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【BRAVE CF63&64】砂漠のコンバット王国で3階級のタイトル戦─裏UFC280ではキム・テキュン✖ボガトフ

【写真】キム・テキュン✖ボガトフは日本から世界を目指すフェザー級選手にとって、オリヴェイラ✖マカチェフよりも視ておくべきタイトル戦かも??(C)BRAVE CF

5日(水・現地時間)、BRAVE CFが19日(水・同)にバーレーンはイサシティのハリファ・ナショナルスタジアムで開催するBRRAVE CF63「Two Title Fights」、6日(木・同)には22日(土・同)に行われるBEAVE CF64「African All Stars」のカード第1弾をそれぞれ発表している。

10日間で3大会が開かれるKombat Kingdom 2022シリーズの初戦はイベント名通り2つのタイトル戦が組まれることとなり、第2弾では対照的に大会名とは関係のない国籍のファイターがベルトを賭けて戦うこととなった。


まずBRRAVE CF63ではスーパーウェルター級王座決定戦がイスマイル・ナルディエフ×マルチン・バンデルの間で行われる。同王座はPFL2022シーズンのウェルター級に参戦するために王座を返上したジャラ・フセイン・アルシラウィの後釜を争う一戦だ。

さらにバンタム級選手権試合として、王者ブラッド・カトーナがガムザット・マゴメドフの挑戦を受ける一戦が組まれることも明らかとなった。今年の3月大会でバーレーン生まれ、バーレーン育ちのハマザ・コヘジとの王座決定戦で勝利してベルトを巻いたカトーナだが、公開会見の際にファンから『ステロイド!!』と叫ばれるなど、アラブのファンの洗礼を受けている。

挑戦者のマゴメドフはバーレーン国籍を取得したダゲスタンからの帰化選手だ。2017年のIMMAF世界王者からロシアのMPFでプロデビューを果たし、その後は7試合をBRAVE CFで戦ってきた。JP・バイズにこそ敗れているが、レスリング&コントロールに強さを見せてきた。この両者のタイトル戦は、血の気が多い喧嘩ファイトと同様にケージレスリングを堪能できるローカルファンにとっても大好物の試合展開となるだろう。

またアフリカン・オールスターズを謡うBRAVE CF64ではフェザー級王座決定戦として韓国のキム・テキュンとロシアのロマン・ボガトフが戦うことが決まった。

TOP FCからDouble GFCという母国の大会から砂漠に活路を求めたキム・テキュンはBRAVE CFで4連勝中、通算戦績は9勝0敗だ。対するボガトフは12勝1敗のUFCベテランで、元M-1ライト級王者だ。BRAVE CFでもナルザン・アキシェフ、アボドゥルムタリプ・ギエルベコフという当時のレコードでいえば11勝1敗と15笑2敗1分というタフな相手にポイントを先制されながら、逆転の判定勝ちを収めている。

この両者は今年4月の韓国大会でノンタイル戦で拳を交える予定だったが、ボガトフのビザ問題に続きキム・テキュンの負傷(※代役で松嶋こよみが戦う可能性もあった)により流れた──トップ対決だ。

世界を目指し、BRAVE CFという道を選んだキム・テキュンが、元UFCファイターを相手にどのような戦いをやってのけるか。同日に同じ中東、アブダビでUFCのPPV大会が開かれる裏で実施される両者の対決も見逃せない。

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Brave CF BRAVE CF62 MMA MMAPLANET o   アザット・マクスン イリャ・アスカノフ オルジャス・エスカラエフ カミル・マゴメドフ キム・テキュン ダミール・トレノフ ナルザン・アキシェフ バウイルサン・クアニシバエフ ビール・シュテピン マゴメド・マゴメドフ メモシュ・ラザ ロマン・ボガトフ ロランド・ディ

【BRAVE CF62】計量終了 メインはエスカラエフ×ディ。ランカーはアスカノフ、マゴメドフ&タルハ

【写真】メインで地元のエスカラエフと対戦するロランド・ディ(C)BRAVE CF

30日(金・現地時間)、カザフスタンはアルマトゥイのボラン・ショラック・アテンダ・スポーツ・サライで開催されるBRAVE CF62の計量が、29日(木・同)に行われている。

昨年8月以来となるカザフスタン・アルマトゥイでのイベントには、期待された中央アジアのフライ級トップ3=アズ・アルマバエフ、アザット・マクスン、ダミール・トレノフの出場はなかったが、合同興行となるOCTAGON35でBRAVE CFのウェルター級トップの1人であるマゴメド・マゴメドフが、オクタゴン・ウェルター級王者バウイルサン・クアニシバエフに挑戦する──という出向タイトル戦が組まれている。


BRAVE CF自体は8試合というコンパクトなイベント構成は中央アジア勢とロシアが中心となっている。

メインでは6月にライト級暫定王座決定戦で敗れたオルジャス・エスカラエフが、地元での再起戦でBRAVE CFの名勝負男=ロランド・ディを迎え撃つ。

コメインには今も珍しいパキスタン国籍&在住のメモシュ・ラザが、カザフスタンのトップ・フェザー級戦士=ナルザン・アキシェフと戦う。アキシェフはキム・テキュンやロマン・ボガトフにこそ敗れているが、ラザが番狂わせを起こすようなことがあればライト級タイトル戦線に動きが見られることは間違いない。

この他、ライトヘビー級からミドル級に転向を果たしたバーレーンのエース候補ムルタザ・タルハ・アリが88.5キロ契約となった一戦で、同地の中量級トップでEagle FCベテランのキリル・ホミツキと相対する一番も注目だ。

先日、BRAVE CFが発表した初のランキングに入っているのはファザー級5位のイリャ・アスカノフ、ライト級3位のカミル・マゴメドフ、そしてミドル級5位のムルタザ・タルハ・アリの3人だ。ランキングの制定は10月のバーレーン3連戦を睨み、可視化することでタイトル戦線の活性化を促す目的があるように思われるが、トップ5に位置する彼らにとっては絶対に負けられないカザフスタンでの戦いとなる。

なおランカーのマゴメドフと対戦するアクメド・シェルヴァニエフがただ1人計量にパスせず、ファイトマネーの30パーセントが没収され、この顔合わせは実現することとなった。

■視聴方法(予定)
9月30日(金・日本時間)
午後7時30分~ BRAVE TV

■BRAVE CF62計量結果

<ライト級/5分3R>
オルジャス・エスカラエフ:70.65キロ
ロランド・ディ:70.4キロ

<フェザー級/5分3R>
メモシュ・ラザ:66.2キロ
ナルザン・アキシェフ:65.9キロ

<ライト級/5分3R>
イリャ・アスカノフ:70.7キロ
ラスル・テザクバエフ:70.0キロ

<ライト級/5分3R>
カミル・マゴメドフ:70.6キロ
アクメド・シェルヴァニエフ:71.7キロ

<88.5キロ契約/5分3R>
ムルタザ・タルハ・アリ:88.35キロ
キリル・ホミツキ:88.45キロ

<フェザー級/5分3R>
アブドゥラ・アルクァフタニ:66.01キロ
イリャ・パクチア・ウウル:65.85キロ

<63.5キロ契約/5分3R>
アブドゥルファクハド・アフマディ:63.45キロ
ビール・シュテピン:63.4キロ

<ライト級/5分3R>
サンジャルベク・エルキノフ:70.75キロ
アンゾル・アブドゥルコザエフ:70.75キロ

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Brave CF BRAVE CF59 MMA MMAPLANET o PFL PRIDE UFC   アブディサラム・クバチニエフ イスマイル・ナルディエフ オルジャス・エスカラエフ キック シアー・バハドゥルサダ ジャラ・フセイン・アルシラウィ ナルザン・アキシェフ ヴィクチェン・ジェンベコフ

【BRAVE CF59】計量終了 暫定ライト級王座決定戦と並び注目、草原の組み伏せ師ジェンベコフ

【写真】湯上り感すら漂ってくる──リアルな計量後のクバチニエフとエスカラエフ (C)PFL

18日(土・現地時間)、ウズベキスタンはブハラのブハラ・アンフィチアータで開催されるBRAVE CF59の計量が行われている。

BRAVE CFにとって初めてのウズベキスタン大会、メインで暫定ライト級王座を賭けて対戦するアブディサラム・クバチニエフは70.06キロ、オルジャス・エスカラエフは69.96キロと問題なくクリアした。

多くのMMAプロモーションと違い、スーパー階級を設け体重差を狭まり、適正体重を選択しやすいことが影響してか全11試合、22選手は問題なく計量を終えている。


そのスーパー階級はスーパーウェルター級とスーパーライト級の2階級で4試合が組まれている今大会。スーパーライト級にはバーレーンMMA界の要人といっても過言でないエルダル・エルダノフが王者に君臨しているが、スーパーウェルター級は前王者ジャラ・フセイン・アルシラウィがPFLと契約したことで空位に。

今大会のセミでヴィクチェン・ジェンベコフと対戦するイスマイル・ナルディエフは昨年4月にそのアルシラウィの王座に挑戦しカーフキックでTKO負けを喫したもの現状、同級のベルトに一番近い選手といえる。

対するヴィクチェン・ジェンベコフは母国キルギスのWEFやカザフスタンのAlash PRIDEで5連勝、無敗の未知強だ。草原の騎馬民族が馬を御すような強烈ボディロックからのテイクダウン、裸のサンボ的な投げと関節技を持つジェンベコフは野性味あふれるファイトは非常に魅力的ともいえる。

とはいえインターナショナルレベルでは、組みつくところまでの能力は未知数だ。元UFCファイター、突如Evolve MMAのヘッドコーチ職を離れたシアー・バハドゥルサダやミシェウ・プラザレスに勝利し、オクタゴンで2勝2敗の戦績を残すヌルディエフにとって、王座獲得へ落とせない一戦。またジェンベコフにとっては一気にタイトルコンテンダーの座を掴むことができる注目のマッチアップだ。

■視聴方法(予定)
6月18日(土・日本時間)
午後11時30分~ BRAVE TV

■BRAVE CF59計量結果

<BRAVE CF暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
アブディサラム・クバチニエフ:70.06キロ
オルジャス・エスカラエフ:69.96キロ

<スーパーウェルター級/5分3R>
イスマイル・ナルディエフ:79.5キロ
ヴィクチェン・ジェンベコフ:79.56キロ

<ライト級/5分3R>
ネマット・アブドラシトフ:68.64キロ
アリクホン・ハサノフ:68.26キロ

<フェザー級/5分3R>
イリャ・アスカノフ:69.8キロ
クサンボエ・アタヴァエフ:69.98キロ

<ライト級/5分3R>
ナルザン・アキシェフ:70.56キロ
オタベク・オキシロフ:69.8キロ

<スーパーライト級/5分3R>
アユブ・ガジエフ:75.1キロ
サンジャベク・エルキノフ:74.22キロ

<68キロ契約/5分3R>
シャリフ・クシャエフ:67.64キロ
バキトベキ・ウウル・ヌリスタン:67.92キロ

<ミドル級/5分3R>
マミルオン・ハミドフ:84.36キロ
エリャン・ジニベコフ:82.56キロ

<スーパーウェルター級/5分3R>
コォトム・ボイナザロフ:79.7キロ
アリティンベク・アリクバエフ:79.06キロ

<スーパーライト級/5分3R>
マシュラブジョン・ルジボエフ:74.46キロ
ニヤジディン・リスバエフ:74.7キロ

<バンタム級/5分3R>
クルバナリ・ヌルムロドフ:61.68キロ
マルフフォン・ママラジコフ:61.6キロ

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Brave CF MMA MMAPLANET o アブディサラム・クバチニエフ イスマイル・ナルディエフ オルジャス・エスカラエフ クレイトン・シウバ ナルザン・アキシェフ ルカス・マルチンス

【BRAVE CF59】初のウズベキスタン大会。メインは暫定ライト級王座決定戦=クバチニエフ✖エスカラエフ

【写真】 キルギスの民族帽を被っって入場のクバチニエフとエスカラエフが暫定ライト級のベルトを賭けてウズベキスタンで戦う(C)MMAPLANET&BRAVE CF

18日(土・現地時間)、ウズベキスタンのブハラはブハラ・アンフィチアータ(ブハラ円形劇場)で開催されるBRAVE CF59のフルラインアップが発表されている。

MMAのグローバルステージで、クストロシアというべき勢いを持ちつつある中央アジア勢にあって、カザフスタン、キルギスに続く勢力であるウズベキスタンにBRAVEが初進出を果たす。


5カ国で7200万と日本より5000万も少ない人口でありながら、次々と強豪が生まれる中央アジア。そのなかにあって3300万と最多の人口を誇るウズベキスタンだが、ラインナップ的にはMMA界での格付け通りカザフスタンとキルギスにメインとコメインを譲る形となっている。

そんなBRAVE59は現地のAmir Temur FCとの共同プロモートで開かれ、メインはBRAVE CF暫定ライト級王座決定戦=アブディサラム・クバチニエフ✖オルジャス・エスカラエフというキルギス✖カザフスタン対決が組まれた。

アハマッド・アミール政権が昨年9月に始まったライト級戦線で、王者がケージから遠ざかっており3月のバーレーン大会ではクバチニエフはクレイトン・シウバと暫定王座決定戦を戦った。しかし、バックグラブから放たれたパンチが後頭部に入りシウバが戦闘不能に陥る。NCとなったにも関わらずベルトを巻かれたクバチニエフだが、正式に王者に認定されることはなかった。

結果、今大会で再度ベルトを賭けて──今度はエスカラエフと対戦することに。エスカラエフは昨年8月に元ライト級王者ルカス・マルチンスをRNCで下し、プロモーションデビューを果たしている選手だ。

パンチは手打ち気味だが、レスリングとの連携が良くグラウンドコントールに長け、パウンドも強烈なクバチニエフ。寝技に入るとレスリング一本槍でなく、柔術的なポジショニングを駆使する。ボディロック、シングルからバック奪取にも長けており、パンチのあるグラップラーとして強度と高い圧力を誇る。

対してエスカラエフはサウスポーで、打撃とテイクダウンとも防御力は今一つという印象もあるが、攻められてからの粘り、相手が疲れてきたところで攻撃を切り返して一気の極めも持つ。とはいえ一本負けやスプリットで競り負けることもあり、安定性にやや欠ける向きがある。総じてクバチニエフが優位にある暫定タイトル戦=ウズベキスタン大会のメインだ。

■視聴方法(予定)
6月19日(日・日本時間)
午前7時00分~ BRAVE TV

■BRAVE59対戦カード

<BRAVE CF暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
アブディサラム・クバチニエフ(キルギス)
オルジャス・エスカラエフ(カザフスタン)

<スーパーウェルター級/5分3R>
イスマイル・ナルディエフ(オーストリア)
ヴィクチェン・ジェンベコフ(キルギス)

<ライト級/5分3R>
ネマット・アブドラシトフ(カザフスタン)
アリクホン・ハサノフ(ウズベキスタン)

<フェザー級/5分3R>
イリャ・アスカノフ(キルギスタン)
クサンボエ・アタヴァエフ(ウズベキスタン)

<ライト級/5分3R>
ナルザン・アキシェフ(カザフスタン)
オタベク・オキシロフ(ウズベキスタン)

<スーパーライト級/5分3R>
アユブ・ガジエフ(オーストリア)
サンジャベク・エルキノフ(ウズベキスタン)

<64キロ契約/5分3R>
シャリフ・クシャエフ(ウズベキスタン)
オムルベク・アシュリベコフ(キルギス)

<ミドル級/5分3R>
マミルオン・ハミドフ(ウズベキスタン)
エリャン・ジニベコフ(キルギス)

<スーパーウェルター級/5分3R>
コォトム・ボイナザロフ(シンガポール)
アリティンベク・アリクバエフ(キルギス)

<フェザー級/5分3R>
オリミスホン・ヌムロドフ(ウズベキスタン)
エルニシタ・アブドラシトフ(キルギス)

<スーパーライト級/5分3R>
マシュラブジョン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
ニヤジディン・リスバエフ(キルギス)

<バンタム級/5分3R>
クルバナリ・ヌルムロドフ(ウズベキスタン)
マルフフォン・ママラジコフ(ウズベキスタン)

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【BRAVE CF58】育成路線も国際戦。ビジネス度外視、キム・テキュンの相手は元UFCロマン・ボガトフに

【写真】キャリア12勝1敗のボガトフ。キム・テキュンは9勝0敗だ(C)BRAVE CF

10日(日・現地時間)、BRAVE CFが30日(土・同)に韓国はインチョンのインチョン・サムサン・ワールド体育館で開催するBRAVE CF58のメインで、同国のエースといえるキム・テキュンがロマン・ボガトフと対戦することが発表されている。

ロシアのウクライナ侵攻に関して、対ロ経済制裁に加わる韓国はロシア側からも非友好国リストに挙げられている。とはいえ欧州、米国、日本と同様に韓国の国際企業の本音もロシアとの関係を維持したいことには変わりない。

そんななかキム・テキュンの相手がロシアのボガトフに決定──The Beast Championshipとの共同開催ながら、BRAVEの本気度が伝わってくるメインだ。


ボガトフはM-1ライト級王者からUFCに進出も、レオ・サントス戦でグラウンドでの頭部へのヒザ蹴りで2Pのマイナスを含め、アイポークなど反則もあり1度の判定負けでリリースされ、BRAVE CFを新天地に選んだ。

BRAVE CFでは昨年1月に11勝1敗(※当時)のナルザン・アキシェフ戦では初回にバッククラブからRNCを取られかけるピンチをしのぎ、テイクダウン&コントロールで逆転勝ちを収めた。第2戦は6月のアブドゥルムタリプ・ギエルベコフ戦。バーレーンのKHK MMA所属のダゲスタン人ファイターを相手に、初回に打撃に圧倒され2Rもスピニングバックフィストでダウンを喫しながら、判定勝ちを収め現時点で2連勝中だ。

キム・テキュンもアキシェフ戦で初回にフックを被弾してダウンを奪われており、そこからの逆転勝ちしているだけに実力は伯仲しているか。いずれにせよ、キム・テキュンはいかにテイクダウン狙いを切り続けることができるか。

今時珍しく、ブレイクが余り入らないBRAVE CF方式のレフェリングが韓国でも見られるのであれば、勝負の鍵はその一点に集約されるといっても過言でない。

そんなキム・テキュン✖ボガトフのフェザー級戦は、バッバ・ジェンキンスの返上したベルトを巡り、年内には対戦もあり得ると見られていた。その両者が、タイトルを賭けることなくインチョンで相対する──望外な一戦ともいえる。

実のところBRAVE CFではキム・テキュンの対戦相手に日本人ファイターとも交渉していたが、複数回マルチイヤー契約がまとまらず今回は実現しなかった。BRAVE CFに必要なのはBRAVE CF内におけるストーリー創りで、王者がUFCへ──というフィーダーショー的な参戦を求めてない。それだけに日本人ファイターの参戦は実現しなかったが、キム・テキュン✖ボガトフは彼らのポリシーに則したマッチアップといえる。

この他、韓国から出場がアナウンスされていた4選手のカードも明らかとなっている。元Road FCミドル級王者のラ・インジェは南アフリカのミズワディレ・ハロンワと戦う。

2020年11月のドミニク・ショーバー戦以来、1年5カ月振りの実戦復帰となるハロンワはキャリア6勝1敗、唯一敗北を喫した相手は現UFCのカムザット・チマエフだ。チマエフのテイクダウン&コントロールに屈したが、ハロンワはワンツーからスピニングバックフィストでのKO勝ちもあるアグレッシブなストライカーだ。

スピニングバックフィストで勝利した際には、回転弾を受けた相手の意識が跳び、足がふらつく状態から倒れるまでの1秒もない間に2発、3発と追撃のパンチを入れている。勝負時を逃さないハロンワ、その殺傷能力の高さはラ・インジェにとっても非常に怖い相手となるだろう。

大ベテラン=イム・ジュンスは、同じ韓国からヘビー級の新鋭キム・ミョンワンと戦う。39歳、26戦目のイム・ジュンスに対し、キム・ミョンワンは24歳で戦績4勝1敗と、世代交代マッチの様相を呈している。

昨年6月にDouble GFCで女子アトム級王座決定戦に出場したホン・イェリンは、バリ在住のシンガポール人ファイター=、ジリアン・ゴーと戦う。この対戦も一度は日本の老舗プロモーションでベルトを巻いていたベテラン人選手に声が掛けられたが、経験値が違うという理由で見送りに。経験の差が論じられるのはK-MMAの慣わしとは考えにくく、BRAVE CF本体の意向と思われる。

「ネームバリュー、戦績は問わない。BRAVE CFが育てる」と言うモハメド・シャヒドBRAVE CFの方針に則したケースでは、キャリア3勝0敗1分のチョン・ヨンスが、サウジアラビア人ファイターで4勝0敗のアブドゥラ・アルクァフタニと戦うフェザー級マッチ。そしてロ2戦目のチャン・ユンソンの2勝0敗のフランス人選手アクセル・ソラと戦う(※ソラはIMMAFなどアマで19勝5敗のキャリアがある)77キロ契約戦、この2試合などは育成路線と捉えることができる。

この他、既報の通りマルチン・バンデル✖ルイス・フィリッピ・ディアズ、ミハイル・コートルツァ✖マチェク・ギエルシェウスキ、ロランド・ディ✖オ・テホクが組まれるBRAVE CFにとって初の韓国大会。

タイトルを巡る戦い、育成路線ともに国際戦が組まれており──いかにもーレーン王国が司るMMAイベント、ビジネス度外視、新しいMMAワールドの構築を目指す戦い模様が繰り広げられそうだ。

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ACA ACA127 BELLATOR Brave CF LFA MMA ONE PFL Special UFC YouTube アザマット・カレフォフ キム・テキュン クリス・ウェード ナルザン・アキシェフ モヴリッド・ハイブラエフ ラスル・アルバスカノフ 松嶋こよみ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:8月─その参─カレフォフ ✖アルバスカノフ「春日井、強かった」

【写真】2017年12月23日に春日井たけしと戦った時の──現ACAフライ級王者アザマット・カレフォフ (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年8月の一番、第三弾は8月28日に行われたACA127 からACAフライ級選手権試合=アズマット・カレフォフ✖ラスル・アルバスカノフ戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ8月の一番、最後の試合は何になるでしょうか。

「カレフォフ ✖アルバスカノフですね。カレフォフって、HEATで春日井たけし選手、寒天とやっていて。ロシア人あるあるなんですけど、前のACAフライ級王者で今はUFCのアスカル・アルカロフって選手がいるじゃないですか。彼がバックマウントからのツイスターとか、アナコンダチョークという今のMMAでは王道でないサブミッションを使います。

カレフォフもアナコンダで勝っていて。ロシア人のあの階級って、背が高くてスタイルが似通っていますよね」

──柔術でなく、レスリング&サブミッションという風にも見えます。

「そうですね、絞めのあるサンボっぽさもあるし。そこに今のMMAにあるモノを取り入れているような」

──アルバスカノフが途中で下から左足でフックして、左側にカレフォフを跳ねてギロチンを取り直した。

「サンボですよね。米国やブラジルでは見ない。アルバスカノフは初回と2Rを取っている。あの選手も相当に強いけど、カレフォフが押し切りました」

──アルバスカノフはこれでフロント系のチョークで負けるのが4度目になります。

「だって非効率な試合をしているから、疲れますよ」

──非効率とは?

「思い切り倒して、思い切り極めに行く。パンチも全力で5R持たないだろうっていう試合をする選手、ACAには多いじゃないですか」

──確かにその通りです。そこをカレフォフは待っていたということでしょうか。

「チャンスは伺っていたと思います。初回に下から腕十字とか取りに行っていますし。ゆっくりと腰を切って、抱えるようにして……渡辺直由さんみたいな腕十字ですよね。ジワッときて。アレで腕を取られていると、アルバスカノフは消耗したと思います。

打撃は効かせていましてけど、2Rと3Rにテイクダウンを取ってもスクランブルで上を取り返されてしまって。もうスタミナがなくなっていましたね」

──あれだけの猛攻をしのいで極める。カレフォフは逆境に強いですね。それこそHEATでも本戦で勝ったと思われたのですが、延長になり気持ちが切れるかと思いきや勝ち切った。

「大内刈りでポイントを取ってしまう。タフですよね。これで15連勝、スプリットもあって……負けかけた試合も取り返している。いや、強いですよ」

──フライ級はBellatorとPFLに王座がなく、ACAもそうですがLFA、BRAVE、ONE、日本と人材がまだ散らばっているように感じます。

「UFCが一度、フライ級を閉じる方向で選手を手放したのもあるし……ただ一見散らばっているようでいて、フライ級は他の階級と比較すると、タレントはもともと少ないですよ。アスカロフもUFCで王座まで行っていない。それでもUFCがフライ級を続けることになって、また吸い上げていく。

ただBRAVEに出ている中央アジア勢とかもいるし、日本の56キロの選手はACAやBRAVE CFを見ていないと厳しいですね。そこで戦えとは言わないですけど、チェックはしておこうねってこと。見ている方が良いというか、見ていないと世界、世界っていっても取り残されます」

──でも、見ないですよねぇ。

「そうなんですよね。そもそも、コレを見楽しめるのか。僕なんて、コレを見てドキドキできるから……楽しいですよ。カレフォフを見ていると、この選手とやり合っていた春日井ってあの時、強かったんだなって思えるし。

ヘルベウチ・バーンズにONEで勝っているモヴリッド・ハイブラエフ、今はPFLで戦っているけど『やっぱり、コイツ強かったんだ』って思えるし。

あとからアイツが強かったんだっていうのがあるというのは、試合を見てきたうえでの結果論です。見ていないと、ただ知らないで終わっているということで。そういうことを最近、PFLでクリス・ウェードやハイブラエフ、このACAでアザマット・カレフォフを見て思いました。

もっと試合は見た方が良いです。僕もYouTubeに落ちている試合なんかは、TRIBEの選手は投げるようにしているんですけど」

──それでいうと先日のBRAVE CFのキム・テキュンとナルザン・アキシェフの試合を、松嶋こよみ選手がチェックしていて驚きました。

「確かに……。松嶋選手はBRAVEをチェックしていたのですね。いや、選手がどういう試合をチェックしておくのか、そういう部分でもその選手がどういう風に考えているのかが見えてきますしね。本人が気づかないケースもあるだろうから、周囲にそういうことを気付く人がいてくれるのもありで。そういう環境は必要です」

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BELLATOR Brave CF Bu et Sports de combat K-1 キム・テキュン ナルザン・アキシェフ ブログ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。キム・テキュン✖アキシェフ「斜と正面」

【写真】序盤は殴られ、2R以降は殴られなくなったというのは技術的な部分で、殴り合えるかというのは精神的──よりも、構造的なことが起因となっている (C)BRAVE CF

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たキム・テキュン✖ナルザン・アキシェフとは?!


──カザフスタンで開催されたBRAVE CFのメインで、韓国のキム・テキュンが地元のエース=ナルザン・アキシェフに初回にダウンを喫しながら、逆転勝ちを収めました。

「完全な打撃戦でしたね。カザフスタン人のアキシェフは根性がありましたね。まず最初のダウン、キム選手の構えはボクシングでした。ボクシングのセオリーとして相手と正対しないというのがありますよね。だから、初回にダウンを喫した時は『あっ、やられる』というのが分かりました。

ボクシングをしている選手にとって、あの斜め、斜に構えると間は対戦相手もモノになってしまいます。対して、空手は正面を向いて戦えというものです」

──キム・テキュンからすると、あの構で良いパンチが出せるのであれば、ボクシングの構えをとり続けるかと。

「ハイ。2Rになって分かりました。空手で正面に立つというのは、相手が動いても間合いを理解して立っています。ボクシングの構えも理屈は同じです。キム選手は2Rからパンチを貰わなくなりました。それはサークリングをしたからです。止まっていれば斜に構えようが、正面に構えようが要は同じだということですね」

──つまり、相手の攻撃に注意を払わないといけないということですね。初回にあのパンチを被弾したのは、は打撃でなくテイクダウンに来ると思っていたからかと。アキシェフはテイクダウンから寝技で勝負するタイプの選手だったので。

「なるほど、そういうことですね。アキシェフもあそこでミスをしました。倒したからパウンドで仕留めにいったのですが、あそこはスタンドに戻させていれば仕留めることができていたと思います。あと1発で倒すことができていた。でも実際はパウンドにいって自分が疲れてしまいました。寝技で凌がれ、結果的に完全にスタミナ切れを起こしました」

──キム・テキュンの攻撃よりも、疲れですか。

「もちろん、ダメージもあったかと思います。ただ2Rにドクターチェックが入り、アキシェフはスタミナを挽回できています。あの直後だけは、また勢いを取り戻しました。すぐに落ちましたが。ただ、あれだけ流血で顔面が真っ赤になっているのに、ずっと動こうとしていて、アキシェフは気持ちが強かったですね」

──その気持ちという部分なのですが、キム・テキュンはBRAVE CFと契約してカザフスタンでメインを入っている。試合という部分だけでなく、人生として気合が入っているかと。そうすると、自然とこのような試合が可能になるのか。その辺りのことを岩﨑さんはどのように捉えていますか。

「う~ん、精神的な部分ですね。それはもう関係するでしょう。しないわけがないというか……。BRAVE CFからUFCに選手はステップアップをしていますか」

──ハイ、特に中東ベースということもありUAE WarriorsとLFAはパンデミック禍で国際大会を開きアブダビのUFC Fight Island大会でオクタゴンデビューという選手はまま見られました。

「そこでキム選手は戦っているのですね」

──UAEWにもキム・ギョンピョ、ムン・ギボムという韓国人選手がいます。

「そして、日本人はいないと?」

──ハイ。

「あのう……なんていうのか、今UFCやUFCを目指そうおしている選手が戦うコンテンダーシリーズやLFA、このBRAVE CFで行われている試合と、日本のMMAは別競技に見えます。向うは要するに、打撃ですよね。打撃戦。それを組みや寝技ができる選手たちがやっている。もちろん組み技の練習も大切ですが、打撃という部分を見直す必要があるのかと。彼らとやりあえる打撃を使えるように」

──ただK-1やキックで日本人選手は結果を残しています。野球やサッカーでも対等にやりあうライバルですから、日本人がフィジカルで韓国人選手に圧倒的に劣っていたり、打撃で遅れを取ることはないと思います。

「ないです。ただし質量とは、エネルギーを沸騰させるものなんです。どこを見て、戦っているのか。その認識の違いは、試合に出ます。だから日本人選手は日本人を相手に殴れます。それが外国人になるとできなくなる。

日本は格闘技が盛んでした。UFCがちゃちいパンフを作っていたのが、立派なモノを印刷するようになった。ONEやBellator、このBRAVEを見ていてもPRIDEの影響を受けているのは明らかです。日本の影響を受けている。つまり、日本がMMAをリードしていたんです。

その良い記憶が、あまりにも鮮烈に残っている。それは今、育っている選手でなく指導者やプロモーションの人により残っているす。海の向こうにUFCを頂点としたえげつない戦いが存在しており、いくら選手がUFCに行きたいと口にしても、そこに本当に飛び込める人間がどれだけいるのか。指導者や関係者が、どれだけいるのか。

私の下には幸いにも、そんなところに挑もうとするバカが来てくれています。そんなバカだから、損得抜きにして強くなってほしいという想いになる。ジムにしてもプロを育てて経営上の利益など望めない。でも、強い選手を育てたいをいう酔狂な想いでやっている。そこで本気でバカのように目指せる選手でないと、口にするだけの選手にそこまで懸命になれないでしょう」

──プロを育て、UFCに挑む選手を育ててなおかつジム経営が健全である状況から必要になってくるわけですね。

「昔の良かった時代を今一度という想いでいることが、が悪いことだとは思いません。団体やジムの経営者として。悪くないから日本の総合格闘技とUFCを頂点としたMMAが、別モノになったという想いがするんです。話が戻るのですが、どれだけの人が本気でUFCに行きたいと発言してきたかということですね。そういう気持ちがあって、このキム・テキュンのようにBRAVEで、カザフスタンでもやってやるんだという覚悟があれば、日本の選手も外国人相手に練習通りの打撃が使える。殴り合いだってできるということはあるかと思っています」

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【BRAVE CF53】勝者も敗者もアッパレ。年間ベストバウト賞モノの激闘でキム・テキュンが魂の判定勝ち

<フェザー級/5分3R>
キム・テキュン(韓国)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
ナルザン・アキシェフ(カザフスタン)

サウスポー同士の一戦、右ジャブを伸ばすキムがアキシェフのローをかわしたが、右フックを被弾し、動き止まる。パンチの連打を受け、組んだところで倒されたキムは、バタフライガードから立ち上がりながら、ダーティーボクシングで殴られる。それでも首相撲からヒザを放ち、離れたキムは右ジャブを伸ばす。

アキシェフは既に肩で息をしながら、左ローを思い切り蹴っていく。キムは息を整えつつも、再び右フックを被弾してしまう。直後に跳びヒザの着地からパンチをまとめたキムが再びヒザ蹴り、さらにパンチを連打してヒザを突き上げ、右ジャブを入れる。アキシェフのダブルレッグを切ったキムは、またも右を受けそうになるが、これは紙一重で外しシングルレッグも切る。

完全に動きが落ちたアキシェフだが、パンチの勢いだけは衰えず左フック、右を思い切り振るっていく。キムは下がらずパンチを纏め、ヒザを顔面に突き上げる。ケージに詰まってヒザを受けるアキシェフ、距離を取り直したキムが再び首相撲からヒザをケージ中央で決める。ボディへの連打で離れたアキシェフのダブルレッグをキムがギロチンで斬り返したところで、初回が終わった。

2R、右ジャブを打ち合う両者。アキシェフが左ローを2発入れるが、キムもワンツーで前に出て右アッパーから前蹴り、さらにワンツーに続きヒザを連打する。アキシェフは鼻血を流しながら左を返すが、勢いはキムにある。ダブルレッグを潰し、スタンドに戻ったキムが右ジャブを入れ、右フックからパンチを連打する。アキシェフの左は当たらず、逆にキムのパンチが確実にその顔面を捕え、ハイキックへ。ダブルレッグを切り返し、上を取ったキムだが、寝技にいかずスタンドで待ち受ける。

ここでレフェリーがドクターチェックを要求する。と、セコンドが入ってきて、鼻血を止める──ロシア系のアウェイ感がいきなり感じられる展開に。再開後、左オーバーハンドを被弾したキムは、エルボーを受けてしまう。それでも右ジャブを当てたキムは、ケージに詰まったアキシェフにパンチを連続で入れると、左オーバーハンドをかわして右を当てる。キムはワンツー、右ジャブを的確に決め、アキシェフのパンチはヘッドスリップを駆使して受けない。距離を詰めたキムは首相撲から数えきれないほどヒザを突き上げる。ここで時間となり──鼻は完全に折れているようだが、心は折れないアキシェフだった。

最終回。両目の回りを腫らし、鼻が大きく曲がっているアキシェフが左ローを蹴るが、続く左は空振りに。ダブルレッグを切ったキムは、ケージに押し込まれる前に回って離れる。一発狙いのアキシェフは、さすがに足が前に出なくなっている。

キムはジャブを当て、アキシェフのパンチをかわすとハイを狙う。これは当たらず、再びジャブに切り替え、上半身を振ってカウンターを打っていく。ラッシュを掛けず、ジャブを的確に当てるキムは、アキシェフの蹴り足を掴む。とアキシェフは余った方の足で、蹴ろうとするなど恐ろしいまでの根性を見せる。それで蹴りは空振りに終わり、キムはパンチを数発入れて、スタンドに戻る。ここでアキシェフはローに、右を合わせる。

それでもキムは余裕を持ってダブルレッグを防御し、ジャブから右ハイ。シングルも切って、ワンツーを伸ばす。テンカオで近づき、ヒザ蹴りを入れると、離れて蹴りを散らしたキムは最後もテイクダウンを切り、ヒザ蹴りからパンチを纏める。ヒザ、ワンツー、おまけとばかりに跳びヒザを入れたところで時間となり、キムは笑顔で右手を高々と掲げた。

アキシェフにホームタウン・デシジョンはなく、キムは勝者コールに涙を浮かる。残念ながら、勝利者インタビューはコーチが携帯の翻訳機能を使って英語を話したものの残念ながら「フェザー級タイトルが欲しい。サンキュー、カザフスタン」という言葉しか聞き取れなかった……。

それにしても、初回のピンチを乗り切ると、アキシェフの攻撃にも下がることなく、精度で流れを引き戻したキム・テキュン。気持ちで遅れを取ることは一切ない、凄まじい判定勝ちを手にした。


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Brave CF BRAVE CF53 MMA   アザット・マクスン キム・テキュン ナルザン・アキシェフ ブラッド・カトーナ ルカス・マルチンス

【BRAVE CF53】計量終了 キム・テキュン✖アキシェフ、問題なし。フライ級のマクスム、13連勝なるか

【写真】大会開始まで、あと2時間半だ (C)BRAVE CF

20日(金・現地時間)、21日(土・同)にカザフスタン アルマトゥイのボラン・ショラック・アテンダ・スポーツ・サライで開催されるBRAVE CF53の計量が行われた。

メインで対戦するナルザン・アキシェフとキム・テキュンを始め、メインカード=7試合に出場する14人のファイター中13人が問題なく計量を終えている。


唯一、ミスウェイトとなったのは74キロ契約でルカス・マルチンスと戦うオルジャス・エスカラエフだ。本来、今大会ではマルチンスと対戦予定だったマルセル・グラビンスキが、コロナウィルス陽性により、ドイツを離れることができなくなり試合の4日前にエスカラエフはキャッチウェイト戦を承諾した。マルチンスとグラビンスキは6月4日のベラルーシ大会のメインで対戦予定だったが、コメイン中にグラビンスキが体調不良となり今大会に延期されていた経緯がある。

「4カ月間準備してきて、試合の4日前に対戦相手が変わった。戦略を練り直す必要がある」と話していたマルチンスだが、急遽出場のエスカレフが1.2キロ・オーバーであっても当然のようにキャッチウェイト戦で戦うことに同意している。

メインのキム・テキュンがBRAVE CFで4連勝となるのか。またフライ級王座決定トーナメントにしていたフラービオ・ケイロスと対戦するアザット・マクスンは、デビュー以来12連勝中のカザフスタン・フライ級#01と言っても過言でない新鋭だ。

3月のバーレーン大会ではミキャエラ・アルジャフージュを3RでTKOしプロモーション・デビューを飾ったマクスンは、今大会を共同開催しているOctagon MMAのフライ級王者だ。王座決定トーナメント出場のケイロスとのマッチアップは、その能力を図るうえで最適なテストマッチ──要注目だ。

■視聴方法(予定)
8月21日(土・日本時間)
午後9時00分~ BRAVE TV

■BRAVE CF53計量結果

<フェザー級/5分3R>
ナルザン・アキシェフ:66.2キロ
キム・テキュン:65.85キロ

<73キロ契約/5分3R>
ヴァシリー・タクチ:73.0キロ
ホジャー・サンパイオ:72.9キロ

<フライ級/5分3R>
アス・アルマバエフ:57.0キロ
アレクサンダル・ドスカルチュク:57.05キロ

<74キロ契約/5分3R>
ルカス・マルチンス:73.8キロ
オルジャス・エスカラエフ:75.2キロ

<バンタム級/5分3R>
ブラッド・カトーナ:61.45キロ
ビール・シュテピン:61.6キロ

<フライ級/5分3R>
アザット・マクスン:57.15キロ
フラービオ・ケイロス:56.75キロ

<68キロ契約/5分3R>
アクメド・マゴメドフ:67.8キロ
イリャ・アスカノフ:67.9キロ

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【BRAVE CF53】カザフ大会でメインを張る、キム・テキュン「知名度は後からついてくるもの」

【写真】BRAVE CF唯一の観客人ファイター、キム・テキュン。カザフスタンの大会で地元のエースとメインで戦う、素敵な人生だ (C)MMAPLANET

21日(土・現地時間)、カザフスタンはアルマトゥイのボラン・ショラック・アテンダ・スポーツ・サライで開催されるBRAVE CF53のメインで、韓国のキム・テキュンがナルザン・アキシェフと対戦する。

キャリア5連勝の時点で、中東ベースのBRAVE CFと契約を結んだキム・テキュン。国内に複数の定期的にイベントを開催できるプロモーションと、大手プロが存在し、UFCやONEというステップアップ先があるという日本とよく似た状況の韓国から、独特のキャリアの積み方をするキム・テキュン、フェザー級王座が見えてきた彼に「なせ、BRAVE」だったのか──を尋ねた。


──カザフスタンのアルマトゥイでの試合、想像もつかない土地ですが現地入りしてどのような調子でしょうか。

「ソウルからカザフスタンまではエア・アスタナで直行便があるので、旅の疲れもないですし減量も順調です」

──そうなのですか。以前、キルギスに行った時は日本からだとモスクワ経由で、20時間ぐらい掛かりくたくたになりましたが、直行便があると楽ですね。

「ハイ、飛行機に乗っている時間は6時間だけなので全く問題ないです。ただ、空港で預けた荷物が届かなくて……パンツの着替えもなくて大変でした」

──アハハハ……いや、試合前なのに笑いごとではないですね。

「いえ、大丈夫です。BRAVEの人たちが、トレーニングウェアを用意してくれて、それで汗をかくことはできているので。しっかりとしたダイエット食も提供されて、なんとかなっています」

──日本ほどではないですが、韓国も感染状況は悪化しています。カザフスタンはどうですか。

「屋内はマスクをつけることが義務化されているみたいです。ただ空港からホテルまで乗ったタクシーのドライバーや、外を歩いている人たちはマクスをしていない人が相当多いです。自分たちはこれまで通り、できる限りの感染予防をするだけです。

バーレーン大会はホテルで隔離措置があって、全く自由はなかったです。今回はPCR検査こそありますが、ホテルの外へ行くことも可能です。ただ、ホテルの中にいる方が感染予防になるのは絶対です。それでも荷物が届かないという思わぬ事態に陥ってしまったので、下着やTシャツを買いにスーパーへは行きました(苦笑)。もちろん、試合前なのでそれ以外出歩くことはないです」

──それにしても凄い経験をしていますね。人として強くなれそうです。

「度胸試しではないですが……深く考えず、試合まで楽しく緊張しないように過ごして準備しようと思っています」

──キム・テキュン選手がBRAVE CFと契約したのはパンデミック前の2019年の秋でした。キャリア5勝0敗の時に、中東ベースのプロモーションで戦うと決めたのはなぜでしょうか。

「正直、BRAVEがどのようなプロモーションが分かっていなかったです。負傷した選手の代わりにオファーが来て、ちょうど試合の機会が巡ってくるのを持っている状態だったので、すぐに試合を受けました。幸い2カ月間の試合準備期間があり、しっかりと戦えたのでこれまで生き残ることができたと思います」

──海外でタフな試合をしても、国内で知名度が上がらないという問題は韓国ではないですか。

「知名度は後からついてくるものです。自分としては、試合の機会を得るとしっかりとファイトをして勝つ。ファイターとして、そこが第一にあると思っています。それに個人的にも自分は国内よりも、海外の方がプレッシャーを感じないで戦えることに気付きました。

何より結果論ですが、BRAVEと契約してからコロナが起こり、コンスタントに試合ができています。しかも国内にいては無理だった国際戦を行うことができるのは、本当に大きいです。これからも海外でキャリアを積んでいきたいと思います」

──とはいえ、今回の対戦相手もカザフスタンのトップファイターでレコードは11勝2敗です。

「ナルザン・アキシェフの過去の試合を見ると、グラップラーですよね。実際に拳を交換してみないと分からないですけど、打撃は自分の方が上かと思っています。それよりも柔術の方に気をつけないといけないですね」

──すでにBRAVEで3連勝。フェザー級タイトルは現在空位になっていますが、ベルトについてはどのように考えていますか。

「そろそろ、タイトルを賭けた試合を用意してほしいですね。フェザー級で勝ち続けているのは自分ですし、他の強いとされている選手も仕留めています。今回の試合に勝ってもタイトル戦の機会が巡って来ないことは、ないと思っています」

──元UFCのロシアン、ロマン・ボガトフもBRAVEと契約し2連勝中です。1月にはアキシェフにも勝っています。彼を意識することはありませんか。

「実は1月のボガトフのBRAVE初戦の相手は、自分がオファーされていたんです。でも、彼の方が断ってきました。結果、ボガトフはアキシェフに勝ち、6月にもアブドゥルムタリブ・ギエルベコフに勝っています。次に彼と戦うことになるかもしれないので、2試合見ることができて良かったです。面白い試合になるかもしれないですけど、自分にとってはイージーファイトです。楽勝です」

──元UFCファイターで、M-1ライト級を制した相手にそこまで自信があるわけですね。MMAファイターとしての目標は?

「今回の試合に勝ち、フェザー級タイトルを取りたいと思っています。それと自分は元ライト級だったので、BRAVEで2階級制覇を目指します。生意気を言うようですが……そこをきっかけにベラトールと契約し、ベラトールでチャンピオンになり……マイケル・チャンドラーのような感じで、UFCと契約したいです。最終的な目標はUFCのチャンピオンになることです」

──良い目標ですね!! では最後に、日本のファンにキム・テキュンとはどのようなファイターかアピールお願いします。

「自分は何があっても逃げないです。どの試合でも、良い試合をするつもりで戦っています。それと自分は柔道ベースで、19歳の時に東京で試合をして1週間ぐらい滞在しました。凄く良い思い出です。日本に住みたいと思ったほどでした。コロナが終われば、日本でMMAの練習をしたいと思っています」

■視聴方法(予定)
8月21日(土・日本時間)、
午後9時00分~ BRAVE TV

■BRAVE CF53対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ナルザン・アキシェフ(カザフスタン)
キム・テキュン(韓国)

<73キロ契約/5分3R>
ヴァシリー・タクチ(ロシア)
ホジャー・サンパイオ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ルカス・マルチンス(ブラジル)
マルセル・グラビンスキ(ドイツ)

<バンタム級/5分3R>
ブラッド・カトーナ(カナダ)
バシール・ステピン(ロシア)

<フライ級/5分3R>
アス・アルマバエフ(カザフスタン)
アレクサンダル・ドスカルチュク(ロシア)

<フライ級/5分3R>
アザット・マクスム(カザフスタン)
フラービオ・ケイロス(ブラジル)

<68キロ契約/5分3R>
アクメド・マゴメドフ(フランス)
イリャ・アスカノフ(キルギスタン)

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