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45 AB MMA MMAPLANET o PFL アブドゥル・アブラギモフ ジャック・グラント セドリック・ドゥンベ

【PFL Euro2024#01】ダース、ギロチン、JPネクタイ、アナコンダ。アブラギモフがグラントに競り勝つ

写真】フロント系チョークでニアフィニッシュに演出したアブラギモフが、グラントを振り切った(C)PFL

<ウェルター級/5分3R>
アブドゥル・アブラギモフ(フランス)
Def.2-1:30-27.29-28.28-29
ジャック・グラント(英国)

PFL欧州ウェルター級勢にあって一番の実力者として認識されていながら、欧州シーズン参戦がなくスーパーファイト扱いのアブラギモフが、英国の極め技師グラントと対戦。大ブーイングを受けるグラント、対照的に大歓声を背にしたアブラギモフはローから試合に入る。すぐさまグラントもローを返す。

アブラギモフのカーフで、姿勢を乱したグラントが勢いのある右から跳びこんでダブルレッグへ。アブラギモフはギロチンで下になるが、ケージを背負って窮屈な姿勢でセットし続けることができない。ラバーガードのアブラギモフは、ミッションコントロールに取るもグラントが腰を上げられクローズドに戻す。パスの圧にバタフライガードのアブラギモフ、グラントはニースライスから鉄槌、左のパンチを連打する。

手首を掴んでレッスルアップ──スタンドの戻ったアブラギモフがダブルレッグでテイクダウンを決め、ダースチョークへ。ジャパニーズネクタイで絞めるアブラギモフに対し、グラントは人差し指を左右に振って問題ないとアピール。アブラギモフは絞めからコントロールに転じて初回を終えた。

2R、アブラギモフが右カーフ。グラントが右ローを返す。ジャブで距離を詰めるグラントは左リードフックを被弾し、続くダブルレッグをスプロール。離れたアブラギモフは立ち上がった直後にワンツーからカーフを蹴る。ジャブを差し合う両者、グラントの左にシングルレッグに出たアブラギモフは外ヒールのカウンターに、体をねじって離れるとがぶってアームインギロチンへ。グラントが足を抜くや、後方回転でアブラギモフがトップを取る。右腕を差してレッスルアップのグラントは、ボディロックもアブラギモフがウィザーで耐え、正対する。グラントはクリンチの攻防でヒザを繰り出し、アブラギモフが離れると右をヒットさせる。

クリンチからバックに回ったグラント、アブラギモフの前転をすかしてトップを取るとパウンドを落とす。グラントは右足を抜き、アブラギモフのニーシールドをパス。自らハーフに戻るような動きでポスチャーしたグラントがトップで2Rを終えた。

最終回、スイッチするアブラギモフがカーフを蹴るが、やや疲れが感じられる。浴びせ蹴りからガードを取ろうとしたアブラギモフのバックを制したグラントがワンフックからRNCを仕掛ける。アブラギモフはうつ伏せから腰を上げるが、前方に振り落とすことはできない。一旦はヒザを畳んだアブラギモフだが、再び腰を上げる。前方に落とされまいと、先に動いたグラントだがアブラギモフはリストコントロールから胸を合わせに行く。

ここからスクランブルとなり一度はバックを制したアブラギモフは、続くスクランブルでバックを譲り、胸を合わせて正対する。グラントのレッスルアップにアナコンダをセットしたアブラギモフが絞めあげる。ここも人差し指を振り、さらにピースサインのグラントだが頭を抜くことはできない。コントロールを許した状態のグラントは、このまま時間が過ぎるままに。

残り1分、結果としてトップを取ったアブラギモフの絞め──というより固めが続く。このままアブラギモフが頭を抱えたまま、残り10秒で鉄槌に切り替える。座った状態のグラントに左右のパンチを見舞ったアブラギモフにパリのファンは大歓声を挙げた。スクランブル&グラップリングウォーをスプリットで制したアブラギモフは、グラントと健闘をたたえ合うと「いつも通りフィニッシュを狙った。彼は本当の黒帯だ。フィニッシュには近かったけど、とにかく勝てて良かった。歴史的なイベントに参加できたけど、旅の途中。まだ旅は続くよ」と話し、最後にメインに登場するセドリック・ドゥンベに対し「カモン」と連呼した。


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【PFL Euro2024#01】計量終了 ドゥンベ✖シャンソウディノフ、2分18秒も視線を外さず!!

【写真】正面を向いても、インタビューが始まっても両者は視線をぶつけ合い続けた(C)MMAPLANET

7 日(木・日本時間)、フランスはパリのアコー・アリーナで開催されるPFL Euro2024#01の計量が6日に行われている。
Text by Manabu Takashima

4階級、8人制トーナメントを4イベントで消化するPFL欧州シリーズの開幕戦はウェルター級とライト級の2つのトーナメントの準々決勝が計8試合、メインとコメインはウェルター級のワンマッチが組まれるなど、計12試合に出場する24人のファイターは、誰も計量をオーバーする選手はなかった。


アコー・アリーナがソールドアウトとなった欧州シリーズのメインはGLORY世界ウェルター級王者からMMAに転向して、6戦目のドゥンベに対し、テイクダウンと投げを得意とするシャンソウディノフの一戦。フランス国籍のカメルーン人✖チェチェン人の対戦は、フェイスオフ後に正面を向いての撮影になっても目を外さない。

「最後に一言を」と司会に言われシャンソウディノフが「俺は超強いぞ」と言えば、ドゥンベは「タフなことは分かっているし、戦うことが楽しみ。KOする」と、ここも視線を外さずコメントをした。

さらにドゥンベは後ろ歩きでステージの端まで移動しつつ、シャンソウディノフと視線をぶつけ続ける。

と、トゥンベはステージ中央まで戻り2度目のフェイスオフへ。ついにはダン・ハーディーが両者を分けるまで2分18秒も視線を合わせ続けた。

■視聴方法(予定)
3月8日(金・日本時間)
午前0時45分~U-NEXT


■ PFL Euro2024#01計量結果

<ウェルター級/5分3R>
セドリック・ドゥンベ: 170.2ポンド(77.2キロ)
ビソングール・シャンソウディノフ: 170.4ポンド(77.29キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アブドゥル・アブラギモフ: 169.7ポンド(76.97キロ)
ジャック・グラント: 169.3ポンド(76.79キロ)

<ウェルター級T準々決勝/5分3R>
イブラヒム・マネ: 170.8ポンド(77.47キロ)
シェキナ・ノーソ・ペドロレ: 169.9ポンド(77.06キロ)

<ライト級T準々決勝/5分3R>
ヤジッド・シュシャン: 154.7ポンド(70.17キロ)
イグナイシオ・カペラ: 156ポンド(70.76キロ)

<ライト級T準々決勝/5分3R>
ヤクブ・ギャズバ: 154.9ポンド(70.26キロ)
ケイン・マウサ: 155.9ポンド(70.71キロ)

<ウェルター級T準々決勝/5分3R>
ヤシン・ナジド: 170.9ポンド(77.51キロ)
ダニエレ・ミチェーリ: 169.7ポンド(76.97キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ミキャエル・グログエ: 261.9ポンド(118.79キロ)
イスレム・マスハフ: 260.2ポンド(118.02キロ)

<ライト級/5分3R>
パトリック・アビホハ: 156ポンド(70.76キロ)
クラウディオ・パチェッラ: 156ポンド(70.76キロ)

<ライト級T準々決勝/5分3R>
コナー・ヒューズ: 155.7ポンド(70.62キロ)
アナトリ・バアル: 154.9ポンド(70.26キロ)

<ライト級T準々決勝/5分3R>
アレクサンドル・チノフス: 154.9ポンド(70.26キロ)
ダニエレ・スカティッチ: 154.3ポンド(69.98キロ)

<ウェルター級T準々決勝/5分3R>
トマシュ・ワンゴフスキ: 169.5ポンド(76.88キロ)
フロリン・ゼンデリ: 170.9ポンド(77.51キロ)

<ミドル級/5分3R>
ユネス・ナジド: 186ポンド(84.37キロ)
ケヴィン・デル: 185ポンド(83.91キロ)

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Cage Warriors MMA MMAPLANET o UFC UFC292   アマンダ・レモス アルジャメイン・ステーリング アンドレア・リー アンドレ・ペトロスキー イアン・ギャリー カマル・ウスマン カリーニ・シウバ グレゴリー・ホドリゲス シャクハト・ラクモノフ ショーン・オマリー ジェフ・ニール ジャック・グラント ジャン・ウェイリ ジルベウト・ドゥリーニョ デニス・チュルリン デモン・ブラックシアー ニール・マグニー ブラック ブラッド・カトーナ ブラッド・タヴァレス ペドロ・ムニョス マリオ・バウティスタ マリナ・モロズ ライカ ヴィセンチ・ルケ

【UFC292】ニール・マグニー戦へ、イアン・ギャリー「必要がないから、組み技を見せてこなかっただけ」

【写真】文中にあるようにマグニーは191センチの長身だが、ギャリーも同じだけの上背を誇っていた(C)Zuffa/UFC

19日(土・現地時間)、マサチューセッツ州ボストンのTDガーデンでUFC 292「Sterling vs O’Malley」が開催される。UFC世界バンタム級選手権試合と女子ストロー級選手権試合──2つのタイトル戦を控えた第10試合で、イアン・ギャリーがニール・マグニーと戦う。
Text by Manabu Takashima

オクタゴン5勝0敗、キャリアを通して12連勝中のギャリーは、ジェフ・ニールからマグニーに相手が代わったことで、これまで見せてこなかった彼の一面をこの試合で披露する腹積もりだ。25歳、世界のトップが見えてきたギャリーは、無敗のファイターしか持ちえない純粋無垢、真っ新な前進力を持っている。


──イアン、インタビューを受けていただきありがとうございます。

「こちらこそ、ありがとう。もうすぐUFCシンガポールがあるから、忙しいんじゃないの? たくさんのアジア人ファイターが出場するし、凄く楽しみだよ」

──今週末、ニール・マグニーと対戦しますが、もともとはジェフ・ニールと戦う予定でした。構え、スタイルとまるで違う相手になったのですが、問題はなかったですか。

「ジェフ・ニールと戦うことは、とても楽しみにしていたんだ。僕がこの間に学んできたこと、全てを出す戦略を立てていたから。ジェフ・ニールははサウスポーで背が低い。そしてアグレッシブなファイターだ。対して、ニール・マグニーは背が高いオーソドックスの選手(笑)。だからジェフ・ニールと戦うために準備してきた武器を見てもらうことはできないけど、マグニーを血まみれにして破壊する。彼がこれまで経験したことがない、ファイトを初体験させてやるつもりだ」

──ジェフ・ニールと戦っていた方が、ファンが喜ぶ試合展開になったという風に思うことはありますか。

「ただ、ファンの間ではジェフ・ニールよりも、ニール・マグニーの名前の方が知れ渡っていると思うんだよね。またトップ15を破る、絶好の機会だと思っている。ジェフ・ニールにしても、ニール・マグニーにしても僕の名前が立つためには恰好の相手だよ。それにどっちと戦うのかっていうことよりも、僕がオクタゴンに入って戦えることが、最重要なんだ。どっちにしても、僕の引き立て役にしかならないんだから(笑)」

──とはいえイアン自身が言及していたように構えも違いますし、ファイトスタイルはニールがストライカーなのに対して、マグニーがやるべきことはクリンチゲームからテイクダウンし、コントロールをすること。まるでスタイルが違いますが、準備期間は十分でしたか。

「実はヴィセンチ・ルケの練習パートナーを務めるために、2カ月半ブラジルにいたんだ。この間、毎日のように柔術の練習をしてきた。マグニーがクリンチからテイクダウンを狙っても僕は倒されない。仮に倒されたとすれば、僕の柔術を皆に見てもらう丁度良い機会になる。グラップリングを皆に披露できるなら、それも楽しみだよ。UFCに来て、初めてグラップリングの腕前を見てもらうことができる。マグニーが寝技で戦ってくるなら、いくらでも受けたつよ」

──2021年6月、イアンがジャック・グラントを破ってCage Warriorsウェルター級王座と獲得した試合ではダブルレッグでテイクダウン、スクランブルでダース、クリンチでエゼキエルを仕掛けるなど、組み技でも十分に強いところを見せていました。

「イエス。僕は打撃が好きなんだ。そして、肉体を駆使したチェスのような試合を好んでいる。でも殴らたり、蹴られたり、傷つくことが嫌な相手が立ち技で勝負せずに、柔術やレスリング、グラップリングを攻めてきても別に構わない。僕にテイクダウンを仕掛けてきたとして、世界中の誰を相手にしてもバックに回ることができる。世界中の誰からも、一本勝ちできる。

そうする必要がないから、UFCでは組み技を見せてこなかっただけで。ニール・マグニーが僕を相手に組んでくるなら、グラップリングファイトに応じる。そして、チョークで落とすことを約束する」

──これまでUFCで5連勝中ですが、そろそろグラップリングのスキルを皆に披露する時がやってきたと考えていますか。

「最終的にウェルター級のトップは、グラップラーが多い。グラップリングに比重を置いたファイトをしている。僕がここでグラップリングを駆使して戦えば、多くの相手は僕と組みたがらないようになるだろう」

──グラップリングは今もブーイングの対象ですが、ジャック・グラントのようにマグニーが動いて来れば、ファンが盛り上がることができるグラップリングMMAになるかと思います。

「この試合では、最後はグランドワークを見せることになるだろう。今回のマグニー戦か、それとも次の試合になるかもしれないけど、如何に僕のグラップリングが優れているのかを皆に証明する」

──キルクリフFCのジルベウト・ドゥリーニョ、シャクハト・ラクモノフの両者が既にニール・マグニーを破っていますが、2人が戦っていることでキルクリフFCにはマグニーの情報が豊富にあり、有利になるのではないですか。

「ノー、そんなことはないよ。同じチームでも僕はドゥリーニョでも、シャクハトでもないから。それにマグニーだって、あの時のままのはずがない。ドゥリーニョはUFCの歴史上、最高のグラップラーの1人だ。シャクハトも最高のトップファイターだよ。ただし、彼らがマグニーに勝っていることは、何も僕にとってアドバンテージにはならないよ」

──イアンも他のファイターと同様に、目標はUFC世界王座であることは間違いないかと思います。

「イエス」

──ウェルター級ランカーにはドゥリーニョ、ラクモノフ、ヴィセンチというチームメイトがいます。世界を獲るためにドゥリーニョが、カマル・ウスマンに挑戦したように友人同士のファイトを求められるとどうしますか。

「ドゥリーニョは僕にとって家族のようなものだ。今週末も、僕のコーナーに就いてくれる。彼と戦うことは考えられない。ヴィセンチも友人だ。皆、僕の友達だよ。そんな風に僕も思っていた時期がある。今の僕は……もしシャクハトがチャンピオンなら、シャクハトと戦う。僕ら2人がベストでも、チャンピオンは1人だから。

ドゥリーニョが世界最高でチャンピオンだったとしても、僕はチャンピオンになりたい。そして彼に挑戦表明をするよ。『僕は世界王者になりたい。ベストになりたいんだ。ギルバート、君と同じなんだ。アイ・ラブ・ユー。どうする? やるだろう?』ってね。レガシーとヒストリーが、僕にとって一番大切なモノなんだ。世界のベストになるためなら、誰とでも戦う。いつでも、戦う。友人とタイトルを争う期間は、友人ではなくなるだけだよ」

──タイトルショットでなく、普通のワンマッチでは?

「繰り返すけど、僕は誰とでも戦う。夢に近づくためならね」

──分かりました。では、そこに近づくためにも今週末はマグニーを相手にどのような試合をしたいと考えていますか。

「僕がスーパースターであることを示す。旗が風にはためていることが、なぜあれほどまでに美しいのか。それは旗の後ろに巨大なパワーが存在しているからだ。そこれそ情熱の象徴であり、感動、楽しさの表れなんだ。僕の打撃、僕の戦い方は旗が風にはためているように美しい。過去、誰も見たことがない世界最高の打撃だ。イアン・ギャリーはウェルター級に比肩する者がいない。この世界で唯一の存在なんだと皆が思うような戦いを見せる」

■視聴方法(予定)
8月20日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時00分~U-NEXT

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]アルジャメイン・ステーリング: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]ショーン・オマリー: 135ポンド(61.24キロ)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジャン・ウェイリ: 115ポンド(52.16キロ)
[挑戦者]アマンダ・レモス: 114ポンド(51.7キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー: 170.5ポンド(77.34キロ)
イアン・ギャリー: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
マーロン・ヴェラ: 136ポンド(61.69キロ)
ペドロ・ムニョス: 135ポンド(61.24キロ)

<バンタム級/5分3R>
マリオ・バウティスタ: 136ポンド(61.69キロ)
デモン・ブラックシアー: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ミドル級/5分3R>
クリス・ワイドマン: 186ポンド(84.37キロ)
ブラッド・タヴァレス: 185ポンド(83.91キロ)

<ミドル級/5分5R>
グレゴリー・ホドリゲス: 186ポンド(84.37キロ)
デニス・チュルリン: 185ポンド(83.91キロ)

<TUF31ライト級決勝/5分3R>
カート・ホロボウ: 155.5ポンド(70.53キロ)
オースティン・ホバート: 155ポンド(70.31キロ)

<TUF31バンタム級決勝/5分3R>
コディ・ギブソ: 136ポンド(61.69キロ)
ブラッド・カトーナ: 136ポンド(61.69キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート: 185ポンド(83.91キロ)
アンドレ・ペトロスキー: 186ポンド(84.37キロ)

<女子フライ級/5分3R>
アンドレア・リー: 125ポンド(56.7キロ)
ナタリア・シウバ: 125ポンド(56.7キロ)

<女子フライ級/5分3R>
マリナ・モロズ: 125ポンド(56.7キロ)
カリーニ・シウバ: 125ポンド(56.7キロ)

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Bu et Sports de combat Cage Warriors MMA UFC イアン・ギャリー ジャック・グラント ジョー・マッコルガン ボクシング 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。イアン・ギャリー✖グラント「英国の脅威」

【写真】イアン・ギャリー、近い将来にUFCへ進むのであろうか。(C)CAGE WARRIORS

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たイアン・ギャリー✖ジャック・グラントとは?!


──今回、Cage Warriorsという大英帝国圏の大会から、ウェルター級王座決定戦=イアン・ギャリー✖ジャック・グラント戦の模様の解説をお願いします。

「はい。正直なところ初めて見た大会なのですが、このギャリーという選手は何歳ですか」

──21歳ですね。

「あれで、ですか……。途中で対戦相手となんか、喋っていなかったですか」

──はい(笑)。クリンチになると「お前、こんなことしたいのか?」、「誰も喜ばないぞ」とか言い合って、それで殴られると「これが好きだなんだ」と言い、「俺もだ」って返答して殴り続けたりしていました。

「アハハハハ。もうイッちゃっていますね。そうなってきたのも、分かります。かなり煮詰まっていましたからね。ただし、もうぶっちゃけて言うと、相当なレベルです。気持ちもUFCの上のほうの試合よりも、LFAやコンテンダーシリーズのようにハングリーで。英国を舐めちゃだめです。陽の沈まない国だったんだから。ところで、イアン・ギャリーは空手をやっていたのですか?」

──申し訳ないです。ボクシングをやっていたのは入ってきているのですが、蹴りに関しては分かりません。MMAが空手的になっているようなこともあるかもしれないです。

「あぁ、ボクシングですか。分かりました」

──?

「技術的には、ギャリーは下がれることが素晴らしいです。あの戦い方は自信がないとできない。倒すチャンスも、いくらでもありました。ただし、ボクシングのグローブだったら倒せるのかもしれないけど、MMAグローブでは倒しきれない。そういうパンチになっていますね。パンチの殺傷力はイマイチです。

それにしても、あの下がってジャブを入れたり、前足の蹴りは素晴らしいです。その一方で、打撃だけでなく何でもでき過ぎて、どうやって試合を組み立てていくのか、分からなくなっていったんだと思います。

先日、フィニッシャーとマネージャーという話をしましたが、ホドリゲスのようなファイターのほうがマネージメントとして、ギャリーを上回っています。

ただし、ギャリーは見る者を夢中にさせますよね。それと負けたジャック・グラントですか、あの選手は私には分からない寝技を次から次へと見せていました」

──確かにその通りだと思います。Xガードを狙ったり、サドルは当然でオールドスクールからノーポイント&サブオンリーの技術まで色々と駆使していました。MMAであそこまで競技柔術やノーギの技で勝負するファイターがタイトル戦線にくる。いやぁ、大英帝国のMMAソサイエティ、恐怖です。

「2人して、真剣勝負のエンターテイナーでしたね。ああやって戦う、その姿勢でUFCへ行きたいということを表しています。それにしても、前日にあったライト級タイトルマッチで勝ったジョー・マッコルガンにしても、考えさせられることは多いです。彼は決して上手くない。距離の取り方は下手なんです。それなのに前足がパタパタ動きながらでも、前に出てワンツーを打って倒すことができる。

ギャリーは距離の取り方は抜群です。でも、MMAグローブで倒せるパンチをこの試合では見せていなかった。だから、ギャリーのレンジコントロールとマッコルガンのパンチが合体すれば、すさまじいことになります。

それにしても英国で、こういうギャリーのようなプロモーションがスターにしたい選手という素材が生まれることは見逃せないです。第2のマクレガーを期待され、本人もそうなるためにハングリーです。あのグラントという相手の寝技を凌ぐことができ、あれだけの打撃がある。どれだけのことを普段の練習で積み上げてきたのか。ただし、色々とできるのも難しいことがあるんだと知りました。あれだけできる選手が、4Rと5Rに煮詰まってしまう。そういう意味では、これまでに見たことがないMMAでしたね。

志が高いから、あれだけなんでもできる。それを上手く処理できていないですが、そこを支えるMMA業界が英国にある。

こういうとアレですが、志が低いほうが努力しなくて楽なんです。ギャリーは志が高いから周囲からすれば、何をバカなことをやっているんだというぐらいの努力をしているでしょう。日本にもそういう人がいますよね。でもね、人生はそうやってバカなぐらい努力し、のめり込む奴が謳歌するんですよ。そういうバカが世の中を変える可能性を秘めています」

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Cage Warriors Cage Warriors125 MMA イアン・ギャリー キック ジャック・グラント

【Cage Warriors125】打撃に注目のイアン・ギャリー、寝技への対応力に驚愕のウェルター級王座奪取

【写真】打撃で圧倒しろという意見もあるかもしれないが、これだけの幅の広いファイトと寝技への適応力を見せられると──イアン・ギャリーのこれからを追うしかない(C)CAGE WARRIORS

<Cage Warriorsウェルター級王座決定戦/5分5R>
イアン・ギャリー(アイルランド)
Def.3-0:50-44.50-45.50-45
ジャック・グラント(英国)

左ジャブを差し合う両者、グラントの右ストレートをギャリーがサークリングでかわす。ギャリーは左ジャブから左ハイ、この蹴りを顔面に受けたグラントにワンツーの追い打ちから組むと、肩を固めてテイクダウンを奪う。スクランブルでダースを仕掛けたギャリーに対し、立ち上がりながら首を抜いたグラントがワキを潜ってバックに回りスタンドで両足をフックさせる。

ギャリーは前方に落としにいくが、グラントはスロエフ・ストレッチに移行する。左足が伸びながら立ち上がったギャリー、グラントはジャンピングガードからスタンドでエゼキエルもすぐに放して着地する。距離を取り直したギャリーが、グラントのジャブをダックでかわして、右フックやジャブを当てる。

再び組んだグラントはバックに回り、後方に倒れこむと足関節を狙う。正面を向き、グラントはインヴァーテッド・ハーフガードからバタフライガードへ。ガードからコントロールするグラントだったが、最後の10秒で立ち上がったギャリーが重いパウンドを連続で落とし時間となった。

2R、グラントの力の入った右オーバーハンドをかわしたギャリーが、右カーフキック。この一発で姿勢を崩したグラントだが、立ち上がりながら組んでバックに回る。スタンドで背中に乗ったグラントが前方に落とされる。そのままヒザ十字を狙われたギャリーは胸の上に右ヒザをつき、座るようにしてパンチを落とす。

ギャリーはここで正対していくが、グラントが50/50ガードを取る。起き上がったギャリーが強烈なパウンドを落とし、ヒザを抜いてバックをうかがう。すかさずシングルに出たグラントだが、ギャリーがスプロールからダースチョークへ。そのまま引き込んでギャリーが力を入れて絞めるも決めきれず、技を解いてスタンドを選択する。

ジャブを伸ばし、グラントのフックはダッキング、オーバーハンドはスウェイでかわすギャリー。右に回りながらジャブを見せるギャリーが右アッパーから左フック、グラントのワンツーもスウェイで防ぎ、ジャブを連続で入れる。グラントは殴られながら前に出て、右を伸ばす。かわしたギャリーがボディロックに入ると、グラントはジャンピングガードへ。抱き着くグラントのガードを逆手に取ったギャリーが肩固めに入り、ケージに押し込んでいく。リリースしてバックに回ったギャリーは、右腕をキムラグリップに捕らえられる。

左腕を差し入れてキムラを解除するや、ギャリーが右エルボーを打って離れる。ワンツー、左ハイを放ったギャリーは両手を広げて「来い」と笑顔を浮かべるグラントに前蹴り、そしてジャブを当てる。右に回るギャリーを追いかけては、左ジャブを被弾するグラントは顔面が真っ赤の染まっている。そしてパンチは届かず、ワンツーを受け左ハイが顔面をかすめたところで時間となった。

3R、すぐに左ハイを狙ったギャリーは左右に回りながらジャブを入れ、グラントのパンチは食わない。そして右カーフを蹴り、左ハイへ。これはガードしたグラントが、右を初めて届かせる。ギャリーは右カーフ、ジャブ。グラントの左、右も届くようになるが、もろに右ストレートを顔面に打たれる。

それでも前に出るグラントの左フックをかわしたギャリーが、左前蹴りをボディから顔面へ連続で見せて、ワンツーを打ち込む。切れのあるワンツーにも前に出て笑顔を浮かべるグラントの突進もダックでかわしたギャリーは徹底して距離をコントロールし、接近戦としない。ならばとグラントはレベルチェンジからダブルレッグ──結果的に引き込みを選択する。

グラントはミッションコントロールからデッドオーチャード、三角絞め狙いつつ、左足をつかんで腰を切るや腕十字へ。左腕が伸びながらも、胸をそって解除をしたギャリーがエルボーを落とす。グラントはここでXガード狙いも、防いだギャリーは背中をつけて両ヒザを畳んだグラントのスネに胸を合わせると、手を合わせて「おやすみ」のポーズをとる。グラントが後方回転を見せたところで、時間となった。

4R、右カーフを蹴ったギャリーが組んでボディロック。ケージに詰められたグラントのギロチンを防いで離れ、右ローを蹴る。大きく左右に回り間合いを取ったギャリーが上半身の動きでパンチをかわして、ジャブではなく右ストレートを連続でヒット。さらに左ボディストレート、ジャブとケージを背負い、自らのパンチの距離でなくなるとダブルレッグを見せる。

ここは防御するグラントは、前に出て続け左フック。かわそうとしてスリップしたギャリーは、ヒヤッとするシーンにもダブルレッグでクリーンテイクダウンを奪う。起き上がりつつ組みついたグラントが、ケージに押し込むと後方へテイクダウンへ。これを潰してトップを奪ったギャリーに対し、グラントはシングルで組んでいく。スプロールしてスタンドに戻ったギャリーは、左フックをダックアンダーしバックに回り込み、今度は前方にテイクダウン。亀のグラントはキムラグリップから前転、さらに後転でバックを狙ったところでラウンドが終わった。

ハグ&タッチグローブからスタートした最終回。近距離で左ジャブを当てたギャリーが、グラントの右をヘッドムーブでかわす。続いて組んでボディロック、ケージにグラントが押し込む。「おい、戦えよ。動けよ」とグラントが挑発すると、「俺だってそのつもりだ」と答え、肩パンチを連続入れたギャリーが、ボディロックで左腕をさしてテイクダウンへ。スクランブルでバックに回ったギャリーに対し、グラントは前転して足を狙う。左足を引いてスプロール、バックを取ったギャリーは後方からパンチを入れる。

殴られながら足を狙い、すかされたグラントは「I love you」と声を出し、ギャリーも「I love you too」と返しながらパンチを止めない。直後に前転からヒザ十字に入ろうしたグラント、ギャリーは正対して立ち上がる。残り90秒、パス狙いのギャリーにシングルに出たグラントだが、がぶられて動きを止められる。ヒザをワキ腹に入れて立ち上がったギャリーを追いかけて立ち上がったグラントが跳びヒザ、組まれてギロチンへ。

頭を抜かれ、ケージに押し込まれたグラントはバックを取られると、スピニングバックエルボーへ。ギャリーはこれも察知し、頭をかがめると空振りしたグラントが姿勢を乱して転がる。すぐに立ち上がったグラントだが、ジャンピングガードを狙ったところでスラムで叩きつけられる。残り3秒、トップのギャリーがガードを取るグラントにハグをし時間となった。

結果は3-0でギャリーに。新Cage Warriorsウェルター級王者ギャリーの打撃に注目が集まったタイトル戦は、思わぬウェルラウンダーぶりと──それを引き出したグラントのグラウンドでの引き出しの多さに、英国MMAのレベルの高さが十分に感じ取られる一戦となった。


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