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【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、サンチン編──01──「強い状態を作って始める」

【写真】サンチンを続けることで、MMAでの戦いに変化が生じたという松嶋こよみ (C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型と使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない。

サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。そんな剛毅會の稽古には站椿が採り入れられている。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが意味を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──剛毅會のサンチンの解析を行いたい、


まず気を付けの姿勢で、手を体側の横にして指をしっかりと下に向けるところから始める。

左の掌の上に右手を重ね、掌が上を向いた状態から、

指先が下になる姿勢──中国武術的には起式と呼ばれる、最初の姿勢を取る。『この形を取るだけは体の中心を無くし姿勢として弱く、押されるなどすると乱れてしまう。腕を絞って下げることが重要となる。肩が下がり、合わせた手が前方に行き過ぎないようにし、しっかりと指を下に向ける』

「始め」の号令で結び立ちからカカトを広げて=爪先を内側にし、内八の字立ちに。正拳を握り、拳甲を前方に、拳頭は下に向ける。『ここで大切なことは、爪先を内側に向けるときに、1・2というテンポでなく、「1」のみ。つまり一挙動で行うこと。一挙動でないと、隙ができる。下げた腕は体側よりもやや後ろに。この状態から始めないと、その後のサンチンの型、動きは意味がなくなる。強い状態を作って始めることが絶対』

✖手が体側より前に出ない。手が前方に出ると前方に対して隙ができてしまう

続いて右足を内側にしっかりと円を描くように進ませる。小さい円だと進めた足が元の位置に戻ってしまう。

右前サンチンとし同時に両腕を胸の前で交差させて開き、両腕受けの姿勢を取る。『足の幅は肩幅より少し広く取り、爪先をやや内側に向け、同じ方向にヒザを向ける。ヒザを曲げるのではなく、同じ方向に向けることでヒザに力がある状態となる。前足のカカトと、後ろ足の爪先が同一線上となるよう気を付ける。この時、前足のカカトと後ろ足の爪先が延長線上で交わる地点を三角形の頂点となるように意識する。この三角形の頂点を意識することが、続く動作で非常に大切になる』

〇中を通り、大きく円を描いて足を進める

✖頂点を意識せず、内側をしっかりと円を描かないで前に進むと、体の中心を失い姿勢は弱くなる

<この項、続く>

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