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【UFC FPI04】まずはマナスーが50/50からの内ヒールで、アウジェスから一本。準決勝へ

<無差別級T1回戦/8分1R>
ダン・マナスー(米国)
Def.3分21秒by ヒールフック
ガブリエル・アウジェス(ブラジル)

明確な体格差がある両者、引き込んだアウジェスに対し、マナスーが足関節を狙う。足を抜き、ヒザをついて足を取らせ内容とするアウジェスだが、マナスーはバタフライガードからスペースを創り、足を狙いにいく。回転して防ぐアウジェスに対し、マナスーはトップを取りに掛かるが、ここで両者が立ち上がった。

すぐに座ったマナスーに対し、アウジェスは右腕で差されると簡単にリバーサルを許す。アウジェスのバタフライガードを越しにいきつつ、内ヒールのマナスー。アウジェスが対応し、マナスーはキムラからスイープを仕掛けた。ここはトップをキープしたアウジェスだったが、マナスーが外掛けからインサイドヒールを仕掛け、ロールする相手に50/50をセット。カカトを捻られ──マット際でアウジェスたまらずタップ、マナスーが準決勝進出を決めた。


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【UFC FPI04】魂の耐久戦を戦ったスミスがテイシェイラと再戦。NCAAを2度制したブラボーヤングも注目!!

【写真】こんな攻防は絶対にない。ではどのような我慢合戦が見られるのだろうか (C)Zuffa/UFC

29日(木・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC FPI04。フィリッピ・ペナ✖クレイグ・ジョーンズのメインを筆頭に$3万が懸かった無差別級Tなど、世界のトップグラップラー&新鋭が集結する同大会では、MMA色の強いワンマッチも組まれている。

それがコメインで組まれたグローバー・テイシェイラ✖アンソニー・スミスのヘビー級マッチとフェザー級のローマン・ブラボーヤング✖アレックス・ペレスの2試合だ。


2020年5月、まだ未知の病原菌としてコロナの脅威が全世界を襲っていた頃にテイシェイラとスミスはUFN171──活動再開第2弾──のメインで戦っている。序盤の拮抗した勝負から3R以降はテイシェイラが、スミスをコントロールし徹底的にパウンドで痛めつけ、辛くも2つのラウンドはサバイブしたスミスが遂には最終回に仕留められている。

とはいってもスミスの粘りは驚異的でしかなく、今回は3年の時を経てグラップリングで両者が再び相対する。

ヘビーパンチャーのテイシェイラだが、柔術も黒帯で組み技競技の出場でいえば時を14年も遡るが、2009年のADCCブラジル予選で優勝し、同年にバルセロナで開かれた世界大会にも出場している。ばかりか、99キロ級で4位に輝いている。

続く2011年度の挑戦はブラジル予選で準優勝に終わり、2019年末のQuintet UltraまでテイシェイラはMMAに専念してきた。その後2021年10月にはUFCヘビー級王座となっていることは、周知の事実だ。元世界王者テイシェイラのグラップリング力は、スミスを上回ると予想される。とはいってもキャリア36勝(※18敗)のうち、14勝が一本勝ち(※KO勝ちは20度)のスミスも、極め力は相当なモノがある。

膠着無用、スタンド回避のサブオンリー・ルールでは、当日のコンディションも大いに勝敗を左右するものだが、5分3R制でなく、インターバルがないことも勝敗の鍵となるに違いない。43歳のテイシェイラを34歳のスミスが動かす試合となれば、マット上でのリベンジも大いにあり得るだろう。

またフェザー級戦ではフライ級タイトルコンテンダーのペレスが、ペンシルバニア州立大時代にNCAA D1を2度制したブラボーヤングの初のグラップリング戦(現地では初の柔術マッチと喧伝されている)の相手を務める。

レスリングベースのペレスは、ジヴァ・サンタナに長年に渡り柔術の手解きも受けており、サブミッション・レスラーとしての側面も持つ。対してブラボーヤングは大学を卒業後、フリースタイルでパリ五輪を目指す立場でありながら、レスリングのキャリアを全うした後にはMMA転向を既に宣言している。

このブラボーヤング、2020年の12月にアルジャメイン・ステーリングと6分間のフリースタイルレスリングの後、3分間のグラップリングというガチのエキシビションマッチを経験。レスリングでは6-4でリードし、グラップリングではRNCで敗れている。

いずれケージに足を踏み入れるであろうブラボーヤングは133ポンドでNCAAを制しており、ペレスはフライ級ファイターということを考えると、フェザー級契約はフィジカル的にはブラボーヤングが優位という見方も成り立とう。

レスラーとしてはフットワークを駆使し、シングルレッグやアンクルピックなどに強味を発揮するブラボーヤングは、ドミニク・クルーズともトレーニングもしてようだが、如何にペレスの柔術的な動きを断ち切ることができるのか──焦点はズバリこの一点に掛かってくる。つまりは、ペレスが引き込む可能性は十分にある対戦だ。

■視聴方法(予定)
6月30日(金・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC FPI04対戦カード

<ヘビー級/20分1R>
フィリッピ・ペナ(ブラジル)
クレイグ・ジョーンズ(豪州)

<ヘビー級/10分1R>
グローバー・テイシェイラ(ブライジル)
アンソニー・スミス(米国)

<ヘビー級/10分1R>
ニコラス・マレガリ(ブラジル)
ホベルト・サイボーグ・アブレウ(ブラジル)

<フェザー級/10分1R>
ローマン・ブラボーヤング(米国)
アレックス・ペレス(米国)

<140ポンド契約/10分1R>
ヘレナ・クレヴァー(米国)
エミリー・フェルナンデス(米国)

<無差別級T1回戦/8分1R>
ロベルト・ヒメネス(米国)
ニック・ロドリゲス(米国)

<無差別級T1回戦/8分1R>
フィリッピ・アンドリュー(ブラジル)
ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)

<無差別級T1回戦/8分1R>
ヒョードル・ニコロフ(ロシア)
ハイサム・リダ(ガーナ)

<無差別級T1回戦/8分1R>
ガブリエル・アウジェス(ブラジル)
ダン・マナスー(米国)

■視聴方法(予定)
6月30日(金・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS

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【UFC FPI04】立ちレス強制終了ルール適用UFCファイトパス招待TにB-TEAM移籍のハイサム・リダが出場

【写真】2021年のハイサム旋風を再び巻き起こすことができるか!! (C)SATOSHI NARITA

9日(木・現地時間)、東部時間の午後9時よりUFCファイトパスにて、グラップリング大会UFCファイトパス・インビテーショナル(FPI)04が配信される。
Text Isamu Horiuchi

強豪選手を集めたシングルマッチと優勝賞金3万ドル(※約430万円)が掛かった8人トーナメントを同時開催するこの大会は、トーナメントは本戦8分、メインカードのシングルマッチは本戦20分のサブミッション・オンリールールで争われる。

本戦で決着がつかなかった場合には、攻撃側と防御側に分かれて極めとエスケープの速さを競うEBI形式のオーバータイム(OT)で勝敗を決める。


UFC FPIルールの特徴は、立ち技の攻防が続くことを防止するための「ゲットダウン」ルールが採用されている点にある。スタンドの攻防が1分間続いた場合にはレフェリーが強制的にブレイクし、選手はバタフライガード(下の選手は双差しで相手の背中で手を組む)の上下に分かれて、(選択権はコイントスで決められる)寝技から攻防が開始されることとなる。

さらに、寝技の攻防で膠着を誘発する選手には積極的に警告やペナルティ(1回につき、OTにおいて自らのエスケープ時間を1分間加算される)が与えられ、選手たちは常に組技でのアクションを促されることとなる。

今回のトーナメントの参加選手は以下の通りだ。

ハイサム・リダ(ガーナ)
ダン・マナスー(米国)
フィリッピ・アンドリュー(ブラジル)
ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)
ガブリエル・アウジェス(ブラジル)
ヒョードル・ニコロフ(ロシア)
ニック・ロドリゲス(米国)
ロベルト・ヒメネス(米国)

日本のファンにとって嬉しい知らせは、昨年12月のUFC FPI03に続いてのハイサム・リダのエントリーだ。米国移住後、デトロイトのアセンブリー柔術を拠点としてメジャーグラップリング大会で活躍をしてきたハイサム。昨年のADCC世界大会最重量級1回戦では、超大物ホベルト・アブレウからわずか75秒で腕十字を極めてみせ、世界にその恐るべき潜在能力を知らしめた。

が、2回戦ではルーズベルト・ソウザのテイクダウンに敗れ、また無差別級では階級下のジャンカルロ・ボドニにガードをパスされ、完全制圧された上で腕を極められてしまう等、発展途上な側面が露呈してしまったことは否めない。前述のFPI 03においても、やはり階級下のパトリック・ガウジオの三角絞めの前に初戦敗退となってしまった。

そんなハイサムは、今年4月末にデトロイトを離れてテキサスのB-Teamに移籍することを決意。「負けが続いて、自分の戦いをみんなに知られてしまっていることが分かった。新しい技術を身に付けなければいけないと思った。そのためにここ以上の場所はない。僕の弱点、やるべきことは自分でも分かっている。突然強くなるはずもないから、多くのドリルやスパーリングを重ねてゆくよ」とハイサムは語る。

実際、クレイグ・ジョーンズ、ニック・ロドリゲス、ニッキー・ライアンといった世界最高峰のグラップラーが所属するB-Teamは、これまでハイサムの大きな課題であった各要素──テイクダウン、足関節、柔術ファンダメンタル=パスガードの攻防──に優れた選手たちが集い、特に足関節とパスガードの技術においては世界最先端を行く集団だ。

重量級として突出した瞬発力とダイナミックな極めを持つハイサムが、真のコンプリート・グラップラーとなるためにはまさに最善の選択だろう。

持ち前の明るい性格であっという間にチームに溶けこみ、また道場前に駐車した自分の車を荒らす泥棒を追いかけ、素手で取り押さえるという経験までしたというハイサムは、今回が移籍後初戦となる。本人も語るように、わずか数ヶ月の練習で全てが劇的に変わるものではないだろうが、ガーナ生まれの少年が、日本~デトロイト~テキサスと移動し世界の頂点を目指す旅の新章の幕開けとして、今大会は注目だ。

そしてこのトーナメントには、ハイサムを受け入れたB-Teamの重量級エース、ニック・ロドリゲスもエントリーしている。ハイサムの加入について「僕と同体格で、同じように高い身体能力を持ったパートナーが得られて最高さ。ハイサムは自分のエゴを試合では勝つために上手く使うけど、練習ではシャットダウンし、いつも笑っているんだ」と大歓迎の様子だ。

前回大会で世界最強のグラップラー、ゴードン・ライアン相手にOTに持ち込み、eエスケープタイム時間差で敗れたもののチョークを極めかける場面を作ったロドリゲスが本命であることは間違いない。

チーム加入前、練習に訪れたハイサムとのスパーリング動画が公開されているが、そこでは──あくまでお互い、勝ち負けではなく技術の向上を目指した手合わせにおいて──ロドリゲスがボディロックからパス、マウントを奪い上からの三角で極めているシーンがある。今回ハイサムとの同門対決が実現した場合、お互い手の内を知り尽くしているからこそ、当時よりさらにステージの上がった攻防を期待したいところだ。

さらに直前になって、ペドロ・ホシャに代わりロベルト・ヒメネスがエントリーされたこともこのトーナメントの期待感を増している。どのポジションからもダイナミックに極めを狙いにゆくヒメネスと、同様のスタイルを最重量級で実践するハイサムの対戦が実現すれば、好勝負となることは必至だ。

他にも世界王者レベルのグラップラーたちが続々と名を連ねるこのトーナメントでは、ジョン・ダナハー門下の22歳の巨漢ジョン・マナスー、10th Planetセントペテルスブルグ支部のヒョードル・ニコラスといった新顔の戦いぶりにも注目だ。

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月30日(金・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS

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BJJ STARS08 MMA MMAPLANET o ONE ガブリエル・アウジェス ジョナタ・アウヴェス タイナン・ダウプラ ブラジリアン柔術 ペドロ・マチャド マウリシオ・オリヴェイラ ルーカス・バルボーザ レアンドロ・ロ レオナルド・ララ ロベルト・ヒメネス

【BJJ STARS08】膠着禁止のミドル級GP。柔術の神の子=ミカ・ガルバォンがロを始め3人の世界王者に挑む

【写真】とんでもないGPトーナメント。タイナン・ダウプラが出ていないところがよりそそられる(C)CLAYTON JONE/FLOGRAPPLING

30日(土・現地時間)、ブラジルのサンパウロにてプロ柔術& グラップリングイベントのBJJ STARS 08 が行われる。
Text by Isamu Horiuchi

道着着用とノーギグラップリングの両方のルールにおける世界のトップアスリートたちを集めて開催されるこの豪華大会。今回の目玉は8人の黒帯選手が参加する道着着用ルールのミドル級GPだ。


この大会で特筆すべきは、道着着用の試合において膠着禁止目的の特別ルールが2つ採用されていることだ。一つ目は相手のラペルを相手や自分の手足に絡めて掴む技術に関するもの。攻撃姿勢を持って行われているとみなされれば許されるものの、膠着目的と判断された場合には掴んでいた側にペナルティが与えられ、強制的にグリップを解除した状態で試合が再開される。

もう一つは50/50ポジションについて。こちらは20秒間経過した時点で解けなければブレイクされ、両者にペナルティが与えられた上でスタンドから再開となる。

そんなルールが採用された8人制ワンデートーナメントの出場選手は以下の通りだ。

レアンドロ・ロ(ブラジル)
ルーカス・バルボーザ(ブラジル)
イザッキ・バイエンス(ブラジル)
ミカ・ガルバォン(ブラジル)
ロベルト・ヒメネス(米国)
マウリシオ・オリヴェイラ(ブラジル)
レオナルド・ララ(米国)
ペドロ・マチャド(ブラジル)

この8人の中で、IBJJF世界王者の肩書を持つのはロ、バルボーザ、バイエンセの3人。特に実績・知名度共に群を抜いているのは、言わずと知れた4階級世界王者のレアンドロ・ロだ。

12年にライト級世界王座に就いて以来、ミドル、ミディアムヘビーと制し、2019年にはついに(友人のブシェシャことマーカス・アウメイダに決勝戦を譲られる形ではあったものの)無差別級世界一の座に輝いた。

もうすぐ33歳となるレジェンドはここ数年試合数を絞っているものの、その強さは衰えを知らない。今年のパン大会のミディアムヘビー級においても2試合を勝利し、準決勝でチームメイトに勝利を譲っている。

重い階級での戦いにおいては、一瞬の爆発的なムーブで優位なポジションを取っては動きを止めるような試合運びが目立つロだが、今回は久々のミドル級。この体重ならば、強力なガードから様々なスイープを自在に使いこなし、上からは機動力を生かして鋭いニースライスやトレアナ・パスで攻め立てる本来の動きが期待できそうだ。

(C)CLAYTON JONE/FLOGRAPPLING

このロにとって天敵ともいえる存在が、2018年のミディアムヘビー級世界王者&2021年は同門とシェアで準優勝のハルクことルーカス・バルボーザだ。

ロとは道着着用では2019年のパン大会、2020年のBJJ Starsにて対戦。ロのオープンガードからの攻撃をトップから封じ込めて勝利している。

特に2年前の試合はテイクダウンでポイントを先行し、終盤はバックに付きかけての完勝だった。さらに2021年のBJJ BetのノーギGPの決勝でもロと対決。この時に至ってはテイクダウンからバックを奪ってチョークで一本勝ちを収めている。ロのガードの攻略法を完全に会得している世界でも数少ない選手の一人が、バルボーザなのだ。

低く重く相手を抑え込み、無駄な動きはせず上を決して譲らない重厚なバルボーザの戦い方は、ロだけでなく誰にとっても難攻不落と言えるだろう。普段より軽いミドル級の戦いとなるこの大会、減量の影響がないならばバルボーザこそ本命と言えるかもしれない。

もう一人の世界王者が、イザッキ・バイエンスだ。

高い身体能力を活かした抜群のスクランブル力とトップキープ力を誇る。このGPと同じミドル級を主戦場としていて、2018年に世界王座に就いた。2019年と2021年の世界大会決勝では、それぞれガブリエル・アウジェスとタイナン・ダウプラに惜敗したものの、どちらも正面衝突を避けた相手に50/50を作られて終盤まで延々と膠着された挙句、終了直前に微妙なポイントを稼がれての敗戦だった。バイエンスの実力が現在も世界最高峰にあることを疑う者はいまい。

2019年と2021年の世界大会決勝の展開からいえることは、今回の大会特有の膠着禁止ルールによってもっとも恩恵を受けるのがこのバイエンスということだ。これまでロとは数回対戦し、いずれもそのオープンガードを超えられずに敗戦を喫しているが、27歳と脂の乗り切った現在のバイエンスが、今回とうとうレジェンド超えを果たす可能性は決して少なくないだろう。

GPをさらに興味深くしているのは、上記3人の世界王者に対し、年齢下の若手黒帯5人が挑む構図となっていることだ。

一番の注目は最年少19歳、柔術の神の子ことミカ・ガルバォンであることに異論はないだろう。ルタ・リーブリとブラジリアン柔術の両方で黒帯を巻き、北米では主にノーギシーンにおいて、突出した反応速度を利した一瞬の切り返しや驚くべき極めの強さをもって見る者を魅了している。そしてその驚異のパフォーマンスは、道着着用ルールにおいてさらなる輝きを放つ可能性が高い。

茶帯として参戦した昨年のEUG大会の道着着用トーナメント準決勝では、年末に世界王者となるタイナン・ダウプラと歴史に残るような大激闘を展開。ダウプラの強力無比なオープンガードを盤石の重心とボディバランスで封じ込めた上で、絶妙の体捌きと反射を利したパス攻撃で追い詰め、一瞬で三角絞めの体勢を作ってみせて判定勝ちを収めてみせた。

続く決勝では、弟弟子の雪辱に燃えるジョナタ・アウヴェスの執念の防御&膠着戦法を攻略できずに惜敗したものの、試合全般においてほぼ一方的に攻撃を続ける圧巻の内容だった。今年3月のパン大会において、ダウプラとアウヴェスのAOJ勢が頭二つ抜けた強さを見せつけたことを考えても、当時茶帯だった──柔術の神の子の凄まじさが分かろうというものだ。

昨年はさらにその後、アブダビ・ワールドプロ大会にエントリー。ブラジル予選と世界大会の両方の6試合のうちの5試合で一本勝ちを収めて圧巻の優勝を遂げている。

オープンガードを駆使する相手にギを掴まれても一切動じない盤石のベース&ボディバランス、強烈無比なプレッシャーといったファンダメンタルにおいても無類の強さを持つ神の子は、摩擦が多く極めの力がさらに増す道着着用ルールにおいてこそ最も輝くといえる。

今回、三人の世界王者とガルバォンの試合が実現すればどれもドリームカードだが、特に期待されるのはロとの一戦だろう。トップ、ボトムの双方から多彩かつダイナミックな攻撃を繰り出し、ファンを魅了する新旧レジェンドによる初対決は実現するか。

(C)CLAYTON JONE/FLOGRAPPLING

若手の中でもう一人注目選手を挙げるなら、やはりロベルト・ヒメネスか。

ダイナミックな極めと見事なバックグラブを中心にノーギシーンで活躍する21歳は、昨年2月のBJJ Starsにおいてバイエンセとノーギで対戦しており、ポイントで惜敗したもののバックを奪いかける等の大健闘をみせた。

そして先日のパン大会では久々に道着着用ルールに登場。初戦を突破した次戦で、色帯時代から因縁のある現世界王者タイナン・ダウプラと対戦。三角絞めに屈したものの、先制のテイクダウンを奪った上で見応え十分のスクランブル合戦を展開して力を示した。摩擦によってバックグラブの精度が上がる道着着用ルールにおいて、ヒメネスがレジェンド相手にアップセットを引き起こす可能性は間違いなくある。

残りの3人のブラジル人若手黒帯選手も、いずれも実績を持った存在だ。24歳のマウリシオ・オリヴェイラは、2018年の茶帯ミディアムヘビー級世界王者にして、昨年のBJJ Bet大会におけるノーギトーナメントにてガルバォンの極めを凌いて殊勲の星を挙げた選手だ。

25歳のレオナルド・ララは18年の茶帯ミドル級世界王者で、上述の昨年のワールドプロ大会において、ガルバォンに唯一極めさせなかった選手だ。23歳になったばかりのペドロ・マチャドは昨年末に黒帯を取得し、3月のパン大会のヘビー級で3位入賞を果たしている。

今も最高峰の実力を保持する世界王者3人と、その首を狙う新世代5人による要注目の戦いが幕を開ける。

■視聴方法(予定)
5月1日(日・日本時間)
午前7時00分~FLOGRAPPLING

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F2W180 ガブリエル・アウジェス ブログ ラファエル・ロバトJr 未分類

【F2W180】ラファエル・ロバトJr、アウジェスの盾を越えれずも王座防衛に成功

6 日(金・現地時間)、カリフォルニア州ロサンゼルスのマリオットLAで開催されたF2W180。レポード最終回はF2Wライトヘビー級選手権試合=王者ラファエル・ロバトJr✖挑戦者ガブリエル・アウジェス戦の模様をお届けしたい。

2017年&2019年のIBJJFムンジアル黒帯ミドル級世界王者のアウジェスにとっては、2021年初戦は柔術とMMAで頂点に立ったロバトJrのベルトを狙った試合はジャッジ泣かせの試合となった。

<F2Wノーギ・ライトヘビー級選手権試合/10分1R>
ラファエル・ロバトJr(米国)
Def3‐0
ガブリエル・アウジェス(ブラジル)

挑戦者アウジェスが引き込み、Zガードを取る。正座状態でアウジェスの手頸を掴んだ王者ロバトJに対し、アウジェスは右足の位置を高くしてニーシールドへ。さらにアームドラッグ気味に2on1で腕を取ったアウジェスのニーシールドが続く。ロバトJrも頭の後ろに手を回そうとするが、長続きはしない。

おそらくはハーフガードを取りたいロバトJrだが、アウジェスのスネに阻まれる。4分が経過し、アウジェスは一瞬バタフライを取るが、すぐにニーシールドに戻る。ロバトJrが立ち上がると、アウジェスはデラヒーバから回転し、クローズドに移行する。強いフレームでロバトJrの動きを制限するアウジェスが、ミッションコントロールへ。

クローズドに戻ったアウジェスはKガードで右足を取りに行く。頭を押し、腰を引いたロバトJrに対し、アウジェスはここもニーシールドへ。ロバトJrの股下に左足を差し込み、足首を掴んで引き寄せようとしたアウジェスだったが、ニーシールドに戻る。さらに前転して足を取ろうとしたアウジェスに左腕を差したロバトJrが、上半身を固めにかかる。エビで距離を取ったアウジェスが逃れて、シッティングに。ロバトJrのパス狙いを鉄壁のニーシールドで許さないアウジェスがついに立ち上がる。

残り試合タイムは80秒、さらに時間が進みアウジェスがイマナリ・ロールからクローズドを取ると、試合は残り45秒に。腰を切って、腕十字狙いでほんの少しロバトJrを浮かせたアウジェス。ロバトJrはストレートフットロックを仕掛けるもタイムアップに。どちらが優勢だったかの判断は非常に難しいタイトル戦は、3票を集めたロバトJrが、王座防衛に成功した。

ニーシールドを越させなかったアウジェスだが、あまりにも攻めの姿勢が少なかった。


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BELLATOR F2W180 MMA PFL UFC エドウィン・ナジミ ガブリエル・アウジェス ジョニー・タマ バレット・ヨシダ マイキー・ムスメシ

【F2W180】バレット・ヨシダも出場するF2Wで──アウジェス✖ロバトJr、タマ✖ナジミ戦実現

【写真】バレットのクルスフィックスRNCが極まるか(C)MMAPLANET

6 日(金・現地時間)、カリフォルニア州ロサンゼルスのマリオットLAでF2W180が開催され、メインのノーギ・グラップリング戦でハファエル・ロバトJrがガブリエル・アウジェスと対戦する。

(C)SATOSHI NARITA

2017年と2019年のIBJJFムンジアル黒帯ミドル級世界王者のアウジェスにとっては、これが2021年に入って初めての実戦となる。

昨年もThird Coast Grappling とF2Wで合計3試合しか戦っておらず、しかもノーギは2019年にADCC世界大会88キロ級で2回戦でマテウス・ディニスに敗れて以来、1年11カ月ぶりだ。


対してロバトJrは2007年のムンジアル・スーパーヘビー級世界王者で、MMAでもBellatorミドル級で頂点に立ち、海綿状血管腫を理由に打撃有りからは撤退も、精力的に組み技戦に出場し続けている。

今年もF2Wではガブリエル・アルメイダらを破り2勝、WNOではジルベルト・ドゥリーニョに敗れているが、その間にIBJJF計のダラス・オープン、ダラス・ノーギ・オープン、オクラホマ・オープンと今年だけでも9試合も戦ってきた。

ノーギでの経験値と技術的な蓄積もロバトJrに軍配が挙がるが、アウジェスとしても本格的にIBJJFのトーナメントが再開されつつあるなか、試運転としてのF2W出場なのか、マイキー・ムスメシ張りに来年のADCCを狙って本格的にノーギにも挑戦をし始めるのか。その熱量がうかがい知れる一戦となりそうだ。

また2019年ノーギワールズ・ライト級王者のジョニー・タマが、エドウィン・ナジミと対戦する。ナジミは先月18日(日)にSUGでサブオンリー&ケージ・グラップリングに参戦しており、UFCとBellator、さらにPFLと北米メジャーMMAで戦ってきたジャレミー・ケネディをOTで破ったばかりだ。

この両者、2020年にF2Wの道着マッチで対戦しており、ナジミが判定勝ちを収めている。この時、試合の最後の最後にナジミが跳びつき三角を仕掛け、レフェリーは反則を取らなかったがタマがスラムと手段を取っており、ちょっとした因縁がある。

タマはこのところジアンニ・グリッポやオリヴィエ・タザらを相手に3連敗中で、また何かの拍子にフラストレーションを爆発させる危険さをはらんでいる。

なお、今大会にはバレット・ヨシダも出場。スパイダーガードの名手マウシリオ・チンギーニャの黒帯ジェフ・ノラスコと対戦する。スパイダー✖クルスフィックスRNCの対決が見られるか。バレットの姿が視られるだけでも楽しみな今週末のF2Wだ。

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