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MMA MMAPLANET o UFN UFN230 アンドレ・ペトロスキー サンチアゴ・ポンジニビョ スティーブン・トンプソン ダナ・ホワイト ミシェウ・ペレイラ

【UFN230】1年10カ月振りの試合、ミドル級転向のペレイラがペトロフスキーを右ストレートで沈める

<ミドル級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
Def.1R1分06秒 by TKO
アンドレ・ペトロスキー(米国)

開始早々、ペトロスキーが距離を詰める。しかしペレイラがスイッチしながら左右へのステップでペトロスキーの前進をかわす。ガードを下げて蹴りを散らすペレイラが、蹴りのフェイントから右ストレートでペトロスキーの顔面を打ち抜く。ペトロスキーはダウンし、ペレイラがパウンド連打を浴びせてレフェリーストップを呼び込んだ。

2022年5月にサンチアゴ・ポンジニビョを判定で下して以来の試合となったペレイラ。今年7月にはスティーブン・トンプソンと対戦予定であったが、計量をクリアできず試合はキャンセルされた。その結果ウェルター級からミドル級に転向したペレイラが強烈なKO勝ちを収め、これでレコード的にはオクタゴンで6連勝。試合後は「凄くハッピーだ。ミドル級で戦い続ける。新しい階級では、来週でも2週間後で戦える。この機会を与えてくれたミック・メナード、ダナ・ホワイトに感謝ししている」と語った。


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MMA MMAPLANET o UFN206 サンチアゴ・ポンジニビョ ミシェウ・ペレイラ

【UFN206】序盤攻勢のペレイラが、後半盛り返したボンジニビョにスプリットで競り勝つ

<ウェルター級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
サンチアゴ・ポンジニビョ(アルゼンチン)

左右に回るペレイラが、前蹴りを見せる。さらに右で前に出ると、ポンジニビョの指が目に入り試合が中断される。再開後、スイッチし前蹴りのペレイラに対し、ポンジニビョがローを蹴って圧を掛ける。ペレイラは右オーバーハンドを当て、右ロー。ポンジニビョはボディストレートから左オーバーハンドへ。距離を詰めヒザをボディに入れたペレイラがバックに回るが、直ぐに自分から離れる。

左右の前蹴り、右オーバーハンドから左フックを振るうペレイラが左右のステップから一気に前に出る。ポンジニビョもロングで左右のフックを放ち、ペレイラがガードを固める。ステップインに右を当てたペレイラは右オーバーハンドをヒットさせ、ポンジニビョの動きが一瞬止まる。ポンジニビョが右ミドルを蹴り、右に回るペレイラが追って来たポンジニビョに体の向きを変えて右を入れた。

2R、初回と同様に明日を使うペレイラが前蹴り、右オーバーハンドを見せる。ケージ際に下がったポンジニビョに右ミドルを決めたペレイラが、ボディを殴ると左ショートが顔面を捕らえる。ジャブ、ヒザ蹴りとポンジニビョのステップインを許さず、左ジャブの相打ちにも打ち勝つなどペレイラ優勢が続く。

左を当て、右から前蹴りを入れたペレイラだが、ポンジニビョも下がらず左をヒットさせる。続く左の大振りに右をカウンターでいれたペレイラだが、やや疲れてきたか。ポンジニビョのパンチの回転数が上がってくるが、ペレイラも打ち合いに応じて右をクリーンヒット。ジャブの相打ちから、ポンジニビョがダブルレッグでテイクダウンを決める。直ぐに立ち上がったが、バックを譲った状態でペレイラがこの回の終了を迎えた。

最終回、試合前の予想通り消耗戦の様相を呈してくると、ペレイラが右ハイから右ストレートを入れ、ポンジニビョがジャブを返す。ボディから左ハイ、さらに左を続けたポンジニビョが右ハイを蹴る。ガードしたペレイラが圧され気味になりながら右アッパー、左ジャブを届かせる。ポンジニビョは右ロー、左ハイから右ストレート。ペレイラも下がらず、スイッチして左右のジャブを繰り出す。ジャブの相打ちで、打ち勝つようになってきたポンジニビョは、前蹴りを腹に食らう。

右カーフを返したポンジニビョがダブルレッグ。切ったペレイラはジャブを打ち合い、前蹴りから圧を掛ける。右オーバーハンドに下がりながら右から左フックをヒットさせたポンジニビョは、ここもダブルレッグへ。これも切ったペレイラ、両者が体の軸を失いながらパンチを打ち合い時間に。

殴り殴られのドッグファイトは裁定が割れ、ペレイラに凱歌が挙がった。


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MMA MMAPLANET o ROAD FC UFC UFN206   ケトレン・ヴィエイラ サンチアゴ・ポンジニビョ ジャイルトン・アルメイダ ジョセフ・ホームズ ジョナサン・マルチネス タバタ・ヒッチ チェイス・フーパー チディ・ンジョグアニ パク・ジュンヨン パーカー・ポーター フィリッピ・コラレス ホーリー・ホルム ポリアナ・ヴィアナ ミシェウ・ペレイラ ヴィンス・モラレス

【UFN206】計量終了 なるかランキング入り、四次元MMA封印のペレイラがポンジニビョと対戦

【写真】身長差はごらんの通り。ポンジニビョに懐に跳び込まれた時のペレイラのヒザ、テイクダウンがカギとなるか(C)MMAPLANET

20 日(金・現地時間)、21日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN206:UFN on ESPN+64「Holm vs Vieira」の計量が行われた。

メインは女子バンタム級の1戦でランキング2位のホーリー・ホルムに5位のケトレン・ヴィエイラが挑む。


11試合、22選手中ヘッドライナー以外でランカーはコメインのウェルター級に出場するサンチアゴ・ポンジニビョだけだ。群雄割拠のウェルター級で14位のポンジニビョと対戦するミシェウ・ペレイラはHEATとRoad FCという日韓のプロモーションで活躍してきた四次元MMAファイターだ。

ペレイラはオクタゴン4連勝中、ディエゴ・サンチェス戦では勝利を決定的にしながらグラウンド・ニーで反則負けに──実質5連勝と目を見張る戦績を残している。

さすがにダブルレッグで肩に抱え上げてショータイムスラムやバック宙、前宙、さらにはコークスクリューでパスを狙うという立体的かつスタミナをロスする技は息をひそめているが、スイッチをしつつ伸びのあるストレート、遠近両用のヒザ蹴り、さらにテイクダウンを織り交ぜたウェルラウンダーとして、実力者ぶりを発揮してきた。

対してポンジニビョはテクニカルではないが、パワフルなストライカーで右カーフ、そして右オーバーハンドとストレートはKOパワーを有している。

互いに動きが多く、アグレッシブ。相手の攻撃に対する耐久力はポンジニビョで、スタミナロスに耐える精神力はペレイラに分があるか。打撃の削り合いが予想されるポンジニビョ×ペレイラは、判定までもつれ込めばファイト・オブ・ザ・ナイト級の激闘になることが予想される。

■視聴方法(予定)
5月22日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN206計量結果

<女子級バンタム/5分5R>
ホーリー・ホルム: 135.5ポンド(61.46キロ)
ケトレン・ヴィエイラ: 136ポンド(61.69キロ)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ミシェウ・ペレイラ: 170ポンド(77.11キロ)

<ミドル級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ: 185ポンド(83.91キロ)
ドゥスコ・トドロビッチ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ポリアナ・ヴィアナ: 116ポンド(52.62キロ)
タバタ・ヒッチ: 115ポンド(52.16キロ)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダーソン: 186ポンド(84.37キロ)
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・ホームズ: 185ポンド(83.91キロ)
アレン・アメドフスキー: 186ポンド(84.37キロ)

<ヘビー級/5分3R>
パーカー・ポーター: 265 ポンド(120.2キロ)
ジャイルトン・アルメイダ: 224ポンド(101.6キロ)

<ライト級/5分3R>
オマル・モラレス: 155.5ポンド(70.53キロ)
ウロス・メディッチ: 156ポンド(70.76キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス: 135.5ポンド(61.46キロ)
ヴィンス・モラレス: 136ポンド(61.69キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェイス・フーパー: 145ポンド(65.77キロ)
フィリッピ・コラレス: 145ポンド(65.77キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
エリース・リード: 115ポンド(52.16キロ)
サム・ヒューズ: 115.5ポンド(52.38キロ)

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MMA UFC UFC269   アマンダ・ヌネス アレックス・ペレス カイ・カラフランス サンチアゴ・ポンジニビョ シャーウス・オリヴェイラ ショーン・オマリー ジュリアナ・ペニャ ジリアン・ロバートソン タイ・ツイバサ ダスティン・ポイエー ダン・イゲ デリック・ミナー ドミニク・クルーズ パウリアン・パイヴァ ペドロ・ムニョス ミランダ・マーヴェリック ライアン・ホール ランディ・コスタ

【UFC269】計量終了 王者オリヴェイラ「神は僕とある」×ポイエー「大勝負だ」。ペレスは4戦連続中止

【写真】どちらかといえば王者がクールで、エキサイトしているのは挑戦者だった(C)Zuffa/UFC

11日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC269「Oliveira vs Poirier」の計量が、10日(金・同)に行われた。

2021年最後のPPV大会のメインはUFC世界ライト級選手権試合=王者シャーウス・オリヴェイラ×挑戦者ダスティン・ポイエーだ。

先に登場したポイエーはスケールの上でベルトを巻くというポーズ。続いてサングラス姿で体重計に乗った王者オリヴェイラはシャウトし、思わずダナ・ホワイトが割って入るほどの勢いでポイエーに詰め寄る。

それでも冷静な表情だったオリヴェイラに対し、かなり興奮し鼻息も荒くなっていたポイエーは「大勝負だ。もう一度、皆の前に頂点に立つためにやってきた。もうミスはしない。レッツゴー」と叫び、両手を高々と掲げた。

対照的に落ち着いたままのオリヴェイラは「何千という見方が彼にいても、神は僕とある。やってやるよ」と話した。


コメインはアマンダ・ヌネスとジュリアナ・ペニャがUFC世界女子バンタム級王座を賭けて戦う。

まず「素晴らしい機会をえることができ、ここにいる皆に感謝している。すごくワクワクしているし、準備は十分。明日はファイアーワークスになる」という言葉を噛んだペニャは笑顔を見せた。

対して養女を抱いてインタビューを受けたヌネスは「皆と今夜会えて、すごくハッピーよ。彼女はライオンハートをまだ正面切って体感したことがないの。ベルトはどこにも行かないわ。皆ぁ、明日ね」といつも通りの意気揚々ぶりだった。

フライ級初戦でカイ・カラフランスと相対するコディ・ガーブラントはセレモニアル計量ということもあり、しっかりとリカバリーの後も見え、問題なく本来のパフォーマンスを期待できそうだ。そのカーブラント、カラフランスの首を掻っ切ってやるポーズに、思わず浮かべた笑みが非常に頼もしく見えた。

胸のタトゥーと同じカラーに髪の毛を染めたショーン・オマリーは、パウリアン・パイヴァとのフェイスオフでヌッと顔を前に出し、威圧感十分。パイヴァも笑顔で流す余裕の表情だった。

髭を蓄えたドミニク・クルーズは、笑顔で登壇したペドロ・ムニョスを相手に非常に厳しい表情を浮かべ、しっかりと握手して別れた。またアレックス・ペレスと対戦予定だったマット・シュネルが体調不良でドクターストップに。残念ながら両者の対戦は3度目も実現せず、ペレスは4試合連続でファイトの機会を失うことになってしまった。

■視聴方法(予定)
12月12日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWライブ

■UFC269計量結果

<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] シャーウス・オリヴェイラ: 155ポンド(70.31キロ)
[挑戦者]ダスティン・ポイエー: 154.5ポンド(70.08キロ)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス: 134.5ポンド(61.0キロ)
[挑戦者] ジュリアナ・ペニャ: 135ポンド(61.24キロ)

<ウェルター級/5分5R>
ジェフ・ニール: 170.5ポンド(77.34キロ)
サンチアゴ・ポンジニビョ: 169.5ポンド(76.88キロ)

<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス(ニュージーランド)
コディ・ガーブラント(米国)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー: 135.5ポンド(61.46キロ)
パウリアン・パイヴァ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・エメット: 145.5ポンド(66.0キロ)
ダン・イゲ: 146ポンド(66.22キロ)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス: 135.5ポンド(61.46キロ)
ドミニク・クルーズ: 135ポンド(61.24キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アウグスト・サカイ: 263.5ポンド(119.52キロ)
タイ・ツイバサ: 264 ポンド(119.74キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ: 186ポンド(84.37キロ)
ジョーダン・ライト: 186ポンド(84.37キロ)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ムニス: 185.5ポンド(84.14キロ)
エリク・アンダース: 185.5ポンド(84.14キロ)

<女子フライ級/5分3R>
エリン・ブランクフィールド: 125.5ポンド(56.92キロ)
ミランダ・マーヴェリック: 125ポンド(56.7キロ)

<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス: 125.25ポンド(56.81キロ)
マット・シュネル: 126ポンド(57.15キロ)

<フェザー級/5分3R>
ライアン・ホール: 145.5ポンド(66.0キロ)
デリック・ミナー: 146ポンド(66.22キロ)

<バンタム級/5分3R>
ランディ・コスタ: 136ポンド(61.69キロ)
トニー・ケリー: 134.5ポンド(61.0キロ)

<女子フライ級/5分3R>
プリシーラ・カショエイラ: 129ポンド(58.51キロ)
ジリアン・ロバートソン: 125ポンド(56.7キロ)

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MMA Report UFC UFN ESPN+47 UFN189 サンチアゴ・ポンジニビョ ミゲール・バエサ

【UFN189】魂のファイト。ボンジニビョの覚悟の前進に、計算が狂ったバエサが11戦目の初黒星

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ(アルゼンチン)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ミゲール・バエサ(米国)

右に回るバエサが右ローを蹴る。さらに左ローを蹴ったバエサは、カーフを続けワンツーを繰り出す。右カーフにも踏み込んで右を見せたポンジニビョは、距離取り直すとバエザが左ジャブを当てる。ポンジニビョの左ジャブに左右のロー、カーフを続けるバエサは右ローからワンツーを伸ばす。ポンジニビョは圧力をかけ続けるが、手数は少なくクリーンヒットはない。

ローでバランスを崩したポンジニビョの立ち上がり際に、パンチを入れたバエザは隙がない。中央を取り、カーフからパンチを伸ばすバエサがワンツーから左を振るう。懸命にかわしたポンジニビョが右で前に出るが、カーフを蹴られる。外側だけでなく、内側も蹴るバエサに対し、ポンジニビョが被弾覚悟の前進でパンチを伸ばす。

バエサは右フックから左フック、スリップしたポンジニビョに圧を掛ける。左フックを入れ、ジャブから右を当てたバエサはポンジニビョの右ハイをガードし、左インサイドローで削る。さらに右ストレートから右カーフを蹴ったバエザは、ポンジニビョのコンビをブロッキングで防ぎ初回をリードした。

2R、前に出るポンジニビョをカーフで蹴るバエサ。ポンジニビョもワンツーで前に出る。バエサは右前蹴り、そしてカーフ。ポンジニビョはジャブにカーフを合わされ、右ストレートで腰が落ちる。ポンジニビョのダブルレッグを切ったバエサはカーフ、左ロー、そして右アッパーを打ち込む。ポンジニビョもダブルジャブから右を打っていく。手数を増やしたポンジニビョだが、カーフでダメージを蓄積もしていく。バエサは右を当て、左右のフックで前に出る。

これは珍しく力が入っていたバエサは、殴られ、蹴られても前に出てくるポンジニビョのジャブを被弾する数が増えてくる。フックで前に出て右を当てたポンジニビョがワンツー、そして左ジャブを当てる。続くダブルレッグをスプロールしたバエサだが、ジャブから右を打たれる。パンチを捌けなくなってきたバエサは、手数が完全に減りカーフ頼りになりラウンドを取り返された。

思い通りに戦えなくなったバエサ、無敗の誰もが訪れるこの局面を如何に乗り越えるか、勝負の最終回が始まった。ジャブから前に出るポンジニビョは、カーフを蹴られても前に出る。バエサは前蹴りから左ジャブ、そしてカーフを蹴る。ジャブをかわしたポンジニビョだが、右を被弾する。ここから手数が増すポンジニビョが、右ローを蹴る。バエサもワンツーで前に出て、ステップジャブからカーフを蹴る。

左前蹴りからジャブ、右のバエサに対し、ドッグファイト上等のポンジニビョがジャブからワンツーで前に出て、右フックを当てる。バエサはワンツーを被弾し、体の軸を乱しながら拳を振るっていく。残り90秒、声を出してパンチを繰り出すバエサに対し、ポンジニビョがローを蹴っていく。ポンジニビョは左フックを入れ、バエサはアッパーも左右のフックを被弾する。ジャブを入れ、左フックと打ち勝つポンジニビョが、足を止めての打ち合いでバエサのマウスピースを吹き飛ばすフックを入れ、タイムアップを迎えた。

結果はジャッジ3者とも29-28でポンジニビョを支持。「初回? ただのウォームアップだ。26カ月間、試合がなかったんだ。でも一発じゃ俺は終わらない。試合は15分間だ。初回はウォームアップ、戦いはそこからだ。それが俺の戦いだ。足のダメージ? ほとんど死んでいたよ。でも、そんなの関係ない。俺はドクターから、もう戦えないって言われたことがあるんだ。足の蹴り、それが何だ。俺に勝ちたいなら、殺すつもりで戦え。随分と回り道した。でも俺は世界チャンピオンになれる。俺の背中を見ている連中がいる。何をすべきか分かっている。俺はすぐにでも戦う。トップ10と戦いたい。ラテン・アメリカの皆が俺に期待しているんだ。俺は世界チャンピオンになる」と大興奮で、勝者はまくし立てた。

殴られても、殴る。その意志が拳に乗り移ることを学んだバエサも、混乱しながら心が折れ切れることはなかった。この経験を活かし、キレーな戦いをより昇華させてほしい。


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Interview MMA UFC UFN ESPN+47 UFN189 キック クラウジオ・プエレス グレゴリー・ホドリゲス サンチアゴ・ポンジニビョ ジョーダン・ラヴィット ボクシング ミゲール・バエサ

【UFN189】プエレスと対戦、ジョーダン・ラヴィット─02─「プランBが必要になるかは相手次第」

【写真】もう3時間後には、ジョーダンがオクタゴンに足を踏み入れる(C)Zuffa/UFC

5日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスの開催されるUFC APEXでUFN189:UFN on ESPN+47「Rozenstruik vs Sakai」のオープニングバウトで、クラウジオ・プエレスと対戦するジョーダン・ラヴィット・インタビュー後編。

下になることを厭わない。フィニッシュすることを念頭において戦うラヴィットは、打撃を駆使して戦うプランBが必要になるファイトを待ち望んでいた。

<ジョーダン・ラヴィット・インタビューPart.01はコチラから>


──ロクサンとの関係もそれ以来、ずっと続いているということですね。

「僕とロキシーは一緒にキッズに柔術を指導しているしね。もう5年になるよ。僕にとって、ロキシーは最も影響力がある人物なんだ。ロキシーは30代半ばで、常に進歩していてキャリアの最高の状態を更新し続けている。

僕はファイターとして、シャイな方だったけど……ロキシーが凄く自信を与えてくれたんだ。ロキシーの後を僕は追っているつもりだよ」

──素晴らしい言葉です。同時にジョーダンの人柄も伝わってきます。

「おお、ありがとう。ファイトって何百、何千っていう勝ち方があるんだ。でもね、自分が実際に戦うことができる相手は非常に限られている。だから、その機会を無駄にしないよう成長し続けたいんだ。

これまで運よく勝ち続けてくることができたけど、僕のなかでは常にハードファイトを選んできた。ハードファイトを経験して成長したい。1試合での経験値を可能な限り高いモノにしたいと思って戦ってきた。

でもファイターってレコードを気にして、連勝とかに拘ることがあるだろう?」

──ハイ、オーガニゼーションもそこを重視する向きもありますし。

「でもファイターとして、勝って当たり前の試合に出て勝ち星を重ねるって、本当に下らないことだと思うよ。おかしな言い方かもしれないけど、僕はどこかで敗北を望んでいるかもしれない。そんな試合に向かっていき、痛みを乗り越えたいと思っている」

──だからこそ、あのナスティな極めがあるのですね。

「アハハハハ。でもね、心の中では『頼むから、折れないでくれ』って願っているんだよ。何度かポップして、音が聞こえたり、感覚として伝わってきたことがあるんだ!! 頼むから、タップしてくれよって本当に思っていたよ」

──ジョーダンのファイトスタイルは、MMAの王道ではありません。これまで一本勝ちも多いですが、UFCファイターの防御力は過去の対戦相手と変わって来るかと思います。このスタイルを続けることが可能だと考えていますか。

「もちろん。僕自身、ディフェンス能力には自信を持っている。それと……そんな風に見えないかもしれないけど、パワーもあるんだ。何より対戦相手は僕が優れたグラップラーだと思って戦うよね?」

──ハイ。その通りだと思います。

「だから、彼らは僕をテイクダウンしようとしない。それってスタンドで僕の時間が多くあるってことなんだ。それに、僕のテイクダウン狙いをスプロールできる相手に出会ったら、その時は打撃を披露するよ。打撃だってできる。これまで、打撃で戦うというプランBが必要にならなかっただけなんだ。

プランBが必要になれば、僕がどれだけ打撃で戦えるのか見てもらえるだろう。テイクダウンして、サブミッションできない時が訪れるなら、プランBを遂行するよ。そんな日が来ることを願っているよ」

──ではタフファイトになり、スコアリングで勝たないといけなくなると、どうしますか。

「う~ん、僕は試合中もその一瞬、一瞬で勝てるよう戦っている。判定になることは想定していないんだ。テイクダウンして、コントロールが必要な試合もある。でも、判定勝ちを想定することはない。

ケージの中では自分の力を信じて、乗り越えていくしかないんだ。ジャッジの裁定を気にして戦っていると、そんな自分にガッカリする日が来ると思う。

だから試合中は常にフィニッシュするつもりでいるし、結果的に判定にもつれ込んでも、この姿勢があるとジャッジの支持を得ることになる。実際、僕はまだ1Rも落としたことがないんだ。おかしな判定がないってことは、ラッキーだなって思うよ」

──では、クラウジオ・プエレス戦も一瞬、一瞬でフィニッシュを狙う。その繰り返しのファイトを?

「そうだね。僕はグラップリングの専門家じゃない。例え周囲がそう思っていても、ジムで打撃の指導もしている。まだ見せていない、僕のスキルを見てほしい。ボクシング、キックボクシング、ムエタイだって使える。僕はコンプリート・ミックスマーシャルアーチトだ。

それを証明できるぐらい、プエレス戦がハードな試合になることを期待しているよ。最後はテイクダウンしてサブミットするけど、それまでの過程で僕が何でもできることを見せたい」

■視聴方法(予定)
6月6日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS

■UFN189計量結果

<ヘビー級/5分5R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 254ポンド(115.21キロ)
アウグスト・サカイ: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ウォルト・ハリス: 264 ポンド(119.74キロ)
マルチン・ティブラ: 251ポンド(113.85キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・デリツ: 186ポンド(84.37キロ)
ロウレアノ・スタルポリ: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ミゲール・バエサ: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
ドゥスコ・トドロビッチ: 186ポンド(84.37キロ)
グレゴリー・ホドリゲス: 186ポンド(84.37キロ)

<ミドル級/5分3R>
トム・ブリーズ: 186ポンド(84.37キロ)
アントニオ・アローヨ: 186ポンド(84.37キロ)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ: 146ポンド(66.22キロ)
カムエラ・カーク: 146ポンド(66.22キロ)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ: 126ポンド(57.15キロ)
アリアニ・リプスキ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー: 242ポンド(109.77キロ)
イリル・ラティフィ: 240ポンド(108.86キロ)

<ウェルター級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド: 169.5ポンド(76.88キロ)
ムスリム・サルコフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
アラン・パトリック: 154.5ポンド(70.08キロ)
メイソン・ジョーンズ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
マノン・フィオホ: 125.5ポンド(56.92キロ)
タバタ・ヒッチ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル: 146ポンド(66.22キロ)
ショーン・ウッドソン: 145ポンド(65.77キロ)

<ライト級/5分3R>
クラウジオ・プエレス: 155ポンド(70.31キロ)
ジョーダン・ラヴィット: 156

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Interview MMA UFC UFN ESPN+47 UFN189 グレゴリー・ホドリゲス サンチアゴ・ポンジニビョ ミゲール・バエサ

【UFN189】ポンジニビョと対戦、ミゲール・バエサ─02─「ファイトは喧嘩じゃない」

【写真】計量で余裕のポージング、ケージの中ではどのような動きを見せてくれるか。一挙手一投足を見逃さないで注視したい (C)Zuffa/UFC

明日5日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN189:UFN on ESPN+47「Rozenstruik vs Sakai」で、サンチアゴ・ポンジニビョと対戦するミゲール・バエサ・インタビュー後編。

MMA戦績10勝0敗、オクタゴンでも3連勝=3試合ともフィニッシュしている裏で、バエサというファイターが如何に頭を使い、相手を研究して戦っているのかがインタビューを通して理解できた。

自分の動きをするには、相手を研究すること。そしてコーチとの共同作業で、より相手を理解する。MMAを科学するミゲール・バエサは打ち合い上等のファイトをどう思っているのか。その答にこそ、彼の10勝負け無しの要因があるように感じた。

<ミゲール・バエサ・インタビューPart.01はコチラから>


──一部では、対戦相手の試合映像はそれほどチェックせず、自分の動きに専念するという選手もいます。または分析はコーチに任せて、その指示に従うファイターも見受けられます。しっかりと自身でも研究するミゲールからすると、そららの選手の試合への準備の仕方はどのように感じますか。

「ファイトって、規律が全てなんだ。規律から全てが生まれている。まずはジムでパンチを打つ、蹴りを使う。正しい動きはどうなのか、どういう風にすればより上手くなれるのかという日々を過ごす。ジムでのトレーニングが、まず存在する。

そして試合だ。相手がどのようなパンチを打つのか。素晴らしいパンチの持ち主に対して、自分はどのように対応すれば良いのか。クリンチが凄く上手い選手に対し、クリンチを避けるにはどんな手立てがあるのか。

それらのことをしっかりと頭に入れ、練習してきたことを出せる状態になって、試合に臨まなければいけない。しっかりと自分のなかで、相手の動きを考慮したシリオを持って戦うことは何よりも大切だと思っている。

自分の動きを試合に出すと思っていても、相手があってのことだ。そこを怠ると、試合は困難になる。正直にいえば、そういう選手は自分で自分の首を絞めていると思うよ。

コーチに任せるのも同じことだ。自分の目で見て、自分で判断するからこそ、試合で動くことができる。コーチと一緒に相手を分析していく素晴らしさは、同じモノを違う角度から見ることができるからだよ。

同じ相手を研究しても、僕とコーチは見えるモノが違ってくる。僕にはガードが下がっているように見えなくても、それに気づく人間がいる。だからコーチと自分自身で、相手を研究する方が理解力が深まるんだ」

──ミゲールはサンチアゴのことも十分に研究して、ファイトウィークを迎えているのでしょうね。

「危険なファイトだよ。彼は長い間UFCで戦ってきているので、とても経験豊かだ。常にフィニッシュを狙っていているからね。しっかりと腕を上げてガードし、パンチを被弾しないよう注意して戦う必要がある。サンチアゴのペースにならないよう、懐に入らせないようにしないといけない。

でも、ちゃんとゲームプランはあるから、試合を見て確認してほしい(笑)」

──楽しみにしています。ところで自分のパンチを当てるために、相手のパンチを貰う覚悟で戦う選手についてどのような印象を持っていますか。

「それがサンチアゴだということだね。自分が殴るには、殴られる覚悟は必要だろう。でも、僕はちゃんとディフェンスをして戦うよ。相手のパンチは貰わないで、僕のパンチを当てる。僕のパンチが当たれば、誰もが倒れる。拳が届けば倒せるんだ。サンチアゴが僕のパンチを貰う覚悟で戦うようだと、より戦いやすくなるよ」

──それにしても、ミゲールはファイトを科学のように捉えているのですね。

「同意するよ。ファイトは喧嘩じゃないからね」

──だからこそ10勝0敗というレコードを持っていることが理解できました。まるでケージの科学者です。

「サンキュー、それは僕にとって最高の誉め言葉だよ」

──今は打撃を入れてから、グラップリングゲームに持ち込んでいますが、それだけ相手を見ているとレンジをコントロールして、打撃戦の裏をかきテイクダウンからグラウンドに持ちこむことも可能ではないでしょうか。

「ショーをファンに楽しんでもらうこともあるけど、レンジを理解して相手の手を読んでいるからこそ、打撃で戦うんだよ。外を取っていれば、僕のパンチは当たる。サブミッションを極めるにも、その方が極めやすいよ。

打撃を交えた方がテイクダウンも取りやすい。そして──トップを取れば僕のモノだ。そこから柔術でフィニッシュする」

──では2021年中に、最大激戦区のウェルター級でどこを目指していますか。

「ただ勝ち続けるだけだよ。そしてキャンプとキャンプの間に、自分の技量を上げる。試合の度に新しいバエサになるんだ。常に進化版のバエサを見せたい。そうすることで、最終的にはいつの日かタイトルを手にすることになるだろうからね。

まずはサンチアゴとの試合だよ。僕の全ての動きを見てほしい。距離、アングル、前後、左右、上下運動、タイミング、色々な技術を交えて打撃を入れ、フィニッシュに結びつけるから」

■視聴方法(予定)
6月7日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS

■UFN189計量結果

<ヘビー級/5分5R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 254ポンド(115.21キロ)
アウグスト・サカイ: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ウォルト・ハリス: 264 ポンド(119.74キロ)
マルチン・ティブラ: 251ポンド(113.85キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・デリツ: 186ポンド(84.37キロ)
ロウレアノ・スタルポリ: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ミゲール・バエサ: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
ドゥスコ・トドロビッチ: 186ポンド(84.37キロ)
グレゴリー・ホドリゲス: 186ポンド(84.37キロ)

<ミドル級/5分3R>
トム・ブリーズ: 186ポンド(84.37キロ)
アントニオ・アローヨ: 186ポンド(84.37キロ)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ: 146ポンド(66.22キロ)
カムエラ・カーク: 146ポンド(66.22キロ)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ: 126ポンド(57.15キロ)
アリアニ・リプスキ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー: 242ポンド(109.77キロ)
イリル・ラティフィ: 240ポンド(108.86キロ)

<ウェルター級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド: 169.5ポンド(76.88キロ)
ムスリム・サルコフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
アラン・パトリック: 154.5ポンド(70.08キロ)
メイソン・ジョーンズ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
マノン・フィオホ: 125.5ポンド(56.92キロ)
タバタ・ヒッチ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル: 146ポンド(66.22キロ)
ショーン・ウッドソン: 145ポンド(65.77キロ)

<ライト級/5分3R>
クラウジオ・プエレス: 155ポンド(70.31キロ)
ジョーダン・ラヴィット: 156ポンド(70.76キロ)

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【UFN189】ポンジニビョと対戦、距離のサイエンティスト=ミゲール・バエサ「初回で距離を見極める」

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5日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN189:UFN on ESPN+47「Rozenstruik vs Sakai」が開催される。ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク✖アウグスト・サカイのヘビー級ストライカー対決がメインの今大会。そのメインカード・オープニングの一番で、ミゲール・バエサがサンチアゴ・ポンジニビョと対戦する。

バエサといえば昨年11月に佐藤天と対戦し、2R4分28秒で肩固めを極めて一本勝ちしたことで日本のファンにも名が知られた存在だ。佐藤戦の勝利でMMA戦績を10勝0敗、UFCでも3連勝を達成しているバエサは、ヘクター・アルビナをカーフでKOし、マット・ブラウンには左のカウンターを決め、優れた距離とタイミングの取り方を披露してきた。

ポンジニビョというブルファイターを相手に、バエサはどのようなファイトを魅せるのか。「対戦相手を研究し、距離をセットすることで練習してきた技を存分に使うことができる」──ファイターというよりも、距離のサイエンティストと言うべき言葉からも、バエサがUFCウェルター級で結果を残し続けている片鱗を伺うことができるインタビューとなった。


──サンチアゴ・ポンジニビョとの対戦が土曜に迫ってきました。調子の方はいかがですか。

「サンチアゴ戦に向けて、数週間しっかりと作戦も立ててきたし準備は出来ているよ。土曜日は僕の試合になるだろう」

──ミゲールは昨年11月に佐藤天選手を破ったことで日本でもその実力が知られています。

「あの時は最初はタカシと僕は試合をする予定でなくて、ミッキー・ガルと戦うはずが、欠場になりジェレマイア・ウォレスと戦うことになった。でも、その選手も欠場になって、1カ月ぐらいに前にタカシ・サトーが対戦相手になったんだ。

その前の試合で短時間でKO勝ちをしていることが、頭に残っている選手だった。でも、その試合だけじゃ彼のことが分からないからパンクラス時代から彼のファイトをチェックしたんだ。そして彼がどういう選手か理解を深めた。結果、常にパンチを出し、蹴りも交えて距離を取ることを決めた。

テイクダウン後に彼がどういう動きをするかを頭に入れて戦ったよ。僕のトレーナーは高い柔道のスキルを持っていて、タカシが柔道時代の習慣かテイクダウン後の攻防になると背中を見せることを見抜いていた。実際に試合ではまさにその展開になって、しっかりと練習してきたことを出せた」

──佐藤選手が前に出てくるのを誘っているような動きが印象に残っています。そこでオーバーハンドやライトクロスを打ち、また前進を止めるために蹴りも多用していました。

「それもしっかりとタカシの戦い方を頭に入れて、彼の距離とステップインのタイミングが分かっていたからだよ。MMAはボクシングとも、レスリングとも全く距離が違う。ボクシングはパンチの距離で戦う。MMAは当然のように蹴りもあるし、組みもある。

そういうなかで、対戦相手の得意な距離にならないよう自分のレンジで戦う。そこを見極めることができたから、タカシを相手にして自分のすべき戦いができたんだ。

MMAマスターズではコーチと一緒に、彼を丸裸にした。タカシのパワフルなパンチは、どの距離にあるときが最も威力を発揮するのかを見抜いていた。タカシのスピードを考えると、近い距離で向き合うよりも、離れて前に出てこさせる方が、その動きがずっと見えるんだ。そして蹴りを使うことで、仕留めるパンチを見えなくなくする。そのためにオーバーハンドのフェイクも使ったよ」

──そこまでしっかりと対戦相手の特性を見抜いてケージに入るので、サウスポーもオーソドックスも関係なく戦えるのでしょうか。

「そうだね、タカシと戦う時はそうできた。ただし、コンテンダーシリーズでヴィクトー・レイナと戦った時は、そうではなかったよ。1週間前に彼と戦うことが決まって、当初戦う相手とはまるでスタイルが違っていたからね。

だから戸惑ったことも確かだけど、自分の距離で戦うためにバックステップが必要なことは変わりないからね」

──その下がって、相手を誘ってのカウンターショットは見事です。マット・ブラウン戦では結果的に左フックで倒していますが、返しの右ストレートも打っていました。

「マット・ブラウンはオーソドックスだけど、しっかりとビデオを見て研究していればスタンス、前手がどちらかは関係なくカウンターを打ち込むことは可能だよ。だから試合ではだいたい、練習で準備したことがしっかり使えるように初回は相手の動きを観察するようにしている。どう動き、どう反応するか。それを最初の5分で確かめてから、自分のタイミングと距離をどうはめ込むかを決めるようにしている。ここからは、僕の判断だ。

そのために距離の取り方が、凄く重要になってくる。立ち上がりの5分間で、そこを見極めることができればファイトは僕のモノだから。距離を把握すれば、マット・ブラウンの拳、ヒザ、視線も鮮明に見えるようになる。すると彼が動くことで、その次の彼の動きが僕には読める。マット・ブラウンは自分で動いでカウンターの標的になってくれたんだよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月6日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS

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