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【Special 】K-MMA、2023年・秋。原口央戦後のキム・スーチョル「ギロチンは手応えがありました」

【写真】大会終了後、夫人と7カ月の長男ジウ君とファミリーショット(C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMA国内シーンは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで。後者である韓国の新興プロモーションの王者たちが日本の老舗団体のチャンピオンを圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった2023年の秋、10月の最終週に韓国を訪れK-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。第一弾は10月29日(日・現地時間)、Road FC66のメイン=グローバル63キロトーナメント決勝戦で原口央を破ったキム・スーチョルの優勝直後の声をお届けしたい。

故郷のファンの熱烈なサポートを受け──4カ月で3試合目を迎えたスーチョルは、彼が期待した通りの原口の奮闘が見られた大激闘を制した。大会終了直後、原口戦を振り返り大晦日について尋ねた。


――おめでとうございます。

「アリガトウゴザイマシタ(※日本語で)」

──キム・スーチョルが圧勝するという予想が多かったなか、本当に頑張った原口選手を相手に強さを見せて勝利しました。

「なぜ、そんなに原口選手を日本の皆が軽視していたのか。そういう気持ちが大きいです。実際に日本人選手が誇るべき、粘り強さを本当に感じました」

──試合開始直後のギロチン、あの時の手応えは。

「ギロチンは極まったという手応えがありました。しっかりと入っていたので」

──では秒殺もあったと。

「ハイ。極めるつもりで絞めていました。アレを耐えるのだから、『この選手は本当に凄いな』と戦っている最中も原口選手については思っていました。あれ以上力を込めていると試合に影響が出ると思って、戦いにアジャストを加えました。

試合前から言っていたように、原口選手が準決勝でラハザリ・シェイドゥラエフと戦っていても、絶対に勝つと思っていました。それだけの実力の持ち主だと、自分は確信していました。だから今日の試合の原口選手の頑張りは自分にとっては驚きではなかったです」

──ギロチンを凌いだ原口選手は試合前の宣言通りに、テイクダウン勝負に出ました。バック奪取、スラムを受けたスーチョルですが、スタンドで左のパンチを被弾したシーンは逆に驚かされました。

※ここでイ・ゴウン夫人から「背中に負担がかかるから、立ってインタビューを受けて」と声が掛る。

「パンチの威力にも驚きました。それでも一応、急所でないところに当たっていたので。原口選手のパンチがアゴに入っていたら、ベルトは誰が巻いていたか分からなかったでしょう」

──そこまでだったのですね。とはいえ、打撃戦になるとしっかりと左ボディフックを効かせました。原口選手も一番警戒していたショットだと思われますが。

「ただ、あの時も原口選手の目は死んでいなかったです。絶対に負けないという目をしていました。同時にあの原口選手の表情を見て、嬉しくなりました」

──結果、左でダウンを奪いパウンドアウト勝利を手にしました。この勝利にはどのような意味があるでしょうか。

「原口選手のような強い選手に勝てて良かったです。自分もRIZINでは余りスポットライトが当たっていない選手ですが、選手を指導する立場となった今──彼のような強い選手と戦う姿を皆に見せることができて光栄でした。この試合内容と結果は、より良い評価を受けることができるのではないかと期待しています」

──では大晦日について、どのような気持ちでいますか。

「RIZINの大晦日大会で戦える。そのオファーを貰えるのであれば、ファイターとして光栄極まりないです。声がかかれば、メチャクチャ出たいです……ただ、今、奥さんが隣にいて、それを声高に口にすることはできないです(苦笑)」

イ・ゴウン夫人 4カ月で3試合よ。

「……。自分としては戦いたいです。ただ、この短期間でこれだけの試合をしてきたことは体の負担も大きく、奥さんが心配するのも分かります。なので、体と相談します──(ウィンクをして、小声で)必ず、戦います(笑)」

──1年振りにスーチョルの試合を日本で見たいという気持ちは当然ありますが、私の人生を振り返ると、一番の理解者の言葉に従うことが正解ではないかという想いもあります(笑)」

イ・ゴウン夫人 ほらぁ、そうでしょ!!

「……。そうですね、ごもっともです。勉強になります(笑)」

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MMA MMAPLANET o ROAD FC Road FC66 キム・スーチョル 原口央

【Road FC66】原口央がスーチョルと真っ向勝負。最後は左ストレートに沈むも大奮闘

<Road FC グローバル63キロ決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
Def.2R4分25秒 by TKO
原口央(日本)

サウスポーの原口に対し、スーチョルは前に出ながら右ストレート。原口がダブルレッグを狙うと、スーチョルはニンジャチョークで絞める。

スーチョルは原口の身体をケージに押しつけてノーアームギロチンを極めようとするが、原口は自らグラウンドで下になって脱出する。スーチョルがサイドポジションで抑え込むと、原口は脇を差してガードポジションに戻す。

身体を起こしてパンチを落とすスーチョル。原口も身体を起こして脇を差し、スーチョルの右足にシングルレッグに入ってケージに押し込む。

原口はスーチョルの奥の足を引いて寝かせつつ、スーチョルが立つ動きに合わせてバックへ。スーチョルが正対してケージに身体を預けると、ダブルレッグから持ち上げるようにしてテイクダウンを奪う。

原口がインサイドガードからパンチを落とすと、スーチョルは原口の左腕を取って腕十字と三角へ。

原口はスーチョルの身体を潰してディフェンスし、スーチョルの両足を担いでパスガードしながらバックへ。

立ち上がったスーチョルは、バックキープする原口を前に落とす。原口は落とされながらも、スーチョルの左腕をとってアームロックへ。

これを潰したスーチョルが逆に原口の左腕に腕十字を狙い、これ外れると組みつく原口に再びノーアームギロチンを仕掛けた。

2R、スーチョルが二段蹴り、ジャブを見せて左ボディと右アッパー。原口のダブルレッグを切ってがぶる。

原口はシングルレッグに切り替えてスーチョルをケージに押し込み、スーチョルはバックへ回る。原口は前転して足を狙いながら上をとろうとするが、スーチョルがサイドポジションで抑え込む。

原口の右手を両足で挟み、パンチを落とすスーチョル。

ここからマウント、バックとポジションを変えると、原口は亀になってシングルレッグでスーチョルをケージに押し込む。スーチョルはケージに身体を預けて立ち上がると、原口は左ストレートを当ててパンチで前に出る。

ここでスーチョルはインローと右ミドル。原口はその右ミドルをキャッチして、シングルレッグでスーチョルをケージに押し込むが、スーチョルが原口のボディに鋭いヒザ蹴り。

これで原口がダウン気味に亀になる。そこにパンチを打ち込むスーチョル。原口も何とか立ち上がるが、スーチョルは左右のボディを打ち込む。

距離を原口に対し、スーチョルは身体を沈めての右フック。さらに原口の左ストレートに左を合わせると、これがストレート気味に突き刺さり、原口が後方にダウン。

スーチョルが追撃のパンチを落としたところでレフェリーが試合を止め、スーチョルがKO勝利で63キロトーナメントを制した。

スーチョルに敗れたものの、大奮闘を見せた原口。試合後「スーチョル選手、ありがとうございました。本当にトーナメントにかけていたんで……悔しいです。決勝で負けて、取り返しにくるものがあるので、来年必ずリベンジしたいと思います」と悔しさをにじませながらも、スーチョルへのリベンジを語った。


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MMA MMAPLANET o ROAD FC Road FC66 アルトゥル・ソロヴィエフ キック キム・インソォン ナンディンエルデン・キム・インソォン

【Road FC66】ソロヴィエフがナンディンエルデンを左フック→追撃の右で沈めて70キロT優勝

【写真】 トーナメント優勝賞金1億ウォン(約1千万円)を獲得(C) MMAPLANET

<Road FC グローバル70キロT決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)
Def.1R1分32秒 by TKO
ナンディンエルデン・キム・インソォン(韓国)(モンゴル)

ソロヴィエフが距離を詰めて右カーフキックを当てる。しかしナンディンエルデンがケージ中央に回り、右のフェイントから右カーフを蹴った。前に出たソロヴィエフが右ショートでナンディンエルデンのアゴを跳ね上げる。

右カーフから距離を詰めるナンディンエルデンが、ソロヴィエフにケージを背負わせてパンチの連打を浴びせる。ケージ際を脱したソロヴィエフがケージ中央に回った。距離を詰めてきたソロヴィエフに対し、ナンディンエルデンが左右フックで迎え撃つが、打ち終わりにソロヴィエフの左フックがクリーンヒットする。

ナンディンエルデンはダウンし、すぐに立ち上がったものの背中を見せて下がる。ソロヴィエフがパンチで追いかけ、背中越しにソロヴィエフの右を顔面に突き刺さった。ナンディンエルデンは前のめりにバッタリと倒れ、ソロヴィエフがKO勝ちで70キロトーナメントを制した。


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MMA MMAPLANET o ROAD FC Road FC66 キック ヤン・ジヨン 高橋謙斗

【Road FC66】高橋謙斗、2Rに足関節のチャンスを作るもヤン・ジヨンに判定負け

【写真】3Rはジヨンがバックキープし続ける展開となった(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
ヤン・ジヨン(韓国)
Def.3-0
高橋謙斗(日本)

お互いにサウスポーに構え、前後のステップからジヨンが左ローを蹴る。

続く右ミドルは空振りに終わったが、右ジャブ・フックを見せながら前に出て、再び左ローを蹴る。

高橋はケージ内をサークリングして距離を取る。コンタクトが少ない両者に注意が与えられる。

再開後、ジヨンがジャブを伸ばすと、高橋はそこに左をかぶせる。

距離が開くとジヨンは左ローを蹴り、高橋の左フックをかわして、すぐに左ストレートを返す。さらにジヨンは下がる高橋に左ハイキック。

高橋はシングルレッグに入り、ジヨンをケージに押し込む形になるがブレイクとなる。ジヨンがワンツー。高橋はダブルレッグに入るが、これを切られると自ら引き込む。ジヨンが足を一本抜くと、高橋もフルガードに戻してラウンド終了を待つ。

2R、ジヨンがジャブと左ロー、左ストレート打つ。構えをスイッチしながら前に出るジヨン。

高橋は左のロングフックを見せ、ジヨンは左ストレートから右フックを返す。高橋はシングルレッグから引き込み、ジヨンもそれに応じてパウンドを狙う。

ここで高橋はジヨンの右足をキャッチして足関節へ。ジヨンは右ひざを抜きつつディフェンスし、両者の動きが止まると、レフェリーはブレイクを命じた。

再開後、構えをスイッチしながら前に出るジヨン。単発の左ストレートは当たらないが、左ローを当てる。

高橋も左ストレートを見せつつ、ジヨンの前足にシングルレッグへ。これを切ったジヨンは亀になる高橋の後ろに回ってパンチを入れた。

3R、打撃のプレッシャーをかけるジヨンは高橋のシングルレッグを切ってバックへ。両足をフックすると、パンチを入れながらRNCを狙う。

高橋はRNCをディフェンスするが、バックキープから脱出できないまま試合終了となった。

高橋は2Rに足関節のチャンスを作るも、ジヨンの打撃の圧力&バックキープを崩せずユナニマス判定で敗れた。なおジヨンは3Rに左足を負傷したか、試合後すぐに立ち上がることができず、足をひきずりながら勝ち名乗りを受けた。


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【Road FC66】計量終了 キム・スーチョルの前に、原口央に立ちふさがった市長のロングスピーチ!!

【写真】フェイスオフ終了からが――長かった(C) MMAPLANET

29日(日・現地時間)、韓国はウォンジュのチアック体育館で開催されるRoad FC66のパブリック計量が同市、中央洞伝統市場マンドウ(餃子)フェスティバル野外特設舞台で行われた。
Text by Manabu Takashima

午後5時半のパブリック計量スタート時点の気温は16度だったが、陽が欠けると急激に寒さが増する。さらに商店街の端に設置された舞台は寒風の通り道となり、選手たちには厳しい公開計量となった。


ファイトコスチュームの選手、トレイナー着用の選手など、個々の判断の装いで計量&フェイスオフは続くが、メインカード出場選手は上半身裸と統一され、すぐに上着を羽織る選手が続出した。

70キロT決勝進出、韓国籍取得を取得したモンゴル人ファイター=ムングントスズ・ナンディンエルデンが、キム・インソォンの名でもコールされ、ロシアのアルトゥル・ソロヴィエフと向き合った。

メインの63キロT決勝では原口央とキム・スーチョルのマッチアップで、計量台に乗る時点で寒さが顔に出ている原口に対し、ご当地ファイターのスーチョルは笑顔を浮かべる。

フェイスオフが終わり、原口はマイクで「This fight is mine」と絶叫した。

スーチョルがウォンジュの街の人々に感謝の言葉を伝えて、公開計量も終了――と想いきや、ここでウォンジュ市の市長がマイクを握る。結果――非常にありがちな長い長いスピーチを披露。たまらずパーカーを手にした原口だが、掌で腕をさするなど寒さに苦笑いの時間が続いた。

■メインカード計量結果

<Road FC グローバル63キロT決勝/5分3R>
キム・スーチョル:62.7キロ
原口央:62.9キロ

<Road FC グローバル70キロT決勝/5分3R>
キム・インソォン:70.0キロ
アルトゥル・ソロヴィエフ:70.0キロ

<バンタム級/5分3R>
ヤン・ジヨン:63.5キロ
高橋謙斗:62.8キロ

<無差別級/5分3R>
シム・ゴンオ:131.3キロ
キム・ミョンファン:132.7キロ

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
ユ・ジェナム:63.0キロ
ハン・ユンス:63.1キロ

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【Road FC66】グローバルT決勝=キム・スーチョル戦へ、原口央「自分のスタイルを貫く、曲げないこと」

【写真】強度高め、集中力の持続。ハードなトレーニングを重ねて、スーチョル戦に挑む原口央(C)MMAPLANET & TAKUMI NAKAMURA

29日(日・現地時間)、韓国はウォンジュのチアック体育館で開催されるRoad FC66で、原口央がキム・スーチョルとグローバル63キロトーナメント決勝で戦う。
Text by Takumi Nakamura

トーナメント準決勝でラザバリ・シェイドゥラエフと対戦を予定していた原口だが、シェイドゥラエフが計量遅刻&体重オーバーで失格。不戦勝で決勝に勝ち進み、逆ブロックの準決勝でブルーノ・アゼベドに勝利したスーチョルと拳を交える。シェイドゥラエフ戦消滅という事態に見舞われながらも、すぐに決勝へ気持ちを切り替えたという原口は、VS日本人無敗&アジア最強とも目されるスーチョル戦に向けて静かに燃えている。


――Road FC65で予定されていたグローバル・トーナメント63キロ級準決勝のラザバリ・シェイドゥラエフ戦はシェイドゥラエフ選手の計量オーバー&失格となり、試合そのものがキャンセルとなりました。あの時どういう状況だったのかを教えてもらえますか。

「基本的な計量時間は11時~12時で、トーナメント選手のみ9時から計量可、クリアした選手は12時からのルールミーティングまでに戻ってくればいいという話だったんですね。それで僕は計量をクリアして、ルールミーティングに参加しようとしたら、シェイドゥラエフ選手が会場にいなかったんです。それでマネージャーに確認したら『シェイドゥラエフは体重が落ちていない』と言われて。それで色々と話し合いがあって、最終的に試合はなしと言われました」

――トーナメントの契約書には遅刻と体重オーバーが重なった場合は失格という条項が記されていたと聞いています。

「そうなんですよ。主催者からは『シェイドゥラエフ選手は体重オーバーに加えて計量時間のオーバーもあるから失格、原口選手が決勝進出です』と言われて。ちゃんと確認していなかった僕も悪いんですけど、そういうルールがあったみたいです(苦笑)」

――契約条項とはいえシェイドゥラエフ選手は200グラム・オーバーだったので、何かしらのペナルティを加えて試合実施という道はなかったのかなと思ってしまいます。

「実はそのあとに『トーナメントとしては不戦勝で決勝進出だけど、試合はやってくれないか』と打診があったんです。それでもし僕が負けて決勝進出というのも違和感があるし、決勝戦が10月というのも決まっているので、KO負けや怪我で決勝をキャンセルしたら元も子もないじゃないですか。それも含めて宮田(和幸)先生と相談して、試合をやらないという選択をしました」

――そういった打診もあったんですね。ワンマッチではなくトーナメントの準決勝ということを考えると、その選択は間違っていないと思います。

「あと一回戦の時にリザーブマッチが組まれていて、そこで勝った選手はどこに行ったんだろう?と思いました(苦笑)。僕としては試合がないと言われた時点で決勝のことを考えていたので、すぐにその場で気持ちを切り替えました」

――その決勝では順当に勝ち上がったキム・ス―チョルとの対戦になりました。原口選手もスーチョルの勝ち上がりを予想していましたか。

「スーチョル選手が本命で、もしかしたらブルーノ・アゼベド選手もあるかな?という予想でした。僕はアゼベド選手も強いと思っていたので、準決勝でアゼベド選手に完勝したスーチョル選手はやっぱり強いですよね」

――直接スーチョル選手の試合を見て、どんなことを感じましたか。

「ボディへの攻撃がめちゃくちゃ上手いですよね。顔面とボディのパンチの打ち分けとプレッシャーをかけながらのヒザ蹴り。RIZINで扇久保(博正)選手からダウンを奪ったのもボディへの攻撃でしたけど、全く同じ入り方でアゼベド選手を効かせていたので、あれは警戒しています。あとは首相撲も強かったですし、左ハイキックでぐらつかせていたので、どの攻撃にも気を付けないといけないです」

――スーチョル選手は試合経験も豊富ですし、試合の緩急のつけ方、攻めどころを見極める力も感じます。

「試合を創るのが上手いですよね。独特なステップで前に詰めて、相手にペースを掴ませない。試合慣れしているところも印象的でした」

――スーチョル攻略のために、どういうことを意識して練習していますか。

「僕の強みはスタミナとドロドロにして競り勝つところなので、そういう展開に持ち込んでスクランブルで必ず上を取る。そこは意識しています」

――ずばりスーチョル選手は穴という穴がないです。

「全局面で強いので、出たとこ勝負でやりあっても勝てないと思うんですよ。だから僕が出来ることは自分のスタイルを貫く、曲げないことだと思います」

――またスーチョル選手は×日本人無敗でもあります。その相手と戦うことをどう捉えていますか。

「日本人が誰も勝てていない、アジア最強の選手だと思います。でも、いずれこういう選手とやることになっていたと思うし、その舞台がROAD FCになったというだけで、僕は勝ちに行くことしか考えてないです」

――シェイドゥラエフ戦前のインタビューでは「本当に強い選手たちと戦って勝ちたい」という言葉もありました。ROAD FCに戦いの場を求めて、こういった強豪たちと戦えることはうれしいですか。

「はい。もし僕がRIZINでスーチョル選手やスーチョル級の選手とやろうと思ったら、もっともっと戦績を積まないといけないと思うんですよ。でもROAD FCを選んだおかげで、こういうチャンスが巡ってきたので、必ず結果を残したいです」

――日本人初のスーチョル撃破&グローバル・トーナメント優勝がかかった一戦で、今後のキャリアにおいても重要な一戦です。

「僕はずっと強い選手とやりたいと言ってきて、スーチョル選手と戦えることをうれしく思うし、SNSでも『原口じゃスーチョルには勝てない』と書かれていますけど、見とけよって感じですね。格闘技はやってみないと分からないし、下馬評通りにいくものじゃないので」

――先日RIZIN LANDMARK07、アゼルバイジャン大会に出場する武田光司選手を取材させていただいたのですが、Braveにはプロ練習に参加する選手が20名近くいて、国内外の様々な団体で活躍していますよね。ジムとしての躍進の理由はなんだと思いますか。

「最近は色んなタイプの選手が集まっていて、ストライカー、グラップラー、柔道家……みんなで意見交換をしながらお互いを高め合って、成長していけるのかなと思います」

――Brave設立当初は宮田代表とレスリング出身の選手が多い印象でしたが、そういった色もいい意味で薄れてきていますよね。

「はい。DEEPに出ている野村(駿太)やGladiatorでデビューした南(友之輔)は伝統派空手出身ですし、打撃だけで言ったら2人とも相当レベルが高いんですよ。そうやって色んなタイプの選手たちがいて、宮田先生が練習メニューを考えて選手たちをまとめてくれているので、本当にジム全体でレベルアップしていると思います」

――「原口ではスーチョルに勝てない」というアンチ・コメントもあるなか、今回のスーチョル戦ではどんな試合を見せたいですか。

「まずアンチに対しては、やっと僕もアンチされるところまで来たんだなと思います。無名のままだったらアンチすらされないと思うので(笑)。ファンだけじゃなく、選手のなかでも僕がスーチョル選手とやることに色々と思うことがある選手もいると思いますが、スーチョル選手に勝てる日本人がいるというところを見せたいです」


■視聴方法(予定)
10月29日(日・日本時間)
午後2時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■メインカード対戦カード

<Road FC グローバル63キロ決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ヤン・ジヨン(韓国)
高橋謙斗(日本)

<無差別級/5分3R>
シム・ゴンオ(韓国)
キム・ミョンファン(韓国)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
ユ・ジェナム(韓国)
ハン・ユンス(韓国)

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