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【UFC ESPN55】ビクター・ヘンリーと対戦、極める世界遺産ハニ・ヤヒーラ「極めることが一番安全な戦い」

【写真】柔術をMMAに落とし込んできた年輪が刻まれた――渋い大人になったハニ (C)MMAPLANET

27日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN55「Nicolau vs Perez」が開催され、ハニ・ヤヒーラがビクター・ヘンリーと戦う。
Text by Manabu Takashima

WECがUFCに一本化された2011年からオクタゴンで戦うようになり、12年以上が過ぎ20戦を戦ってきた。完全グラップリング、いや絶対的な柔術スタイルでUFCを戦い続けるハニは今やMMA界の組み付く天然記念物――極める世界遺産といえる。

ある意味、MMA界の奇跡といえるハニ・ヤヒーラは柔術家として21度目のUFCでのファイトに挑む。


──ハニ、お久しぶりです。

「やぁ、元気だったかい?」

――変わりないです(笑)。ハニに最後にインタビューをさせてもらったのが、2021年の11月でした。あれから2年半分、年を取りました。

「ハハハハ。僕もだ。僕もあれから、2年半分年を重ねたよ(笑)」

──ハハハハ。去年の4月にモンテル・ジャクソンにKO負けを喫し、10月のアラテンヘイリ戦もキャンセル。実際のところ、引退してしまうかもしれないと思っていました。

「そうやって心配をしてくれていることに感謝しているよ。これだけ時間を置いたのは、本当に体調の良いときにオクタゴンに戻るべきだと考えたからなんだ。そして、今のコンディションはUFCと契約した26歳の時よりも良いぐらいだよ。しっかりと体の不具合を治し、ファイトキャンプに入る前段階の練習をじっくりとできた。

ただ引退に関しては去年だけでなく、もう何度も考えてきたことだよ。WECがUFCに買収される前ですら、既に考えていた」

──えっ、26歳の時にですか。

「そうだよ。あの時、僕はもう21試合もMMAを戦っていた。何度も手術を経験していたし、このまま現役を続けても体がもつのか。そこは常に自問自答していた。でもUFCとの契約時もそうだし、やっぱり戦うフィールドに気持ちが戻ってしまうんだ。僕の人生のなかでMMAを戦うことが、いかに大きな割合になっているのか。そのたびに、思い知らされたんだ。より強い相手、ビッグファイトをしたい。その気持ちがあるからこそ、ここまで戦い続けることができているんだと思う。

そうだね……26歳の時に初めて引退を本気で考えた。実際、もうその状態に入っていた。それがWECからUFCに契約を移管するファイターのリストに僕の名前もあった。UFCでのファイトは、僕のMMAファイター人生において一番の大きな試合になる。その機会を逃すことはできなかった。結果、UFCで戦うようになり新しい人生を得た。生まれ変わることができたんだ。

そんなUFCでのキャリアも、やはり引退を考えながら積み重ねてきたモノなんだ。30歳という区切りの時も、引退が頭にあった。ジョニー・ベッドフォードに勝った時、これで戦い納めにしようと思った。ただ、戦うことはきっと僕という人間本質なんだ。引退を考える以上に、競争を求めている。いつだって競技者の気持ちでいる。

ただ、戦っていないと生きていけないというわけじゃないんだよ。それなら引退なんて考えない。僕は違う人生を歩める機会も場所もある。でも、結局のところファイトを求めてしまう。そんなことを繰り返していると、ファイトに情熱を傾けることがハニ・ヤヒーラという人間の本質だと思うようになったんだ。試合に出るだけじゃない、試合があるからジムへ行って必死になってトレーニングをする。それが僕の人生で一番大きなパートを占めている。結果、何を求めているんだと言われると、自分への挑戦なんだと思う。だから、今もここにいるんだよ」

──胸に響く言葉です。いやぁ、ハニは格好良いですね。ところでファイトキャンプまではブラジルで過ごしているのですか。

「そうだよ。ブラジリアには自分のチーム、ハニ・ヤヒーラ・ファイティングチームがあるから指導も練習もしている。MMAファイターだけでなく柔術コンペティターも所属していて、打撃コーチ、フィジカル&コンディション・コーチ、柔術インストラクターもいる。僕自身は柔術の練習をよくやっているよ」

――つまり普段は道着を着て練習もしているということですか。

「もちろんだ。毎日、道着を着て練習している」

――おお、ハニは今も柔術家なのですね。

「その通り、柔術家だ。ジウジツ・カという呼び方をしてくれたのは、人生で2人目だ。皆、ジウジテーロと呼ぶようになってしまった。でも、僕は柔術家だ。空手家や柔道家と同じように」

――日本では普通は柔術家と呼ぶので……ジウジテーロですか……。

「そうだよね、柔術家だよ」

――ではATTでのファイトキャンプはどれぐらい行ってきたのですか。

「5週間だよ。素晴らしいトレーニングを積むことができた。最高のトレーニングパートナーがいて、過去に戦ったことがある選手、そして今回の相手と戦ったことがある選手もいる」

――そのうちの1人が元谷友貴選手だと思います。

「そうだ。これまで通りキョージ(堀口恭司)もそうだし、ユーキ・モトヤとも1日に2度練習してきた。モトヤは今、言っていたようにビクター・ヘンリーと戦ったことがあるから、いくつか凄く良いアドバイスしてくれたよ。モトヤが助けてくれて、今回の試合はしっかりと自信を持って戦うことができる。あとはジュンタロウ(牛久絢太郎)もそうだし、最近もう1人日本からやってきた21歳のキッドとも何度か練習をした」

――鶴屋怜選手ですね。

「そうそう、レイ・ツルヤだ。皆、真剣にMMAに向き合うウォリアーだ」

――それにしても打撃が進歩し、テイクダウン防御能力も上がり続けているMMAでハニは、組んで倒してコントロールというハードワークを13年に渡り続け、UFCで20戦も戦ってきたことは凄まじいことかと。

「僕は柔術家だよ。今も柔術を代表してUFCで戦っているつもりだ。柔術が僕をUFCに連れてきてくれて、柔術の技がオクタゴンで戦い続けることを可能にしてくれている。組んで、倒して、極める。それが僕とってはベスト、もっとも簡単に勝利できる戦い方なんだ。だから、僕が勝った試合は一本勝ちが一番多い(UFCで13勝のうち7試合が一本勝ちで、キャリア28勝のうち21試合が一本勝ち)。もう20年以上、柔術をMMAに落とし込むことに人生を賭けてきた。組んでテイクダウンすれば、寝技で仕留める。試合でも練習でも、ずっと続けてきたことだよ」

――とはいえ、世界中のプロモーターが打撃戦を好み、MMAもレベルアップし続けるなかで、このスタイルを貫き通せるのは偉業かと。

「皆、打撃戦が見たい。それは絶対だ。ファンはKOを見たいんだ。でも組んで寝技がなくなれば、もうMMAとはいえない。UFC……MMAは、打撃でKOするだけでなく、組んで倒して極めることができる戦いだ。極めにも、人々は熱狂できる。仮に僕が判定勝ちばかりだと、UFCで戦い続けることはできなかっただろう」

――これだけ組み伏せて極めて勝てるハニなら、パウンドアウトもできるのではないかと。ただ、これまでパウンドで勝ったことはないですよね。

「パウンドを有効に使ったとしても、狙うのはサブミッションだ。殴って勝とうとすると、隙ができる。倒しきれないと、立ち上がられてしまう。つまりドミネイトして、極めることが一番安全な戦い方なんだよ」

――ではビクターとの試合も、倒して極める。その戦い方を貫くと。

「土曜日の夜、良い試合をすること。勝利すること。そしてフィニッシュすること。自信を持って戦うよ。それだけの準備をしてきた。僕の戦いをして、極めるよ」

■視聴方法(予定)
4月28日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

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45 AB DEEP HERO'S o RIZIN UFC アリアネ・リプスキ アレックス・ペレス オーステン・レーン カリーニ・シウバ ジョナサン・ピアース ティム・ミーンズ ハニ・ヤヒーラ パンクラス ビクター・ヘンリー マネル・ケイプ マーニック・マン

UFC on ESPN55:オッズ/予想と展望

マテウス・ニコラウ 1.57
アレックス・ペレス 2.45
ライアン・スパン 1.49
ボグダン・グスコフ 2.70
アリアネ・リプスキ 2.30
カリーニ・シウバ 1.65
オーステン・レーン 2.95
ジョナタ・ディニス 1.42
ジョナサン・ピアース 1.57
デビッド・オナマ 2.45
ティム・ミーンズ 3.50
ウロシュ・メディチ 1.32
ハニ・ヤヒーラ 4.90
ビクター・ヘンリー 1.19
オースティン・ハバード 2.30
ミハウ・フィグラク 1.65
ドンテイル・メイエス 2.05
カイオ・マシャド 1.80
マーニック・マン 3.75
ケトレン・ソウザ 1.29
ハメス・ヨントップ 1.29
クリス・パディーヤ 3.65
イバナ・ペトロビッチ 1.19
リャン・ナ 4.90
ガブリエル・ベニテス 2.70
マハシャテ 1.49

メインはフライ級のランカー対決で、両者初メイン。

当初はニコラウ vs. マネル・ケイプが予定されていた。ケイプのUFCデビュー2戦目で対戦し、微妙な判定でニコラウが勝った後、今年1月に再戦が組まれたものの、ケイプの体重オーバーでニコラウがキャッチウェイトを拒否して中止に(ケイプが限界まで体重を落とさず、試合を有利に進めるためにコミッションの許可が下りるギリギリの体重を維持したとニコラウは主張している)。仕切り直しで組まれた試合はケイプにとっても初メインになるはずだったが、今月に入ってから肋骨を骨折し欠場。

ニコラウはUFCフライ級廃止で一度リリースされてから、ケイプ戦が再契約初戦で、そこからはランカー相手に3連勝し、ランキングも5位に。しかしスタンドでサークリングして距離を取り続け、相手が詰めてきたところにカウンターを狙う戦法で、大会場での試合では大ブーイングを浴びている。昨年4月の前戦では、後のタイトル挑戦者ブランドン・ロイバルにカウンターの膝を効かされ、パンチでダウンしたところにパウンド・肘のラッシュでKO負け。

代役のペレスは現在3連敗中で4年間勝ち星なし。20年11月に当時の王者デイブソン・フィゲイレードのタイトルに挑戦したが、1Rギロチンで一本負け。その後、自身や相手の都合で試合が流れ続け、1年8ヶ月ぶりとなった再起戦の相手は現王者のアレクサンドル・パントーハ。この時も1Rチョークで敗れている。さらにその後も3試合が流れている。その中には、自身の体調不良で中止となった昨年3月のマネル・ケイプ戦も含まれている。復帰は再び1年8ヶ月ぶりとなる今年3月で、無敗のムハンマドモカエフから簡単にテイクダウンは奪わせずに接戦となり、3Rはモカエフのタックルをがぶって切り続けるも、攻めに転じることができずに判定負け。最近は1年半以上のブランクが開く事が多かったが、ケイプ欠場を受けて2ヶ月連続での出場となる。

初メインとなるニコラウが、いつも通り距離を取っての打撃に徹して、ペレスが捕まえられないようだと、退屈な25分間になる可能性もあるが…。

ニコラウ判定勝ち。

プレリムのメインでは、日本でもおなじみのハニ・ヤヒーラとビクター・ヘンリーの対戦が組まれている。ヤヒーラは2006年にMARSに出場後、HERO'Sで活躍。WEC~UFCでも日本人と多く対戦が組まれたが、水垣に敗れたのみで、金原・前田・廣田・田中に勝って4勝1敗。ヘンリーもGRANDSLAM~パンクラス~DEEP~RIZINで活躍し、対日本人は石渡と上田(1勝1敗)に敗れたが、金原・元谷・中島・所らに勝利している。

UFCで20戦して13勝5敗1分け1NCのヤヒーラだが、大きく勝ち越しているにも関わらず、謎の冷遇で、今回を含めて18戦がプレリム扱い。メインカードには3回しか起用されていない。相手も中堅以下の選手(しかし強豪)ばかりがほとんど。22年には元王者ガーブラントとの対戦が組まれていたが、ヤヒーラの負傷で流れている。

ヘンリーは22年にUFCデビューしてまだ4戦しかしていない(2勝1敗1NC)が、36歳とバンタム級では高齢の部類となり、あまり時間は残されていない。これからランカーを目指すなら、門番のヤヒーラには絶対に勝たなければいけないところ。

第1試合開始は28日朝5時から。速報します。

 

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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:2月 鶴屋怜×チーニョーシーユエ「どう原石が磨かれるか」

【写真】練習仲間たちは、まさに渡辺を送り出す。そんな空気に包まれていた(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年2月の一番──2月4日に行われたRoad to UFC2023Finalの鶴屋怜×チーニョーシーユエ戦について、担当・中村の「取材は3月31日だったのでギリギリOK」という言い訳と共に語らおう。


――取材日が3月31日ということで……ギリギリ2月の「今月の一番」で間に合ったということでよろしくお願いします(笑)!今回は鶴屋怜×チーニョーシーユエをピックアップしていだきました。

「トーナメント全体を見て鶴屋選手の強さが際立っていたと思いますし、特化している技術でトーナメントを勝ち抜いた凄さもあったと思います。これからUFCで試合を重ねていくことで、21歳の彼がどう仕上がっていくのかを楽しみにしています。この試合そのものを推したいというよりも、これからの鶴屋選手への期待感も込めて、この試合をセレクトしました」

――鶴屋選手はレスリングのバックボーンがありますが、テイクダウン&トップキープという手堅い戦い方ではなく、色んなことにトライする思い切りのよさが特徴的なファイトスタイルだと思って見ていました。

「だからこそ準決勝でマーク・クリマコとフルラウンド戦ったことが大きな経験になったと思っていて。あの思い切りのいいスタイルをUFC本戦でもやりきるのは大変だと思うんですよ。Road to UFCの選手たちは決してトップレベルではないですし、それで今のスタイルをやりきれている部分もあると思うので。逆にクリマコはLFAでもキャリアがある選手なので、ああいった試合の経験も踏まえてUFCでどんな戦い方をするのか注目したいです」

――例えば首投げからの袈裟固め。あれは鶴屋選手の必殺技であり、得意な形である一方、UFCの本戦レベルの選手に対してはリスキーな技なのかなとも思ってしまいます。

「そうなんですよ。ただ、今の鶴屋選手はダイヤの原石だと思うので、ここからどう原石が磨かれていくかですよね」

――自分の武器をどうぶつけるか。ユニファイドルールや北米の選手と戦ってどう勝つか。UFCにチャレンジする選手はそのバランスが一つの壁だと思っています。

「今のスタイルのままでいくと、いずれ大きな壁にはぶつかると思います。それは本人もチームのみなさんも考えていることだと思いますし、UFCのトップ選手たちと戦う前にUFCでの戦い方・勝ち方を身につけてほしいです。UFCとしても鶴屋選手を将来性のある存在的な扱いで、ちゃんと段階を踏んだ相手を用意してくれると思うので、そこで一戦一戦成長しながら勝っていく。

そして最終目標までたどり着いてほしいです。だからこそ鶴屋選手のUFCデビュー戦が決まる前にRoad to UFCの試合を再チェックしておくと、鶴屋選手の進化や変化も分かって、日本のUFCファンにとってはすごくいい楽しみ方もできると思います」

――そういう意味ではいきなり本戦契約するのではなく、Road to UFCから実績を積んでトップ選手と勝負できる環境は遠回りのように見えて充実したキャリアの作り方とも言えますね。

「はい。それこそ僕はCAGE FORCEのトーナメントで優勝して、WECデビュー戦の相手がミゲール・トーレスでタイトルマッチでしたからね(笑)」

――北米デビュー戦の相手がいきなり当時の軽量級世界最強(笑)。

「すごく貴重な体験でした(笑)。今はUFCのオペレーションのなかで、試合が決まる→試合までの練習・準備をする→試合当日を迎えるという流れを経験できる場があるので、それはすごく大きいと思いますね」

――UFCというピラミッドの一番下からキャリアを積み重ねることは決してネガティブではない、と。

「むしろポジティブな要素の方が多いと思います。しかも今UFCで戦っている日本人はみんな若いですし、慌てて試合を重ねるのではなく、今のUFCのレールに乗って、キャリア相応の相手と戦って、着実に上に上がっていくといいと思いますね。平良(達郎)選手はまさにそうじゃないですか。2人とも同じフライ級で、同門のような存在だと思いますが、この2人がランキングを駆け上がってUFCのベルトをかけて戦うことになったら、日本のMMAは盛り上がると思います」

――水垣選手の戦績を振り返ると、WEC・UFC参戦当初は勝ち負けを交互に繰り返して、徐々に勝ち星を伸ばしていくキャリアだったんですね。

「今は契約満了まで試合をやらせてもらえることも多いですが、当時は2連敗したらリリースされるという暗黙のルールのようなものがあったので、毎回崖っぷちの感覚で試合をして、何とかサバイブしていましたね。だから一戦一戦を何としてでも勝たなければいけなかったし、そのプレッシャーも大きくて、自分を成長させる余裕や時間はなかったなとも思います。もう少し時間的な余裕があって、自分を成長するための時間を作れたら、もうちょっと変わった自分を出せたのかなとも思っていて。そういう意味で鶴屋選手はすごくいい環境にいると思うので、自分を磨いて強くなって欲しいなと思います」

――水垣選手がWECで戦ってきた相手も錚々たる選手たち(ミゲール・トーレス(戦)、ジェフ・カラン(戦)スコット・ヨルゲンセン(戦)ハニ・ヤヒーラ(戦)ユライア・フェイバー(戦))ですし、あそこで米国で勝つ術を覚えたことがUFCでの5連勝にもつながったと思います。

「WECの5戦は本当にきつかったですけど、自分を成長させてくれた試合でしたね。WECは一階級の契約選手が20選手くらいで、当時のバンタム級のトップ20人が集まっているような状況だったので、毎回がトップランカーとの対戦だったんです。なかなかタフな戦いでしたけど、今思えば一番充実していた、楽しかった時期だったかもしれないです」

――今回も水垣選手らしいコメントをありがとうございました!

「Road to UFCという注目される舞台を経てUFCで戦う。そこで選手が成長していく、チャレンジしていく過程を見ていくのは今のUFCの楽しみ方だと思うので、鶴屋選手の成長とチャレンジにも注目したいと思います」

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AB F1 MMA o UFC UFC Fight Night   ハニ・ヤヒーラ ビクター・ヘンリー ブラック マテウス・ニコラウ マネル・ケイプ モンテル・ジャクソン

4.27『UFC on ESPN 55』でハニ・ヤヒーラとビクター・ヘンリーが対戦

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4.27『UFC Fight Night 243』のメインイベントはマテウス・ニコラウ vs. マネル・ケイプの3年1ヶ月ぶりの再戦(2024年03月08日)

 こちらの続報。


 UFCが4月27日にネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催する『UFC on ESPN 55: Nicolau vs. Kape 2』でハニ・ヤヒーラ vs. ビクター・ヘンリーのバンタム級マッチが行われるとのこと。

 ヤヒーラは昨年4月の『UFC Fight Night 222: Pavlovich vs. Blaydes』でモンテル・ジャクソンに1R KO負けして以来1年ぶりの試合。ヘンリーは10月の『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』で行われたジャヴィッド・バシャラット戦が急所攻撃により試合続行不能となったためノーコンテストになって以来の試合。続きを読む・・・
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【Pancrase340】12・24を読む 亀井晨介と対戦、平田直樹「自分の殻を破って、覚悟を持って戦えるか」

【写真】亀井がロータス世田谷に来た時に同じ空間にはいたが、人数が多くて肌を触れ合うことはなかったそうだ(C)BRAVE CF

24日(日)に横浜市中区の横浜武道館で開催されるPancrase340で亀井晨介と平田直樹が対戦する。
Text by Manabu Takashima

4月の立川、7月のニューピア、そして9月の立川とパンクラスで3連勝中の平田が、タイトルコンテンダーの亀井と相対する。時代は打高組低、組んで倒しても立たれると評価はゼロといってもおかしくない裁定も増えてきた。

そんななかでフェザー級としてはフレームが小さな平田は、得意の組みを生かすMMAをどのように考えているのか──を尋ねた。


──まず9月の遠藤来生戦を振り返ってもらえますか。

「自分が思っていた以上に上手くいかなかったこともあり、同時に久しぶりに3Rをフルで戦えて勝てたことは良かったかと思います。お互い、攻防のなかでメチャクチャ厳しいとういうことがあった試合ではなかったです。それでも思うように試合が進まないところがあり、良い経験になりました。

試合の日はRIZINと大会が重なって、セコンドに八隅(孝平)さんがいなかった。そのなかで自分でやるべきことを決めて、考えて戦うことができました」

──最終ラウンド、組んでから引き込んだ。そしてパウンドを打たれた。あのあたりはどのように考えていますか。

「自分も3Rの途中まで取っていて、あの時にもう一度スタンドに戻るのか、引き込んで有効打を貰わないよう上手く誤魔化して終わらせようか。どちらにしようかという選択のなかで、下になりました。でも自分が思っていた以上に遠藤選手が元気で、意地を見せて来て。ただ後頭部に何回かもらったのですが、パウンドは見えていました。目が腫れていたのは、スタンドで被弾した時です。それでも引き込んだのだから三角や十字をしっかりと創りたかったです」

──引き込んだのであればということは、選ばなかった方も戦いも気になっていたということですか。

「ハイ。試合を終えて、あそこはスタンドに戻って得意の組みに持ち込んだり、打撃戦をやっても良かったとは思いました。あそこで引き込みを選んだのは、自分の弱さです。自分が楽な方を選んだ。それが弱さで。きついところで、勝負に行かない自分がいることを知りました。

やり切れなかった──。もうちょっとデキることがあった……というのが、試合を終った直後に感じていたことです。ただ、勝つことが絶対で。あそこで勝っていないと、今回12月に試合をすることはできなかったですし。次につなげるために絶対に勝つ、そう思って戦って勝てた。でも、フィニッシュできなかったこともそうだし……まだまだで。全てを含めて、良い経験になりました」

──その12月の試合はタイトル戦を2度経験している亀井晨介選手が相手です。このオファーが来た時、素直にどう思いましたか。

「ビックリしました。自分で良いのかなって。自分のなかでは試合も確定していないし、前回の試合内容を考えると、組まれたとしても少し下のランキングの人だという風に心の準備をしていました。だから亀井選手が相手だと聞いて、すぐにやりたいと思いました。きっと色々な候補があって、亀井選手が僕を選んだんでしょうけど……選んでくれたことも凄く嬉しいです」

──ジャブで突き放す、組まさない。9月の試合は打ち合いに応じるような場面があったのですが、亀井選手は原点回帰のスタイルで戦ってくるのではないでしょうか。

「DEEPで神田コウヤ選手と戦った時もそうでしたけど、距離が違って上手くやられました。自分の殻を破って、覚悟を持って戦えるかどうか。そこが一番の課題になると思います。大きな相手と練習は十分にしているのですが、試合で覚悟を持って自分の弱さに立ち向かい、組んで寝技に持ち込めるのか。そこですね」

──八隅選手がグラップラーなら、相手が本気で打ち込んでくるとイメージして練習ができないとやられると言われていたことがありました。打撃スパーは互いに100パーセントではないです。ただし、MMAスパーだと組みは100パーセントで打撃はそうでない。本気の打撃は試合でしかない。そこがグラップラーの難しさに通じてくるのか。

「練習中に組みにいって、パンチを貰うと『試合だったら、終わっている』とか……やっぱり自分でしっかりと考えるしかなくて。練習だからもらっても入って組める。それで良しとしない。試合だったら、パンチやヒザを合わされている。この入り方ではダメだと、意識しないといけないです」

──そうするしかないですよね。結果、本気のテイクダウンがくるのでストライカーの方が、ダイレクトに成長できるのではないかと。

「そうですね、ディフェンスが上手くなりますね」

──そうなると練習形態として、MMAは打撃系の方が有利になってしまうのでは?

「そうかもしれないですね……。でも、組み技の選手も打撃の練習をしていますし」

──平田選手は、どのような打撃を?

「目白ジムやクレイン要町とムエタイのジムに行かせてもらっています。クレインは米国から戻って来てから、ずっと行っています。自分がKOするようになるには時間が掛りますが、弱い部分を無くして。首相撲からの打撃だとか、近い距離の打撃。相談しながら、自分が組みにいける打撃を指導してもらっています。

そこで考えて、教えてもらったことをロータスの練習で試す。簡単ではないですけど、トライしないと答えは見つからないので。練習で試して、そして試合で試すということですね」

──この試合は勝てばタイトル挑戦が見えてきます。大勝負で何を見せないといけないと思っていますか。

「やっぱり前回できなかったフィニッシュすること。勝つことが大切ですけど、そこ重要かと思います。タイトルに挑戦する力があることを見せて勝ちます」

──グラップラーもコントロール派のフィニッシュ、サブミッション派のフィニッシュは別モノかと。

「ハイ。僕はコントロールして、パウンドで削る。それからフィニッシュ。いきなりの極めよりも削って、そこから極めでも殴ってもグラップリングもコントロールして勝つ」

──ブランドン・ロイヴァルでなく、ハニ・ヤヒーラだと。

「そうです(笑)。肩固めかギロチンです。手足が長い人がうらやましいです(笑)。前回の試合から短期間でも、自分の得意な場面から先の動き……フィニッシュするまでの動きを考えてきました。頭のなかで考えたことを練習で試しています。反復し続けて、体に沁み込ませたモノを試合で出したい。完封──フィニッシュして勝ちたいです」

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【UFN222】ハニ・ヤヒーラ、左のカウンターを打ち抜かれモンテル・ジャクソンに初回パウンドアウト負け

<バンタム級/5分3R>
モンテル・ジャクソン(米国)
Def.1R3分42秒by TKO
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)

サウスポーのジャクソンに対し、右ローを蹴るハニ。ジャクソンは右を伸ばし、ローの蹴り合いから圧を掛ける。ハニは左をガードしてケージを背負うと、蹴りで前に出る。シングルでケージにジャクソンを押し込んだハニは、足を取られてリバーサルされ下になる。ジャクソンの右腕を抱えるが、抜かれて試合はスタンドに戻る。

ジャクソンが左ミドルを入れ、ハニは右を届かせる。ジャクソンは左ハイを狙い、右ジャブに左をカウンターでいれ、そのまま右を当てる。後方に倒れたハニに、速射砲のようなパウンドを連打し試合は決した。

反応、敏捷性と明白な違いが見られた両者、ジャクソンは「彼は距離を詰めてくるので、少し下がって左を入れるタイミングを待っていたんだ。イージーだったり、ハードだったり、勝ったり負けたりするけど、ここにいることが楽しいんだ」と話した。


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【UFN222】ヒースタンド戦へ、チンギス・ハンの末裔バットゲレル・ダナー「レスリング勝負になっても」

【写真】ちょっとゲッツなダナー(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、あと4時間でスタートするネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN222:UFN on ESPN+80「Pavlovich vs Blaydes」。その第 1試合でバットゲレル・ダナー✖ブレディ・ヒースタンドのバンタム級戦が組まれている。

キャリア6勝2敗の新鋭を迎え撃つダナーは、3試合連続初回KO勝ちから一転、現在2連敗中だ。アリゾナのファイトレディーで倉本一真とスパーリングを数多くしてきたというダナーに、モンゴル人の強さの秘密と今大会の試合の意気込みを訊いた。


──ダナー、ブレディ・ヒースタンドと土曜日に戦います。今の気持ちを教えてください。

「ファイトウィークに入って、最高の気分です。エネルギーが熱を帯びてきていて、もう戦う準備は出来ています」

──アリゾナのファイトレディーでは、日本の倉本一真選手と随分と練習してきたと聞きました。

「カズマとは、本当にたくさんスパーリングをしました。RIZINで戦うために、カズマももう日本に戻っているはずです。素晴しいファイターで、本当に強いレスラーなので、カズマとはとても良い練習ができました。カズマもアリゾナで次の試合に向けて、素晴らしいキャンプができたはずです」

──ところでダナーがジャクソン・ウィンクMMAからファイトレディに移ったのは、なぜなのですか。

「ジャクソン・ウィンクも素晴らしいジムでしたが、ファイトレディーの方がヘンリー・セフードを始め、自分と同じような体格の選手が多く練習しています。それと仲が良いアラテンヘイリがアリゾナで練習していたことも、ジムを移った要因の一つです。ジャクソン・ウィンクでは打撃をしっかりと学ぶことができたので、レスリングがベースのファイトレディーで、しっかりとレスリングを見直してきました。結果、今週末は打撃だけでなくレスリングを融合したスタイルを見てもらえると思います」

──実は1月にウランバートルを訪れたのですが、ケージレスリングに関してセントラルヒーティングがあるために、壁レスができないジムが多かったです。

「モンゴル人の男の殆どが、幼少期からモンゴル相撲をやってきたので自然とファイティングスピリットが養成されます。ただし、MMAに関しては今指摘されたように環境がまだまだ整っていません。だからケージレスリングや壁レスという部分で、モンゴルのMMAは他の国の後塵を拝することになっています。

ただしモンゴルではMMAの人気は上がっていて、ケージのあるジムも出てきました。そして、優秀なコーチも増えています。だから壁レスやクリンチワークという点でも、モンゴル人ファイターはこれから強くなることは間違いないです。

自分も試合が決まれば、米国のジムでキャンプを行いますが、普段はウランバートルに戻って練習しています。モンゴル人MMAファイターの第一世代として、自分は海外で練習をして壁レスやクリンチの習得に努めてきました。そしてウランバートルではボクシングやテコンドーのジムで、MMAjは何かを説明してきました」

──MMAの普及にダナーは務めてきたのですね。ところでマイナス30度の極寒の地で、肉と麺類やお米を食べまくり、タンパク質と炭水化物を取り続ける。この2つの要素がモンゴル人を精神的、肉体的に強くするのだと勝手に結論づけました。

「アハハハハ。気候に関してはモンゴルには四季があり、夏は相当に暑くて冬はとんでもなく寒いです。本当に極端な気候で、あのタフな環境で生まれ育つと人間を強くしてくれると思います。食事に関しては、モンゴル人は自生した植物をよく食べています。それに肉に関しても、緑を食べて育った羊、牛を食べているので。野菜を食べているのと同じです(笑)」

──まさか(笑)。

「ただ気候と食事がモンゴル人を強くしているというのは、100パーセント賛成します。それとモンゴルの歴史ですね。チンギス・ハンの時代から、我々はウォリアー・スピリッツが受け継がれてきました」

──そんなウォリアーズ・スピリットを持つダナーですが、3試合連続1RKO勝ちのあと、現在連敗中で今週末の試合はとても重要かと思います。

「全ての試合が重要です。どの試合も真剣に向き合ってきました。ただし、今回の試合は特に大切です。ですから、1Rでフィニッシュすることを約束します。対戦相手は将来性豊かな若いファイターで、完全にグラップラーです。優秀なレスラーですが、我々モンゴル人にはモンゴル相撲で養われた、組み合いで強さを発揮する血が流れています。

そして、自分が初回でKO勝ちするので、彼がレスリングの技術を使う機会は訪れないです。ただ、レスリング勝負になっても自分のレスリングの強さを見せつけます。モンゴル相撲が、モンゴル人の根底にあるファイティングスピリットを養ってくれるので、あらゆる組技、柔道、柔術、レスリングでモンゴル人は常に強さを発揮します。

だから自分も土曜日の夜にはファンに再び、KO勝ちをお見せします」

■視聴方法(予定)
4月23日(日・日本時間)
午前5時30~UFC FIGHT PASS

<ヘビー級/5分5R>
セルゲイ・パブロヴィッチ: 260.5ポンド(118.16キロ)
カーティス・ブレイズ: 262.5ポンド(119.06キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス: 185ポンド(83.91キロ)
ブルーノ・シウバ: 186ポンド(84.37キロ)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン: 156ポンド(70.76キロ)
ジャレッド・ゴードン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子フライ級/5分3R>
イアズミン・ルシンド: 126ポンド(57.15キロ)
ブローガン・ウォーカー: 126ポンド(57.15キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェレマイア・ウェルス: 171ポンド(77.56キロ)
マシュー・セメルスバーガー: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
リッキー・グレン: 155.5ポンド(70.53キロ)
クリストス・ギアゴス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<バンタム級/5分3R>
ハニ・ヤヒーラ: 136ポンド(61.69キロ)
モンテル・ジャクソン: 136ポンド(61.69キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
カロス・ホサ: 144.5ポンド(65.54キロ)
ノルマ・デュモンチ: 145ポンド(65.77キロ)

<ヘビー級/5分3R>
モハメド・ウスマン: 239.5ポンド(108.63キロ)
ジュニオール・タファ: 252ポンド(114.3キロ)

<フェザー級/5分3R>
フランシス・マーシャル: 146ポンド(66.22キロ)
ウィリアム・ゴミス: 147ポンド(66.67キロ)

<女子フライ級/5分3R>
プリシーラ・カショエイラ: 130ポンド(58.96キロ)
カリーネ・シウバ: 126ポンド(57.15キロ)

<バンタム級/5分3R>
バットゲレル・ダナー: 136ポンド(61.69キロ)
ブレディ・ヒースタンド: 136ポンド(61.69キロ)

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【Pancrase333】笹晋久と対戦、田中路教の真実─01─「僕のパフォーマンスは〇〇〇戦から落ちています」

【写真】そうだったのか……と衝撃を受けました(C)MMAPLANET

30日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333で笹晋久と対戦する田中路教──ホントに赤裸々に話してくれて感謝です

サクラメントに拠点に置き、アルファメールで練習する田中のMMAライフはUFCで再び戦うこと。その田中が2019年3月のウラジミール・レオンティブ戦以来、4年振りとなるパンクラス参戦を決めた。その理由と、今も田中が戦い続ける理由を尋ねた。

すると田中本人の口から、自身のパフォーマンスに関して空恐ろしい言葉が訊かれた。


──パンクラス出場、色々なことがあったかと思いますが、話せる範囲で読者の皆さんに説明してもらえますか。

「ハイ。長くなりますよ?」

──全然、構いません(笑)。

「去年の8月、LFAで負けて……あれからユライアと話し、彼の持つ会社でマネージメントをしてもらうことしました。僕も子供が生まれたことで、ずっと米国に滞在できなくなり、今後はLFA以外でも戦うことも視野に入れる必要が出てくると思ったので」

──つまりLFAとの契約も解消する方向で話を進めてきたということですか。

「まずビザを取り直すタイミングが来て、LFAの契約だとLFAでしか試合ができない。そこをまず解決することがありました。だから契約の解除は最初の選択肢で」

──LFAは結果、1年で1試合しか試合が組まれず、ここは誤算だったかと。

「全ては自分の決めたことです。自己責任です。そこはLFAが云々というのは全くないです。去年、コンバット柔術の試合に出て……年が明けてから、実際に動き始めました。まずはビザの更新が必要で、そのために通訳の面でサポートしてくれる人がいるので、弁護士と話を始めました」

──ユライアの会社でマネージメントが始まった。同時にユライアはA-1Combatという大会も開いています。

「ハイ。なのでA-1 Combatと契約を結ぶ一方で、他のプロモーションでも戦える状況を整えようと思いました。そこでLFAとの契約を解消する必要があり、ちょうどユライアがUFCのブラジル大会を視察した際に、エド(ソアレス)とランチをしてフリーランスにしてもらいました」

──試合機会を与えないけど、契約を盾に拘束するというようなことがなくて良かったです。

「そこはエドも僕の立場を考えて、快く了承してくれたみたいです。A-1とは2月の頭に契約して、そこから次の試合を探すことになりました。そして4月の終わりにTachi Palace FightとA-1が合同でイベントを開くので、そこで戦うことを第一に練習をするようになったんです

でも2週間後にその試合がなくなって、5月終わりのA-1になると。そこから3カ月は長い、素直に思いました。それにビザの更新があるので、一度日本に戻る。それなら日本で戦うということを考えるようになりました。それで勝村(周一朗)さんに相談すると、『自分が交渉できるのは修斗、パンクラス、RIZINだけど』ということだったので、『どこでもお願いします』と」

──ついにRIZINで戦う可能性が出てきたたわけですね。

「あの時は『どこでもやります』と自分の拘りなんかは伝えなかったです。で、2週間後ぐらいにパンクラスが対戦相手を探してくれることになったという連絡が勝村さんからあり、ユライアとマネージャーにも日本で戦いたいと伝えました。なら、その方向で行こうということになったのですが、2月の終わりに──あの夜叉坊が出たUP NEXT Fightingから、3月末にフランシスコ・リベラとタイトルマッチのオファーがあったとマネージャーから聞かされました」

──ない時はないのに、決まり始めると重なる……。

「ハイ……。ただパンクラスに相手を探してもらっているので、勝村さんにオファーがあったことを話して。そうしたら勝村さんから『まだ見つかっていないので、そっちを優先すべきだ』と言ってもらえたので、UNFのタイトルマッチに出ると決めました。それをマネージャーに伝えた日の夕方に『流れた』と言われて……」

──なんちゅうことですか。チグハグが過ぎますね。

「もう本当に申し訳ないのですが、勝村さんが『パンクラスにまた頼むから』と言ってくれて……」

──今、田中選手はどこを目指してMMAを続けているのでしょうか。

「UFCをまだ目指しています」

──それなのにTitan FCやFury、CFFC、CESと交渉をせずに、手の届く範囲で試合機会を得ようとしたのは?

「今回は日本で試合をすることを考え、パンクラスが応えてくれた時点で他の団体で戦うという頭はなかったです。ビザのこともあったので。ビザの更新が終れば、A-1を始めまた米国で戦う場所を探すことになります」

──どれだけ田中選手が厳しい状況にあろうが、『日本なんだ』と思ったのは否定できないです。と同時に米国を拠点にしていても、主要フィーダーショーやBellatorのローカル枠でも試合ができないという現状にショックを受けました。なら、米国でやっていくというのは現実的に厳しすぎるなと。

「う~ん、そうは思わないです。実際にUNFやTPFからオファーもあるし、ただし現状では他のフィーダーショーで戦うことに関しては、ビザを取ってからの交渉ということ。それだけです」

──では暫らくは日本で戦うことも?

「いえ、もう移民局に書類を申請しているし、ビザを取得できると日本で戦うことはないかと……」

──さきほどRIZINの名前もありました。ならRIZINで知名度を上げ、実績を積んでUFCと交渉という選択肢もあるかと。

「とにかく、僕は4月までに試合がしたかった。5月まで待ちたくないというなかで、試合ができるところではどこでも戦うというつもりでした。今回に関しては対戦相手のことも全く関係なく試合がしたかったです。

笹選手と試合を組んでもらえましたが、相手が誰だろうが絶対に断ることはなかったです。ただ、今後は米国で若くてUFCが目を付けている選手と戦っていこうという気持ちでいます」

──RIZINの方が良い相手、良い条件で戦えるかと思いますが……。

「う~ん、ビザが取れれば米国で戦います。僕はとりあえず米国で良いです(笑)」

──では笹選手との試合ですが、正直ここ数年ケージのなかで良いパフォーマンスを残せていない。それが田中選手の事実かと……。

「そうですね。その通りだと思います。だから自分のコンディションを整える。もう、そこだけですね。今、言われたように……いや、ここ数年ではなく僕のパフォーマンスはハニ・ヤヒーラ戦(※2016年9月)から落ちています」

──えっ……6年以上前ですが……。2017年10月のホジェリオ・ボントリン戦は良かったかと。

「う~ん、僕の感覚と照らし合わせると、ボントリン戦の時も落ちていた。落ちているなかで、なんとか整えたに過ぎないです。僕が良い動きができていたのはジョー・ソト戦(※2017年1月)が最後です。あの後、明確に落ちました。実は最近までボントリン戦の後からだと思っていたのですが、今から振り返るとヤヒーラ戦からです」

<この項、続く>

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【RIZIN LANDMARK04】リスタート=SARAMI戦、ラーラ・フォントーラ「GSPのように戦う」

【写真】過去映像はほぼガードから攻め。激しく打撃で打ち合うこともあったが、果たしてSARAMIとどのように戦うのか──長旅の疲れも見せないラーラに尋ねた(C)MMAPLANET

6日(日)、名古屋市中区のドルフィンズアリーナで開催される「RIZIN LANDMARK 4 in NAGOYA」で、SARAMIと戦うラーラ・フォントーラ。
Text by Shojiro Kameike

7月の初来日では女王=伊澤星花を引き込みから三角絞めに捕えるも、上体を突っ込まれ腰が上がるという厳しい姿勢になり、腕十字に移行できなかった。結果はパス狙いの伊澤のギロチンに敗れたフォントーラだったが、そのしなやかな肢体から繰り出される柔術は紛れもなく本物だった。

3カ月半という短いスパンで、SARAMIとの一戦が実現するのも関係者からの評価が高いが故。とはいえ2連敗すると、もう地球の裏側から日出ことは難しい。ラストチャンスともいえる修斗世界王者との対戦を前に、フォントーラをインタビューした。


――今回、日本に到着したのは?

「昨日よ(※取材は11月4日に行われた)」

──私もブラジルを訪ねたことがありますが、長旅は本当に体にきついです。今の体調はいかがですか。

「ブラジルと日本はとても遠いから、もちろん疲れるわ。でも私は旅をすることが大好きなので、あまり気にしていないの。試合に集中していて、早く戦いたいという気持ちの方が強いわね」

──ブラジリアのコンストリクター・チーム所属と紹介されることが多いですが、つまりはアタイジ・ジュニオールに師事をしているということですか。

「コンストリクター・チームは私の夫(ジェジマール・ニンジャ・ヴェントゥーラ)が所属しているチームで。私は彼の指導を受けているの。彼はアタイジ・ジュニオールの下で柔術を習い、今もプロのMMAファイターとして戦っているわ(※12勝5敗)」

──ではハニ・ヤヒーラやエリッキ・シウバたちと練習したことがあったのですか。

「えぇ。一緒に練習──スパーリングをしたこともあるし、皆知り合いね」

──おお、その話を伺うとさらに試合が楽しみになります。ところで前回の伊澤星花戦では、三角を逃げられました。あの時はロープ際で三角を仕掛けていましたが、リングということで戸惑いはなかったですか。

「いつもオクタゴンで戦ってきたから、あの試合は少し戸惑ってしまって……。ケージを蹴って態勢を整えたりできなくて」

──今回はケージですね。

「ケージで練習しているので、ケージの方が自信を持って戦えるわ」

──正直ラーラのように徹底して下で戦う選手は、MMAではあまりいないです。柔術の時も、下が好きなのですか。

「上も下も好きよ。とにかく今回の試合は冷静に戦いたい。冷静でいられれば打撃戦もできるし、寝技で戦うこともできる。GSPのような試合がしたいわ」

──GSPですか、ならテイクダウンをして削ってパス、そんな戦い方をすると? GSPの下は余り想像できません。

「う~ん、前の試合は打撃を出せなかったので、今回の試合では打撃を使ってからグラウンドに持ちもこうと思っているの。そうね──とにかくスマートに戦って、ドミネイトするわ。ボトムだけでなく、トップからも攻めるし、打撃も使って戦おうと思う。私が持っている全てを見せるわ」

──ではSARAMI選手の印象を教えてください。

「とても良い選手ね。でも私の方が強い。自分を信じて、必ずRIZINのチャンピオンになるから」

──GP決勝を残すなか、再来日を果たしました。そのためにも本当に大切な試合になります。

「今はこの試合に100パーセント集中して、将来的にチャンピオンになるから」

──では最後にファンに一言お願いします。

「日曜日は打撃で打ち合い、寝技を支配するよう戦うわ」

■視聴方法(予定)
11月6日(日)
午後2時~RIZIN STREAM PASS. ABEMA, U-NEXT, RIZINIVE. Exciting RIZIN, dTV, Streaming+,Paravi, SPOOX,スカパー!

■ RIZIN LANDMARK04対戦カード

<70キロ契約/5分3R>
弥益ドミネーター聡志(日本)
平本蓮(日本)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
鈴木千裕(日本)

<バンタム級/5分3R>
元谷友貴(日本)
倉本一真(日本)

<ヘビー級/5分3R>
ミノワマンZ(日本)
侍マーク・ハント(日本)

<無差別級/5分3R>
カルリ・ギブレイン(ブラジル)
貴賢神(日本)

<49キロ契約/5分3R>
SARAMI(日本)
ラーラ・フォントーラ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
中村優作(米国)
征矢貴(日本)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
鈴木博昭(日本)

<バンタム級/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
河村泰博(日本)

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
ヤン・ジヨン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
奥田啓介(日本)
久保優太(日本)

<バンタム級/5分3R>
日比野“エビ中”純也(日本)
吉田陸(日本)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
秀義(日本)

<キック53キロ契約/3分3R>
佐藤執斗(日本)
KAZUNORI(日本)

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MMA o UFC   カン・ギョンホ ハニ・ヤヒーラ

『UFC on ESPN 39』で中止になっていたコディ・ガーブラント vs. ハニ・ヤヒーラが10.1『UFC Fight Night』で仕切り直しマッチ

ハニ・ヤヒーラが首を負傷、7.9『UFC on ESPN 39』コディ・ガーブラント戦を欠場(2022年06月14日)

 こちらの続報。


 7月9日の『UFC on ESPN 39: dos Anjos vs. Fiziev』で予定されていたコディ・ガーブラント vs. ハニ・ヤヒーラのバンタム級マッチが10月1日のFight Nightシリーズ(会場未定)で改めて組まれることをMMAFightingが確認したとのこと。前回はヤヒーラの首の負傷により中止されていました。

 ガーブラントは昨年12月の『UFC 269: Oliveira vs. Poirier』で行われたフライ級転向初戦でカイ・カラ・フランスに1R TKO負けして以来の試合で2連敗中。元バンタム級王者も最近6試合の戦績は1勝5敗で今回はバンタム級復帰初戦。

 ヤヒーラは昨年11月の『UFC Fight Night 198: Vieira vs. Tate』でカン・ギョンホに判定勝ちして以来の試合で2連勝中。続きを読む・・・