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【Pancrase330】12・25を読む&人に歴史あり。TSUNE─01─「父親が巨人に入っていたらしいです」

【写真】いや、次から次へと「!」な内容ばかりのインタビューになりました (C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE330で、TSUNEが田嶋椋と暫定バンタム級王座を争う。
Text by Shojiro Kameike

TSUNEは1985年生まれで現在37歳、プロデビューは2011年とベテランの域に入ってきた。2021年から4連勝でランキング1位にまで昇りつめ、今回の暫定王座決定戦に至っている。もともと社会人野球までピッチャーとして活躍していたTSUNEが、MMAにたどり着いた経緯とは――そこには不思議な縁があった。パンクラスの2022年フィナーレ、横浜武道館大会――12・25を読む。第3弾はTSUNEインタビュー前編をお届けしたい。


――MMAPLANETとしては初のインタビューとなりますが、これまでMe,Weの選手から「TSUNE選手の組みが強い」と名前が挙がっていました。

「そうなんですか。どうだろう……自分の中では、そんなに組みが強いっていう感覚はないんですけど」

――実際に試合でも相手を組み伏せて4連勝中です。

「練習でも僕はやられる側ですから。そんなに自信はないですし、僕も直接そう言われたことはないですよ。みんな、もっと言ってくれれば良いのに(笑)」

――アハハハ。それだけ組みが強いと言われるTSUNE選手が、柔道やレスリングではなく野球出身というところが驚きです。

「はい。小学3年生から社会人まで野球をやっていましたね。ずっと軟式野球をやっていたのですが、高校から硬式を始めて。そのまま社会人野球で取ってもらいました」

――社会人野球まで進むということは、高校時代も大きな実績があったのでしょうか。

「高校時代は夏の予選ですぐに負けました。ただ、地元の熊本県では夏予選の前に、もう一つ大きな大会があるんです。熊本県を城北と城南に分けて、その城南大会で甲子園に出ている学校に勝って優勝したら注目を浴びた感じですね」

――ちなみに野球時代のポジションは……。

「ずっとピッチャーをやっていました」

――えっ! 子供の頃にピッチャーを任されるのは、その中で運動神経が最も良い子だという印象が強いです。社会人野球までピッチャーをやっていたのであれば、子供の頃はいわゆるエースで四番だったのですか。

「いえ、四番は嫌いなので三番を打っていました。できるだけ早く、多く打席に立ちたくて。三番だと絶対、1回に打順が回ってくるじゃないですか。それだけの理由です(笑)」

――小学3年生の時に野球を始めたキッカケは何だったのでしょうか。

「最初は友達の誘いだったのですが、もともと父親が野球をやっていまして。しかも調べたら、プロで巨人に入っていたらしいです。自分は実際に試合を見たことがないので、あまり信じていないんですけど(苦笑)。父は恒村勝美といいます」

※注)恒村勝美さんは熊本県立球磨工業高等学校から、1972年に読売ジャイアンツへドラフト6位で入団したサウスポーの投手。TSUNEが生まれる10年前の1975年に引退している。

――お父さんがプロ野球選手だったことを信じていないのですか(笑)。

「ネットで調べると、『高校時代は1試合平均2ケタの三振を奪う速球投手』とか書かれていて。そこから巨人のV9時代(1965年~1973年)に入団していますけど、なにせ実際に試合を見ていないので……」

――では、お父さんから野球をやれと言われたわけではないのですね。

「父は何も言わなかったです。それこそ父から野球を教わったこともなくて。でも家に巨人の帽子があるので、何だろうとは思っていました。

父はプロ野球選手だったと、自分からは言わないんです。一度も一軍の公式戦に出たことがないみたいで、それで自分がプロ野球選手だったと言うのは、プライドが許さないんですかね。V9時代だから一軍に上がることすら難しかったかもしれないですけど」

――なるほど……すみません、野球選手へのインタビューのような展開になってしまいました。社会人野球に進んだあと、どのような形で格闘技に繋がっていくのでしょうか。

「社会人野球は岡山県の三菱自動車に入ったんですよ」

――岡山県の三菱自動車野球部は水島工業地域にあります。現在Me,Weでチームメイトの藤田大和選手と藤田翔子選手のご実家は、その水島で道場を運営されていて……。

「そこが繋がっていくんですよ。実は、格闘技を始めたのはドリーマージム(藤田の実家が運営するジム)で」

――ドリーマージムはアマチュアボクシングのジムですが、そこに間借りする形で最初はコブラ会、次にゼロ戦クラブが総合格闘技クラスを持っていました。

「左のヒジを痛めて投げられなくなったので、23歳の時に野球を辞めてしまいました。そのまま会社には残っていたのですが、まだ元気で体は動くし、何かやりたいなと思って。それで探したら近くにドリーマージムがあったので、入会したんですよ。

まだ大和が中学生の頃でしたね。健児(大和の弟で現在プロボクサー)と一緒に、スパーでも試合でも大人をボコボコにしていて(笑)。その何年も後に自分がいるMe,Weに大和が入ってきて『俺のこと覚えている?』、『ドリーマージムにいましたよね!?』と驚いていました」

――それは凄い縁ですね!

「僕はもともとプロレスも好きで。ドリーマージムには1年ぐらいしかいなかったんですけど、実際に格闘技をやってみたら楽しかったんです。そこから『30歳ぐらいまで東京でMMAをやろうかな』っていう、本当に軽いノリで上京しました。社会人野球から三菱自動車の社員となり、それを捨てて東京でフリーターですよ。貯金が一瞬で無くなりました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
12月25日
午後2時30分~U-NEXT
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

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DEEP JEWELS39 J-CAGE Report ブログ 栗山葵 藤田翔子

【DEEP JEWELS39】蹴りからパンチに繋げる藤田を、栗山が左ストレートで制してフルマーク判定勝ち

【写真】ヒットは単発だが強い左ストレート。それを当てる距離感とステップが栗山にある(C)MMAPLANET

<フライ/5分2R>
栗山葵(日本)
Def.3-0:20-17.20-18.20-18.
藤田翔子(日本)

サウスポーの栗山が左インロー。藤田は左ジャブで距離を測りながらローを打ち返す。ジャブとローで探り合う中、栗山が左ストレートを伸ばした。藤田の左フックをブロックした栗山。藤田は左の縦蹴りから蹴りを散らす。藤田が右ミドルを放ったところで押し込んだ栗山、藤田は尻もちを着いたが、すぐに立ち上がった。栗山のワンツーが藤田の顔面を捉える。

藤田の前蹴りに栗山が左ストレートから右フックを返した。右ハイから右ストレートを当てる藤田。栗山も左ストレートをヒットさせる。右フックを顔面に当ててから連打していく栗山に対し、藤田はケージ際で組みついた。しかし体勢を入れ替えられると、すぐに離れる。藤田は右インローの連打。残り30秒で右ストレートを当ててから前に出る。左ボディ、左ジャブを当てる藤田だが、左目の下が大きく腫れ、出血も見られる。

最終回、栗山は右の関節蹴り。ガードを固めて距離を詰める藤田が、右ストレートを伸ばす。栗山も左ストレートを返した。藤田は右の前蹴り、ヒザから右ストレートを繰り出す。栗山は単発の左ストレートがヒットするも、後続打がない。距離が近くなったところで、左を出しながら頭も出してしまった栗山に、バッティングの注意が与えられる。

再開後、藤田のプレッシャーが強まる。回る栗山に右ハイを見せた藤田。栗山は左ストレートに集中する。右フックの返しは藤田の顔面に届かず。リズムが合ってきた藤田は、右の縦蹴り。栗山の右ジャブに藤田が右ミドルを合わせた。栗山は左インローからワンツー。下がってかわした藤田は、ワンツーから左ミドルで攻めたてる。栗山の左ストレートもヒット。相手のワンツーをスウェーとブロックでかわす藤田。しかし栗山の左ストレートが藤田の顔面に突き刺さる。さらに栗山は左ヒザをボディに当てて試合を終えた。

藤田の打撃も当たったが、栗山の左ストレートのクリーンヒットが評価されたか。ジャッジ1人が3ポイント差をつける裁定で栗山が勝利を収めた。


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ARAMI DEEP o   ゆりな ミッコ・ニルバーナ 万智 本野美樹 東よう子 栗山葵 藤田翔子 須田萌里

【DEEP JEWELS】速報中!DEEP JEWELS 39

本野美樹VS須田萌里S
全国的に雨模様の祝日。皆さんいかがお過ごしでしょうか。憂鬱な空気が漂う中、浜松町のニューピアホールではDEEP JEWELS 39が開催されます。メインにはDEEP JEWELSフェザー級チャンピオンの東よう子が登場。ダイヤモンドローズ・ザ・ロケットを迎え撃ちします。さらには本野美樹(AACC)×須田萌里(SCORPION GYM)の若手実力派対決など見どころ十分。今回はSPWNでPPV観戦しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【第1試合 54kg契約】
×MANA(フリー)
(1R チョーク)
○谷山瞳(BRAVE)
1R、パンチを被弾して嫌がったMANAが組み付いて首投げでテイクダウン。しかし谷山はすぐに立ち上がると逆に投げで倒す。そのままバックに回ると側頭部にパウンド。谷山がグラウンドをコントロール。完全にMANAの身体を伸ばすとチョーク。これがガッチリ極まってレフェリーが試合を止めた。谷山がプロデビュー戦で鮮やかな一本勝ちです。


【第2試合 バンタム級】
○ゆりな(OOTA DOJO)
(1R アームロック)
×ひしぬま JUCY さやか(和術慧舟會GODS)
1R、開始直後の差し合い。JUCYはスタンドでバックに回る。しかしゆりな後ろ手に腕絡み。そのままアームロックで捻り上げるとそのままグラウンドへ。さらに絞め上げるとレフェリーが試合を止めた!ゆりながアームロックであっと言う間に仕留めた。


【第3試合 バンタム級】
○熊谷麻理奈(Trister Gym)
(判定3-0)
×細谷ちーこ(ABLAZE八王子)
1R、開始直後から熊谷のストレート、ジャブがよく伸びる。嫌った細谷が胴タックルで組み付く。しかし熊谷は突き放してスタンドの展開。熊谷は膝をヒットさせて再び差し合い。ケージに押し付ける時間が続く。細谷は隙を見て片足タックルを狙うが不発。さらに離れ際には熊谷のパンチの連打を浴びる。熊谷はそれでも片足タックルに行くとテイクダウンに成功。だがすぐにラウンドを終えた。
2R、スタンドのパンチの交差。細谷のタックルに合わせて熊谷は膝を当てるが、熊谷は組み付いて足を掛けてテイクダウンに成功。しかし熊谷はしぶとく立ち上がる。スタンドに戻って身体が離れると細谷はまたも片足タックル。しぶとく倒すとサイドに回る。さらにマウントを狙いつつ腕を取ると熊谷は亀の体勢に回避。そのまま立ち上がるとスタンドの攻防。熊谷のジャブがヒット。細谷はまたも片足タックル。熊谷が切ったところで試合終了。判定は熊谷に軍配!


【第4試合 ストロー級】
×ARAMI(MIBURO)
(判定0-3)
○万智(スポーツジム67’s)
1R、スタンドの攻防から組み付いた万智。一気にテイクダウンするがすぐさまARAMIがスイープ。上を奪い返すが万智も下から足を取ってさらにスイープ。サイドを狙いつつ首を取りに行く。だがARAMIも下から足関節を狙いつつ立ち上がる。万智もついていきスタンドでバックに回ってコントロール。ARAMIを崩してテイクダウンに成功。ここからまたしても上下が激しく入れ替わるスクランブルの展開。最後は万智が上を取ってラウンドを終えた。
2R、スタンドの攻防が続いていたが万智が豪快な胴タックル。ARAMIは崩れたがケージを背にして堪える。スタンドに戻ると万智がバックに回る。しかしARAMIは背中越しに腕絡み。そのまま反転してグラウンドに持ち込むとアームロックであわやの場面。しかし万智は上手く身体を反転させて脱出。逆に組み付くとまたもスタンドで爆に回ってコントロール。終了間際にはグラウンドに持ち込んでバックから強引に腕十字→三角絞め。ここでタイムアップ。判定は万智。プロデビュー戦でARAMIを相手にここまでやれるとは。。。末恐ろしい。


【第5試合 ストロー級】
×長野美香(フリー)
(判定0-3)
○松田亜莉紗(BLOWS)
1R、開始直後から間合いを詰めてパンチを出していく松田。長野は後退する場面が目立つ。1分が経過したあたりで長野は低空のタックル。しかし松田はこれを切ってスタンドでの差し合い。長野はしつこく足を掛けて倒しにかかる。さらに強引にバックに回ろうとするが松田の腰は重く、長い差し合いが続く。業を煮やした長野は引き込みを狙うが松田は付き合わない。スタンドでの差し合いに戻ると長野は腕絡みからグラウンドに持ち込んでアームロック。だがこれは極まらずラウンドを終えた。
2R、開始直後に長野は片足タックル。これが決まってテイクダウン。だが松田はケージを背にしてすぐに立ち上がる。それでも長野はタックルに行くが松田はこれを潰して逆に上を取る。そこから怒涛のパウンド。あわやの場面だったが長野は身体を動かして脱出。スタンドに戻るとまたも長野はタックル。テイクダウンに成功するが松田はすぐに立ち上がって逆に足を掛けてテイクダウン。パウンドを集中して仕留めにいくがタイムアップ。判定は一方的に攻めた松田に軍配。


【第6試合 フライ級】
○栗山葵(SMOKER GYM)
(判定3-0)
×藤田翔子(リバーサルジム新宿Me,We)
1R、ストライカー同士に緊張感溢れる神経戦。静かな展開が続く。徐々に前に出るのは藤田。栗山はサークリング。距離が詰まると栗山のワンツーがヒット。さらに前蹴りなど徐々に手数が増える。さらに左右のパンチを当てると藤田は組みいて回避。身体が離れると今度は藤田の左右のパンチがヒット。終盤は巻き返してラウンドを終えた。
2R、序盤から栗山の左ストレートがよく伸びる。距離を詰める藤田に対して的確にヒットする。藤田もミドルを起点に攻撃を仕掛けるが栗山はサークリングで距離を取りつつ、カウンターでパンチを当てる。特に左フックは強烈。有効打で上回って試合終了。判定は栗山に軍配。


【第7試合 フライ級】
×ミッコ・ニルバーナ(AACC)
(判定1-2)
○NORI(PRAVAJRA)
1R、開始と同時に距離を詰めるミッコ。NORIはサークリングで距離を取るがついに捕まる。ミッコはケージに押し込んで差し合い。足を掛けてテイクダウンを狙うが不発。ブレイクがかかる。再開するとNORIの打撃が連続でヒット。ハイにストレートが面白いように当たる。それでもミッコは前進。するとNORIはバランスを崩して転倒したところを見逃さずミッコは上になる。しかしNORIは下から足を取って足関節を仕掛けてディフェンス。ミッコはそれを捌いてラウンドを終えた。
2R、またもミッコは前進して間合いを詰める。一気に組み付くとNORIはミッコの首を掴んでフロントチョーク狙い。ミッコはお構いなしにテイクダウン。それでもNORIは首を掴んで離さない。この状態のまま時間が経過して試合終了。微妙な判定はスプリットでNORIに軍配。


【第8試合 セミファイナル 49kg契約】
○本野美樹(AACC)
(判定3-0)
×須田萌里(SCORPION GYM)
1R、スタンドでの長い神経戦。プレッシャーを掛ける須田に対して本野はサークリングで距離を取る。中盤に入って距離が近づくと本野が組み付いてテイクダウン。しかし須田は下から三角絞め。耐える本野に対して側頭部にパウンドを当てながら絞め上げる。さらに腕十字に切り替えると本野は身体を反転して脱出に成功。最後はスタンドで打撃を交差させてラウンド終了。
2R、開始直後にミドルをヒットさせて本野。須田は効いたか一気に距離を詰めて組み付く。そのままテイクダウン。しかし本野は一瞬の隙を突いてスイープに成功。だが下になった須田は腕十字!これは本野は冷静に捌いてスタンドに脱出。再開するとパンチの交差から本野が組み付いてテイクダウン。ケージに押し付けて細かいパウンド。一方の須田は下から腕十字と三角を仕掛けるが不発に終わってタイムアップ。
3R、開始直後からパンチを振るって前に出る本野。そのまま組み付くとテイクダウン。上から強めのパウンドで削る。須田はまたも下から腕十字を狙う。この状態で長らく膠着したが本野は腕を抜く。猪木アリ状態からパウンド。さらに身体を密着させてパウンド。小刻みに削ってグラウンドをコントロールして試合終了。判定は本野に軍配!
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【DEEP JEWELS39】須田萌里戦へ、本野美樹─02─「海外で試合がしたい。UFCを目指せないわけじゃない」

【写真】今日の計量は両者揃ってクリア。米国で感じた想いを、試合内容と結果でまずは形にすることができるか(C)DEEP

23日(水・祝)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS30のコメインで須田萌里と対戦する本野美樹インタビュー後編。

ABEM海外武者修行プログラム、最後のプロ練習後にシンジケートMMAでの練習の総決算を聞くと──UFCへの想いを募らせていた本野は、既に決まっていた須田戦を「圧倒しないと意味がない」と話していた。

<本野美樹インタビューPart.01はコチラから>


──強い選手に囲まれている環境を楽しめる自分がいることを、日本を発つ前に想像はできていましたか。

「ビビっていても勿体ないという気持ちではいました。昨日、アンジェラ・ヒル選手とスパーリングができたのですが、それまでは上の階級の選手がずっと相手でした。なので、昨日はビビるというよりも、1Rだけでも試合だと思ってやりました」

──シンジケートは女子も多いと聞いています。それでもストロー級は少ないと。

「今日は10人にいかないぐらいでしたけど、結構人数はいます。でもフライ級から上の選手が多いですね。ラモーナ・パスカルとか、あまり名前が分からないのですが、UFCの選手も3人ぐらいいて」

椎木努(ABEMAディレクター) 本当に女子が多くて。でも、僕が見る限り本当に楽しそうに練習されていました。

「ハイ。楽しいです」

──日本だとストロー級でもアトム級にミクロ級の選手のなかにあって、大きい部類に入ることもあるかと思います。

「ハイ。だから最初に来た時は、テイクダウンができないで。普通に止められて『アレっ?』って感じでした。それからどうやって倒そうとかを考えるようになり、スパーリングをやっていくうちにフェイントを多く入れて、全然倒しやすくなりました。そこは自分のなかで成長できたと思っている部分ではあります。でも、フィジカルが強いというのは最初に感じたところです」

──28歳になり、今後を考えるとホントに手遅れにならないギリギリのタイミングでその体験ができた滞在になったのではないでしょうか。

「色々と気付けたことが多かったです。本当に来て良かったです。これまで余り海外で試合をしたいと思っていなかったのですが、強い選手と練習していると本当に楽しくて。今は海外で試合がしたいという想いが強くなっています」

──海外というと?

「UFCに出たいです。以前は思っていなかったです。でも、こっちに来てUFCに出たいと思って、コンテンダーシリーズを観戦させてもらい……本当にこっちで試合に出たいって強く想うようになりました。今はUFCに出たいという気持ちが強いです」

──練習とはいえアンジェラ・ヒルをテイクダウンして、サイドを取った。UFCを目指す上で自信になりましたか。

「こっちに来るまでUFCは自分が届くモノじゃないと思っていました。でも最後に同じ階級の選手と練習ができて……試合と練習は違いますけど、目指せないわけじゃないという気持ちになれました」

──では帰国後、UFCを目指す上で試合と練習、どのようにキャリアを積んでいこうと考えていますか。

「11月にDEEP JEWELSでは49キロで試合をすることが決まっています。この試合は圧倒的に勝たないと意味がないと思っていて──。自分が目指したいステージが変わったので、ストロー級で戦っていきたい。でも日本だと選手が少ないので、そこは帰国して相談しつつストロー級で戦える体創りをしていきたいです。もう体重を落とす必要はないかと……思っているので(笑)。

練習は……また来たいです(笑)。UFCを目指すとなると、こっちでの練習を継続したい。これからも自分で来られるように、どうにか考えて行きたいです」

──その意識を日本で継続しないといけない。とはいえ、日本には日本の空気があります。より厳しく律さないといけないかもしれない。

「日本でも自分が一番上なわけじゃないし、AACCでも浜崎(朱加)選手だったりRENA選手、大島沙緒里と自分より強い選手がいっぱいいるので。皆、強くなりたいという気持ちは変わらないし、そこで海外で練習できたことを生かして帰国してもそういう練習を継続していきたいと思います」

──日本に戻ると『米国がこうだったから、こうしたい』という意見……言える環境と、言いづらい環境があると自分は考えています。

「AACCの練習でも、凄く良い練習をさせてもらっていますし、阿部さんはきっと米国がどうだったかを尋ねてくれると思います。そうなると、素直に話したいです。でも阿部さんが築き上げてきた練習を、自分が1カ月経験しただけのことで全てを共有してほしいとも思っていないです。だから『こうしてほしい』と言うこともない。練習の前後に自分でできることはできますし、自分の中の意識を高く取り組めばそれは大丈夫なはずです」

──阿部さんは「UFCを目指す」という意見がきっと嬉しいはずですし、帰国してからの報告を楽しみにしているかと思います。

「本当は阿部さんも来たがってくれていたので。凄く、こっちでの練習に興味を持っていると思います。だから海外で経験して良いと思ったことは、阿部さんに伝えたいです。阿部さんが上手く消化してくれると思います」

■視聴方法(水・祝)
11月23日(日)
午前11時30分~SPWN PPV
午前11時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP JEWELS39計量結果

<バンタム級/5分3R>
東よう子:61.6キロ
ダイヤモンドローズ・ザ・ロケット:61.1キロ

<49キロ契約/5分3R>
本野美樹:48.9キロ
須田萌里:48.45キロ

<フライ級/5分2R>
ミッコ・ニルバーナ:56.7キロ
NØRI:56.25キロ

<フライ/5分2R>
栗山葵:56.65キロ
藤田翔子:57.17キロ

<ストロー級/5分2R>
長野美香:52.15キロ
松田亜莉紗:51.95キロ

<ストロー級/5分2R>
ARAMI:52.65キロ
万智:52.25キロ

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈:61.35キロ
細谷ちーこ:61.45キロ

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈:61.0キロ
細谷ちーこ:61.7キロ

<54キロ契約/5分2R>
MANA:53.9キロ
谷山瞳:53.7キロ

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【DEEP JEWELS39】須田萌里戦、53日前の本野美樹─01─「打撃は前よりもビビらなくなった」

【写真】溌剌という言葉が本当に当てはまるベガスでの本野だ(C)TSP

23日(水・祝)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS30のコメインで須田萌里と対戦する本野美樹。

元ストロー級暫定チャンピオンは9月の1カ月間をABEMAの海外武者修行プログラムに参加し、ラスベガスのシンジケートMMAで練習をしてきた。須田戦が決まっていたという水野だが、キャリア3年で7勝3敗というMMA歴の彼女が同プロジェクトに申し込んだ理由とは。そして──ベガスで何を掴んだのか。現地を離れる前日に行っていたインタビュー、本野がベガスで見つけたMMAファイターとしての生き方とは。


──今、どのような場所でインタビューを受けていただいているのでしょうか。

「UFC世界バンタム級チャンピオンのアルジャメイン・ステーリング選手のラスベガスの自宅です。アルジャメインは先週、NYに戻ったのですが、ここに泊まらせてもらっています」

──今回、ABEMA海外武者修行プロジェクトに申し込み、シンジケートMMAで約1カ月に渡り、練習をしてきました。偏見かもしれないですけど、AACC所属の本野さんがABEMAのプロジェクトで海外で練習をするというのが意外でした。このプロジェクト参加選手はルーキー的な選手が多いのですが、本野選手は既にDEEP JEWELSで暫定ストロー級のベルトを巻いていましたし。

「この企画をツイッターで見て、試合も組まれていなかったので直感的に海外で練習したいと思って、その日の練習の時に阿部(裕之)さんに伝えました。そして、すぐにABEMAに連絡してもらいました。正直、海外で戦いたいとか思っていたわけでもなかったです。ただ去年、田中路教さんが日本に帰国していた時にグランドスラムの練習で会って、練習への取り組みとかMMAへの姿勢を見て、自分の向き合い方と全然違っていると感じました。

本当に尊敬できて。田中選手は普段は海外で練習しているのを知って、その時から海外で練習したいと興味を持つようになっていました」

──田中選手に関していえば人生を賭けているのではなくて、人生を捨てているぐらいの取り組みです(笑)。

「アハハハハ。でも、スタート地点から違うような気がしました。だから武者修行プロジェクトに応募したのは海外で試合をしたいというよりも、海外のMMAに興味を持ったからです。どれぐらいの強さなのかを知りたいと思って。直感と海外の技術が進んでいると聞いていたので、その技術を学びたいと思いました」

──伊澤星花選手に敗れてから、キャリアの積み方など立ち位置が難しい状況になっているなど考えたことはなかったでしょうか。そもそも伊澤選手が何者か世に知れわたる前にプロ2戦目の選手と戦うことはベルトを持つ者として、どのように思っていたのでしょうか。

「ストロー級で戦う相手が本当にいなくて。伊澤選手のことは試合を見て、強いと思っていました。あの時はボクシングを習い始めたばかりだったので、それを試したくて。試合を組んでもらえるなら、誰とでも戦いたいと思っていました」

──タイトルマッチで挑戦を受ける時は、心構えは違っていましたか。

「全然違いました。初戦は舐めていたわけでもないですが、打撃を試したいという気持ちで戦って本当に打撃しか使わなかったです。そこもあって、2戦目は負けるわけにはいかないので自分の得意な組み技を使って、最初にペースを掴もうという作戦でした。でも、伊澤選手のペースに巻き込まれて腕十字でアッサリと負けてしまいました……」

──組み技主体の選手同士の対戦は、組み技力で試合の大勢が決まってしまうという印象がMMAでは強いです。伊澤選手との2連戦を終えて、MMAファイターとして完成度を高めたいという気持ちには?

「ストライカーと試合をするのとは全然違っていました。自分の得意なところが伊澤選手は得意で、自分より極めが上手でした。勝つポイントを見つけることが難しかったです。そういう相手とこれからも戦っていかないといけないのですが、最近は……ベガスに来てからもそうでしたけど、外国人選手と練習すると打撃でも手足が長いし、日本と同じような打撃をしていたら通用しない、圧されてしまいます。

なら彼女たちよりもスピードを速く、動きを増やしてみようとか。少しずつ考えながら……ようやくですけど、デキるようになったかもしれないです」

──そのベガスでの練習も、もうほとんど終了したタイミングだと聞いています。

「ハイ、選手練習は今日終わって。明日の一般のキックボクシングに出て終わりです」

──約1カ月の練習で、一番ガツンと来るものは何でしたか。

「正直、グラップリングに関しては細かい技術を教えてもらったのですが、今直ぐに使うことは難しいので日本に帰国して反復練習をしようと考えています。打撃は……日本にいた時はジャブならジャブと単発で終わっていたのが、こっちの選手はパン、パン、パンと連続で重たい形で来て、蹴りも多いので最初は戸惑いました。ただ練習しているうちに慣れてきて、打撃は前よりもビビらなくなったと思います。

日本では打ち合うということを練習でやっていなかったのですが、少し打ち合いがデキるようになったり、フェイントのバリエーションが増えました。打撃の部分では成長できているというのは感じられています」

──日本では男子とも練習をしていたのですか。

「グランドスラムではMMAスパーを男の選手ともやらせてもらっていました」

──なるほど。いやAACC女子部だと選手の特性上、打撃が続くというMMAスパーにはならないのかと……。

「ジムが広いので、下がりたいだけ下がることができます。だから組みたくて組めないという状況にはなりました。シンジケートで練習すると、皆、下がらないです。そこが日本と考え方、取り組み方が違うというのはありました」

──一発当てると、『この野郎』とより強くなることは?

「最初から強かったです(笑)。でも強く来てくれる分、こっちも強くできてやりやすい。試合のような練習ができました」

──アンジェラ・ヒルとのスパー映像を見せてもらったのですが、凄く溌剌としているように見えました。

「アハハハ。なんかこっちに来て練習していると、自分より強い選手がたくさんいて。考えてやらないとボコボコにされます。

強い選手とやっている練習は、凄く楽しくできました。環境的にも自分に向いているのかと思いました。たくさん考えてできるので、楽しいです」

<この項、続く>

■視聴方法(水・祝)
11月23日(日)
午前11時30分~SPWN PPV
午前11時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP JEWELS39対戦カード

<バンタム級/5分3R>
東よう子(日本)
ダイヤモンドローズ・ザ・ロケット(タイ)

<49キロ契約/5分3R>
本野美樹(日本)
須田萌里(日本)

<フライ級/5分2R>
ミッコ・ニルバーナ(日本)
NØRI(日本)

<フライ/5分2R>
栗山葵(日本)
藤田翔子(日本)

<ストロー級/5分2R>
長野美香(日本)
松田亜莉紗(日本)

<ストロー級/5分2R>
ARAMI(日本)
万智(日本)

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈(日本)
細谷ちーこ(日本)

<54キロ契約/5分2R>
MANA(日本)
谷山瞳(日本)

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『DEEP JEWELS 36』試合結果


第7試合 DEEP JEWELSフライ級GP 2022(王座決定トーナメント)一回戦 5分2R
○中井りん(修斗道場四国/元パンクラス女子バンタム級王者、元VALKYRIE無差別級王者)
×藤田翔子(リバーサルジム新宿Me,We)
2R 4’38” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第6試合 DEEP JEWELSフライ級GP 2022(王座決定トーナメント)一回戦 5分2R
○杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
×ミッコ・ニルバーナ(AACC)
判定3-2 (植松18-18○/柴田19-18/長瀬19-19○/豊永○19-19/橋本20-17)

第5試合 49kg契約 5分2R
×大島沙緒里(AACC/DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)王者、DEEP女子ミクロ級(44kg)王者)
○HIME(毛利道場)
判定0-3 (植松18-20/豊永18-20/柴田17-20)

第4試合 49kg契約 5分2R
○本野美樹(AACC/元DEEP JEWELSストロー級王者)
×にっせー(チームにっせー/アローズエンタテインメント)
1R 4’18” 腕ひしぎ十字固め

第3試合 49kg契約 5分2R
×青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)
○須田萌里(SCORPION GYM)
1R 3’36” 腕ひしぎ十字固め

第2試合 49kg契約 5分2R
○桐生祐子(フリー)
×サダエ・マヌーフ(総合格闘技道場コブラ会)
判定2-1 (岡田20-18/橋本19-19○/木村20-18)

第1試合 ミクロ級(44kg) 5分2R
○古瀬美月(K-PLACE)
×古林礼名(GSB多治見)
1R 2’11” 裸絞め

オープニングファイト アマチュアキックルール 54kg契約 1分30秒2R
×ラジーナ(ネパール/コンパス幼稚園)
○中村サキ(レンジャージム)
2R 1’30” TKO

 3月12日にニューピアホールで開催された『DEEP JEWELS 36』の試合結果。フライ級グランプリ2022(王座決定トーナメント)1回戦が2試合行われ、中井りんは藤田翔子に2R TKO勝ち。杉山しずかはミッコ・ニルバーナに判定勝ちしています。ワンマッチではHIMEが大島沙緒里に判定勝ちしています。続きを読む・・・
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【DEEP JEWELS36】藤田の打撃をかいくぐり、TDを奪った中井りんがパウンドアウトでGP準決勝に進出

<DEEP JEWELSフライ級GP1回戦/5分2R>
中井りん(日本)
Def.2R3分38秒 by TKO
藤田翔子(日本)

フェイントを見せながら距離を取る中井に対し、藤田が間合いを詰めていく。中井はローと左ジャブでけん制。中井の左ジャブに対し、藤田が下がる。中井は右クロスをヒット、そのまま距離を詰めて藤田にケージを背負わせる。レフェリーが藤田の指が前に出ている構えに口頭注意を当たる。頭を下げて距離を詰める中井に、藤田が右の打ち下ろしを合わせた。しかし中井は右ストレートから距離を詰めて、藤田をケージ際に追い込んでいく。中井の右クロス、右からの右ローがヒット。さらに中井が左ボディを当てる。藤田の右に対し、中井の左フックがインサイドから相手の顔面を捉えた。

徐々に右のヒット率が上がる中井。左フック、左ジャブ、そして左ボディもヒット。さらに藤田の左ローに右ストレートを合わせていく。藤田は中井に組みつかれながらも離れて回る。中井は再度組みつき、足をすくって藤田に尻もちを着かせた。相手の足を畳み、左腕で藤田の首を取ってギロチンを仕掛ける中井だが、ここでファーストラウンドが終了した。

最終回、藤田がフェイントを見せながらプレッシャーをかける。中井は潜りこんで左ボディストレート。中井の右ローに対して、左ジャブを当てた藤田が、下がりながらも中井の顔面にパンチをまとめる。中井は藤田のローをキャッチしてグラウンドに持ち込んだ。ハーフガードの藤田を抑え込む中井。相手の頭を抱えてパスガード、マウントに移行する。藤田がブリッジした瞬間に中井はバックマウントへ。さらにマウントに戻った中井は、抑え込みながら小さいパンチで削っていく。

藤田はハーフガードに戻すも、中井がマウントからサイドへ。そしてマウントからパンチを落とす。強烈な右を連打する中井、左の鉄槌の連打に切り替えたところで、レフェリーが試合をストップした。


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【DEEP JEWELS36】フライ級GP2022参戦、杉山しずか―02―「中井さんとは決勝で対戦したほうが……」

【写真】杉山のKポーズ。こういうのなんか良いなぁと (C)MMAPLANET

13日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催される『DEEP JEWELS36』にて、フライ級GP1回戦でミッコ・ニルバーナと対戦する杉山しずかのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

杉山にとってベルトに絡む戦いは、2014年5月の端貴代戦以来となる。この試合はDEEP JEWELS初代ミドル級(61.2キロ以下)王座決定戦として行われ、杉山は3Rにパウンドアウトで敗れた。あれから8年、杉山はRIZINでの試合も含めて9勝2敗。国内女子フライ級トップクラスの戦績で、今回のGPに挑む。

2月8日に行われたGP1回戦の抽選会では、杉山がミッコ・ニルバーナを選ぶ形で試合が決定した。そんななか、今回のインタビュー後に、はなこが体調不良、さらに加賀谷花野が新型コロナウイルス感染で欠場――。なんとGP1回戦4試合のうち、2試合が中止となってしまう非常事態となった。

結果、今大会で行われるGP1回戦は杉山×ミッコ、そして中井りん×藤田翔子のみに。風雲急を告げるDEEP JEWELSフライ級GP。ここでは杉山が、言葉少なに――だからこそ決意が感じられるGPへの意気込みを語ってくれた。

<杉山しずかインタビューPart.01はコチラから>


――杉山選手はこれまで、DEEP JEWELSでは端貴代選手とのバンタム級王座決定戦を経験しています。今回はフライ級GPとなりますが、杉山選手にとってフライ級はベストの階級なのですか。

「今はフライ級がベストなのかもしれないですね。ギリギリまで絞ってフライ級なので。ただ――階級について厳密に考える人は多いですけど、私はもともと階級については、そこまで考えてはいなかったんですよ」

――それは、かつて日本女子MMAもフライ級以上の選手層が薄かったことも影響しているのでしょうか。今回フライ級で8人も選手が揃い、トーナメントを開催できるまでに選手層も厚くなったのではないかと……。

「どうなんですかね……今回も選手がフライ級に合わせてやってきているので、そこまでフライ級の選手が増えているとは思っていないです。でもフライ級でトーナメントが行われるのは嬉しいですね」

――練習環境については、いかがですか。以前は女子選手だけで練習するのも難しかったように思います。

「今も男子選手と練習することが多いですけど、それでもジムでは女子の練習仲間が増えましたよね。特にレスリングや空手の全日本クラスの選手がいるので」

――その練習仲間の一人、藤田翔子選手も今回のフライ級GPに出場しています。同じジム所属の選手は初戦での対戦を避けるということになったそうですが、お互いに勝ち進めば準決勝や決勝で対戦する可能性も出てきます。

「GPについて聞いた時から、そういうお話だったので大丈夫です。(藤田とは)今も普通に練習していますよ」

――同じGPに出場することが決まってから、練習が別に行われるといった形にはならないでしょうか。

「それは今のところ、ないです。もしお互いに勝ち進んで、準決勝や決勝で対戦が決まったら気持ちを切り替えることになるでしょうし。その気持ちを、どこで切り替えるか――それは1回戦が終わってからですね」

――そのフライ級GP1回戦の組み合わせを決める抽選会が、2月8日に行われました。杉山選手が1回戦の相手にミッコ・ニルバーナ選手を選択するという形になりましたが、そこでミッコ選手を選んだ理由を教えていただけますか。

注)GP1回戦の抽選は、①藤田②Te-a③ミッコ④杉山が先に枠を選ぶ形で行われた。藤田=A枠、Te-a=B枠、ミッコ=D枠と選択していくなか、杉山は空いているC枠ではなくD枠、つまりミッコとの対戦を選んでいる。抽選会の内容はこちら

「以前からミッコ選手と対戦してみたかったんですよ。総合的な力を持っている選手じゃないですか。今回の出場選手の中でも一番、総合力があると思っています。あとは、1回戦で中井さんに選ばれたくなかったので」

――そうだったのですか。今回は杉山選手と中井りん選手の対戦を期待する声もあると思います。そこで抽選会では、杉山選手が空いているC枠に入り、中井選手が杉山選手との対戦を選ぶ……という可能性もあったかもしれません。

「中井さんとは決勝で対戦したほうが盛り上がると思うんですよね。だから抽選会での選択としては、まず1回戦を勝ち上がること。そして中井さんとは決勝で対戦すること。そのどちらの気持ちもありました。その中で戦うのであれば、ミッコ選手かなって」

――なるほど。思えばずっとフライ級以上で戦ってきた両者が、これまで対戦経験がなかったのは不思議です。

「RIZINで一度、試合が組まれていたんですけど、なくなったんですよね。2018年7月のRIZINで中井さんと対戦することになっていて。でも中井さんが急病でドクターストップになって……」

――ミッコ戦を控えているなかで、やはり中井選手について聞かれることも多いかと思います。

「中井さんについては、RIZINで試合が組まれる前……UFCに出場する時は応援していました(笑)。それぐらいですね」

――分かりました。まずはGP1回戦、ミッコ選手との試合はどのようなものになると思いますか。

「お互い総合的なファイターで、使える武器も多いんじゃないですかね。そんななかで、私が圧倒しなきゃいけない試合です。そして今は、圧倒できると思っています」

■視聴方法(予定)
3月12日(土)
午後5時50分~SPWN PPV
午後5時50分~ニコニコ生放送

■ DEEP JEWELS36対戦カード

<DEEP JEWELSフライ級GP1回戦/5分2R>
中井りん(日本)
藤田翔子(日本)

<DEEP JEWELSフライ級GP1回戦/5分2R>
杉山しずか(日本)
ミッコ・ニルバーナ(日本)

<49キロ契約/5分2R>
大島沙緒里(日本)
HIME(日本)

<49キロ契約/5分2R>
本野美樹(日本)
にっせー(日本)

<49キロ契約/5分2R>
青野ひかる(日本)
須田萌里(日本)

<49キロ契約/5分2R>
桐生祐子(日本)
サダエ・マヌーフ(日本)

<ミクロ級/5分2R>
古瀬美月(日本)
古林礼名(日本)

<アマ・キック54キロ契約/1分30秒2R>
ラジーナ(日本)
中村サキ(日本)

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3.12『DEEP JEWELS 36~フライ級GP 2022 1ST ROUND~』フライ級トーナメント1回戦の組み合わせが決定














 3月12日にニューピアホールで開催する『DEEP JEWELS 36~フライ級GP 2022 1ST ROUND~』で以上の対戦カードが発表されています。注目はフライ級グランプリで、1回戦の組み合わせが抽選会で決定しています。続きを読む・・・
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【DEEP JEWELS36】フライ級GP初戦の顔合わせ決定。「優勝して当たり前」中井りんは藤田翔子と

【写真】中井×藤田、Te-a×加賀谷、はなこ×栗山、杉山×ミッコという初戦の対戦カードが決まった(C)DEEP

8日(水)、都内某所で3月12日(土)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS 36。で開幕するフライ級GP 2022 の初戦の顔合わせを決める抽選会が行われた。

中井りん、杉山しずか、ミッコ・ニルバーナ、栗山葵、藤田翔子、はなこ、Te-a、リモート参加の加賀谷花野の8人中、杉山と藤田がMe,We、ミッコ・ニルバーナとTe-aがAACCの同門ということで、ジムサイドから初戦での対戦は避けるという要望があり、承認されている。


そのMe,WeとAACC勢が、まず選択順が記された封筒を選択する順番を決めるための──JEWELS恒例のジェンケンを行い、藤田、Te-a、杉山、ミッコ・ニルバーナという順序が決定する。続いて残るメンバーがジャンケンをして、中井、加賀谷、栗山、はなこの順で封筒を選ぶことになった。

結果、一番を引いた藤田がA枠を選択。アトム級王座決定トーナメントでは続く選手が、次々と同じ枠に選ぶという駆け引きゼロの強気一点ばりの抽選回の様相を呈していたが、今回は2番手となったミッコ・ニルバーナはD枠をチョイスした。

3番手のTe-aは、D枠は同門対決なのでA~Cの中でBを選ぶ。続く杉山は出場メンバーの顔を眺めつつ熟考し、D枠の対抗を選択し、ここでまず杉山×ミッコ・ニルバーナ戦が決まった。

5番の栗山は迷わず残っていたCを選び、中井はAの対抗をチョイス──藤田×中井が確定する。続く加賀谷はBのTe-a戦を所望し、自動的に栗山×はなこ戦も決まった。

今回の抽選はあくまでも1回戦のマッチアップを決めるモノで、準決勝の対戦カードは初戦終了後に再び抽選で決まることになっている。以下、初戦の顔合わせが決まった各選手たちのコメントだ。

藤田翔子
「どうせだったら強い選手とやりたかったので。私は中井選手でも杉山選手でも、他の選手でも誰が相手でも倒すつもりで行くので頑張ります」

中井りん
「私は優勝して当たり前だと思うので、落ち着いてゆっくりやりたいと思います」

Te-a
「次の試合でプロ4戦目になるので。前回は負けてしまったので今回は勝って次に進めたらなと思います」

加賀谷花野
「前回負けているんで、しっかり今回はまた強くなったところを見せられるよう頑張ります」

栗山葵
「同門ではないんですけど、大阪で最近練習を一緒にしたりとかしていたんで、お互いの成長しつつ高め合って面白い試合をしようと思っています」

はなこ
「いつも練習しているんですけど、そこは強気で初戦を頑張りたいと思います」

ミッコ・ニルバーナ
「杉山選手は私が格闘技を始めた時、もう既にトップで活躍されていた選手なのでトーナメントを抜きにして戦えることが、とても嬉しいです。ですが、勝ち上がるのは私です」

杉山しずか
「これが1回戦目ではあるんですけれども、1試合、1試合、決勝戦のつもりやるつもりです。良い試合をして勝ったら、1日で2回戦うという私にとって初めての試練で楽しみですので──しっかり、準備したいと思っています」

また今大会で古賀愛蘭と対戦予定だったパク・シウが、コロナ感染により欠場が決まっている。

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