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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:11月:アーロン・ピコ✖ゴンザレス「意識の変化が安定感を」

【写真】このテイクダウン能力の高さが、スタイルチェンジをしても勝てる要因 (C)BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る──装いも新たになった当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。そんな新たにMMAPLNAETが迎えた3人の論客──最後の1人は、WECとUFCという世界最高峰から最恐ロシアのACB(現・ACA)で戦ってきた水垣偉弥氏だ。

現役引退後、BELVAでの指導やUFCやLFAの解説を務める水垣氏が選んだ2021年11月の一番。11月12日に行われたBellator271 よりアーロン・ピコ✖ゴンザレス戦について語らおう。


──水垣さんが選ぶ11月の一番、どの試合になるでしょうか。

「アーロン・ピコ✖ジャスティン・ゴンザレスですね。ピコといえば凄い期待を持って見ていた選手で。鳴り物入りでMMAデビューを果たしたのですが、その初戦で大ポカをした。そこから勝利を続けるのですが、ヘンリー・コラレスに出鼻でパンチを貰い、アダム・ボリッチには跳びヒザでKO負けをしました。

凄く実力があるのに、何かが欠けているのか。本当は実力がないのか、そういう風に見るようになっていました。そんな凄いボクシングをMMAでしちゃうのっていうぐらい良いモノがあるのに、下手をすると上に行けないタイプかもしれないと。

それがここ最近、少し落ち着きが出てきたというか。早い段階で終わらせるか、フィニッシュされるかという戦い方から、長いラウンドを戦えるようになってゴンザレス戦も判定でしっかり勝てました。これから──ようやく上の選手とやっていける地力がついたかと思い、この試合をピックしました」

──スーパーエリートと、アマMMAからローカルショーを経てコンテンダーシリーズで勝利もUFCと契約がならなかった。そしてLFAでフェザー級王者になるという雑草のゴンザレスに判官びいき的な気持ちが入った部分もありました。

「そういう選手と根性勝負になると、ピコは脆いんじゃないかという見方もありましたよね」

──ハイ。

「それが何もさせなかった。この試合だけ見ると、ゴンザレスの無敗はどういうことだろうと思わせるような一方的な展開でした。素晴らしいボクシングがあるけど、レスリングを使うようになってピコは安定するようになりました」

──ゴンザレスもD1レスラーなのに、テイクダウンで圧倒しました。

「この試合もそうだし、前の試合もテイクダウンをどんどん決めていましたね」

──聞くところによると、ピコはボクシングも子供の頃からやっていて相当にダメージが蓄積していて、練習でも倒れることがあるとか。

「そうなのですか!!」

──この企画で話を訊いた大沢ケンジさんは日本人もビビらず殴り合うことができるという自論を展開してくれました。では世界と殴り合って来た水垣さんからすると、そこはどうのなか、と。ピコのスタイルチェンジも踏まえて、その辺りはどのように捉えていますか。

「アハハハハ。なるほど。やっている方としては、やっている以上は勝ちたい。それだけです。ただし、倒れやすくなるというのはあります。僕もキャリアの後半はそうでした。反応が遅れると、倒れやすくなります。

そこはダメージの蓄積とは別に加齢により、反射神経も衰えたからだと思っています。そうすると自分が思っているタイミングとは違う形で、攻撃の受け方をしてしまう。

そういう風になった時は、スタイルを変えないといけないです。僕自身は反応が遅れるようになっても、相手の攻撃が見えている間は打ち合いで勝つスタイルのままでした。勝利を手にするには一番手っ取り早い戦い方だったので。

ただし、キャリアの後半に敗北が増えていたのは、そうやって戦ってきたから引き出しが少なくて、殴って勝つことに頼らざるをえなかったというのもあります。そこを避けて戦うことが、なかなか難しかった。それが勝てなくなった要因だと、自分では思っています」

──う~ん、本人が振り返ってくれていることで説得力が半端ないですね。

「勝つために何をするのか……要は、殴られて倒れることが心配になってきたのであれば、辞めれば良いと思います。それが頭を過るようになったら選手としては終わりかと。僕はそれで辞めたので、ピコはそうなる前にスタイルをチェンジできたので良かったです。

それだけのレスリング力がピコにはあって、無暗にパンチで勝負しないスタイルになっています。実はゴンザレス戦でも、最初の2分ぐらいは打撃戦で分が悪いというシーンがありました」

──そうなのですか!!

「これまでのピコの試合ではなかったことですが、様子見をしていました。だから押し込まれているというか、打撃ならゴンザレスができそうだという風に映ることがあって。それこそピコは打撃戦でなくても勝負に行けるというメンタルで戦うことができたのだと思います。

テイクダウンをして試合を有利に進めてから、ボクシングを使った。その辺りの意識の変化が、今後はピコに安定感をもたらすのではないかと感じました」

──それにしても、ここまでかというぐらいテイクダウンが強かったです。これがあるのに、あんなにボクシングで戦っていたのかと。

「注目したいのは短い距離で強い力を出せるという点ですね。ほぼゼロ距離で、相手をぶっ飛ばすようなテイクダウンを決めている。あのレンジで、力を出せる態勢を整えることができる。もともと持った強さもあるでしょうし、打撃有りでもレスリングの距離で戦える打撃があるのも、ピコの強みで。そんな風にゴンザレス戦では、これまでとは違う強さが見られました。

特に1Rで見せた2度目のテイクダウンは、下がりながら決めていました。近距離から下がって、相手を引きつけておいて一瞬で切り替えてダブルレッグで倒した。あそこは常にテイクダウンを仕掛けることができる……そういう動きが体に染みついている強さが見られたシーンでした。

下がりながらの切り返しから、相手を吹き飛ばすようなテイクダウンが取れる。体がそうなっている。あの力を出すことができるよう整えながら、バックステップができる。そこから良い形で相手に当たる。もう、『さすが』という一言です」

──AJ・マッキーがチャンピオンのBellatorフェザー級戦線、ピコにアダム・ボリッチと若くて活きの良い選手ばかりです。

「MMAではここまで若い選手が占めている階級はないですよね。勢いのある選手が生き残ることができるというのは、珍しいです。そのなかでピコは持ちうるポテンシャルの高さは絶対で、期待をして良い選手。チャンピオンになる素質が十分にあるファイターです。

と同時に、一発を被弾して負ける……やらかした敗北の印象も強く残っているので、アレがスタイル的な問題なのか、集中力の欠如が起因しているのか。その辺りもピコの今後には大きく関係しているかと思います。

もし集中力だと、コレって直らないかもしれないです。どれだけ集中できていても、フッと抜ける瞬間があると一瞬にしてやれてしまうのがMMAです。そういう性格的な問題があるとすると、技術的な問題とは違い改善するのは難しいです。

それというのもデビュー戦で、あの負けがあったのにコラレス戦で同じような負けを繰り返した。前回と今回の試合では集中力を持って戦えていたのですが、また一瞬抜いてしまうことがあるかもしれない。

インパクトの強さは抜きんでているし、ファンの高い支持を得られる選手になることは間違いないです。ただしピープルズ・チャンピオン、無冠のままで終わることもあり得る。そういう選手じゃないかと思います」

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BELLATOR Bellator271 MMA   クリス・サイボーグ ケイラ・ハリソン シネード・カヴァナー

【Bellator271】サイボーグが右フック&恐怖の鉄槌でカヴァナーを沈める。あるか? ケイラ・ハリソン戦?!

<Bellator世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
クリス・サイボーグ(ブラジル)
Def.1R1分32秒by KO
シネード・カヴァナー(アイルランド)

左ジャブを伸ばしたカヴァナーだが、パンチが交錯するとサイボーグがレンダンを打ち込みケージ際で連打を被弾する。クリンチの中でギロチンは極まらず、カヴァナーはヒザ蹴りからパンチを2発受ける。それでパンチを返すカヴァナーは、クリンチから逃れるとローにワンツーを合わせる。

打ち合いに臆することなくケージの中を取ったカヴァナーだが、それが裏目にとなり 右フックを打たれる。それでも右を振ったところで、右フックを再度打ち抜かれたカヴァナーが後方にダウン。容赦ない鉄槌を落としたサイボーグが、一気に試合を決めた。

サイボーグは「全くプラン通りに戦わず、チームに謝りたい。殴ってくるのは分かっていたのテイクダウンから寝技勝負しようと思ったけど、KOできて嬉しいわ。私は対戦相手は選ばない。誰とでも戦う」と話すと、インタビュアーのビッグジョン・マッカシーが「フリーになったケイラ・ハリソンは?」と振る。「ケイラ、今日は来てくれてありがとう。彼女と戦えるのは素晴らしいことよ。でもまずはプロモーションが話さないとね」とサイボーグ、ここでATT勢の応援かケージサイドに座っていたケイラは立ち上がって笑顔を見せた。


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BELLATOR Bellator271 MMA   タイレル・フォーチュン リントン・ヴァッセル

【Bellator271】これも…それとも、これが? レスラー=フォーチュン、ヴァッセルのスクランブルに敗れる

<ヘビー級/5分3R>
リントン・ヴァッセル(英国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
タイレル・フォーチュン(米国)

間合いの測り合いからヴァッセルがローを蹴る。フォーチュンはステップインから左フックを当て、ヴァッセルは右ローから左ハイを見せる。フォーチュンは左に続く、右を当てると組んでテイクダウン狙いへ。ケージに押し込まれたヴァッセルから、体を入れ替え逆にテイクダウンを狙うと、内股を潰してボディロックテイクダウンを決める。

フォーチュンを跨ぐような態勢から、ハーフでバック制したヴァッセルが左のパウンドを継続して打っていく。腹だけはマットにつけないよう粘るフォーチュンだが、ついには体を伸ばされ、左パンチ連打される。起き上ろうとしたフォーチュンに対し、背中をキープしたヴァッセルがパンチを続けてRNCの機会を伺う。フォーチュンは時間まで粘ることこそできたか、初回は完全に落とした。

2R、初回のトップ&バックキープでヴァッセルは削ることができたのか。あるいは自身の疲労がそれを上回るのか。フォーチュンは右オーバーハンド、ヴァッセルが下がってかわす。パンチで前に出たフォーチュンは、頭が下がったヴァッセルにヒザを入れ、ボディロックで前方に崩す。しかし、背中に乗り過ぎ下にされる。すぐに立ち上がったフォーチュンは、ヴァッセルをケージに押し込んでいったがヒザを急所に受け、大の字に。試合は中断された。

時間をおいて再開後、フォーチュンが右を当てる。さらに右ハイを見せたフォーチュンが、ローから右ストレートで前に出るなど形勢逆転。ヴァッセルもカーフやハイを繰り出すが、攻撃が軽くなっている。フォーチュンは蹴らせていて、右ストレートやおバーハンドで前に出る。まっすぐ下がったヴァッセルはダブルレッグで倒され、亀になったところで後方からパンチに晒される。とヴァッセルは、ここでもレッスルアップからシングルでリバーサルに成功するとバックを制して左右のパンチをいれてRNCへ。

懸命に体を起こして防いだフォーチュンは、エルボー、パンチを被弾し首を絞められそうになりながらラウンド終了を迎えた。ポイント的にはフォーチュンだが、試合の流れとしてはヴァッセル。しかし、最後の反撃でさらに疲れたことも十分にあり得る。

最終回、両者揃って明らかに疲弊しており、すぐには動けない。それでもフォーチュンは右を伸ばして前に出ると、ケージに詰まったヴァッセルにヒザを連続で蹴り上げる。ヴァッセルもヒザを返し、フォーチュンもヒザを頭に突き上げる。と、今度はフォーチュンのヒザがヴァッセルの急所に入って、立場は逆の中断に。

一見、自身の急所蹴りよりもキツイ一発を返された感のあるヴァッセルは、なかなか立ち上がることができない。もちろん、スタミナの回復を狙っていることも考えられるが、休めるのはフォーチュンも同じだ。5分を経て試合再開に応じたヴァッセルは、すぐにケージに詰まりフォーチュンのフックに晒される。しかし、ヴァッセルが打ち返すとフォーチュンは間合いを取り直し、ダブルレッグへ。ワキ腹を殴られ、肩口にエルボーを落とされながらも、テイクダウンを決めたフォーチュンが残り2分半でトップに。

左腕を差し、シングルに切り替えたヴァッセルはまたもリバーサルを決める。フォーチュンはバックを許し両足をフックされると、亀の状態で殴れる。さらに上を向言えたヴァッセルは、なぜかシートベルトで絞めにいく。フォーチュンが胸を合わせようとする動きに合わせ、腰を起こしてバックを取り直したヴァッセルはサイドバックで組み伏せる。残り10秒、そのまま背中に乗って時間を迎えると──フロリダのファンは無情のブーイングを送る。

初回はヴァッセル、2Rはフォーチュン、最終回はテイクダウンを決めたがコントロールできなかったフォーチュン、ヴァッセルはリバーサルからバックを取ったが果たして──。ジャッジは割れ、2-1でヴァッセルがフォーチュンに競り勝った。


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BELLATOR Bellator271 MMA アーロン・ピコ ジャスティン・ゴンザレス

【Bellator271】アーロン・ピコ、ジャスティン・ゴンザレスにThis is MMAファイトで圧勝

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
Def.3-0:30-26.30-27.30-27
ジャスティン・ゴンザレス(米国)

ピコのジャブにいきなり右オーバーハンドを合わせたゴンザレスが、ローを蹴っていく。ピコはダブルレッグでテイクダウンを決め、足を抜いていくとスクランブルに。がぶったピコだが、ゴンザレスが立ち上がって間合いを取り直しジャブを伸ばす。ピコはダブルから回り込んでテイクダウンへ。スクランブルで上を取ったが、ここもゴンザレスがスタンドに戻った。

ヒザを入れ、左ジャブから右前蹴りを繰り出したピコに対し、左を一発入れたゴンザレスはボディ殴られ距離を取り直す。ヒザで腹を狙うピコ、ゴンザレスがローを入れる。右アッパーで距離を詰めたピコは、離れたゴンザレスに組みつき、クリンチからアッパー、さらに左ボディで抉っていく。

痛みが顔に出たゴンザレスは、荒いパンチにダブルレッグを合わされ3度目のテイクダウンを奪われる。ピコはハーフで抑え、レッスルアップにはヒジを打ちつけてがぶりアナコンダの仕掛けを見せたところで時間に。ピコがMMAでゴンザレスを完全支配した。

2R、ゴンザレスが左前蹴りを腹に入れる。飛び込んでハイクロッチでテイクダウンしたピコがパスしてサイドで抑える。ニーインベリーをブリッジして返し、起き上ろうとしたゴンザレスだが、がぶったピコがバックに回る。リストを掴むゴンザレスを押しつぶし、トップを取ったピコ。ゴンザレスは背中を預けてスタンドに戻る。

後方へのエルボーを放つゴンザレスだが、ピコはバックから思い切り左フックを打ち込む。このタイミングで離れることができたゴンザレスが、右を当てるが直後にピコがダブルレッグでテイクダウンを決める。ワキ差しパスを決めたピコは、エルボーを落としサイドで抑えゴンザレスを圧倒する。

ヒザでワキ腹を固定し、背中を見せるようにゴンザレスを誘導したピコが両足をフックさせる。ブリッジにもピコはマウントに移行し、この回もMMAでゴンザレスを圧倒した。

3R、テイクダウンを切って乱打戦に持ち込むしか逆転はないゴンザレスが、右ローを蹴る。ピコはパンチで圧を掛け、ケージにゴンザレスを押し込んで左エルボーを突き刺す。離れたゴンザレスはジャブを打たれ、ここもパンチが大きくなる。インサイドローを蹴られても右フックを返したピコは、近い距離のパンチの交換からダブルレッグへ。

下にされたゴンザレスは、パスのプレッシャーのなかで左パウンドを受けて削られる。Zハーフガードも構わず左を打ちつけるピコが、全く危なげない状態で最後の2分を迎える。しっかりと抑えトップコントロールからパス、ゴンザレスのブリッジにバックを取ったピコはスクランブルでトップキープし、がぶってスタンドへ。残り30秒で、左ボディフックに続き後ろ回し蹴りを見せ、クリンチで大外刈りを決めたピコが最後までゴンザレスに付け入る隙を与えず、判定勝ちを決めた。

「レスラーは諦めない。彼はタフだった。経験が必要だし、3R判定勝ちでも嬉しいよ。ドミネイトできた。フィニッシュが信条だけど、判定勝ちでもハッピーだ。また練習に戻って強くなる」とピコは話した。


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BELLATOR Bellator271 MMA スティーブ・モウリー

【Bellator271】マスター・オブ・キムラ。スティーブ・モウリーがデビュー以来の連勝を10に伸ばす

<ヘビー級/5分3R>
スティーブ・モウリー(米国)
Def.1R3分28秒by キムラアームロック
ラキム・クリーブランド(米国)

モウリーが右ハイ、クリーブランドがローを返す。サウスポーの構えからオーバーハンドでワンツーを繰り出したクリーブランドに対し、距離を詰めたモウリーはヒザを突き上げる。クリーブランドも左ハイを見せたが、モウリーは右ローから左ミドルを繰り出し、直後に右ハイからダブルレッグを仕掛ける。ギロチンを取りつつ倒されたクリーブランド。

頭を抜いてハーフで抑えたモウリーは、クリーブランドに潜りを許さずキムラのセットアップとパスの圧を掛ける。足を戻そうとしたクリーブランドは足を絡めて草刈りからレッスルアップ、シングルレッグへ。潰したモウリーは再びハーフでキムラを狙う。レフェリーの陰でショーツを掴んで防御していたクリーブランドだが、この命綱が切れると肩が極まってタップした。

「立ち技をやろうとしたわけじゃない。どこでも戦えるから、自分のやるべきことをやった」と話したモウリーは、キャリア10連勝として次の対戦相手にマルセーロ・ゴルムの名を挙げた。


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BELLATOR Bellator271 MMA キック ヴァレリー・ルレーダ

【Bellator271】ティッチャギ、ターンチャギ。スピードで攪乱、テコンドークィーン=ルレーダが復活V

<女子フライ級/5分3R>
ヴァレリー・ルレーダ(米国)
Def.2-1:30-27.29-28.28-29
テイラー・ターナー(米国)

左に回るルレーダが、前に出てきたターナーに右を振るい、今度は右に回る。リーチの差を活かし前蹴りを見せるターナーに対し、飛び込んで右を放ったルレーダが右ローを当てる。ターナーは左ミドル、ルレーダはワンツーに右を受けそうになる。急ぎ間合いは外したルレーダだが、パンチはレンジが遠すぎて届かない。

それでもターナーのローに合わせてワンツーを見せたロウレダのサークリングからのワンツーは空振りに。ステップイン&ワンツーのロウレダがパンチを纏めて離れる。ターナーも蹴りは当たるが、パンチはスピードがなく右に左をカウンターで合わされる。さらに右オーバーハンドをヒットさせたロウレダは、ターナーの組みを押し返しスピニングバックフィストへ。これは空振りになったが、最後にティッチャギ=後ろ蹴りを見せて時間となった。

2R、初回より距離が近づくなか、ケージを背負ったルレーダが回る。まっすぐ飛び込んだターナーのワキを潜って離れたルレーダは、蹴り足を掴んでワンツーをボディに打ち込む。さらに左ハイを見せたルレーダに対し、ターナーが距離を詰める。ここでルレーダが前蹴り&ワンツーを入れ、スピードの違いで攻勢に。

ルレーダがトップブラの不具合で試合が中断。再開後、ルレーダが右ミドルを決める。続いて踏み込んで右ボディフックを入れたルレーダは、組まれても右を打って離れ、スイッチキック、再び後ろ蹴りを見せてラウンドを締めた。

最終回、大きく左右にサークリングを見せるルレーダがワンツーを伸ばす。決めに掛かったか正面に立つ時間が長くなり、ターナーの右を被弾する。間合いを取り直し、右ミドル&右を打ったルレーダにターナーの右ハイが顔面を捕らえそうになる。ターナーはサイドキックからストレートを放つも、ルレーダは回ってかわす。続く前身には迎え撃ってワンツーを放ち、自らのパンチを被弾したルレーダは、以降は距離を取るようになる。

組んでもホールドできないターナーは、逆転勝ちやビックラウンドとなる攻撃を繰り出すことはできずに残り1分を切る。回りながら、ステップインしてワンツー、右ミドルを入れたルレーダは、ここからパンチを纏める際にターナーのワンツーを被弾する。それでも最後にターンチャギを放ったルレーダが、意外にもスプリットに割れた再起戦で勝利し──直後に感極まった表情を見せた。


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BELLATOR Bellator271 MMA YouTube   アーロン・ピコ クリス・サイボーグ シネード・カヴァナー ジャスティン・ゴンザレス タイレル・フォーチュン ボクシング

【Bellator271】計量終了 サイボーグにバトルメーキャップなし。フォーチュン&モウリーの比較も一興

【写真】サイボーグは落ち着き払っていた(C)BELLATOR

11日(木・現地時間)、12日(金・同)にフロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノで開催されるBellator271「Cyborg vs Kavanagh」の計量が行われた。

メインはBellator世界女子フェザー級王者クリス・サイボーグが3度目の防衛戦でシネード・カヴァナーの挑戦を受ける。

セレモニアル・フェイスオフでサイボーグは、いつものようなバトル・メーキャップをすることなく、非常に涼しい目でカヴァナグに視線を送り握手をすることなく別れた。


パンチャー、真正面に立って左右の連打を打ち込むカヴァナー、パンチの回転数は早いがガードの無さと、蹴りのあるサイボーグに対して、ボクシング&ヒザという打撃の展開に持ち込むことができるのか。武器の多さでサイボーグが優位と見られるが、果たして。

注目のファザー級マッチ=アーロン・ピコ✖ジャスティン・ゴンザレスの両者も熱くなることなく対峙しつつ、しっかりと握手し明日の健闘を誓いあった。

コメインのタイレル・フォーチュン✖リントン・ヴァッセル、プレリミメインのスティーブ・モウリー✖ライム・クリーブランド、フォーチュンとモウリーというヘビー級の新鋭の出世争いも楽しみだ。

共にレスリングベース、ピュアレスリングのテイクダウンでいえばフォーチュンが上かもしれないが、打撃があるケージの中でのテイクダウン&コントロールは、モウリーも頭抜けたものがある。

フォーチュンはテイクダウンからパウンドという典型的なレスラー出身者的なMMAファイターだ。一方でモウリーはヒザ蹴りという大砲を持ち、アメリカーナやキムラという腕関節での一本勝ちも多い。直接対決でないだけに、両者を見比べてみるのも一興だ。

またプロ初黒星から再起戦となるテイラー・ターナー戦に臨む、テコンドー・クイーンことヴァレリー・ロウレダも相変わらず独特の存在感を示していた。

■視聴方法(予定)
11月13日(土・日本時間)
午前8時55分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前11時55分~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■Bellator271計量結果

<Bellator世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]クリス・サイボーグ: 145ポンド(65.77キロ)
[挑戦者] シネード・カヴァナー: 145ポンド(65.77キロ)

<ヘビー級/5分3R>
タイレル・フォーチュン: 253.8ポンド(115.12キロ)
リントン・ヴァッセル: 239.2ポンド(108.49キロ)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ: 145.4ポンド(65.95キロ)
ジャスティン・ゴンザレス: 145.6ポンド(66.04キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
アーリーン・ブレンコウ: 145.8ポンド(66.13キロ)
パム・ソーレンソン: 146ポンド(66.22キロ)

<ヘビー級/5分3R>
スティーブ・モウリー: 249.6ポンド(113.21キロ)
ライム・クリーブランド: 249.6ポンド(113.21キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ブルーナ・エレン: 125.6ポンド(56.97キロ)
デザリー・ヤネス: 125.4ポンド(56.88キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ローマン・フェラルド: 171ポンド(77.56キロ)
ロバート・ターンクエスト: 177.8ポンド(80.64キロ)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ロー: 145.4ポンド(65.95キロ)
コルトン・ハム: 145.8ポンド(66.13キロ)

<128ポンド契約/5分3R>
ヴァレリー・ロウレダ: 127.6ポンド(57.87キロ)
テイラー・ターナー: 127.2ポンド(57.69キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ワルド・コルテスアコスタ: 256.6ポンド(116.39キロ)
モー・デリース: 255ポンド(115.66キロ)

<ウェルター級/5分3R>
マフムッド・ファウジ―・シビー: 170.8ポンド(77.47キロ)
イーサン・ヒューズ: 170.8ポンド(77.47キロ)

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【Bellator271】見逃せないエリート✖雑草。倫也+パト=アーロン・ピコ✖テクニカルなゲイジー=ゴンザレス

【写真】ベラトールのフェザー級戦線をより激しく、楽しくさせるピコとゴンザレスのマッチアップが実現!!(C)BELLATOR

12日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノでBellator271「Cyborg vs Kavanagh」が開催される。

英国~アリゾナ~ロシア~アイルランドと目まぐるしい1カ月を送ったBellatorが再び米国に戻り、フロリダでのイベントではメインにクリス・サイボーグ✖シネード・カヴァナグの女子世界フライ級選手権試合が組まれた。

そんなフロリダ大会のメインカードで、見逃せないエリート✖雑草のフェザー級の対戦が見られる。それがアーロン・ピコ✖ジャスティン・ゴンザレスの一戦だ。


AJ・マッキー政権が始まったBellatorフェザー級戦線は前チャンピオンのパトリシオ・フレイレ、ワールドGP出場のエマニュエル・サンチェス、アイルランドで直接対決を行ったペドロ・カルバーリョとダニエル・ヴェイケル(※前者が勝利)の中堅&ベテラン勢に対し、GP参加組ではアダム・ボリッチ、ランク外にジェイジェイ・ウィルソンなど若き注目ファイターがひしめき合っている。

そのなかで何度躓こうが、アーロン・ピコのパフォーマンスの高さとカリスマ性は際立っているといっても過言でない。1996年9月生まれの25歳、戦績は8勝3敗。戦績に特筆すべきモノはない。

ただしMSGでプロデビュー戦を行ったピコは、キャリアの全てが特別だ。カリフォルニアがメキシコだった時代の最後の為政者の血を引く名門の出で、カデットとジュニア時代にフリー&グレコ、そしてフォークスタイルで全米王者になるなど輝かしい戦績をレスリングで記録してきたピコ。2013年には世界カデットで今ではEXFIGHT所属でMMAファイターへの道を歩み始めた藤波勇飛を破って優勝している。

10代でのリオ五輪出場の夢が潰えたが、その2年前にボクシング(全米ジュニア・ゴールデングローブ優勝)やパンクレーション(全米及び欧州選手権金メダリスト)でも結果を残してきたピコをスコット・コーカーは青田買いし、Bellatorは純正培養に努めた。

レスリングは当然として、ボディフックに見られるボクシングのセンスの良さ、おいってみればピコは中村倫也と宇佐美正パトリックが融合した強さをデビュー時から兼ね備えてきた。

が、上記にあるように順調にMMAファイター人生を歩むことはできなかった。まずデビュー戦のザック・フリーマン戦でまさかのギロチンチョークで一本負けを喫する。それでもLFA初代フェザー級王者のレアンドロ・イーゴを初回KOするなど4連勝で盛り返したもののヘンリー・コラレス、アダム・ボリッチ戦で連続KO負け。前者はボクシングで攻勢、後者はレスリングで支配しておきながら一瞬の隙をつかれて敗れた。

期待値が高かっただけに4勝3敗というレコードには、ピコの誰もがうらやむ才能がMMAには実は不向きなのかという見方までされだしたが、ジャクソン・ウィンクMMAでの練習と戦略がハマり、その後は4連勝と着実に相手をフィニッシュし今大会を迎える。

対するゴンザレスはLFAフェザー級王者からBellatorと契約し、6月にタイワン・クラッストンをスプリットで破りデビュー以来の連勝を12に伸ばしている無敗のファイターだ。

ジャスティン・ゲイジーとはノーザンコロラド大のレスリング部の同期で、ベースのレスリングを中心にそれこそゲイジーにも似たローの使い手で、打撃もパワフルだ。

コロラドのスパルタ・コンバットリーグというローカルプロモーションでプロデビューを果たしたゴンザレス──同大会のメインはコリー・サンドハーゲンがフェザー級王座を奪取──は、アマMMAで9勝0敗とまさにグラスルーツ出身で、ピコとは対照的なキャリア、そして戦績を残してきたといえる。

コンテンダーシリーズで勝利もUFCとは契約できず、LFA王者になってベラトールと契約という過去を見ても、ゴンザレスはピコのような相手に絶対に負けたくないという雑草魂を持っているだろう。

技術的には打撃もレスリングもピコが一枚上、しかし喧嘩ファイトになった時の危機管理能力、削り合いでの粘り強さはゴンザレスが上回っているという見方も十分にできる。そんなメイン以上に注目の一番だ。

■視聴方法(予定)
11月13日(土・日本時間)
午前8時55分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前11時55分~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■Bellator271対戦カード

<Bellator世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]クリス・サイボーグ(ブラジル)
[挑戦者] シネード・カヴァナグ(アイルランド)

<ヘビー級/5分3R>
タイレル・フォーチュン(米国)
リントン・ヴァッセル(英国)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
ジャスティン・ゴンザレス(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
アーリーン・ブレンコウ(豪州)
パム・ソーレンソン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
スティーブ・モウリー(米国)
ライム・クリーブランド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ブルーナ・エレン(ブラジル)
デザリー・ヤネス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ローマン・フェラルド(米国)
ロバート・ターンクエスト(米国)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ロー(米国)
コルトン・ハム(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ヴァレリー・ロウレダ(米国)
テイラー・ターナー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョーダン・ニューマン(英国)
シェーン・オシェイ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マフムッド・ファウジ―・シビー(エジプト)
イーサン・ヒューズ(米国)

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