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【UFC281】アレックス・ポアタン、キックに続きアデサニャを倒しUFC4戦目で世界ミドル級王者に

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
Def.5R2分01秒by TKO
イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)

キャリア8戦目、UFCでは4戦目の世界王座挑戦──キック時代にアデサニャを2度下しているポアタンが、跳び前蹴りを繰り出す。かわしたアデサニャは左インロー、構えを変えてジャブから右ローを蹴っていく。スイッチを繰り返すチャンピンに、ポアタンが右ローを蹴る。さらに左ミドルを蹴った挑戦者が右カーフを3連続で蹴る。左ジャブを返したアデサニャは、ミドルの蹴り合いから左ハイを狙う。

続いて左ジャブから右ストレートを当てると、ポアタンは姿勢を一瞬乱す。ポアタンはミドルのフェイクに大きく反応するが、左リードフックから右ミドルを決める。左ミドルハイはガードされると、少し高めの蹴りを続いて狙うアデサニャ。ポアタンも左ハイを返し、カーフの蹴り合いからアデサニャが左ミドル。直後に距離を詰めたポアタンもミドルを入れる。右三角蹴りを効かせたポアタンが、左ジャブに左ヒザを合わせようとする。残り30秒でクリンチの攻防になると、ボディロックのアデサニャに対し、ポアタンがボディショット、ヒザを突き刺した。と、終了間際に左ジャブから右ストレートをアデサニャが打ち抜く。

完全に腰が落ちたポアタンは、ホーン後に左フックまで被弾してしまった。

2R、前に出る挑戦者。足を使って回るチャンピオンが左ジャブを当てる。左ボディフックを返したポアタンが、鋭い右後ろ回し蹴りを繰り出す。詰めるポアタン、外すアデサニャ。チャレンジャーはジャブを当て、チャンピオンが左ストレートを返す。左ハイから右を入れたアデサニャだが、ポアタンが左を打ち返す。さらに左ジャブを当てるポアタンは詰めてヒザを見せる。アデサニャがケージに押し込み返すと、シングルレッグへ。一瞬体が浮いたポアタンだが、着地して左ヒジを入れる。

アデサニャが右をヒットさせ、ジャブを頭を振ってかわす。それでも左を2発当て、左から右を打ち込むポアタン。アデサニャがこれだけパンチを被弾したことは、過去になかったはずだ。さらに左からヒザを入れたポアタンは、左ワキを差されてケージを背負う。ボディロックに取るが離れたアデサニャが、左ハイを蹴られて下がる。ワンツーの右をかわしたポアタンが、シングルレッグからもう一方の足も払ってテイクダウンを決めラウンドを取り返した。

3R、両者ジャブを見せ、間合いの測り合いのなかでアデサニャが左ハイ。ポアタンが右ハイを見せる。ワンツーの右、さらに左を入れたアデサニャがボディストレート、前に出るポアタンはヒザ蹴りからボディを殴る。クリンチの攻防でテイクダウンを決めたアデサニャがバックコントロールからパウンドを打ち下ろす。真っ直ぐ立ち上がろうとして、左足フックされたポアタンは、再び両ヒザをつく。フックを解いてバックコントロールのアデサニャが後方からパンチを続け、再び左足をフックする。外して前方に崩していくアデサニャは、自ら尻もちをついてバックグラブを狙う。

ポアタンは足関節を狙うが、潰したアデサニャがトップを取りエルボーを打っていく。手首を掴んで防御の挑戦者は左のパンチを打たれる。立ち上がったアデサニャは、足を払いつつパンチの機会を伺う。アデサニャがカカト落としのボディに蹴り下ろすと、たまらずポアタンが背中を見せ時間に。

4R、左ジャブを伸ばすアデサニャに対し、ポアタンが左ローを蹴る。前のラウンドの寝技で消耗したか、ポアタンは動きが少なくなっている。アデサニャが左ジャブから右ストレート、ポアタンは前に出るが手数が少ない。アデサニャは左ミドルを入れ、ついにはポアタンがケージを背負う場面も。左ジャブを2発被弾したポアタンはダブルレッグのフェイクに掛かり、ボディロックを許す。押し込んで細かいパンチを繰り出すアデサニャに対し、ポアタンは手刀のような動きを見せる。素早いパンチを見せて離れたアデサニャは、ケージを背負いジャブを打たれる。左をかわして組んだアデサニャはヒザを貰いながら、崩しを狙う。

ここからケージにポアタンを押し込んだアデサニャだが、テイクダウンは奪えずエルボーを見せて離れる。ポアタンが左フックから右を狙ったところでラウンド終了となった。

最終回、このためにポアタンは4Rに休んでいたのか、それとも疲れて動けなかったのかが明らかになる最後の5分間。右カーフから左ミドルのアデサニャ、前に出たポアタンが右から左ボディフックを入れる。ヒザ蹴りのアデサニャは離れたポアタンの右を受ける。ボディロックのアデサニャは、離れて右カーフもチェックされて後方に崩れる。すぐに立ち上がったアデサニャは、右カーフを続けるがスネはどうなっているのか。

右ローから前に出て右フック、さらに左を決めたポアタンはふらつくアデサニャをケージにつめて左右のパンチを打ちこむ。左フック、右アッパー、左フックから一旦崩れ、立ち上がったチャンピオンに左右のパンチをポアタンが続け、右フックをモロに被弾した直後にレフェリーが割って入った。

オクタゴン4戦目で頂点に立ったポアタンは、「この日のために人生をかけてトレーニングしてきた。凄くハードな試合だった。グローバーの試合のようにね。次の準備はできている。サポートしてくれた皆に感謝している」と勝利者インタビューで話した。


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【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、ナイファンチン編(09) 「一挙動の手刀『外』」

【写真】イチ・ニという動きではなく、イチの動きでこの形を創る (C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型を使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない。

サンチン、ナイファンチン、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。そんな剛毅會の稽古には站椿が採り入れられている。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンで創られた、空手の体をいかに使うのか。その第一歩となるナイファンチンの解析を行いたい。目線と体の向き、足の小指が正しくなることでナイファンチン立ちが成り立つ。今回は「一挙動の手刀『外』」を分解していく。

<ナイファンチン第8回はコチラから>


一挙動の手刀打ち、『外』
ダメな例

相手の突きに対し


肩を回して相手の外側に入る。このように回転の動きで入ると


一度動きが止まり、そこから手刀を打つというイチ・ニの動きになる。これでは一挙動にならない。結果、居着いた攻撃となり右の突きを避けることはできても


2発目の左の突きを被弾してしまい


手刀を出すことさえままならない

一挙動の手刀打ち、『外』
良い例

相手の突きに対し


外側から入って手刀を打つと


間を制し、腕をまっすぐ伸びて曲がった状態にならないので相手の攻撃は届かない


「正しい一挙動の手刀打ちは、相手の攻撃に対して直角にイチで入ることが最も肝要である」(岩﨑達也)

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【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、ナイファンチン編(08) 「一挙動の手刀。手の創り」

【写真】手刀のチョップの違いについて言及していきます (C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型を使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない。

サンチン、ナイファンチン、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。そんな剛毅會の稽古には站椿が採り入れられている。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンで創られた、空手の体をいかに使うのか。その第一歩となるナイファンチンの解析を行いたい。目線と体の向き、足の小指が正しくなることでナイファンチン立ちが成り立つ。前回まではナイファンチンの型の動きに基づく「二挙動の手刀受け→ヒジ当て」を分解したが、引いて手刀という動きから「一挙動の手刀」を分解していく。

<ナイファンチン第7回はコチラから>


手刀を当てる際の手の創り方

✖ 手刀の返しの技術で重要なのは、親指


親指を締めた=掌側に入れた手刀では、手の甲が丸まってしまい威力がない


〇 少し親指を開いた形を創ると


掌も開き甲も丸まらなく、威力がある手刀となる。と同時に親指の指先まで意識をして、この指が動くようではいけない


「指先まで質量がないとケガをしてしまいます。結局、指先の質量とは全体の質量を指します。指先に質量がない場合は、全体に質量がないんです」(岩﨑)

✖ 指先に質量がない状態で、手刀で受けにいっても相手と押し合いになり


拮抗した勝負に陥り、相手の攻撃を防ぐことはできない


〇 対して形を創っている手刀受けだと


相手は入ることができなくなり突きが出せなくなり


力も入らず崩すことができる。正しい形で手刀受けをすると相手の攻撃を受けても痛くない

「空手は力で力を出すものではなく、型で力を出します。手の握りもそうで。実は拳で親指を握ると、拳はあまり痛くなくなります。よって何かを叩いて拳を固くしても、突きの威力が増すわけではない。部位鍛錬などしても、力が出るわけではいというのが私の考えです。空手は形で威力がでるようになります。空手で大切なのは威力の出る形を創ることなのです。

巻き藁を突くのではなく、当てるものだと私は理解しています。打つでもなく、当てる──です。そうすると置くだけで、そこにエネルギーがあるのか確認ができます。巻き藁は空手用語として「突き」が広まりましたが、拳を当てることを指します。当て力なんです。正拳にしろ、手刀にしろ巻き藁と叩いて部位を固くして威力を増すのではなく、正しい形で形作ったモノが一番威力があります。

巻き藁は突き……当て力の確認作業として非常に優れた稽古です。殴って拳を鍛えるという風に伝わったのは、なぜなのか。型にしても基本稽古、巻き藁にしても失伝してしまったものだらけなのだと思います。

もともと空手は琉球、首里の官僚の武術です。彼らには長時間掛けて鍛えたりする時間はなかったです。だから頭を使って、如何に短時間で強くなれるかを考えた。手刀の親指の開き方一つをとっても人類の英知があります。

ただし、なぜこの形なのか説明する術はありません。手刀の場合は親指を掌にいれると他の指も弱くなりますが、外に出すと、他の指も張って強くなります。この形だと質量が高い形となります。そうとしか説明をまだ私はできないんです。そして、この親指の角度だと質量が高く、強い突きを打つ設計図になるということになんです」(岩﨑達也)

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