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News UFC UFC251 イオン・クテレバ カイ・カマカIII ブログ

【UFC251】イオン・クテレバが陽性で欠場へ。ヘビー級戦は消滅し、カイ・カマカ3世がUFC初陣!!

【写真】7月31日のLFAでの勝利から2週間、カイ・カマカ3世のUFC出場が決まった (C)LFA


11日(火・現地時間)、15日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC252「Miocic vs Cormier3」でマゴメド・アンカラエフと対戦予定だったイオン・クテレバが新型コロナウィルスの検査で陽性となり欠場、UFCでは代役を立てることはなく、このヘビー級マッチ自体が消滅することに。

その代わりとして、オープニングファイトでフェザー級のカイ・カマカ3世とトニー・ケリーの一戦が組まれることが発表されている。


カマカは7月31日のLFA87でマイケル・スタックに判定勝ちを収めたばかり、2週間のインターバルでUFCデビューが決まった。ハワイアンMMA第3世代──のカマカ3世、父のカイ・カマカも元MMAファイターだ。父カマカはJILジムから独立して808ファイトファクトリーを主宰する一方で、修斗公式戦を組んでいたウォリアーズ・クェストでプロモート業も手掛けていた。

父カマカの姉2人が、レイ・ブラダ・クーパーとロナルド・ジューンというハワイアンMMA第1世代の中心ファイターに嫁いでおり、息子カマカにとってクーパーとジューンは叔父、そしてPFL世界ウェルター級王者レイ・ブラダボーイ・クーパー3世は従弟ということになる。

一族からはジューンに続き2人目、JIL&808FF連合からはロバート・オストビッチの娘=レイチェル・オストビッチに続き、3人目のUFCファイターになるカマカ3世。対戦相手のケリーは昨年5月以来1年3カ月振りのファイトで、それ以前は3年近いブランクがある。カマカ3世としては、コンディション的にも実戦感覚という部分でも優位にあるばかりか、大きなインパクトを残すチャンスのオクタゴン初陣だ。

■UFC251対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]スタイプ・ミオシッチ(米国)
[挑戦者]ダニエル・コーミエー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー(米国)
マルロン・ヴェラ(エクアドル)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・ドスサントス(ブラジル)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<バンタム級/5分3R>
ジョン・ドッドソン(米国)
マラブ・デヴァリシビリ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
ヴィンス・ピッチェル(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヘナタ・ソウザ(ブラジル)
アシュリー・ヨーダ(米国)

<フェザー級/5分3R>
エウベウチ・バーンズ(ブラジル)
ダニエル・ピネダ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
フェリス・ヘリッグ(米国)
ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
TJ・ブラウン(米国)
ダニー・チャベス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
クリストファー・ダカウス(米国)
パーカー・ポーター(米国)

<フェザー級/5分3R>
カイ・カマカ3世(米国)
トニー・ケリー(米国)

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Interview Special UFC UFC251 ブログ マクワン・アミルカーニ 岡田遼

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─08─マクワン・アミルカーニ✖ダニー・ヘンリー

【写真】カミルカーニにとってアナコンダでの勝利は3度目。ここから時計回りに足をヘンリーに近づけていき落とした (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が岡田遼の語りたいUFCプレリミマッチ。

第8回は7月12日(日・現地時間)のUFC 251で行われたフェザー級戦=マクワン・アミルカーニ✖ダニー・ヘンリー戦について話してもらった。


──岡田遼が気になる7月のUFCプレリミマッチ、2試合目は?

「マクワン・アミルカーニ✖ダニー・ヘンリー戦ですね。これも対戦相手はどうなのかっていう話にはなりますが(笑)、フィニッシュが素晴らしかったです。

シングルレッグからボディロックで倒して、そのまま亀のヘンリーのバックにアルミカーニが就いたのですが、普通はシートベルト──襷掛けに行くかと思います。アミルカーニはそこでシートベルトでなく、『それやっちゃダメでしょ』というクラッチをします」

──まるでバックをキープするという意識はなかったです。

「ハイ、右手で頭を抱えに行って。そんなことをやってくるのならって、ヘンリーもシングルレッグからスクランブルに持ち込もうとしました。

そうしたスイープするように跳ねて隙間を創ると、上を取るのではなくてヘンリーのヒザを着かせて首を取り続けていました。そこから左足でヘンリーの右腕を引き寄せて、RNCクラッチにとってアナコンダに入りました。そのまま定石通りに足をヘンリーの方に寄せていき、落としてしまいました」

──ヘンリーの足がピクピク痙攣していて。なかなかのインパクトでした。

「このパターン、アルミカーニは得意パターンなんだと思います」

──シートベルトに行かないところから、アナコンダへの導入が始まっているということでしょうか。

「逃げ道を一つ、ヘンリーに与えましたね。これならシングルレッグにいくことができると思わせておいて、まんまとガチっとはめ込んでギロチンからのアナコンダでした。この動きはめっちゃ勉強になると思って、打ち込みをやってみました」

──シングルでスクランブルなら、岡田選手はギロチンという選択もあるのではないですか。アナコンダに移行せずに。

「ギロチンで終わらせることができるならベストですね。ただし、アームインのギロチンだったのでなかなか極め切ることは難しいかと思います。あの形だと、僕もアナコンダで極めたいですね。

もともと狙いはアナコンダで、だからノーアームではなくてアームインギロチンだったはずです。なかなか見られない入りで、凄く興奮しましたね。これから、この打ち込みを内藤弟と繰り返して、モノにしたいと思います。この入りは凄いですよ。皆、絶対に知らないですし」

──でも、UFCで見られたムーブですよ。

「そうなんですけど、皆、UFCもメインカードは見ていてもプレリミは見ていないですよ」

──えぇ……そうなのですか。

「ほとんどの選手がそんな感じだと思います」

──私も全試合をチェックするということは正直ないですが、プレリミとかメインに関わらずチェックしたい試合は視聴するようにしていますが……。でも、速報をしているとメインイベントが始まる頃には疲れ切っています。

「アハハハハ。今はUFCも週1でありますしね。でも、3月の終わりから4月を想えば、UFCを見ることができるって本当に幸せなことです」

──確かにその通りですね。しかし、アミルカーニはフィンランドですよ。アイスホッケーやF1、ラリーじゃないですからね。

「ファイトアイランド大会は本当に色々な国の選手が出ていますよね。UFCに行き着く大会も北米とは違っていて。だからチャンスはあるんじゃないかと思っちゃう自分もいます」

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UFC Result UFC251 ブログ

【UFC251】試合結果 ウスマン&ヴォルカノフスキー王座防衛。バンタム級王者はピョートル・ヤンに

【写真】ついにファイトアイランド大会マンスリーがスタート(C)Zuffa/UFC

11日(土・現地時間)、UAEはアブダビのヤス島・UFCファイトアイランドでUFC251が無事開催された。

夢物語が現実になった大会、メインとセミの世界戦はウェルター級王者カマル・ウスマンがホルヘ・マスヴィダル、フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーがマックス・ホロウェイを揃って判定で破り、防衛に成功している。とはいえ、この2試合は試合内容的には低調であったことは否めない。ある意味、このコロナ禍のおいて世界トップの選手でも調整が如何に難しいかという現実を知らしめることになった。

対照的に精神のコンディションとして、ギリギリまで戦い抜いたバンタム級王座決定戦ではジョゼ・アルドを下したピョートル・ヤンがバンタム級の世界の頂点に立った。

メインカードではローズ・ナマジュナス✖ジェシカ・アンドレジがファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得し、アマンダ・ヒーバスがペイジ・ヴァンザントに腕十字を極めて圧勝している。

プレリミではRIZIN王者イリー・プロハースカが、タイトル挑戦経験のあるヴォルカン・オデズミアをKOしながらも、本人はパフォーマンスに納得がいなかいという、第3者的には100点満点のデビューを飾っている。

レオ・サントスはKO直前に追い込んだロマン・ボガトフが、驚異的なタフネスさを見せて攻め疲れに陥り、反則絡みのドロドロの判定勝ちを手にした。

ファイト・オブ・ザ・ナイト=ローズ・ナマジュナス✖ジェシカ・アンドレジ
パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=イリー・プロハースカ、デイヴィー・グラント

■UFC251
<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
○カマル・ウスマン(ナイジェリア)5R
判定
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×ホルヘ・マスヴィダル(米国)
<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
○アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)5R
判定
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×マックス・ホロウェイ(米国)
<UFC世界バンタム級王座決定戦/5分5R■>
○ピョートル・ヤン(ロシア).5R3分24秒
TKO
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×ジョゼ・アルド(ブラジル)
<女子ストロー級/5分3R>
○ローズ・ナマジュナス(米国)3R
判定
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×ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)
<女子フライ級/5分3R>
○アマンダ・ヒーバス(ブラジル)1R2分21秒
腕十字
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×ペイジ・ヴァンザント(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
○イリー・プロハースカ(チェコ)2R0分49秒
KO
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×ヴォルカン・オズデミア(スイス)
<ウェルター級/5分3R>
○ムスリム・サリコフ(ロシア)3R
判定
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×エリゼウ・カポエイラ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
○マクワン・アミルカーニ(フィンランド)Def.1R3分15秒
アナコンダチョーク
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×ダニー・ヘンリー(英国)
<ライト級/5分3R>
○レオナルド・サントス(ブラジル)3R
判定
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×ロマン・ボガトフ(ロシア)
<ヘビー級/5分3R>
○マルチン・ティブラ(ポーランド)3R
判定
×マクシム・グリシン(ロシア)
<129ポンド契約/5分3R>
○ハウリアン・パイヴァ(ブラジル)3R
判定
×ザルガス・ズマグロフ(カザフスタン)
<141ポンド契約/5分3R>
○カロル・ホサ(ブラジル)3R
判定
×ヴァネッサ・メーロ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
○デイヴィー・グラント(英国)3R2分38秒
KO
×マーチン・デイ(米国)
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Report UFC UFC251 カマル・ウスマン ブログ ホルヘ・マスヴィダル

【UFC251】勝ちにいかない挑戦者。手堅く戦うチャンピオン。これもコロナの時代の世界戦か……

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
カマル・ウスマン(ナイジェリア)
Def.3-0:50-45.50-45.49-46
ホルヘ・マスヴィダル(米国)

右ロー、右前蹴り、左ミドル、左ローとアグレッシブに動くマスヴィダル。ウスマンはローをキャッチしてテイクダウンに成功する。クローズを取り下からエルボーを放つマスヴィダルに、ウスマンがパンチを落とす。上体を起こし、足を捌こうとウスマンをここでも下から殴るマスヴィダル。ウスマンは立ちあがり、起き上ってきたマスヴィダルをがぶる。マスヴィダルは離れると左ミドルを繰り出すが、既に息が荒くなっている。シングルからケージにマスヴィダルを押し込んだウスマンがテイクダウンへ。

右のパンチを顔面に入れたウスマンに対し、マスヴィダルはヒザとヒジを打っていく。エルボーを逆に受けて離れたマスヴィダルが、左ロー、左ジャブを伸ばす。さらに左フックを当てたマスヴィダルは、左ジャブに右、さらに左フックを返す。ウスマンの踏み込みに右フックを合わせようとしたマスヴィダルは、ケージを背負って前蹴り、右を見せて組まれるとそのままケージを背負ってラウンド終了を迎えた。

2R、マスヴィダルがスタミナ切れを起こすのは織り込み済みだが、初回を見る限りウスマンも決して動きは良くない。2R序盤も素早い右ロー、続いて右ミドルを蹴ったマスヴィダルは、シングルレッグから足を抜いて逃げる。右を見せて組みついたウスマン、マスヴィダルはウィザーで懸命に耐える。足の指、甲を踏むチャンピオンは細かいヒザ、ボディブローを繰り出す。

マスヴィダルも差し返しつつエルボーを入れるが、ウスマンは離れることを許さずケージに押し込み、右をヒットして離れる。すぐに組み直したウスマンは肩パンチ、眉間を切ったマスヴィダルに流血が見られる。押し込まれボディを殴られるマスヴィダルは、肩パンチ、足の甲へのスタンプと細かい攻撃を受け続ける。残り40秒で離れたウスマンはマスヴィダルの蹴りからパンチに頭を振って、左を伸ばすが届かない。最後に右ボディを入れたウスマンだが、両者揃って動きは非常に重かった。

3R、マスヴィダルが右ロー、ウスマンは距離を詰めてエルボー、必死に捌こうとするマスヴィダルをケージに押し込む。ヒザを見せるマスヴィダル、ヒジを入れたウスマンは離れて右を振るう。遠い距離でのパンチは、マスヴィダルが蹴りで対抗する。と、組んでクリンチのウスマン。ボディを狙ったパンチを急所とされてブレイクを命じられる。

休んで息を整えるマスヴィダル。とてもUFCの世界戦とは思えない、厳しい内容だ。再開後、マスヴィダルの右にダブルレッグを合わせたウスマンがテイクダウンに成功する。ウスマンはマスヴィダルを立ち上がらせて、右を差しあげてテイクダウンを再び決める。一瞬ロールしたマスヴィダルは、バックを取られることを嫌がりガードへ。手首を掴むマスヴィダルに対し、ウスマンはヒジを入れて攻撃を締めた。

4R、右ボディ、右ミドルを入れたウスマンが、シングルレッグでドライブしてケージへ。王者がワキ腹を殴り、マスヴィダルがヒザを返す。離れたウスマンがダブルレッグを決め、ギロチンを防いで立ちバックへ。マスヴィダルが胸を合わせると、ウスマンは肩パンチ、スタンプを繰り出す。さらにダブルレッグ、左右のフック、再度ダブルレッグと攻めるウスマンだが、マスヴィダルが力を入れて細かいパンチを見せながら離れる。スピニングバックフィストは空振りとなったマスヴィダル、自らケージを背にした位置を選択して蹴りを繰り出す。ウスマンは右、続いて左フックを当てて組みへ。そのままウスマンはタイムアップまで1分以上、押し込み続けた。

コロナ禍のUFCでは、世界戦も3Rで良いのではないかと思いたくなる一戦は、最終回へ。互いにジャブを伸ばし、ウスマンが左フック、右を振ってダブルレッグへ。ケージ中央側に頭を向けてテイクダウンに成功するが、マスヴィダルはケージに近づいていく。立たせずエルボーを落とすチャンピオン、マスヴィダルはハーフニーシールドも、反転してきたウスマンの足を抱えつつ──足首を取ることはなく、足を抜かれる。ロールから立ち上がろうとしたマスヴィダルをがぶるウスマン。立ちあがったマスヴィダルはヒザを放って離れた。

マスヴィダルは左フック、左ミドル、跳びヒザから右ストレートを繰り出す。ウスマンも右を伸ばし、ミドルキックにも右を伸ばしてタイムアップに。調整不足のなか、諦めない姿勢を見せたが、倒されても倒そうと気持ちはチャレンジャーから見えず。ウスマンも大事を取ったファイトに終始し、この状況での体調管理とコンディション創りが、UFCのトップファイターでもいかに難しいかが伝わってくる世界戦だった。

結果、フルマークの判定勝ちを収めたウスマンが2度目の王座防衛に成功した。


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Report UFC UFC251 アレックス・ヴォルカノフスキー ブログ マックス・ホロウェイ

【UFC251】やりたい試合をしたのはホロウェイのように見えたが……スプリット制した王者が防衛に成功

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
マックス・ホロウェイ(米国)

左ローを蹴ったヴォルカノフスキーは、ホロウェイの前進をワンツーフックで迎え撃つ。じりじりと前に出るホロウェイだが、手は出さずヴォルカノフスキーの前進をバックステップでかわす。左ジャブ、フックを繰り出し、右前蹴りを蹴ったホロウェイはヴォルカノフスキーの右ローで体がよれる。右ミドルを返したヴォルカノフスキーは左ジャブ、ヴォルカノフスキーが前に出るとアッパーを打っていく。ヴォルカノフスキーは左ロー2発、踏み込んで左フック、続いて右を当てる。左ローをも蹴ったチャンピオンはローに右を打ち込まれる。

ホロウェイは跳びヒザもタイミングが合わず、右フックを被弾。残り10秒、後ろ回し蹴りに続く右ハイを頭部に当てたホロウェイがダウンを奪い、ラウンドを先取した。

2R、思わぬ一発を貰ってしまった王者は、右に回りながらローを蹴る。左インサイドローで前足を削るヴォルカノフスキーだが、前に出たところでショートのコンビネーションを纏められてしまう。ヴォルカノフスキーはワンツーから左ロー、ホロウェイもローを返し左ジャブを伸ばす。左フックを入れたヴォルカノフスキーは、ヒザをボディに受けてもあわてず、構えを変えて左右のローを丁寧に蹴っていく。

踏み込んできたホロウェイに左フックを入れたヴォルカノフスキーは、右ジャブにもローを合わせる。左足が赤く染まってきたホロウェイが、右ハイを狙う。さらにスピニングバックキックを見せたホロウェイは、残り10秒を切り右アッパーでダウンを奪う──すぐに立ち上がったヴォルカノフスキーだが、苛立ちを隠せなかった。

3R、2ラウンド連続で残り10秒でダウンを喫したチャンピオン。落とせない、3つのラウンドを迎える。ヴォルカノフスキーは構えを変え、左フックで前に。ホロウェイが蹴りを繰り出した直後に左を当てたヴォルカノフスキーは、一旦離れテイクダウンを狙う。ケージにホロウェイを押し込んだチャンピオンだが、腕を差し返したチャレンジャーがヒザ蹴りから離れる。

左リードフックを当たるヴォルカノフスキー、その次がなく右は使う回数自体が非常に限られている。左ジャブを入れ、ローを蹴るヴォルカノフスキーは最後の10秒で被弾することはなかったが、ポイント的にはどちらにつくかは分からない5分だった。

4R、左を当てて前に出るヴォルカノフスキーに対し、ホロウェイが左ジャブやローを突き放そうとする。サウスポー、オーソでも左しか使わないヴォルカノフスキーが、ようやく右から左のコンビを見せる。しかし、逆に跳びヒザのフェイクに続く右を被弾してしまう。ホロウェイは右アッパーを当て、さらにスピニングバックキックを繰り出す。残り2分を切り、王者がボディロック&大内刈りでテイクダウンを決めるが、すぐにホロウェイが立ち上がる。残り50秒でシングルからパンチを繰り出したホロウェイが、左から右を当てる。右を使うと攻撃も当たるチャンピオン。ホロウェイも引くことなく右をヒットさせ、最後に手をマットにつけての蹴りを見せた。

最終回、ペースを変えないホロウェイが、左を伸ばし、左ミドルハイを狙う。ペースを上げたいヴォルカノフスキーは左を見せて組み、離れ際に左を打ち込む。左、そして右を入れたチャンピオンは、テイクダウン狙いを交え、攻撃を散らすと左フックをヒットさせる。ハイとローを繰り出したチャンピオン、ホロウェイは右アッパーを繰り出し、攻撃を出してもスタミナを浪費しないファイトを展開する。

ホロウェイが右、ヴォルカノフスキーが左を打ち、王者がボディロック&大内刈りで2度目のテイクダウンを決める。ここも挑戦者は慌てず立ち上がり、テイクダウン狙いを切って左フックを打っていく。ヴォルカノフスキーは左を打ち、残り30秒でテイクダウンへ。切ったホロウェイは、最後にテイクダウンを奪われるも終始、長距離走のようなMMAで試合をまとめたが、判定はスプリットでヴォルカノフスキーに凱歌が挙がった。


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Report UFC UFC251 ジョゼ・アルド ピョートル・ヤン ブログ

【UFC251】ローを効かされ、サウスポーを強いられて尚、アルドをTKO。ヤンが新バンタム級世界王者に

<UFC世界バンタム級王座決定戦/5分5R>>
ピョートル・ヤン(ロシア)
Def.5R3分24秒by TKO
ジョゼ・アルド(ブラジル)

ヤンが左ジャブを伸ばし、アルドもジャブを返す。ボディを互いに打ち合うと、ヤンが左ハイを狙う。ジャブを伸ばすヤンが右オーバーハンドから、返しの左は空振りに。ここでアルドが右ローを蹴るも、直後にワンツーの右ストレートを打ち抜かれる。攻め急ぐことのないヤンはローでバランスを崩されたが、立ち上がってすぐにワンツーを打っていく。左の蹴りのフェイクに続く右ローを空振りしたアルドは、直後の右ハイはしっかりとブロックする。

アルドはジャブから右ロー、ヤンはボディを返す。残り90秒、右を当てたヤンはローで体がよれるも、すぐに右ストレートをヒットさせる。左ミドルを入れたヤン、アルドはテイクダウン狙いから下になり、ヤンが腰を上げた状態から重いパウンドを落とす。ボディを効かせたヤンは顔面にパンチを纏めるとアルドは、蹴り上げでスペースを作りながら、ガードを取ったままラウンド終了を迎えた。

2R、腹を空けたままの構えのアルドが強烈な右ローを蹴り、左ジャブ、再びローを蹴る。構えを変えたヤンは、右ミドルをブロックして左ストレートを伸ばす。右を当てたアルド、ヤンは左ハイ。オーソに戻したヤンは、左ボディを受けて大振りのパンチは空振りに。アルドはここでもローで左足を蹴り、ヤンは2つ蹴られたところでスイッチする。

右手前でもワンツーを伸ばすヤンだが、ボディを打たれる。アルドは右ミドルを入れ、右ストレートを2つ伸ばす。対サウスポーの方が戦いやすいか、アルドは右ボディを打ち込み、プレッシャーを強める。さらに右ハイを蹴っていくアルドは、オーソに戻したヤンに右ロー。ヤンは直ちにサウスポーに戻し、左ストレート、左ハイも最後に右ミドルを蹴ったアルドがラウンドを取り返した。

3R、サウスポーのままのヤンが右ミドルからヒザ蹴りと腹を狙われる。アルドは左リードフックを放ち、圧で上回るようになる。ヤンも左ミドルを蹴り返し、ワンツーで前に出る。右ジャブをヤンが入れると、アルドはボディを狙い、右ボディストレート、左ボディフックを2発入れる。左フック、ボディから右を当てたアルドは腹を殴る。ケージに詰まっていたヤンは、ここで前に出てオーソに。右から左アッパーもローを蹴られる。スイッチした直後にヒザを顔面に届かされそうになったヤンは、強まるアルドのプレッシャーのなかで左フックを振るう。

右ストレート、左ボディフックを入れたアルド、ヤンが左ボディストレートを返す。さらにワンツーで前に出たヤンは、右を被弾してスピニングバックフィストを見せる。ボディから左を当てたヤンに対し、アルドがヒザを返すも右エルボーを被弾する。アルドは動きが落ちてきたか、ヤンがラウンド後半になって盛り返した。

4R、ボディを貰った直後に左を顔面に返したヤンは、クリンチから離れると左ミドルを蹴り込む。アルドはボディ、そして右ストレート、さらに左ボディフックで腹を抉る。ヤンは前に出てクリンチからエルボー、ヒザ蹴りのアルドもヒジを打っていく。左2発からワンツー、ボディを入れたヤンは、アッパーを2つ見せる。アルドはボディを返すも、足払いでバランスを崩すなど中盤を迎えると動きが落ちる。

ボディ、左フックを打ったヤンは、右を当て口を開けたアルドに右ジャブから左ハイを狙う。回るアルドは、走るように間合を外す。追いかけたヤンが左ロー、鼻血を流すアルドは必死に距離を取る。ヤンはボディから右フック、左アッパー。頭を抱えたように動きが止まったアルドの足を取り、軸足を払ってテイクダウンしたヤンが、ガードのなかに収まる。細かいパンチ、ボディから右を打ち込み、エルボー、腰を上げてボディを殴ると、ヤンは勢いのある左のパンチを2つ打ち込み、ラウンドを明確に取った。

最終回、インターバルでどれだけアルドは回復できたか。いきなり左ストレートを打ち抜いたヤンは、ケージ際まで下がったアルドからボディから左アッパーでダウンを奪うとパウンドを纏める。ハーフで抑え、エルボーを入れるヤンが、ハーフのアルドの右腕を殺して抑えパンチとエルボーを落とす。

右腕を制されたままのアルドは、エルボーを受け背中を見せる。キャンバスがすぐに真っ赤に染まるほど流血に見舞われたアルドは、後方からの鉄槌に動けない。レフェリーは試合を止めず、ヤンは左右のパンチ、ヒザを続ける。バックを譲ったままのアルドは右のパンチ、鉄槌、エルボーを受け続け、ついにはレフェリーが試合をストップした。

新UFC世界バンタム級王者に輝いたヤンは、ケージサイドインタビューで「少しハードファイトになることは予想していたけど、ローがきつかった。初回と2Rはプレッシャーを与えて疲れさせ、3Rから攻めるのが作戦だった」と話した。


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Report UFC UFC251 ジェシカ・アンドレジ ブログ ローズ・ナマジュナス

【UFC251】圧力に負けず、ナマジュナスがアンドレジ相手にリベンジ成功

<女子ストロー級/5分3R>
ローズ・ナマジュナス(米国)
Def.2-1:29-28.29-28,29-28
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)

頭を振ってフック、ローを蹴るアンドレジ。ナマジュナスが左ジャブを当て、アンドレジは左右のローを蹴っていく。アンドレジの前進を左ジャブで止めにかかるナマジュナスは、ローに右ストレートを合わせる。左から右フックを振るうアンドレジに対し、左ジャブ、右ストレートをナマジュナスが打っていく。さらに左ヒジを見せたナマジュナスだが、アンドレジが左フックを当てる。頭を振るのがディフェンスでなく、勢いをつけるような動きになっているアンドレジは、ナマジュナスの左ジャブを受けても常に圧力をかけていく。クリンチ狙いに首相撲からヒザを入れたナマジュナスはワンツー、右ストレートを当てる。ダブルを切って、再びヒザを入れるなどアンドレジの動きが見えているナマジュナスは、左ハイをガードし初回を取った。

2R、頭を振り過ぎて、力が逃げているようにも見えるアンドレジ。左右のローを蹴り、左ミドルを狙うも、ナマジュナスが左を当てる。跳びヒザは距離が合わなかったナマジュナスに、アンドレジが右ストレート、ローを蹴り込む。踏み込みにアッパーを合わせたアンドレジだが、ナマジュナスは右ボディフックを打たれてなお左ジャブを連続でいれる。アンドレジは右を入れ、跳びヒザをかわされたナマジュナスが背中からマットに落ちる。

すぐに立ち上がったナマジュナスは右から左フック、ローを蹴り合いヒジを繰り出す。ナマジュナスはテイクダウン狙いを切って離れるが、手数で上回るアンドレジはボディフック、ナマジュナスが首相撲&ヒザを入れる。左フックを2つ当てたアンドレジが、この回を取った。

最終回、左右のフックで前に出るアンドレジがボディから顔面を狙い、左ハイを蹴る。左ジャブを当てたナマジュナスは、手数では譲るが右をしっかり当てる。ただし、こうなると手数と勢いで判断しがちなジャッジはアンドレジにポイントを与えることになるだろう。と、アンドレジは左フックをかわして右を当てると、鼻をカットし大量の出血が見られるナマジュナスを投げ捨てる。

一旦、下に収まったナマジュナスは蹴り上げからスタンドに戻ると、後ろ回し蹴りに続きワンツーの右を打ち込む。首相撲&ヒザを貰ったアンドレジは右を返し、左ジャブを当てていく。軸が乱れるようになったナマジュナスは右フックを被弾するが、ワンツーを返しダブルレッグを決める。その刹那、スイープで上を取ったアンドレジはトップで固めることなく、ナマジュナスの動きに合わせてスタンドへ。アンドレジは右アッパー、ナマジュナスが飛び蹴りを見せたところでタイムアップとなった・

鼻の頭をカットし、左目の下も大きく腫らしたナマジュナスはスラムで敗れ王座を失った1年2カ月前のリベンジを果たした。


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Report UFC UFC251 アマンダ・ヒーバス ブログ ペイジ・ヴァンザント

【UFC251】見事なトランジッション、ヒーバスがヴァンザントを腕十字で仕留める

<女子フライ級/5分3R>
アマンダ・ヒーバス(ブラジル)
Def.1R2分21秒by 腕十字
ペイジ・ヴァンザント(米国)

左右に回るヴァンザントにヒーバスが左ミドル、首相撲からヒザをボディに連続で突き刺し、首を固めて払い腰を投げる。ヒーバスはエルボーを入れつつ袈裟で固める。ケージを蹴り、上体を抱えるヴァンザントだが、ヒーバスはバックを伺いつつ、自ら下になり右腕を伸ばす。ワキに抱えて腹ばいになったヒーバスに対し、ヴァンザントは前転して逃げようとしたところでタップした。

いつも笑顔のヒーバスは嬉し涙を浮かべ、「この機会を与えてくれたUFCに感謝している。この試合で私のパフォーマンスを見せられたし、誰だろうがどう生きたいのかが大切で。誰も私の街にあるジムで練習している私が、大きなジムの選手に勝てるなんて思っていなかった。でも私はビッグハート」と話し、笑顔を見せると「ストロー級に戻るので、大きな試合を与えて欲しい」と小躍りまでして見せた。


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Report UFC UFC251 ブログ マクワン・アミルカーニ

【UFC251】マクワン・アミルカーニ、アナコンダチョークでダニー・ヘンリーを絞め落とす

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ(フィンランド)
Def.1R3分15秒by アナコンダチョーク
ダニー・ヘンリー(英国)

サウスポーのアミルカーニに右ロングを伸ばすヘンリーが、ボディを打つ。リーチで優るヘンリーに対し、間合を測るアミルカーニだがロングの左フックを被弾する。前に出て右を当てたアミルカーニはヘンリーの右ミドルをかわすも、続いて腹、前足を蹴られる。二段蹴りも見せたヘンリーは、ここも右ミドルを繰り出す。右フックを振るったアミルカーニは、跳びヒザで距離を詰めシングルレッグ、ボディロックでテイクダウを決める。

スクランブルでギロチンを仕掛けたアミルカーニは、アナコンダに移行──時計回りで絞め続けるとヘンリーが落ち、試合は決した。


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【UFC251】TKO負け直前から、ボガトフがまさかの大反撃も反則のヒザ蹴りでレオ・サントスが勝ち切る

<ライト級/5分3R>
レオナルド・サントス(ブラジル)
Def.3-0:29-26.29-26.29-26
ロマン・ボガトフ(ロシア)

距離を取るボガトフが、一気に前に出る。左ハイを空振りし、バランスを崩したボガトフにサントスがパンチを落とす。立ちあがったボガトフはワンツーで前に出るも、サントスがローから左ジャブをヒットさせる。スピニングバックフィストをかわし、右を打ち込むサントスは左ミドルにも右を打っていく。アイポークがあったとサントスがブレイクを要求、ドクターが呼ばれる。再開後、左ミドルを蹴ったサントスはボガトフの後ろ回し蹴りのタイミングでバックを取る。巻き込もうとするボガトフに対し、スタンドで踏みとどまったサントスはリリースしてスタンドを選択する。

首相撲からヒザ蹴り、ローを走らせるサントスはスタンドで試合を攻勢に進める。ボガトフは左右の前蹴りで突き放そうとするが、サントスは構わず蹴りから左ジャブを伸ばす。低い姿勢でテイクダウンを狙ったボガトフだが、サントスは反転して足を引き抜く。最後はスピニングバックフィストにもバック奪取したサントスが初回を取った。

2R、アンドレ・ペデネイラスから「パンチとヒザ蹴りだけに集中し、柔術は忘れろ」という指示を受けたサントスが、右ストレートと左ジャブを当てる。ボガトフのスピニングバックフィストをかわして、右ミドルを蹴り込んだサントスはダブルレッグでケージに押し込まれると、スラッピングでボガトフの顔を張っていく。さらに頭部にエルボーを落とすサントスに対し、頭を起こしたボガトフはテイクダウンを奪えないまま打撃の距離に戻る。

首相撲からヒザ蹴り、右ストレートを3発入れ、フック、アッパーで追い打ちをかけるサントスは、ついには右ハイまで蹴り込む。ボガトフのシングルを潰し、バックからサントスがパンチ、鉄槌を入れる。異様なタフさ発揮し、アンクルピックを狙ったボガトフ。ついにはサントスが殴り疲れ、振り返ったボガトフにトップを取られてしまう。

クローズドガードで息を整えるサントスは、エルボーを被弾しボディを殴られるが、オモプラッタを仕掛ける。腕を抜き、腰を上げて重いパンチを連打したボガトフはビッグラウンドを阻止するどころか、逆転の芽まで終盤の猛攻で見えてきた。

最終回、前に出るボガトフが左を当てて組みつく。同体の小手投げから起き上ると、ケージにサントスを詰めたボガトフがヒザ蹴りへ。この一発が、無観客の会場にボコという音が響くような形で急所に当たる。倒れこんで立てないサントスは、3分近く経過しようやく座ることができるように。さらに時間を掛けて立ちあがったサントスは、再開に応じリスタート。

ボガトフは前蹴りからダブル、シングルにスイッチしサントスを持ち上げる。必死に耐えるサントスをボディロックに捕えたボガトフが、さらにシングル、ボディロックとテイクダウンを執拗に狙う。スピニングバックフィストは空振りとなったボガトフの押し込みが続き、ついにはダブルレッグで倒されかかったサントスだが腰に乗せた投げで何とか耐える。

と、ケージを背にしたサントスはヒザをボディに受けと、急所にどこか足の一部が当たったのか、苦悶の表情を浮かべレフェリーが試合を止める。再開後、スピニングバックフィストを当てたボガトフがシングルレッグへ。片ヒザをつき、ウィザーのサントスの太腿を引き寄せ尻もちをつかせる。残り90秒、アンクルを取られて立てないサントスは掌底を見せる。と、ヒザを着いているサントスの顔面にボガトフは左ヒザを蹴り込む。

減点モノの反則攻撃で、試合が中断。サントスが試合続行を伝え、レフェリーは減点2を宣言する。残り50秒、真っすぐ飛び込んだボガトフがパンチ、ヒザ蹴りを、離れたサントスにハイキックを放つ。必死のサントスは、ヒザ蹴りを返すもアッパーを被弾し、シングルで逃げたところでタイムアップに。勝利目前から、ロシアン・ゾンビと呼びたくなるボガトフの反撃を受けたサントスは、苦し気な表情のままで勝ち名乗りを受けた。