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Brave CF MMA MMAPLANET o UAEW UFC UFN209   アレッシオ・デキリコ ウィリアム・ゴミス エッガー キック クリスチャン・キニョネス シャルル・ジョーダン シリル・ガンヌ ステファニー・エッガー タイ・ツイバサ ダスティン・ストーツフス ナサニエル・ウッド ナスラ・ハクパレス フェレス・ジアム ブノワ・サンドニ マーヴィン・ヴェットーリ ヤルノ・エレンズ ロバート・ウィティカー

【UFN209】計量終了 初のフランス大会で知る──欧州の今。ゴミス×エレンズの仏蘭初陣対決に要注目

【写真】フェイスオフからもフレンチ・ナックモエ×ダッチ・キックボクサー的に見えるゴミス×エレンスだ(C)Zuffa/UFC

3日(土・現地時間)、フランスは花の都パリのアコー・アリーナで開催されるUFN209:UFN on ESPN+67「Gane vs Tuivasal」の計量が、2日(金・同)に行われた。

2020年1月からMMAが解禁されたフランスで、ついにUFCが大会を開く。メジャーでは2020年10月、そして今年の5月にアコー・アリーナよりも、ベルシーの名が馴染む同アリーナで大会を成功させている。

満を持してのUFCのフランス進出、そのメインは暫定ながらヘビー級タイトルコンテンダーであるフランス人ファイター=シリル・ガンヌが5試合連続KO勝ちのタイ・ツイバサを迎え撃つ。


ヘッドラインを筆頭にフランス勢は5人が出場する今大会、全12試合で北南米からの遠征組は7人、豪州から2名と欧州勢中心のカード編成となっている。

ヨーロッパ中心といっても英国&アイルランドからはナサニエル・ウッドのみの参戦で、ユーロUFCの豊かな人材が実感させられるパリ大会だ。

そんななか注目したいのは、フェザー級のフランス✖オランダ対決=ウィリアム・ゴミス×ヤルノ・エレンズ──メインカードに組み込まれた、デビュー戦同士のマッチアップだ。

ジャグアー=ジャガーの異名を持つゴミスは戦績10勝2敗、本来はベルシーから10キロ、パリ15区にあるパレ・デ・スポール内ドーム・ドゥ・パリで2日に開かれたアレスFCに出場予定だったファイター。

アレスFCは2019年12月にアフリカ・セネガルで活動を始め、コロナの時代となるとベルギー大会が2度キャンセルされ、昨年12月からパリで定期開催されているMMAイベントだ。MMA解禁後のフランスで、母国ファイターだけでなく国際戦を組み、同国のMMAファイターの強化を大いに後押ししている。

母国にイベントがなかった時代、パウンド禁止の100% Fightから英国や中東をステップアップの地に定めていたゴミスは、結果的にアレスFCからUFCとの契約を勝ち取った。

対するキック王国オランダのエレンズは、キャリア13勝3敗1分。最近ではLevels Fight Leagueが奮闘しているもののキック王国が故に世界標準のMMA大会がなかなか根付かない母国でなく、ドイツから彼もまたUAEWと中東を目指し、最後はBRAVE CFのドイツ大会からステップアップを果たした。

ゴミスはムエタイ基調で、相手の攻撃を良く見る目を持っている。攻撃を見切ってからの攻撃手段は打撃だけでなく、ムエタイ流クリンチ&バック奪取、そしてダブルレッグというMMA流にアレンジした動きを見せる。

対してエレンズは、ザッツ・キックボクサー。振り下ろすロー、奥手でも果敢にボディストレートを打ち、前に出てきた相手にはMMAでも常套手段となった右アッパーを突き上げる。組みに関しても、オランダ人ファイターらしく柔道の投げ技を駆使し、柔術的な寝技も駆使している。

組みに関しては互いに攻めの姿勢を持つ両者だが、倒してから仕留めるという部分ではゴミスは削ってスタンド、エレンズはサブミッションで仕留める傾向が強く、そのファイト・アイデンティティは違ってくる。

そんな点も含め、ヨーロッパ──西ヨーロッパ大陸の今を知ることができるゴミス×エレンズの顔合わせといえよう。

■視聴方法(予定)
9月4日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN209計量結果

<ヘビー/5分5R>
シリル・ガンヌ: 247ポンド(112.03キロ)
タイ・ツイバサ: 266ポンド(120.65キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロバート・ウィティカー: 186ポンド(84.37キロ)
マーヴィン・ヴェットーリ: 186ポンド(84.37キロ)

<ミドル級/5分3R>
アレッシオ・デキリコ: 186ポンド(84.37キロ)
ロマン・コピロフ: 186ポンド(84.37キロ)

<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス: 155ポンド(70.31キロ)
ジョン・マクデッシ: 154.5ポンド(70.08キロ)

<フェザー級/5分3R>
ウィリアム・ゴミス: 146ポンド(66.22キロ)
ヤルノ・エレンズ: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン: 145.5ポンド(66.0キロ)
ナサニエル・ウッド: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
ダスティン・ストーツフス: 186ポンド(84.37キロ)
アブスピアン・マゴメドフ: 186ポンド(84.37キロ)

<ライト級/5分3R>
フェレス・ジアム: 156ポンド(70.76キロ)
ミハウ・フィグラック: 156ポンド(70.76キロ)

<ミドル級/5分3R>
ナソーディン・イマボフ: 186ポンド(84.37キロ)
ジョアキン・バックリー: 186ポンド(84.37キロ)

<ライト級/5分3R>
ブノワ・サンドニ: 156ポンド(70.76キロ)
ガブリエル・ミランダ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<バンタム級/5分3R>
カリド・タハ: 135ポンド(61.24キロ)
クリスチャン・キニョネス: 136ポンド(61.69キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
アイリン・ペレス: 144.5ポンド(65.54キロ)
ステファニー・エッガー: 145ポンド(65.77キロ)

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Brave CF LFA MMA MMAPLANET o UFC アンソレス・ルナ・マルティネティ アントン・トゥルキャリ オジー・ディアス ジョセフ・パイファー ダスティン・ストーツフス 河名マスト 田中路教

【DWCS2022#01】コンテンダーS開幕戦。LFA王者&BRAVE CF3連勝。そして拷問技のマルティネティ!!

【写真】ミドル級王者オジー・ディアスの出場で田中路教、河名マストが来週末の大会に出場するLFAの質が分かる──試合に?!(C)LFA

26日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで今年のダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズが幕を開ける。UFC直轄の登竜門対決は、今年も1イベント=5試合のフォーマットで毎週火曜日に実施される。

しかし、その第1週はバンタム級の注目株ファリド・バシャラットの対戦相手ウィリアン・ソウザが計量失敗で試合が中止となり、4試合スタートとなる。


メインはミドル級オジー・ディアス✖ジョセフ・パイファー、ディアスはコンテンダーシリーズに欠かせないLFAのミドル級チャンピオンだ。対するジョセフ・パイファーは2020年のコンテンダーシリーズに出場し、現UFCファイターのダスティン・ストーツフスのテイクダウン狙いを防ごうと右手をマットについた際にヒジを脱臼し、一度は夢破れた選手だ。

(C)Zuffa/UFC

わが身に何が起こったのか──呆然とした表情が今も印象に残るパイファーがセカンドチャンスをモノにできるか。

コメインでアカーシオ・ドスサントスと戦うアントン・トゥルキャリは世界のMMA界が動きを止めた2022年、UFCに続き国際大会を再開させたBRAV CFのスウェーデン月間の第1戦と最終戦、3週間で2勝し存在感を露わにした。その後は2021年4月の50回記念大会ではコンスタンティン・ソルダトフをスピニングバックフィストで13秒KO勝ちを収めたことで、さらに注目度を上げた。その後、コンテンダーシリーズへの出場をトゥルキャチは決めていたが、負傷欠場に。それだけに今年に賭ける想いは強いはずだ。

またアレッサンドロ・コスタと対戦するエクアドルのアンソレス・ルナ・マルティネティも──一段階上がった舞台で、これまでのような動きができるのかという点で、非常に楽しみな選手だ。

キャリア12勝0敗、8試合がフィニッシュ勝利でRNCを5度極めている。マルティネティのグラップリングは、そんな幹の部分でなく枝の部分が見ていて楽しいモノだ。

バックグラブから足をフックして反転、カーフスライサー。果てはバックグラブから足のフックを片足に切りかえ、もう一方の足をスロエフストレッチ気味に取り、対戦相手の態勢がおむつを替えている際中の赤ん坊のようになる──仕掛けられた方は、たまったものではない攻めもできる。

さらにスロエフストレッチで抱えた足に内ヒールという拷問技などは、まるでリアル・ルチャリブレの関節技だ。エクアドルからメキシコとステップアップしてきたマルティネティの拷問技がコンテンダーシリーズでも披露されるか、第1試合から要注目だ。

■視聴方法(予定)
7月27日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

<ミドル級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
ジョセフ・パイファー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)
アカーシオ・ドスサントス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
デニス・ブズキア(米国)
カレイオ・ロメロ(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッサンドロ・コスタ(ブラジル)
アンソレス・ルナ・マルティネティ(エクアドル)

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INVICTA MMA MMAPLANET o UFC UFC ABC03 アマンダ・レモス アレックス・ヴォルカノフスキー エミリー・ダコーテ シャルル・ジョーダン ジェシカ・ペネ ジャイー・ロドリゲス ジャック・ショア スムダーチー ダスティン・ストーツフス チョン・ダウン ビル・アレジオ ブライアン・オルテガ ボクシング マックス・ホロウェイ マット・シュネル ミーシャ・テイト リッキー・シモン リー・ジンリャン 岡見勇信 水垣偉弥

【UFC ABC03】Fight Night以上PPVよりマニア好み。チョン・ダウン、岡見越えなるか。ミーシャの今は?

【写真】フライ級でミーシャは頂点を狙えるようなパフォーマンスを見せることができるか(C)Zuffa/UFC

16日(土・現地時間)にニューヨーク州ロングアイランドのUBSアリーナで開催されるUFC on ABC03「Ortega vs Rodriguez」の計量が15日(金・同)に終了し、出場全24選手全員がクリアしている。

東部時間帯でプレリミは午前スタートとなるNY真昼の決戦、メインはフェザー級のブライアン・オルテガ✖ジャイー・ロドリゲスという再起戦対決となった。


(C)Zuffa/UFC

オルテガは昨年9月にアレックス・ヴォルカノフスキーのベルトに挑戦して敗北、ロドリゲスは昨年11月のマックス・ホロウェイに敗れて以来の実戦復帰となる。

いわば同階級のトップツーの軍門に下った両者にとって、頂点を目指す権利を再度得るための過酷なサバイバルマッチだ。ボクシング&柔術、削って極めるオルテガに対し、独特のテコンドームーブで変幻自在な打撃に加え、下になっても極めのあるロドリゲスの対戦は、スタンドで蹴りの間合いが続かない限り、立ちもグラウンドもダイナミックな攻防に発展すること間違いないだろう。

とはいえ、大切な試合を落としてからの再起戦、動きが固くなり思い切りの良さが抑えられるファイトになる可能性もあるが……。セレモニアル計量では「試合がどうなるのかは分からない。でもウォーになることは確かだ」とロドリゲス。一方のオルテガも「メキシコからNYへ、イッてしまっているウォリアーのお出ましだよ。バチバチの戦いになるよ」と話した。

そんなセレモニアル・フェイスオフで見せたロドリゲスの気合と、T-Cityの落ち着き様を見る限り期待を裏切らないギリギリの戦いを両者は覚悟しているようだった。

(C)Zuffa/UFC

マンハッタンから30キロのNY真昼の決戦。

ショーン・バーゴ✖シャルル・ジョーダン、ジャック・ショア✖リッキー・シモンのように打撃、組みでがっぷり四つの真っ向勝負など、Fight Night以上──PPVよりマニアックというMMAファンには楽しみな対戦カードが揃っている。

(C)Zuffa/UFC

と同時にどうしても気になるのが、メインカードにリー・ジンリャンとスムダーチーという中量級と軽量級の中国人ファイターが2人も登用されていることだ。

UBSアリーナが隣接するクイーンズだけで中国系米国人は20万人住んでおり、お隣のブルックリンも15万を超える同朋が生活している。

(C)Zuffa/UFC

とはいって、ご当地ファンの導入狙いではプレリミ出場で十分なはず、やはりUFCの同国市場への期待の表れととれるだろう。

そのメインカードにはMMA復帰戦から3戦目、フライ級に階級を落としたミーシャ・テイトが2016年11月のMSG以来、5年8カ月振りのNYで戦う。意気込みは実に潔い、ただし動きが落ちていることは否めないミーシャ。スケールでもお馴染みの力こぶにキスのポーズを披露したが、ローレン・マーフィー相手にどこまで全盛期に近いパフォーマンスを披露できるか。

(C)Zuffa/UFC

アジア系ではなんといってもチョ・ダウンに注目だ。

1ドローを挟んでいるとはいえ現在オクタゴンで4連勝中、ライトヘビー級ということを考えればMMA版漢江、いやアジアの奇跡と言っても過言でない。チョ・ダウンが今大会でダスティン・ジャコビーを破れば5連勝と岡見勇信を抜き、水垣偉弥に並ぶことになる(※蛇足ながら岡見の偉大さは4連勝以外に、3連勝を3度している点にも表れている)。

(C)Zuffa/UFC

オープニングマッチにはInvicta FCからストロー級世界王者のエミリー・ダコーテがステップアップ、。

女子MMAファイターにとってインヴィクタからUFCは王道のステップアップ方法だっただけに、注目のダコーテの初陣──と、第1試合からヘッドラインまで、本当にMMAが好きなファンにとって非常に楽しみなラインナップとなっている。

■視聴方法(予定)
7月17日(日・日本時間)
午前0時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC ABC03計量結果

<フェザー級/5分5R>
ブライアン・オルテガ: 146ポンド(66.22キロ)
ジャイー・ロドリゲス: 145.4ポンド(65.95キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)
アマンダ・レモス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
リー・ジンリャン: 170.6ポンド(77.38キロ)
ムスリム・サリコフ: 170.8ポンド(77.47キロ)

<フライ級/5分3R>
マット・シュネル: 126ポンド(57.15キロ)
スムダーチー: 125.8ポンド(57.06キロ)

<フェザー級/5分3R>
ショーン・バーゴス: 145.8ポンド(66.13キロ)
シャルル・ジョーダン: 145.6ポンド(66.04キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ローレン・マーフィー: 125.2 ポンド(56.78キロ)
ミーシャ・テイト: 125.8ポンド(57.06キロ)

<ミドル級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ: 185.6ポンド(84.18キロ)
ダルシャ・ランジョンブラ: 185.6ポンド(84.18キロ)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン: 135.6ポンド(61.5キロ)
ジャック・ショア: 136ポンド(61.69キロ)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ: 146ポンド(66.22キロ)
エウベウチ・バーンス: 145.4ポンド(65.95キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ダスティン・ジャコビー: 205ポンド(92.99キロ)
チョン・ダウン: 205.6ポンド(93.25キロ)

<ミドル級/5分3R>
ドワイト・グラント: 184.4ポンド(83.64キロ
ダスティン・ストーツフス: 185.6ポンド(84.18キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・ペネ: 115.8ポンド(52.52キロ)
エミリー・ダコーテ: 115.6ポンド(52.43キロ)

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BELLATOR DEEP MMA RIZIN UFC UFN199   アマンダ・レモス アンドレ・イーウェル スティーブン・トンプソン ダスティン・ストーツフス ダレン・エルキンス デリック・ルイス ハオーニ・バルセロス ビクター・ヘンリー ベラル・モハメッド ボクシング マテウス・ガムロ 中島太一 海外

【UFN199】オクタゴン初陣、バルセロス戦前のビクター・ヘンリー「日本の皆の心を僕はUFCに持ち込む」

【写真】ビクターからは溢れんばかりの日本への想いが伝わってきた (C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN199:UFN on ESPN+57「Lewis vs Daukaus」にビクター・ヘンリーが出場し、ハオーニ・バルセロスと対戦する。

キャリア25戦のうち、日本で12度戦ってきたビクター。2014年のGRANDSLAM旗揚げ戦の所英男戦から、パンクラス、DEEP、そしてRIZINを舞台に上田将勝、中島太一、石渡伸太郎、アラン・ヤマニハ、大塚隆史、元谷友貴、金原正徳とJ-MMA界のトップ・バンタム級ファイターと激闘を繰り広げてきたビクターのUFC出場には、外国人選手が戦えないコロナ禍の日本の状況があった。

そこに届いたUFCのオファー、ビクター・ヘンリーは日本総合格闘技界を代表してオクタゴンに足を踏み入れる。


──ビクター、お久しぶりです。

「Long time no see you、、、Too long time……。本当に久しぶり、久しぶり過ぎるよ。ありがとう、僕のことを取り上げてくれて」

──いえいえ、当然のことです。それにしても突然のUFC出場には、正直驚きました。

「日本で起こっていること……日本の実情が全てだよ。日本で戦うことが困難な状態がずっと続いてきた。今も続いている。日本では米国人ファイターが戦えない状況が当たり前になってしまった。それでも僕は戦い続けないといけない。そんな時にUFCがチャンスをくれた。だから今、ここにいるんだ」

──日本でもDEEPの佐伯代表は『隔離措置がなくなればビクターを呼びたい』と、いつも言っていました。RIZINのバンタム級GPのルースターに当然のようにビクターはリストされていたでしょう。ただし、パンデミックがそれを許さなかったです。

「サエキサンが日本で戦う機会を与えてくれたことは、本当に感謝している。でもパンデミックが起こり、隔離措置が取られる限り日本では戦えない──本当に辛かった。家に戻れない、そんな気持ちだったよ」

──11月に労働ビザを持っている外国人は短期の隔離で来日することが可能になった途端に、オミクロン株が発生し新規の入国が認めらなくなるなど、かつてない厳格な水際対策を日本政府を採ることになりました。ただ、それ以前にVJTにチリ人選手が来日したり、RIZINも大晦日には海外の選手を招聘する予定だったでしょうし、またビクターが日本に来られるという期待もあったのですが……。

「大晦日に関して、僕のところには何か連絡があったわけではなかった。僕は日本で成功し、それを日本のファンが見続けてくれたファイターだ。でもソファに座って、ただ待つだけというわけにはいかない。何か行動を起こす必要があるんだ。皆、1年間そういう状態で待ち続けたからね。でも、もう動かないと。それでも、いつだって僕にとって日本がホームだというのは変わりないよ」

──Parus FC、LXFで試合をしたことが、ビクターが日本で戦いたいという意思表示をしているのだと感じていました。

「その通りだよ。だからUFCと契約したからといって、僕はルーツを忘れることにはならない。日本での経験、日本で養った技術、そして日本の皆の心を僕はUFCに持ち込む」

──ビクターがどれだけ日本を愛していようが、世界最大のプロモーションで戦うチャンスを得たことはファイターとして絶対的に良いことです。UFCからオファーがあった時、どのような気持ちになりましたか。

「ちょうど、腹がいっぱいになるまでヤキニクを食べていたんだ(笑)。『2週間で体重を落とせるか』ってことだった。答えは『Let’s do it』、それしかないよ。しっかりと体重を落として戦う。それが闘魂ってものだろう。

『8週間必要だ』とか『準備期間がない』ってオファーを断るのは、好きじゃない。僕は世界中で、いつでも戦ってきた。それが日本で学んだ気構えだよ。戦う機会を得れば、そこに行って戦う。それだけのことじゃないか。UFCからオファーがあった。なら、戦う。日本のMMAファン、日本のMMA界とともにね」

──日本のファンもUFCで戦うビクターを応援し続けるはずです。UFC初陣に専念しないといけないビクターですが、一つこの試合と関係ない質問をさせてください。

「構わないよ」

──RIZINバンタム級GPはフォローしてきましたか。

「もちろん。バンタム級の戦いは常に注意を払っている。いつ僕と戦うことになるか分からないからね。バンタム級GPも、誰が勝ち残るのか注意して見てきた。ホリグチのBellatorの試合も視たよ。タイミングが合致すれば、誰とだって戦うことになる。

ホリグチが契約期間を終えて、またUFCと契約するかなんて分からない。でも、バンタム級のコレといった選手の試合は常にチェックしている。カイ、彼のことも見てきた。力をつけている。オギクボの試合もね。彼らとはUFCで戦うこともあるかもしれないだろうね」

──ではGPで、誰が優勝すると思っていますか。

「ナオキ・イノウエだ。彼はどの局面でも戦える。ソウゴウカクトウカとして、たくさんの勝ち方ができて、より完成度が高い。カイはパワフルだ。KOできる力がある。ただ、レスリングと柔術はどうなんだろう? オギクボも強い。でもカイと戦った時に見えた課題を克服できているのか。

イノウエは武器が多く、リーチも長い。素晴らしい柔術ゲーム、キャッチレスリングの技術を備えている。イノウエが本命だよ」

──なるほど。ありがとうございます。とはいえ土曜日に戦うハオーニ・バルセロスは井上選手に負けないウェルラウンディット・ファイターです。

「ハオーニはパワフルだよ。フェザー級から落としてきた選手だからね。試合の時は相当大きくなっているだろう。ボクシングでプレッシャーを掛けて、ベースのレスリングも強い。ただ、グラウンドに持ち込んできたら僕にとっては都合が良いよ。ただし、僕はイージーファイトなんてしたくないんだ。

ハオーニが全能力を使って、僕と戦うことを望んでいる。僕と相対したハオーニは、きっと驚くだろう。彼だけじゃない、次の試合で世界を驚かせる」

──北米MMAファイターとは違ったファイト・フィロソフィーを持つビクターだからこそ、UFCでの戦いが楽しみです。

「任せてくれ。いつだってしてきたように、見ている人が驚く戦いをする。多くのファイターが、ただ勝つためにたかっている。そんなのは本当の意味で、ファイトじゃない。日本の戦い方を見せるよ」

──ビクター、ありがとうございました。ずっとビクターを見てきた日本のファンに一言お願いします。

「皆のことが恋しい。ホント、皆を愛している。日本に戻る日が楽しみでならないし、ゴーゴーカレーが食べたくてしょうがないよ!!」

■視聴方法(予定)
12月19日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN199対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
クリストファー・ダカウス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ベラル・モハメッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
アンジェラ・ヒル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
リッキー・シモン(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェヘイラ(ブラジル)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
カブ・スワンソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラウド・マーシャート(米国)
ダスティン・ストーツフス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(米国)
ハリー・ハンサカー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラ・ユーバンクス(米国)
メリッサ・ガト(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国)
メイシー・シェエソン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ドンテイル・メイス(米国)
ジョシュ・パリジャン(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・セイレス(米国)
ジョーダン・ラヴィット(米国)

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MMA UFC UFC ESPN26 ダスティン・ストーツフス ホドウフォ・ヴィエイラ

【UFC ESPN26】ホドウフォ、ジャブで試合をリードし最後は見事なバック奪取でRNC極める

<ミドル級/5分3R>
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)
Def.3R1分54秒by RNC
ダスティン・ストーツフス(米国)

左ジャブを当てたホドウフォが、間合を図りながらワンツーで右をヒット。ストーツフスもワンツーを返し、ローを蹴る。ホドルフォはジャブから右ストレートという動きを続け、ストーツフスのジャブに右クロスを打っていく。直後にワンツーを当てたホドウフォは、右ローを蹴って左ジャブ、2分間組まずに戦う。ホドウフォはストーツフスの前進に左を当て、サークリングで間合いを外す。

ケージを背負ったホドウフォに対し、ストーツフスが後ろ回し蹴り。ホドウフォは中央を取り返し左ジャブを断続的に当て、ストーツフスはボディフックのコンビを繰り出す。それでもジャブでリードするホドウフォは、組んで疲弊することを避けての打撃戦か。ストーツフスが後ろ回し蹴りを放ち、回るホドウフォは最後に跳びヒザでケージに詰まりテイクダウン狙いから、下に。直後にラウンド終了となったが、ホドウフォのこの選択もまた疲れそうな展開だった。

2R開始直後に真っすぐ飛び込み、ダブルレッグでテイクダウンを取ったホドウフォが、スクランブルでバックに回る。クラッチを剥がしたストーツフスが向き合うと、ホドウフォは離れる。ストーツフスがワンツー、ホドウフォがジャブを当てる。ガードの上から左ハイを見せたストーツフスは、ジャブを被弾し続けシングルレッグへ。

ホドウフォは簡単に切り、ジャブ&サークリングを繰り返す。右を入れた直後に、右を被弾して組んでいったホドルフォに対し、ストーツフスがヒザを見舞う。ストーツフスは続いてワンツー、そして右をヒットさせる。ホドウフォはこの後もジャブを伸ばし、ダブルレッグを切り、ストーツフスをケージに押し込んだところで時間となった。

最終回、ホドウフォがここもダブルレッグでテイクダウンを決め、ハーフで抑える。スクランブルで背中を伺い、落とされたホドウフォが立ち上がりながらダブルレッグでストーツフスをケージに詰めて倒す。パンチを入れ、ストーツフスのシングルにバックに飛び乗ったホドウフォは、パームトゥパームでRNCに入りながら寝技に持ち込み直ちにタップを奪った。

再起戦で勝利したホドウフォは「今回はすぐにテイクダウンを狙わず、基本を大切に戦った。柔術ではよりリラックスして戦えるけど、MMAでも落ち着いて戦えた」と話した。


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DWTNCS S04 Ep02 TJ・ララミー UFC Result インパ・カサンガネイ エイドリアン・ヤネス コリー・マッケナ ダスティン・ストーツフス ブログ

【DWTNCS S04 Ep02】試合結果 ヤネス、ララミー、マッケナ、ストーツフスら勝者全員がUFCへ

【写真】左からカサンガネイ、ララミー、マッケナ、ヤネス、ストーツフスの新UFCファイター達(C)Zuffa/UFC

11日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでDana White’s Tuesday Night Contender Series 2020年シリーズ第2週が行われダスティン・ストーツフス、エイドリアン・ヤネス、コリー・マッケナ、TJ・ララミー、インパ・カサンガネイ──5人の勝者全員がダナ・ホワイトからUFCとの契約を告げられる結果となった。

パウンドでワキ腹を折ってTKO勝ちしたララミー、39秒TKO勝ちのヤネスは当確間違いないと思われていたが、そのヤネスですらダナの言葉を理解できない様子で「UFCで戦うんだよ」と念を押されるほど、緊張する合否の瞬間。

カサンガネイは判定勝ちということもあったが、スクランブル出場を問われイエスと即答する。マッケナは若い、経験が必要という言葉に動揺を隠せなかったが、それをUFCで果たして欲しいと告げられ破顔一笑。負傷TKO勝ちのストーフツは4人が合格したことで、動揺を隠せない面持ちだったが無事UFCとの契約を勝ち取った。

ファイターだけでなくコーナーマンからも陽性反応が出ると、試合ができないという状況で、いくらでもファイターは必要になってくる。それゆえの5人揃っての契約ともいえるからこそ、彼らにとってここからが本当の勝負になる。

DWTNCS S04 Ep02
<ミドル級/5分3R>
○ダスティン・ストーツフス(米国)1R4分21秒
TKO
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×ジョセフ・パイファー(米国)
<バンタム級/5分3R>
○エイドリアン・ヤネス(米国)1R0分39秒
KO
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×ブレイディ・ファン(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
○コリー・マッケナ(英国)3R
判定
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×ヴァネッサ・デモパウロス(米国)
<フェザー級/5分3R>
○TJ・ララミー(カナダ)1R5分00秒
TKO
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×ダニエル・スウェイン(米国)
<ミドル級/5分3R>
○インパ・カサンガネイ(米国)3R
判定
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×アンソニー・アダムス(米国)
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【DWTNCS S04 Ep02】ストーツフスのスラムで、パイファーが脱臼──5人の勝者、全員がUFCへ

<ミドル級/5分3R>
ダスティン・ストーツフス(米国)
Def.1R4分21秒by TKO
ジョセフ・パイファー(米国)

まず右ローを見せたストーツフスが、左フックをストーツフスのジャブに合わせる。パイファーがローを蹴り、ストーツフスも返す。パイファーは左ジャブから右ストレート、続くスピニングバックフィストは空振りに。カーフを蹴り合う両者、パイファーが左ボディフックを打ち込む。

ストーツフスがカーフを2発、パイファーが再び左ボディフックを決める。互いに右だけでなく左の蹴りも使うなか、パイファーが蹴りにシングルレッグを合わせる。ストーツフスはハーフでギロチン、フルガードに入れて頭を放す。ストーツフスは手首を掴んで三角狙いへ。直ぐに察知したパイファーは、続く三角クラッチも潰してトップをキープする。ハーフからパンチを落としたパイファーに対し、ストーツフスが足関節へ。

パイファーが体を捩じり足を引き抜くや、その刹那ストーツフスがスクランブルに転じシングルレッグ、腰を抱えてスラムへ。右腕をついたパイファーが、ヒジを脱臼し試合は決した。この突発的なフィニッシュをダナ・ホワイトとUFC首脳がどのように判断するか。

果たしてダナ・ホワイトの決断は──。

ダナ・ホワイト
「私はフィニッシュが好きなんだ。2度目のコンテンダーシリーズになったインパ、彼はポテンシャルはある──彼に質問がある。8月22日にエドガー・ムニョスと戦わないか? この質問に答えてくれ、ウェルカム・トゥ・UFC(笑)。

TJ・ララミー、インクレディブルな寝技、このキッドの戦いが好きだ。ようこそ、UFCに。次の試合はタフだった。マッケナはヴァナッサに対して、ビッグ・アンダードックだ。彼女はスイートでキラーだ。彼女はただ若い……20歳、トップ15とどう戦わせるのか。もう少し経験を積んで欲しい──その試合を与えるよ(笑)。

エイドリアン、クリーンなスナイパーだ。もっとUFCで見たい。UFCで、だ。ダスティンは13勝1敗、経験もある。ただUFCに出るだけじゃない、結果を戻すことを望んでいる」

インパ・カサンガネイ、TJ・ララミー、コリー・マッケナ、エイドリアン・ヤネス、ダスティン・ストーツフス──コンテンダーシリーズ史上、3度目の5人全員が一晩で契約するという結果となった。