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【Titan FC67】5Rを落としても逃げ切り戦法が裏目に。ナミモフを破ったムラッドが新フェザー級王者に

<Titan FCフェザー級王座決定戦/5分3R>
オリヴィエ・ムラッド(米国)
Def.3-0:49-46.47-48.47-48
ムハマジョン・ナミモフ(タジキスタン)

試合開始直後から蹴りの応酬が見られ、その蹴りをすくったムラッドがテイクダウンを決める。スクランブルでバックを取ったムラッドは太腿にヒザを連続で入れ、正対したナミモフの腹を殴る。一旦離れた両差だが、すぐにムラッドが組んでケージへ。ナミモフは首相撲&ヒザ、そのヒザが急所に当たるがレフェリーが見落とす。

苦悶の表情を浮かべながら、ヒザを返して離れたムラッドに対し、ナミモフがヒジを入れ、ヒザを突き上げる。ムラッドは左ハイをガードの上から入れ、ダブルレッグへ。切ってギロチンを仕掛けたナミモフ、ここはブラッドが対応してケージに押し込む。右腕を差し返し体を入れ替えたナミモフだが、ムラッドもすぐに押し返してエルボー&アッパーを繰り出す。

ナミモフもダーティーボクシングでアッパーを入れ、離れると左右のフックを狙う。ムラッドは右リードフックを当て、ナミモフもパンチを返し互角の初回が終わった。

2R、左ハイから関節蹴りを繰り出したムラッドだが、フックを受けて動きが止まる。ラッシュをかけたナミモフにダブルレッグを決めたムラッド。ナミモフがキムラクラッチでスイープを決め、腕は抜けたが上四方で抑えてワキをすくっていく。

このクラッチを支点にムラッドが腕十字を狙い、腕を抜いたナミモフがトップで抑える。ナミモフはハーフで肩固めを仕掛け、マウントを取る機会を伺う。ムラッドも対処し、肩固めを逃れるも下の展開が続く。フルガードの中で両手同時のパンチを見せたナミモフは、動きが止まった状況に最後の20秒で力強いパンチを落としラウンドを取った。

3R、ムラッドの右にヒザを合わせたナミモフが、右インサイドローを入れる。ムラッドもパンチが流れるとナミモフが右を当て、さらに左ハイと圧力を高める。ローからワンツーのムラッドを右で迎え撃ったナミモフがケージに下がったムラッドにパンチを纏める。組みたいムラッドは、ヒザを突き上げるとナミモフが額をカットし流血に。

左エルボーを入れたムラッドは、続く左ハイへ。スネが左に当たりながらもナミモフが、テイクダウンを合わせる。ハーフで抑え、右を差してきたムラッドにダース、ジャパニーズネクタイで待ち受けたナミモフが、しっかりとトップをキープする。と、ここでレフェリーがブレイクを支持。これはもう立ち技で戦えという恣意的なレフェリングだが、すぐにラウンド終了となった。

4R、左の前蹴り、オーバーハンドで前に出たムラッドが組みつくが、逆にケージに押し込まれる。逃げの組みに質量が落ちているムラッドが左エルボーを当てるも、前に出るのはナミモフでワンツーをヒット。フックを打ち返されたナミモフがクリンチから離れると、フック&アッパーで攻めたてる。しかし、ムラッドが左を当て下がったナミモフをケージに押し込む。

打撃&組みとも消耗戦となり、この局面こそコンテンダーシリーズで競り負けたナミモフが成長を見せるべき場面だ。ケージ際でポジションを入れ替えつつ、近距離のパンチの交換でナミモフがテイクダウンを決める。そのままトップキープでラウンドを取ったナミモフだが、UFCはここでの動きを求めているといえるだろう。

最終回、まずナミモフが右をヒットして左に回る。ムラッドは前に出ることができず、遠い距離で蹴りを繰り出す。逆にナミモフがパンチで前進すると、カウンター狙いのムラッドが左を当ててダブルレッグを決める。

すぐに立ち上がったナミモフはケージに押し込まれるも、時間を使えば良いという判断か。ムラッドも押し込み続け、打撃戦に戻ることができないまま残り2分に。ムラッドはアンクルピックでテイクダウンを決め、ナミモフは立ち上がった直後にもう一度倒される。下で頭を抱えて、明らかに時間の経過を待つナミモフ。Titan FCフェザー級王座を取るためには文句のない逃げ切り作戦だが、UFCを狙うのであれば受けすぎの展開だ。

最後にムラッドはバックに回り両足をフック、何やら笑顔を見せて叫びながらタイムアップを迎えたナミモフだが、コンテンダーシリーズなら「笑うなら動け」とダナ・ホワイトに指摘されておかしくな最終局面だった。

ばかりか明白なラウンドはあっても、微妙なラウンドもあるために5Rを落とすのは致命傷にもなりかねない。結果──、この5分間の姿勢が命取りとなり、ナミコフは47-48、47-48をつけるジャッジが2人おり判定負け。ムラッドが新Titan FCフェザー級王座を獲得し、「俺たちは2人もUFCで戦える力がある。ダナ、コールくれ」と大声でアピールした。


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Interview UFC UFN ESPN+42 UFN184  ハルク大城 アレッシャンドリ・パントージャ ブログ マネル・ケイプ

【UFN184】UFC初陣=パントージャ戦。マネル・ケイプ「僕はアップグレートされたマイク・タイソン」

【写真】非常に冷静で、落ち着いた口調だったマネル・ケイプ (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)のネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN184:UFN on ESPN+42「Overeem vs Volkov」が行われる。

同大会でRIZINからUFCに戦場を打ちした元RIZINバンタム級王者マネル・ケイプがオクタゴン初陣でアレッシャンドリ・パントージャと戦う。

パントージャはMMAPLANETのインタビューで「マイク・タイソンがやってくる」とケイプに敬意を払っていた。その言葉を伝えると、ケイプは「アップグレードされたマイク・タイソンだ」と不敵に言い切った。

待望のUFCデビュー直前のケイプに大晦日の堀口恭司✖朝倉海戦、そしてUFCで戦う心境を尋ねた。


──初めてのUFCファイトウィーク。どのような気分ですか。

「ここに居られることを幸せに感じているよ。しっかりと準備をしてきたし、とてもワクワクしている。UFCで戦うことはずっと夢だったけど、今、ここに居ることで夢が現実になったと実感しているんだ」

──今も隔離措置期間なのでしょうか。

「ホテルの外で誰かに会うことはできないけど、ホテルで全て用をなすことができる感じだよ。検査結果も陰性だったしね。問題ないよ。これまで試合があると思って、ベガスまできてこの体験をしているし。今回はUFCの初戦だから、自分の良さ、技術──実力を全て見せるつもりだ。

なぜ僕がベストなのか、ここまでやってきたことをこの一戦に全てぶつけようと思う。本当に長い時間が掛った。フルキャンプを何度か繰り返しても、COVID19やケガが理由で試合が流れてしまって。

でもUFCで戦うことで、より多くのエネルギーを得られている感じがするんだ。今までと変わらず、自分を信じてハードに戦い、成長していくつもりだよ」

──今やUFCの一員ですが、大晦日の堀口恭司選手と朝倉海選手の試合の印象を教えてもらっても良いですか。

「アメージングな試合だった。皆もそうだと思っているはずだけど、キョウジには驚かされた。僕は彼のパワフルな戦い方が好きなんだ。でも、カイが勝つと思っていた。前の試合からカイは凄く成長していて、世界に彼の力を見せてきた。バンタム級で世界のトップの1人だと思っているし、カイが勝つと信じていたよ。

でもキョージが、よりスマートに戦った。素直にキョージを祝福したい」

──堀口選手は体調が万全なら、負けることはないと思っていたと言っていました。

「う~ん、キョージがカイに負けたのはフィジカルの問題じゃないと思う。今回はしっかりと自信を持って戦っていたようだけど、前の試合では自らの力を過信していた。どの相手も彼を倒す力を持っている。この仕事は相手を軽視しては絶対にならないんだ。

毎試合、しっかりと集中して対戦相手がいかに危険かを頭に置いて戦わないと。それがなかったためキョージは代償を払うことになったんだ。でも2度目の試合はそういうことがなかった。自信と過信は別モノだからね」

──堀口選手がUFCレベルにあることは誰もが認めると思います。その一方で朝倉選手もマネルに続き、UFCで戦いたいという発言がありました。

「カイはオクタゴン……UFCで戦うポテンシャルを十分に持っていると僕は思っている。すでにそういう試合をしてきたはずだ。彼はベストの1人だよ。100パーセント、保証する」

──相手を軽視してはいけないとマネルは今、話しました。ではアレッシャンドリ・パントージャとの試合に対して、自信のほどは?

「僕は常に自信をもって戦っている。そして、絶対に相手を軽視することなくやってきた。当然のようにパントージャに対しても同じだ。彼を軽く見ることはない。ただし、全ての局面において僕が彼を上回っている。

何も恐れるモノはない。僕は自分が分かっている。自分が何を考えているのか、どういう精神状況なのかもね。あとはオクタゴンに入って、パントージャに勝つだけだよ」

──パントージャは『UFCフライ級にマイク・タイソンがやってきた』と言っていました。

「それって、僕のこと?」

──勿論です。

「アハハハハ。まぁ、そうとも言えるのかな……。似ているところもあるんだろうね。でも、僕はアップグレートされたマイク・タイソンだよ(笑)。そしてニューバージョンだ。スマートかつ効果的な戦いをする。冷静にね。

そして、僕が既にグレートなマスタークラスにあるファイターだと証明してみせるよ。AKAでしっかりと準備してきたかことを全て出す」

──ところで日本ではバンタム級や59キロで戦ってきましたが、減量は問題ないですか。

「日本で戦う時は125ポンドにすることが、本当に困難だった。でも、栄養士も就いてくれているから問題なく体重を落とすことができた。

UFCのタイトルマッチのバックアッパーだった時、過去最高の減量ができたんだ。半身浴をするとなく、ただ食事制限だけでフライ級のウェイトを創ることができた」

──つまり水抜きなしで、フライ級の体重を創れたということですね。

「そうなんだ。練習と食事だけで落とせた。今回も同じように落とせている。最高の減量食とサプリメントがテーブルの上にあるんだ。

減量が苦でないということは、ずっとパントージャを倒すことにフォーカスできるということなんだ」

──確かにそうですね。常に対戦相手、試合のことを考えれば良いわけで。

「それだけグッドシェイプをキープしてきたってことだから。プロフェッショナルのトップとして、すべきことをやってきたよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月7日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS

■UFN184対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
フランキー・エドガー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー(米国)
メイシー・チアソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
アスカル・アスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)
ベニール・ダルーシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
クレイ・グィダ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ロドリゲス(米国)
ダニーロ・マルケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
マーチン・デイ(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ(米国)
デヴォンテ・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
カロル・ホザ(ブラジル)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ララ・プロコピオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<140ポンド契約/5分3R>
オード・オズボーン(米国)
デニス・ボンダル(ウクライナ)

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News ONE ONE111 A New Breed II Preview  ハルク大城 アブ・ムスリム・アリカノフ ウッチャヤコン・ニャムタノム ブログ プラッチ・ブアバ

【ONE111 A New Breed II】計量結果 古式ムエタイからMMAへ=ニャムタノム。NEXTヨッカイカーは誰だ!

【写真】左端がニャムタノム、右が藤沢。中央はヨーキーMMAのシンガポール人コーチ=ニコラス・リーだ (C)AKIHIRO FUJISAWA

11 日(金)中継のONE111 A New Breedシリーズ第2回目の最終計量及びハイドレーション結果が発表された。

ONEでは水抜き禁止、北米MMAより実質1階級の体重が上限となり、ハイドレーション・テストが試合の2日前と前日に行われている。体重はリミット+500グラム、ハイドレーションは1.0250以下という規定が設けられており、1日でもパスできないと試合当日の朝に再計量が必要になっている。


全6試合でMMAは3試合、タイ人選手は2選手で他はここまでの流れ通りタイ在住の外国人選手が登用されている。ここまでのシリーズで活躍を見せたヨッカイカー・フェアテックスやファブリシオ・アンドラジのような掘り出し物が立て来るのかが最大の見ものだ。

なかでも期待したいのはタイガームエタイ所属のアブ・ムスリム・アリカノフだ。他の選手はプロMMAキャリアがまだないなかで、アリカノフはこれまで2勝している。名前からも想像がつくようにダゲスタン人のアリカノフは御多分にもれず、フリースタイルがベースでロシアの五輪レスラー養成所、五輪村でトレーニングを積んでいた時期もあり、スポーツ・マスターの称号も得ている。

肩の負傷でプレートをはめ込む手術などを経験したアリカノフは、そのブランクの影響もあり、年齢的に五輪を諦めてMMAファイターを目指した。デビューは昨年5月で、既に30歳のアリカノフは、当初は「33歳でUFCと契約、36歳でUFC王者になる」と語っていたが、ここでONEと契約となった。

打撃も柔術も当然のようにタイガームエタイで修得中であり、まさにヨッカイカーやアンドラジに続く、再開後のONE本戦でも活躍が期待される、戦闘民族からのアリカノフの出場だ。

また成長が楽しくも怖いタイ勢だが、第1試合出場のウッチャヤコン・ニャムタノム、第3試合のプラッチ・ブアバは、揃ってバンコク在住日本人MMAファイター藤沢彰博が所属するヨーキーMMAジムの選手だ。

ニャムタノムは古式ムエタイことムエボランの出身で、ブアバはムエタイからMMAに転向しアマMMAのIMMAFなどで戦ってきた。藤沢によると、「ニャムダノはとにかくフィジカルが強く、格闘技以外に興味のないタイプ」で、ブアバは「寝技は穴がありますが、テイクダウンディフェンスは巧い。首相撲と打撃、やはりフィジカルに優れている」とのこと。

タイ代表=ヨーキー勢としては、タイガームエタイやヴェノム・トレーニング・キャンプ所属の海外勢以上にインパクトを残したいところだが、果たして──。

■ONE111「A New Breed II」計量結果

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ポンシリP.K.センチャイムエタイジム:65.8キロ/1.0222
ジョーン・クランシー:65.3キロ/1.0172

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
スーパーレック・ギアットムー9:60.9キロ/1.0095
ファディ・カレッド:60.8キロ/1.0176

<ムエタイ53.7キロ契約/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ:53.9キロ/1.0241
ミラグロス・ロペス:51.5キロ/1.0140

<67.5キロ/5分3R>
プラッチ・ブアバ:66.9キロ/1.0183
ブローガン・スチュアート・ウン:52.2キロ/1.0095

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アブ・ムスリム・アリカノフ:75.9キロ/1.0244
パスカル・ジャスキウィス:74.9キロ/1.0066

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ウッチャヤコン・ニャムタノム:76.25キロ/1.0199
ハリッド・ブリギニ:76.35キロ/1.0087