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【ONE FF22】シャミル・エルドラン。TD&恐怖のヒザ連打。最後はスタンド、三日月蹴りでKO勝ち

【写真】初回は必死で粘ったファン・ロンだったが……。エルドランのグラウンド・ニーは、戦意喪失していてもしょうがないえげつなさだった(C)ONE

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
シャミル・エルドラン(トルコ)
Def.2R0分27秒by KO
ファン・ロン(中国)

サウスポーのエルドランが、軽く左ミドルを蹴る。ジャブを見せて組みついたエルドランは簡単にテイクダウンを奪い、今度はイージーにパスを決める。鉄槌で殴られたファン・ロンは足を戻し、強引に腕関節を狙うが振りほどかれる。ヒール狙いのファン・ロンに対し、左のパンチを入れたエルドランが足を畳んで足関を防ぐと、ニーシールドを簡単に越えてサイドを取る。ヒザ蹴りを肩口に入れ、ニーインから右のパウンドを打ち込むエルドランのヒザが頭部、顔面を襲う。

ファン・ロンは右ヒザを連続で入れ、頑強なニーインベリーから左のパンチ、右の鉄槌を打ち込む。ついに背中を見せたファン・ロンだが、ここから前転してヒザ十字を仕掛ける。ここも対応したエルドランはパス、サイドでヒザを3発蹴り込む。必死に右腕を差しに行くファン・ロンがバタフライガードも、左右の拳を打ちつけられる展開が続く。残り1分、パンチからエルボーを落とすエルドランがヒザを頭部に連続で蹴り込む。ワキ腹にエルボー、顔面をガードで固められてもMMAグローブの上からスレッジハンマーのエルドランが、初回を圧倒した。

2R、右目の下が大きく腫れあがったファン・ロンは左ミドルを蹴られ、右ボディストレートを伸ばす。左ストレートから左ハイ、そして左ミドルを蹴るエルドランが左三日月から、左ストレートへ。このミドルが効いたファン・ロンが、ロープ際まで下がるとレフェリーが試合を止めた。


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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FF22 YouTube アナトリ―・マリキン オンラ・ンサン ファン・ロン ブランドン・ベラ ルンピニー

【ONE FF22】ONE金曜ファイトで世界ヘビー級王座統一戦。第1試合出場のシャミル・エルドランに要注目!!

【写真】メイン以上!?に注目は、第1試合。シャミル・エルドアンのONEデビュー戦だ (C)ONE

本日23日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムでONE Friday Fight22が開催され、MMAが2試合組まれている。

11試合中、MMAは2試合とムエタイ濃度が高いルンピニー大会ではあるが、例え2試合といえども今大会で組まれたMMAマッチは、ムエタイ9試合に匹敵するといっても過言でない要注目の顔合わせだ。


7試合目に組まれたのは、ONE FFで初のMMA世界戦=ONE世界ヘビー級王座統一戦だ。正規王者アージャン・ブラーと暫定王者アナトリ―・マリキンがついに3度目の正直で相対する今回の1戦は、ブラーにとって2年前の5月にブランドン・ベラを破って以来の実戦復帰となる。

本来はベルトを巻いた4カ月後にマレキンの挑戦を受ける予定だったが、ブラーの負傷でキャンセルされ翌2月にマレキンは暫定王座決定戦で勝利してベルトを巻いた。そのマレキン、昨年12月にライニエ・デリダーの持つライトヘビー級王座に挑戦すると初回でパウンドアウト、ヘビー級では暫定王座、ライトヘビー級で正規王座のベルトを巻くというユニークな2階級制覇を成し遂げた。

その後、今年の3月のシンガポール大会で両者の対戦がアナウンスされたがキャンセルされ、ようやくタイのリングで両者が相対することとなった。

この勝負の鍵を握るのは、ずばりブラーの心身両面でコンディションといえる。スタイルマッチアップ的にマレキンはスピードも打撃の破壊力もあるファイターだが、ブラーは実は立ち技で間合いを取るのが絶妙で、カナダのトップレスラーだっただけにTD能力は攻防とも長けている。

マレキンが打撃に特化して接近戦を仕掛けると、テイクダウンの餌食になる可能性は高い。とはいっても打撃を見せてから組みにいってもクリーンテイクダウンを奪うことは簡単ではない。ただし、それはブラーが本来の力をリングの上で発揮できた場合に限られる。

とはいえ心身ともに万全の状態でもブラーのジャブ&テイクダウンスタイルがマレキン相手には簡単にハマることもなく、タフファイトとなって然りだっただけに長期ブランクの影響は必ず出てくるはずだ。繰り返すことになるが、この王座統一戦は、今現在のブラーのモチベーションがベルトの行方に関して大きく影響を及ぼすことになるだろう。

この世界戦以上に勝るとも劣らない注目ファイターが、第1試合に登場する。それがシャミル・エルドアンだ。MMA戦績8勝0敗、4つのフィニッシュ勝利と4つのドミネイト判定勝ちというレコードの持つ、トルコ国籍のファイターはダゲスタンのキジリュルト生まれの32歳だ。

ジュニア時代に世界王者になっているエルドアンのフリースタイルでワールドクラスレスラーでもあった。レスラー生活のピークは、2014年にウズベキスタンのタシケントで開催された世界選手権。97キロ級に出場したエルドアンは世界王者のレザ・ヤダーニを準決で下すアップセットを見せ、3位決定戦でもパンナム王者のキューバ人レスラー=ハビエル・コルチナを下し銅メダルに輝いた。

しかし、エルドアンはドーピング検査でスタノゾロールが検出され、2年間の出場停止処分を受けてしまう。これ以前にMMAを1試合だが経験していたエルドアンは、出場停止が機会になったのかは不明だが、2016年から2017年にかけて本格的にMMAを戦うようになり4連勝を達成している。2018年には再びレスリングシーンに戻るも国際的な舞台でコレといった成績を残すことなく、2021年よりEagle FCでMMAを戦うようになると2試合連続フィニッシュ勝利を挙げている。

そんなエルドランの強味はレスリング一本槍のテイクダウン&コントロールファイターではなく、打撃戦に応じることができる点だ。伸びる左ストレート、接近戦ではヒジも使いこなすエルドランだが、逆にパンチやヒザを被弾しても打撃でやり返すというファイトを既に見せている。テイクダウンを切って殴るスタイルのファン・ロンを相手に、どれだけのインパクトを残すことができるか。オンラ・ンサンが巻き返しを見せ、デリダーもその腰の残ったベルトを全力で死守に掛かるだろうミドル級戦線。シャミル・エルドアンは依然として、層が薄い同階級を一気に活気づける存在が現れたかもしれない。

■放送予定
6月23日(金・日本時間)
午後9時30分~ ONE official YouTube

■ONE FF22MMA対戦カード

<ONE世界ヘビー級(※102.01キロ)王座統一戦/5分5R>
[正規王者]アージャン・ブラー(カナダ)
[暫定王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ファン・ロン(中国)
シャミル・エルドアン(トルコ)

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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN10 オンラ・ンサン ファン・ロン

【ONE FN10】右を効かされたンサンが、ダブルレッグにギロチン→ニンジャでファン・ロンから一本勝ち

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
Def.2R0分48秒by ニンジャチョーク
ファン・ロン(中国)

ジャブを伸ばすファン、ンサンは右カーフを蹴る。右を当てたンサンに対し、ファンが踏み込んでアッパーを狙う。構えを変え左ミドルを蹴ったンサンがミドルを続け、左ストレートを伸ばす。ファンが右、ンサが左を繰り出す。ジャブから右のファン、ブレイクから何からレフェリーが言葉をかけ──再開と同時にンサンが右を当てる。

ファンもミドルを蹴られても左リードフックを見せ。右ボディストレートを打ち抜く。ンサンはガードの上から左ハイを蹴り、左を伸ばすが距離が遠い。拳の圧はファンが上か。右を当て、ンサンのステップインもかわす。それでも左ストレートを伸ばすンサン、オーソに構えてボディを狙う。ファンはジャブから右ストレート、ンサンが左を当て前に出てボディ、激しい打撃戦が5分続いた。

2R、右ハイに右を伸ばしたファンに対して、ンサンが左ミドルを蹴る。右フックを被弾して下がったンサンに対し、殴ってダブルレッグでテイクダウンを奪ったファンだが、ケージを背負って座ったンサンがギロチンを仕掛ける。ニンジャチョークに切り替えたンサン。両足を伸ばした姿勢で極まるとは思われなかったが、ファンがタップした。


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【ONE FN10】MMA王者デリダー組み技戦、タイ・ルオトロ─02─「コンバット柔術ルール? 悪くない」

【写真】ナチュラルでも、こうなれる (C)ONE

既にイベントが開始されているONE FN10「Johnson vs Moraes 3」でONE世界ミドル級王者ライニア・デリターと対戦するタイ・ルオトロ・インタビュー後編。

若年層にも蔓延しつつあるステロイド使用に警鐘を鳴らしたタイ&ケイドのルオトロ兄弟がアグレッシブなグラップリングに関して熱弁を振るった。

<タイ・ルオトロ・インタビューPart.01はコチラから>


──と同時に参加型のグラップリングや柔術ですら、勝利を手にするために禁止薬物に手を染めるなか、タイやケイドたちはグラップリングがプロスポーツとしてよりメジャーになり、競技生活によって得るモノを増やそうと努力をしている。そして、そのような世界が実現するとより禁止薬物を使用する選手が増えることも容易に想像できます。

「だから、僕らのようなナチュラルな選手がジューサーを破ることで、子供達の手本になりたい。僕らが子供のとき、いつだって好きな選手はディアス兄弟だった。彼らは爆発力がもっともある選手じゃなかった。でも、ストロイドを打っている選手を相手に最高のパフォーマンスを見せていたから」

ケイド 今の柔術界はジュベニウでもステロイドを使用しているティーンがいる。僕らはステロイドを使わず、自分の力でもやれることを彼らに見せたいと思っている。

──ところで柔術家同士の対戦は両者が防御力に優れ、重厚な攻防になる一方で取られないことを第一に考える選手が多い。そのためにONEでは柔術家とMMAファイターやサンビストとの対戦を増やしているようにも見受けられます。柔術家同士の対戦が、一般受けするようなエキサイティングな試合になることは難しいでしょうか。

セレモニアル・フェイスオフでシングルレッグを仕掛けて、大笑いしたタイ。楽しんでいる

「柔術は退屈な試合にいくらでもある。

それは今言ったように守り重視だからだ。対してMMAファイターはより攻めてくる。今回の試合でもライニアは絶対に攻めてくるだろう。だから僕は彼をコールアウトしたんだ。観客の皆にとって、良い試合ができる相手だから。彼の攻めのプレッシャーのなかで、僕はベストを尽くして戦う」

──ケイド、6月にはトミー・ランガカーを相手にライト級王座の防衛戦が控えています。ランガカーもサンビストやMMAファイターと戦う時はアグレッシブに攻めるかと思います。その一方で、ケイドを相手になるとそのリスクを背負ってくるのか。

ケイド 僕らはいつだってフィニッシュして、エキサイティングな試合をしたいと心掛けている。だから、そこがいつも問題になってくるんだ。トミーは柔軟で強いガードファイターだ。マテウス・ガブリエル戦と似てくることも十分にある。でも、僕が一本勝ちを狙うことは間違いないよ。

──高い防御力を生かして攻める。それが一番の理想かと思いますが、前回のタミー・ムスメシとビア・バシリオ戦ではレフェリーが一瞬のスクートにブレイクを掛けるシーンが続きました。あれはあれでレフェリーが試合に介入し過ぎで、見ていて気持ちの良いモノではなかったです。

「座っている選手を立たせるのは、悪いことじゃないと思っている。僕らはアルティメット・スク―ティング・チャンピオンシップを戦っているわけじゃないから(笑)」

──アハハハ。

ケイド そうでしょ?(笑)。座って、何も起こらないモノを見たがる人はいない。

「確かにガードワークからは素晴らしい技が繰り出される。そこからアタックする場合はね。そういう美しい動きが見られるのは楽しいよ。でも、何をしないのならレフェリーが立たせることは問題ないと思う。なぜ、皆がガードを取るか。それはパスガードが難しいから。安全に戦いたいんだ」

ケイド だからガードって呼ばれているんだよ。

「多くの選手がガードを駆使し、時間とにらめっこという退屈極まりない試合をしようとする。テイクダウンでなく、座った選手を立たせるのは悪くない。ただし、そこに至るまでにレフェリーももう少し展開を見ても良いんじゃないかと思う」

──ハーフを取って足に触れているのに、ブレイクを命じたこともありました。そうやって立たされ続けるということは注意が入っているのと同じで。でも勝ったのはタミーだった。これはもう見ている人が戸惑うばかりです。なぜ、評価された動きをしているのにブレイクが入るのかと。

「それはそうだね。ガードから攻撃も柔術の醍醐味だから」

ケイド 攻めようとガードを一方が取り、また上の選手も攻めようとすることで攻防が生まれる。そうでない展開なら、ブレイクを命じるべきだよね。攻める気がないなら、立たせれば良い。

──ADCCでは逆にスクートした選手から、上の選手が3歩以上離れるとペナルティが与えられています。

「そうペナルティだ。MMAだと下になった選手が、ただ柔軟性を生かして防御に徹するなら──上の選手はパンチを落とせるよね。柔術はそれが許されない。だからさ、コンバット柔術のように下の選手が何もしないなら、掌底をバンバン入れてやれば良いんだよ(笑)。そうすれば、上の選手はもっと攻めやすくなる。僕らはエキサイティングな試合がしたいから、防御に徹せられるとイライラすることは確かだからね」

──ルオトロ兄弟はコンバット柔術の実現をチャトリに提言しますか(笑)。

「それは悪いアイデアじゃないよ(笑)」

ケイド ライニア・デリダーとコンバット柔術で戦えば良いんだよ(笑)。

──タイ、ケイド、いつもありがとうございます。最後に日本のファンに一言お願いします。

「モシモシ。アリガト。いつも、応援ありがとう」

ケイド アリガト。サヨナラ!!

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN10対戦カード

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者] アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] エドガル・タバレス(メキシコ)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] オサマ・アルマルワイ(イエメン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アリス・アンダーソン(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ロベルト・ソルディッチ(クロアチア)
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)

<<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ファン・ロン(中国)

<サブミッショングラップリング・ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/10分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
タイ・ルオトロ(米国)

<ムエタイ131ポンド契約/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ディアンドラ・マーティン(豪州)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ローウェン・タイナネス(米国)
オク・レユン(韓国)

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ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 Report ファン・ロン ブログ ユーリ・シモエス

【ONE113 Inside the Matrix03】最終回の反撃も及ばす、ユーリ・シモエスはMMA初陣でロンに敗れる

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ファン・ロン(中国)
Def.3-0
ユーリ・シモエス(ブラジル)

シングルレッグを仕掛けたシモエスは、ボディロックでロンをケージに押し込み、ヒザを突き上げる。これが急所に入り、試合が中断される。再開後、中央で仕切り直しとなりシモエスは左フックからのダブルレッグを外され、右フックを被弾する。

ロンはテイクダウンを取られないよう、シモエスは殴られない距離を取る展開に。シモエスは左フックからダブルレッグ、ケージにファンを押し込みシングルに移行──テイクダウンを決める。頭を押して立ち上がろうとするファンに対し、シモエスはボディロックから背中をつかせスクランブルでバックへ。嫌がって引き込んだファンを殴ったシモエスが初回をリードした。

2R、ダブルを切られ引き込んだシモエス。ファンは当然、寝技に付き合わずブレイクが命じられる。スタンドの展開でファンが2発右を入れる。寝転がり足を狙うが、汗で滑りキャッチできなかったシモエスは、レフェリーにスタンドに戻される。踏み込みに勢いがなくなったシモエスは続くローシングルも切られてガードを取り、立たされる。右に合わせてテイクダウンを狙ったシモエスは、抑えるよりも下を選択してしまいMMAとして負のスパイラルに入っている。

左フックを被弾し、組んでガードのシモエスはブレイクでスタンドに。それでも右を当てたシモエスがダブルレッグからボディロックでドライブ。逆側のケージまで押し込むと、最後の5秒でテイクダウンを決めるが挽回とはならなかった。

最終回、蹴り足をキャッチしても、リリースしてからパンチで前に出るファン。シモエスは組んでひきこむところで右を被弾する。パンチに勢いがないため、ファンは殴られてもテイクダウンだけを警戒して戦う。組めないシモエスは、立ちのプレッシャーに耐えられず引き込む。立たされ、シングルで腹ばいになるシモエス。絶対に有利な態勢でも、寝技にいかないファンは徹底したテイクダウンを切り続ける。

残り90秒、シモエスは右を当ててダブルレッグを決めると即マウントへ。左右のパンチ、エルボーを入れたシモエスは、ケージキックでマウントを失うが、サイドで留まりエルボーを入れて、再びマウントを取る。左右のパンチを続けるシモエスはヒジ打ちから腕十字へ。これは極まらず、ファンがパンチを集中させてタイムアップに。

結果、ADCCを2度制した柔術家はMMAデビュー戦で判定負けとなった。


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Interview ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 ファン・ロン ブログ ユーリ・シモエス

【ONE113 Inside the Matrix03】ユーリ・シモエス「護身柔術は我が身を守り、相手を支配するアートだ」

【写真】ラッシュガードがなく、MMAグローブをつけていてもこういうシーンはありそうだ (C)SATOSHI NARITA

13日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix03」でユーリ・シモエスがファン・ロンを相手にMMAデビュー戦を迎える。

2度のADCC王者、ノーギワールドも2度制し、道着ではパン柔術を制しているシモエスはチェックマットやカイオ・テハという生粋の競技柔術思考を思いきや──ヒクソン・グレイシーのファンだった父を持ち、MMAでなくバーリトゥードに憧れた幼少期を過ごしてきた。

MMA初戦を目前としたファイトウィークのスタート時点でインタビューを受けたシモエスは、「僕の人生において柔術の章は終わり、MMAの章が始まる」と断言した。


──MMAデビューを前にどのような気分ですか。

「少し前まで凄くエキサイティングしていたけど、試合が近づくほどに集中力が増して、落ち着いてきたよ。あとはケージに入って、自分の力を世界に見てもらうだけさ」

──コロナ禍がデビュー戦に影響することはなかったですか。

「去年ACLの手術をし、動くことがデキるようになった時にONEとサインをした。MMAはずっと戦いたいと思ってきたし、自分の人生で新たな目標に向かう時期がきたんだ。契約をしたときはまだパンデミック前だったから、6月か7月にデビュー戦を戦うつもりだったけど、コロナの影響で4カ月ほど遅れたことになる。

でも、しょうがないことだし何も不満はない。そして、より準備ができたと思っている。コロナ禍でも、自分に必要なことはやってきた。こんな状態だからこそ、自分でそれを見つける必要があったし、そこも踏まえてパンデミックだからこそ強くなれた部分もあるはずだ。

普段なら簡単にできるトレーニングも練習パートナーを見つけ、いつもより離れた場所にドライブが必要になった。だからこそ、自分の意志を確認できたよ。僕は1000パーセントの努力をし、最高のコンディションをキープできていた」

──MMAを戦いたかったということですが、いつ頃から本格的に考えていたのですか。

「僕が柔術を始めた7歳の時、まだMMAはバーリトゥードと呼ばれていた。父が柔術の練習をしていてヒクソン・グレイシーのファンだったし、ジャパン・オープンを一緒に見たことを覚えているよ」

──ユーリが4歳の時ですよ!!

「きっとビデオか何かだったんだと思う(笑)。そして父に『この人みたいになる』って言ったんだ(笑)。柔術を始めたけど、それはバーリトゥードではなかった。だから、ヒクソンが戦っていたバーリトゥードのファイターになりたいと思うようになったんだ。

そして今、僕の人生は柔術の章を終えてMMAの章に入ったんだ。マーシャルアーツとして柔術を続け、この日の準備をしてきたんだよ」

──2度のADCC王者、そしてノーギワールドでも優勝しているユーリですが、柔術とMMAはヒクソンの時代と違い、重なっている部分は残っているとしても別競技になりました。

「その通りだ。柔術はスポーツになった。僕が柔術を始めたのは伝統的なスクールだったんだ。先生はヒクソンの黒帯でハンターのオーナーだったマウリシオ・ミゲール・ペレイラ……マウリサォンだった。

マウリサォンは僕に護身術としての柔術の全てを指導してくれた。彼の柔術はバーリトゥードを考慮したものだった。イエロー、オレンジ、そして青帯を貰った時にマウリサォンは亡くなった。でも彼によって、僕は今や柔術が失ってしまったエッセンスを学んでいたんだ。

他の全ての格闘技に勝っていた時代の柔術は、トーナメントの柔術とは違う。でも、僕はスポーツ柔術だって大好きなんだ。素晴らしい技術で、人生を賭けるに値するスポーツだ。ただし柔術はレスリングと同じで、スポーツなんだ。

僕が習った護身としての柔術は我が身を守り、相手を支配するアートだ。と同時にバーリトゥードとMMAも違う。一つの競技で勝てる戦いではなくなった。今や何でも練習していないとMMAでは勝てない。

過去18年、スポーツ柔術の最高の舞台で戦ってきたから皆は僕をこの世代のスポーツ柔術家だと思っている。間違ってはいないけど、僕は自分がなぜ柔術を始めたかを忘れたことはなかったし、その価値も忘れていない。そして、当時からの想いがMMAの転向した僕の基盤になっている。スポーツ柔術の試合に出ている時にもミルコ・クロコップ、ファブリシオ・ヴェウドゥム、ジョシュ・バーネットらと練習をしてきたしね。

そして2016年からAKDで練習し、カビブ・ヌルマゴメドフ、ジェイク・シールズといったレジェンドたちとトレーニングもしてきた。ずっとMMAとはコネクトしてきたんだ」

──ユーリはノーギの時は特にトップから攻めるという印象が強いのですが、それはMMA志向と関係があるのでしょうか。

「ADCCが僕の最高のタイトルだから、そういう風に思われるのかもしれないけど、柔術ではいくらでもボトムからの仕掛けて勝っているよ。ADCCは3度出場した。でも柔術では300戦以上戦ってきた(笑)。ボトムだって得意なポジションだよ。そうだね、戦い方っていうのはルールで変わるものなんだ。

クローズドガード、ハーフガード、デラヒーバガード、50/50ガードで勝ってきた。パスで勝ってきた。テイクダウンで勝ってきたんだ。

IBJJF、 ADCC、 EBI、コンバット柔術、ACB柔術で戦ってきた。ドーギ、ノーギ、ポイント、ポイント無し──ルールの特性に合わせて戦うんだ。

多くの人間は自分の得意なルールの試合で戦う。でも、僕はどんなルールでも戦ってきた。どのルールでも最高の相手と戦ってきたんだ。それが僕のチャレンジなんだよ」

──MMAでは柔術の技で勝ちたいと思っていますか。それともMMAの技で勝ちたいですか。

「僕は柔術家だ。柔術家として生まれ、柔術家のDNAを持つ。24年間、柔術をしてきた。それが僕の人生だった。と同時に、柔術でも常に多様性を追求して戦ってきた。試合では自分の望まない形で戦わないといけないこともあるからね。MMAも同じ思考で戦うよ。だから過去8カ月は打撃に集中してきたんだ。そうすることで、柔術をより有効に使うことができる。

打撃とテイクダウン、打撃とクリンチを合わせて、僕の柔術を最大限に使える試合をする。それこそが今回の試合に限らず、僕がMMAでチャンピオンになれるかどうかのカギになるんだ」

──対戦相手のファン・ロンの印象を教えてください。  

「良い相手だ。きっとランキングの6位のはず。ただ対戦相手のことでなく、自分のことを考えているよ。そうでないと自分を見失ってしまう。まだデビュー戦だけど、いやデビュー戦だからこそ僕にはONE世界ミドル級チャンピオンになる力があることを示したい。

MMAを体験したいから戦うんじゃないんだ。MMAを征服する。アジアを征服するんだ。ONEを征服してチャンピオンになる。柔術家を代表して、MMAを支配する。ベストになるために、とてつもなくハードな練習をしてきたからね」

■視聴方法(予定)
11月13日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix03対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)

<64キロ契約/5分3R>
ソン・ミンジョン(韓国)
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)
手塚裕之(日本)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ユーリ・シモエス(ブラジル)
ファン・ロン(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
リト・アディワン(フィリピン)

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