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F2W166 JJ Globo Report ガブリエル・アウメイダ ブログ ラファエル・ロバトJr

【F2W166】Timeless Jiu-jitsu Professor=ラファエル・ロバトJr、重厚な柔術でアウメイダから一本勝ち

【写真】ラファエル・ロバトJr、MMAも柔術も重厚極まりない(C)F2W

13日(土・現地時間)、プロ柔術大会Fight to Win 166が開催された。今年7度目となったこの大会、今回もレジェンドからグラップリングの未来を担う超新星まで、北米在住の注目グラップラーが多数登場し、激闘を繰り広げた。
Text by Isamu Horiuchi

ここでは米国人として2人目のムンジアル黒帯王者にして、Bellatorでも世界ミドル級を制したラファエル・ロバトJrとガブリエル・アウメイダの柔術マッチの模様をお伝えしたい。

<道着/10分1R>
ラファエル・ロバトJr(米国)
Def. 6分50秒by キムラロック
ガブリエル・アウメイダ(ブラジル)

スタンドで襟を取り合った両者。ロバトJrが大内刈りを見せるが、それをかわしたアウメイダは左腕を狙って跳び付き腕十字に。ロバトJrが反応よく腕を抜くと、距離を取って立ち上がろうとするアウメイダ。が、ロバトJrはその左足を掴んでアウメイダの体勢を崩して背に回る。ここで場外ブレイクが入り、再開後にアウメイダは間髪入れず立ち上がることに成功した。

次はロバトJrが引き込む。右足に絡んでのハーフガードの形を作ったが、アウメイダがニースライスを狙ってゆくと、ロバトJrは距離を取って素早く立ち上がった。

スタンドに戻ると、アウメイダはまたしても左腕に跳び付き腕十字。ここも腕を抜いたロバトJrは、アウメイダがスクランブルを試みたところにアームインギロチンを合わせる。タイトに極まっているかのように見えたが、アウメイダはなんとか頭を抜く。「浅いサブミッション狙いには1ポイント、深く入ったサブミッション狙いには5ポイントを与える」というF2Wの判定指針(ただし各試合のポイントは非公開)で考えると、5ポイント獲得の可能性が濃厚な攻撃だ。

試合をリードしたロバトJrはクローズドガードへ。ここからアウメイダのラペルを引き出して引き付けて体勢キープを試みる。攻撃を仕掛けなくてはならないアウメイダは立ち上がってスラムを見せるが、ロバトJrのガードは開かない。やがてロバトJrは、アウメイダの左腕をラペルに絡めて固定しての腕十字狙いへ。これを回避したアウメイダは、左膝を入れてロバトJrのガードを開けさせた。

残り4分。ロバトJrがアウメイダを後ろに崩すと、アウメイダはあまり抵抗せずに下に。上からは埒が明かないと踏んだのか、それともスタミナが切れたのか。上を取ったロバトJrは、低くプレッシャーをかけながら、アウメイダの右足を押し下げてゆく重厚なパス攻撃。その右足に自らの右膝を乗せたロバトJrは、そのままニースライスでパスガードに成功した。

さらに上四方に回ったロバトJrは、アウメイダの左腕を捉えると、キムラロックの体勢に。するとアウメイダは精魂尽き果てたかの様子で、ほとんど抵抗せずにタップした。

37歳のロバトJrが、驚きの圧勝──。徒らに派手な攻撃を繰り返した感のあるアウメイダに対し、不利な状況を確実に回避し、チャンスと見るやすかさず攻撃するヴェテランならではの試合運びの巧さ、そして終盤の重厚かつ強烈なパスガードと極め。勝利の際に “Timeless Jiu-jitsu Professor(時を超越した柔術師範)” とコールされた鉄人が、柔術の奥深さを魅せてくれた。


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F2W166 JJ Globo Report ウィリアム・タケット ブログ マニュエル・ヒバマー

【F2W166】ヒール入れ食い状態。茶帯のウィリアム・タケットがヒバマーをヒールで74秒殺!!

【写真】これでF2Wで10勝目を挙げた超茶帯のタケット(C)F2W

13日(土・現地時間)、プロ柔術大会Fight to Win 166が開催された。今年7度目となったこの大会、今回もレジェンドからグラップリングの未来を担う超新星まで、北米在住の注目グラップラーが多数登場し、激闘を繰り広げた。
Text by Isamu Horiuchi

ここではミスターF2Wといっても過言でない、茶帯ながら黒帯とのスーパーファイトで戦うウィリアム・タケットとマニュエル・ヒバマーの一戦をお届けしたい。

<ノーギ/10分1R>
ウィリアム・タケット(米国)
Def. 1分14秒by ヒールフック
マニュエル・ヒバマー(ブラジル)

スタンドで頭を付けていなし合う両者。やがてタケットが飛びつきカニばさみでヒバマーの右足に絡む。そのままインサイド・サンカクの形を作ってヒバマーのバランスを崩したタケットは、ヒバマーの右足を右脇に抱えての内ヒールを狙い。

そうはさせじと回転してゆくヒバマー。やがて両者の体が場外側に来ると、先回りしてステージの下に降りていたレフェリーがヒバマーの体を押さえる。これで両者の動きが止まると、タケットはすかさずヒバマーの右足を左脇に持ち替えて外ヒール。強烈に極まってヒバマーはすぐにタップした。

米国グラップリング界の新星タケットが、僅か1分少々で強豪ヒバマーから鮮烈な一本勝ち。F2Wでの戦績は、色帯の部でのものも合わせると(実はタケットは現在も茶帯だが、その実力ゆえに黒帯スーパーファイトに登場している)これでなんと10戦全勝。ミスターF2Wとでも呼びたくなるような活躍ぶりだ。


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F2W166 JJ Globo Report ジョシュ・シスネロス ブログ ルーカス・ピニェーロ

【F2W166】オールドスクール? 1周回って、新鮮&最新鋭=ジョシュ・シスネロスがピニェーロにレフ判定勝ち

【写真】パス→バックテイク。逆に新鮮な柔術を使い手シスネロス(C)F2W

13日(土・現地時間)、プロ柔術大会Fight to Win 166が開催された。今年7度目となったこの大会、今回もレジェンドからグラップリングの未来を担う超新星まで、北米在住の注目グラップラーが多数登場し、激闘を繰り広げた。
Text by Isamu Horiuchi

今回はダブルガードゲームをしない──現代柔術家=ジョシュ・シスネロスが、日本柔術界軽量級トップ選手のライバル=ルーカス・ピニェーロとの激闘をフィーチャーしたい。

<道着/10分1R>
ジョシュ・シスネロス(米国)
Def. 3-0
ルーカス・ピニェーロ(ブラジル)

しばしスタンドで襟を取り合った両者。やがてピニェーロが引き込むが、瞬時に反応したシスネロスはすかさず右膝を入れてニースライスの体勢に。そのまま前にプレッシャーをかけたシスネロスは、潜るような形になったピニェーロの左脇を抱えて掬い上げての極め狙いへ。

さらにシスネロスがその左腕をキムラグリップに取ると、危機に陥ったピニェーロはスクランブルを試みる。と、その動きに乗じてシスネロスは素早くバックに。ピニェーロは立ち上がったが、煤ネロスは背後から見事に4の字ロックを完成させてみせた。

ピニェーロは、その4の字ロックを片手で外しながら体を揺さぶる。シスネロスはピニェーロの左足を抱えての締めを狙うが、ピニェーロは頭をずらしてシスネロスを前に落とすことに成功。と、次の瞬間逆襲のバック狙いへ。が、シスネロスは素早く前転し、さらに横回転でスクランブルしてピニェーロのガードの中に入ったのだった。ここまで僅か1分。軽量級の世界的実力者二人による、スピード溢れる見応え十分の攻防だ。

やがてシスネロスがピニェーロを抱えて立ち上がると、ピニェーロはガードを解いて素早く着地し、ルールで許されているスラムを巧みに回避してみせた。

試合は再びスタンドに。ピニェーロは素早いシングルからダブルの連携を見せるが、レスリング経験のあるシスネロスは倒れず。ならばとピニェーロはクローズドガードに引き込んでみせた。右膝を入れるシスネロスは、そのままニースライスを狙うが、ピニェーロのガードは開かない。

やがて自らガードを開けたピニェーロは、シスネロスのラペルを引き出してその右膝の裏に通して掴むと、このグリップを用いて前に崩して上を奪取。が、下になったシスネロスもすぐにピニェーロの体を引き付けると、右膝に乗せて後転してすぐにスイープを返す。が、ピニェーロも動きを止めずにスクランブルで再び上になり立ち上がる。シスネロスは下になりながらも、50/50を作ってみせた。ここまでで試合時間の約半分が経過。上からも下からも強い両者が、積極的に仕掛け守り合う一進一退の展開だ。

ピニェーロは、シスネロスの右足をストレートフットロックのグリップで抱えて、倒れ込む。対するシスネロスは逆にトーホールド狙いに。しばし足関節合戦が続いたが、お互い極めには至らない。

残り2分半ほどのところで、足の絡みを解除して立ち上がる両者。同時にピニェーロはシスネロスの右足を取ってのシングルレッグへ。が、左足一本でそれを堪えたシスネロスは隅返しでピニェーロを舞わせる。ピニェーロもすぐにスクランブルで体勢を立て直すと、シスネロスはそこにすかさず三角狙いへ。これまた見事な仕掛けだったが、ピニェーロもすぐに頭を抜いて危機回避した。

ラッソーを作るシスネロスに対し、ピニェーロは低くプレッシャーをかけながら、右に回ってのパス狙い。が、シスネロスは距離を作ってガードを保つ。ピニェーロは左足を取ってストレートフットロックを狙うと、シスネロスは立つ。残り僅かのところで、シスネロスが逆にトーホールド狙いを見せたところで時間切れとなった。

判定は3-0でシスネロスに。両者が存分に持ち味を発揮した熱闘だったが、シスネロスの序盤のパス狙い&腕狙いからの鮮やかなバックテイク、後半のシングルを切り返しての隅返しと三角狙い等の攻撃を考慮すれば妥当な判定だろう。

多くの軽量級強豪選手のように外回り&内回りを中心に試合を組み立てるのではなく、全方面からダイナミックに仕掛けて極めを狙っていった20歳のシスネロス。その戦いは、確かに軽量級柔術の未来を感じさせるものだった。


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F2W166 JJ Globo Preview ウィリアム・タケット ガブリエル・アルメイダ ジョシュ・シスネロス ブログ マニュエル・ヒバマー ラファエル・ロバトJr ルーカス・ピニェーロ

【F2W166】無敗で引退、Bellator世界ミドル級王者ラファエル・ロバトJr参戦。日本勢の好敵手ピニェーロも

【写真】MMA引退後も積極的に組み技の試合に出ているムンジアル王者ロバトJr (C)BELLATOR

13日(土・現地時間)、プロ柔術大会Fight to Win 166が開催され、Flo Grapplingにて中継される。北米在住の大物グラップラーを多数参戦させるこのイベント、早くも今年7度目となる。
Text by Isamu Horiuchi

そんなF2Wの上位3試合、MMA世界王者からの柔術回帰、驚異の20歳と日本軽量級トップ柔術家のライバルの対戦などの見所を探りたい。


<ノーギ/10分1R>
マニュエル・ヒバマー(ブラジル)
ウィリアム・タケット(米国)

19歳のタケットは、茶帯にしてすでにワールドクラスの実力を持つノーギグラップラー。昨年の躍進はすさまじく、怪力の足関節師テックス・ジョンソンを肩固めで仕留め、また2019、2020年とパン大会を制しているフィリッピ・アンドリューズをヒールで極めている。さらにミディアムヘビー級世界王者ルーカス・バルボーザともレフェリー判定の接戦を演じてみせた。

今年1月のF2W160ではジョン・コムズと対戦。両者積極的に極めを狙い合う激闘の末に2-1で勝利している。

対する27歳のヒバマーは、2019年ノーギワールズミディアムヘビー級王者。先日ギャビ・ガルシアとの頂上決戦を制して柔術界の新女王に輝いたナチアリ・ディ・ジェススの彼氏でもある。

今年2月のF2W164ではダンテ・リオンと対戦。気迫を前面に出して攻めてくるリオンを相手にカウンター戦術をとったヒバマーは、テイクダウンをギロチンで切り返した動きが評価されて2-1で判定勝利を収めている。

上からも下からも積極的に極めを狙ってゆく戦いを信条とするタケットと、強固なバランスを武器に待ちの姿勢で戦うことが多いヒバマー。対照的なスタイルのぶつかり合いが興味深いメインイベントだ。

<道着/7分1R>
ルーカス・ピニェーロ(ブラジル)
ジョシュ・シスネロス(米国)

アトス所属のピニェーロは、2010年代後半から最軽量級のトップ戦線で戦ってきた選手。2016年のパン大会の準決勝では芝本幸司を下し、決勝ではマイキー・ムスメシからパスガードを奪って追い詰めた末、準優勝に輝いた。以降も橋本知之、吉岡崇人といった日本のトップ勢と世界の舞台で凌ぎを削り続けている。

近年特に勝率を上げているピニェーロは、2019年のF2W128ではジョアオ・ミヤオに勝利し、2020年にはイアゴ・ガマらを倒してパンノーギ大会を制覇。さらに今年のAJPブラジル・ナショナル・プロ大会でもクレベル・ソウザらを制して優勝。今年の世界柔術最軽量級の優勝候補の一人と言えるまで存在感を増してきている。

対する米国カリフォルニア出身のシスネロスは、2000年5月生まれの20歳。ジアニ・グリッポ(1992年生まれ)、アイザック・ドーダーライン(1992年生まれ)、シェーン・ヒルテイラー(1995年生まれ)、マイキー・ムスメシ(1996年生まれ)らに続き、米国柔術界軽量級の未来を背負ってゆくとみられる逸材だ。

12歳の頃、クレバー・ルシアーノの黒帯にしてプロスケーターのトム・ノックス門下で柔術を学びはじめ、才能を開花。色帯時代からディエゴ・パト・オリヴェイラらと激しい戦いを繰り広げており、2019年にはノーギ・ワールズ(ライトフェザー級)の茶帯の部を制している。

昨年8月に黒帯を取得すると、同年のパン大会ライトフェザー級でパウロ・ミヤオやペドロ・ディアズを倒して優勝。アメリカンナショナルズではアイザック・ドーダーラインにも競り勝ってフェザー級を制している。

レスリングの経験もあるシスネロスは、上からも下からも戦える万能型柔術家。昨年のパウロ戦では、自らテイクダウンを仕掛けて上を選択。下からオモプラッタを仕掛けてパウロの左腕を伸ばしかけて上を取る等、互角以上に渡り合った。さらに終盤にはパウロの足を捌いてのトレアナ・パスで見せ場まで作り、全方面で強さを見せての勝利だった。

最軽量級の雄ピニェーロ相手に、やや体格に勝る米国柔術界の未来がどのような戦いを見せるのか。普段のIBJJF大会では見られないだけに楽しみな顔合わせだ。

<道着/7分1R>
ラファエル・ロバトJr(米国)
ガブリエル・アウメイダ(ブラジル)

現在37歳のロバトJrは、07年に世界柔術ウルトラヘビー級を制し、BJ・ペンに続き米国人で2人目の黒帯で世界王者と輝いた大ベテランだ。以降も道着着用、ノーギの両方のルールで世界の重量級のトップ戦線で活躍してきた。

2014年にはMMAデビューを果たし、2019年6月にはゲガール・ムサシに競り勝って10戦全勝の戦績でベラトール世界ミドル級王座に輝いた。が、健康上の理由(後に本人が海綿状血管腫だと明かした)によりそのベルトを防衛することなく返上。以後MMAでは試合をしていない。

MMAで活躍中もノーギの試合に出ていたロバトJrは、昨年のMMA活動停止後も組み技大会への出場は続けており、今年に入ってもダラス・オープンのヘビー級を制している。まさに柔術界の鉄人だ。

対する28歳のアウメイダは、レオジーニョとヒカルジーニョのヴィエイラ兄弟の弟子。18年に黒帯取得し、翌年のヨーロピアン大会で世界王者ルーカス・バルボーザのパスガードを凌ぎ、50/50からのスイープで下す大殊勲を挙げている。さらに昨年のF2W 152では、レジェンドのホムロ・バハウと道着着用ルールで対戦。スパイダーガードで絡んでくるバハウの足を一瞬で捌いてパスガードを奪い、勝利した。

今年1月のF2W 160でのノーギ戦では、ペドロ・マリーニョの強烈なギロチンに脅かされ、高々と抱え上げられてのテイクダウンも取られて判定0-3で完敗したアウメイダ。が、今回はその本領を発揮できる道着着用ルールだ。

バハウに続いて、またしてもアウメイダがレジェンド超えを達成するのか、それとも、柔術で現代MMAのメジャー王座奪取という偉業を成し遂げた鉄人が健在を見せつけるのか、注目の新旧対決だ。

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