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MMA MMAPLANET o UFC UFC283 コディー・ステーマン ルアン・ラセルダ

【UFC283】蹴りを散らしたラセルダ。サークリング&ステップステップインで殴るステーマンに判定負け

<バンタム級/5分3R>
コディー・ステーマン(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ルアン・ラセルダ(ブラジル)

まず右ハイを見せたラセルダ。ステーマンは距離を取って左右に回る。ラセルダは左ミドルを蹴り、右カーフを入れる。ジャブに左ジャブを合わせたステーマンが前に出るようになる。右の蹴りにワンツーからスリーを打ったステーマンは、左ミドルを蹴られる。右ミドルは捌かれたラセルダは右カーフを繰り出す。ボディでのダブル、ここから右を放ったステーマン。ラセルダは右ミドルを決める。さらに左ミドルを決めると、続く左ミドルにステーマンがワンツーを合わせていく。ステーマンはラセルダのシングルレッグを切り、左ジャブを当てた。

構えを変え、左右の蹴りを散らすラセルダに対し、ステーマンも蹴りを交えタイミングを見て距離を詰める。蹴りで突き放すラセルダだが、右ローにワンツーを被弾する。下がらず前に出るラセルダがテンカオを決める。蹴り足を掴んで捌くラセルダは、最後の跳びヒザの際に足が急所に入ったか、ステーマンがしかめっ面になり時間を迎えた。

2R、ジグザクに動きジャブから左ローを蹴ったステーマンが、左ミドルをキャッチして殴りに行く。ワンツーから右ローで体が持って行かれたラセルダは立ち上がったところでパンチを受けそうになる。ラセルダは右ハイをガードの上から蹴るが、初回より積極的にパンチを使うようになったステーマンがワンツーで前に出る。近い距離の打ち合いにラセルダも呼応し、互いにボディ、顔面とパンチを入れる。ラセルダはヒザ蹴りに左を被弾し、近い距離での打撃戦にやや削られたか。

それでも左ミドルを放ったラセルダだが、ステーマンは左オーバーハンドを伸ばすとボディにワンツーを決める。ステップインのワンツー、左フックのカウンターと精度で上回るステーマンはケージを背負っても右のカウンターを狙い、下がりながらパンチを見せる。ボディを2度入れたラセルダだったが、この回はステーマンが取った。

最終回、前に出てワンツーを放つラセルダに対し、ステーマンは右に回って間合いを外す。ラセルダはステップジャブ、ステーマンが右カーフを蹴る。ショートのコンビからダブルレッグを決めたラセルダは、バタフライで持ち上げ――すぐに立ち上がったステーマンに再びダブルを仕掛ける。持ち上げてテイクダウンを決めたラセルダは、スクランブルをアームインのギロチンで止め、頭を抜いたステーマンにシングルを仕掛ける。

足を抜いて離れたステーマンは、ジャブを多用するも反撃に出ることはできず慎重なファイトに。ラセルダは左右のミドルを前に出ると、左が三角蹴り、あるいは三日月気味に決まる。残り20秒、ショートのボディからワンツーフックのステーマンはケージ際に下がる「こいこい」と挑発して、試合を終えた。

初回は微妙、2Rはステーマン、3Rはラセルダという見方もできるが、ジャッジは3者とも29-28でステーマンを支持した。


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Report UFC UFC ESPN23 コディー・ステーマン ブログ マラブ・デヴァリシビリ

【UFC ESPN23】That is 現代MMA。激しい打撃とTD&スクランブル合戦でデヴァリシビリがステーマン下す

<バンタム級/5分3R>
マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
コディ・ステーマン(米国)

間合いを図る両者、ステーマンは一瞬のスイッチからオーソに戻し左ハイを蹴る。デヴァリシビリはジャブ、そしてサイドキックを見せ、組んでくるステーマンにフック、そしてアッパーを入れる。さらに蹴りをキャッチしてテイクダウンし、パンチを落としながらサイドバックへ。左フックを当てて離れたデヴァリシビリは、徹底してテイクダウン狙いをアッパーで迎え撃つ。

ステーマンは右フックを振るいつつシングルに出て、離れ際にショートワンツーを繰り出す。両者の右が交錯し、デヴァリシビリは左を見せてダブルレッグへ。尻もちをつきつつ、スクランブルからステーマンがバックに回り、デヴァリシビリが正対して離れる。続くテイクダウン狙いを切られたデヴァリシビリが左フックを当て、ステーマンが左ジャブをヒットする。デヴァリシビリもワンツーを返し、ならばとステーマンが左リードフックを入れる。

激しい攻防が繰り広げられるなか、ステーマンの右フックを被弾したデヴァリシビリがダブルレッグでテイクダウン。ステーマンはスクランブルからがぶり、一進一退の初回が終わった。

2R、スイッチしたステーマンが左ミドル、そのままワンツーを伸ばしダブルレッグで組みつくとテイクダウンを決める。鉄槌をボディ、頭部に打ちながら立ち上がろうとしたデヴァリシビリに対し、ステーマンも後方からパンチを纏めて離れる。打撃の間合いに戻ると、組みついたデヴァリシビリが、アゴをコントロルールしてスナップダウン気味に強引にテイクダウンを決める。

正対して立ち上がったステーマンは右ボディフックを振るい、直後に左を見せたデヴァリシビリがダブルレッグを決める。さらにスクランブルでギロチンをに捕えたデヴァリシビリが引き込むと、ステーマンが頭を抜いてトップに。デヴァリシビリが立ち上がり、離れると左ローを蹴る。笑顔を浮かべたステーマンにワンツーを入れたデヴァリシビリは、組みを切られてもそのままの距離でボディショットを決める。

と、ステーマンのステップインに見事なタイミングでダブルレッグを決めたデヴァリシビリび対し、ステーマンがやや削られてきたか。スタンドに戻り、打撃戦のなかで組みに行ったステーマンが首投げでテイクダウンを奪われる。体を起こしつつ、リバーサルをステーマンが決めたが時間──このラウンドはデヴァリシビリが明白に取った。

最終回、サイドキックを胸板に決めたデヴァリシビリ。続く右ストレートにステーマンも右を返す。デヴァリシビリの圧が上回るようになり、ステーマンはジャブからの右フックを大きく空振りする。動いが落ちないデヴァリシビリが右ストレートをヒット、さらにワンツーで前に出て左ハイを蹴っていく。

手数、勢いに差が出てきた両者。デヴァリシビリがシングルに取り、リリースして右を打ち込む。ステーマンも飛びヒザを狙い、危うく受けそうになったデヴァリシビリが笑顔を浮かべる。続くシングルを切られたデヴァリシビリも、ワンツーを空振りし軸が乱れる。それでも右アッパーをヒットし、ステーマンの動きが一瞬止まる。シングルレッグをリバーサルしたステーマンは、残り90秒でトップを奪取。

一度、呼吸を整えてからパンチ、エルボーに出たステーマンに対し、デヴァリシビリが下から側頭部に掌底を続ける。さらにハイガードから鉄槌をいれ、ヒールフックを狙ったデヴァリシビリ。体を捩じって離れたステーマンを追い、立ち上がる。既に正対していたステーマンはダブルレッグを切って、クルスフィックスでバックを取りつつトップを狙う。ここで立ち上がった両者、最後まで打撃、組み合いを続けたタイムアップに。

疲労困憊のステーマンとは対照的に、満面の笑みを浮かべるデヴァリシビリが3-0の判定勝ちを手にし、「俺はチャンピオンのアルジャメイン・ステーリングと練習していて、彼が俺を強くしてくれるんだ。勝てては本当にハッピーだ。これはMMA、柔術だけじゃない、レスリングだけじゃない、打撃だけでもない。全てを練習している。次の試合ではもっと見せる。来月、再来月、トップ10、トップ5の誰でも戦う。でも6連勝だし、誰かビッグネーム──ドミニク・クルーズと戦いたい。俺はハングリーなんだ」と話した。


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News Preview UFC UFC ESPN23 イリー・プロハースカ カブ・スワンソン ギガ・チカズ コディー・ステーマン ドミニク・レイエス ブログ マラブ・デヴァリシビリ

【UFC ESPN23】計量終了 プロハースカに挑戦権奪取の好機。デヴァリシビリ✖ステーマンは痺れるレス決戦

【写真】オクタゴン2戦目、2試合連続でタイトルコンテンダーと戦うプロハースカ(C)Zuffa/UFC

4月30日(金・現地時間)、1日(土・同)のネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN23「Ryes vs Prochazka」の計量が行われた。

メインはドミニク・レイエス✖イリー・プロハースカのライトヘビー級戦。RIZINからUFCに転じたプロハースカが2月に予定されていたが、新型コロナウィルス感染予防対策により流れたレイエスとメインで戦う。

オクタゴン2戦目で現在2連敗中といえども、いずれも世界戦だったレイエスとのマッチアップ──プロハースカが勝てば、タイトル挑戦の可能性も十分にありえる。

レイエス、プロハースカは問題なく計量を終えているが、フェザー級でジョナサン・ピアースと対戦予定だったガブリエル・ベニテスが150.5ポンドと5.5ポンド・オーバーで計量を失敗。ピアースがキャッチウエイト戦を了承せず試合は中止に。

女子フライ級でポリアナ・ボテーリョと戦うルアナ・カロリーナも128.5ポンドと3.5ポンド重く、ボテーリョとは契約体重マッチで戦うことになった。


カブ・スワンソン✖GLORYとMMAで二足の草鞋を履いていたギガ・チカズのフェザー級戦、バンタム級の耐久ケージレスリング&スクランブルマッチが楽しみなマラブ・デヴァリシビリ✖コディ・ステーマンなどメインカードの軽量級で注目すべきファイトが用意されている。

連敗でスタートしたデヴァリシビリのUFCキャリアだが、その後は5連勝中で──全てが判定勝ちのドミネイターに対し、スイッチスタンスで左ハイが危険なレスラーのステーマンが、ストップに掛かる。

蹴りを見せたあとの構えのチェンジで、相手を惑わすことができるステーマンだが、打撃とテイクダウンには若干のタイムラグがあり、そこが有無をいわせないテイクダウン能力を誇るデヴァリシビリとの違いか。

デヴァリシビリはニータップ、シングル&足払い、ダブルレッグという多彩なテイクダウンが、ほぼほぼ打撃と一体化している。スクランブルの執拗さもデヴァリシビリが上だが、この打撃とクリンチの融合はステーマンに分があるようにも見える。デヴァリシビリの圧力に対し、スピード&ペースで対抗し気圧されない圧を掛けることがステーマンには欠かせない。

■視聴方法(予定)
5月2日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC on ESPN23対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
ドミニク・レイエス: 205.5ポンド(93.21キロ)
イリー・プロハースカ: 204ポンド(92.53キロ)

<フェザー級/5分3R>
カブ・スワンソン: 145.5ポンド(66.0キロ)
ギガ・チカズ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
イオン・クテレバ: 206ポンド(93.44キロ)
ダスティン・ジャコビー: 205ポンド(92.99キロ)

<ミドル級/5分3R>
ショーン・ストリックランド: 185.5ポンド(84.14キロ)
クリシュトフ・ヨッコ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<バンタム級/5分3R>
マラブ・デヴァリシビリ: 135.5ポンド(61.46キロ)
コディ・ステーマン: 135.5ポンド(61.46キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ランダ・マルコス: 115ポンド(52.16キロ)
ルアナ・ピニェーロ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ベニテス: 150.5ポンド(68.26キロ)
ジョナサン・ピアース: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
カイ・カマカ3世: 146ポンド(66.22キロ)
TJ・ブラウン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ポリアナ・ボテーリョ: 125.5ポンド(56.92キロ)
ルアナ・カロリーナ: 128.5ポンド(58.28キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
サム・ヒューズ: 115.5ポンド(52.38キロ)
ローマ・ルックンブミー: 116ポンド(52.62キロ)

<ミドル級/5分3R>
KB・ブラー: 186ポンド(84.37キロ)
アンドレアス・メケイリディス: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フェザー級/5分3R>
ルーク・サンダース: 145.5ポンド(66.0キロ)
フィリッピ・コラレス: 145.5ポンド(66.0キロ)

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Report UFC UFC ESPN13 コディー・ステーマン ジミー・リベラ ブログ

【UFC ESPN13】ステーマンの圧力をすかし、吸収するリベラが3-0で快勝

<フェザー級/5分3R>
ジミー・リベラ(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
コディ・ステーマン(米国)

注目のバンタム級ファイターによるフェザー級戦。リベラが強烈な右ローを蹴り、ステーマンが右フックを入れる。ステーマンはスイッチし、足を使う。ボディを入れて組んだリベラがバックに回るが、すぐに間合を取り直す。と、ローをキャッチして倒したステーマンはリベラの立ち上がり際にパンチを打っていく。

と、続くステーマンの右ローをキャッチしたリベラが右を打ち込んで倒す。すぐに立ち上がり、続くリベラのテイクダウン狙いには姿勢を乱した状態からステーマンが向き返りダブルレッグへ。バックに回ったステーマンだが、レフェリーがブレイクを命じ不満げ表情を浮かべた。左フックで前に出たステーマンに右をカウンターで入れたリベラが、初回を取ったか。

2R、左を伸ばして組んだステーマンは、バックに回り前方にリベラを崩しに掛かる。ケージに頭をつけて粘るリベラはキムラクラッチからウィザー、胸を合わせて体を入れ替える。そのままダブルレッグに成功したリベラはスクランブルでバックを狙いつつ、左のパンチを連打する。ステーマンは胸を合わすと、シングルを切って右腕を差し返す。

ここでケージに押し返したステーマンがボディへヒザを突き刺す。回り、左フックを打ちつつ離れたリベラが左フックを振るう。ステーマンは左ローも、リベラは右ボディストレートを返す。さらに右ローを蹴ったリベラに対し、ステーマンがワンツーを打つがタイミングが合わない。リベラは残り30秒で左フック、ステーマンが左ジャブを打ち込む。ステーマンの跳びヒザに左フック、着地後にも左のショートをリベラが当てた。

最終回、ステーマンのステップインに左ショートを合わせるリベラは、ダブルレッグでケージに詰められても巧妙に金網を使って脱力、力を使わないように体を入れ替える。リベラがパンチを見せて離れた時には、2分を経過していた。ステーマンはブライアン・ケレハーを40日前に破った時のキレはなく、ローを2発蹴られてからのダブルレッグも決めきることができない。

巧くステーマンの力を吸収したような受けを見せるリベラはギロチンへ。シングルに拘るステーマンは時間を使ってしまう。残り1分を切り離れた両者、打撃戦はリベラが手数で上回る。ステーマンはここに来て間合を外し、右を当てるも直後にリベラが右を返してタイムアップに。

終始、ステーマンを包み込むように自らのペースで戦ったリベラが3-0の判定勝ちした。


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Preview UFC UFC ESPN13 コディー・ステーマン ジミー・リベラ ブログ

【UFC ESPN13】コロナからの帰還=ジミー・リベラが、ステーマンとバンタム級トップ対決をフェザー級で

【写真】バンタム級での計量と比較すると、やはり大きく感じられるリベラ(C)Zuffa/UFC

明日16日(木・現地時間)の未明に戦いの火ぶたが切って落とされるUFC ESPN13「Kattar vs Ige」ではUFCでも最も層が厚いといっても過言でないバンタム級のトップランカー対決がフェザー級の体重で組まれている。

6月6日に150ポンド契約マッチでブライアン・ケレハーを破ったばかりのコディー・ステーマンとジミー・リベラの両者は、本来8月に当然のようにバンタム級で戦うことが決まっていた。しかし、ペドロ・ムニョスの新型コロナウィルス感染が分かり、今大会で組まれていたフランキー・エドガー戦が消滅。


今大会はムニョス✖エドガー以外にもコロナ関連を合わせて5試合が中止となるなか、両者は先週の月曜日に今大会で戦うオファーを受け、火曜日に了承。木曜日にはラスベガス経由でアブダビ=ファイトアイランドへ向かった。

ステーマンも相当デカい(C)Zuffa/UFC

当然、調整の時間はなくフェザー級で戦うこととなったわけだ。

この試合、メディアから特に注目されたのはリベラが3月にウィルスの陽性だったことが分かり、2週間の隔離を経験しているコロナの帰還者である点だ。「体調が悪かったのは最初の3日間、凄い倦怠感があったけど4日目からは快方に向かった」とバーチャル・メディアデーでリベラは記者に語っている。

その後はロックダウンの影響もあり、ランニングやウェイトなど個人で調整する時間が殆どだったことをリベラは明かしてもいる。ステーマンとのファイトに関しては「とにかくケージにずっと詰めあうような試合はしたくない」としているが、それはステーマンのレスリング力と自らのスタミナを考えての発言のようにも取れる。

一方のステーマンは前述したよう40日前にケレハーを破った時には、最終回こそ疲れが見えたがレスリングを封印したかのように打撃で揺さぶり、力を使わずニータップでテイクダウンという合気MMAを披露していた。

バーチャル・メディアデーでは「ジミーはブライアンよりテクニカルで爆発力があると思う」とその印象を話しているステーマン。互いに対戦相手のことは既に意識していただろうが、準備をする時間はほぼなかった。そのような状況下で、40日のインターバルのステーマンがこの間にどのように過ごしてきたか。「旅はクレイジーだったけど、練習は変わりなくなっていた」と言うステーマンとリベラ、どれだけコンディションに差があるのかが勝負の鍵を握ってくることは目違いない。

現状のコンディションと、地力勝負。リベラの踏み込みという同時に当たるパンチに対し、ステーマンは打撃で対抗できるのか。それともレスリング勝負を仕掛けるのか。実際に両者がオクタゴンの中で動き出すまで、予想のしようがない一戦といえる。

■UFC ESPN13計量結果

<フェザー級/5分5R>
カルヴィン・ケイター: 146ポンド(66.22キロ)
ダン・イゲ: 145ポンド(65.77キロ)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット: 125ポンド(56.7キロ)
ライアン・ベノイト: 126ポンド(57.15キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジミー・リベラ: 145ポンド(65.77キロ)
コディー・ステーマン: 145ポンド(65.77キロ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マッキャン: 125ポンド(56.7キロ)
タイラ・サントス: 125ポンド(56.7キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アブドゥル・ラザク: 174ポンド(78.92キロ)
ムニール・ラゼス: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジョン・フィリップス: 186ポンド(84.37キロ)
カムザット・チマエフ: 186ポンド(84.37キロ)

<フェザー級/5分3R>
ヒカルド・ハモス: 145ポンド(65.77キロ)
レローン・マーフィー: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
モデスタス・ブカウスカス: 205ポンド(92.99キロ)
アンドレアス・メケイリディス: 206ポンド(93.44キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン: 145ポンド(65.77キロ)
クリス・フィッシュゴールド: 149ポンド(57.59キロ)

<女子フライ級/5分3R>
リアナ・ジョフア: 126ポンド(57.15キロ)
ディアナ・ベルビシャ: 125ポンド(56.7キロ)

<バンタム級/5分3R>
アーロン・フィリップス(米国)
ジャック・ショア: 136ポンド: 135ポンド(61.24キロ))

<ライトヘビー級/5分3R>
ホルヘ・ゴンザレス: 205ポンド(92.99キロ)
ケネス・バーリ:──

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【UFC ESPN13】対戦カード ファイトアイランド発UFC欧州&中東合同イベントに気になる新顔?ズラリ

【写真】Brave CFからチュニジア人、スウェーデン人ファイターが。スペリオール・チャレンジからはノルウェー人選手、Titan FCからUFCにステップするギリシャ人選手はケージウォリアーズ出身のリトアニア人選手と対戦──そんな大会にティム・エリオットは5月30日にブランドン・ロイヴァルと戦ったばかりのティム・エリオットが出場する(C)Zuffa/UFC

2020年6月16日(木・現地時間)
UFC ESPN13「Kattar vs Ige」
UAE アブダビ
UFC Fight Island

■視聴方法(予定)
7月16日(木・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<フェザー級/5分5R>
カルヴィン・ケイター(米国)
ダン・イゲ(米国)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
ライアン・ベノイト(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジミー・リベラ(米国)
コディ・ステーマン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
タイラ・サントス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
ムニール・ラジズ(チュニジア)

<ミドル級/5分3R>
ジョン・フィリップス(英国)
カムザット・チマエフ(スウェーデン)

<バンタム級/5分3R>
ヒカルド・ハモス(ブラジル)
レローン・マーフィー(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
モデスタス・ブカウスカス(リトアニア)
アンドレアス・メケイリディス(ギリシャ)

<フェザー級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン(英国)
クリス・フィッシュゴールド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
リアナ・ジョフア(ジョージア)
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)

<バンタム級/5分3R>
アーロン・フィリップス(米国)
ジャック・ショア(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ホルヘ・ゴンザレス(メキシコ)
ケネス・バーリ(ノルウェー)

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Interview Special UFC UFC250 コディー・ステーマン ブライアン・ケレハー ブログ 岡田遼

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─05─コディ・ステーマン✖ブライアン・ケレハー

【写真】とてもテイクダウンが強烈に強いようには見えなかったケレハー戦のステーマン (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が語りたいUFCプレリミマッチ。

第5回からは6日(土・現地時間)のUFC250で行われた140ポンド契約マッチ=コディ・ステーマン✖ブライアン・ケレハー戦について話してもらった。


──過去1カ月、岡田選手が気になるプレリミ3試合目は?

「ステーマンとケレハーの試合が、この1カ月のプレリミで一番でしたね。いや……ステーマン、あの人ってレスラーなんですよね?」

──NCAAのD-2レスラーですね。でも、高校の時からボクシングもやっていてMMAはダロン・クルックシャンの下で習い、昨年からエクストリーム・クートゥアーの所属になっています。なんでもボクシングでもプロの経験があるようです。

「そうなんですか……。この試合でも解説が良いレスラーって話しているのに、全然レスリングなんてしていなくて。アレックス・ペレスもそうでしたけどね。ステーマンは正面から打撃を使って、スイッチをしてボディにもパンチを散らすことができていました。でも、蹴りも強力で完成度の高いストライカーでしたよ。アッハハハハハ。笑っちゃいますよね」

──ワンツーだけでなく、スリーまで出せる選手かと思いました。

「あの軸の強さは……3つ目に関して普通は、僕だったら体がブレブレになってしまうと思います」

──ソン・ヤードンと戦った時は、テイクダウンを5、6回決めてバックも制し、さらに蹴り上げの反則があったのにドローという意味不明な判定でした。とにかく、あの試合ではレスリング全開で戦っていました。

「なのに打撃があれだけ強い、と。ケレハー戦のテイクダウンは打撃で支配しておいてニータップだとか、本当にローエナジー、疲れないレスリングをしていましたね。楽に倒していました。

ATTで練習していた時に思ったのですが、日本ではレスリングって一番しんどいことをやるというイメージを皆が持っていると思います。でも、米国の連中はそんな気持ちではないですね。サァーって倒して。全体練習の時もマイク・ブラウンは、力を使わずテイクダウンするようにと口を酸っぱくして言っていたんです。

一生懸命頑張り過ぎないでテイクダウンできるような打ち込みもやりました。テイクダウンで疲れるなということは皆の共通項でした」

──例えばレスリングの試合で実力が拮抗している者と戦い、そんな風にエネルギーを使わず戦えるのは、もう達人かと思います。ただ、打撃もあるMMAではより可能になるのかもしれないですね。

「そうですよね。絶対に倒す必要がなく、倒せなくても打撃に自信があれば、打撃でやりあえば良いですし。ATTで経験してきたのも、そこでした。レスラーが決してレスリングありきではない。

打撃ありきだから、崩れたところでそのレスリング能力が生かせている。ステーマンもそうですよね。蹴り足をキャッチして、テイクダウンを取っていますし。押せば倒れる……一番疲れないことをしていました。なので無駄に自分のスタミナをロスしないで戦うことができる。

ただし、そういう試合をするためには打撃で優位に立つ必要があります。しっかりとストライキングの技術があることで、レスリングが生きていました」

──そして3Rは最初にテイクダウンを奪うと、グラウンドにもいかずスタンドで待ちのファイトをし、最後はテイクダウンを仕掛けてきたケレハーに対しギロチンで迎え撃って、時間を使っていました。

「巧かったです。1Rと2Rは打撃でしっかりと試合をリードして、最終回は時間を使う。ラウンド毎に戦い方を変えて、本当に考えて試合をしていると思います。同じバンタム級の選手ですし、凄く面白かったです。

でもアルジャメイン・ステーリングとやった時は、ここまでの完成度は高くなくてバックとられて負けているんですよね」

──あっ、スロエフ・ストレッチで!

「ホント、ステーマンにあんな技で勝って、サンドハーゲンは最初のテイクダウンでRNCを極めてしまうって……どんだけアルジャメインは強いだって話ですよね(笑)」

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Report UFC UFC250 コディー・ステーマン ブライアン・ケレハー ブログ

【UFC250】10日前に弟を失くしたコディー・ステーマンが、ブライアン・ケレハーから涙の完勝劇

<フェザー級/5分3R>
コディー・ステーマン(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ブライアン・ケレハー(米国)

ワンツーからミドルを蹴るケレハー。ワンツーで迎え撃つステーマン。ローを蹴り合い、ケレハーが左ハイ。ステーマンが左フックを返す。ローにワンツーを合わせるステーマン、ケレハーはアングルを変えてフックを狙う。低く沈んでワンツーを繰り出すステーマンは、テイクダウンへの布石か。スイッチを織り交ぜるケレハーに対し、ステーマンはステップインから左ハイ、蹴り足をキャッチして倒すとシングルに来たところでパンチを纏める。

ボディを入れたステーマンは、ケレハーの前進に回転数の早いパンチを返す。右オーバーハンドのケレハー、近い距離で優位に立てず通り距離から左右のローを蹴っていく。そのケレハーのワンツーをしっかりと見て上半身の動きでかわしたステーマンが初回を取ったか。

2R、左ストレート、左ハイを繰り出すステーマン。ケレハーがシングルに出ると、ケージを背にしてパンチを打っていく。肩に乗ってシングルを潰したステーマンがエルボーを狙う。離れたケレハーはローを蹴り、ステーマンはスイッチして蹴りのフェイク。そしてワンツーで前に出る。左ジャブから右ボディを被弾してなおケレハーも、前に出て状況を打開しようと試みる。

それでもステーマンがジャブ、右ストレート、左オーバーハンドと攻勢に出る。ステーマンがアイポークを気にして、パンチを纏められそうになる。レフェリーは試合を流し、ケレハーはエルボーを当てる。直後にダブルレッグでテイクダウンを奪ったステーマンがガードの中で息を整える。左の鉄槌を下から当て、立ち上がったケレハーをケージに押し込んだステーマンが最後に後ろ回し蹴りを見せた。

2R、肩を押し、カカトを引いてテイクダウンを奪ったステーマン。スタンドで待ち受け、ケレハーのシングルを切る。左ジャブを当て、左ミドルを蹴られるとスイッチし追撃は受けない。ボディからスピニンングバックフィストを繰り出したケレハーだが、ステーマンはここも見ている。蹴り足を取ってバランスを崩させるステーマンは、残り半分でケレハーのフックを被弾する。

サークリングで間合を取りなおしたステーマンは、クリンチで時間を使い離れ際に右を伸ばす。ケレハーもボディ、アッパーを伸ばしステーマンをケージに詰めるシーンを創る。ステーマンはニータップを見せるが、ここは守りが気持ちで出ているか。動きが緩慢になったステーマンに対し、ケレハーはテイクダウンに出てしまう。ギロチンで動きを固定し時間の経過を待ったステーマンが、しっかりと3Rを戦い切った。

5月27日に18歳の弟を亡くしているステーマンは、裁定を訊く前から涙を浮かべてフルマークの判定勝ちを告げられた。「本当に僕にとっても、家族にとってもハードな時間だった。素晴らしい人々が僕の回りにいて、助けてくれた」と話し、今後はバンタム級に戻ることを明言した。