カテゴリー
Interview J-CAGE SASUKE Shooto2020#06 ブログ 仲山貴志

【Shooto2020#06】環太平洋フェザー級王者SASUKE「修斗の王者は強くて格好良くないといけない」

【写真】実働2年、欠場期間の方が長いMMAキャリア。ここから一気に加速するか(C) MMAPLANET

19日(土)に東京都渋谷区のTUSTAYA O-EASTで行われたShooto2020#06、2部興行のトリの一番でSASUKEが仲山貴志を破り環太平洋フェザー級のベルトを巻いた

2016年3月のプロデビュー後、上腕尺骨を折り2年8カ月のブランクを経験したSASUKEは策ね7月の再起から14カ月で5連勝を達成し、修斗フェザー級の頂点──その一歩手前までやってきた。

実働2年で手にしたベルトを腰に、試合終了直後の記者会見でSASUKEは過去、王座奪取、これからについて話した。(※要約)


──見事なタイトル奪取劇でした。

「ありがとうございます。勝手に体が反応しました。練習してきたことが出たような感じですね。だいぶ効いているのは分かっていたので、自分は削ること……ポジションを意識しながら打っていました」

──下になっても冷静でした。

「下からの腕十字はもともと得意な形なので、これは練習していた通りに体が動いたというものです。浅かったので極められなかったですが。

僕は試合では比較的に冷静に戦えるので、いつも通り進んだという感じです」

──マイクで欠場期間もあってという話もされていたましたが、ベルトを巻いた感覚は「ついに」なのか「これから」なのか。

「まぁ一つ形になったというか……。本当に辞められたら楽だったのですが、格闘技が嫌いになれなくて、辞められなくて……。悪あがきと言ったらちょっと違うかもしれないですけど、自分が好きなこと押し通してやってきて、それが一つ、こういう形になったのかというのはあります。

もちろん、これで満足はしないです。今日の試合も勝ちはしましたけど、勝ちは見えましたし。マイクでも言いましたけど、斎藤チャンピオンは強いので……また練習して、上を目指していく。それだけですね」

──前腕尺骨骨折、3年もの間負傷を治しながら、どのように格闘技に関わって来たのですか。

「大人しくしていれば半年ぐらいで治せていたのですが、同世代の選手が他の団体でタイトルに挑戦したり、同門の黒部(三奈)さんが当時JEWELSさんでチャンピオンになって。仲間やチームメイトのをサポートばかりだったんで気持ちが焦って、治らないまま無理をして同じ骨折を3度繰り返し、3回手術をしました。生き急ぐ気持ちを抑えて、格闘技に関わっていました。

無理をしないというか、頭を使って練習をするようになりました。追い込むだけじゃなくて、考えながら。そういう練習に切り替えてケガを治しながら去年、復帰をさせてもらって。それから良い風に歯車が噛み合ってきた感じです」

──目標は一つということですか。

「そうですね。斎藤チャンピオンとやりたいですけど、やるだけでなく新しい世代として越えていかないといけないと思うので。斎藤さんは今TVに出て、大舞台に出て知名度も上がっています。でも、それ以上に本当に強い選手なので、このままじゃまだ勝てないのは自分でも分かっていて。

でも、それを越えていいかなと。僕はさらにその先で戦っていきたいと思っているので。まずは斎藤チャンピオンを越えることですね」

──現状、いつ挑戦できるのか分からないですが、時間が掛かるようならその間に戦っておきたい選手はいますか。

「そうですね……他は余り見ていないです。斎藤チャンピオンだけです。ただ時間があればあるほど、僕は強くなっていくので。早いうちにやっておいたほうが、斎藤チャンピオンは良いんじゃないかと思います」

──ケージに上がって叫んだ『舐めんなよ』というセリフは、どこに向けてのモノだったのでしょうか。

「アハハハハ。それは前回の試合でしょっぱい試合をしてしまって……ネットで『SASUKEとウィッキーの試合は見直すほどではない』ってコメントで書かれていて。それに腹を立ててちょっと出ましたね(笑)」

──それがあってフィニッシュしたいという気持ちが強かったのでしょうか。

「二部興行の最後の試合ですから、前回の試合と同じことをしたらダメだと思っていました。ハッキリした形で終わらせないと、このベルトを不名誉なベルトにするわけにはいかなかったので。修斗のチャンピオンは強くて格好良くないといけない。そういう考えなので、しっかりと締めてやろうと思っていました」

──第1部からフィニッシュ続き、セミの好勝負がプレッシャーになることはなかったですか。

「前の試合は全く見ていなかったです。自分の世界に入っていて。自分は自分が締めてやろうと、それだけ考えていました」


           

The post 【Shooto2020#06】環太平洋フェザー級王者SASUKE「修斗の王者は強くて格好良くないといけない」 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
Interview J-CAGE Shooto2020#06 ブログ 工藤諒司 野瀬翔平

【Shooto2020#06】愛犬の死に涙……野瀬翔平に圧勝の心優しき工藤諒司「今後は修斗の王座も視野に」

【写真】腐れ外道もいれば、良いヤツもいるby 長南亮(C) MMAPLANET

19日(土)、東京都渋谷区のTUSTAYA O-EASTで開催されたShooto2020#06。その第1部に福岡の新鋭=野瀬翔平と対戦し1R2分13秒で勝利した工藤諒司。

豪快なTKO勝ちを収めた彼は、ケージのなかで愛犬の死に触れ涙を浮かべた。動物に優しい人間に悪いヤツはいない──試合終了後の控室で、工藤に今度を尋ねた。


──お疲れさまです。4月の椿飛鳥戦に続き今回も工藤選手のキャリアを考えると、しっかり勝つしかないというマッチメイクでした。ポテンシャルは十分ですが、実績はこれからの野瀬選手との試合でどのように気持ちを創ったのでしょうか。

「いつも通り、特に変わることなくコンディションと気持ちは創ることができました。ただ5分2Rだったので、そこは戦術とかも変わってくるので……できれば3Rが戦いたかったです。2Rは難しいです」

──それでも初回でTKO勝ちです。

「組んでくる予想はあったので、しっかりと相手の良さを潰して自分の打撃でいく。思った通りの試合ができました」

──ケージ際で押し込まれても、差し返すよりも小手を巻いて対応していました。

(C)KEISUKE TAKAZAWA

「野瀬選手は結構組みが強かったです。あそこは力で対抗するよりも、向こうに力を使わせようと思って試合を組み立てました。最初はガツガツ来ていたのですが、途中から落ちてきたのでヒジを使おうと思ったんです」

──あのヒジは相当に効いたように見えました。

「効いたと思いました。なので、あそこから攻めることにしたんです」

──現在、工藤選手はONE Warriorと契約中ですが、いつ活動再開かも見えてきません。そうなると引き続き修斗やRoad to ONEなど引き続き国内で戦うということもあるのでしょうか。

「個人的にはONEの方で試合がしたいですが、この状況で日本で試合をさせてもらったことはブランクを空けなくて済んだので有難かったです。

これからも海外ではいつ試合ができるか分からないですし、日本で戦うことも視野にいれてはいます」

──そうなるとONE Warriorで戦っていることで、タイトル戦線などに絡むカードを組むのも難しくなるのではないかと。

「あぁ(笑)。そこまで考えてはいないのですが……ONE Warriorがいつあるのかにもよりますが、組まれた試合を戦っていきます」

(控室にいた)長南亮 まぁ、次に勝てばONE本戦も見えてくるかと思いますが、現地での活動が見えてこないので。本戦が始まらないと、ONE Warriorは余計に見えないですよね。コイツはそんなに深く考えてないし、誰とでも戦うので。自分の方でも色々と話をしていきますが、工藤は決まれた修斗の今日の夜のメイン(環太平洋フェザー級選手権試合)の勝者でも、誰とでも戦いますよ」

──と、いうことですが。

「ハイ。特に誰と戦いたいとかはなくて、長南さんに言われた相手に勝っていくだけです」

──ところで試合後にケージの中で、愛犬のレオ君を亡くしたことで涙を浮かべていました。可愛がっていた犬が死んでしまうことは悲しいです。と同時に、リング上で犬が死んで涙というのは過去に見た記憶がありません。試合前の精神状況にも影響があったのでは?

「前日だったので、家族も自分に伝えるかどうか悩んだみたいで……」

──そこまで……タイトな関係だったのですか。

「14年間一緒でしたから……。いや、ちょっと悲しくなってしまいました……」

長南 (石井逸人を見やり)こういう腐れ外道がいれば、工藤のような優しいヤツもいるんです。

──アハハハハ。スイマセン、大笑いしてしまって。

「いえ、大丈夫です……。今日はレオに力を貰って勝つことが出来ました」

──とにかく悲しみを乗り越えての勝利。長南さんの助言もりましたが、最後に改めて今後について聞かせてください。

「そうですね、修斗の王座も視野に入れて頑張っていきたいです」

The post 【Shooto2020#06】愛犬の死に涙……野瀬翔平に圧勝の心優しき工藤諒司「今後は修斗の王座も視野に」 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
J-CAGE Report SASUKE Shooto2020#06 ブログ 仲山貴志

【Shooto2020#06】左フック、跳びヒザ、スラム&パウンドアウト。SASUKEが新環太平洋フェザー級王者に

【写真】新修斗環太平洋フェザー級チャンピオンSASUKE(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<修斗環太平洋フェザー級選手権試合/5分3R>
SASUKE(日本)
Def.2R2分05秒by TKO
仲山貴志(日本)

間合いの取り合いから、ヒザを繰り出し右オーバーハンドを入れたSASUKE。さらに組んでヒザを入れ、同時に足払いを決める。猪木アリ状態が続き、足首を取った仲山が崩しにかかり立ち上がる。打撃の間合いで、今度は王者がテイクダウンを決める。ガードの中に収まった仲山に対し、足を上げたSASUKEが腰を切って腕十字へ。右腕を捕らえられた仲山は立ち上がり、時間を掛けてヒジを抜きにかかる。足がルーズになると、腕を抜き三角を防いだ仲山が再びガードの中に収まる。SASUKEが下からヒジを見せて初回が終わった。

2R、左フックを被弾し腰が崩れた仲山に、SASUKEが跳びヒザを入れパウンドを連打する。亀で殴られたチャンピオンはアームロックも、リフトアップから前方に落とされる。バックコントロールを続けたSASUKEが、再び回転数を上げてパウンドを続ける。動けない仲山を見てレフェリーが試合を止め──新チャンピオンが誕生した。

「格闘技を始めた時は、自分がチャンピオンになれるなんて全然思っていなくて。1年、大きなケガをしてブランクがあり、格闘技が嫌いになれればどれだけよかったか」と話した新王者は、世界王者──斎藤裕に対し「TVの前で売られた喧嘩があるでしょう。そこを片付けてからで良いので、僕とやりましょう]」と対戦を要求。

最後に「日本のフェザー級、修斗のフェザー級、強い選手がたくさんいるよ。でも、誰も俺には勝てない。なぜなら、俺は修斗を愛しているからぁ!!」と絶叫した。


カテゴリー
J-CAGE Report Shooto2020#06 ブログ 後藤丈治 藤井伸樹

【Shooto2020#06】ドロドロを越えた名勝負、地獄を乗り越えた楽園ファイト──藤井が後藤に根性勝ち

【写真】年間ベストバウト級の激闘を藤井が制した(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<フェザー級/5分3R>
藤井伸樹(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
後藤丈治(日本)

サウスポーの後藤が左の蹴り、藤井が左を伸ばす、右ボディを打った藤井のシングルを切った後藤が左ハイから左ストレートを伸ばす。藤井の動きに反応する後藤は、左ハイ、ガードした藤井だが、右ジャブを受け圧力を掛けられているか。 

右にも左を合わせ、パンチのフェイクからハイを蹴って後藤は、藤井に組ませず左ストレートに続き、左フックを当てる、シングルを狙いつつパンチを見せた藤井だが、後藤は左ハイ、さらにステップインに左を合わせ、、ボディ、ガードの上から左を入れると藤井が下がる。

テイクダウン狙いに左の蹴り、ヒザを入れた後藤は左ハイ、藤井が組んでバックに回るが、逆に背中に回って離れる。藤井は左フックにシングル、後藤のギロチンスイープにも上を取る。スクランブルでスタンドに戻った後藤に、藤井がラッシュをかけてラウンド終了となった。

2R、、藤井の前進に左を当てる後藤は、左ハイ。それでも藤井は前に出るが、左アッパーを被弾する。右を入れ、左を当てた後藤にテイクダウンを決めた藤井。後藤がすぐに立ち上がる。ケージに押し込み、倒して削る藤井はシングルでついに背中をつかせる。

競り勝った藤井に対し、後藤はガードを取って息を整える。足を越させない、根性勝負の第2フェーズで後藤は、背中を譲り立ち上がり胸を合わせる。ここからヒザを入れて離れた後藤は、続くシングルを切って左を当て、左ミドル。両者揃って疲れたなか、藤井のシングルは決まらず後藤が左フックからクリンチへ。離れた後藤は右ハイを受けそうになりながら、直後に右をヒット。動きが明らかに落ちた後藤は、組まれてアームロックがすっぽ抜けて下に。藤井がバックマウントから絞めを狙う。胸を合わせに行き、絞めをセットアップされた後藤だが、10秒以上を耐えきり試合は最終ラウンドへ。

3R、シングルで尻もちをつかせた藤井が、即バックに回る。アゴの上からのRNCが徐々に入っていく。苦し気な表情の後藤はアゴの位置を変えて何とか耐えている。残り3分半、藤井はアゴの上から絞め、後藤を腹這いにさせてさらに力を籠める。アゴを引き、ヒジを押し上げて防いだ後藤だが、すぐに藤井が絞めを狙う。

ここは凌いだ後藤、それでもバックマウントからの逃れることはできない。後方へのパンチを打ち込む後藤がついに胸を合わせ、スクランブルで逆にバックに回る。離れた藤井は、ここも当然テイクダウン狙い。またも後藤はシングルへのキムラがすっぽ抜けて下に。スクランブルでバックに回った藤井を払い腰で投げた後藤の腕十字は腕が抜ける。

両者立ち上がり──最後の10秒、まさに魂の殴り合いを見せた両者に、会場のファンは惜しみない握手を送った。結果、ドロドロを越えた名勝負は藤井が3-0の判定勝ちを収めた。


カテゴリー
J-CAGE Report Shooto2020#06 ブログ 猿丸ジュンジ 飯野タテオ

【Shooto2020#06】必死の飯野の顔面に猿丸の拳が容赦なく猿丸の拳が叩き込まれレフェリーが試合をストップ

【写真】猿丸の強さ、良さを飯野の頑張りが引き出した(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<フライ級/5分3R>
猿丸ジュンジ(日本)
Def.1R4分54秒by KO
飯野タテオ(日本)

飯野のシングルを切った猿丸が左フックを入れる。飯野も右を返し、スピニングバックフィストをかわす。前に出る飯野がローからパンチ、猿丸もローを返し右フックを打ち込む。猿松の重いパンチにも必死に前に出るが、引く姿勢の組みを切れた下になる。

起き上がった飯野をがぶった猿丸がノーアームギロチンへ。外してシッティングを取る飯野にパンチを打っていく猿丸は、スタンド戦になると打撃戦の中でシングルレッグでケージに押し込まれる。飯野を突き放し右フックをヒットさせた猿丸は、テイクダウンのフェイクを見せる。飯野もアッパーを繰り出し、懸命に組みへいく。

猿丸はスプロールし、離れて左のカウンターを打ち抜く。大きく顔が離れた飯野は左を被弾して腰から崩れるが、パウンド狙いにシングルで組みついて立ち上がる。必死の飯野に対し、猿丸は冷静にワンツーを打ち込む。足がふらつく飯野を見て、レフェリーが試合を止めた。


カテゴリー
J-CAGE Report Shooto2020#06 ブログ マックス・ザ・ボディ 大尊伸光

【Shooto2020#06】左一閃、大尊伸光がマックス・ザ・ボディにKO勝ち&母にエール

【写真】パウンドの必要なし、左一発で勝負を決まった(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<ウェルター級/5分3R>
大尊伸光(日本)
Def.1R3分07秒by KO
マックス・ザ・ボディ(日本)

右ローを入れた大尊、マックスが右を合わせようとする。その後もカーフ気味に左を蹴ると、マックスが構えを変える。すぐにオーソに戻したマックスの前足を蹴る大尊だが、逆にローを受ける。マックスの突進にフックを合わせようする大尊がまたもローで削っていく。跳びながらワンツーを狙ったマックスだが、左オーバーハンド気味のパンチを入れ一気に試合を決めた。

勝者は闘病中の母をケージに招き入れ、「俺、勝ったから。ママも絶対に勝てよ」とエールを送った。


カテゴリー
J-CAGE Report Shooto2020#06 ブログ 工藤諒司 野瀬翔平

【Shooto2020#06】結果として工藤諒司、野瀬に力の差を見せつけてKO勝ち

【写真】負けられない工藤、しっかりとKO勝ちした(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<ライト級/5分2R>
工藤諒司(日本)
Def.1R2分13秒by KO
野瀬翔平(日本)

いきなりダブルレッグでケージに工藤を押し込んだ野瀬。小手を決めて工藤が体を入れ替えようとする。一度は耐えた野瀬だが、有働は右を差しえて体を入れ替える。クリンチ合戦のなかで、エルボーを入れた工藤は野瀬のシングルを切り、右を打ち込む。

効かされた野瀬はパンチを打ち返すが逆に連打を浴び、最後は右フックで野瀬がキャンバスに沈んだ。

「愛犬の死が意味のあるものだったと証明できたので。本当にありがとうと伝えたいです」と工藤は実家で飼っていた犬に感謝の言葉を述べた。


カテゴリー
Interview J-CAGE Shooto2020#06 ブログ 後藤丈治 藤井伸樹

【Shooto2020#06】ジャパニーズゾンビ=藤井伸樹戦へ、後藤丈治「自分のパンチは当たると思っています」

【写真】若い力の成長があり、上の世代も成長できる(C) MMAPLANET

本日19日(土)に東京都渋谷区のTUSTAYA O-EASTにおいてダブルヘッダーで開催されるShooto2020#06。第2部で後藤丈治が藤井伸樹と対戦する。

インテリ地下格ファイターからパンクラス札幌大会でプロの道に進み、TRIBEへ。4月のRoad to ONEでは元修斗環太平洋バンタム級王者の祖根寿麻に一本勝ちし、その過程で見せていた打撃力に注目が集まった。

「絶対に楽出来る相手ではない」藤井戦前の心境を尋ねた。


──もう明後日に試合が迫ってきましたが、水抜き減量がなく当日計量の場合だと2日前はどれほど体を動かすのでしょうか。

「もう今日は動いていないですね。これに慣れちゃうと、水抜きはしたくなくなってしまいます(苦笑)。この計量方法の方が準備しやすいです。コンディションが良い気がします。

水抜きをすると、リカバリーで消化の良いモノを揃えたり、手間もかかり、試合前の数日は体重のことが常に頭を過っているので。今回なんか少し前からリミット近くだったので、精神的に余裕があります。僕は水抜きでもそれほど厳しい方じゃないのですが、水抜きしないで計量ができるスタイルが浸透してほしいです(笑)。

水抜きがあってもフライ級まで落とせるか……とか考えることもあるぐらいで、バンタム級としても大きくないんですけどね。TRIBEにいると、僕は本当にヒョロいんですよ。(若松)佑弥さんとかおかしな足をしているし(笑)、小川(徹)さんも超合金みたいな体をしています。体重はそうでもないのですが、僕は細いですね」

──PCR検査を経験して、結果も陰性でした。

「いつどこで感染するのかは誰にも分からないですし、自分が感染源になることもあるかもしれないので、陰性だったことはやはり良かったという気持ちです。心のどこかで感染することを恐れていますし、それは……ありますね。

皆、消毒やマスクっていうのは徹底していますけど、練習を続けているわけですしね。もう今では、あの石井逸人もしっかりと予防していますし(笑)。それこそ佑弥さんは赤ちゃんがいるから、本当に気を付けていますしね。やるべきことはやってはいたのですが、それでも陰性だったことにはホッとしました」

──偽らざる気持ちだと思います、そんななかで藤井戦。修斗デビュー戦が、ジャパニーズ・ゾンビとの試合になりました。

「4月に祖根(寿麻)選手に勝てて良かったと思いました。Road to ONEで勝ったからもらえた試合ですし、喜んで受けさせてもらいました」

──では藤井選手の印象を教えてください。

「絶対に楽をして戦えない相手です。そこは準備ができているというか、覚悟ができています。クタクタになることもそうですし、アッサリと終わることも全て想定して覚悟はできています」

──クタクタになる試合とは、どのようなモノでしょうか。

「効かせても効かせても、向かってくる。組みついてくるのか、打撃でくるのか。それは藤井選手次第でしょうが」

──ではアッサリと勝てるパターンは?

「何か自分の攻撃が当たって、気付いたら倒れている……みたいなことも想定しています」

──いずれにしても後藤選手の攻撃は当たるということですね。

「ハイ、自分のパンチは当たると思っています」

──祖根戦で後藤選手のことを知ったファンも多いかと思います。あれから5カ月、一番成長した点はどこでしょうか。

「あの時と比べるというか、あの時に得たモノがめちゃくちゃ多かったです。緊急事態宣言があって大会の日程が変わり、試合があるのかどうかも二転して。試合中はバッティングでダウンまでしました(苦笑)。

アレはダメージが残っていましたし、そういうなかで勝てたのは自信になりました。不測の事態が起こっても、冷静に戦えるようになったかと思います。あの経験があって、水抜きのストレスがなく、試合に集中できていています」

──その成果をケージの中で見せたいですね。

「一番嫌なことは藤井選手のペースに飲まれて、藤井選手のゲームになって終わることなんです。TRIBEでやってきたこと、考えてきたことを出し切って、ソレを勝利という結果で残したいです。

自分自身がどこまでやれるのか。それは分からなので、藤井選手に勝つことで『もっと上に行ける』ということを確かめたいです」

──ここから修斗で上を目指すことを今は考えているのでしょうか。

「チャンスがあれば何でもやっていきたいと思っています。ただ修斗で試合をさせてもらうので、ここで戦うからには上の首を狙っていきたいです」

──修斗バンタム級戦線は世界王者、暫定王者、そして環太平洋王者も修斗での戦いに主眼を置いていない現状があります。

「呑気にしている暇はないよ──と、自分が試合で勝つことで、チャンピオン達に思ってほしいですね」

■視聴方法(予定)
8月1日(土)
第1部:午後2時~ Abema TV格闘チャンネル
第2部:午後6時30分~ Abema TV格闘チャンネル


             
■Shooto2020#06対戦カード

【第2部】

<修斗環太平洋フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 仲山貴志(日本)
[挑戦者] SASUKE(日本)

<フェザー級/5分3R>
藤井伸樹(日本)
後藤丈治(日本)

<ウェルター級/5分2R>
ヨシ・イノウエ(日本)
飯田健夫(日本)

<フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
関口祐冬(日本)

【第1部】

<フライ級/5分3R>
猿丸ジュンジ(日本)
飯野タテオ(日本)

<ウェルター級/5分5R>
大尊伸光(日本)
マックス・ザ・ボディ(日本)

<ライト級/5分2R>
工藤諒司(日本)
野瀬翔平(日本)

<ライト級/5分2R>
西川大和(日本)
椿飛鳥(日本)

<51キロ級契約/5分2R>
中村未来(日本)
永尾音波(日本)

カテゴリー
Interview J-CAGE Shooto2020#06 ブログ 工藤諒司 野瀬翔平

【Shooto2020#06】無謀な挑戦?? 工藤諒司と2回戦で戦う野瀬翔平「圧倒的に差があるとは思ってないです」

【写真】1年前の野瀬。どこまでフィジカルが上がっているのか、楽しみだ (C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

19日(土)、東京都渋谷区のTUSTAYA O-EASTでダブルヘッダーで開催されるShooto2020#06。その第1部に福岡から野瀬翔平が出場し、工藤諒司と対戦する。

九州の柔道エリートながら、試合で首の骨を折り、奇跡的な回復を見せた彼はMMAファイターの道を歩むこととなった。

素質は抜群、師・弘中邦佳が厳しくも温かい目で育て来た野瀬は、戦績4勝2分でONE本戦契約を目指しONE Warrior Seriesで連勝中、先のRoad to ONEでは中原由貴との試合が期待されるという格上の相手と戦う。

修斗に限らず、このスポーツでは期待の新鋭が力のあるランクが上のファイターに挑み、コテンパンにやられるという歴史が繰り返されてきた。野瀬の行方に何が待っているのか。試合前の彼に心境を尋ねた。


──工藤選手との試合が攻めってきました。3月に小林孝秀戦が決まっていましたが、大会が中止に。その後、緊急事態宣言が出ました。福岡でもジム等な休館という状態だったかと思いますが、その間に野瀬選手はどのように体調をキープしてきたのでしょうか。

「緊急事態宣言が出て、マスタージャパンはゴールドジムの中にマットスペースがあって練習をしているので、ゴールドジム自体がやはり閉めないといけない状況でした。

その時に弘中先生とプロ、プロ志望選手と少人数に集まって山の中や川沿いに行って、走ったり、オンブしてフィジカルだとかをマスクをしてやっていました」

──山や川ですか!!

「ハイ。徹底してフィジカル、体力トレを毎日していました。ただ、やはり人目につかないように、見つかっちゃいけないと思って体を動かしていました。

それでも僕らはファイターですし、弘中先生も体だけはうごかしておかないといけないっていう風に指導してくれましたし。むしろ、あの1カ月少しの間でフィジカルはメチャクチャ上がったと思います」

──おお、ピンチをチャンスとしたわけですね。

「スパーリングやミット打ちというものはできなかったですけど、その分──体も大きくなりました」

──緊急事態宣言が終わってからは、これまでのように練習できたのですか。

「ゴールドジムで検温、消毒、マスク着用がルールになっているのですが、練習メニュー的にはこれまで通りになりました。ただ家族のある会員さんは練習に来られなくなったり、マスタージャパンのなかで練習して出稽古はやっていなかったのですが、逆に出稽古に来て貰っていた人が今はそういうわけにいかないのもあるので、練習相手という点では人数的に減りました。

それでも弘中先生と打撃と柔術は真正面からやっていましたし、MMAスパーリングでは菅原(和政)さん、結城(大樹)選手と1階級上と同階級の選手がいるので、毎日やってきました」

──今回の試合のオファーはいつ頃にあったのですか。

「8月の前半だったと思います。この時期に東京での試合に福岡から呼んでもらえることは、凄く感謝しています」

──さきほどフィジカルをやり込んだということですが、野瀬選手はこれまで水抜き減量なしのフェザー級でした。コロナ禍で水抜き減量を禁じることを目的に1階級上で当日計量というフォーマットを修斗では採用していますが、ナチュラル・フェザーだとライト級リミットでは、実質上一階級上の相手と戦うことになりませんか。

「それが本当に体が大きくなって、今は通常体重で71キロぐらいあるので、本当にナチュラルで戦える状態なんです。逆に次からフェザー級でやるには水抜きが必要になってしまう感じで(笑)」

──一階級、体が大きくなったのですね!! 急激に大きくなり、動きに影響の方は?

「ここもただ体を大きくしたのではなくて、毎日のように走り込んでいたので問題ないです!! 前までは菅原さんや弘中先生とやると、フィジカルの差を感じていたのですが、今はそれもなくなって。脂肪はついていないので、体が重いというのは全くないです」

──それは凄く楽しみになる言葉なのですが、一方で対戦相手の工藤選手は今でこそONE Warriorと契約していますが、修斗に残っていればフェザー級でタイトル戦線にいた選手のはずです。そのような格上の相手と戦うことについてどのように思っていますか。

「これまで試合をしてきた選手とは、全くレベルの違う相手だと思います。でも、そんなに圧倒的に差があるとは思ってないですし、同等というか……僕が極端に劣っている部分はないです。

だからオファーが来た時には何も迷うことはなかったですし、弘中先生も『行こう、勝って次を目指そう』と言ってくれました」

──あの慎重な弘中さんが、太鼓判を押しているわけですね!! では工藤選手と戦ううえで、ここは注意しないといけないという点はどこでしょうか。

「打撃の一発と、際が上手いです。打撃と組みで詰めるのが上手いので、そこを許さず自分の得意なところで戦いたいです。僕の武器は組みですが、打撃も9月の試合と比較すると別人になっているので、何も臆することはなく戦えます。それでも柔術が好きなので、そういう部分を出したいです」

──野瀬選手は普段をおっとりとしているのですが、試合になるとカッカすることがあります。

「そこは弘中先生からも気を付けるように言われています(苦笑)」

──それにしても2Rなのですね。この一戦が。

「僕はクラスBでまだクラスAに昇格していないから、修斗だと3回戦は戦えないんです。だから……工藤選手に勝って、僕は3Rを戦える力をあることを証明したいです」

──では現時点でキャリア最強の相手との試合を前に、意気込みの方をお願いします。

「まず、こんなご時世のなかで地方から呼んでもらえることだけでも凄く有難く嬉しいです。ここでしっかりと勝って、さらに上を目指せるよう頑張ります」

■視聴方法(予定)
8月1日(土)
第1部:午後2時~ Abema TV格闘チャンネル
第2部:午後6時30分~ Abema TV格闘チャンネル


             
■Shooto2020#06対戦カード

【第2部】

<修斗環太平洋フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 仲山貴志(日本)
[挑戦者] SASUKE(日本)

<フェザー級/5分3R>
藤井伸樹(日本)
後藤丈治(日本)

<ウェルター級/5分2R>
ヨシ・イノウエ(日本)
飯田健夫(日本)

<フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
関口祐冬(日本)

【第1部】

<フライ級/5分3R>
猿丸ジュンジ(日本)
飯野タテオ(日本)

<ウェルター級/5分5R>
大尊伸光(日本)
マックス・ザ・ボディ(日本)

<ライト級/5分2R>
工藤諒司(日本)
野瀬翔平(日本)

<ライト級/5分2R>
西川大和(日本)
椿飛鳥(日本)

<51キロ級契約/5分2R>
中村未来(日本)
永尾音波(日本)

カテゴリー
J-CAGE News Shooto2020#06 ブログ マックス・ザ・ボディ 大尊伸光 工藤諒司 椿飛鳥 西川大和 野瀬翔平

【Shooto2020#06】渋谷大会で大尊✖マックス・ザ・ボディ、そして工藤諒司✖野瀬翔平!! 椿✖西川も

【写真】この一戦は楽しみ──である一方で、危険かもしれない(C) MMAPLANET

26日(火)、Sustainより19日(土)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-EASTで開催するShooto 2020#06の追加カードが発表された。

既報の通り環太平洋フェザー級選手権試合=王者・仲山貴志✖SASUKE、フライ級の猿丸ジュンジ✖飯野タテオ、フェザー級の藤井伸樹✖後藤丈治が組まれている、この昼夜大会。本日明らかとなったのは3回戦が1試合、2回戦が5試合の計6試合だ。


まず3回戦はウェルター級(※本来はライト級──新型コロナウィルス感染予防のために当日計量&水抜き減量禁止、1階級上のクラスで戦うというフォーマットを他の試合と同様に用いている)で、大尊伸光が2年振りの修斗出場となり、マックス・ザ・ボディと対戦する。

大尊は2018年大晦日のRIZIN、トフィック・ムサエフ戦以来の実戦復帰となり、マックス・ザ・ボディは6月のTTFC08で村岡倫行をパウンドアウトしたばかり。プロ修斗初陣ながら、過去にマックス・ザ・ボディはGladiatorでプロシューターのウエタ・ユウから勝利を収めており、キャリア再浮上を願う大尊とともに、一戦の結果と内容如何で勝者はライト級の台風の目となる可能性もある。

この他、2回戦ながら修斗からONEウォリアーシリーズに転じた工藤諒司が、ライト級で野瀬翔平と戦うというカードも組まれた。現状、海外渡航がままならない状況でウォリアーシリーズのイベント再開の目途が立っておらず、4月にはRoad to ONEで椿飛鳥に圧勝している工藤。9月のRoad to ONE03出場という声も聞かれたが、ここで1年半ぶりのプロ修斗参戦となった。対する野瀬は中止となった3月大会で小林孝秀戦がキャンセルされ、半年遅れで試合出場機会を得たことになる。

柔道王国・九州のエリート柔道家だった野瀬は、高校の時に首の骨を折る大事故から復活を遂げMMAの道を歩んできた。2017年アマ修斗で全日本を制覇し、闘裸男を中心にキャリアアップに努め、現在は5勝1分と順調に成長している。そんななかで、MMAファイターとしての評価では1歩ばかりか、2歩、3歩と先をいく工藤の対戦。工藤としては、勢いのある若い選手に対して星を落とせない試合であり、野瀬は一発大物食いで2ステップ、3ステップとジャンプアップの機会としたい。

一点気になるのは──この一戦も計量無しで通常階級より1階級思いライト級で組まれているが、野瀬はもともと減量なしでフェザー級で戦ってきた選手で、水抜き減量を行えば修斗ではバンタム級で戦うことができる。ONE階級でいえば昨年9月のRoad to ONEでもフェザー級で試合をしている。コロナ禍の間に野瀬のフィジカルが大いに強化されていない限り、工藤という実力者を前にして実質1階級の体の違うは、勝負の行方を占ううえで大きなファクターとなる可能性は高い。

さらに4月のRoad to ONEで工藤に爆殺された椿が、プロ修斗初陣で西川大和と戦うというマッチアップも見られる。西川は椿と同じく、4月のRoad to ONEのムエタイマッチに出場、緑川創に敗れるも立ち技だけでも強さと頑張りを見せ評価を挙げた。

結果5月のプロ修斗無観客大会で木下タケアキとの試合機会を掴むと、この試合では一転テイクダウンを駆使して破り、今回の椿戦を迎えることなった。勢いでは西川だが、工藤戦の敗北を生かすためにも、椿は意地を見せないといけない顔合わせといえる。

この他、フライ級で大 陽✖関口祐冬、女子51キロ契約で中村未来✖永尾音波、そしてウェルター級ではヨシ・イノウエ✖飯田健夫というカードが決まっているダブルヘッダー、その他のカードの発表と、第1部と第2部の割り振りも気になるところだ。