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ONE ONE TNT02 ONE118 Report クリスチャン・リー ティモフィ・ナシューヒン ブログ

【ONE TNT02】This is the Mixed Martial Arts !! クリスチャン・リーが73秒でナシューヒンを倒し王座防衛

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
クリスチャン・リー(米国)
Def.1R1分13秒by TKO
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

クリスチャンのダブルレッグをスプロールしたナシューヒンが、右ハイを遠い距離で蹴っていく。クリスチャンは組みのフェイクを見せて、蹴りを交えつつ間合いを図る。と、ナシューヒンのステップイン&右オーバーハンド、左フックのコンビに左フックを合わせる。

前方に崩れたナシューヒンに、バックからパウンドをまとめたクリスチャンが73秒TKO勝ちでONE世界ライト級王座防衛に成功──ストップに不満がありそうなナシューヒンだが、これはレフェリーが試合を止めたから口にできる抗議だ。

「10週間、ハードトレーニングをしてきた。直ぐに僕にはベイビーガールが生まれる。人生で一番重要な試合だった。ティモフィは危険な相手。スピードがパワーを倒した。これは父、弟と繰り返してきた動きだ。ここからテイクダウンに結びつけるようにやってきた。彼が続けられたかは分からない。僕はレフェリーじゃないから。でも、あのまま続けてもバックから絞めて勝っていた」と、KOパンチのあとに組みついていたクリスチャンはインタビューで話した。


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ONE ONE TNT02 ONE118 Report シネチャグタガ・ゾルツェツェグ ブログ 中原由貴

【ONE TNT02】これは極めて悪質。中原のヒールにゾルツェツェグがグラウンドでの蹴りで反則負けに

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
中原由貴(日本)
DQ 2R by Illegal attack
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)

サウスポー同士、いきなり右を振るったゾルツェツェグに対し、中原は直後にテイクダウンを決める。サイドで抑えたナカハラはギロチンスイープを潰してマウントへ。頭を抜くと、ハーフになりブリッジを耐える展開に。ハーフでエルボーを落とするナカハラは、パンチを落としつつ足を抜きに掛かる。

ヒザを割って、しっかりとしたポスチャーからエルボー、パンチを入れた中原はスクランブルでヒザを入れ、ギロチンに捕える。スラムして離れたゾルツェツェグが右フック、中原も左を返す。その場スーパーマンのような右フックを見せたゾルツェツェグはオーソに構える。中原は左を当て、迎え撃っての左フックを狙う。構えを変えつつ、右フックで飛び込んだゾルツェツェグが、ダブルレッグを切る。中原は左ミドルも、ケージを背負うようになっている。蹴りで間合を確保した中原だが、最後に左フックから右フックを被弾してマウスピースを吹き飛ばしながら、パンチを打ち返した。

2R、剛腕ぶりをラウンド終盤に見せつけたゾルツェツェグだが、疲れが見えるか。中原は右ミドルを蹴り、ワンツーに。ゾルツェツェグは明らかに動きが落ちている。それでもワンツーで前に出るゾルツェツェグに対し、中原がニータップでテイクダウンを奪いマウントへ。右腕を差して、立ち上がったゾルツェツェグが離れる。

ダブルレッグでドライブした中原が、シングルでゾルツェツェグを押し込む。ヒザを貰わないよう、頭を押し込みゾルツェツェグを座らせると中原は足を束ねていく。MMAでリードする中原は、ゾルツェツェグに背中をつかせて苦も無くパスへ。マウントに移行して殴り、背中を向けるとRNCを中原が仕掛ける。

闘争本能で上を向き逃れたゾルツェツェグだが、マウントとバックマウントからパンチを受け続ける。ハーフに戻したゾルツェツェグは、左腕を差して立ち上がる、と、ここで中原がサドルからヒールへ。左足を取られたゾルツェツェグは上体を起こし、右足の中原の顔面を蹴り抜く。

これはもうダメージ云々でない、悪質な反則攻撃。レフェリーは即、反則負けにすべきだ。結果、レフェリーがレッドカードを提示しゾルツェツェグは失格となった。「スピンしようとした、アクシデントだ。素早く回って、あそこから抜けようとしたんだ。対戦相手に謝りたい」というゾルツェツェグだが、そんな言い分はスローモーション映像を見ればまかり通らないことは明らかだ。


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ONE ONE TNT02 ONE118 Report キム・キュソン ブログ ワン・シュオ

【ONE TNT02】九分九厘、敗色濃厚だったワン・シュオがカウンターの右エルボーでキム・キュソンをKO

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ワン・シュオ(中国)
Def.3R1分51秒by KO
キム・キュソン(韓国)

身長及びリーチで圧倒的に優るキムの蹴り技の前に、ワンは距離を詰めることができない。それでもローを蹴り、キムのローはチェックしていく。ジャブから右を伸ばすキムに対し、ワンはローから左フック、そして右ハイのコンビネーションを見せる。キムは右ミドルを入れると、首相撲からヒザを見舞う。離れたワンは飛び込んで縦ヒジ、そして左を打っていく。キムは右ミドルを蹴り、ローに左フックを合わせる。

さらにワンツーから首相撲&ヒザ蹴り、ワンツーフックとキムの圧が強くなる。続いて右ジャブから右ローを蹴ったキムのペースで試合は進み、最後の30秒でも左フックから、右フック、そして左ミドルを入れ、ジャブを2つ決めた。

2R、キムは左インサイドロー、左ジャブを伸ばしてリードフックに続き右クロスを打っていく。空間を支配しているキムの右ローはカットするワンだが、攻め手は見つからない。左ボディに続く、右ハイでスリップしたキムは、立ち上がり際にワンのヒザを受けそうになる。これで勢いづいたか、ワンは左エルボーを飛び込んで入れ、蹴りもキャッチしてフックを見舞っていく。

間合いを取り直したキムはワンツーボディ、そして顔へのコンビネーションからローを蹴る。ワンは右ローのチェックを続ける。残り90秒、組まれたワンが逆にヒザをボディに突き刺す。ペースを握り切らせないワンだが、ボディから顔面とフックを被弾する。ワンはミドル、エルボー、前蹴りと声を大ながら繰り出すが、左フックを打たれて動きが止まる。この回もキムがリードした。

最終回、左インサイドローから右ミドルを蹴ったキムの距離の支配が続く。ワンは気合とともに動き出すため、その初動から見えてしまう。対して、一つ目の攻撃からツー、スリーとワンが予期できない攻撃を繰り出すキムのペースで試合を進む。しかし、そのキムが左をステップインして放ったところ、右エルボーをカウンターで打ち込む。

この一発で腰から崩れておちたキムは、動けずパウンドの追撃でKO負け。2試合連続でフィニッシュされたキム・キュソン、シンガポール在住だが休息が必要だろう。「1Rと2Rは、相手の身長、リーチに対してチャレンジの時間だった。勝てて凄く嬉しい。エルボーを正確に打たれるタイミングを計っていた。簡単じゃなかったけど、最後は正しいタイミングを見つけることができた」とワンは落ち着き払って逆転勝ちを振り返った。


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ONE ONE TNT02 ONE118 Report ブログ ミッチェル・チャマール 上久保周哉

【ONE TNT02】代役チャマールに何もさせず。自分を貫いた上久保周哉がRNCで一本勝ち

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
上久保周哉(日本)
Def.2R2分13秒by RNC
ミッチェル・チャマール(米国)

試合前日にチャマールと戦うことになった上久保は、ローキックからダブルレッグでケージに押し込む。チャマールのギロチンを防ぎ、ボディロックに取った上久保が、ウィザーのチャマールを小外掛けから大内の連係でテイクダウンを奪う。両足を挟み、ケージに座った状態のチャマールの背中をマットにつかせた上久保は、背中をむけて立ち上がろうとしたチャマールをワンフックで捕える。

ケージと反対側の足をフックした上久保は、チャマールが立ち上がっても小外でテイクダウンを奪い返しサイドへ。ここからヒザを顔面に入れる上久保は、左腕を左足で抑える。チャマールが腕を抜き、ヒザを落とし初回を完全にドミネイトした。

2R開始直後、距離を詰めた上久保はパンチの交換後に組んでボディロックに。既に疲れた感のあるチャマールが正対すると、パンチの届く距離で殴っていった上久保が、シングルレッグからバックに回る。ヒザや蹴りを入れ、ボディロックテイクダウンを決めた上久保は、亀になったチャマールに対し両足をフックして仰向けに。殴りながらRNCをセットしていくと、四の字フックからトラックポジション、エルボーを落とし背中に乗りなおす。

ここでRNCグリップを完成させた上久保が、チャマールに何もさせず一本勝ち。「I am not surprise. It is what it is. My body lock is strong. Today, it is my wife’s birthday. I am happy」と上久保は英語で勝利者インタビューに答えた。


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Interview ONE ONE TNT02 ONE118 シネチャグタガ・ゾルツェツェグ ブログ 中原由貴

【ONE TNT02】中原由貴と対戦、草原の剛腕ゾルツェツェグ「僕に倒されても、気を悪くするな」

【写真】インタビュー中も不敵な笑みを浮かべるだけでなく、あくびまでしていたゾルツェツェグ(C)MMAPLANET

明日15日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT02で中原由貴戦が放送されるシネチャグタガ・ゾルツェツェグ。

ONE Warrior Seriesから本戦契約を果たしたゾルツェツェグは、昨年1月にマー・ジャワンを55秒で倒した後、母国モンゴルが徹底したコロナ感染対策を行い、国外に出ることができなくなった。

ようやく手にした中原戦に関して、自信しか口にしないゾルツェツェグ。この自信に根拠はあるのか、ないのかは──明日、明らかとなる。


──中原由貴選手と木曜日の朝に戦います。ところでパンデミック後、モンゴルはいち早く徹底した感染予防を政府が取りました。最近でこそ感染者が増えていますが、概ね抑制できていたような印象があります。MMAの練習はそのような状況で、影響は受けなかったですか。

「トレーニングはできていた。モンゴルは米国や他の国ほど状況は悪くならなかったからね。政府はすぐにロックダウンし、数カ月前までしっかりと統制していた。国境を封鎖し、帰国した人間は隔離措置が取られた。21日間の隔離なんだ」

──それは長い!!

「結果、ウランバートルやそれぞれの都市の内部は普通に近い営みが可能だったんだ。学校が休校になり、イベントは中止になったけど、それからレストランやあらゆるエンターテイメントで通常の30パーセントまでしか入場が認められない状況が続いた。都市部では皆がマスクをしる。ファイターも、所属ジムを使ってのトレーニングは週に3度は可能だった。

ただし、国外に出ることはできないから……去年の10月からONEはシンガポールでの国際大会を復活させたけど、そこに参加することはできなかった。ONEからは何度かオファーがあったのに。練習をしても試合には出られないという状況には、凄くフラストレーションがたまったよ」

──そうなりますよね。

「ようやく国外に出ることが認めらけど、最近になって感染者が一気に増え、4月10日から再びロックダウンに入り、国境も封鎖される。ロックダウンは25日までで、国境は5月1日に封鎖が解かれるけど、海外の人はワクチンを接種した人間しか入国はできない。

ほんの少しのタイミングの違いで、僕はこの試合のためにシンガポールに来られたし、練習もできていた。本当にロックダウンが1週間は早ければ、試合はできないところだったんだ」

──それはギリギリのタイミングでしたね。

「幸運にも試合の準備は問題なくできていた。モンゴルではワクチンの接種も始まっているけど、スポーツ関係はボクシングのナショナルチームぐらいだね、接種されているのは。だからボクシング・チームのメンバーは皆が練習できている。MMAファイターはワクチンを打っていないから、自分の所属するジムで練習していただけだ」

──そんなギリギリの状態で戦うことができる中原選手の印象を教えてください。

「ただ1人の対戦相手だよ。これまで戦ってきた相手と何も変わらない」

──過去の対戦相手とは、経験値が違うと思いますが。

「そんなことは思わないよ(笑)。全ての局面において、僕がアドバンテージを握っている。ボクシングでも僕の方がずっと上だ。比べものにならない。判定になることなく、絶対に倒すよ。

僕はナカハラに勝つために戦っているんじゃなくて、ベルトを巻くために戦っている。挑戦権が回ってくるまで、全ての試合でフィニッシュする。ナカハラには僕に倒されても、気を悪くするなよと言いたい」

──そこまで自信があるのですね……。凄くリラックスしていますし。

「これまでも、そうだった。今回もリラックスしているし、自信もある。それはチャンピオンシップ・ファイトになっても変わることはない」

■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE TNT02中継対戦カード

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)

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Interview ONE ONE TNT02 ONE118 トロイ・ウォーセン ブログ ミッチェル・チャマール 上久保周哉

お蔵入り厳禁【ONE TNT02】上久保周哉を知る─02─「オマリーとか、1回触ることができればやれる」

【写真】本音を書き記せば、以前は何を考えているのか顔を見ても分からなかった。それが最近では頼もしく見える表情だ(C)MMAPLANET

15日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT02で、ミッチェル・チャマール戦が放送される上久保周哉。当初予定ではトロイ・ウォーセンと戦うはずだった上久保をMMAPLANETではABEMAのドキュメンタリー番組=THE WONDERと共にインタビューしていた。

そこで聞かれた話は、上久保周哉MMA観が伝わってくるものだった。飄々としつつ、本質を突くような鋭さを持つ上久保が、ウォーセン戦について語ったインタビュー──上久保周哉をしることができるインタビュー──の後編をお届けしたい。

<上久保周哉がトロイ・ウォーセン戦について話したインタビューPart.01はコチラから>

<上久保周哉がミッチェル・チャマール戦、前夜に語ったインビューはコチラから>


──決して両足フックして制しているだとか、ワンフックで動きを制限させているということではなく?

「それが僕の組技だと思ってやってきています。立たれることもある種、想定していて。立つ方向を限定させていれば、また同じ流れに戻ることができると思います」

──立たれると、離れられるは違うと。

「ハイ。立たれることと、逃げられることは違うと思っています。だからもう1回、寝かせれば良い。ONEだと相手の加点になってしまうかもしれないですが、加点された分殴れば良いので」

──「殺るぞ」、「ぶっ倒す」という言葉を吐く選手とはかけ離れた表情で淡々と話す上久保選手ですが、15分間ソレをやり抜くには、相当の覚悟がないとできないかと。

「自分がやってきたことを出すには、自ずとそうなります。自分の技術もそうですし、蓄積したことの基本的な動作の理屈、理論に則して動いていけば、体力さえ持てばどんな相手でも戦えると思います」

──嫌な質問になってしまいますが、魔法の水だとか、思わぬ副作用のある火傷の薬に手を出したくなることはないですか。

「まぁ、なくもないですよね。どれぐらい効果があるのか。あれで永遠に動ければ良いなと思います(苦笑)。それでずっと疲れないなんてことはないでしょうけど。疲れることを気にせずに動けるって、どういう風に動けるんでしょうね。

だから僕の場合は試合があるから創っていくのではなく、普段からやっていないと、試合に迎えられないかもしれないです。スイッチが入るとか特にないですし。ただ15分頑張ろう──15分後には終わっていると考えるようになっています(笑)」

──基本的に図太いですね。

「図太ですか? 試合直前も『30分後には控室に戻っている』と思っています」

──でも、そうやって自分とも戦っているということですね。

「30分だけ頑張ろう。15分間だけ頑張ろうって」

──と同時に、良い試合をしないといけないだとか、KO勝ちだ、フィニッシュだって言う風に考えることもないですか。

「フィニッシュを狙っていないといえば嘘になってしまいます。フィニッシュを狙っていないなら、コントロールする意味もないですし。でもフィニッシュしないといけないという使命感はないです。そこにプレッシャーを感じることもないですし。やっている過程のなかで、いければいくだけなので」

──「Stand them up !!」という声が客席から聞こえたら、どういう心境になりますか。

「これは、これで楽しんでって(笑)。僕はやるべきことをやるだけなので」

──アハハハハ。では今回の試合、やるべきことは何になりますか。

「15分間コントロールし続ける。全ての時間、自分を中心とした試合をしたいです。テイクダウンを切ってきても、打撃できても、それは僕を怖がっているからやってくる。そういう自分を中心とした試合をしたいです」

──したい試合ができる、自信は?

「現時点では半々だと思っています」

──ではジョン・リネケルやビビアーノ・フェルナンデスと戦った時、やりたい試合はどれぐらいできますか。

「どっちが強いかと思えば、リネケルだと思います。リネケルに通用するかという意味では、それこそ半々かなって」

──おお、半々ですか!! それではショーン・オマリーやコリー・サンドハーゲンを前にした時は?

「う~ん、現実的には2割、3割できれば良い方ですけど……」

──いや、そこは『半々』でしょう……流れとして(笑)。

「アハハハハハ。2割、3割だと思いつつも、自分の技術がついてくれば……。彼らと戦うのであれば、作戦をしっかりと練っていかない部分があるかと思います。それこそ角度の話とか、距離感の話を突き詰めていかないといけないでしょうし。

サンドハーゲンとか、距離感と角度の取り合いのプロ中のプロだと思います。でも、自分は下手くそだからこそ相手が想定しない距離を創れる自信はあります。それは何回か、米国に練習しに行って何となくああいう人たちが嫌がる距離感を実際に肌で感じた部分ではあります。

そこで勝負できれば、まぁ皆がいうほど0パーセントだと思わないです。オマリーとかに関しては、1回触ることができればやれると思います」

──もうその言葉を聞かせてもらうと、トロイ・ウォーセンは8割、9割だと思って試合を見させてもらいます。

「いえ、半々です。アハハハハ」

■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE TNT02中継対戦カード

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)

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Interview ONE ONE TNT02 ONE118 シネチャグタガ・ゾルツェツェグ ブログ 中原由貴

【ONE TNT02】ゾルツェツェグと対戦、中原由貴─02─「トノンにやられた形がはまれば一番面白い」

【写真】録画ファイトだからこそ──ともいえる、徹底して戦略を披露してくれた中原(C)MMAPLANET

15日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT02で、シネチャグタガ・ゾルツェツェグとの試合が放送される中原由貴インタビュー後編。

ラスラン・エミルベクに続き、剛腕ファイターと戦うことになった中原はこの試合で磨いてきた技術を試し斬りすることもあるという。それがインタビュー前編でのトップ写真のパームトゥパーム・グリップの通じる。

レスリングを消化したボクサー相手に、多くの局面を仮定しつつ中原がゾルツェツェグとの戦いをシミュレートした。

<中原由貴インタビューPart.01はコチラから>


──組みに対応した剛腕という風に感じました。

「なんかモンゴルの五輪ボクシング代表だったとか聞いて……組みに関しては特別なことしていないですね。下になると抱きついているし、ボクシングを軸にして戦うための練習をしているのかなって。でも、分からないですよね。最後の試合から1年3カ月も経っていますからね」

──最近、BRAVE CFで戦うホゼ・トーレスにインタビューをしたときに「MMAをやっているんだ。殴られる。それ以上、殴れば良いんだ」という言葉があり、改めて戦いの真理を聞いた想いがしたんです。

「ホント、その通りですよ。ゾルツェツェグも一発はありますけど、それ以外のパンチはボクシングっぽいというか。細かいパンチのなかにズドンというのを持っているので、変に焦るとカウンターを取られてしまいますね。

マー・ジャワンがやられたのも焦って飛び込んだところに、右オーバーハンドを当てられたので。だからエミルベクとの試合以上にじれったい内容になるかもしれないです。

そういうなかで寝技になるとしがみつく──そういう相手ですから、トップを取ってからのパウンドは怖いけど寝技の精度は高くない。ゲイリー・トノンに負けてから、実はずっと足関節を磨いてきたんです。いわゆるダナハー・システムという足関節の流れを。

練習でも試していて、手応えは十分に感じています。初見では掛かるんじゃないかと。本当は秘密兵器として、ずっと取っておきたい技術ではあるのですが、今回の試合で狙う局面もあるかもしれないですね。

練習でも組んだところから、行ける時は行く。仕掛けるという習慣をつけてきました。だから抑える、コントロールするという展開はないです。バックを取った場合は、そこにいるかもしれないですが。上を取った時はすぐに仕掛けていきます。

相手に対応されたら、次にいく。

対応できないなら、そこで極める。

そういう練習をしつつ、打撃を逃げていると組めないから、ある程度はやりあうし。

展開によっては、足関節で決着もあると思います。

シングルには行った時、向うが定石通りの対応をしてきたから、俺がゲイリー・トノンにやられた形がハマる。

そういう勝ち方ができれば、一番面白いですよね。そこはドリルでも、しっかりとやってきました。

シングルに入って、相手が足を出して来たら後転してヒールというのは。

最後のところは、トノンのように精度は高くないですけど……。外ヒールは取れそうです。

カカトでなくて、爪先で極める方法でロールさせない。

足首を捻る。内ヒールも、そういうやり方はやってきました。

言っちゃうと、一番手っ取り早いですよね。タップしなくても、壊しちゃえば」

──恐ろしい展開ではあります。

「使えるかどうか、試しておかないといけないですしね。ただゾルツェツェグはどの試合も途中で失速しているから、組んで削って仕留める──その展開だと、パンチでも倒せます。

ビッグヒットを貰わず、距離を掴んで戦う。向うがどのように戦ってくるか。ボクシングで勝とうとするプライドを持って来るのか。僕の前の試合を見て、カウンターを警戒してくるのか。まぁ懐に入って組んでしまえば、テイクダウンまではいけると思います。 

だから、どういう風にゾルツェツェグが攻めてくるのかというのもありますね」

──この試合に勝って、タイトルに絡んでくるところまでいきたいところです。

「そろそろランカーと戦いというのはありますね。ただタン・カイとの試合が見たいというファンの意見も見ますし、そこをスルーして上にいくのはどうなのかという気もしています。

タン・カイは全てのベースが高いですよね。だから、松嶋選手とか組まれるかもしれないですしね。アイツの方が僕より、先に上と戦うかもしれない」

──そこを語ることができる位置に、前回の勝利で来たということでしょうか。

「しっかり強くなっている確信はあります。しんどい試合で勝つのもそうですが、しっかりと見切ってパンチを入れたので。今回の試合は打撃では相手のペースで試合が進むと思います。

ただし、放っておいても向うから前に出てくる。デカいの振って、中に入ってくると細かいボクシング技術を見せます。だから、そこでちゃんと組むことが出来れば──中原由貴、バージョンアップしましたという試合になるので。

テストをしないでランカー対決になるのであれば、今回の試合で1度出せれば良いかなとも思っています」

──試し切りもありえると。この怖い、選手を相手に。

「そういう相手と戦うために海外に出てきたので。自分のやりたい相手……まぁ、やりたくはないのですが(苦笑)。でも勝てそうな相手ではなくて、厳しい試合になることが予想される相手と戦う方が、格闘技やっていて良かったと思えるかと思います。目的は強くなることなので」

──やりたくない相手、つまり強いということですからね。

「この葛藤は、皆に分かってもらえるのか。伝わらないだろうなっていうのはありますが、前回のエミルベクにしても無敗の相手で、やりたくないけどやりたい──そういう試合でした。やりたくないって、結局は負けたくないということなんですよね。

だから負けたくないなら、誰にだって負けたくないし。良い相手を用意してもらいました。皆、色々な期待をしてくれていると思います。ONE的にも『お前ら、殴り合ってどっちか倒れろよ』ということだと思いますが、僕は僕のやりたい試合をします。

ただし5分3R、15分間──どこからでもフィニッシュを狙います。余り引き出しを出さず(笑)、それでも新しい自分を見せることができればと思っていますので、ちょっと期待してください」

■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE TNT02中継対戦カード

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)

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Interview ONE ONE TNT02 ONE118 トロイ・ウォーセン ブログ ミッチェル・チャマール 上久保周哉

お蔵入り厳禁【ONE TNT02】上久保周哉を知る─01─「壁と床があればフィジカルも才能も凌駕できる」

【写真】自分がある。言葉を持つ。自信があるのだろう(C)MMAPLANET

15日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT02で、上久保周哉✖ミッチェル・チャマール戦が放送される。

この試合、本来であれば上久保はトロイ・ウォーセンと戦う予定だった。MMAPLANETではウォーセン戦に向け、上久保のインタビューをABEMAのドキュメンタリー番組=THE WONDERと共に行っていた。

トロイ戦に関して、耳を傾ければ傾けるほど──上久保周哉にとってのMMA、グラップリングとは何なのかが見えてきた。ここでは幻となったウォーセン戦を前提に上久保が語ったことで、彼のことをより知ってもらおうと──お蔵入りせず──そのインタビューを掲載したいと思う。


──MMAは2019年の11月、ブルーノ・プッシ戦以来となります。頬がこけていますね。

「そうですか(笑)。体重はあまり変わらないんですけど、そういう風に言われることが多いです」

──ただ、泰然としているところは変わらないように見えます。

「格段、気合が入るとかはないですし、言ってみると普段と余り変わらないですね」

──この試合が決まったのは、いつ頃だったのですか。

「結構、早かったです。2月の中旬か終わり頃だったかと。1カ月以上あるなって思っていたので」

──試合が決まると、試合用に練習は変わってくるものですか。

「最初の頃はそんなに変わらないです。少しずつ変わってくる感じで。ただ相手のことを考えて変えるのではなくて、自分が強くなる方向で変化を加えています。柔術やグラップリングで立っている状態、壁や金網がないところでのレスリング的な部分を増やしていますね。自分で強化しないといけないと洗い出した部分なので」

──道着の練習は?

「変わらずやっています。週に3回ぐらいですかね。試合が近づいてくると、TRIBEのプロ練習も合わせてMMAのスパーリングも週に2回か3回で。5分のMMAスパーよりもシチュエーションを限定しているスパーリングの方が多いです」

──今回の試合、楽しみなのは……上久保選手にとって厳しい局面があるからということに通じて来るのですが。フォークスタイルと柔術を融合させたウォーセンと、上久保選手のグラップリングMMAがどのように展開されるのか。特にフォースタイルを習得してきた選手との対戦は初めてだと思います。

「ちゃんとレスリングをやっている選手……そういう意味ではステップアップを求められているというか。自分が今後やっていくには、越えていかないといけない相手です。しっかりとレスリングのバックボーンがある選手と肌を合わせることは、自分に必要な経験だと思っています」

──上とか下でなく、柔術家のブルーノ・プッチと戦った時は上久保選手の組みができていました。対して、フォークスタイルをやって、あのフィジカルと荒い打撃を持つウォーセンに自分の組みを創れるのか。

「プッチ戦は組んでからどうするかという話でした。今回は組んでからどうするかも当然ですが、どう組むのか。そこまでの過程を大切にしています。

必要なことは相手が想定しない距離で勝負すること。向うがテイクダウンを仕掛けてくるにしても、切るにしても本来なら練習ではやっていないような距離感で勝負しようとは思っています」

──練習は練習のなので、当たり合う。試合になると、そうではない戦いが必要になってきますね。

「駆け引きを仕掛けてくるのを無視していけるか。ある種、自分の試合をチェックしていればレスリングが強くても、簡単に組もうとは思わないんじゃないかと。

組みに自信があっても、相手の得意なところで勝負しないのがMMAだから。そこを前提に下がるなり、前進してくるなり……向うの想定の逆を考えて戦います」

──上久保選手は相手もそうだし、自分の拳の距離に少しでも居座らないで戦います。そこから組むのですが、ウォーセンはテイクダウン防御も優れている可能性は十分にあります。

「もちろん、テイクダウンを切られることは想定しています。3Rのなかで1度か2度、テイクダウンできるか。各ラウンドで1度テイクダウンできれば上々だと思っています」

──そこまで、ですか。そして倒してから、自分の組みを続けると。

「勿論です」

──そこに関してはフォークスタイルをマスターしていようが、フィジカル差があろうが自信を持っているということですか。

「壁と床があれば──フィジカルも才能も凌駕できる。抑え込めるんじゃないかと思っています」

──おお、頼もしいです。そうなると、おかしなタイミングでのストップだけは勘弁してほしいですね。

「求めるところは固めて動かさないのではなくて、動かしているけど自分の支配下に置くこと。コントロール下に置いて、攻撃し続ける組技ですね。そういう意味で、ONEのルールで戦うことで組み技は変わってきているとは思います。

抑え込んでいるけど、動いている。動かしているけど、逃げさせないという感じで」

──ONEルールはテイクダウンの効果はないのに、スクランブルで立ち上がる評価される。だから、簡単に下になって不利な位置からペチペチとパンチを打って、タイトにさせずに立ち上がると印象点が加算ということが多いです。

「その通りですね(笑)。倒されてもマイナスにならないのに、立ち上がるとプラスになる。だから少しの隙間で打撃を入れ、相手が動いても自分の形を続けて組んみつつ打撃を当てる。そこを考え練習を続けてきました。

固めることが抑え込みではなくて、相手をコントロールして封じ込める。自分が一方的に攻撃できることが抑え込みだと思っています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE TNT02中継対戦カード

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)

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【ONE TNT02】草原の剛腕ゾルツェツェグと対戦、中原由貴─01─「誰のパンチを貰っても倒れる」

【写真】このパームトゥパームが意味するのは?(C)MMAPLANET

15日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT02で中原由貴✖シネチャグタガ・ゾルツェツェグが放送される。

昨年12月に12勝0敗のラスラン・エミルベクを見事にTKOした中原が、またもシルクロード系の剛腕ファイターと相対することとなった。

無名の猛者はプロとして一番避けたい相手というのが、多くのファイターが抱く本音だろう。ただし、今やMMAは世界中に広まり、我々のレーダーに掛かっていない強いファイターはいくらでもいる。そんなMMAの世界標準で戦う、中原の心境を尋ねた。


──当初、放送日程が確定していないアディショナル・カードで組まれていると聞いていたシネチャグタガ・ゾルツェツェグ戦が、TNT02の中継枠に組み込まれた中原選手です。まず、昨年12月18日にラスラン・エミルベクに90秒TKO勝ちした試合について、どのようにあの勝利を捉えていますか。

「相手の良さが出る前に、勝てた感じでした。練習でやってきたことを出せました。しっかりと見て打てたので、回りからも『まぐれのカウンターではない』と言ってもらえましたし、ちゃんと練習してきて良かったです」

──未知の相手で、ケージの中で見合った時はどのような印象を持ちましたか。

「当日は全然デカくないと思いました。映像ではもっとデカくて圧力があるように見えていたので。サークルケイジのなかでは、そんなに変わらないなって」

──素晴らしいTKO勝ちでしたが、放送を2カ月以上も待たないといけなくなりました。結果を周囲に漏らすこともできない状態が、ここまであり──その間に次の試合に向けて気持ちをもっていくことなど、メリハリをつけることは難しくなかったですか。

「最初は1月22日の大会へのオファーが、1月1日にあったんです。でも、それは相手も聞かずに断りました(笑)。年末年始で休んでいたので。

そうしたら1月中旬に2月にタン・カイとやらないかという話もありました。ここに関しては、正直にいうとエミルベクに勝った試合が中継もされていなくて……という意識があったかと思います」

──やはり前の試合が中継されて、次に向かいますというケジメが必要ですよね。

「それでも2月の頭に4月8日にTNT大会で試合ができるという話が来て、その時はTNT枠に入ることなんてないんだろうなって思いつつ……」

──了承したと(笑)。選手としては終わった試合はさっさと放送してほしいですね。

「……まぁ、そこは柔らかく伝えましたけどね(笑)。そろそろスイッチを入れないといけない時期だとも感じていたし、2カ月あれば準備できますからね。そうしているうちに相手の名前が来て……これは余りやりたい相手ではないというのをまず思いました」

──またもシルクロード系の未知系剛腕ファイターです。

「ハイ。でも、そういう相手と戦う時ほど強くなれるとも思っています。開き直りじゃないですけど、録画中継のことも対戦相手のこともいちいち気にすることなく、淡々と試合をこなしてファイトマネーを得ようという風になっていますね。

選手一本の時は生活があるから、もっとシリアスに捉えていたと思います。ファイトマネーも放送後に振り込まれるとかだったら文句も言いたくなりますけど、そんなこともなく。ONEはすぐに入金もありますしね」

──何よりも大切なことです。ただスポーツなので何カ月も中継が遅く、本当はいつ戦っているのか分からなくなってしまうような状況はなくしてほしいと思います。

「選手としては勝ちゃ良いのですが、身近で応援してくれる人には申し訳ないですね。会社の人達、スポンサーさん、友達に対しては複雑な想いでいるので、15日に今回の試合が放送されることが分かり、少しモチベーションは上がりました。単純です(笑)。

こんなこと考えている時点でダメなのかもしれないですけど、勝っても負けてもすぐに情報が公開されるのでスッキリできるかと思います。だって試合に負けて、中継まで3カ月とかあると最悪ですよ」

──そこも全肯定させていただきます。そんななかでシネチャグタガ・ゾルツェツェグ。無名で恐らくは相当に強い。

「日本にいたら、日本人の強いヤツと戦えますが、こういう相手とは戦えないですよね。まぁ日本で一番になってない奴が世界とか言うなってなるかもしれないですけど、僕はこういう戦いがしたくてONEと契約をしたので」

──青木選手や北岡選手たちの世代って、国内でもっと国際戦を戦うことができていました。北米基準の選手と。今や、北米基準でなく世界中が強いですから日本で無名でも、強くて当たり前で。その代表格がシネチャグタガのような選手かと思います。

「そうやって見てもらえると嬉しいですね。国内では30代後半や中盤でベルトを巻いている人がいますけど、ピークじゃないとかっていう評価がついてくるなら、勝っても素直に喜べないじゃないですか。なら、知られていなくても強いヤツと戦える環境にいる方が、僕は良いですよね。

実はゾルツェツェグと戦うことは去年の4月に一度決まっていて、コロナで流れたんです。だから、ここでやるのも運命ですよね。あの時に、一度はコイツとやるという気持ちはできていたので……でも、ヤバい相手ですよね」

──底が見えていないだけ怖いです。

「ただ、誰のパンチを貰っても倒れるんですよ。こないだのキルギスのエミルベクが相手だろうと、今回のモンゴルのゾルツェツェグだろうと。

皆、倒せるパンチを持っています。ちょっとアグレッシブすぎるので気を付けないといけない部分はありますけどね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE TNT02中継対戦カード

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)

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【ONE TNT02】試合前日に対戦相手が変更──上久保周哉「なんでリネケルじゃないんだって……」

【写真】言葉はボソボソとしているのだが、逞しい発言が続いた上久保。試合の放送が楽しみでならない (C)MMAPLANET

15日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT02に組み込まれた上久保周哉✖ミッチェル・チャマール。

既報の通り、上久保はトロイ・ウォーセンとの対戦のためにシンガポールを訪れていた。そして試合前日に対戦相手が変更された。彼はこの緊急事態をどのように捉えていたのか。現地時間の7日夕刻に急遽行ったインタビューの模様をお届けしたい。


──シンガポールに向かう前にトロイ・ウォーセン戦について話を聞かせてもらい、上久保選手らしい何とも掴みどころのない具合が非常に良かったのですが、……試合前日になり、対戦相手変更という大変な事態に陥りました。

「今日の午後1時(※取材は現地時間の午後5時半に行った)にハイドレーションと計量があって、その3時間前ぐらいに対戦相手が代わるって聞かされました」

──いやぁ、もうそれは驚く以外ないですよね。

「実は朝の7時半ぐらいホテルを出て、フェイスオフを8時ぐらいにウォーセンとしたばかりだったんです」

──対戦相手が代わるかもいう話は、それまで全くなかったのでしょうか。

「どこかのカードが組み代わるらしい……バンタム周辺であるかもしれないというのは聞いていて……。でも、僕の試合は変えない方向で話を進めるという風に伝わっていました」

──ジャレッド・ブルックス✖リト・アディワンが一度は発表されて、すぐに消去された。で、アディワンと急遽戦うオファーのあった選手が、相手がアディワンでなくなった……。そんなこともあったようですが、憶測でしかないですがラカイ勢に陽性、もしくは濃厚接触があった可能性があるのではないかと。なんせ飛行機で近くに座っている人が陽性だと、陰性でもシンガポール政府から試合許可が下りないというケースがあるぐらい厳しいようです。

「きっと色々あったのでしょうね……階級を変えて戦うことができるのかっていう話もあったようですし。でも僕にはリネケルという話はなかったです」

──TNT用に米国人選手が必要だったという見方もできますよね。

「戦いやすい方を選んだじゃないですか……(微笑)」

──上久保選手はリネケルと戦うかと尋ねらえると、銅返答していましたか。

「まぁ本意じゃないですけど、迷わずやったかもしれないです」

──リネケルですよ?

「むしろ……なんでリネケルじゃないだって思ったぐらいだったので」

──それがファイター・マインドなのですね!!

「正直、自分が選ぶことができるならソッチだし。でも、僕が選ばれなかったのは何か理由があるのでしょうね。今回のこのシチュエーションでいえば互いの100パーセントを出し切ることができないので、勝っても負けても何かが残るファイトになると思います。

でも僕からすると飛び級で元UFCのランカーと戦えるのなら、チャンスだから受けます」

──結果として相手はチャマールになりました。

「7勝2敗とかで、5年ぐらい試合をしていなくて。動画を見たら組まれて即ギロチンを極めた……何とも言えない試合しかなかったです(笑)」

──私はキックの試合で、最初のハイキックで相手が目を負傷して終わったという映像を見ました。

「アハハハ。実力が計りかねる相手ですね。ある種、トロイを強敵とし自分が越えるべき相手として捉えていたので残念は残念ですけど、自分の戦い方は対策を練ってはめ込むわけじゃなくて、やりたいことを相手の押しつけるスタイルなので、基本的にやることは変わらないと思います。その入口の部分に気を付けて、自分のやりたいことを展開していくことに変わりはないです」

──相手を動かせながらコントールするという?

「そうですね。トロイにやろうとしていたことは、他の相手にも使えることだと思うので。やることは変わらない、油断しないことです。

誰と戦っても同じような展開になると思われる選手でありたいので、やるべきことを正しくミスなく、丁寧にやるつもりでいます」

──試合前日のこういうゴタゴタで精神的な影響はありますか。

「正直、こういうトラブルは初めてじゃないですし、こういうものだと思っています。整理して言葉にしているのとは違うところで、モチベーションに変化はあるかと思いますけど。実際には当日ケージの中に入って動き始めたら、やることは一緒です。今は明日の自分が頑張れるよう、コンディションを良くすることだと思います」

──Phoenix FCでの経験が生きていますか。

「アレを経験すれば何でも大丈夫です。あの時の自分のレベルで元UFCファイターとやろうとしていて……あの時の方が命知らずでした(笑)。で、試合がなくなった時のショックが大きすぎて、思っていた以上に気が張っていたことに気付かされました」

──対して、今は平常心でいることができている?

「やることは決まっていますし、自分の力も理解しつつあります。昔より強いところ、弱いところの把握ができているので、こういう状況を受け止めることができるようになっています。

まぁ、舐めんなよという気持ちはありますけど(笑)」

──舐めんなよ? チャマールに対してですか。

「ハイ。もちろん、前日になって試合を受けてくれて感謝の気持ちはあります。計量の時もありがとうと伝えました。

わざわざシンガポールまで来て、1週間隔離されて何もしないで帰るより、自分がやってきたことを出して帰国できることは良かったと思います。この状況でカードが変わっても、試合ができるのは運が良かったとも感じています。

でも、試合前日に受けて勝てるような相手じゃないぞと思っています。今回の試合に関して、コンディションを100パーセント創って来たのは自分だし。向うは試合前日に受けて、ケージの中に入るのであれば、創ってきたモノの差を見せつける試合になると思います。

相手が試合を受けたことを後悔するよう戦います」

■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE TNT02中継対戦カード

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)

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