜廉が語っていたこと

【写真】非常に残念な欠場だが、このご時世では致し方ない。男前の仕切り直しの時を待ちたい(C)GRACHAN

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan56の第1試合に出場予定であったミランダ亜廉は、コロナウイルス感染のため欠場が発表された。
Text by Shojiro Kameike

MMAPLANETDではコロナウイルス感染が分かる前のミランダにインタビューを行っていた。試合はなくなってしまったが、幼少期からレスリングを学び、アマチュア時代に相手を投げまくったことで注目を浴びるミランダの、MMA英才教育ぶりを知ってほしい。


――プロデビュー戦を目前に控えた現在の心境はいかがですか。

「いつもと変わらずリラックスできています」

――MMAの前はレスリングをやっていたそうですね。

「幼稚園の頃からやっていました。自分自身では始めたレスリングを始めた頃の記憶はないのですが、親が言うには、いろんな習い事をやってみたなかでレスリングが一番楽しそうにやっていたそうです。自分の記憶としては小学校1年生の時ですね。スパリング中にヒザの靭帯を痛めてしまって……」

――それが最初の記憶ですか! ヒザの靭帯とはハードですね。

「それが最初に強く印象に残っていることです。すごく痛かった記憶があります(苦笑)」

――小1でヒザの靭帯を痛めると、その時はレスリングを辞めたくなりませんでしたか。

「メチャクチャ辞めたかったですね(笑)。小学校の時は何百回も、レスリングを辞めたいと親に言っていました。毎日練習漬けで、友達と遊びに行く暇もなくて。そういう周りの友達を見ていると、うらやましかったです。自分も自由になりたいなぁと」

――他のスポーツには興味はなかったのでしょうか。

「バスケには興味があったのですが、チームプレイには向いていないことが自分でも分かっていまして。親からも、もうちょっと続けなさいと。父は、僕がレスリングを辞めないように大きな夢を創ったんですよ。オリンピックに行くという夢ですね。まずそこまで頑張ろうかということで、なかなかレスリングを辞めさせてくれませんでした(笑)」

――ミランダ選手は今年20歳ということで、目指していたのは東京オリンピックではなく、2024年のパリ五輪だったのですか。

「そうです。でも現実的に考えると、レスリングでは無理だなと諦めてしまいました。高3年の時に、リオ五輪で活躍した選手や東京オリンピックに出場する選手と試合をして、あっさり負けてしまうことがあったんです。ここから自分が五輪レベルの選手になるのは、相当時間かかりそうやなと、メンタルが折れてしまいましたね」

――なるほど……。ミランダ亜廉という名前は、お父さんかお母さんが海外の方なのですか。

「父が米国で、母が日本人です。生まれも育ちも大阪ですけども」

――ご両親のどちらかがレスリングをやっていたわけではないのですよね。

「はい。でも父が、もともとUFCが大好きで。ハワイの出身の父が、昔から警察や海兵隊にいたこともあって、格闘技がメチャクチャ好きだったそうなんですね。それでUFCを見ていて、レスリングの重要性が分かっていたと……」

――ミランダ選手をUFCファイターにすべく、お父さんがレスリングを習わせていたのですか!

「父の真意は分からないんですけど、僕も小学校の頃から一緒にUFCを見ていました。今となっては、レスリングをやらせてくれたことを父に感謝しています」

――最初にUFCを見た時の印象はいかがでしたか。

「どの試合、どの選手とかは覚えていなくて……ただ、見るのが嫌やった記憶があります。自分はレスリング一途やったし、ケージの中で殴り合っているのが怖くて。もちろん、あの時は自分が将来MMAをやるなんて、想像もしていなかったです」

――レスリング時代の実績を教えていただけますか。

「小中の時は全然勝てなくて、中3で初めて全国大会で4位になりました。高校時代は3年生の最後の大会で、全国大会8位になっています。大学までレスリングをやりたいという気持ちもあったんですが、行きたい大学から推薦がもらえなかったのと、高3の時にMMAをやりたいという気持ちが強くなりました」

――子供心に嫌だったMMAをやりたくなった理由は何だったのでしょうか。

「あまりよろしくない話なんですけど――高1の時に、隣の地区の子と喧嘩したことがあって。そこでド突き合いも面白いんじゃないかと思ってしまいました」

――ということは、その喧嘩で勝ったのですね(笑)。

「……はい(苦笑)」

――実は高校時代、ストリートファイターだったということですか。

「いえ、そういうわけでは……。真面目に過ごしていたつもりですし、自分から喧嘩を売ったことはなかったです。街を歩いていると因縁をつけられたりして。

その頃から自分でもよくUFCを見るようになっていました。そうしたらレスリングをやっている選手のほうが有利で。正直、レスリングをやっていても社会人になって稼ぐことはできないんですよ。それならMMAをやろうようかなと思いましたね」

――子供の頃に見た時と、レスリングを経験してから見るMMAでは印象も違ったのではないでしょうか。

「全然違いました。攻防が分かるし、あぁこういうことだったんだと気づくことも多かったです」

――特に印象に残っているのは、どの試合ですか。

「カビブ・ヌルマゴメドフとコナー・マクレガーの試合ですね。やっぱりレスリングと寝技って強いんだなぁと思いました」

――すると、好きなファイターはヌルマゴメドフなのですか。

「いえ、好きなのはマクレガーのほうです。ストライカーのほうが好きで(笑)」

――アハハハ、高校時代のド突き合いが影響していますね。そこから高校を卒業してパラエストラ大阪に入会したのですか。

「正確にはいつ入会したのか覚えていないんです。お母さんがパラエストラ大阪で柔術を習っていて、僕もよく一緒に練習させてもらっていました」

――そうだったのですか! 完全に英才教育ですね。UFCが好きだったお父さんは、ミランダ選手がMMAを始めたことに対して何と仰っていますか。

「僕が自分で決めたことなので、特に何も言ってはいないです。ただ、内心は喜んでいると思います」

――そうですよね(笑)。しかし格闘DREAMERSでは、アマチュアの試合で中村倫也選手と対戦し、敗れています。その時の心境は……。

「相手が中村倫也選手だと分かった瞬間、ビックリしました。負けたのはメチャクチャ悔しかったです。もちろん中村選手のことは尊敬しています。レスリングでもMMAでも結果を残しているので。いつか同じ舞台に立って、リベンジしたいと思っています」

――では中村戦以降、何か変わったところはありますか。

「あの時はまだMMAを始めて日が浅かったこともあって、まずちゃんとMMAをやろうと思いました。そのあとGRACHANのアマチュア大会でも、まだ投げるというかレスリングの動きしかできていなくて。ちゃんとMMAをやろうと考えていたのに、組んだら体が勝手に動いてしまいました」

――昨年8月の大阪大会で行われたAクラスマッチ、弘田颯志戦ですね。最後はマウントからパウンドアウトしましたが、その前に相手を投げまくっていました。特にバックを奪ってからの投げは、ブリッジが美しかったです。

「アハハハ、ありがとうございます。でも自然と反応してしまって、投げたあとにスラムで反則にならないか心配でした」

――それと相手をがぶりからリフトして投げたのは印象的でした。かつてのアレクサンダー・カレリンを思い出します。

「メチャクチャ古いですね(笑)。あれはレスリングの返し技で、ダメージを与えられるわけではないんですが、あの体勢になれば誰でも持ち上げられる自信があります。100キロぐらいまでなら、バック投げもいけると思います。高校からグレコの試合で使っていました」

――対して、以降のアマチュアマッチではテイクダウンからトップコントロールで勝利していましたね。自身の中で何か変化があったのでしょうか。

「その間に蹴りを出せるようになりました。打撃メインの練習が増えています。ただ、そのアマチュアの試合の時はコンディションが悪くて、スタミナを温存しながら試合をしていました。MMAを戦うために、あの経験も良かったと思っています」

――なるほど。では次の対戦相手、安倍路人選手の印象を教えてください。

「打撃の選手、という印象ですね。キャリアは長いですけど、途中にMMAはブランクがあるので、自分がしっかり勝たなければいけないと思っています。レスリング力でキープしながら勝ちたいです」

――まだプロデビュー戦を控えている状況ですが、目指すはUFCですか。

「はい。やるからには一番を目指したいし、MMAで世界一はUFCなので」

■視聴方法(予定)
8月7日(日)
午後12時30分~ GRACHAN放送局

■Grachan56計量結果

<Grachan無差別級T1回戦/5分2R>
荒東”怪獣キラー”英貴:―キロ
岡本純一朗:―キロ

<Grachan無差別級T1回戦/5分2R>
鍵山雄介:66.1キロ
大搗汰晟:65.85キロ

<ライト級/5分2R>
林RICE陽太:70.4キロ
大宮優:70.75キロ

<フライ級/5分2R>
永井美自戒:57.0キロ
小林大介:57.72キロ

<バンタム級/5分2R>
今村豊:61.5キロ
中嶋紳乃介:61.6キロ

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀:76.85キロ
遠塚浩希:77.5キロ

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Grachan56 MMA MMAPLANET o RIZIN YouTube キャプテン☆アフリカ 原口伸 大搗汰晟 鍵山雄介

【Grachan56】フェザー級王座決定T=鍵山雄介戦、大搗汰晟-02-「憧れの朝倉未来さんと戦いたい」

【写真】フェザー級T初戦、ベルト奪取、RIZIN出場、憧れの朝倉未来戦という風に歩むことができるか(C)GRACHAN

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan56で、鍵山雄介と対戦する大搗汰晟のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

昨年プロデビューした大搗は初戦こそ勝利したものの、続く原口伸戦でKO負けを喫した。しかし以降は2連続KO勝利を収めている。あの敗戦から何を得たのか。GRACHANの新しいフェザー級王者を決めるトーナメントを前に、MMAファイターとしての成長を訊いた。

<大搗汰晟インタビューPart.01はコチラから>


――「大学の時に自分の中の最低目標をクリアできなければ柔道を辞める」と決めたとのことですが、その最低目標とは何だったのでしょうか。

「大学4年生の最後の大会で、関西で優勝することでした。先輩たちからも『関西は優勝して、全日本学生でベスト4位に入るんちゃう?』と言われているなか、関西のベスト16で負けたんですよ。それで柔道に対する気持ちが、ガラスのように割れてしまいましたね」

――その気持ちがMMAへと移っていったのは、いつ頃のことですか。

「関西のベスト16で負けて、気持ちの整理がつかない日々が続いていて、何も手につかない。人生そのものが面白くないなぁと思っていた時期に、RIZINで朝倉未来選手の映像を見たんです。

朝倉選手は、もともと不良だったじゃないですか。僕とは真反対の道を歩んできた人が、格闘技で成り上がってトップ選手になる。そういう道がカッコいいなと思ったんですよ。もともとKIDさんが好きで、MMAもよく見ていたので。そういうことが重なって、自分もMMAをやってみたいと心が動きました。今から3年前の話ですね」

――大搗選手が2020年『朝倉未来チャレンジ』に参加したのは、そういった経緯があったのですね。朝倉未来チャレンジ参加と自衛隊への入隊は、どちらが先だったのでしょうか。

「朝倉未来チャレンジのほうが先です。そこで落ちちゃったので……」

――柔道で納得のいく結果を残せず、朝倉未来チャレンジで落ちながら、自衛隊ではエリート部隊である第一空挺団に入ることができたわけですよね。そうなると、認められた世界で生きていこうと考える人も多いと思います。

「そうですよね。でも僕は、どうしてもMMAをやりたいっていう気持ちを捨てきれなかったんです。YouTubeで朝倉未来チャレンジで受かった人たちの動画がアップされるじゃないですか。おすすめに挙がってくると、どうしても目に入ってしまいます。見ていると、やっぱり悔しくて。

自分もMMAを始めて、朝倉未来チャレンジで受かった人よりも上に行きたい、っていう闘争心に変わりました」

――結果、2021年4月からMMAを始めて同年7月にはWardogでプロデビューし勝利しています。その2カ月後には原口伸選手と対戦して、KO負けを喫しました。

「あの試合は、やらかしたなぁ……と思いました。Wardogの試合で負傷していて、原口戦までの間にそこまで練習できていなかったんです。相手は凄い練習していると聞いていたのに、それでもイケるやろうと考えてしまったんですよね。いざ対戦してみたら、原口選手はメチャクチャ強かったです。

そこから自分も練習について考え直すキッカケになりました。あの時に負けておいて良かった、今はそう思います。

あの段階では、レスリングをベースとした選手との練習も少なかったです。自分はオールラウンダータイプか柔術ベース、あるいは打撃が強い選手ばかりでした。だから試合でも、原口選手がテイクダウンのために足を触りに来た時、自分の反応は遅かったと思います。レスリング出身者の中でも原口選手は実績が凄いし、実際スピードもメチャクチャ速かったですね」

―原口戦以降は2連続KO勝利を収めています。ご自身の中で、何か変化や新しく取り入れたものはあったのでしょうか。

「試合後にパラエストラ大阪へ入会しました。それとキャプテン☆アフリカさんやコブラ会の方とも練習させてもらうようになって、強い方たちと練習することで反応も速くなったし、戦い方も変わってきたなと思います。

あとは打撃の練習も足りなかったんですよね。もともと右利きで、柔道は利き手利き足が前になるから、MMAでもサウスポーに構えました。でもサウスポーで打撃を出すことに慣れていないところもあって。オーソドックスなら蹴りも出しやすかったんですけど……今もその部分は修正してきています」

――加えて、原口戦以降はケージレスリングの質も変わってきていますね。

「はい。先ほども言ったとおり、僕は柔道時代から、道着を掴むよりも体の力で投げるタイプでした。だから今はMMAでも相手のほうから組んできたら、逆にケージ際で自分が組みやすい体勢にもっていったり、テイクダウンを奪うこともできるようになっています。柔道でやってきたことをMMAに生かして、そのおかげで対戦相手も反応しづらいというのは感じますね」

――結果、投げてから袈裟固めで抑え込み、パンチで削るという勝利パターンが出来てきたわけですか。

「はい。もちろん勝ちパターンは、一つだけじゃないです。それは今後の試合で見せていきたいですね」

――なるほど。そういえばコブラ会の選手と練習しているとのことですが、鍵山選手は……。

「コブラ会所属ですよね(苦笑)。ただ、鍵山選手とは一度も練習したことがないんです。この試合のこともあって、最近はコブラ会の方とも練習していません。

試合を見るかぎり、鍵山選手はベテランで粘り強い選手だと思います。僕とは経験値の差があるので、そこは勢いと自分の形にもっていくことでカバーします。相手が驚くような、アッということをやりたいですね。そこで焦りが出てきたほうがミスしやすいし、ミスしてくれたほうが自分の形にもっていきやすいので」

――この試合はフェザー級王者決定トーナメント1回戦として開催されます。

「時代を変えたいですね。僕がGRACHANのチャンピオンになって、RIZINとかに出て活躍していきたい。だから、ここで負けるわけにはいかないと思っています」

――RIZINのフェザー級には、朝倉未来選手がいます。やはり憧れた選手と同じ舞台に立ちたいですか。

「正直言うと、朝倉未来さんと戦いたいです。自分が憧れた人と戦って、勝つことで僕たちの時代にしたい。そのためにも今は一戦一戦、大事に勝っていきます」

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