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【ONE165】武尊、継続×海外修行=進化「一度新しい技術を取り入れて、取捨選択して自分を創っていく」

【写真】MMAPLANET初登場の武尊。「空手時代はサウスポーだった」など興味深いエピソードが飛び出した(C)MMAPLANET

1月28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催される「ONE 165: Superlek vs. Takeru」にて、ONEキックボクシング世界フライ級(61.2キロ)王者スーパーレック・キアトモー9に挑む武尊。
Text by Takumi Nakamura

衝撃的なKOシーンや激しい打ち合いでファンを魅了する激闘派としての印象が強いが、2017年に渡米してドゥエイン・ラドウィックに師事するなど、早くから海外での練習を取り入れている。MMAPLANET初登場となるインタビューでは武尊の技術の習得に対する考えなど“濃い”格闘技の話を訊いた。


――今回はMMAPLANETでのインタビューということで、格闘技の濃い話を聞かせていただきたいと思います。まず昨年6月のベイリー・サグデン戦は5R2分59秒に左ハイキックでKO勝ちという結果でした。武尊選手にとっては初の5Rでしたが、実際にやってみた感想はいかがでしたか。

「意外といけるなと思いましたね。僕はずっと3Rでやってきたので、あの時も最初から3Rぺースで戦っていたんですよ。だからペース的にこれで5Rまでいけるかなという不安があったんですけど、4・5Rになると逆に気持ちが乗ってくるというか、実は長いラウンドの方が得意なのかなと思いました」

――フィニッシュは左ハイキックでしたが、ハイキックでのKOは初めてですよね。武尊選手は普段から新しい技や武器を増やすことは意識しているのですか。

「ハイキックはむちゃくちゃ練習していたし、あの時はグローブが今までより大きかったというのもあって、パンチじゃ倒せないと思って蹴りに切り替えたという部分もあったんですよ。僕もアメリカやタイで練習していて、海外製のグローブは大きめのものが多くて、ちゃんと握れないものもあるんです。そういう時は自然と蹴り中心に組み立てたりしていて、過去のそういう経験が活きた部分もありますね」

――なるほど。グローブの影響もあったんですね。

「あのハイキックは近距離で身体を倒して相手の死角から蹴るもので、空手式の蹴り方なんですよね。そういう小さい頃からやり続けていたものが、色んな技の引き出しを空けていくうちに出てきたというイメージですね」

――武尊選手はただ打ち合いが強いだけじゃなく、自分が有利な展開で打ち合いに持っていくことが上手いと。それだけ技の引き出しも多くて駆け引きも上手い、武尊=実はテクニシャン説を提唱しているんです。

「ありがとうございます(笑)」

――もともと器用なタイプだったのですか。

「全然器用じゃないですね。単純に格闘技をずっと続けているから出来る技が増えていって、でもそれを試合で使いこなせていないから、結果的に殴り合って倒しているという感じですかね。だから技術そのものはすごく色んなものを練習していて、サグデン戦は熱くならずに冷静に戦えて、長いラウンドだったので、そういう技を出せたんだと思います」

――デビュー当初からインロー、ミドル、三日月蹴りと左の蹴りはコンパクトで得意ですよね。

「僕、空手時代はサウスポーだったんですよ。先生から『スイッチしてサウスポーで練習しろ』と言われて。それで蹴りそのものは左の方が強くて、キックに転向にするときにオーソドックスにしたんです。それで左の蹴りが得意なんだと思います」

――武尊選手が空手時代はサウスポーだったというのは面白いですね。また武尊選手は定期的にアメリカ・タイで練習していますが、立ち技の選手でこれだけ海外での練習に時間を割いている選手は少ないと思います。日本と違って練習に集中できるということもあると思いますが、なぜ海外での練習を重要視しているのですか。

「日本にいると練習面でも色々と気を遣うことが多いんですよね。例えばスパーリングパートナー選びにしても、立場的に誰とでもスパーリング出来るわけじゃないし、怪我させちゃったらどうしようとか、どうしても気にしちゃうんですよね。海外にいくとそこまで気にしなくていい……というとあれかな(笑)。でも海外は僕が出稽古に行く側で、ジムの選手たちに胸を借りるじゃないけど、挑む立場なのでそういう気遣いをしなくていい部分はあります。あとはもちろん練習だけに集中できるし、空いた時間を身体のケアに充てられるんですよね。だから試合前に海外で合宿すると、すごく心身共に整った状態になるので、日本に戻ってからの最後の追い込みをいい状態で出来ますね」

――アメリカに行くようになった当初はドゥエイン・ラドウィックが指導するBANG Muay Thaiで練習していて、今はLAが拠点になっているそうですね。

「ラドウィックさんはすごくよくしてくれて最高のトレーナーなんですけど、デンバーの気候が自分には合わなかったんです。デンバーは結構寒い場所なので、ずっと建物のなかは暖房がついているような状況で、それでコンディションを崩しちゃうんですよね。それで一度LAで合宿したときに、LAの気候が最高で。外を走っても疲れないし、湿気が少ないから余計な汗もかかないんです。ラドウィックさんも月1でLAで指導していて、LAにはTJ・ディラショーのジムもあるから、そこで何度か練習させてもらいました。ただあくまでそこはMMAのジムなので、練習する相手がみんなMMAファイターなんです。そこで打撃だけの練習になると、どうしてもレベルに差が出てしまうので、打撃専門の相手と練習したいと思って、LAのBOXING WORKSというジムに行くようになりました。そこは基本的にムエタイのジムで、ジャネット・トッド(ONEキックボクシング女子世界アトム級王者)もいるので、今はそこがメインになっています」

――もうラドウィックと練習することはなくなったのですか。

「いえ、ラドウィックさんとも連絡をとりあって、ラドウィックさんがLAに来るときと滞在期間が被る時には練習をお願いしています」

――また武尊選手はアメリカと並行してタイでも練習していて、昨年9月にはスーパーボン・シンハ・マウイン(元元ONEキックボクシング世界フェザー級王者)のスーパーボン・トレーニング・キャンプでも練習していましたよね。

「立ち技においてムエタイの強さは証明されているし、僕自身もムエタイへのリスペクトがあります。あとはロッタン選手とやることを見据えて(※取材は対戦カード変更前)、ムエタイに触れておきたいというかムエタイ攻略を見つけたいと思って、タイの選手と肌を合わせたいと思いました」

――欧米人とタイ人ではやはり違いますか。

「欧米の選手とは全く違いますね。スーパーボン選手のジムでノンオー選手ともスパーしたんですけど、やっぱりすごくテクニックがあるから攻略方法を見つけるまでに時間がかかるんですよね。でも練習すればするほど、自分の戦い方だったら『ここを突けばいい』というところが見えてきたので、そこはいい勉強になりました」

――スーパーボン・トレーニング・キャンプでは主にノンオー・ハマ(元ONEムエタイ世界バンタム級王者)と練習していたのですか。

「そうですね。スーパーボンは怪我していてマスをやらせてもらうくらいで、ガチスパーはノンオーだけです」

――SNSでは武尊選手とノンオーのガチスパーが話題になっていました。動画を撮られているのは気づいていましたか。

「もちろんです。ジムにいる人がみんな見ていたし、みんなスマホで撮ってましたね(笑)」

――かなりバチバチでしたが……。

「あの時はアメリカからタイに直接入って23時間くらいかかったんです。それでほぼ休まずにジムで練習をスタートしたんで、人生で一番時差ボケがやばかったんです。夕方になると視界も狭くなってくるし、寝不足のまま身体を動かすから低血糖症みたいになっちゃって。そんな状態でノンオーとスパーリングすることになったんです。それで舐められちゃいけないと思って、気合い入れていきました(笑)」

――そういった状況でのスパーリングだったんですね。今日お話を聞いていても武尊選手は新しい技を覚えることや色んな場所で練習することが好きなんですね。

「やっぱり新しいものを取り入れていかないと進化できないし、格闘技は技術そのものがどんどん進化するじゃないですか。同じことを継続してやることも大事ですが、新しい技術は一度練習して取り入れてみる。そのうえで自分に合わない・使えないと思ったら取捨選択すればいい。僕の場合は海外で新しい技術を取り入れたら、それを最終的に(渡辺)雅和さんとの練習で創り上げていく形です。その作業が出来る雅和さんがいるからこそ、僕はどんどん新しい技術には触れていきたいですね」

――カーフキックもいち早く取り入れていましたし、最近ではスリッピングアウェーも習得して。

「スリッピングアウェーは何となく真似してやっていたら、いつのまにか出来るようになっていました(笑)」

――武尊選手も32歳になりましたが、まだまだ伸びしろはあるようですね。

「はい。技術は伸びているし、フィジカル的な数字も上がっているんですよ。実は1~2年前に作ったスーツがパツパツになっちゃって、今までそんなことはなかったんです。むしろスーパー・バンタム級(55㎏)時代に作ったスーツも頑張れば入るぐらいで」

――やっと60kgで戦う身体が出来上がってきたという感覚ですか。

「そうですね。パツパツになったスーツも通常体重が67kgくらいの時に作ったものなんですよ。今の通常体重は64㎏くらいで体重そのものは軽くなっているのに、背中・腕がかなりデカくなっています。そういう部分でも自分にはまだまだ伸びしろがあるんだなと思います」

――約1年7カ月ぶりに日本で戦う武尊選手がどんな進化を遂げているのか楽しみにしています!

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【ONE165】スーパーレックと武尊がフェイスオフ。秋山×ホルツケン、グレゴリアン×シッティチャイも決定

【写真】大会まで約2週間、スーパーレックと武尊が日本で顔を合わせた(C)MMAPLANET

11日(木)東京都港区のザ・リッツ・カールトン東京において、1月28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催される「ONE 165: Superlek vs. Takeru」記者会見が行われ、ONEキックボクシング世界フライ級(61.2キロ)タイトルマッチで対戦する王者スーパーレック・キアトモー9と挑戦者・武尊が出席。試合への意気込みを語ると共に追加カードも発表された。


当初予定されていたロッタン・ジットムアンノンvs武尊は、ロッタンの怪我による欠場が発表され中止に。それに伴い武尊の対戦相手はONEフライ級キックボクシング世界王者のスーパーレックに変更され、試合も同級のタイトルマッチとして行われることが、5日に発表されていた。今回の会見にはスーパーレックも急遽来日し、武尊と両者揃っての会見となった。

会見はチャトリ・シットヨートンCEOの「2024年はONE Championshipにとっては、素晴らしい大きな1年になると私は確信している。すでに61の大会の開催を予定していて、その開催地も世界各国に散らばっている。日本では1月28日を含む2回、そして中東、アメリカ、アジア、サプライズでヨーロッパのどこかで開催という発表もできるかもしれない」という挨拶から始まった。続いてチャトリCEOはスーパーレックvs武尊について語った。

「今回ロッタンが怪我を負って武尊との試合が叶わなくなり、ロッタンにとっても残念な結果になったと思う。でも、このキャンセルがまた一つ日本の格闘技にとって大きなストーリーになるのではないかと確信している。なぜならチャンピオンのスーパーレックが一歩踏み出してくれたからだ。武尊とスーパーレックは、お互いにスタイルは違えど世界トップのストライカーで、その二人がどのようなぶつかり合いをするのか、日本にとっても大きな大注目の一戦になったと思う。

ロッタンと武尊の試合だったら、スーパーファイトだったけれど、今回のこの試合はキックボクシングの世界タイトルマッチになった。ここで新たに武尊、ロッタン、スーパーレックという三角関係が誕生したことになる。武尊VS那須川天心は日本における最大の注目カードだったと思うが、武尊vsスーパーレックは何よりも世界中が注目する試合だと思う」

さらにキャッチウェイトの特別ルール(スーパーファイト)=秋山成勲vsニキー・ホルツケン、キャッチウェイトのONEキックボクシングルール(スーパーファイト)=マラット・グレゴリアンvsシッティチャイ・シッソンピーノン、ONEヘビー級キックボクシングルール(スーパーファイト)=ラーデ・オパチッチvsイラジ・アズプール、3つの追加対戦カードが発表された。

ONEでは約2年ぶり、日本での試合は約12年ぶりとなる秋山は1R=ボクシング、2R=ムエタイ、3R=MMAという変則的なミックスルールでホルツケンと対戦する。GLORY世界ウェルター級王座をはじめ、キックボクシングで輝かしい実績を残すホルツケンだが、ONE参戦前の2013年~2018年はキックボクシングとプロボクシングを並行して戦っていた時期がある。

過去にロッタンとデメトリウス・ジョンソンが戦ったミックスルール(3分4R)は1R・3Rがムエタイ、2R・4RがMMAというルールで、DJは1Rを戦い抜けば2R=MMAで戦うことができた。しかし今回の特別ルールで秋山は1・2Rを戦い抜かなければ、自らの土俵=MMAまでたどり着くことが出来ない。ずばり秋山が1・2Rを戦うかが勝敗を分けることになる。

そしてグレゴリアンとシッティチャイはGLORY時代に5度対戦して4勝1敗とシッティチャイが大きく勝ち越している。まさにグレゴリアンにとってシッティチャイは天敵と言える存在だ。こちらはVSサウスポーを苦手とするグレゴリアンがどうシッティチャイが対策を立ててくるかがポイントだ。会見ではスーパーレック、武尊、秋山成勲(リモート出席)がコメントし、グレゴリアンに動画メッセージが流された。

スーパーレック・キアトモー9
「日本の皆さん、こんにちは。日本でまた試合をすることができて、とても嬉しく思っている。そして世界トップの武尊のような選手と試合をすることができて、とても興奮している。私は日本で試合を行ない、日本で一番の武尊という選手に勝って、自分の強さを証明したい」

武尊
「ロッタン選手と戦うために何カ月も準備してきて、悔しい気持ちはあったんですけど、これ以上ない相手を用意していただいて、スーパーレック選手とタイトルマッチをさせてもらえるということで、僕は断る理由はないと思いました。僕は本当に一戦一戦、この試合が最後のつもりで追い込みをやってきているので、自分の格闘技人生がここで終わったとしても、絶対に僕は試合後に(ベルトを)巻けると思っています。ONEのベルトを巻くために全力で戦いたいと思います。今、ONEは世界最高の団体だと思っているので、そこのチャンピオンを倒して、僕が世界最強というのをこの試合で証明したいと思います。必ず勝ちます」

秋山成勲
「正直日本大会出るつもりはなかったんですが、チャトリが直々に日本まで来て私と話をして、チャトリの熱意に自分の冷たい氷も溶けて、先程本当にギリギリ、この記者会見ギリギリまでいろいろ話をして合意に至りました。(12年ぶりの日本での試合について)自分も全然全くわかってなくて、今聞いて12年も経つんだなと思うと、頑張ってここまでやってきたなと思うのと同時に、自分もいい歳なので、いい試合をして『帰ってきたよ』と、日本のファンにメッセージ性のある試合ができたらなと思っています。(ホルツケンについて)いやあ、強いと思います。打撃のスペシャリストですし、ミックスルールと言っても、ボクシング→ムエタイ→MMAなので、立ち技の試合だと思っていかなくてはいけないなと。(日本のファンにメッセージは?)1月1日から世の中がいいニュースができてない中、やはり自分たちが一生懸命頑張っている姿を見て、いろんな方々が勇気を持ってまた頑張ろうっていう気持ちになれるような大会にできればなと思っております」

マラット・グレゴリアン
「日本のファンの前で、また戦うことが待ちきれない。また日本で戦いたいと思っていたからね。日本はお気に入りの場所だから。キックボクシングは日本からきたスポーツだ。また日本で戦えるのを光栄に思うし、良い試合を見せたい。ありがとう!」

会見に続いてはスーパーレックと武尊がミット打ちを公開。それぞれ練習着に着替え、お互いが見守る中、武尊はパンチのみのミット打ちを、そしてスーパーレックはパンチ、キック、ヒザ蹴りとまんべんなく繰り出すミット打ちを行ない、決戦に向けて闘志を燃やしていた。

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【ONE165】ロッタン負傷欠場でスーパーレック×武尊が決定!もう一つのドリームマッチが実現

【写真】ロッタン戦消滅は残念だが、スーパーレック×武尊の王座戦も夢の対戦だ(C)ONE

1月28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催される「ONE 165」で予定されていたロッタン・ジットムアンノン×武尊がロッタンの怪我により消滅。スーパーレック・キアトモー9と武尊によるONEキックボクシング世界フライ級(61.2キロ)タイトルマッチが決まった。
Text by Takumi Nakamura

年末年始に一部でロッタンの負傷が報道されていたが、5日にロッタンの負傷欠場が正式に決定。ロッタン本人が自身のInstagramにて診断書と共にトレーニング中に左手を負傷したことを明かした。ロッタンの代役に決まったのがONEキックボクシング世界フライ級王者のスーパーレックで、武尊との一戦はONEキックボクシング世界フライ級タイトルマッチとして行われる。


スーパーレックは1月13日ONE Fight Night 18でエリアス・マムーディとのONEキックボクシング世界フライ級タイトルマッチを控えていたが、ONE日本大会に出場がスライドし、武尊の挑戦を受ける形になった。なおマムーディには負傷欠場の報道もあり、ONE Fight Night 18でのスーパーレック×マムーディは中止になると思われる。

ロッタン×武尊は消滅となったものの、スーパーレック×武尊はそれに匹敵するドリームマッチだ。スーパーレックは元ルンピニースタジアム認定スーパーフライ級(52.1キロ)&バンタム級(53.5キロ)王者で、2019年5月からONEに参戦。2023年1月に武尊ともK-1で対戦したダニエル・ピュータスに判定勝利し、ONEキックボクシング世界フライ級王座に就いた。

3月にダニエル・ウィリアムスの挑戦を退けると、それ以降はMMAグローブのムエタイルールの試合に臨み、ナビル・アナンとタギール・カリロフに連勝。9月にはロッタンの持つムエタイルールのタイトルに挑戦する予定だったが、公式計量で規定体重135ポンド(61.2キロ)を5ポンド(2.27キロ)オーバーしたためノンタイトル戦で対戦し、ロッタンから勝利を収めている。

パンチ&ローの近距離で打ち合うロッタンと違い、スーパーレックは蹴り技=前蹴り・右ミドル・右ローで試合を組み立て、ロッタンよりも距離が遠い。武尊にとっては相性的にロッタンよりも攻略が難しい相手との対戦になったとも言える。

なお対戦カード変更に伴い、大会タイトルは「ONE 165: Superlek vs. Takeru」に変更となる。ONEから届いたスーパーレック、武尊、ロッタンのコメントは以下の通り。

スーパーレック・キアトモー9
「1月28日に武尊と戦うことになりました。日本で試合ができることをとても嬉しく思います。武尊の母国で彼に勝つことが楽しみです。そのためにベストを尽くします!ファンの皆さん、1月28日は僕の試合を観に来てください。最高の自分を見せます。武尊!28日に会いましょう!」

武尊
「スーパーレック選手もONEの中でロッタン選手と同じくらい戦いたかった選手だったので戦えることはすごく嬉しいです。 しかもONEデビュー戦でチャンピオンとタイトルマッチをやらせてもらえるというのは、今までの僕の実績を評価してくれたということだと思うのですごく嬉しいし光栄です。ずっとロッタン選手と戦うために 長期間準備してきたので 悔しい気持ちはありますが、今はスーパーレック選手に勝って必ずチャンピオンになることだけを考えて集中しています。相手は変わりましたがONEの世界タイトルマッチということで、この試合に勝つことで世界に日本格闘技界の強さを証明することが出来るので、変わらず応援してもらえたら嬉しいです!」

ロッタン・ジットムアンノン
「この試合に向けてのトレーニング中に負傷してしまいました。この試合を楽しみにしていたファンの皆さん、対戦相手の武尊には申し訳ない気持ちです。早く怪我を治して、また皆さんに試合を見せます。楽しみにしていてください。」

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【ONE FF34】スーパーレックがロッタンに勝利、現地観戦の武尊「早く僕もここで戦いたい」

【写真】激闘を終えた瞬間のスーパーレックとロッタン。2Rにダウンを奪ったスーパーレックが判定勝利した(C)ONE

<ムエタイ 140ポンド契約/3分3R>
スーパーレック・キアトモー9(タイ)
Def.3-0
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)

当初、この試合はロッタンの持つONEムエタイ世界フライ級王座にスーパーレックが挑戦する予定だったが、スーパーレックがフライ級の規定体重135ポンド(61.2キロ)を5ポンド(2.27キロ)オーバー。試合は140ポンド(63.5キロ)契約、3分3Rにノンタイトル戦として行われた。

スーパーレックが前蹴りと右ロー。ロッタンはプレッシャーをかけて右ヒジ、スーパーレックも右ヒジを返す。スーパーレックの蹴りをキャッチして右ストレートを打ち込むロッタン。

スーパーレックも右ヒジ、右ミドルと右ロー、ワンツーと右ローと手数を増やす。ロッタンは飛び込むような左の縦ヒジ、右ストレートと左ボディ、右ヒジ。スーパレックは左の縦ヒジで額から大流血し、ドクターチェックが入る。

再開後、スーパーレックが前に出て来るところにロッタンが右ヒジ。スーパーレックが右ストレート。ロッタンは右ヒジ、右フック。スーパーレックはガードを上げて右ローを蹴り、ロッタンは縦ヒジを合わせる。

2R、手数を増やして前に出るスーパーレック。ロッタンはヒジを合わせる。スーパーレックの左の蹴りにロッタンが左のヒジ。スーパーレックは前に出てヒザ蹴りと右ロー。スーパーレックは距離をつぶしてロッタンのボディに右ヒザ、そして右ヒジ。これでロッタンが横を向いてバランスを崩したところでレフェリーがダウンを宣告する。この判定に不服そうなロッタンは前に出てヒジを打つ。

3R、ロッタンが首相撲になると豪快に投げ捨てる。スーパーレックは右ヒジ、詰めてヒザ蹴り。ロッタンは首相撲になると右ヒジを連打、左フックを当てる。

スーパーレックは口が開いて体力的な消耗が目立つ。スーパーレックはしつこく組みついて首相撲に持ち込む。試合が終わると両者は抱擁し、握手をかわして健闘を称え合った。

判定は2Rにダウンを奪ったスーパーレックが勝利。試合後、スーパーレックは「凄くハッピーだ。でも、まずチャトリ、ファンに計量で失敗したことを詫びたい」と計量オーバーを謝罪。「この試合は勝敗でなく、過去最高の試合をしようと心掛けた。ジムに戻ってこの階級に留まるか、階級を上げるのかを決める」とマイクを締めた。

また現地観戦していた武尊も「今回の興行全体を通して生きるか死ぬかの戦いをする選手ばかりで、エネルギーをもらいました。僕もここで戦いたいと思いました」とONE参戦への想いを語った。

武尊
「複雑な気持ちといえば複雑ですけど、スーパーレック選手が強かったですね。2人の試合を見るのも現地でONEを見るのも初めてで、どんな感じなのかなと思ったんですけど、お互い気持ちがすごく強いなって。今回の興行全体を通して生きるか死ぬかの戦いをする選手ばかりで、エネルギーをもらいました。僕もここで戦いたいと思いました。感動しました。日本の大会は大会では盛り上がって、いい試合があるんですけど、それとは違う命をかけた戦いを見せてもらいました。僕がやりたい戦いはこういう戦いですね。早くここで戦いたいです」


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【ONE】続報中!ロッタン×スーパーレック

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タイのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fights 34。タイ版THE MATCHと言うべきロッタン・ジットムアンノン×スーパーレック・キアトモー9のONEフライ級ムエタイ世界タイトルマッチが行われる予定でしたが、スーパーレックがまさかの計量オーバー。試合は140ポンド(63.50kg)のキャッチウェイトのノンタイトル戦として行われる事になりました。正直ガッカリ感は否めませんが、実力者同士の一戦の結末はいかに。ABEMAで観戦しつつ、電波と充電の続く限り続報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【ムエタイルール 140ポンド(63.50kg) キャッチウェイト】
×ロッタン・ジットムアンノン
(判定0-3)
◯スーパーレック・キアトモー9
1R、重たい右ローを入れるスーパーレック。会場は大歓声。それでも前に出るロッタン。至近距離での打撃の交差。ロッタンの右フックと肘が鋭角にヒット。縦肘でスーパーレックの額を切り裂く。スーパーレックは大流血。金髪が真っ赤に染まる。ドクターチェックの末に再開するがロッタン優勢のままラウンドを終えた。
2R、巻き返したいスーパーレックが前に出て反撃開始。一回りは大きい体格を活かして圧力を掛ける。中盤に入るとロッタンをコーナーに追い詰めてボディへの膝蹴りを効かせて肘を打ち込む。バランスを崩したロッタンを見てレフェリーはダウンを取る。納得いかないロッタンはすぐに立ち上がって再開しラウンド終了。
3R、序盤はスタミナが切れたように見えるスーパーレック。口が開いて動きが止まる、ロッタンは右フック、肘を振るうがクリーンヒットはない。後半は逆にスーパーレックがフック、ローをヒットさせて手数で上回って試合終了。微妙な判定はスーパーレックに軍配。体重超過のスーパーレックが勝利するという何ともモヤっとする決着。タイトルを賭けて再戦を望みたい。
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【ONE FF34】スーパーレックが計量オーバー、ロッタン戦は140ポンド契約のノンタイトル戦に

【写真】スーパーレック(右)の計量オーバーでタイトル戦は消滅、キャッチウエイトでのワンマッチに変更された(C)ONE

22日(金・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fights 34の公式計量が行われた。

今大会でロッタン・ジットムアンノンの持つONEムエタイ世界フライ級王座に挑戦するスーパーレック・キアトモー9がフライ級の規定体重135ポンド(61.2kg)を5ポンド(2.27kg)オーバー。

試合は140ポンド(63.5kg)契約、3分3Rにノンタイトル戦として行われ、スーパーレックにはファイトマネーの25%を没収というペナルティが課せられた。


■ONE Friday Fights 34対戦カード

<ムエタイ 140ポンド契約/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
スーパーレック・キアトモー9(タイ)

<ムエタイ 140ポンド契約/3分3R>
セクサン・オー・クワンムアン(タイ)
アミール・ナセリ(イラン)

<ムエタイ 138ポンド契約/3分3R>
ムアンタイ・ PK・センチャイ(タイ)
ヨードレックペット・オー・アッチャリア(タイ)

<ムエタイ バンタム級(※65.8kg)/3分3R
クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)
タイソン・ハリソン(オーストラリア)

<キックボクシング ストロー級(※56.7kg)/3分3R>
プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)
アクラム・ハミディ(アルジェリア)

<ムエタイ 147ポンド契約/3分3R>
シブムン・コーチ・ナイ(タイ)
ミゲル・トリンダージ(ポルトガル)

<ムエタイ 140ポンド契約/3分3R>
スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ)
サマン・アシュリ(イラン)

<ムエタイ 116ポンド契約/3分3R>
ジョムホート・オート・ムエタイ(タイ)
ソンチャイノーイ・ゲッソンリット(タイ)

<ムエタイ 127ポンド契約/3分3R>
ペッチャーチャイ・ファイト・ギーク・ムエタイ(タイ)
ウェイ・ズーチン(中国)

<MMA バンタム級(※65.8kg)/3分3R>
チェン・ルイ(中国)
シネチャツガ・ゼルトセトセグ(モンゴル)

<MMA ストロー級(※56.7kg)/3分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
エイドリアン・マティス(インドネシア)

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【ONE FF34】スーパーレック「ロッタンと制限の少ないムエタイルールで戦えることがうれしい」

【写真】ムエタイでロッタンと戦う・勝つことへの強い想いを感じさせるインタビューだった(C)ONE

22日(金・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fights 34にて、スーパーレック・キアトモー9がロッタン・ジットムアンノンの持つONEムエタイ世界フライ級王座に挑戦する。
Text by Takumi Nakamura

スーパーレックはキック・ムエタイの両ルールで戦い、今年1月のONE Fight Night 6でダニエル・プエルタス(※日本ではダニエル・ピュータスとして武尊と対戦)を下して、ONEキックボクシング世界フライ級王座に就いた。

今大会では過去に一度試合が流れているロッタンとムエタイルールでの対戦が決まり「ロッタンとはムエタイで戦いたかった」という想いを明かす。またONEと契約した武尊、そして賭けの対象から変わりつつあるムエタイについても語ってくれた。


――前回7月のONE Fight Night12ではムエタイルールでタギール・カリロフと対戦し、ヒジ打ちによるTKO勝利を収めました。まずはあの試合を振り返っていただけますか。

「計画通りに試合ができたし、問題なく勝つことができた。試合内容としても、すごくいい試合だったと思うよ」

――ONEでは判定勝ちが続いていましたが、現在は3連続KO勝利中です。

「確かに今僕は3試合続けてKO勝ちしている。でも金曜日に戦うロッタンは簡単な相手じゃないし、ロッタンをKOすることは本当に難しいと思う。もちろんこれまで通り、KOを目指して戦うけどね」

――ロッタン選手とは、今年3月にスーパーレック選手が持つキックボクシングルールのベルトにロッタン選手が挑戦する形で対戦が決まっていました。このときはロッタン選手の怪我で試合が流れていますが、あの時の心境を聞かせてもらえますか。

「僕自身、残念な気持ちだった。ロッタンと戦うための練習も準備していたから。インターネットでもたくさんのファンが僕とロッタンの試合に期待していることを知っていたから、それを見せられなかったことも残念だったよ」

――今回はロッタン選手が持つムエタイルールのベルトにスーパーレック選手が挑戦します。キックルールではなく、ムエタイルールで戦うことはスーパーレック選手にとってアドバンテージになると思いますか。

「ムエタイルールで戦うことが自分にとってアドバンテージになるとは思っていない。僕がずっとムエタイをやってきたように、ロッタンもムエタイをやってきたからね。このルールで戦うことがどちらかにとってアドバンテージになることはないと思う。ただ僕はロッタンとムエタイルールで戦えることがうれしい。キックルールはやっていはいけないことが多いから。僕とロッタンが制限の少ないムエタイルールで戦うことで、よりエキサイトな試合になると思うし、ファンも喜んでくれると思う」

――スーパーレック選手とロッタン選手は同じタイ人で同世代ということもあり、多くのファンは2人をライバルだと思っています。スーパーレック選手にとってロッタン選手はどんな存在ですか。

「特に彼をライバルだとは思っていないかな。彼とは個人的に何が問題があるわけじゃないからね。僕はいつも強い相手と戦うことが楽しみだし、同じ階級でムエタイをやっていて、同じ団体のチャンピオンを目指している限り、彼とはどこかで戦うことになると思っていたよ」

――強い相手と戦うという意味では日本の武尊選手がONEと契約し、スーパーレック選手と対戦する可能性もあります。武尊選手との対戦は意識していますか。

「彼がこの階級のベストファイターの一人だということは知っている。ただ今はロッタン戦に集中しないといけないから、特別に彼のことを意識していることはない。強くていいファイターがONEと契約したら、いずれ戦う可能性があるし、武尊とキックルールで戦うことになっても構わないよ」

――ここからはムエタイを取り巻く環境についても聞かせてください。ルンピニースタジアムでONEが毎週大会を開催されていますが、タイにおいてもONEは人気のあるプロモーションなのですか。

「ONEはタイでも人気があるし、ファンだけでなくファイターにとってもいい大会だと思う。僕はONEがルンピニーで開催するショーをポジティブにとらえているし、ずっとルンピニーで戦ってきた人間として、ルンピニーで行われるONEの大会に出られることがうれしい」

――今の話にもある通り、ムエタイ=賭けという状況が変わりつつあると思います。スーパーレック選手はこれについてどう感じていますか。

「本当に素晴らしいことだと思う。賭けがあると戦いながら賭け率を気にしなければいけないし、賭けが成立するような試合をしなければいけない。でも賭けがなければ、余計なことを考えずに勝つことだけに集中できる。そして自分のベストスキルを出して、自分の実力を証明することができるんだ。僕はONEがルンピニーで賭けのない試合を行うことは、ムエタイファイターにとってすごく良いことだと思う」

――ロッタン×スーパーレックは日本のファンも注目している試合です。日本のファンに向けてメッセージをいただけますか。

「日本のファンのみなさん、応援してくれてありがとうございます。9月22日の試合をたくさんの人に見てもらいたいし、楽しみにしていてください!」

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【ONE FF34】ロッタンが語るスーパーレック戦、武尊とのドリームマッチ、そして現代ムエタイ

【写真】豪快な戦いぶりと派手なパフォーマンスが目立つロッタンだが、インタビューではこちらの質問に対して丁寧に答える姿が印象的だった(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fights 34にて、ロッタン・ジットムアンノンがONEムエタイ世界フライ級王者として、スーパーレック・キアトモー9の挑戦を受ける。
Text by Takumi Nakamura

その驚異的なタフネスと攻撃力でムエタイルールでの世界王者に君臨しているロッタン。ONEでの敗戦はムエタイ&MMAのミックスルールでデメトリアス・ジョンソンに敗れたのみ。立ち技、特にムエタイルールでは圧倒的な強さを見せつけている。

今大会では過去に一度対戦が流れているスーパーレックとの防衛戦ということで大きな注目を集めている。この大一番を控えるロッタンにスーパーレック戦はもちろん、ONEと契約を結んだ武尊とのドリームマッチ、さらに大きく変わりつつあるムエタイの現在について訊いた。


――前回5月のONE Fight Night10でのエドガー・タバレス戦は、ONEでは約3年ぶりのKO勝利でした。まずはあの試合を振り返っていただけますか。

「久しぶりにKO勝ちができてうれしかったよ。試合前は初めて米国で戦うということで、いつもと雰囲気も環境も違ったけど、結果的にKO勝ちできてよかった」

――ONEではデメトリアス・ジョンソンにミックスルールで敗れた以外、11戦11勝と無敗です。KO勝ちが遠ざかっていたのはなぜだと思いますか。

「自分はいつどんな相手でも100%全力で戦っている。それと同時に僕と対戦する外国人選手も練習にも試合にも情熱を持って取り組んでいる。彼らに勝つことはみんなが思っているほど簡単じゃないんだ。KO勝ちからは遠ざかっていたけれど、自分はいつも100%全力で戦っていることは間違いない」

――対戦相手のスーパーレック選手とは今年3月にスーパーレック選手の持つキックボクシングルールのベルトに挑戦する形で試合が決まっていましたが、ロッタン選手の怪我で試合が流れていました。あの時の心境を聞かせてもらえますか。

「あの時は本当に残念だった。自分にとってONEのキックルールのベルトは大切なものだから。あの試合のために必死で練習していたけど怪我をしてしまい、試合をするために十分な状態ではないと判断した。ONEはグローバルなステージで、ただ戦うだけではいけない。100%の力を出さなければいけないし、勝たなければいけないんだ。あの時の僕は怪我で万全じゃなかったし、それで負けることは嫌だったから、申し訳ないけれど試合をキャンセルさせてもらった」

――今回はロッタン選手が持つムエタイルールのベルトにスーパレック選手が挑戦します。MMAグローブ着用のムエタイルールで戦うことは勝敗に影響すると思いますか。

「それは50/50だと思う。MMAグローブで戦うことは、相手も正しいタイミングでパンチを当てれば僕を倒せる可能性があるからね。ただムエタイルールは自分のタフネスさがすごく生きる戦いになるので自信があるよ」

――ロッタン選手とスーパーレック選手は同じタイ人で同世代ということもあり、多くのファンは2人をライバルだと思っています。ロッタン選手にとってスーパーレック選手はどんな存在ですか。

「スーパーレックとは階級も同じで、彼はONEキックボクシングルールのチャンピオンだから、見ている人たちが自分とスーパーレックをライバルだと思うのは当然だと思う。お互いのファイトスタイルも噛み合うだろうし、見ていて楽しい試合になると思うよ」

――また日本の武尊選手がONEと契約し、ロッタン選手との対戦を希望しています。以前、ロッタン選手は「武尊がONEで自分と戦いたいなら、まず自分以外の選手と戦うべきだ」という趣旨の発言をしていました。あの発言の意図を改めて聞かせてもらえますか。

「日本のファンにちゃんと説明したいんだけど、あの発言をした時、実は武尊のことを詳しく知らなかったんだ。あくまで自分と対戦を要求している新しいファイターの一人という認識だった。だからああいう言い方をしてしまった。あれから武尊は(那須川)天心とも戦っているし、過去の試合を見ても本当に素晴らしいファイターだと思う。武尊がONEと契約して、もう誰か別の人間と戦えなんて言うつもりはない。自分はいつでも武尊と戦うつもりだよ」

――今の言葉を聞くことができて本当によかったです。日本ではロッタン選手のコメントだけが独り歩きして、ロッタン選手が武尊選手と闘いたくないと誤解しているファンが多かったんです。

「オッケイ、オッケイ。僕は武尊と戦うつもりだよ」

――それと同時にロッタン選手が武尊選手をファイターとして高く評価していることも分かりました。

「武尊は天心に負けたけど、彼は本当にアグレッシブファイターで素晴らしい試合を見せてくれた。武尊は自分と戦うにふさわしい選手だと思うし、武尊とは戦うべきタイミングで戦うよ」

――ここからはムエタイを取り巻く環境についても聞かせてください。ルンピニースタジアムでONEが毎週大会を開催し、ラジャダムナンスタジアムでもRWSがスタートしました。ムエタイ=賭けという状況が変わりつつあると思います。ロッタン選手はこれについてどう感じていますか。

「ムエタイから賭けという要素がなくなることは本当に喜ばしいことだと思う。ムエタイに賭けがあることで本来勝者であるべき人間が負けることがあった。観客にとってムエタイ選手は賭けの対象でしかなく、賭けに勝てるかどうかで応援されるかされないかが決まっていた。今自分はONEで戦っているけれど、ONEのおかげでムエタイがスポーツとして、ムエタイ選手がアスリートとして扱われるようになり、観客も賭けとは関係なく、心から好きな選手や応援したい選手に声援を送るようになった。ONEがムエタイのためにやっていることは素晴らしいことだし、ムエタイにとって本当にいいことだと思っている」

――ロッタン選手は米国でも試合をしていて、世界中にファンがいると思いますが、ムエタイをスポーツとして世界中に広めていきたいと思いますか。

「もちろん、そうなってほしいと思っている。ムエタイが米国や欧州、それ以外の国々にも広まり、ムエタイがどんなスポーツかを知ってもらうことで、ムエタイに人生を捧げてきた人間のことも知ってもらえる。ムエタイを世界中に広める。それが自分の最大の夢であり、人生をかけて実現させたいことだ」

――ロッタン×スーパーレックは日本のファンも注目している試合です。日本のファンに向けてメッセージをいただけますか。

「いつも応援してくれてありがとう。9月22日、僕とスーパーレックの試合は必ず見て欲しい。そしていつか日本でビッグファイト、日本で武尊と戦いたいと思っているから、その日を楽しみにしていて欲しい」

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