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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:9月魅津希×ゴールディ「練習してきたことを試合で出せるセンス」

【写真】オクタゴンで、しっかりと勝てる。素晴らしいことだ(C)Zuffa/LCC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2023年9月の一番──9月23日に行われたUFN228:UFN on ESPN+86「Fiziev vs Gamrot」での魅津希×ハナ・ゴールディ戦について語らおう。


――今回水垣さんにはUFN228での魅津希×ハナ・ゴールディを選んでいただきました。

「魅津希選手は約3年のブランクがあって復帰戦が組まれて、UFCなので相手のレベルも高いですし、大変な状況だったと思うんですけど、本当にいい勝ち方をしたと思います。UFCにおいて日本人がなかなか勝てないという状況が続いている中で、同じ日本人としてうれしい勝利でしたね」

――僕も試合を見ていて、ブランクを感じないほど序盤から身体が動いていたと思いました。

「すごく動きが良かったですよね」

――それだけ準備が出来ていたということでしょうか。

「UFC PIも利用してリハビリに向けたサポートをしっかり受けることが出来たのが大きいんじゃないですかね」

――結果的に時間をかけて治療、リハビリ、練習したうえで復帰したことがよかったのかもしれませんね。

「特に彼女の場合は小さい頃から格闘技をやっていて、年齢と比較して競技生活が長いと思うんですよ。それで細かい怪我も多かっただろうし、一度しっかり休んで怪我を治すことが出来たのは、これからに向けても大きなことだったと思います」

――技術的な部分についても聞かせてください。1Rはテイクダウンを狙うゴールディを首相撲でコントロールしたり、組みの攻防にイニシアチブをとっていました。

「あの首相撲もそうですし、自分殻をワキを差してゴールディにケージを背負わせたり、レスリング力がかなり向上しているなと思いました。下になる場面は2Rに1回あったぐらいで、あの時もすぐにスクランブルを仕掛けて、立ち上がっているんですよ。それまでの魅津希選手は打撃が出来て寝技も強いタイプで、テイクダウンされると下から勝負することを選択することが多かったと思うんです。でも今回は下になっても立つ、上を取り返すという意識が強くなっていて、MMAファイターとしての進化を感じました。ただ怪我を治して元の状態に戻って復帰するのではなく、それにプラスアルファで自分に足りなかった部分を補ってきたんだなと思いました」

――フィニッシュを狙う印象が強かった魅津希選手のMMAファイターとしての進化が見られた試合ですね。

「そうですね。やはりこういう戦い方ができると判定を拾いやすくなるので、判定も拾えてフィニッシュも狙える。それが出来るようになるんじゃないかなと思います」

――判定はジャッジ3名が29-28ながら、どのラウンドにポイントを付けるかがばらつきました。これについてはいかがでしょうか。

「僕は30-27でもいいかなと思いました。強いて言うなら2Rに一度グラウンドで上を取られましたけど、逆に上を取り返していますし、僕は完勝と言っていい試合内容だったと思います」

――今回の試合に限らず、魅津希選手のファイターとしての長所はどこでしょうか。

(C)Zuffa/UFC

「すごくファイトIQが高い選手だと思います。

スタンドでは細かいフェイントをかけるのが上手いですし、抑えるべきところをしっかり抑えて戦っている。ちゃんと相手を研究して戦って、試合を作ることが出来ますよね。唯一懸念していたのが、先ほどのグラウンドで下になった時にスクランブルを仕掛けるのではなく落ちついてしまうところだったので、そこはまさに改善されつつあると思います。

あとはフィジカルですね。今回の対戦相手はめちゃくちゃゴツくて、ちょっと力負けするんじゃないかと思っていたんです。そういう相手にも力負けしていなかったことも進化の一つですよね。あと僕は村田夏南子選手の存在も大きいと思っていて、村田選手のレスリングとフィジカルは世界に通用するものですし、一緒に練習していることがかなりプラスになっていると思います」

――これまでNYのセラ・ロンゴ・ファイトチームで練習していた魅津希選手ですが、この1年は日本を練習の拠点とし、山﨑剛代表のリバーサルジム新宿 Me,Weをべースに村田選手、CUTEで上田将勝さんと練習していたそうです。

「基本的に山﨑さんのもとで練習しつつ、村田選手と対人練習して、上田さんから細かいレスリング技術を教わって、そういう取り組みが出た試合だと思います。あと僕が『月刊、水垣偉弥のこの一番』に選んだ一番の理由でもあるんですけど、練習でやってきたことをちゃんと3年ぶりの試合でも出せるというところですね。それは彼女が持っているセンスであり、試合勘の良さなのかなと思います。

どれだけ練習で出来ていても、無鉄砲にいくだけだったら試合で出せないと思うんですよ。しかも魅津希選手の場合は新しい技術を学んだうえでの試合で、本番で今までやってこなかったことを出すのは簡単ではないし、それを3年ぶりの試合で一発で出してくるところはさすがだなと思いました」

――それも一つの才能であり、センスですよね。

「一言でそう言ってしまうと、乱暴ではあるんですけど、試合になった時に落ちついて戦えるメンタルなのか。普通は練習で出来ていても試合で出せない選手の方が多いと思うんですよ。でもそれが出来てしまう、しかも復帰戦で出来てしまうというのは………やっぱりセンスなのかな(笑)。いずれにしても魅津希選手の中で、動きの感覚みたいなものがあるのだと思います」

――ちなみに魅津希選手の2週間後に復帰した村田選手の試合(ヴァネッサ・デモパウロスに判定負け)はどう見ましたか。

「僕は率直に試合を見終わったときに判定負けしたと思いました。最近のUFCの傾向としてトップを取っていてもキープだけでは評価されない。もう少しトップを取ったところで殴って攻勢を印象付けていたら判定も違っていたと思います。実際に3Rはそれが出来ていたと思うし、2Rはデモパウロスのガードポジションからの攻めの方が村田選手のトップキープよりジャッジの印象がよかったですよね。ただこれは技術的に劣っていたわけではないし、試合中の意識を変えればいいだけだと思うんですよ。

あとは先ほどの魅津希選手とは逆で、村田選手のステップワークやフェイントのかけ方が魅津希選手とそっくりだったんですよ。お互いにお互いが足りないところを補い合っていて、この」2人はすごくいいチームだなと思います」

――まだ練習を始めて1年とは思えないほど息が合っていますよね。

「はい。今回2人に事前にインタビューさせてもらったのですが、その時もすごくいい雰囲気だったので、今後どういった形になるかは分かりませんが、一緒に切磋琢磨して強くなって欲しいです」

――2人はこのままラスベガスに残って一緒に練習するとのことです。

「2人ともUFCでトップを狙えるポテンシャルを持っていると思うので、これからの2人の活躍には期待しています」

――ちなみに水垣選手は海外で長期合宿を行ったことはあるのですか。

「僕はジェフ・カランのジムに一カ月間半ほど行ったのが最長ですね。DJ.taikiさんとマキシモ・ブランコと相部屋という強烈なメンバーでした(笑)」

――日本と米国の練習環境、水垣選手はどのようにお考えですか。

「どちらを拠点に置くかは人それぞれだと思うのですが、僕の場合は日本の慣れた環境で練習する方が合っていましたね。海外で練習すると、良くも悪くも格闘技しかやることがないので、それがストレスになっちゃうので。あとは日本で出来ないなら海外でやるしかないと思っていたのですが、フランキー・エドガーの練習を見たときに、彼は自分で各分野の専門のジムに足を運んで練習してたんですよ。

マーク・ヘンリーに打撃を教わって、ヘンゾ・グレイシーのジムで組み技をやって、大学でレスリングをやって、ヒカルド・アルメイダのジムでMMAのスパーをやって、と。米国の選手がみんなメガジムで練習しているわけではないですし、エドガーの練習スタイルを見たときに、これだったら日本でもできることがあると思って、僕は日本で練習することを選びました。もし僕が米国で練習するなら、日本と米国を行き来せずに完全に米国に住んで拠点を変えます」

――日本と米国どちらがいいというわけではなく、自分に何が必要かを見極めて、取捨選択することが必要ということですね。

「そう思います。僕は自分に何が足りなくて、どこでそれを学べばいいかを考えることも才能やセンスだと思っていて、魅津希選手はそこも優れていると思います。試合で何をやるかだけでなく、試合に向けて何をやるか、試合のためにどんな準備をするか。自分の練習環境をどう整えるのか、どう普段のスケジュールや試合前のスケジュールを組み立てるのか。そういう部分まで意識して練習をすることが求められると思いますね」

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MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN229 ヴァネッサ・デモパウロス 村田夏南子

【UFN229】村田夏南子、デモパウロスのガードポジションを崩しきれず。UFC復帰戦は判定負け

<女子ストロー級/5分3R>
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
村田夏南子(日本)

サウスポーの村田が細かいステップを見せ、ジャブからインロー。村田はデモパウロスの右ストレート・左アウトローをバックステップでかわし、左ミドルを蹴る。デモパウロスは村田の左ミドルをキャッチして、村田をケージまで押し込んでヒザ蹴り。正対した村田はダブルレッグから足をかけてテイクダウン。デモパウロスを寝かせるが、自ら立ち上がってグラウンドゲームではなくスタンドを選択する。

デモパウロスが右ミドルと右ストレート、村田はインローを蹴る。デモパウロスはジャブ見せて右ミドル。村田の左ミドルに右ストレートを合わせると、村田が尻餅をつく。ダメージのある一発ではないが印象は悪いか。村田がデモパウロスの右ミドルをキャッチすると、デモパウロスは引き込んでガードポジションへ。腕十字を狙いつつ、これが外れるとラバーガードで村田の上体を固めてパンチとヒジを入れる。

2R、デモパウロスは右ハイと右ストレート、村田も左ストレートを返す。距離が詰まり、デモパウロスが首相撲にとらえると、村田がテイクダウンを奪う。デモパウロスはハーフガードから潜りスイープを狙い、村田は寝かせてヒジ打ち。

デモパウロスはクローズドガードに戻すとラバーガードで村田の動きを固定する。これを外して背筋を伸ばす村田はモンゴリアンチョップも見せる。デモパウロスはガードポジションで村田の動きをコントロールし、パンチとヒジ、三角絞めを仕掛ける。ここでラウンド終了となる。村田がインサイドガードでトップキープするが、ガードポジションから積極的にアタックしたのはデモパウロス。どうジャッジが判断するか。

3R、デモパウロスがワンツーと右ミドル。村田が蹴り足をとってテイクダウンすると、ガードを取るデモパウロスにパウンドで飛び込む。足を一本超える村田だが、デモパウロスはクローズドガードに戻す。村田は背筋を伸ばしてパウンド、デモパウロスの下からの腕十字をつぶして鉄槌を落とす。

デモパウロスはクローズドガードをとり、ここも村田は上体を起こしてパンチを落とす。デモパウロスは下から腕十字を仕掛け、スクラングルの展開に持ち込む。村田はデモパウロスをがぶってヒザ蹴り。デモパウロスが立ち上がるとバックにつき、股下で腕をクラッチしてデモパウロスを持ち上げてたたきつけた。

判定はジャッジ3者とも29-28でデモパウロスを支持。村田の2年4カ月振りのUFC復帰戦は判定負けという結果に終わった。試合後、デモパウロスは「彼女はトップコントロールをした。私はファイトをコントロールしたの。彼女は上手くコントロールしたけど、エルボーを下から打ってダメージを与えた。彼女がレスリングが優れているのは分かっていたけど、私は全ての瞬間ファイトしていたの」と振り返った。

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JJ・オルドリッチ MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN229   アオリーチーラン アブドゥル・ラザク アレキサンダー・ヘルナンデス イオン・クテレバ カロリーナ・コバケビッチ ショーン・シェルビー ジョアキン・バックリー ジョセフ・パイファー ネイサン・メネス ビル・アレジオ ボビー・グリーン マテウス・メンドンサ モンタナ・デラロサ ヴァネッサ・デモパウロス 中村倫也 村田夏南子 風間敏臣

【UFN229】計量終了 村田夏南子、2年4カ月振りの計量パスの笑みを浮かべてKポーズ!!

【写真】これぞ満面の笑み。明日もこの笑顔がぜひとも見たい(C)Zuffa/UFC

7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC Apexで開催されるUFN229:UFN on ESPN+87「Dawson vs Green」の計量が、6日(金・同)に行われている。
Text by Manabu Takashima

メインはライト級のグラント・ドーソン✖ボビー・グリーンの今大会、11試合・全22人の出場選手が問題なく計量を終えた。


2年4カ月振りの再起戦となる村田夏南子は 115.5ポンドでクリア、やや食い気味に計量台の上でガッツポーズをとるとKポーズで笑顔を見せていた。対戦相手のヴァネッサ・デモパウロスも 116ポンドでパス。

フェイスオフで村田はショーン・シェルビー、続いてデモパウロスと握手を交わすと、しっかりと両手を広げてファイティングポーズをとってフェイスオフを終えた。

村田と同様にアジアから出場は、バンタム級でジョニー・ムニョスJと戦う中国のアオリーチーランだ。中村倫也と風間敏臣が在籍するオクタゴンのバンタム級戦線でムニョスJrとアオリーチーランは2勝3敗と負け越しており、明日の試合で3勝3敗の五分に戻すのと、黒星が2つ先行するのとではキャリアアップに違いが出てくる。特にムニョスは中村と風間の対戦相手になることも十分にある。

そういう意味でもムニョスJrとアオリーチーランのマッチアップ、第2試合には注目したい。

■視聴方法(予定)
10月8日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN229計量結果

<ライト級/5分5 R>
グラント・ドーソン: 156ポンド(70.76キロ)
ボビー・グリーン: 156ポンド(70.76キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・パイファー: 185ポンド(83.91キロ)
アブドゥル・ラザク: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジョアキン・バックリー: 170ポンド(77.11キロ)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドパー: 155.5ポンド(70.53キロ)
ライアン・グレン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ: 146ポンド(66.22キロ)
アレキサンダー・ヘルナンデス: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・リンス: 204ポンド(92.53キロ)
イオン・クテレバ: 205.5ポンド(93.21キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ: 116ポンド(52.62キロ)
ディアナ・ベルビシャ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス: 126ポンド(57.15キロ)
マテウス・メンドンサ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
村田夏南子: 115.5ポンド(52.38キロ)
ヴァネッサ・デモパウロス: 116ポンド(52.62キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ムニョスJ: 136ポンド(61.69キロ)
アオリーチーラン: 136ポンド(61.69キロ)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ: 126ポンド(57.15キロ)
JJ・オルドリッチ: 125.5ポンド(56.92キロ)

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JJ・オルドリッチ MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN229 アオリーチーラン アブドゥル・ラザク アレキサンダー・ヘルナンデス イオン・クテレバ カロリーナ・コバケビッチ ジェシカ・アンドレジ ジョアキン・バックリー ジョセフ・パイファー ジョニー・ムニョスJr ネイサン・メネス ビル・アレジオ ボビー・グリーン マテウス・メンドンサ モンタナ・デラロサ ヴァネッサ・デモパウロス 山田海南江 村田夏南子 魅津希

【UFN229】デモパウロス戦へ、村田夏南子─02─「相手の気持ちを折りに行く試合をしたい」

【写真】とにかく雰囲気の良さが伝わるMe,We (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC Apexで開催されるUFN229:UFN on ESPN+87「Dawson vs Green」で、ヴァネッサ・デモパウロスと対戦する村田夏南子のインタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

2年4カ月振りの試合、トラウマになりかねないタイでの負傷を乗り越えて、再びオクタゴンの頂点を目指す村田は負傷前より強くなったと力強く──いや、いつものようにボソボソと語った。

<村田夏南子インタビューPart.01はコチラから>


──筋量自体が減ってしまっていた形ですか。

「筋量は測っていないので分からなかったですが、動くのが辛かったです(笑)。年が明けるとやって良い練習がどんどんと増えて行って。最初はそれでも軽いモノからだったのですが、マウスピースを創ってもらってヘッドギアをつけていたらグラップリングも打撃もマスがOKになり、そこまでガチじゃないですけど普通に練習ができるようになったのは1月の終わりぐらいですね。2月になってから、どんどん強度を上げてやってきました」

──練習を再開するうえで、理不尽なケガの仕方がトラウマになることはなかったですか。

「怖いです。やっぱり試合だったらしょうがないですけど、練習で知らない人に打ち抜かれたので。ただ自分がスパーリングをしているよりも、他の人のスパーリングを見ている方が怖くて。やっぱりヒザを合わされているところとかあるので。怖いッスね。練習はヘッドギアを必ずして、毎週のように歯医者さんに通っていました」

──そうだったのですね。

「揺れの確認や、神経が生きているのかそうじゃないのか、ずっと分かっていなかったので。先生も神経を少しでも残したいと思ってくれていたので、神経の反応を毎週のようにチェックしてくれて。時間は掛かりました」

──練習の強度を上げるイコール試合がしたいということだったのですか。

「練習がちゃんとやれるようになったら、その気持ちは強くなりました。でも長い間、試合をしていなくてスパーリングでも感覚が掴めないところあったので、感覚を戻そうとやってきました」

──そして、今日の練習のように弾けるような動きが見られるようになったと。

「でも、上手くいかないことの方が多いです」

──それは負傷前と比較して、ですか。

「いえ、新しいことを取り入れているからです」

──底上げをしているということですね。

「ラスベガスに行ってジェシカ・アンドレジとかと練習したり……、最終的にNYに行ってと一緒に練習していたんですけど、打撃が上手で。魅津希ちゃんにその打撃の部分を教えてもらって、自分はレスリングを教えて……みたいな感じで。打撃が伸びて、寝技はMe,We、IGLOOの山田海南江選手と練習をして底上げをしてきました」

──では復帰戦の相手、デモパウロスに関してどのような印象を持っていますか。

「これまで自分より背の高い人との試合が多かったのですが、同じぐらいの身長で珍しいです。タフで勝っても負けても頑張っている印象があります。だからこそ、相手に負けない強い気持ちを持たないといけない。相手の気持ちを折りに行く試合をしないといけないです」

──この間の苦労を経験したことで、より強い想いをもってオクタゴンに足を踏み入れることができるのでしょうか。

「それは思わないです。う~ん、練習をしていたら勝ちたいという気持ちが強くなります。試合は絶対に勝てるモノではなくて、練習をするのは勝率を上げるためです。練習をして確率を上げて……でも、相手もやっていて。自分も打撃の部分、寝技の部分、全ての面で底上げしてきたので。相手のパンチが見えてきたから、テイクダウンのカウンターも合わせることができます。それができるようになってきました。組んだら前以上にできます。それに気持ち的にも強くなったかと(笑)」

──トップ10、トップ5にステップアップするために、今回はどのような試合をしたいと思っていますか。

「ここで勝つのと負けるのでは、次の相手が代わってきます。上に行くために勝たないといけない相手──気持ちを折りに行く試合をしたいです」


■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN229対戦カード

<ライト級/5分5 R>
グラント・ドーソン(米国)
ボビー・グリーン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・パイファー(米国)
アブドゥル・ラザク(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドパー(米国)
ライアン・グレン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・リンス(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ムニョスJr(米国)
アオリーチーラン(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
村田夏南子(日本)
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス(米国)
マテウス・メンドンサ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ(米国)
JJ・オルドリッチ(米国)

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Interview UFC UFN ESPN+87 UFN229 ブログ ヴァネッサ・デモパウロス 村田夏南子

【UFN229】2年4カ月振りの復帰戦、村田夏南子─01─「皆の練習を見ていると、凄いやる気が伝わって来て」

【写真】魅津希に続き、村田も復活Vとなるか (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC ApexでUFN229:UFN on ESPN+87「Dawson vs Green」が開催され、村田夏南子がヴァネッサ・デモパウロスと対戦する。
Text by Manabu Takashima

2021年6月のヴィルナ・ジャンジローバ戦で腕十字を耐え続け、腕を負傷して長期離脱を強いられた村田は、昨年の夏になってようやく試合に向けて本格的なトレーニングを再開させると、タイはプーケットのバンタオMMAへ出稽古に向かった。そして、現地で思わなく負傷をし、またもや復帰が遅れた。村田の身に何が起こったのか──を尋ねた。


──打撃、レスリングと弾けるような動きが随所に見られ、なんだかホッとしました。試合が決まっているので当然なのですが、昨年の夏には試合に向けて動き始め、タイに出稽古へ。そこからまた1年も戦うことができなかったです(※取材は9月6日に行われた)。

「タイでケガをしてしまって。そからから、できる練習だけやってきたんですけど、本格的にできるようになったのは今年になってからです」

──タイで負ったケガというのは、どういうものだったのですか。

「歯をケガしたんですよ」

──歯、ですか。

「ハイ。上顎が折れて、歯が四本奥に下がってしまって……」

──それは……なんちゅうケガなのですか……。交通事故のようじゃないですか。

「バンタオMMAでライトスパーリングをしていて、あのジムはビジターの人が結構多いんですよ。階級の軽い男子選手とたまたまやっていて、その人にテイクダウンを仕掛けらたらニーパッドをしていないヒザを合わされてしまったんです」

──えっ……、ヒザ当てもせずに? それは相手が全面的に悪い。

「マウスピースがバッと飛んで行って、舌で歯の位置を確認したら歯茎から奥にズレていて、唇も裂けていました」

──いや、想像するだけでも身が縮こまってしまいます。

「そんな感じでケガをして。確か10月の初めでしたね」

──本来はいつまでプーケットに滞在予定だったのでしょうか。

「11月の中頃までですね。とりあえず、向うの病院で処置をしてもらいました」

──ハイ。そのままにはしておけないでしょうし。ただし、タイで病院に行くのも恐怖が伴いますよね。

「ハイ。怖かったです。日本の先生に連絡して、『処置が終われば、少しでも早く帰国して。診察するから』と言う風に言われました。でもPCR検査をする必要があって、1週間ぐらいタイにいないといけなくて。あの時、一本の歯が完全に抜けていて。魅津希ちゃんが病院に一緒に来てくれたのですが、看護師さんから『ミルクに漬けておきなさい』って言われて、どこかに行ってしまったんです。で、戻ってきたらジップロックみたいなやつに牛乳を入れて、そのなかに歯が入っていて。『入れてきたっ!!』って(笑)」

──そんなことで、その歯を戻すことができるのですか?

「いえ、結局はくっつかなかったです。1本が差し歯で、他は神経が死んじゃっていました。そこからは矯正する器具を2カ月間使って、固定をして。結果的に大きな病院で、しっかりと処置してもらうことができていたのですが、凄い額の請求も来て!!」

──うわぁ……。保険の方は?

「カードの入っている保険が使えなかったです。だから『抜糸に来なさい』って言われていたんですけど、自分が抜きました」

──いや、村田選手。常人離れしていますね。

「唇の裏まで13針縫っていたのですが、毛抜きと爪切りで全部抜きました」

──もはやマジカルワールドです。10月の最初にケガをして、帰国してからはどれだけ体を動かすことが許されていたのですか。

「ほとんど何もできずに、練習を見に来ていました」

──ようやく腕の負傷から、試合ができる状態まで戻しての違う箇所の負傷。MMAを諦めようという気持ちにはならなかったですか。

「なりました……。実はケガをする前の日に、マネージャーの(ヒラタ)シュウさんから連絡があって『年明けくらいに試合ができるように動こうか』という話をしていたんです。もともと試合に向けてバンタオで練習をすることにしたので。で、あのケガですから──もういいかなという気持ちにはなりました」

──う~ん、そうなるのも分かります。

「ただ、日本に戻って来て皆の練習を見ていると、凄いやる気が伝わって来て。それが私もやるんだと思えるようになって。それが一番大きかったです」

──上顎が折れて歯がズレて固定する。その間は体を動かすことはできたのでしょうか。

「打ち込みも含め、対人練習はとにかくできなかったです。歯を食いしばることができないので、フィジカルも無理で。2カ月ぐらい、歯を固定している間は本当に軽く自転車を漕ぐようなことだけやっていました。だから普通の練習ができるようになった時に体力、筋力の落ちは凄くて。あれも凄く辛かったです」

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN229対戦カード

<ライト級/5分5 R>
グラント・ドーソン(米国)
ボビー・グリーン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・パイファー(米国)
アブドゥル・ラザク(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドパー(米国)
ライアン・グレン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・リンス(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ムニョスJr(米国)
アオリーチーラン(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
村田夏南子(日本)
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス(米国)
マテウス・メンドンサ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ(米国)
JJ・オルドリッチ(米国)

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Report UFC UFC270 シルヴァナ・フアレス ブログ ヴァネッサ・デモパウロス

【UFC270】ダウンを喫し、腕十字でフアレス下したデモパウロスがジョー・ローガンにお姫様抱っこ強要

<女子ストロー級/5分3R>
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)
Def.1R2分25秒by 腕十字
シルヴァナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)

力強いローを放ったデモパウロスがフックを振るって前に出る。そのデモパウロスのローにフアレスが右を合わせる。女子選手のなかではKO率の高いフアレスは、ローに右オーバーハンドを合わせてダウンを奪う。ガードを取るデモパウロスにパウンドの追撃したフアレスだったが、デモパウロスはハイガードから右腕をワキの下に挟んで腕十字を仕掛ける。

足をすくって前方にフアレスを返したデモパウロスはタップを奪い、オクタゴン初勝利を挙げた。「ダウン? グラウンドに移行できて良かったわ。私は柔術が好きで、1日中柔術をしているから。コーチが足をすくってスイープしろって言ったの!!」と大興奮でまくしたてると、ジョー・ローガンに抱き着き――能動態でお姫様抱っこを実現させた。


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MMA MMAPLANET UFC UFC270   アンドレ・フィアーリョ イリャ・トプリア サイモン・オリヴェイラ シリル・ガンヌ デイヴィソン・フィゲイレド トレヴィン・ジレス ハオーニ・バルセロス ビクター・ヘンリー フランシス・ガヌー ブランドン・モレノ ヘナロ・ヴァルデス ホドウフォ・ヴィエイラ マイケル・モラレス ミシェウ・ペレイラ ヴァネッサ・デモパウロス

【UFC270】計量終了 穏やかガヌー×にこやかガンヌ。ピースフルなモレノと1人で興奮フィゲイレド

【写真】非常に穏やかな表情だったガヌーとガンヌ (C) Zuffa/UFC

21日(金・現地時間)、22日(土・同)にカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC 270「N’Gannou vs Gane」の計量が行われた。

UFC世界ヘビー級王座統一戦=正規王者フランシス・ガヌー×シリル・ガンヌ、UFC世界フライ級選手権試合は=王者ブランドン・モレノと挑戦者デイヴィソン・フィゲイレドという2つの世界戦が組まれた今大会。

計量日となりホドウフォ・ヴィエイラのメディカルイシューでウェリントン・トゥルマン戦、イリャ・トプリアの減量に伴う体調悪化でシャルル・ジョーダン戦が中止となった。


メインで戦う2人のヘビー級チャンピオン――正規王者ガヌーは体重計の上でワカンダ・フォーエバーのポージングを見せ、ガンヌに歩み寄り笑顔を浮かべる。ガンヌも笑って、グータッチと終始穏やかなフェイスオフとなった。

「クレイジーだよ。たった3年、MMAを戦ってフランシスコと戦う。待ちきれない」と言う暫定王者に対し、ガヌーは「タイトルを防衛して、自分がチャンピオンであることを皆の心に刻むことが大切で、爆発的なKOで成し遂げる」と非常に落ち着いた様子で話した。

またコ・メインでフライ級王座に挑戦するフィゲイレドは計量台の上で「アイム・ベスト」と叫ぶと、フェイスオフで中指を立て、何度も距離を詰めダナ・ホワイトに制止される。「OK。アイム・カムバック。アーイム・カムバック。4カ月、この試合のために凄くし来た。ベルトを大切に持っていてほしい。俺のベルトを」と元世界王者は話し、またもモレノに詰め寄る仕草を見せて、大きなブーイングを受けた。

一方、チャンピオンには大きなメヒコ・チャントが送られ、「皆が僕の応援をしてくれていて、凄く幸せだ。平穏を見つけ、習得する。それがスポーツで、人生を生きるということだから。ビバ・メヒコ」と話した。

■視聴方法(予定)
1月23日(日・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■UFC270 計量結果

<UFC世界ヘビー級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] フランシス・ガヌー: 257ポンド(116.57キロ)
[暫定王者] シリル・ガンヌ: 247ポンド(112.03キロ)

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ブランドン・モレノ: 124ポンド(56.25キロ)
[挑戦者] デイヴィソン・フィゲイレド: 124ポンド(56.25キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン: 135.5ポンド(61.46キロ)
サイド・ヌルマゴメドフ: 136ポンド(61.69キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ: 170ポンド(77.11キロ)
アンドレ・フィアーリョ: 169.5ポンド(76.88キロ)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス: 135ポンド(61.24キロ)
ビクター・ヘンリー: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ウェルター級/5分3R>
マイケル・モラレス: 170ポンド(77.11キロ)
トレヴィン・ジレス: 170ポンド(77.11キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ピート・ロドリゲス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー: 135.5ポンド(61.46キロ)
サイモン・オリヴェイラ: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
マット・フレヴォラ: 154.5ポンド(70.08キロ)
ヘナロ・ヴァルデス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴァネッサ・デモパウロス: 115.5ポンド(52.38キロ)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス: 115.5ポンド(52.38キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス: 125ポンド(56.7キロ)
ケイ・ハンセン: 125ポンド(56.7キロ)

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【UFC270】計56勝6敗のCS勢。アルティメット・スパイディ=マイルスもといマイケル・モラレスに超注目

【写真】UFCが壁となるのか。それとも難なく飛び越えることができるのか──マイケル・モラレス (C)

22日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターでUFC 270「N’Gannou vs Gane」が開催される

2022年UFC初のPPV大会は男子最重量級と最軽量級のダブルクラウンが組まれている。UFC世界ヘビー級王座統一戦は正規王者フランシス・ガヌー×シリル・ガンヌというフランス由来のチャンピオン対決。そしてUFC世界フライ級選手権試合はブランドン・モレノとデイヴィソン・フィゲイレドのトリロジー決着戦となる。


メインカードでは四次元MMA封印で安定度がバカ増しのミシェウ・ペレイラがUAE Warriorsからステップをアップを果たしたアンドレ・フィアーリョを迎え撃つ一戦、ホドウフォ・ヴィエイラも同朋ウェリントン・トゥルマンと戦う。

プレリミでもイリャ・トプリアとシャルル・ジョーダンというヒートアップ間違いないフェザー級戦、ビクター・ヘンリーのオクタゴン初陣=ハオーニ・バルセロスと粒揃いのカードが並んでいる。

そんななか今回のPPVではダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ出身のファイターが5人もラインナップに名前を並べている。

マイケル・モラレス、サイモン・オリヴェイラ、ジャック・デラ・マダレナ、ヘナロ・ヴァルデス、ジャスミン・ジュスダヴィチェス、5人合わせてレコードは56勝6敗という驚異的な数字を誇る。

エクアドルのモラレスは12勝0敗、メキシコのヴァルデスは10勝0敗とラテン系の両者は無敗の連勝中でUFCに辿り着いた。22歳のモラレスは、メキシコのティファナを拠点としておおり、カウンターのパンチ力は相当なモノだ。

エクアドルではレスリングとムエタイで国内トップレベルだったモラレス、豪快なバックスープレックスだけでなく──KOパワーを持つスーパーマンパンチと、そこで距離を詰めてのボディロックテイクダウンがトレヴィン・ジレスに通じるか。褐色のラテン系ファイター=モラレスは、まさにアルティメット・スパイダーマンのマイルス・モラレスを彷彿させる──スーパールーキーだ。

また18勝3敗、キャリア22戦目でUFCに到達したオリヴェイラはパンクラス参戦経験のある選手だ。ムエタイ・ベースのウェルラウダーは体力と精神力に基づいたハードワーカー、そしてハイペースでトニー・グレーブリーに挑む。


■視聴方法(予定)
1月23日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■UFC270 対戦カード

<UFC世界ヘビー級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] フランシス・ガヌー(カメルーン)
[暫定王者] シリル・ガンヌ(フランス)

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ブランドン・モレノ(メキシコ)
[挑戦者] デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
サイド・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ミドル級/5分3R>
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)
ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
イリャ・トプリア(ドイツ)
シャルル・ジョーダン(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マイケル・モラレス(エクアドル)
トレヴィン・ジレス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ピート・ロドリゲス(米国)

<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー(米国)
サイモン・オリヴェイラ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)

<ライト級/5分3R>
マット・フレヴォラ(米国)
ヘナロ・ヴァルデス(メキシコ)

<女子フライ級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)
ケイ・ハンセン(米国)

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【UFC270】仕切り直しのバルセロス戦、ビクター・ヘンリー「僕らは時給を貰っているわけじゃない」

【写真】減量もあり疲労が見えるなか、ビクターは「全てはファンのためだよ」と快くインタビューを受けてくれた。感謝だ(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC 270「N’Gannou vs Gane」で、ビクター・ヘンリーが仕切り直しのハオーニ・バルセロス戦が実現する。

昨年12月18日に組まれていた試合は、ビクターが計量後のコロナ検査で陽性となり、最後の最後のタイミングで流れた。あれから1カ月後のファイトも、実際のオファーは2週間前だった。

断ることもできた試合を受けた。ビクター・ヘンリーはどんなに強い相手と戦ってもフィニッシュを目指す。


──昨年12月19日のUFN199でオクタゴン・デビューが決まっていたビクターですが、まさかの計量後のテストでコロナ陽性となり、試合が流れてしまいました。

「計量が終わったあとも、決まりで検査を受けないといけない。それまで2度の検査では陰性だったけど、計量とフェイスオフ後にホテルでもう1度検査があり、そこから隔離されることになったんだ」

──なにか自覚症状はあったのですか。

「ノー、ないよ。体調はまるで問題なくて、カリフォルニアに戻ってからのテストでは陰性だった。まぁ今、あらゆるスポーツで起こり得ることだよ」

──それにしてもヴィクター自身、やり切れないかったのではないですか。

「もちろん。特に計量も終えて、あとは試合だけっていうタイミングだったからね。全てやってきたことを奪われてしまった感じがした。ただ不幸ではあったけど、最後のチャンスじゃない。またチャンスが巡ってきて、ケージに戻れることは間違いなかったからね」。

──今や米国ではCOVID19はインフルエンザ以下、風邪という風に捉えられているように日本に伝わってくることもるのですが、UFCはそこまで厳格に対策を行っているのですね。

「UFCじゃないよ。州政府がやっていることだよ。UFCは州毎のプロトコルに従っている。UFCは世界中で開催されているから、その土地毎に決められたルールに則して大会を開く。カリフォルニアではカリフォルニア、ベガスでネヴァダの有り方にできる限り従っているんだ」

──現地で陽性になると、隔離されるわけですか。

「陽性結果が出ると、そうなる。ただ飛行機で家に戻ることはできないけど、ベガスと南カリフォルニアは車で移動できる距離だから、僕はUFCが手配してくれたレンタカーでドライブして戻った」

──公共交通は使用できないけど、車なら移動できるらしいですね。フロリダまで戻った人もいたと聞きました。

「そうなんだ。自分で運転して、ね。隔離措置は陰性結果が出るまで。1度目のテストで陰性で、もう1度受けて陰性だったから練習に戻ったよ」

──それにしても、色々と大変でした。

「忙しかったよ(苦笑)。精神の浮き沈みもあったけど、そこまで深刻じゃなかった。メディアの対応も、書類のサインとか全てをやり……さっきも言ったけど、何といっても計量を終えていたからね。まぁ、どうしようもないよ。目を開いて、次を見据えるだけだった。

次だ、次のことを考えないと。落ち込んでばかりいられない。何もできないし、全てを良い経験にして次に向かわないとね。ただ、前に進むだけだったよ」

──と同時に、ショートノーティスの出場予定から1カ月、今回はより準備ができたのではないでしょうか。

「前回は試合まで1週間、減量しかできなかった。今回は多くの人が1月15日に同じ相手と試合をするって話してきたけど、何もオフィシャルなことは決まっていなかったんだ。契約書にサインをしたわけでもなくて、ただ噂が一人歩きしていた。マッチメイカーからもマネージャーから何も連絡はなかった。

2週間前かな、連絡がきた。『もう1度、ハオーニ・バルセロスだ』ってね。まぁ、またショートキャンプだよ。ただし、キャンプの長さは問題じゃない。どっちにしても、タフな試合になることは分かり切っている。1週間のキャンプでも、8週間のキャンプでも彼の強さは変わらない。だから、試合の有無にかかわらずファイターはいつもジムにいて、ケガのことだけ注意しながらハードトレーニングを続けておく必要があるんだよ。

だいたいハオーニにはハオーニで、ビザ関係で解決しないといけないという状況だった。ビザの更新がないなら、この試合もないと聞かされていた。でも、僕はハオーニと戦いたかった。日程と相手とチェンジして戦うことも可能だったけど、どう考えても強いハオーニとマーシャルアーチストとして戦いたかったんだ。だからオファーがあった時、即イエスと答えた」

──ビクター、漢ですね。では、そのハオーニの強さとは?

「16勝2敗、8KOというレコードでも明らかだ。パンチの強さは疑いようがない。何よりもフェザー級で戦ってきたから、フィジカルも大きな武器になっている。この2つの要素だけで、彼と戦うバンタム級の選手にとっては大きな問題だ。それでも、僕には何とかできる武器がある。大きくてボクシングの強いハオーニの穴を見つけるんだ。

僕の打撃はただボクシングをするだけじゃない。蹴り、ヒザ、ヒジと多様性がある。そしてフットワークだ。スタミナとサブミッション・ゲームでも僕の方が上だよ。フィニッシュへの意識も違う。

僕は過去に勝ったと思った試合を落としたことがある。相手が安全に戦っていたからだ。フィニッシュするのが困難な相手もいる。でも5分3R、5分5Rの試合中にフィニッシュを狙わないで、どうする? そんな試合をしても、誰の記憶に残ることもない。UFCファイターのなかにもセーフティゲームを戦い、白星を積み重ねている選手もいるよ。

一方でキャリアに浮き沈みがあっても、常にフィニッシュを狙うエキサイティングなファイターも残っている。僕らは時給を貰っているわけじゃない。15分間戦おうが、3分間で終わろうがファイトマネーは同じだ。ならなら少しでも早くフィニッシュした方が良いだろう(笑)」

──アハハハ。ヴィクター、またいつも通り日本のMMAファンに一言お願いします。

「いつもと同じように──言うよ(笑)。皆が恋しい。日本に行ってゴーゴーカレーが食べたい」

──ヴィクターがゴーゴーカレーに触れると、清水俊一選手が『僕が連れて行ったんです』とツイートするんですよ(笑)。

「その通りだ。シミズのおかげで、日本にいくと太る。アイツのせいだよ(笑)。シミズとはまずゴーゴーカレーを食べて、直後にグラップリングのスパーリングをするんだ(爆)。また、アレをやりたいな。早く、そんな日が訪れてほしいよ」

■視聴方法(予定)
1月23日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■1UFC270対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] フランシス・ガヌー(カメルーン)
[挑戦者] シリル・ガンヌ(フランス)

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ブランドン・モレノ(メキシコ)
[挑戦者] デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
サイド・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ミドル級/5分3R>
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)
ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
マイケル・モラレス(エクアドル)
トレヴィン・ジレス(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・フレヴォラ(米国)
ヘナロ・ヴァルデス(メキシコ)

<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー(米国)
サイモン・オリヴェイラ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)
ケイ・ハンセン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)

<フェザー級/5分3R>
イリャ・トプリア(ドイツ)
シャルル・ジョーダン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ピート・ロドリゲス(米国)

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【Medusa01】エディ・ブラボーがオンリー女子大会でコンバット柔術、EBIの8人制トーナメントを同日開催

【写真】ビア・メスキータは恐ろしく強いのか。それとも掌底で情勢が変わるのか──(C)SATOSHI NARITA

2日(土・現地時間)、メキシコはリビエラ・マヤのプラヤ・デ・カルメンでコンバット柔術とEBIルールのオンリー女子トーナメント大会=Medusaの第1回大会が開催される。

エディ・ブラボーが打ち出したグラップリングの新機軸はオンリー女子大会だった。その第1回大会でコンバット柔術バンタム級とEBIストロー級という2つの8人制トーナメントが行われる。


コンバット柔術では、断トツの大本命がIBJJFムンジアルのライト級を7度、無差別級を2度制しているビア・メスキータであることは間違いない。

グラップリングでもノーギワールズを5度、ADCCでは2017年に60キロ級を制し、EBIでも2018年に女子バンタム級王座に就いている。さらにメスキータはコンバット柔術も既に経験済みだ。

2019年2月のCombat Jiu Jitsu Fight Nightでケイラ・パターソンと対戦したメスキータは、シングルレッグに引き込んだ相手に掌底を使うことも受けることもなく、キムラから腕十字にスイッチして一本勝ちしている。

メスキータの対抗馬は共に初戦を勝ち抜くと準決勝で当たるUFCファイターのジリアン・ロバートソンか。オクタゴンで6勝4敗、SUGにも継続参戦しているロバートソンの掌底を受けた時のメスキータのリアクションが見ものだ。

別のブラケットではコンバット柔術フライ級世界王者のブリアナ・ステマリーの決勝進出が予想される。が、いかんせん1階級下だけに、純粋に柔術の技量で上回り体格差のあるメスキータを止めるには、準決勝までに女王がダメージを蓄積していることも欠かせない条件の一つといえる。

またEBIストロー級Tで気になるのは、一瞬の三角絞めで初代LFA女子ストロー級王座を獲得し、現在はUFCと契約を果たしたヴァネッサ・デモパウロスだ。対抗は16歳のトリニティ・パン、ADCC北米予選2位のファティマ・クラインといったところか。

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