カテゴリー
ARAMI MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase340 RYO SARAMI V.V mei YouTube   キム・サンウォン ジェニー・ファン パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 亀井晨佑 伊藤盛一郎 住村竜市朗 佐藤生虎 大塚智貴 川中孝浩 平田直樹 有川直毅 松井斗輝 林源平 栁川唯人 沙弥子 河村泰博 田嶋椋 笹晋久 粕谷優介 美木航 近藤有己 透暉鷹 高橋遼伍

【Pancrase340】12・24を読む サロハイディノフと対戦、松井斗輝「みんなが言うほど強い相手じゃない」

【写真】スッキリした表情で自信をのぞかせた(C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(土)、東京都目黒区のU-NEXT内カンファレンスルームで、翌24日に横浜武道館で開催されるPANCRASE340の計量が行われた。
Text by Shojiro Kameike

計量では14試合=28選手のうち、フライ級暫定王座決定戦に出場する有川直毅が再計量でクリア。計量終了後、ムハンマド・サロハイディノフと対戦する松井斗輝に試合直前の意気込みを訊いた。


――先ほど計量が終わり、松井選手は56.95キロでクリアしました。

「いつも結構ギリギリですけど、今回は余裕を持ってクリアできました」

――計量後のフェイスオフでは、突然サロハイディノフに持ち上げられましたね。松井選手は挑発に乗りませんでしたが……。

「アハハハ、あれはビックリしました。僕は別に何とも思わないけど、相手は顔が赤くなっていて――自分でやって恥ずかしかったのかなって(笑)」

――今回、サロハイディノフ戦のオファーが来た時は、どう思いましたか。

「たぶんサロハイディノフと対戦することになると思っていたので、『やっぱり来たか』という感じでしたね。今回はランキング上位の選手と試合をさせてほしいと伝えていて」

――サロハイディノフはまだプロで1試合しか経験していませんが、評価が高い選手です。

「そうですね。確かに強いです。でも、みんなが言うほどでは――と思いますよ」

――おっ!! 周囲が抱いている印象と、松井選手の印象とはどのように違いますか。

「確かに勢いは凄いし、ずっと攻め続けてきますけど、細かい技術はそうでもないんじゃないかって思います」

――ご自身については、いかがでしょうか。先ほど計量後のコメントでは「前回の試合より2倍強くなっている」と仰っていました。

「半年前からフィジカルトレーニングをやり始めて、ここ2~3カ月でフィジカルも強くなってきたと実感していますね」

――半年前というと、7月の大塚智貴戦はフィジカルトレーニングを始めた直後ぐらいですか。

「そうです。あの試合は、ちょうどフィジカルトレーニングの効果が出始めたぐらいですね。今までは自重のトレーニングぐらいしかやっていなくて。それがビッグ3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)を中心に、ガンガン重さを上げて鍛えてきました。おかげで大塚戦は、今までの試合よりも安定した試合運びができたんじゃないかと思っています」

――それだけ鍛えると、通常体重が増えていませんか。

「増えましたけど、それでも1~2キロぐらいですね。これからフライ級で上に行くには、しっかりと筋量を増やしていきたいと考えています」

――他に新しく取り組んでいることはありますか。

「打撃の練習量を増やしました。MMAを始めてから、ほとんど打撃の練習はやっていなくて、ほぼ寝技の練習だけでした。打撃に関して言えば、今までの貯金で戦っていたようなもので。でも最近その貯金も無くなってきたというか、うまく行かないことも増えてきたんですよ」

――うまく行かないこと、というのは……。

「パンクラスでの2試合は、どちらも3R戦ったじゃないですか。あれは正直、流してしまったんです。初戦はKO勝ちできたけど、2戦目は完全に『ポイントで勝っているからいいや』という感じで。でも試合内容を考えると、まだまだ気持ちもスタミナも足りないところがある。もう一度、しっかり倒せるようになりたくて打撃の練習量を増やしました」

――……と、いま画面越しに見える耳の湧き方が凄いです。打撃だけでなく、それだけ組みの練習もしてきたということですね。

「そういうことです(笑)。正直、サロハイディノフにはテイクダウンされるかもしれません。でも倒されてから立ち上がる練習をガンガンやってきたので、大丈夫だと思います」

――なるほど。この試合に勝てばランキングも上がり、タイトルマッチも見えてくるかと思います。今大会では伊藤×有川のフライ級暫定王座決定戦も行われます。どちらと対戦したい、という希望はありますか。

「自分にとって相性が良いのは、有川選手だと思います。でも今回は伊藤選手が一本勝ちするんじゃないかと予想していて。そうなれば伊藤選手に挑むことになることになるかもしれませんが、どちらでも構わないです。今回勝ったら、次はタイトルマッチやりたいですね」

■視聴方法(予定)
2023年12月24日(日)
午後1時15分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

■ 対戦カード/計量結果

<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 林源平:76.90キロ
[挑戦者] 住村竜市朗:77.10キロ

<フライ級暫定王座決定戦/5分5R>
伊藤盛一郎:56.65キロ
有川直毅:57.5キロ → 再計量 56.70キロでクリア

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
河村泰博:61.20キロ
透暉鷹:61.05キロ

<ライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
粕谷優介:70.40キロ
雑賀“ヤン坊”達也:70.05キロ

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
沙弥子:47.70キロ
V.V Mei:47.90キロ

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
ジェニー・ファン:47.45キロ
SARAMI:47.85キロ

<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑:66.05キロ
平田直樹:66.10キロ

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍:66.10キロ
キム・サンウォン:65.90キロ

<フェザー級/5分3R>
Ryo:65.95キロ
栁川唯人:65.95キロ

<フライ級/5分3R>
ムハンマド・サロハイディノフ:57.15キロ
松井斗輝:56.95キロ

<71.5キロ契約/5分3R>
近藤有己:70.90キロ
美木航:71.30キロ

<バンタム級/5分3R>
田嶋椋:61.15キロ
笹晋久:61.40キロ

<ウェルター級/5分3R>
川中孝浩:77.20キロ
佐藤生虎:77.30キロ

<フライ級/5分3R>
眞藤源太:56.55キロ
梅原規祥:57.00キロ

The post 【Pancrase340】12・24を読む サロハイディノフと対戦、松井斗輝「みんなが言うほど強い相手じゃない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ARAMI MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase340 RYO SARAMI V.V mei YouTube   キム・サンウォン ジェニー・ファン パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 中島太一 亀井晨佑 伊藤盛一郎 住村竜市朗 佐藤生虎 川中孝浩 平田直樹 有川直毅 松井斗輝 林源平 栁川唯人 沙弥子 河村泰博 田嶋椋 笹晋久 粕谷優介 美木航 近藤有己 透暉鷹

【Pancrase340】12・24を読む ベルトを賭けて河村泰博と戦う透暉鷹─02─「相手の戦績に説得力がない」

【写真】体重を落とすことで練習内容も変わってきたという透暉鷹(C)MMAPLANET

24日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE340で、空位のバンタム級王座を賭けて河村泰博と対戦する透暉鷹のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

1年振りの試合、バンタム級転向初戦でタイトルマッチ――それもフェザー級時代の実績があってこそ。そのタイトルマッチの相手であり、煽りコメントも目立つ河村のことをどのように見ているのか。そんな質問に対し、透暉鷹は「全く気にしていない」と言い切った。


――バンタム級転向初戦で、いきなりタイトルマッチになるとは考えていなかったのではないですか。

「それはなかったですね。もちろんバンタム級に転向しても、パンクラスで試合をしたいと思っていました。でも『すぐにタイトルマッチをやらせてほしい』という気持ちは全くなかったです。ただ、バンタム級なら中島太一選手と試合がしたいとは思っていたんですよ。でも暫定王座決定戦になり、さらに中島選手がベルトを返上して正規王者の決定戦になって。その経緯は仕方ないですが、パンクラスが実力を認めてくれているのか――バンタム級に転向していきなりタイトルマッチというのは本当に嬉しいです」

――「実力を認めてくれるのか」とは、昨年4戦4勝で3試合でフィニッシュし、ベルトを獲得している選手が何を言っているのですか(笑)。

「アハハハ。ありがとうございます」

――もちろん評価されているでしょうし、転向初戦がタイトルマッチでも不思議には思わない実績です。ただ、その対戦相手が河村選手になるとは予想もしていなかったでしょう。

「そうですね。オファーが来た時はビックリしました。試合をしていない間も、ランキング上位の選手はチェックしていたんですよ。そこで河村選手が飛び出してくるとは考えていなくて。井村選手との試合も、井村選手が勝つかなって考えていました。でも一発で決めて――そういう力は警戒しています」

――河村選手の煽りに対しては、どのような印象を抱いていますか。

「煽ってきますねぇ(笑)。SNSもそうですし、記者会見でも煽ってくれているので、ありがたいです。実際はすごく良い人で」

――記者会見のフェイスオフでも、表情に良い人ぶりがにじみ出ていました。選手としての印象はいかがですか。

「不思議な感じですよね。とにかくフィニッシュする、狙ってくるという印象はあります。う~ん、どうなんだろう? 何ていうのか……」

――ここは正直な印象を聞かせてください。

「はい。あんまり相手のことは気にしていないです(笑)。河村選手がこれまで日本のトップ中のトップに勝っていたら、気にはなりますよ。でも、そうではなくて。だから煽られても気にならないし。要は、どれだけ言っていても河村選手の戦績に説得力がないわけで」

――……。

「本当は良い人だし、格闘技を盛り上げるために煽ってくれていることは分かります。盛り上げ方は人それぞれで。だから、それはそれで良いことだと思いますよ。たとえば選手として、極めが強い。フィニッシュを狙ってくる――といっても、自分も今まで練習で積み重ねてきたものがあります。だから今までやってきたことを確認するとしても、何か特別に河村選手の対策を組むということはないですね」

――では透暉鷹選手にとって、この試合の意味とは何でしょうか。

「対戦相手どうこうではないです。河村選手が相手だから――ということはなくて。自分がどれだけ試合に向けて練習できたか。そして、今までやってきたことを試合で出せるかどうか。今後のことを考えたら、自分自身がどうするのかっていうほうが大事ですよね」

――確かに。1年のブランクは気にしていないとのことでしたが、初のバンタム級戦という点はいかがですか。

「実は……完全にバンタム級でやると決めていたわけではなかったんですよ」

――えっ!?

「まず一度バンタム級で試合をしてみる。バンタム級のリミットまで落とすことは問題なくて。でも落としたことで動きが悪くなっていたら、バンタム級で戦う意味はないですよね。正直、そう思っていました。でもフェザー級のベルトを返上して、バンタム級でもタイトルマッチが組まれて――」

――もうバンタム級でやっていかざるをえなくなったと(笑)。

「アハハハ。とにかく、まずはバンタム級で試合をしてみてから――という感じです。もちろんベルトを獲ったらバンタム級で防衛戦をしないといけませんし。ただ、この階級で戦うことに対して不安はなくて。まずはこの1年間、自分がやってきたことを試合で出す。だから次のタイトルマッチは、試合内容を見てほしいです」

――この1年間で何が変わってきましたか。

「やっぱり体が軽くなると、スピードも動きも全然違います。逆に体重を落としても、組み力や体幹などは変わっていませんね。それだけ動きが良いと、スパーリングでも自分から先にペースを作っていくことができているんですよ。そうなると自分はスタミナが落ちず、反対に相手が疲れてくる。だから体重を落としたことで、どんどん自分のレベルも上がっていると思います」

――反対に、通常体重から減らしていることでストレスはないですか。

「それは無いです。ちゃんと管理栄養士さんと相談しながら、何か食べないとか無理をしているわけではないので。好きなお菓子を食べることが減ったぐらいですかね(笑)」

――それは良かったです(笑)。では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「1年振りの試合で、初のバンタム級戦です。手術をして試合ができない間も、たくさんの方にサポートしていただきました。そうして応援し続けている方たちに恩返しができるような試合を見せたいです。よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
2023年12月24日(日)
午後1時15分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

■ 対戦カード

<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 林源平(日本)
[挑戦者] 住村竜市朗(日本)

<フライ級暫定王座決定戦/5分5R>
伊藤盛一郎(日本)
有川直毅(日本)

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
河村泰博(日本)
透暉鷹(日本)

<ライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
粕谷優介(日本)
雑賀“ヤン坊”達也(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
沙弥子(日本)
V.V Mei(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
ジェニー・ファン(台湾)
SARAMI(日本)

<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
平田直樹(日本)

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
Ryo(日本)
栁川唯人(日本)

<フライ級/5分3R>
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)
松井斗輝(日本)

<71.5キロ契約/5分3R>
近藤有己(日本)
美木航(日本)

<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
笹晋久(日本)

<ウェルター級/5分3R>
川中孝浩(日本)
佐藤生虎(日本)

<フライ級/5分3R>
眞藤源太(日本)
梅原規祥(日本)

The post 【Pancrase340】12・24を読む ベルトを賭けて河村泰博と戦う透暉鷹─02─「相手の戦績に説得力がない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB ARAMI ISAO MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase340 RYO SARAMI UFC V.V mei YouTube アキラ アレックス・ヴォルカノフスキー キム・サンウォン ジェニー・ファン パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 亀井晨佑 伊藤盛一郎 住村竜市朗 佐藤生虎 川中孝浩 平田直樹 有川直毅 松井斗輝 林源平 栁川唯人 沙弥子 河村泰博 田嶋椋 笹晋久 粕谷優介 美木航 近藤有己 透暉鷹 高橋遼伍

【Pancrase340】ヤン坊と挑戦者決定戦、粕谷優介「別にやりたくもないし、あのパンチは避けられない」

【写真】試合前は弱気一点張りの粕谷だが、ケージに入ると覚悟が決まるという (C)MMAPLANET

24日(日)に横浜市中区の横浜武道館で開催されるPancrase340で、雑賀“ヤン坊”達也とライト級KOPアキラへの挑戦権を賭けて戦う粕谷優介。
Text by Manabu Takashima

モチベーションは勝利後の子供たちとの記念撮影。そんな粕谷のMMA観は、タイトル戦線に戻ってきても何ら変わっていなかった。


――UFC後、パンクラス参戦から序盤は1勝4敗と黒星先行で厳しい状態でしたが、ここのところは3連勝で王座挑戦権を賭けて戦うまで復調しました。

「結果が出ていなかったときは、日々忙しいというのが一番でした。会社員をやりながら道場を経営して、試合に向けて調整する。そこに関して自分でも内心、『限界はあるよな』とは思っていました。道場も忙しく、仕事も忙しい。そうですね、限界かなと」

――限界を感じてもプロ格闘家を続けました。

「2年前にある日突然、格闘家ではなくて会社員であることに限界がきました。13年間働き、そこそこ責任のある立場だったのに会社を素通りして家に戻ってしまったことがあったんです。その日は休ませてもらったのですが、立場があるのにこれを繰り返してはいけないと思いました。

そのある程度の立場になったことで、仕事に対してモチベーションを保つことができなくなっていました。社長にも『ウィンカーを出したのに、会社に入れなかった。これはもう続けることはできないです』と説明をして。会社の方も相当に引き留めてくれましたが、もう行くことができなかったです」

――サラリーマンとしての収入をなくしても、道場でやっていけるということ算段は?

「う~ん、実際にやっていけるというのではなくて見込みがあるという状態でしたね。『なんとかなるかな』って。結果、仕事を辞めると単純に練習時間が増えて疲れも取れるようになりました」

――そこが好調の原因だと。

「まぁ、それだけが理由で勝てているのかは分からないですけど、シンプルに格闘技のことを考えている時間は増えました」

――プロ練習や出稽古は?

「やっていないです。時間がないので。会社員を辞めて時間が取れると思ったのですが、思いのほかパーソナル・トレーニングの予約が入ってきて」

――経営者として良いことですが、ファイターとしては以前と変わらないのでは?

「いえ、それが僕のやっているパーソナルは、は時代と逆行して『ゲロを吐くまでやらせる。優しくしないパーソナル』なんです。追い込みまくる(笑)。それなのに、なぜか受けてくれる人が多くて。パーソナルの時に僕自身も相当に体を動かしているので一石二鳥になっているのかもしれないです(笑)。

それだけで、何も新しいことをやっているわけではないので、結果が残せている理由は自分でも分からない。ガチスパーもやっていないですし、ずっと打ち込みばかりをしていて。ヘロヘロになるまで打ち込みをやる。逆にガチスパーをやっていないので、ケガがなくなったということはありますね。前回の試合は少しあったのですが……」

――では対策練習は?

「なんとなくやる程度です。結局、できることは限られてきてしまうので。くっついてバックに回る。それを確認する作業……ですね。ただ柔術は週に6度練習しています。試合のためでなく、子供たちとただ楽しくやっているようなものでも柔術の技術に関しては『よく、何もしらないでやっていたな』と以前の自分のことを思うようになりました。

それとヴァンガード柔術のレアンドロ・オカモト先生のところ……秦野には通っています。オカモト先生と生徒さんと2時間、バッチリと練習するためにその日だけはパーソナルはお断りしています。それも楽しいから行っているのですが――。

MMAのスパーリングは前回の試合前も、道場生と3回か4回やっただけですね。プロ練習のような強度の高いスパーリングは大事だと思います。でも、もう13年もやってきているので、そこはイイかなと。その分、柔術の練習で極められまくりますし。未だにエビすら、真っ当にできないので日曜日に子供と3人でやっています。柔術は強くなるためでなく、知らないことを教えてもらえるから楽しい。そうやって考えると、格闘技をやる楽しさを思い出したから、試合も戦おうと思えるようになったのかと」

――その結果の3連勝で、今回は挑戦者決定戦を戦います。

「まぁランキング的にはソロソロかとは思っていたのですが、如何せん……UFCから松嶋(こよみ)君、ISAO選手と4連敗をしたことは引きずってきました。あの4連敗を経験して、続けているということが一番自慢できることです。心は完全に折れていて、辞めたいとしか思っていなかったんです。でも、続けることができたので」

――UFCの負けの一つはアレックス・ヴォルカノフスキーが相手ですし。

「子供がUFCの凄さを理解できるようになり始めた時に『このメチャクチャ殴られているの、パパだよね』って言ってきて(苦笑)。勝った試合より、その負けが凄いと。子供たちは柔術を5年ぐらいやっているので、分かるようになったんですよね。『エビができていない』、『なんで足関節にいく?』とか『なんで、普通のフックスイープをしないの?』なんて言われています。勝ち負けでなく、そういうことを言ってくるんですよ。

でもちゃんと教えている通りに、自分も動かないといけないなって思わされます。キッズには一番安全なことを指導しているので、それは自分も同じじゃないかと。あと自分の子供は週に4日、柔術の練習をしています。土曜日は柔術と空手の2部練習。子供が週に4日やっているなら、選手としてではなく親として週に5度は練習しないといけないです。そして子供たちが頑張れという限りは、自分も頑張る。その頑張りが一番伝わるのが試合だから出ているんです。

だから試合に勝った後の記念撮影は、すぐに退場ってマイクで急かさないでもう少し時間が欲しいです(笑)。思い出創りなので、もう少し待ってくださいって。ただ試合をする限り勝ちにはこだわりますし、戦うからには強い人とやりたい。怖いからこそ、そこと戦わないと」

――結果、試合は嫌だと以前と同じことを口にする?(笑)。

「今日も会見でヤン坊選手と向き合って、嫌でした(笑)。別にやりたくもないし、あのパンチは避けられない。絶対に貰うので」

――組んでバックが勝利の方程式ですが、粕谷選手は打撃戦も展開します。

「まぁ、貰う覚悟というか殴られる前提で戦っているので」

――そこで怖さというのは?

「ケージに入ると覚悟は決まります。入るまでは殴られたくないし、ずっと寝技だけをやっていたい。でも、分かりやすく強いのはMMA。そうなると試合をするしかないですよね。殴られるのは嫌ですけど、けっこう殴られてきました。殴られることから逃げていると、勝てないです。で、そこで倒されてもそこまでの技量しかない。そうですね……勝ちたいですけど、道場で教えている人間としては勝ちも負けも両方を見せるしかない。ほんと、だから今はメチャクチャ辞め時かなって。キッズたちは『先生、結構強いぞ』と思ってくれている今こそ、そのタイミングなんじゃないかと」

――タイトル挑戦、ベルト奪取。そこから先に何を目指すのかと尋ねようと思っていたのですが……(笑)。

「でも、辞める辞める詐欺になりますよ(笑)。辞めたいけど、どうせやるんだろうって。結局、環境のせいにしたり諦めちゃう人が多い世の中なので、諦めないでズルズルやっている人もいるよ――というのを見てくれる人がいれば。別に勇気や希望を与えたいわけじゃない。見たかったら、見てくださいというテンションでしかないです。辞めないのは、他に頑張ろうと思えるものを探してもなかなか見つからないです。

こういうことを言うと『舐めている』とか『本気じゃない』って言われますけど、僕の中では全部本気でやっています。ずっと、本気でやってきました」

■視聴方法(予定)
2023年12月24日(日)
午後1時15分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

■ 対戦カード

<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 林源平(日本)
[挑戦者] 住村竜市朗(日本)

<フライ級暫定王座決定戦/5分5R>
伊藤盛一郎(日本)
有川直毅(日本)

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
河村泰博(日本)
透暉鷹(日本)

<ライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
粕谷優介(日本)
雑賀“ヤン坊”達也(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
沙弥子(日本)
V.V Mei(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
ジェニー・ファン(台湾)
SARAMI(日本)

<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
平田直樹(日本)

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
Ryo(日本)
栁川唯人(日本)

<フライ級/5分3R>
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)
松井斗輝(日本)

<71.5キロ契約/5分3R>
近藤有己(日本)
美木航(日本)

<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
笹晋久(日本)

<ウェルター級/5分3R>
川中孝浩(日本)
佐藤生虎(日本)

<フライ級/5分3R>
眞藤源太(日本)
梅原規祥(日本)

The post 【Pancrase340】ヤン坊と挑戦者決定戦、粕谷優介「別にやりたくもないし、あのパンチは避けられない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
IMMAF MMA MMAPLANET NEXUS o PANCRASE Pancrase340 YouTube チャンネル パンクラス ボクシング ムハンマド・サロハイディノフ ライカ 井村塁 伊藤盛一郎 住村竜市朗 佐藤生虎 川中孝浩 有川直毅 村山暁洋 松井斗輝 林源平 河村泰博 田嶋涼 笹晋久 美木航 藤田大 近藤有己 透暉鷹

【Pancrase340】横浜武道館大会の追加対戦カード発表。透暉鷹がバンタム級暫定王座戦へ

【写真】会見はYouTubeで中継(C)MMAPLANET

15日(水)、都内にて12月24日(日)に横浜武道館で開催されるPANCRASE340の追加対戦カード発表記者会見が行われた。
Text by Shojiro Kameike

会見は1部と2部に分かれ、パンクラスのYouTube公式チャンネルでも中継されている。今回の記者会見で発表されたのは次の7カードだ。

ウェルター級KOP選手権試合:林源平×住村竜市朗
バンタム級暫定王者決定戦:河村泰博×透暉鷹
フライ級暫定王座決定戦:伊藤盛一郎×有川直毅
フライ級:ムハンマド・サロハイディノフ×松井斗輝
バンタム級:田嶋涼×笹晋久
71.5キロ契約:近藤有己×美木航
ウェルター級:川中孝浩×佐藤生虎


バンタム級転向のために保持していたフェザー級のベルトを返上していた透暉鷹が、転向初戦で暫定ながらタイトルマッチに挑む。対戦相手は現NEXUS王者であり、今年9月に井村塁をギロチンで秒殺してランキング1位に昇ってきた河村だ。透暉鷹にとっては2階級制覇、河村にとっては2冠王者を目指す戦いとなる。

ウェルター級は今年6月に村山暁洋を判定で下し、新王者となった林源平に住村竜市朗が挑む。野球のヘルメットを被って会見に臨んだ住村は、ややスベり気味――しかしこれが、関西特有のスベり芸なのか。ともあれ、右主体のストライカーだった林は村山戦で鋭い左ジャブでアウトボクシングを展開。一方の住村も「塩漬け上等」と言いながら9月の藤田大戦は怒涛のパウンドアウトと、新しい一面を見せ続けている両者だけに、どのような展開になるか楽しみだ。

また、近藤有己が71.5キロ契約で、これが約7年ぶりのMMAを戦う美木航を迎え撃つことに。「2年ぐらい前から試合用の練習をしていた」という美木は、これがパンクラス初参戦となる。さらにIMMAF世界王者で、9月にパンクラスでプロデビューしたサロハイディノフと、プロデビューから6連勝中の松井斗輝が対戦することも決定している。

The post 【Pancrase340】横浜武道館大会の追加対戦カード発表。透暉鷹がバンタム級暫定王座戦へ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase337 矢澤諒 笹晋久

【Pancrase337】矢澤の右は届かず。シングルレッグで勝負し続けた笹がフルマーク判定勝ち

【写真】(C) MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
矢澤諒(日本)

サウスポーの笹に矢澤が右インローを当てる。さらに右を伸ばす矢澤、笹は左ミドルを返した。ケージを背負った笹が矢澤の左足にシングルレッグで組みつきケージ際へ。ハイクロッチに切り替えた笹は、ヒザで削りつつ抱えている左足を引き付ける。笹は矢澤に手を着かせるとバックを狙う。左腕を差し入れた矢澤が立ち上がって正対した。ここで笹の右ヒザ蹴りが矢澤の下腹部をとらえ、試合が中断される。再開後、笹が左ミドルハイを見せた。プレスをかけてくる矢澤に、またもシングルレッグで組みつく笹だが、背中を着かせることはできない。矢澤も笹の左腕をすくって守り続けた。

初回はジャッジ3者とも10-9で笹を支持している。

2R、ケージ中央で笹がワンツーから飛び込んだが、矢澤が離れた。矢澤はプレスをかけながら右ローを当てる。笹がシングルレッグで入るタイミングをうかがうも、少し距離が遠い。矢澤の右ローが当たる。笹の左ミドルハイは届かず。矢澤がパンチを振るったところに笹がシングルレッグで入り、スプロールされるという展開が続く。ラウンド半分でようやくケージに押し込んだ笹が、ここでもバックを狙う。矢澤が左腕ですくい上げているため取り切ることができない。矢澤が正対すると笹は逆方向の足に組みついた。一度尻もちを着かせた笹が、起き上がる矢澤を押し込み続けた。

このラウンドもジャッジ3者が笹の10-9とした。

最終回。笹が左ミドルハイから突進し、矢澤の右足を掴んだ。すぐに離れた矢澤に対し、徹底してシングルレッグで入っていく。笹にケージを背負わせた矢澤は右を振るうも、クリーンヒットせず。やはり笹がシングルレッグでドライブする。スイッチから離れた矢澤が、突っ込んで来る笹に右を浴びせる。笹の左フックもヒットした。矢澤の右を受けながら、とにかくシングルレッグで組みに行く笹。そのままケージに押し込まれた矢澤はパンチとヒジを打ち込む。離れた矢澤はプレスをかけながら笹のシングルレッグを一度はスプロールしたが、再び組まれてケージに押し込まれてしまう。矢澤はスイッチを狙ったが、腕を切られて形勢を変えることはできなかった。

裁定はジャッジ3者ともフルマークで笹の勝利とした。


The post 【Pancrase337】矢澤の右は届かず。シングルレッグで勝負し続けた笹がフルマーク判定勝ち first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase337 ムハンマド・サロハイディノフ 亀井晨佑 井村塁 住村竜市朗 佐藤生虎 余勇利 八田亮 冨樫健一郎 北岡悟 安藤武尊 山口怜臣 岡野裕城 川中孝浩 平田直樹 押忍マン洸太 新居すぐる 松岡嵩志 松本光史 河村泰博 矢澤諒 神谷大智 秋葉太樹 笹晋久 粕谷優介 葛西和希 藤田大 遠藤来生 雑賀ヤン坊達也 高本千代 黒澤亮平

【Pancrase337】北岡イズム。葛西和希戦へ、松岡嵩志─02─「どうにかなるは、勝負じゃなくて博打」

【写真】濃いキャリアを送っている松岡。さらに濃くするために負けられない葛西戦だ(C)MMAPLANET

明日24日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE337で、葛西和希と対戦する松岡嵩志のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

右を主体にKOを生み出してきた松岡だが、トップ選手との対戦が増えるにつれ、右を打つ瞬間を狙われることも増えてきた。そんななか、松岡はいかに「自分の弱さ」を克服してきたのか。前回の岡野戦で進化した姿を見せた松岡が語る葛西戦と、北岡悟イズム――。

<松岡嵩志インタビューPart.01はコチラから>


――岸本戦に続く粕谷優介戦は、衝撃のKO劇でした。

「ちょうど粕谷選手が調子を落としていた時期だったと思います。でも、そのチャンスをモノにできたことは大きかったですね。以降は対戦相手に実力者が続くようになって」

――粕谷戦のあとは松本光史選手、冨樫健一郎選手、雑賀ヤン坊達也選手、そして岡野裕城選手と対戦しています。文字通り強豪と対戦し続けていますね。

「勝った試合も負けた試合も、胸を張って『強い相手だ』と言える選手ばかりでした」

――仰る通りです。ただ、松岡選手といえば右ストレートが強いというイメージがありました。しかし松本戦と雑賀戦は松岡選手の右にパンチを合わせてきました。

「正直、あの2人が素晴らしい選手であることは間違いないです。松本さんは今でも一緒に練習させてもらっていて。メチャクチャ強いですし。雑賀選手も試合前から『シンドイ相手だな』と思っていました。それよりも自分の弱い部分が出てしまいました。

最初に試合をコントロールし始めたのは自分なんですよね。それは2人の強さに焦りを感じて、早く試合を決めたいと思ってしまったからなんです。それで突っ込んで、負けてしまう。今までのKO負けも全て同じで、弱い自分が出てしまって負けることが多かったので。この2試合も相手のプレッシャーが強いからこそ、それが出てしまったんですけど……。あれは北岡さんからも『技術で負けたわけじゃないけど、気持ちの面が出てしまうけど、この結果になってしまうよね』という話をしてもらいました」

――直近の岡野戦は、2つの敗戦を踏まえて戦術の変更があったのですか。

「戦術というよりは、とにかく突っ込まないようにしました。自分にとって良い状況になったり、あるいは自分が追い込まれた時には、どうしても得意な右に頼ってしまいますよね。右を当てればどうにかなるというのは勝負じゃなくて博打ですから」

――「勝負ではなく博打」、とても良い言葉です。

「そういう意味では、岡野選手との試合は良かったと思います。岡野選手のジャブは本当に凄くて、それでも我慢して蹴ったり、テイクダウンのフェイントを混ぜたりして勝負できたので。あまり自分が崩れることもなく勝てたので、自分の中では満足しています」

――岡野選手が左ジャブを出してくると、右を被せるかインサイドから打ち込みたくはなりませんでしたか。

「やっぱり狙ってしまうところはありました。でも岡野選手のリーチが長いのと、顔を後ろに背けるディフェンスをするので、右クロスは当たりづらくて。それも踏まえて左フックまで返して。右は打ちたくなります。要は、いかにして良い右を打ち込むか。重要なのは、そこですよね」

――もうひとつ、松岡選手といえばローの強烈さが印象深いです。ローが当たっている時ほど右ストレートも当たるようになっていて。

「そうですね。岡野戦でも右ローがバシバシ当たっていて。蹴ると体のバランスが良くなります。実は冨樫さんとの試合は足を痛めていて、『これは蹴れないな』と思っていたんです」

――えっ! でもバシバシ蹴っていましたよね。

「アハハハ、そうなんですよ(笑)。試合前は、たとえ蹴れなくても蹴るフェイントを入れれば体のバランスが戻ってくるから、フェイントだけは入れていこうという話をしていました。だから蹴りは生命線というか、すごく重要な武器です」

――次に対戦する葛西選手も蹴りが得意なファイターです。

「柔道出身だからグラップリングをやるのかと思ったら、最近はキレのある蹴りを打ってきますよね。負けたけど粕谷選手との試合も良かったですし、あの小気味よい蹴りは僕も嫌いじゃないです(笑)」

――対戦相手の蹴りが好みですか(笑)。

「粕谷選手はメチャクチャ強くて、あの試合を物差しとしては考えられないですよね。僕と粕谷選手では違いすぎるという意味で。僕には粕谷選手ほどのテイクダウンやグラップリング力はない一方で、打撃面では粕谷選手ではなく葛西選手のほうがコントロールしていたと思います。とにかく次の葛西戦が厳しい試合になることは間違いないです」

――その葛西戦では、どういった試合を見せたいですか。

「正直、試合で何かを見せるということは考えたことがないです。もちろん良い試合、良いKOを見せることができれば、それに越したことはないです。でも勝負をしていれば、ハマる人にはハマると思いますし。僕としては勝ちを求めるだけで、自分が勝ちに行く過程で何かを見せられたら――あとは観ている人が判断してほしいです」

――その言葉はまさに北岡イズムですね。

「あぁ、確かにそうですね。でもそれは北岡さんにお世話になるなかで、僕が北岡さんに染まってきたわけじゃないんですよ。ロータスに行きたいと連絡する前から、北岡さんの意見に共感することが多くて。だから僕のほうから北岡さんに『練習させてもらいたい』と連絡しました。僕も勝利至上主義なので」

■Pancrase337計量結果

<フェザー級KOP決定戦/5分5R>
亀井晨佑:65.75キロ
新居すぐる:65.65キロ

<ウェルター級/5分3R>
藤田大:75.5キロ
住村竜市朗:77.55キロ

<ストロー級/5分3R>
八田亮:52.75キロ→52.6キロ
黒澤亮平:52.55キロ

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太:76.65キロ→77.55キロ
川中孝浩:76.95キロ

<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.35キロ
河村泰博:61.65キロ

<フェザー級/5分3R>
平田直樹:66.25キロ
遠藤来生:66.0キロ

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹:57.05キロ
ムハンマド・サロハイディノフ:57.05キロ

<ライト級/5分3R>
余勇利:70.55キロ
神谷大智:70.55キロ

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣:61.6キロ
安藤武尊:61.0キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.15キロ
葛西和希:70.6キロ

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:51.85キロ
高本千代:52.0キロ

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒:61.8キロ→61.65キロ
笹晋久:61.4キロ

<フライ級/5分3R>
梅原規祥:57.05キロ
饒平名知靖:56.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎:77.5キロ
渡邉ショーン:77.0キロ

The post 【Pancrase337】北岡イズム。葛西和希戦へ、松岡嵩志─02─「どうにかなるは、勝負じゃなくて博打」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase337 ジェイク・ムラタ パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 上田祐起 亀井晨佑 井村塁 住村竜市朗 佐藤生虎 余勇利 八田亮 安藤武尊 山口怜臣 川中孝浩 平田直樹 押忍マン洸太 新居すぐる 松岡嵩志 河村泰博 矢澤諒 神谷大智 秋葉太樹 笹晋久 葛西和希 藤田大 遠藤来生 高本千代 黒澤亮平

【Pancrase337】笹晋久戦へ、必殺の右ストレート誕生の秘密。矢澤諒─02─「スイッチしている頃は……」

【写真】警戒心の強い笹、かといって下がるわけでもなく組み力の強い相手にどのような打撃戦を仕掛ける(C)MMAPLANET

24日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE337で、笹晋久と対戦する矢澤諒のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

矢澤といえば右ストレート。右を得意としているファイターが多い現在のパンクラスで、その威力はトップレベルを誇る。さらに組みや右以外のパンチを鍛えることで、より右ストレートも輝くようになってきた。そんな矢澤の右ストレートの秘密に迫る!

<矢澤諒インタビューPart.01はコチラから>


――ご自身のフィニッシュブローを右ストレートと定めたのは、いつ頃ですか。

「プロデビュー戦ですね。北岡さんの興行(2020年7月、iSMOS)でデビュー戦を組んでもらった時、大井洋一選手を右で倒してから『右で倒せるんじゃないか』という意識が生まれました。そのあと2連敗したことで、自分の中に迷いも出ていたんです。でも『どれだけ自分の打撃が通用するのか』という気持ちで相手に向かうようになってからは、右で倒せるようになっています。負けたことで逆に、しっかり打撃をやるようになりました」

――現在は3連続KO勝ちです。これだけ右が当たる秘訣はあるのでしょうか。

「自分の中では、右が当たるイメージづくりが一番大切だと思っています。試合に向けて、自分の右が対戦相手にどう当たるかをイメージしながらスパーリングしたり、サンドバッグを打つようにしています」

――2022年5月の上田祐起戦までは、頻繁にスイッチしていましたよね。

「僕は身長が低いので、どうすれば相手の懐に入れるかって考えていました。もともとはオーソドックスですけど、サウスポーも出来たのでスイッチしながら懐に入ろうと。でも技術的にも中途半端だったために、あの結果に終わったのかと思います」

――次の漆間戦からはスイッチすることなく、オーソドックスで戦っています。上田戦の結果を受けて、何か気持ちの変化があったのですか。

「はい。『もう細かいことは考えずに殴り合っちゃおう』と。それがうまくハマッたのかなと思っています。たまたま、かもしれないですけど(笑)」

――ここまで右ストレートでKOしていたら偶然ではないでしょう(笑)。これは結果論ですが、スイッチしている頃の試合ぶりと現在を比べたら、今は迷いがないように感じます。

「そうなんです。スイッチしている頃は、試合中も全体的にフワフワしていました。すると相手にとっては怖さもなかったんじゃないですか。今は右ストレートを軸に圧をかけていますから、相手も下がってくれるんだと思います」

――もう一つ。右ストレートが当たるということは、右以外の要素も増えてきたということですよね。

「どんどん対戦相手のレベルが上がって、自分の右は絶対に警戒されます。でもそれが僕にアドバンテージになっていて。相手が右を意識してくれるおかげで、他のパンチが当たるようになってきていると思います」

――右だけでなく左のパンチも当たるようになってきています。ジャブなのか、フックなのか、あるいはその中間というべきか……相手にとっては見えにくいパンチだと思います。

「左はスマッシュ気味に打っています。そうやって常に、右だけに頼らないように取り組んでいます」

――さらに現在は、大道塾吉祥寺支部の飯村健一さんにも打撃を教わっているのですか。

「去年10月の漆間戦が終わってから、飯村さんのところに行かせてもらっています。純粋なミットの打ち込みをやりたいと思って飯村さんにお願いしました。マンツーマンで丁寧に教えてくださるので、メチャクチャ勉強になっています」

――ここ数試合を視ると、打撃を出す際の重心が変化していませんか。それは飯村さんの指導や、タケ大宮司さんのトレーニングの影響なのでしょうか。

「打撃を出した時に止まれるようになりました。以前はパンチを打つ時にどうしても、つんのめっていたんですよね。つんのめるなら、そのままスイッチしようと考えて」

――それがスイッチ時代に繋がるのですね。

「つんのめらずに止まれるようになったのは、タケさんに股関節の使い方を教わった効果もありますね。あとは自分のパンチの力が、どれだけ相手に伝わるかをイメージしならがサンドバッグを打つ。それで右のインパクトが強くなったんだと思います。今は誰が相手でもパンチで倒せる自信があります」

――では次の対戦相手、笹選手の印象を教えてください。

「フィジカルが強いという印象があります。でも僕は相手がどうだからこう……ということは、あまり考えていなくて。自分が強いところをぶつけることができれば勝てる。ぶつけられなければ負ける。自分はまだそのレベルだと思っています。もっと上に行かないと、相手どうこうは言えないかなって。今は自分のやるべきことをどれだけ形にできるか、ですね」

――打撃だけでなく組みのレベルについては、どのように考えていますか。前回のジェイク・ムラタ戦は組んでくる相手を切り続けて、パンチで倒しました。

「ジェイク選手と試合をするにあたって、まず自分のパンチが当たれば絶対に倒れるから、組みの練習を増やしました。それで試合で組まれた時に『大丈夫だ』と思って、安心することができました」

――なるほど。矢澤選手は現在パンクラスのバンタム級4位で、この試合で勝てばベルトを狙える位置につけています。最後に次の試合への意気込みをお願いします。

「次の笹選手はパンクラスのランキングには入っていないけど、実力を考えると上のほうにいる選手です。ここで勝てるか勝てないかで、今後の自分の進む道が決まっちゃうのかと思います。まずはファーストコンタクトでどれだけ出せるか。しっかりと勝って、皆さんに矢澤諒を見せたいです。ぜひ注目してください!」


■Pancrase337計量結果

<フェザー級KOP決定戦/5分5R>
亀井晨佑:65.75キロ
新居すぐる:65.65キロ

<ウェルター級/5分3R>
藤田大:75.5キロ
住村竜市朗:77.55キロ

<ストロー級/5分3R>
八田亮:52.75キロ→52.6キロ
黒澤亮平:52.55キロ

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太:76.65キロ→77.55キロ
川中孝浩:76.95キロ

<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.35キロ
河村泰博:61.65キロ

<フェザー級/5分3R>
平田直樹:66.25キロ
遠藤来生:66.0キロ

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹:57.05キロ
ムハンマド・サロハイディノフ:57.05キロ

<ライト級/5分3R>
余勇利:70.55キロ
神谷大智:70.55キロ

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣:61.6キロ
安藤武尊:61.0キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.15キロ
葛西和希:70.6キロ

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:51.85キロ
高本千代:52.0キロ

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒:61.8キロ→61.65キロ
笹晋久:61.4キロ

<フライ級/5分3R>
梅原規祥:57.05キロ
饒平名知靖:56.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎:77.5キロ
渡邉ショーン:77.0キロ

The post 【Pancrase337】笹晋久戦へ、必殺の右ストレート誕生の秘密。矢澤諒─02─「スイッチしている頃は……」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase335 Pancrase337 RIZIN パンクラス ボクシング ムハンマド・サロハイディノフ 亀井晨佑 井村塁 住村竜市朗 佐藤生虎 余勇利 修斗 八田亮 安藤武尊 山口怜臣 川中孝浩 平田直樹 押忍マン洸太 新居すぐる 松岡嵩志 河村泰博 矢澤諒 神谷大智 秋葉太樹 笹晋久 葛西和希 藤田大 遠藤来生 高本千代 黒澤亮平

【Pancrase337】パンクラス2戦目=八田亮戦へ、黒澤亮平「真剣にMMAと向き合っていない選手には……」

【写真】5月で30歳になった黒澤。打の圧があるトータルファイター、完成度は相当に高くなっている(C)TAKUMI NAKAMURA

24日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE337で、黒澤亮平が八田亮と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

修斗を主戦場に戦い、第6代世界ストロー級王者となった黒澤。今年7月からはパンクラスに活躍の場を求め、9月大会に連続参戦となった。勢いで勝ち続けていた時代、技術を覚えてファイトスタイルのバランスに苦しんだ時代を経て、今は「技術を乗せた喧嘩が出来るようになった」という。自分の強さを追求する日々を「難しいけど楽しい」と表現した黒澤にパンクラス2戦目を控える心境を訊いた。


――7月PANCRASE335での小林了平戦に続いて、パンクラスに連続参戦することになった黒澤亮平選手です。プロデビューからキャリアの多くを修斗で戦ってきた黒澤選手がパンクラスに参戦を決めた理由はなんだったのですか。

「今年は4月の修斗沖縄大会に出て、たくさん試合をやるつもりだったんですけど、なかなか次の試合が決まらない状況が続いて。その時に周りの人たちから『修斗以外には興味がないの?』と言われて、自分としては修斗へのこだわりがあったんですけど、修斗では色んな選手と対戦したし、修斗以外でも試合のチャンスがあるなら試合をしたいと思っていました。そういう流れもあって7月にパンクラスさんに出させてもらいました」

――大会、イベントとしてパンクラスにはどのような印象を持ちましたか。

「もともとうちのジム(パラエストラ松戸)は修斗で試合をする選手が多かったですし、同じMMAの試合なんですけど、プロモーションが違うと計量から雰囲気が違いましたね。すごく新鮮でした」

――黒澤選手が“飛鳥拳”として修斗デビューした当初と比較すると、プロ選手が試合をする舞台や選択肢もかなり増えていますよね。

「そうですね。若い選手も増えてきましたし、選手それぞれ戦いたい舞台があって、そこに出ているという感じですよね。あとは練習中に僕が最年長という時もあるくらいなので、だいぶ変わりました(笑)」

――先ほどは「今年はたくさん試合をやるつもりだった」という言葉もありましたが、それは何か理由があるのですか。

「コロナの影響もあって、意図しない形で試合数が減ってしまって。僕は試合が一番強くなれる方法だと思っているので、それが戦績に影響した部分もあったと思うし、できるだけ試合数は減らしたくなかったので、今年はがむしゃらに試合しようと思いました」

――実際に今年は4月、7月、9月と試合が続いていて、コンディションは上がっていますか。

「そうですね。7月の試合が終わって、すぐ9月のオファーをいただいて、いい意味で間を置かずに練習が出来ています」

――対戦相手の八田亮選手の印象は?

「一言でいうと“極め”ですね」

――あれだけ極めに特化する選手は今のMMAでは珍しいと思います。

「はい。だから見ていて面白いと思うんですけど、ぶっちゃけそこまで真剣にMMAと向き合ってないと思うんですよ。そういう選手には負けたくないですね」

――ファイトスタイル・キャラも含めて、独特というか個性的な選手ではあると思います。

「実際にどうかは分からないですけど。僕はずっと『どうすればMMAで強くなれるのか?』を考えて、毎日MMAで勝つための練習をしているので、そこの違いを見せたいと思います」

――逆に今の黒澤選手が考えるMMAにおける理想の戦い方はどんなものですか。

「少し話はさかのぼるんですけど、僕が修斗でチャンピオンになった時(2016年7月)は、今思うとチャンピオンに“なれた”というより“なっちゃった”という感じだったんです。それから怪我でベルトを返上して復帰するにあたって、ちゃんとMMAを深堀して色んな技術を身につけようとしたんです。そうしたら技術先行のスタイルになって、試合でも技術で勝とうとするようになっちゃって。それでバランスが崩れて、上手くいかない時期がありました。でも今はそこが改善されてきて、MMAの技術を乗せた喧嘩が出来るようになりました。自分の強さで相手の強さを飲み込んでしまう、そういう戦い方が理想ですね」

――では7月の小林戦のKO勝ちは、それまでのKO勝ちとは違うものですか。

「全然違いますね。色んなことを想定して、試合中も色んなことを考えて、自分で試合を作ってKOすることが出来たんです。最後のパンチやKOシーンを褒めてもらうことが多かったのですが、自分のなかではKOするまでの過程・中身が違いましたね。今までの僕はステップを使って、簡単に言うとアウトボクシングして、自分の打撃を突くスタイルだったんですよ。でも今は自分から試合を作って、自分の強さ=ストロングポイントをぶつけて勝つ。そういう戦い方になっていると思います」

――今練習していて自分の伸びしろを感じているのではないですか。

「感じていますね。まだまだ……まだまだ……伸びしろありますよ」

――そのうえで黒澤選手のMMAファイターとしての目標は?

「よく『パンクラスでチャンピオンになったらどうするの?』と言われるんですけど、僕はそこまで先のことは考えていなくて、パンクラスのベルトを獲ることしか考えてないです」

――具体的にいつ頃までにタイトルマッチをやりたいという希望はありますか。

「パンクラスのストロー級はチャンピオン不在なので、八田選手にいい勝ち方をできたら年内にはタイトルマッチをやりたいですね。あと修斗でベルトを獲ったときは防衛戦が出来なかったので、パンクラスでベルトを獲ったらベルトを守る試合、防衛戦も経験したいです」

――例えば国内ではRIZINのようなビッグイベントで試合をする選手たちも身近にいると思いますが、そういった舞台に自分も出たいという気持ちはそこまでないですか。

「みんな素晴らしい選手たちだから、彼らに対する嫉妬はなくて。みんな仲間であり、ライバルであり、素晴らしい選手が素晴らしい舞台で戦っているなと思って見ています。本当に今は自分がずっとやってきたMMAのレベルを上げたい、MMAファイターとしての成長していきたいという想いの方が強いです」

――自分の強さへの追及ですね。

「はい。MMAは難しくもあり、面白い。そういう気持ちで日々練習していますし、それが楽しいです」

――それでは最後に黒澤選手の試合を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをいただけますか。

「八田選手は寝技師でいい選手ですけど、自分の方が強いと信じています。次もKOするので楽しみにしていてください」

■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分5R>
亀井晨佑(日本)
新居すぐる(日本)

<ウェルター級/5分3R>
藤田大(日本)
住村竜市朗(日本)

<ストロー級/5分3R>
八田 亮(日本)
黒澤 亮平(日本)

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太(日本)
川中孝浩(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
河村泰博(日本)

<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
遠藤来生(日本)

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)

<ライト級/5分3R>
余勇利(日本)
神谷大智(日本)

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣(日本)
安藤武尊(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
葛西和希(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
高本千代(日本)

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒(日本)
笹晋久(日本)

<フライ級/5分3R>
梅原規祥(日本)
饒平名知靖(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎(日本)
渡邉ショーン(日本)

The post 【Pancrase337】パンクラス2戦目=八田亮戦へ、黒澤亮平「真剣にMMAと向き合っていない選手には……」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase337 キック チェ・ドゥホ パンクラス ボクシング ムハンマド・サロハイディノフ 亀井晨佑 井村塁 住村竜市朗 佐藤生虎 余勇利 冨樫健一郎 安藤武尊 山口怜臣 岸本泰昭 川中孝浩 平田直樹 押忍マン洸太 新居すぐる 松岡嵩志 松本光史 林源平 河村泰博 牛久絢太郎 矢澤諒 神谷大智 秋葉太樹 笹晋久 粕谷優介 葛西和希 藤田大 藤野恵実 遠藤来生 長南亮 雑賀ヤン坊達也 高本千代

【Pancrase337】ザ・七転び八起き=松岡嵩志─01─「もうMMAは終わり」からの「ダメだ。まだ──」

【写真】1991年生まれの32歳。雑賀ヤン坊達也、冨樫健一郎、松本光史、粕谷優介、岸本泰昭、横山恭司、牛久絢太郎、林源平、そして──チェ・ドゥホ。これだけの面々と戦ってきた(C)SHOJIRO KAMEIKE

24日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE337で、松岡嵩志が葛西和希と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

松岡のプロデビューは2008年。MMAキャリアは14年間と、ベテランの域に達している。しかしその14年間は決して平坦なものではなかった。パンクラスのニューエイジ戦線からトップファイターとの対戦を経て、松岡が打撃主体からオールラウンドのMMAファイターへ進んできた道程を訊いた。


――MMAPLANETでは今回が初のインタビューとなりますが、どうしても松岡選手にお聞きしたいことがありました。雑賀ヤン坊達也戦が決まった際、プレスリリースで「格闘家の3大親方と言えば、藤野恵実、長南亮、そして松岡嵩志だ」と書かれていましたが……。

「アレですか(笑)。昔、専門学校に通っている頃に、あまり練習できていなくて太ってしまった時期がありまして。その時に北岡さんに『親方感が出ている』と言われて、親方という言葉が内輪で広まっていたんです」

――親方と呼ばれる職種でも何でもなかったのですね。

「それもよく言われました。『大工か何かやっているの?』って。僕としては藤野選手や長南さんと並べていただいて、嬉しかったです(笑)。でも藤野選手は僕のせいで巻き込まれていまい、すみません!」

――アハハハ、いきなり余談で失礼しました。まずは格闘技を始めたキッカケから教えていただけますか。

「僕たちは地上波で格闘技を視ていた世代で、中学校を卒業したら格闘技をやろうと考えていました。そんな時、たまたま町田へ遊びに行ったらU-FILE CAMPを見つけて。でも入会してからしばらくはキックボクシングしかやっていなくて、あまり寝技クラスには参加していませんでした」

――そこからパンクラスイズム横浜の所属になった経緯を教えてください。

「2011年ごろにU-FILE CAMP町田からキックボクシングのSTB Japanというジムに移って、ちょうどその頃にパンクラスに出させてもらえるようになりました。そのパンクラスで2015年3月に牛久絢太郎選手と対戦する前に、ロータス世田谷でプロ選手が集まって練習していることを、北岡さんのツイッターで知ったんです。北岡さんに『自分も参加させてもらっても良いでしょうか』と連絡して、そこから北岡さんには本当に良くしていただいています。

当時の僕は、どこにも所属していないフリーの状態で。ロータスの練習に参加し始めたあと、北岡さんからパンクラスイズム横浜が出来るという連絡をいただき、そこに入るしかないと思いました。もともと柔道整復師の資格を取るために専門学校に通おうと考えていたので、学校もパンクラスイズム横浜から近いところを選びました」

――ロータスでの練習に参加したいと連絡した時、すでに北岡選手とは面識があったのですか。

「いえ、なかったです(笑)」

――えっ……面識がない先輩ファイターに連絡するのも、なかなか勇気がいりますよね。

「いきなり連絡するのは失礼かと思いましたが、どうしても参加したくて……。ただ、当時の北岡さんは、傍から見ると本当に怖くて(笑)。『ロータスへ行くと練習で足を壊されちゃったりするのかな』と思いながら行きました。でもお会いすると本当に優しかったです。今でも怖いところはあるけど、あれだけしっかり怒ってくれる人とは、なかなか巡り会えないです。自分としては、ありがたいですね」

――ロータスの練習に参加するまでは打撃主体といいますか、キックボクシングで戦っていたわけですか。

「テイクダウンされなければ勝つ、というぐらいの気持ちで試合をしていました。とにかく組まれたら耐える、倒されたら背中を見せてでも立つという感じで。勝つ時はKO、寝技で一本を取るようなタイプではなかったです」

――当時は徐々に対戦相手のレベルが上がってきて、2015年から2016年にかけて、パンクラスの中でも次の時代を担う選手同士の戦いが繰り広げられていました。しかし松岡選手は2018年まで負けと勝ちを繰り返しており、当時はどのように感じていましたか。

「自分にとっては牛久選手に負けた時が、悪い転換期になったといいますか……。まさに今後上がっていく選手同士の対決だったんです。そこで牛久選手はすごく頑張って――技術的な部分以上に、自分が気持ちで負けたような試合でした。牛久戦以降の4年間は、『もう自分は上に行けないのか』と思って過ごしていました」

――……。

「その頃にはパンクラスイズム横浜に移って、一生懸命やっていました。でも、そこにビジョンがなかったです。ただスパーリングを頑張って試合に出る。その結果、勝つと負けるを繰り返すような時期でした。

実は2019年に入って、MMAを辞めようと考えたことがあったんです。2018年12月に金田一孝介選手とのランキング入りを賭けた試合で、すごい失神KO負けをして。そのあとに柔道整復師の試験があり、『もう柔道整復師の資格を取って普通に仕事をしていく。もうMMAは終わりだ』と思いました。でも国家資格を取得したあとに改めて考えた時、『ダメだ。まだ燃え尽きることができていない』と思って。MMAがなくなった自分の生活を想像できなかったです」

――1度辞めようと決めたからこそ、自分にとってMMAが必要だと気づくことができたのですね。

「そこから技術的な面でも変わってきて。金田一戦に続く平信一選手との試合を経て、組みが強くなったと明確にと思えるようになったのは岸本(泰昭)選手に勝ってからです。もともと技術的な部分では、下位の選手が相手なら勝負できていたかもしれないです。でも本番でその組みを試すのは怖くて。実際に試合で、グラップリングが強い岸本選手に勝つことができて、自信に繋がりました」

<この項、続く>

■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分5R>
亀井晨佑(日本)
新居すぐる(日本)

<ウェルター級/5分3R>
藤田大(日本)
住村竜市朗(日本)

<ストロー級/5分3R>
八田 亮(日本)
黒澤 亮平(日本)

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太(日本)
川中孝浩(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
河村泰博(日本)

<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
遠藤来生(日本)

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)

<ライト級/5分3R>
余勇利(日本)
神谷大智(日本)

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣(日本)
安藤武尊(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
葛西和希(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
高本千代(日本)

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒(日本)
笹晋久(日本)

<フライ級/5分3R>
梅原規祥(日本)
饒平名知靖(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎(日本)
渡邉ショーン(日本)

The post 【Pancrase337】ザ・七転び八起き=松岡嵩志─01─「もうMMAは終わり」からの「ダメだ。まだ──」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase337 RIZIN パンクラス パン・ジェヒョク ムハンマド・サロハイディノフ 亀井晨佑 井村塁 住村竜市朗 佐藤生虎 余勇利 修斗 安藤武尊 山口怜臣 川中孝浩 平田直樹 押忍マン洸太 新居すぐる 松岡嵩志 河村泰博 矢澤諒 神谷大智 秋葉太樹 笹晋久 葛西和希 藤田大 透暉鷹 遠藤来生 高本千代

【Pancrase337】アームコレクター新居すぐると王座戦─亀井晨佑「パンクラスの硬派なところに誇りを」

【写真】トータル✖一点突破の一戦、世界を目指す上で負けられない亀井だ(C)TAKUMI NAKAMURA

24日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE337。今大会のメインイベントではフェザー級KOP王座決定戦として、亀井晨佑が新居すぐると対戦する。
Text by Takumi Nakamura

亀井は昨年7月にフェザー級KOP暫定王座決定戦で透暉鷹に一本負け。今年4月にパン・ジェヒョクに判定勝利すると、透暉鷹の階級変更による王座返上で今回のチャンスが舞い込んだ。ファイトスタイルもキャラクターも正反対の新居との王座戦、また記者会見での「圧倒的実力至上主義」発言について訊いた。


──PANCRASE337で新居すぐる選手とフェザー級KOPを争う亀井晨佑選手です。4月のパン・ジェヒョク戦はスプリット判定での勝利でした。あの試合を振り返ってもらえますか。

「正直、もっときつい試合になるのかなと思ったんですけど、今思うと割と自分のやりたいようにできた試合でした。手応えはあったし、そこまできつい内容ではなかったなと思います」

──ジェヒョク選手は亀井選手が敗れている前王者の透暉鷹選手ともスプリット判定の接戦を演じている相手です。その相手を透暉鷹選手に敗れた直後の試合で指名したことが意外でした。かなりリスクのある試合だったと思います。

「僕としては透暉鷹選手と再戦したいという気持ちがあったし、ジェヒョク選手がどう見ても強いのは分かっていたんですけど、彼をクリアしないことには再戦はないと思っていました。あと自分とは相性的に勝ち目がなくはないなとも思ったんです」

──透暉鷹選手と比べると自分の方が相性がいいと。とはいえ試合前に不安になることはなかったですか。

「正直僕は試合前に『この選手に勝てるんのかな』って思うことはないんですけど、この時はそう思いましたね」

──実際にジェヒョク選手と拳を交えて、どんな場面でいけるという手応えがあったのですか。

「もっと圧力、プレッシャーがあると思ったんですけど、思ったより自分のジャブが刺さったんです。これなら相手が自分の間合いに入ってきても対応できるなという感じで。元々そういう試合になることを想定して練習していたんで、そこは対応することができました」

──その一戦を経て、新居選手と王座決定戦という形で試合が決まりました。

「最初に話を聞いた時は意外でしたね。チャンピオンの動向が分からなかったし、バンタム級に下げることも知らなかったので。それで『次は王座決定戦です。相手が新居選手です』と言われて『そこか!』」と思いました」

──対戦相手として新居選手はどんな印象がありますか。

「記者会見でも言ったように、対戦相手は僕のペースを崩すのが難しいと思うんですよ。でも今のランカーの中で唯一その可能性を持っているのは新居選手なのかなと思います。ハマったときは本当に強いですし、一発で試合をひっくり返せるタイプなので、ちょっと怖い選手ではあります」

──アベレージ的な部分ではなく一発勝負の試合だからこそ怖い相手だと思います。

「いざ試合するとなったら、バランスがいい選手よりも、新居選手のようなタイプは怖さがあります」

──ずばり新居選手の武器は右の強打とアームロックで、いい意味でバランスが悪い・強い部分が偏っているスタイルです。

「それは間違いないです。で、本人も言っているように分かっていてもかかるのが必殺技だし、実際にそれで勝ってきているわけじゃないですか。僕も手を取られたらおしまいだと思っているし、一回でも取らせないつもりで戦います」

――MMAにおけるバランスの良さで勝負する亀井選手とは真逆のスタイルですね。

「はい。でも相手が新居選手だからと言って特段やることは変わらないです。自分のスタイルはジャブを当てて自分の距離を取って……というもので、自分のペースを乱さずにやりたい。練習でも新居選手と背丈が似た相手と、自分の戦い方ができるような練習を続けてきました」

──またファイトスタイルも対照的ですが、キャラクターも対照的ですよね。新居選手は会見で「飲んで遊んでいてもチャンピオンになれる。それが若い選手に夢を与える」といった発言をしていたじゃないですか。亀井選手はあの発言を聞いて、どう思いましたか。

「何も感じなかったですよ。ただ『遊んでいても勝てることが凄い』と思っているなら、それはちょっと考えたが古臭いかなと思いました。ただ僕も正社員として働きながら試合をしているので、練習環境という意味ではあまり変わらないのかなと思いました(笑)」

――まさにお互いのファイトスタイルや格闘技への向き合い方がぶつかり合う試合かなと思います。

「本当に矛と盾みたいな感じですよね。新居選手は『触れば極められる』と言いますし、僕は僕で『やれるもんならやってみろ』なので」

──今回の試合に限らず、亀井選手の中で自分のファイトスタイルや戦い方が確立されてきたという手応えはありますか。

「ありますね。デビュー当初は倒して勝つイメージを持たれていたんですけど、試合の中で感覚的にポイントアウトのようなことができてきたというか。もちろん倒しに行ける場面では倒しに行くんですけど、試合の中でリスクを負う場面が少なくなったと思います」

──亀井選手は本格的にMMAを始めたのが高校卒業後で、決して年齢的に早い方ではないと思いますが、その分、デビュー以降の強くなるスピードが速いんじゃないかなと思ったんです。

「本当にそうですね。ここ2~3年でやっと自分の完成系が見えてきたのかなと思います。もっとやらなきゃいけないことはあるんですけど」

──亀井選手は柔道経験があるものの、MMAでは打撃中心のファイトスタイルですが、自然に打撃の方が得意になっていったのですか。

「柔道は高校3年間やったんですけど、全然強くもなかったですし、高校でちょっとやったぐらいなんです。打撃の方が上手くいったのは、単純に寝技より上達するスピードが早かったっていうのがあって。ジムに入った当初はプロになりたいとは思っていなくて、そうなると寝技より立ち技のほうが楽しくて、そっちに重点を置いたという感じです」

──透暉鷹戦は組み技・グラウンドでペースを握られて判定負けという結果でした。あの試合で自分が強化すべきところも分かったと思います。

「あれは僕の弱いところが露骨に出てたんで、それこそジムでの打撃と組み技の練習の比率を一時期は真逆にしたんです。8:2ぐらいの割合で柔術を多めにしたり、ロータスさんに行って組み技の練習をしたり、あの試合から練習のバランスは結構変わりましたね」

──色々なタイミングが重なっての王座決定戦ですが、再びベルトを獲るチャンスが来ました。それについてはどう感じていますか。

「日本でMMAをやっていて、ベルトを持っていない選手が世界で戦っていくのは、条件的に厳しいと思います。世界と戦うという意味ではベルトが最低限の交通手形になると思うので、絶対に欲しいです」

──その想いは透暉鷹戦と同じですか。

「いえ、あれから変わりました。情けない話ですけど、透暉鷹選手に負けて、より一層ベルトが欲しくなりましたし、自分がベルトに対してどんな想いを持っているかを再認識しました」

──先ほどベルトは世界で戦っていくための通行手形という言葉もありました。その目標に向かうためにも、ただ試合に勝つだけではなく、自分の可能性を見せられるような試合にしたいですか。

「世界と戦うためにベルトが必要とは言いましたが、実際ただ勝てばいいというものではないですし、そこは試合内容でも判断されると思っています。今回も勝つことには徹しますが、そのうえで倒せる方向に持っていきたいです」

──リスクを負う場面を減らしてフィニッシュすることが理想ですか。

「最近フィニッシュできていなかったので、勝つことは最低条件で、今言われたようによりいい勝ち方をするのが必要なのかなと思います」

──また試合中に興奮して叫ぶ亀井選手が見られそうですか。

「まあ状況によっては(笑)。あれは自分を鼓舞するあれでやっているんで、今回また叫ぶかもしれません」

──また記者会見でも質問がありましたが、24日はRIZINや修斗の興行があり、多くの試合が組まれています。そのなかで亀井選手は圧倒的実力至上主義を見せたいとコメントしていました。そこにはこれからもこだわっていきたいですか。

「はい。パンクラスがそういうイベントですし、もし一つでも実力主義ではないカードが組まれたら僕はガッカリします。僕はパンクラスの硬派なところに誇りを持っているので」

――パンクラスという舞台で、自分がやっている格闘技がこういうものだというのを見ている人たちに伝えたいですか。

「そうですね。自分の試合は勝っても負けても、刺さる人に刺さる試合をするので、それも含めてファンの人たちに見てもらいたいです」

■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分5R>
亀井晨佑(日本)
新居すぐる(日本)

<ウェルター級/5分3R>
藤田大(日本)
住村竜市朗(日本)

<ストロー級/5分3R>
八田 亮(日本)
黒澤 亮平(日本)

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太(日本)
川中孝浩(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
河村泰博(日本)

<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
遠藤来生(日本)

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)

<ライト級/5分3R>
余勇利(日本)
神谷大智(日本)

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣(日本)
安藤武尊(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
葛西和希(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
高本千代(日本)

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒(日本)
笹晋久(日本)

<フライ級/5分3R>
梅原規祥(日本)
饒平名知靖(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎(日本)
渡邉ショーン(日本)

The post 【Pancrase337】アームコレクター新居すぐると王座戦─亀井晨佑「パンクラスの硬派なところに誇りを」 first appeared on MMAPLANET.