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ACA Interview Special エルダル・エルダロフ ダニエル・オリヴェイラ ブログ マゴメド・ビブラトフ 岩﨑大河 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その参─ビブラトフ✖オリヴェイラ~「日本の現状とこれから」

【写真】岩﨑大河のようにミドル級以上のこれからのファイターは、どのようにキャリアを積んでいくべきなのか。J-MMA界の構造論に青木の話は発展した (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年3月の一番、第三弾のACAバンタム級選手権試合=マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラ戦からの──日本の現状について語らおう。

<青木真也が語るマゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラPart.01はコチラから>


──ロシアで2階級を取ってしまうブラジル人。そのブラジル人からベルトを取り返すロシア人……。

「なかなかできることではない。それだけ強い2人をぶつけてきましたね」

──何度も見返すことはない試合かもしれないですが、ライブで視て、本当に手に汗握る試合内容でした。

「僕は2回、見直すことができます(笑)。ずっと動いているし。アンダーでもフェザー級でイスラム・オマノフっていう10連勝した選手がいるんですけど、彼も同じようなスタイルなんですよね。オマノフも良い試合をしていましたね。凄く面白かった。彼のようなレコードが良い者同士をぶつけさせるのもACAの特徴ですよね」

──旧ソ連国家というべき、ベラルーシやアゼルバイジャンの選手の発掘、サバイバル戦も組んでいます。

「アゼルバイジャンとか、もう国境があるだけで民族はチェチェンとか、ダゲスタンで同じような気がします。ジムもアクマット・ファイトクラブ所属の選手が多いですしね」

──そこはBRAVE CFやUAE Warriorsにも当てはまりますね。

「中東とのパイプは強いですね。コロナ次第ですけど、1回、アクマット・ファイトクラブとかグロズヌイやマハチカラのジムに行ってみたいですね。どういう練習をしているのかって」

──そうなりますか(苦笑)。自分はコーカサスは避けたいです。言葉も通じないし、生き物として別物というか。

「ロシアは難しいというのは、正直ありますね」

──正直、怖いです。

「分かります(笑)」

──ダゲスタン人とか欧州人ファイターもいるKHKジムとかどうですか。

「バーレーンの?」

──ハイ、安全ですし言葉も通じます。BRAVE CFと同じKNKスポーツが所有&運営するジムです。イスラムですが、西側社会の習慣が通じそうですし。

「あのスーパーファイト級のチャンピオンが指導とかしているんですよね。エルダル・エルダロフだ。あれ、強いですよ」

──コナー・マクレガーの師匠のジョン・カバナウの先生も指導をしているようです。

「そうなんですねぇ。いやぁ、頭になかったです。でもダゲスタンとかチェチェンの選手がいるのは興味深いです。給料をもらって練習しているようですしね」

──ハイ、アマチュアのIMMAFで目立った選手をスカウトして、育てている。

「あぁ、これまでと根本が違うことをしていますね。世界大会でバーレーンの王族に拾われる子がいるなら、IMMAFは大切になってきますね。それは興味深い──行って見たくなっちゃいますね。

でも、めっちゃ練習させられそうですね。僕のようなスタイルは、あんまりいないし」

──それで金の延べ棒がもらえると最高じゃないですか(笑)。

「そこも十分にあり得るのが、違いますね。それにスーパーライト級っていう階級を作っているのも面白いですしね。そこはBRAVE CFで興味を持っているところです」

──実は北米MMAのレギュレーションでも階級は小分けにされています。ただし、王座を設けているプロモーションは存在しない。

「それって、どう思いますか。途中の階級ができることは? 日本だとそこまで人材がいないし、一つの王座を争うという部分で、もっと薄味になります」

──その通りですね。と同時に、王座はともかくスーパー階級ができて計量失敗が出ないようになれば良いなと思います。健康面もそうですし。日本の大会は計量の失敗は、全て選手に責があり、手売りのチケットの代金回収までそれが及んでいるという話をきくこともありますし。

「減量失敗をなくす。それも1つの方向性ですね。で、ベルトを狙う時とか、海外に行くときはスーパーじゃない上か下を選ぶ。女子レスリングのオリンピックと同じですね。

これから日本がどうなっていくのか。そこでいえば、重たい階級の選手……岩﨑大河選手とか、どうやってキャリアを積んでいけば良いと思いますか」

──コロナ終息後といいますか、海外との行き来が頻繁にできるようになり、隔離措置なしで試合にでられるようになれば、彼のキャリアにあったマッチメイクを組んでくれるところで経験を積むこと……ではないでしょうか。

「そうですよね? いや、良かった。僕もそう思っています。韓国とか、そういうところからですよね。日本でやっていても仕方ない。強くなれない」

──ハイ。今では日本のファンは素晴らしい、MMAへの理解があると外国人選手が言ってくれています。そういう良い部分を誇りにして、嫌な現実も見る必要があると取材をしていても痛感します。

「もう過去の栄光を首からぶら下げても食っていけない……。日本で食っていける基盤がなければ、海外に行く。他のスポーツでも普通にやっていることだし。MMAの重量級もそうだし、グラップリングもそういうことですよね」

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ACA Interview SHOOTO BRAZIL Special ダニエル・オリヴェイラ フィリッピ・フロイス フロド・カズブラエフ ブログ マゴメド・ビブラトフ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その参─ビブラトフ✖オリヴェイラ「相当な気合がないと」

【写真】UFC以外で日常的にロシア✖ブラジルのワールドクラスの攻防をACAでは見ることができる(C)ACA

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年3月の一番、第三弾は26日に行われたACA120からACAバンタム級選手権試合、マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラ戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年3月の一番、最後の試合をお願いします。

「マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラです」

──これから日本人がUFCと契約するには……という話で、一つの選択肢として名前が挙がったACAのバンタム級選手権試合でした。

「バンタム級とフェザー級(フロド・カズブラエフ✖フィリッピ・フロイス)と2つのタイトルマッチがあって、ビブラトフもカズブラエフもスタイルが似ています。ステップを踏んで、レスリング軸でパッと攻めて。後ろ回し蹴り3連発とか、謎ですけどね(笑)。

ロシア人あるあるなんですけど、ビブラトフで思ったのは組むことを厭わないことです。あれだけ組んでテイクダウンして、コントロールすると疲れないわけがないのに。

アルジャメイン・ステーリングが疲れたように。もちろん、自分のペースで戦っているというのはあると思いますけど、あそこまで徹底できる体力、何より5Rでアレをやろうというのはちょっと気合が違いますね」

──それは人知を超えたエクストラな要素の有無に関係なく、ですか。

「それは分からないですよ(笑)。使ったことないから」

──アハハハハ。「ア〇ルセックスって気持ち良いの?」って聞いているようなものですね。

「アハハハ、やったことねぇよって(笑)。ただし、5Rにアレをやろうというのは、相当な気合がないとできないです」

──対してベルトを失ったオリヴェイラは、ここ2試合ほどの100メートル走のダッシュでフルマラソンを走り切るというスタイルと比較すると、随分と動きを抑えていたように見えました。

「確かに、違っていましたね。その分、カズブラエフはもっと凄くて。テイクダウンをし、ガードの中からヒジをガンガン落としていました。あんなことをやっていると、絶対に疲れるだろうって」

(C)BELLATOR

──フロドはベラトール時代にマルロン・サンドロと戦っていた時は、もっと関節技とか駆使していたのが徹底したスタイルに変っていましたね。

「あぁ、トーナメントで優勝しているのにベラトールを離れたんですよね。ベラトールで負け無しで。でも、凄くタフな戦いをしていました。派手じゃないけど、好感が持てる試合でした」

※2013年6月、Bellatorフェザー級トーナメントを優勝した時点でのフロド・カズブラエフのインタビューはコチラから

──あのロシアン・レスリングMMAスタイルをベラトールでマゴメド・マゴメドフが貫くことができるのか。ACAでできていたことが北米でもできるのかが楽しみです。

(C)BELLATOR

「ちょっと落ちていくのか……。どうなんでしょうね。対戦相手の技量もあるし、分からないですよね。

(※4月2日のBellator255でシージェイ・ハミルトンにRNCで一本勝ち

あと負けたけど、オリヴェイラとフロイス。彼らも強いです」

──フロイス、ぜひともRIZINフェザー級GPに招聘してほしいです。日本人選手、厳しいんじゃないかと。

「勝てないですね。全然強いですよ。フロイスって修斗ブラジルの南米王者で、確かノヴァウニオン所属のはずです。オリヴェイラは別のチームだけど、ブラジルには修斗ブラジルがあるのは大きいですね」

──あまり詳しい経緯は分かっていないのですが、日本の修斗を頂点とする組織とは、一線を画した印象があります。日本の修斗がケージを解禁する前に北米ルールに切り替えていましたし。伝統と将来のバランスのとり方に関して、アンドレ・ペデネイラスは現実的でした。

「そうなんですね。修斗ブラジルというブランドなんだ。それ、面白いですね。人材育成大会として成り立っていて、修斗ブラジルはACAにもかなりブラジル人選手を送り込んでいますよね。そういう意味で、なんだかんだと『ここにもいるな、ブラジル人』って」

──サッカーでも欧州のプレイヤーが南米で活躍するかといえば、それはあまりない事例だと思います。でも、ブラジル人は世界中のリーグで活躍しているのと似ていますね。

「もちろん、外の方がファイナンシャルが良いというのがあるでしょうしね。それにブラジルは、修斗ブラジルやジャングルファイトにしても、強くするという点で信頼のおける人材育成大会です。ブラジル人同士の対戦で強くなれている」

──そこは日本との違いでもあるのですね。

「今、トップで強い国はしっかりと育成大会が機能しているということなんですよね」

──大会を開いて経験を積ませ、かつ篩に掛ける。そして、海外に送り出している。KSWのフェザー級チャンピオンもオーストリアのジムに所属して現地在住になっていますが、ブラジル人のダニエル・トーレスです。

「英国の大会でもブラジル人は出ていますしね。UFCに行ってなくてもACAに出ていく。チャンスに対して貪欲です。ロシアに行くと負けることも多い、でもオリヴェイラやフロイスのようにチャンピオンになる選手もいる。

ACAも意地があるから、ちゃんと2人を負けさせた。あの2人にしっかりと勝つ自国選手がいる。何もかも、違います」

<この項、続く>

【主な修斗ブラジル南米王者】

<ヘビー級>
グト・イノセンチ
グローバー・テイシェイラ
フランシマール・バホーゾ

<ライトヘビー級>
ホニー・マルケス

<ミドル級>
カイオ・マガリャエス

<ウェルター級>
ルイス・ハモス
エルナニ・ペルペトゥオ

<ライト級>
ヴィラミー・シケリム
ハクラン・ディアス
ホニ・トーレス

<フェザー級>
ヘナン・バラォン
ジョニー・エドゥアウド
ハオーニ・バルセロス
フィリッピ・フロイス

<バンタム級>
エドゥアルド・ダンタス

<フライ級>
ジョズエ・フォルミーガ
アドリアーノ・モライシュ
ホナウド・カンジド

<ストロー級>
ヤゴ・ブライアン

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ACA120 other MMA Report ダニエル・オリヴェイラ ブログ マゴメド・ビブラトフ

【ACA120】マゴメド・ビブラトフが回って、倒してオリヴェイラを圧倒。新ACAバンタム級チャンピオンに

<ACAバンタム級選手権試合/5分3R>
マゴメド・ビブラトフ(ロシア)
Def. 5-0:49-46. 49-46. 49-46. 49-46. 49-46
ダニエル・オリヴェイラ(ブラジル)

いきなり右ストレートを伸ばしたオリヴェイラ。ビブラトフは近距離ながらスピニングバックキックを見せる。ビブラトフは右カーフを蹴り、前蹴りから2度目のスピニングバックキックを繰り出す。そこに右フックを狙ったオリヴェイラ、姿勢を乱したビブラトフがすぐにスタンドに戻る。

パンチを見せ、回転系のフェイクからボディを決めたビブラトフは、オリヴェイラの右オーバーハンドをかわし、ローに右を合わせて蹴り足をキャッチする。シングルからダブルに切り替えたビブラトフが、テイクダウンを決める。パウンドからオリヴェイラの動きに合わせバックに回ったビブラトフが、勢いのあるパンチを入れ寝技に持ち込む。オリヴェイラのキムラ・クラッチに、胸を合わせていきトップから抑えるビブラトフが、重いパウンドを落とす。さらにヒザを腰に入れエルボーとビブラトフの攻勢が続く。チャンピオンはギロチンからがぶりに移行したが、それ以上の攻めはなく初回はチャレンジャーが取った。

2R、ビブラトフがまずサイドキック。オリヴェイラは走るような踏み込みから左を伸ばすも、届かない。ビブラトフは近い距離でワンツー、手をマットについての蹴りはオリヴェイラの頭上を通過し、直後に組みつかれる。ここでビブラトフは逆にテイクダウンを決め、オリヴェイラはガードで落ち着く。ビブラトフは左右のエルボー連打し、着実にポイントを加点し、ダメージを与えていく。

王者はクローズドガードも、エルボーを続けられスクランブルでバックを許す一方的な展開に。両足のフックが解かれ、前方に落とされたビブラトフが逆にバックを譲る。ビブラトフは落ち着いて胸を合わせると、スピニングバクフィストを当てて間合を取り直す。ここからボディストレートを決めたビブラトフが、後ろ回し蹴りに。これは空振りも、ビブラトフのリズムで試合は進み、スピニングバックフィストに反応したオリヴェイラにスピニングバックキックというコンビを見せたビブラトフが、この回も取った。

3R、爆発力ある突進が見られないオリヴェイラは、ただ粗いパンチを繰り出すような状態になっている。対して、ビブラトフボディからスピニングバックキックを腹に決める。オリヴェイラのフックやローをサイドキックで跳ね返したビブラトフが、直後に組んでテイクダウンを決める。為すすべなく背中をつけたチャンピオンはブリッジも、すぐにスペースを作ったビブラトフをリバーサルできない。

オリヴェイラは下の状態が続き、ニーシルドを取るがヒジで顔面を打たれ半身でボディから顔にパンチを受ける。スクランブルに持ち込めず、頭を抱えにいきパンチを連打されるオリヴェイラはハーフから足を取りいくが、ビブラトフがそこでもパンチを落としラウンド終了を迎えた。

4R、ビブラトフのショートのコンビネーションに頭を下げるチャンピオンは、組んで投げをうつもホールドに行かず、スタンドで待ち受けスピニングバックキックを受ける。続くシングルも、逆にバックに回られボディロックでリフトされる。ここは腹を突き出し、足をフックして倒されなかったが、ケージに詰められダブルレッグ、シングルレッグと攻め込まれる。

オリヴェイラは体を入れ替えたが、ビブラトフが押し込み返す。エルボーを受けた結果が、額に大きなたんこぶが見えるオリヴェイラが、再びポジションを入れ替える。ケージ際での攻防が続いたこの回は、両者が体力温存を念頭においた5分となったようだ。

残り15秒でボディに連打を入れ、一本背負いに出たビブラトフ。これは失敗に終わり、ツーオンワンを続けて時間を待った。

最終回、逆転と王座防衛を賭けてオリヴェイラがどのような動きを見せるか。セーフティフィードを築いているビブラトフは、後ろ回し蹴り後に右フックを受ける。チャンピオンに追い打ちはなく、跳びヒザを狙われると自らは跳び蹴りを繰り出す。と、ローに右オーバーハンドを合わせたオリヴェイラは、尻もちをついて立ち上がったビブラトフにシングルレッグを仕掛ける。胸を合わせたオリヴェイラは押し込みに拘る。

ダブルアンダーフックから煽り、ビブラトフが姿勢を下したところでバックに回ったオリヴェイラが足を一本フックして鉄槌を打ちつける。残り90秒、胸を合わせたヒザをボディに入れたビブラトフが離れて、ボディからワンツー、サイドキックを腹に蹴り込む。さらにクリンチからダブル、バックを伺いオリヴェイラが反応して正対するとエルボーを打って離れる。

右フックを打ち返したオリヴェイラに対し、ビブラトフはアッパーを空振りしてダブルレッグへ。逃げ切りをかけ、引き込んだビブラトフはオリヴェイラの前屈みのパウンドにスイープを合わせ、最後はトップからパウンドを落とし試合をまとめた。

結果はユナニマス・デシジョンでビブラトフがACAバンタム級王座を奪取、「凄く嬉しい。4か月準備してきたんだ。初回は立ち技で勝負しようと思ったけど、足に痛みを感じてレスリング勝負に切り替えたんだ。4Rと5Rは勝利を意識して戦った。可能な限り、ずっとこのベルトを巻いていたい」とマイクで話した。

変則的だったフェザー級に続き、バンタム級もベルトがブラジルからロシアに取り戻されることとなった。


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ACA120 other MMA Preview ダニエル・オリヴェイラ フィリッピ・フロイス ブログ マゴメドラスル・カズブラエフ マゴメド・ビブラトフ

【ACA120】間もなくスタート。フロイス&オリベイラ≠2人のブラジル人王者に、北米メジャー還りが挑戦

【写真】闘牛×闘牛の試合となるのか、それともフロイスが闘牛士になれるのか興味深い(C)ACA

26日(金・現地時間)、ロシアはサンクトペテルブルクのシブール・アリーナでACA120が開催され、メインとセミでブラジル✖ロシアの2階級の選手権試合が組まれている。

メインはACAフェザー級王者フィリッピ・フロイスにマゴメドラスル・カズブラエフが挑戦し、セミでは王者ダニエル・オリヴェイラに、マゴメド・ビブラトフが挑むACAバンタム級選手権試合だ。

つまり2試合ともブラジル人王者にロシア人ファイターが挑戦することになる。


2019年10月にサルマン・ザマルダエフを破り王座に就いたフロイスは、昨年12月にマラット・バラエフを破り初防衛戦に成功、今回が2度目のタイトルディフェンスとなる。ノヴァウニオン所属、修斗ブラジルが管理する修斗南米王座のフェザー級チャンピオンでもあったフロイス。

サウスポー、フィジカルで上回るロシア勢に対し、タイミングと気迫のこもった打撃戦を繰り広げ、レスリング的には組み負けても、そこはノバ所属だけに下からキレのある仕掛けを持っている。

対して挑戦者のカズブラエフは、Bellatorが2010年代前半期に巻き起こした第一次ロシアンパワーの北米席巻期にフェザー級トーナメントで優勝も、世界王座に挑戦することなくロシアに戻りACBからWFCA、そしてACAを主戦場に現在は4連勝中だ。

さすがにベラトール参戦時と比較すると、スピードは落ちたカズブラエフだが、スピードを飲み込む組みがあることでの圧力を持ち、テイクダウンからのコントロール&パウンド攻撃は威力を増している。鍵は5Rという長丁場、ACAのロシアンファイターは序盤から飛ばす傾向があるために、カズブラエフの突進力もダメージという戦果を挙げない限り、ペース配分では上のフロイスに3R以降の反撃を許すことは十分に考えられるだろう。

バンタム級タイトルマッチは、上記にあるガスブラエフ以上に強さを全面に打ち出して戦う、ロシア人のような戦い方をするのが、王者オリヴェイラの特徴だ。

まるで100メートル走でフルマラソンを走り抜くような全力ファイトが信条だが、折り返し地点はすでにスタミナに問題が出ており、そうなると相手と距離を取り始める。

ここでオリヴェイラがしたたかなのは、疲れて省エネにファイトになりつつも、一発に込める力、爆発力はパンチ、ヒザ、テイクダウンと揃ってタコメーターを振り切るような勢いで攻めることだ。それ以前に突進力を受け止めていた対戦相手も既に疲弊しており、この一発に飲み込まれるケースは少なくない。

そんなチャンピオンに挑戦するビブラトフも、WSOFからUFCを経験し、ACAに戻ってきた選手だ。ただし、UFCでは1勝2敗と結果を残すことはできなかった。ビブラトフはどちらかというと間合いを図り、相手の攻撃をかわして自身の攻撃を当ててくタイプだ。

ジャブで距離を測り、同じ踏み込みで後ろ回し蹴りという軸があったビブラトフだが、今流行りのカーフではなく、ヒザの横を蹴るアウトサイドの右ロー、インサイドの左ローという武器も身に着けている。その蹴りの距離をオリヴェイラに勢いがある間に取ることができるかが、タイトル戦の行方を占う上で大きなポイントとなるだろう。

セミより前ではPFLから転じ、ACAで2戦目となるラシッド・マゴメドフも気になる。奇しくもUFC、Bellator、そしてPFLと北米3大プロからの帰還者が、母国でどのような結果を残るのか、見ものだ。

■視聴方法(予定)
3月27日(土・日本時間)、
午前零時~ ACA TV

■ACA120対戦カード

<ACAフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] フィリッピ・フロイス(ブラジル)
[挑戦者]マゴメドラスル・カズブラエフ(ロシア)

<ACAバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]デニエル・オリヴェイラ(ブラジル)
[挑戦者] マゴメド・ビブラトフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)
サルマン・ザマルダエフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
サリミジェヘイ・ラスロフ(ロシア)
デニス・スモルダレフ(エストニア)

<ライト級/5分3R>
ムハメド・ココフ(ロシア)
ラシッド・マゴメドフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
アプティ・ビマルザエフ(ベラルーシ)
トゥラル・ラジモフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級/5分3R>
イスラム・オマロフ(ロシア)
ビベール・トゥメノフ(ロシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
ムスリム・マゴメドフ(ロシア)
レオナルド・シウバ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ムラット・グゴフ(ロシア)
イワン・シュトルコフ(ロシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
アミルカン・ガジヒエフ(ロシア)
ドミトリー・クリヴレタス(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ロンマリ・ナルジエフ(ロシア)
デニス・シウバ(ブラジル)

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Bu et Sports de combat Interview アブドゥルラクマン・ドゥダエフ ダニエル・オリヴェイラ ブログ 岩﨑達也

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。オリヴェイラ✖ドゥダエフ「横蹴りバランス」

【写真】肉弾相打つといった消耗戦を制したオリヴェイラ、彼の勝利はドゥダエフの正面と横蹴り、2つのバランスの違いにあった(C)ACA

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──ACA112におけるダニエル・オリヴェイラ✖アブドゥルラクマン・ドゥダエフとは?!


──今回は日本や北米なく、ロシアからブラジル人とロシア人ファイターの対戦です。

「まず、この試合は最近のUFCの5分✖5R戦で見られる燃費合戦とは違い面白かったですね。ドゥダエフって、チェチェン人ですよね。チェチェン……カフカスという地域は、僕らにはまだ幻想を抱かせる響きを持っています。ドゥダエフなんて、ソ連崩壊時の極真のチェチェン支部長の名前ですからね(笑)」

──アハハハハ。

「まぁ、こういう選手は強いですよ。ただしドゥダエフはパンチが打ちたくてしょうがない構えなのに、良いのは蹴りという一風変わった選手でした。横蹴りバランスと私は呼んでいるのですが、サイドキックを出せるような構えで。最初はガードが高くて、小さな構えだったのでフック系の選手かと思いましたが……。

そういうフック系の選手かと思っている間は、オリヴェイラの間でした。あまり良いパンチを打っていないから。オリヴェイラは圧力とか余り感じていなかったと思います。それが、いきなり後ろ蹴りをスコンと入れて。その途端に間がドゥダエフになりました。そうすると、オリヴェイラが急にガクンとなって。

その時に気付いたのですが、ボクシングの構えだとあんな風にスムーズに蹴りを出すことはできないんです。前蹴りにしても、回し蹴りにしても。特に彼が器用に使っていた後ろ蹴りなんかは。後ろ回し蹴りも使うし、直線的な後ろ蹴りをよく使っていました。これは横蹴りバランスだと。横蹴りバランスは、骨盤の動きがスムーズになって上手く蹴ることができるんです。フルコンタクト空手とか散打が盛んだからなのか、ロシアにはこういう選手は多いですね」

──確かに北米系の選手では、そういう傾倒の選手は極端なサイドキックを使う選手ぐらいで、あまり見ないです。

「それは逆に横蹴りバランスだと、MMAでも見られる勢いのあるフックとか打てないからでしょうね。横蹴りバランスは……ジョン・ジョーンズぐらいですかね、米国では。TJ・ディラショーなんかは正面バランスでパンチから蹴り、蹴りからパンチをしています。そういう上下の攻撃をどちらも見せることができる選手は、米国ではまだとても少ないです。どうしてもMMAは蹴りが得意、パンチが得意という風に分かれる傾向にありますから」

──そしてドゥダエフは蹴りの選手だったと。

「そうですね。ドゥダエフはパンチから蹴り、蹴りからパンチという風に連係されておらず、完全に蹴りとパンチがバラバラです。そして後ろ蹴りや回転系の蹴りを出すときは横蹴りバランスになっています。

横蹴りバランスは先を取るのに適しています。よって横蹴りバランスの時は自分の間だったのに、彼はパンチを打ちたがっていた。パンチの時は正面バランスになり、そのまま左のハイキックを出した時に、右ストレートを合わされてダウンを喫しました。横蹴りバランスで回転系の蹴りを出している時はドゥダエフの質量が高いですが、正面を向くとオリヴェイラになっていました。結果、ここぞという時にドゥダエフが正面バランスになるので、逆にオリヴェイラが要所を抑えるような試合という風になっていきましたね」

──オリヴェイラの攻撃は、遠くからオーバーハンドを放り込むようなことが多くなかったでしょうか。

「後ろ蹴りを被弾してから、間合が遠くなりました。それからもオリヴェイラのスピニングバックブローの直後に、ドゥダエフが後ろ回し蹴りを狙うなどフルコンタクト空手のような間合で戦う場面もありましたが、徐々にドゥダエフが下がるようになっていったんです。

ダウンもあってバックを取られ、RNCを狙われた。スクランブルの攻防が入ると、オリヴェイラの方が上でした。それもシングルレッグで倒されたときは、ドゥダエフは正面バランスなっていて、オリヴェイラの間だったんです。ドゥダエフは横蹴りバランスから二段蹴りを使うなど入りは良かったのですが、すぐに正面バランスを取ってしまう。そこで勝つなら組みだっていう勢いで、オリヴェイラが飛び込んでいました」

──それでいて、オリヴェイラの腹へのヒザ蹴りで勝負は決しました。

「最後のヒザは完全に顔面だと思ったところで、腹に入りましたね。ただし、チェチェン人なら腹で倒れちゃダメですよ(笑)。お前、そこは耐えろよと。まぁ、あの構えは腹が弱いです。少し前傾、お腹を引いてガードを固める。猫背になっていて、距離は遠く感じるのですが、あの構えは間が完全に蹴りになってしまいます。

それとドゥダエフは正面になった時の技がなかったように見えました。正面になるとテイクダウン、右ストレート、そして最後のヒザ蹴りと、攻撃を受けていました。横蹴りバランスの時と比較して先が取れなくなっている。正面バランスでは武器がなかったからだと思います。

しかしACAは面白いですね。と同時に米国で練習しているロシア人と比べて、ロシアがベースのロシア人選手は強いからこそ、試合の組み立てがない。もう自分の強さを100パーセント信頼している。こういうところでブラジルや米国人選手に遅れを取っているかと感じました──MMAとしては。ただ、元々の強さはロシア人です」

──ACAはUFCに次ぐレベルにあるといっても過言でないです。軽量級のチャンピオン達がUFCに進出し、ピョートル・ヤン、ザビット・マゴメドシャリポフ、アスカル・アスカロフと完全にトップですし。

「日本人選手には、ACAは出るなって言いたいですね(苦笑)。青木選手も以前、ロシアは掘るなと言っていましたけど、本当にそういうプロモーションです。危ない。でも、ここに挑もうとした日本人選手は覚悟決まっていますね。

それと横蹴りバランスなんですが、MMAで相当に使えるはずです。やれることが、かなりあるんです。私たちは70年代、80年代の極真空手だったから正面バランスだったけど、フランシスコ・フィリョやブラジル人は横蹴りバランスでした。

そしてK-1にいってからも、横蹴りバランスからの突きでアンディ・フグをKOしたのですが、キックボクシングを習うようになって正面バランスになると、フィリョのパンチの威力は落ちしてしまって。本当に面白いモノです。股関節の固い人っていうのは蹴りがなかなか難しいのですが、骨盤の使い方で足は上がります。だから回し蹴りだと難しくても、横蹴りバランスにすると色々なことができるようになるんです。で、横蹴りバランスというのはナイファンチなんです」

──そこは非常に興味深いです。是非また、教えてください。

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ACA112 other MMA Report アブドゥルラクマン・ドゥダエフ ダニエル・オリヴェイラ ブログ

【ACA112】超スリリングは接近戦から、離れてヒザをボディへ。オリヴェイラがドゥダエフ倒し、王座防衛

【写真】王座防衛に成功したオリヴェイラは、神に感謝を述べた(C)ACA

<ACAバンタム級選手権試合/5分5R>
ダニエル・オリヴェイラ(ブラジル)
Def.3R3分33秒by KO
アブドゥルラクマン・ドゥダエフ(ロシア)

オリヴェイラの初防衛戦。右オーバーハンドをいきなり当てたオリベイラに対し、右を打ち返したドゥダエフは組まれても内股で投げる。投げられた勢いで上を取り返したオリヴェイラがバックへ。落とされないように着地したオリヴェイラはドゥダエフをケージに詰めてヒザをボディに入れる。

ドゥダエフは払い腰でオリヴェイラを投げるも、抑え込みには至らない。立ち上がった両者、オリヴェイラはスーパーマンパンチを空振りし、ドゥダエフの右をかわすが後ろ回し蹴りを顔に受けそうになる。続いて左フックを当てたドゥダエフのスピニングエルボーは空を切る。間合いを外し、ワンツーに右を合わせようとしたチャンピオンだがドゥダエフはハイキックを狙う。さらにワンツーからスピニングバックフィストを見せるなど、チャレンジャーの手数が多い。ドゥダエフは左オーバーハンドをバックステップでかわし、右を当てるなど、組まれると柔道、離れるとボクシングで優勢に立つ。

残り20秒を切り、スピニングバックキック、跳びヒザを見せたドゥダエフが走り込んでヒザを見せたオリヴェイラの動きも余裕をもってかわし初回を取った。

2R、ドゥダエフの右アッパーに組みついたオリヴェイラ。ヒザをドゥダエフがボディに入れると、両者が同時に思い切り右フックを振るう。共に空振りになるが、直後にオリヴェイラはバックハンドブローでドゥダエフの頭部を殴ると、背中を向けている状態のチャレンジャーがそのまま後ろ回し蹴りを見せる。後方に飛びのくようにかわしたオリヴェイラは、後方にバランスを崩したがすぐに立ち上がる。

間合いを図り、詰めるドゥダエフがスイッチして左ハイ。後方に姿勢を崩したオリヴェイラはケージを利して跳ね返るように起き上り、ドゥダエフの左ミドルに右オーバーハンドを当て、逆にダウンを奪う。体が固まったように倒れたドゥダエフに左のパウンドを落とし、バックに回ったチャンピオンは両足をフックしRNCへ。ドゥダエフは手首やグローブを掴むように絞めを防ぐが、オリヴェイラは慌てずパンチを打ちつつ、腕を入れ替え絞めの機会を伺っている。

正座した状態でオリヴェイラを背負うドゥダエフはついには腰を上げて、前方に振り落とすことに成功する。すぐに立ち上がった王者は、ドゥダエフのジャンピングスピニングバックキックをダッキングでかわす。疲れが目立つのはオリヴェイラだ。足を使って息を整えるオリヴェイラは、思い切り走り込んで右フックもドゥダエフが苦もなくかわす。ここから軽い蹴りを連続で放ったドゥダエフは、後ろ回し蹴りや右オーバーハンドを遠い位置から狙う。両者の攻撃は踏み込みを伴わず、早く精神戦の様相を呈してきた。

3R、ドゥダエフが左ジャブを伸ばし、オリヴェイラの右オーバーハンドをかわして、ヒザを顔面に突き上げる。ジャブを貰いながらチャンピオンは右ローを蹴って左に回る。スイッチしつつ右の関節蹴りをサイド気味に入れたドゥダエフは、左ジャブでオリヴェイラに前進を許さない。ドゥダエフはジャブにヒザのタイミングを計る動きを見せて、自らの左ジャブ当てていく。さらに右ローを蹴られたオリヴェイラの姿勢が大きく乱れる。

笑顔を浮かべるオリヴェイラは、攻撃が右オーバーハンド頼りで単調になってきた。と、飛び込むように左オーバーハンドを放ったチャンピオン。ドゥダエフは冷静に右を返す。右ボディフックを打ちながら前に出てきたチャレンジャーに対し、オリヴェイラはシングルレッグを狙う。このまま左足をすくって、大きくスラムへ。背中から落ちるのを拒んだドゥダエフは、強かに頭をキャンバスに打ちつけてしまったか。それでもすぐに立ち上がったドゥダエフだが、背中に乗ったオリヴェイラは右足をフックし、続いて左足も差し入れる。無理をせず、自ら着地したドゥダエフをボディロックに取られたドゥダエフは、態勢を入れ替えられケージを背負う形に。

オリヴェイラが右で殴ろうとし、ドゥダエフがヒザを狙う。残り2分、打撃の間合いになりドゥダエフは右ローを蹴るがスリップして尻もちをつく。即スタンドに戻ったチャレンジャーは左ジャブを伸ばす。変わらず遠い距離からの右オーバーハンドは届かなったオリヴェイラだが、続く踏み込みで左ヒザをボディに突き刺す。これが効き、しゃがみ込んでしまったドゥダエフ。追い打ちのパウンドを落とす前にレフェリーが割って入り、オリヴェイラのKO防衛が決まった。

勝敗が決まっても立ち上がることができないドゥダエフをよそに、オリヴェイラは神への感謝の言葉を続ける。そして勝利者インタビューでポルトガル語を話し続けるオリヴェイラにグロズヌイのファンはブーイングを送った。攻勢だったのはドゥダエフだが、消耗戦のなかでオリヴェイラの思い切りの良さが勝利を引き寄せた──そんな戦いだった。


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【ACA112】計量終了 再開、ブラジル人参戦。メインはバンタム級王者オリヴェイラ✖ドゥダエフ

【写真】パブリック計量はどうやらショッピングモールで行われたようだ 。かなりリカバリーしてくることが予想されるオリヴェイラ (C)ACA

4日(日・現地時間)、間もなくロシアのグロズヌイで開催されるACA112の計量が3日(土・同)に行われている。

いよいよACAも旧ソ連圏や東欧だけでなく、大西洋を越えてブラジル人ファイター達の参戦が可能となり、今大会のメインではACAバンタム級王者ダニエル・オリヴェイラがアブドゥルラクマン・ドゥダエフの挑戦を受ける。


オフィシャルの発表でオリヴェイラの体重が発表されていないが、これは単なるケアレスミスと思われる。100メートル走のようなファイトで、42.195=5Rを戦い抜くチャンピオンに対し、挑戦者はあのオレッグ・ボリソフをギロチンで下すなど、キャリア24勝5敗。ロシア系以外ではBellatorやPXCで活躍したジョー・タイマングロ、UFCで山本KID徳郁や手塚基伸に一本勝ちしているバグハン・リーに勝利している。

コロナ禍では選手の調整不足が目立っているが、飛ばし過ぎ上等の超疲弊ファイトをオリヴェイラが仕掛けることができるか──注目だ。セミでは懐かしヤスベイ・エノモトがアブバカル・バガエフと戦う。当初はウェルター級と発表されていたが、両者そろって81キロ代ということもあり、キャッチウェイト戦に変更されたようだ。

この他、UFCベテランで元ACBフライ級王者モハメド・ビブラトフがホドリゴ・プライアと対戦するバンタム級戦と並び、フェザー級で予定されていたブラジル✖ロシア対決=ディエゴ・ブランダォン✖ジハド・ユヌソフの一戦は後者の体調悪化により取りやめられている。 

■視聴方法(予定)
9月19日(日・日本時間)、
午後11時~ ACA TV

■ACA112計量結果

<ACAバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ダニエル・オリヴェイラ:キロ
[挑戦者] アブドゥルラクマン・ドゥダエフ:61.7キロ

<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・バガエフ:81.8キロ
ヤスベイ・エノモト:81.65キロ

<バンタム級/5分3R>
ホドリゴ・プライア:61.45キロ
モハメド・ビブラトフ:61.4キロ

<フェザー級/5分3R>
サルマン・カマルダエフ:66.2キロ
アレクセイ・ポルプドニコフ:65.75キロ

<ウェルター級/5分3R>
ベスラン・ウシュコフ:77.5キロ
ウスタルマゴメド・ガジドウドフ:77.4キロ

<ミドル級/5分3R>
アルビ・アグエフ:84.5キロ
スタニスラフ・ヴラセンコ:84.1キロ

<フライ級/5分3R>
イムラン・ブクエフ:56.75キロ
アザマット・プシュコフ:57.2キロ

<フライ級/5分3R>
アレクセイ・シャポシニコフ:57.0キロ
ラスル・アルバカノフ:57.0キロ

<ライト級/5分3R>
ビスカン・マゴマドフ:71.8キロ
イゴール・ゴルブツソフ:70.8キロ

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