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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 Special ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番─番外編─ヨッカイカー✖和田竜光─02─「武道、武士道とは」

【写真】1月1日から青木が取り組んでいるモノは、決して武道ではない。青木は武士でも武道家でもなく、競技者だ (C) MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年12月の一番──だが、ここでは本来のピックアップされた3試合からではなく、いきなりの番外編から──12月18日に行われたONE 115で行われたヨッカイカー・フェアテックス✖和田竜光戦について語らう=後編をお届けしたい。

判定に理がない。だから極めろという青木真也の真意は見えてきキーワードを青木は話した。

<青木真也のヨッカイカー・フェアテックス✖和田竜光論Part.01はコチラから>


──それにしても、どう飲み込めば良いのかという判定ですね。

「どう勝つかのっていうのは見えづらいですよね。もうジャッジ次第になって。例えばエリック・ケリー✖田中半蔵はどう思いました?」

──半蔵選手の勝ちです。

「じゃぁ、安藤晃司✖ティモフィ・ナシューヒンは?」

──試合直後は絶対に安藤選手だと思っていました。あの時は大会後にマット・ヒュームとすれ違った時に、『どういうこと?』って尋ねたんですよ。そこでテイクダウンはダメージを与えていないっていう返答があり、『あぁ、そういうことなんだね』と。その後、ONEは裁定基準を公にしましたよね。若松佑弥✖ダニー・キンガド、内藤のび太✖ジョシュア・パシオ戦後に。

「実は分からない判定はかなりあったんです。ただ、それも日本人が絡んでいるから覚えているだけで。きっと僕らが忘れてしまっている外国人同士の試合でも、あるんですよ。

判定勝ちの計算ができないということは、裏を返すと『行け』ってことなんです。だから、武道だろうって(笑)」

──そこで、武道が来ますか(笑)。私には武道って分からないんですよね。武術と違い、武道とされるモノには競技会があるので。

「武道とかって完全に言葉遊びじゃないですか。そもそも曖昧なモノだし。柔術は武道か?とかって話題になることがあるけど、そんなのどっちも良いじゃん(笑)。

嘉納治五郎が柔道を武道って言いだしたのも、社会に受け入れられるためですからね。武術っていうと前時代の野蛮なモノだから戦闘に関わる者を教育に採り入れるときに、武道とした──そういう教育者ですよね」

──と同時にスポーツの開祖かと思います。

「頭が良い人だから、プロモーションに長けていた。だから武道って凄く曖昧な言葉で。武士道とか武道って皆が言うけど……武士道なら葉隠れなの? 新渡戸稲造なの?って話で。君、どっちのことを言っているの? 言っている人によって違うわけじゃないですか」

──とはいえ、和田選手の敗北に関して青木選手が武道という言葉を使うのは、ONEのいうマーシャルアーツという言葉を斜に構えて引用しているということですよね。

「そうですよ(笑)。『だって、武道なんでしょ』って(笑)。で、武道って何? どういう系譜なの?って」

──極めに行くことが武道ということではなくて……。でも、そう書くと極めに行くことが武道かと思う人も出てきてしまいますよね。

「出てくるでしょうね。でもONEだけじゃなくて、武士道って良く使われるじゃないですか。そういう精神性みたいな話を持ち出すと、戦争するしかないですよ。戦争する時に、皆をコントロールするために使った言葉なんだから。

だって普通に生きていると、仇を討つなんてしないですよ。それを圧倒的に人口が少ない武士階級の人間が、自分たちの支配力を強めるために創ったのが武士道ですよ」

──人口比でいえば7パーセントの武士が、8割以上の農民を抑えるために。実は外国人の格闘技関係者と話している時にサムライの子孫とか言われるのですが、たまに『日本の殆どがサムライではなく、ファーマーの子孫なんだよ』って話すと凄く場が白けてしまうんですよね(笑)。

「アハハハ。だって武士道のような規範意識を持っているかと思われるけど、そんなものはないですからね。規範意識がないから、持ち込んだわけで。貞操観念とかも、そうですよね。無いから戦後に持ち込む必要があった」

──それにしても、武道という言葉の解釈は難し過ぎます。明治時代に時代遅れとなった武術に関しては、現代社会においては試合がないモノ。使わないことが一番良いという、技術を磨いている。試合には出ないし、イザコザは避けるというのが私の理解です。

「まぁ護身ですからね」

──ヨーイ、ドン!!で1✖1で戦うということが、もう武術とは違ってきますからね。集団で稽古をしたり。

「武術になると水掛け論ですよね。武術的に誰が一番強いのかっていう話になると、それは米国大統領だろうって。すげぇ下らない話になってくる(笑)」

──その通りだと思います。身も蓋もない話になります。

「守る者がいないヤツが一番強いとかね。だから僕らのやっていることに──美しい精神性とか持ち込まれると、怖くて……」

──ケージで戦う青木真也は武士ではないですしね。

「ハイ。競技者です。だから和田さんの試合に関しては、競技者としてはONEという場では、圧倒的に攻めないとダメだということが可視化されたんです。ずっと格闘技をやり、見てきた俺ですら全く判定基準が分からないんだから。

それと判定は覆らないと言ったんですが、サゲッダーオ(ペットパヤータイ)は勝った試合があとから覆っていましたね。あとから負けにされた(※2018年6月のマー・ジャワン戦)」

──ハイ。ジョルジオ・ペトロシアンとペットモラコット・ペッティンディーアカデミーの試合は、ペトロシアンの負けからノーコンテストになって、再戦でペトロシアン勝利というのもありました。これって身も蓋もないのですが、競技、武道でなく武術っぽくないですか(笑)。

「もう分かんないですよ(笑)。よく分からないから、仕方ねぇなぁ──圧倒しろ、極めろって話なんですよ」

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【Special】月刊、青木真也のこの一番─番外編─ヨッカイカー✖和田竜光「答え合わせができない」なら

【写真】MMAとしてはあり得ないとMMAPLANETでは評した一戦について、青木が深くメスを入れる (C) ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年12月の一番──だが、ここは本来のピックアップされた3試合からではなく、いきなりの番外編から──12月18日に行われたONE 115で行われたヨッカイカー・フェアテックス✖和田竜光戦について語らおう。

青木ならではの視点、全体を俯瞰しつつ、局地的に仰望する興味深い話が聞かれた。


──業界を騒然とさせた和田選手のヨッカイカー・フェアテックス戦の判定負けですが、「青木選手は一本を取らないと。武道は」という感想をツイートしていました。

「ネット上で関係者の人が怒っていたじゃないですか。でも、あの反応はもうこの試合が判定がおかしいからだけでなくて、2020年の状況を色濃く反映していたかのように思います」

──というのは?

「コロナで自粛したり、不条理なことを経験してきて。皆が政府の対応とかに不満を持っている。加えて関係者の人は、今のONEの対応に『なんなんだ』という感情があるから」

──アハハハハ。

「そこに加えて不条理っぽい判定結果になったから、火がついたと思います」

──なるほど。なぜ青木真也の試合が10月に組まれなかったんだ。なぜ、日本人選手の試合は録画枠が多いのか。なんだ、和田の対戦カードの変更は?という感情があるわけですね。

「そうなんです。あの後、試合は2回ぐらい見直したのですが……、おかしいといえばおかしいです。でも平等な範疇ではあります」

──平等ですか?

「平等の範疇です。和田選手も何もしていないといえば、何もしていない」

──1Rにバックマウントを取って殴り、2Rもテイクダウンがあった。

「それを攻勢と採るのかっていう話でいうと微妙ですよ」

──いやヨッカイカーの攻撃との比較論でいえば、バックとパンチはよりフィニッシュにより近いです。ヨッカイカーのローよりも。

「ローを採られてもおかしくないよって話ですよね」

──それはMMAとして見て、ですか。それともONEだから、ですか。

「いや、ONEだからですよ」

──そこなんですよ。ONEだからあり得るという意見が当然になると、じゃぁONEのMMAって何なのっていうことですよね。修斗でチャンピオンになったらONEと契約。でも修斗のチャンピオン、ヨッカイカーの戦い方で勝っていない。なら、あの判定で勝てる選手がONEに行かないと。あくまでもONEのMMAであって、他のMMAとは違ってきます。

「それをいうなら、修斗とONEは同じルールでやらないと。もう、そこからですよ。おかしいのは。この話題とは関係なくありますよね」

──はい。ONEへはユニファイドでなく、ONE判定で勝てる選手が行くべきかと。ONEだと魚井✖田丸は、魚井選手の勝ちです。ならONEへは魚井選手のような選手がいくべきで。

「う~ん、MMAの定義が違いますよね。確かに判定はおかしいですよ。でも、和田さんが文句を言える筋合いじゃない。文句を言っても覆られないんだから。

まぁ勝ちですよ、和田さんの。MMAなら。でも文句をいっても、ジャッジもONEも変わらない。試合をするなら勝つ、そうでないと試合に出ない。出て負けて、文句を言ってもしょうがないから」

──そこで青木選手は極めないといけないというロジックです。

「極めないと負けですよ」

──なら一本、KO決着でなければドローにすべきで。判定決着があるのに、一本、KOでないといけないというのは違うかと思います。判定勝ちがあるなら、判定勝ちをしっかりと裁けるジャッジがいないと。

「そこでいうと判定っていうモノ自体が、決められないモノを決めるという行為で。決着しないモノの勝ち負けを決めている。だから、そもそも判定になった時点で何かされても『仕方ない』ことなんです」

──では青木選手は江藤選手との試合で判定負けになっても納得できる?

「仕方ないです。それも含めて強さ。結局、勝ったヤツが強い。変な話で、あってはいけないけど、ジャッジが非難されるような判定でも勝てば良いわけじゃないですか。

だから判定で負けたということは、相手の方が強かったってことですよ。一本、KOでなくてもヨッカイカーが判定で勝ったということは、あの日はヨッカイカーのほうが強かった」

──う~ん……、MMAとしてONEだからあり得る判定でも──ということですね。

「ハイ。だから競技者として、極めないといけないと思っています。ジャッジをそこまで信用していない。だって分かっていると思えないから。

そしておかしな判定はONEだって、修斗だって、パンクラスだって、UFCだってある。同じです」

──ONEはもともとユニファイドと違う裁定基準ですが、そこをも逸脱した感はぬぐえないです。それ以前の微妙な裁定でなく、あの裁定には理が見えない。

「確かに、理解はできないですよね。内藤のび太✖ジョシュア・パシオの時は内藤がコントールして、パシオは殴っていた。ONE裁定だとパシオだという答え合わせができた。でも、和田✖ヨッカイカーは答え合わせができない」

──答が合わないですからね。だから、ONEならあり得るっていう意見は今回は許容できなかったんです。格闘技って、好きな人間にとって理屈がないと。それがないと、ただ殴った、蹴った、投げたってことで終わりですし。

「ハイ、分かります。理屈があって勝負論が成り立つ。それが、あの試合にはなかった。となると──理屈がないんだから、何されるか分からないって言う気持ちで戦わないと。

それをね、ジャッジを変えろとか、あんな判定あり得ないって選手側が言ってもしょうがないんです。そういうところで戦っているんだから。極めるか、圧倒するしかない。覚悟決めるしかないんです。

アレであり得ないっていっているファイターや関係者はちょっと甘いなって思います。勝負師としてジャッジのせいで負けたとか口にするのは。○○のせいで負けたって言っちゃだめなんです」

──自分は仕事として、そこはやはり納得できないですね。あの判定はありえない。

「いや、それは記者として言い続けてください。報じる立場は好きに言ってください。むしろメディアは自浄作用というか──。浄化する作業が必要だから。そこは重要だと思います。でも、選手は勝敗を他人のせいにしちゃダメです」

<この項、続く>

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ONE ONE Collision Course ONE115 Report ブログ マラット・ガフロフ ローウェン・タイナネス

【ONE115】最終回に組み勝ったガフロフが、2-1で勝利。復帰のタイナネスはキャリア初黒星

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
マラット・ガフロフ(ロシア)
Def.2-1
ローウェン・タイナネス(米国)

ガフロフが左ハイ、距離を詰めて右ローを蹴る。さらに左ミドルを蹴り、タイナネスが右ローを返す。ガフロフの右オーバーハンドを見て、右ローを再び蹴ったタイナネスはスピニングバックキックをかわす。タイナネスは右ローを続け、オーバーハンドをブロックする。ガフロフも右ローを蹴り、タイナネスは右を振るって組みつく。

ボディロックで前方に崩されそうになったガフロフが、ブルドックチョークのように抱える。タイナネスは立ち上がり、ヒザが急所に入っても意に介せず組み続ける。掌底を見せたガフロフは、ケンケンガードでテイクダウンを耐える。ダブルレッグに入り切れないタイナネスは左のパンチを顔面に入れる。残り50秒でブレイクが掛かり、ガフロフは左ローからフックを振るう。タイナネスが左フックを当て、組みつきながら左をもう一発入れてボディロックテイクダウン、ガフロフが立ち上がり胸を合わせたところで初回が終わった。

2R、ガフロフは前蹴り、マットに手をついてのキックを繰り出す。距離を図り、右ローを蹴ったタイナネスはシングルレッグ、リリースして右フックを振るう。すぐに組みなおしたタイナネスは、ガフロフのヒザ蹴りのタイミングでダブルレッグを決める。立ち上がったガフロフはもう一度、前方に崩されヒザをついた状態からスタンドへ。

やや削られてきたガフロフは、ケージを背負った状態で左のフックを顔面に被弾する。ここでは残り2分でブレイクが掛かり、ガフロフは自らの前蹴りでスリップする。すぐに立ち上がったガフロフは体を傾けながら左ミドル、タイナネスが右フックを当てる。ガフロフの左ローが急所に入り、試合が中断する。再開後、ガフロフのスピニングバックをかわしたタイナネスは、跳び蹴りを見せる。ガフロフのミドルの着地に、タイナネスが右フックをヒットした。

最終回、タイナネスが右ローを入れ、ガフロフは左ハイを繰り出す。さらにローを続けたタイナネスはガフロフの右を打ち込み、左足にシングルレッグを仕掛けテイクダウンする。ガフロフはここも立ち上がり、グラウンドでの抑え込みを許さない。と、体を入れ替えたガフロフがシングルレッグへ。頭を押して防ぐタイナネスだが、ついに尻もちをつかされ背中をマットにつかされる。

バタフライガードにもボディロックに出たガフロフ、背中を譲って立ち上がったタイナネスは再び倒され、バックを許す。タイナネスは背中を譲ったまま立ち上がり、スイッチからコブラ、サイドバックを習い鉄槌を落とす。キムラで耐えるタイナネスだが、尻もちをつかされた形から立ち上がり、ワキを潜られバックを許す。最後の20秒で胸を合わせたタイナネスがシングルレッグを切り、鉄槌から胸を合わせたところでタイムアップに。

ジャッジは割れ、ガフロフに凱歌が挙がりタイナネスは初黒星を喫した。


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ONE ONE Collision Course ONE115 Report トロイ・ウォーセン ブログ ユーサップ・サーデュラエフ

【ONE115】ワンツー、右ジャブが冴えたサーデュラエフがウォーセンに判定勝利

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)
Def.3-0
トロイ・ウォーセン(米国)

サウスポー同士の一戦。サーデュラエフがワンツーを伸ばし、組みつくと一気にボディロックテイクダウンを奪う。クローズドガードからハーフに戻し、スクランブルに持ちこんだウォーセンは、ローに右を合わせようとする。サーデュラエフはもう一度組みつくと首相撲からヒザ蹴り、ウォーセンはボディを殴り、ケージに押し込む。

サーデュラエフはヒザを入れ、ウォーセンが残り90秒で離れる。慎重な間合いのなかで、サーデュラエフが右フックをヒット。ウォーセンは再びケージにサーデュラエフを押し込むも、ヒザの交換で急所を蹴られ悶絶する。再開後、すぐに時間となった。

2R、組んだウォーセンがサーデュラエフをケージに押し込む。ブレイクが掛かり、両者が分けられるとサーデュラエフがワンツーを当てる。さらに右ジャブを当て、左ストレート、左フックを当てて打撃戦をリードする。ウォーセンはまたもクリンチで押し込むが、ここから展開を発展させることはできなかった。

最終回、右ジャブを当てて変わらず立ち技をリードするサーデュラエフ。ウォーセンは左ローに右を合わさるが、ローや左フックを当てて組みには行かない。さらに左ローから左フックを振るウォーセンに対し、サーデュラエフが右ジャブを突き刺す。ウォーセンも負けじと、ジャブを伸ばし打撃モードのなかでダブルレッグに出る。

サーデュラエフは倒れず、ウォーセンも時間を使いたくなくすぐに離れる。残り1分、サーデュラエフはまたもワンツーを入れ、ウォーセンの前進には首相撲からヒザを狙う。最後はパンチを打ち合った両者、サーデュラエフが3-0の判定勝ちを手にした。


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ONE ONE Collision Course ONE115 Report ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】和田竜光がヨッカイカー・フェアテックスにありない判定負け。この裁定はもうMMAじゃない

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)
Def.2-1
和田竜光(日本)

サウスポーのヨッカイカーに真っすぐ組みついた和田が、ケージに押し込む。右腕を差して頭の後ろで組んだ和田が投げを狙い、耐えたヨッカイカーに右アッパーを突き上げる。和田は胸を合わせて押し込むと、技はヒザをボディに入れる。ヨッカイカーが右ヒザを放つも、和田の顔には届かない。

和田はオタツロック、スタンドでバックを制して寝技に持ち込む。胸を合わせてきたヨッカイカーが身動きが取れなくなる。逆を向くミスを犯したヨッカイカーは、必死に胸を合わせようとするが完全に背中を取られる。後方からパンチを頭部に、エルボーを肩に入れる和田は右のパンチ、エルボーを打ち込みタイムアップに。

2R、ヨッカイカーは左フックをかわし、クリンチからボディを殴った和田は距離を取り押す。ヨッカイカーはローからハイと左の蹴りを使うも、パンチは遠く空振りに。と直後の左ローが和田の急所にモロに入る。たまらずキャンバスに倒れ込んだ和田は、立ち上がって準備を整えるが、もう一度正座でしなおす。再開に応じた和田は右ローを空振りしてからクリンチへ。

ヒザを蹴り合い、ケージに押しこむと右を差し上げてテイクダウンを決める。ハーフで抑え、肩固めを伺いつつ足を抜きに行く。ここでヨッカイカーが立ち上がり、逆に和田をケージに押し込んでいく。和田は両ワキを差してヒザを入れ、もう一度右を差し上げて投げを狙う。ここはヨッカイカーが耐え、左ミドルを入れたところでタイムに。

最終回、和田のテイクダウン狙いを切ったヨッカイカーが左ミドルを蹴る。右を当てた和田に、ヨッカイカーが左フックを入れる。首相撲から両ワキを差しにいき、ケージにヨッカイカーを押し込む和田。左は差せないでいると、ここでヨッカイカーのヒザが急所に当たり、和田が渋い表情を浮かべる。リスタートし、ローを蹴られた和田は右を差し、ヨッカイカーが腰に乗せて投げを狙い、さらに崩してバランスを崩される。

離れた和田はローを蹴られながら、右をワキを差し、さらにシングル、もう一度右を差していくがヨッカイカーは倒れず、押し込み返す。今度は和田のヒザが急所に入り、試合は中断。すぐに再開となり、和田が右を当てる。ヨッカイカーもショートのワンツーを返し、試合は残り90秒に。

ヨッカイカーは左を空振り、パンチは組まれるのを嫌がり踏み込まない。和田は組むぞと見せかけるフェイクも、前足を左ローで蹴られる。最後の10秒、ローをかわした和田はそのまま距離をキープし試合を終える。

なんとジャッジの裁定は割れ、和田は判定負け。これはもう、MMAでなく立ち技+効果が認められない組が許されただけの試合だ。


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ONE ONE Collision Course ONE115 Report シェ・ウェイ チャン・ロタナ ブログ

【ONE115】左を決めたシェ・ウェイが、チャン・ロタナをパウンドアウト。Ref.Yuji Shimadaがストップ

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
シェ・ウェイ(中国)
Def.3R by TKO
チャン・ロタナ(カンボジア)

左から右オバーフックを放ったシェが、ロタナの後回し蹴りにも左右のフックを伸ばし、ハイキックを狙う。ロタナは距離ができるとスピニングバックキックをもう一度見せるも、低いガードにシェが踏み込んでフック、クリンチから足の甲を踏みつけてる。

ダブルは切ったロタナがボディにヒザを入れるが、ボディロックでテイクダウンを取られる。シェはパスを決めサイドで抑えると、クルスフィックス&パンチを入れる。ロタナは腕を抜いたが、足を戻すことができない。それでもヒザを頭に放ち、マウント狙いに腕を差して立ち上がる。直後にテイクダウンを取り返したシェが、ハーフからヒザを入れ、右のパンチを落として初回をリードした。

2R開始直後にハイを入れ、続いて右ストレートをロタナが打ち込む。シェはスピニングバックキックを腹に入れ、ロタナは2回転の後回し蹴りを繰り出す。ロタナは右オーバーハンドを当て、シェは右前蹴りで距離を作る。ローに右を合わせたロタナはローで足を払い、シェを転がらせる。すぐに立ち上がったシェ左ミドルにフックを合わせようとする。

ロタナは声を上げながらローに右ハイを合わせ、シェが手をマットにつける。立ち上がったところにロタナはステップジャブ、右ストレートを伸ばす。シェはリードフックも勢いが落ちて来たか。鋭い右ローを走らせたロタナに、ミドルを入れて組みついたシェはエルボーを入れて離れる。さらにカウンターの右を当てたシェに対し、ロタナも右を当て返し、ラウンド終了に。ロタナがラウンドを取り返したか。

最終回、ハグから始まった最後の5分──シェが右前蹴りを顔面に届かせ、左ストレートを打ち込む。ロタナは左ローを空振りし、バランスを崩す。それでも右ローを入れたロタナは、もう一発鋭いローを蹴り込む。と、ローに右を当てられ、続いて左フックを被弾したロタナがダウン。右のパウンドを連打したシェがTKO勝ちを決めた。


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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】和田竜光と対戦、ヨッカイカー・フェアテックス─02─「コーチなし。でもマイペンライ」

【写真】コーチなしも、寝技もマイペンライ? (C)ONE

今夜18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、和田竜光と対戦するヨッカイカー・フェアテックス・インタビュー後編。

ムエタイ出身、強烈な打撃の持ち主でありながらスクランブルと柔術を習得し、タイのMMAの進化の象徴であるヨッカイカーは、和田との試合にジムからコーチが派遣されていないという驚きの現状を話した。

<ヨッカイカー・フェアテックス・インタビューPart.01はコチラから>


──ところでヨッカイカーは、なぜムエタイからMMAに転向したのですか。

「それもムエタイを始めた時と同じさ。何か新しいことにチャレンジしたいと思ったからだよ。そしてフェアテックス・ジムのオーナーがMMAに挑戦するのも良いし、まずはムエタイとMMAを並行してやってみるべきだと言ってくれたんだ」

──バンコクでの試合ではパンチでKO、ローキックで対戦相手を戦闘不能に追い込みました。また、打撃だけなく柔術、スクランブルを駆使し、ついにMMAの組みを消化したムエタイMMAファイターがタイから出てきたというインパクトを与えました。

「試合中、打撃で戦うのか、組技を使うのを決めて戦うことはないよ。その場に応じて必要なことをしているだけで。確かに僕はムエタイ出身だ。でもグラップリングもブラジリアン柔術もムエタイと同じように大好きなんだ」

──ではバンコクのタイ国内ショーから、シンガポールで行われるグローバルショーへの出場に関してはどのような気持ちでいますか。

「タイ以外のONEで戦う初めての試合だし、少しナーバスになっている。そうだね、難しさは感じているよ。それが正直なところだ。今回、シンガポールにはコーチなしで1人でやって来たから、そういう面でもね」

──えっ、試合なのにコーチがいないのですか。

「そうなんだ。ただ、心配はしていないよ。マイペンライ、十分に練習をしてきたし」

──それにしても、コーチが来ないというのは?

「もうすぐニューイヤーだというのも影響しているだろうね。何よりもジムの他の選手も試合を控えている。今、シンガポールにやってきてタイに戻ると2週間の隔離措置が取られ、ジムで指導ができなくなってしまうからね。

でも試合の時はロドレック・PKセンチャイジムのコーチがコーナーについてくれるから大丈夫だよ。ワダと戦うことになり、メインカードに変更されたから可能になったんだ」

──……。ところで和田選手からはグラップリングは自分が上で、立ち技だけでも負けていないとい発言がありました。

「彼のグラップリングが僕より上なのは、絶対的に正しいよ。それでも僕もグラップリングやブラジリアン柔術の練習をしてきたからベストを尽くす。ワダを怖がることはない。

そして……打撃でも負けていないと彼が言ったということだけど……驚くしかないね。まぁ、どうなるのか試合で明らかになるだろう。僕も自信はあるよ(笑)」

──では、試合で何を見せたいと思っていますか。

「う~ん、どういえば良いかな。今は特に何を見せたいとかはないかもしれないね。言えることは、自分が何者か僕は知っているということ。ワダの動きを見て、勝つために必要なことは何でもするよ」

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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】和田竜光と対戦、ヨッカイカー・フェアテックス─01─「僕にとってはビッグステップになる」

【写真】 MMAでは和田であることは間違いない。それをヨッカイカーも理解しているからこそ、何がか起こる可能性があり──怖い(C)ONE

いよいよ開催が明日、18日(金・現地時間)に迫ってきたONE115「Collision Course」。シンガポール・インドアスタジアムで開催される同大会で、ヨッカイカー・フェアテックスが和田竜光と対戦する。

ムエタイの経験は100戦以上、MAXムエタイでフライ級チャンピオンとなっているヨッカイカーはMMAでは6勝2敗1分の選手だ。

コロナ過のタイ・ドメスティック2大会でONEと契約し、ジョン・シンクを左ストレート、アレックス・シルドをローキックで撃破し、大きなインパクトを残した。

ガードワーク、スクランブルと現代MMAを駆使するムエタイ戦士──タイMMAの今に初インタビューを試みた。


──金曜日に和田竜光選手と対戦するヨッカイカーです。今の調子を教えてください。

「フィジカル的には、本当にしっかりと準備できている。ワダと戦うの何も問題ないよ。ただし、精神的な面でいえばワダの過去の試合を見て、少し驚いているよ。特にDJとの試合から、彼が如何にタフな対戦相手か理解できた。

でも、この試合に必要なことは、しっかりと準備できているから怖がることはないよ」

──本来、この試合はインドネシアの他のファイターと対戦予定でしたが、急遽キャリア最強の対戦相手に代わりました。

「よく知っているね(笑)。確かに僕は違う相手と金曜日に戦う予定だった。それが先週の木曜日か金曜日にワダと戦うことが決まったんだ。確かにワダとの試合は、最初に予定されていた試合よりも難しいモノになるだろうね。

実際、この変更には驚かされたよ。ただし、僕がキャリアアップするためにも、凄く大きなチャンスが巡ってきたと思っている。僕はまだONEチャンピオンシップでは7月と8月のバンコクでの大会でしか戦っていない。それが3戦目で、チャンピオンと対戦経験のあるワダと戦うことになった。

確かに困難な試合になるよ。そして僕にとってはビッグステップになる。そんな試合が急に決まったことに驚いたんだ」

──日本のMMAのファンも和田選手と戦うことで、ヨッカイカーへの興味が深まりました。さきほど言われたように7月のバンコク大会でONEとサインをしました。契約した時はどのような気分でしたか。

「夢が現実になったような気持ちだったよ。凄く興奮した。ONEと契約したいとずっと思ってきた。そうだね、古くからの友人だったセーマーペッチ・フェアテックスがONEと契約した時から、僕はONEで戦いたいと思ってきたんだ。セーマーペッチと同じ場所で戦いたいってね。

いずれにせよ、このタイミングで契約できたことは幸運だった。Covid19のパンデミックでONEと今年中に契約できることなんてないと諦めていたから。

実際、7月の大会でオファーがあったのはパンデミックの影響で、タイにいる選手しか試合に出ることができなかったからだ。そして、タイ人のMMAファイターは決して多くないから僕が選ばれた。

フェアテックス・ジムのコーチやオーナーも、本来はまだ僕がONEで戦うには経験が必要だと思っていたんだよ。だから、ラッキーだった──このタイミングでONEと契約できたのは。そんな幸運を逃すわけにはいかないから、7月のONEデビュー戦ではしっかりと練習を積んで万全の状態で戦ったよ」

──ヨッカイカーのベースは、当然のようにムエタイです。なぜ、ムエタイを始めたのですか。

「ただ自分の人生で新しいことをしたかった。新しいチャレンジがムエタイだったんだ。それだけよ(笑)。そしてMAXムエタイのフライ級チャンピオンになれたし、ルンピニーやラジャダムナンでも10試合以上戦ったよ」

──ムエタイ時代のスタイルは?

「ムエマッド(パンチャー)だよ」

──フィームー、ムエカオ、ムエマッド、どのスタイルが最もMMAに適していると考えていますか。

「ムエマッド、ムエカオ、フィームー、そのどれかがMMAに適しているとか?  う~ん、そうだね……それは僕がどんな風にタツミツ・ワダと戦うのかを見て判断してもらおうかな。

それに……個人的なことをいえば、MMAを戦うには僕は打撃よりも、グラップリングの方に力を入れて練習しているからね」

<この項、続く>

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【ONE115】ヨッカイカーと対戦、和田竜光─02─「僕が持っているモノは変わらないので。それを使って」

【写真】月に1度、家族で福島県郡山の田代トレーナ―の下を訪れる和田 (C)TSP

18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、ヨッカイカー・フェアテックスと対戦する和田竜光インタビュー後編。

日本を離れる直前に対戦相手がキム・デファンから変更された和田の離日前の福島での練習をABEMA TVのTHE WONDERが追った。

なぜ福島なのか。そこで何をしているのか。加えて対戦相手変更に動じない和田のMMA観をここでさらに掘っていきたい。

<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>


──橋本選手との試合を経て、まずキム・デフォン戦はいつ頃に決まったのでしょうか。

「11月に入ってからですね。ちょうど角海老宝石ボクシングジムも一般ジム生の練習も通うことできるようになって、同時に福島に行って田代(勝久)さんにミットを持ってもらうようになっていたのでタイミング的にも良かったです」

──福島まで行き、田代トレーナーにミットを持ってもらうというのは?

「田代さんにはずっと持ってもらいたいです。

角海老ジムでは奥村(健太)トレーナーにきっちりと基礎からパンチの打ち方を教えてもらっていて、田代さんのミットは気持ち良く打たせてくれる──そういう違いがあるんです。

一番良いところで受けてくれます。しっかりと打つべきところに打つミットも必要ですし、田代さんのように少しずれてもミートしてくれるリズム・ミットも気持ちをあげてもらえます。

今日、釜谷(真)さんに持ってもらっていたミットは、バシンと打つミット打ちです。田代さんとのミットは種類が違って──阿吽の呼吸のように5分で13Rぐらい持ってもらっています」

──気持ちが良くなるミット……ですね。

「コンビネーションを少しずつ入れてもらって。これがボクシングとして正しいかは分からないです。でも、僕はこれで伸びたんです。

ただしミット打ちでやっているコンビネーションは試合ではないです。MMAですから。でも、何かのタイミングでブロックして返したり、避けて返す。1試合に一つ出れば良いと思ってやっているリズム・ミットです。体に入れたいモノなんです」

──練習の全てが生きるのではなく、何かの拍子で生きるものだと。

「そうなんです。ソレが呼吸するように出れば良いかなって思っています」

──それでも福島、郡山まで行くというのは……それだけ必要なのですね。

「車で家族と日帰りで行っています。大変なんですけど、渋滞もあるので早朝に出て……ぶっ飛ばすと、3時間弱で到着するので──嫁と娘は海鮮丼とか食べて、小旅行の気分です(笑)」

──それは素晴らしいです。ところで対戦相手がヨッカイカー・フェアテックスに代わりました。

「試合の1週間前になる直前に自分も聞いて……。ちょうどPCR検査を提出する日だから、感染したのかなって思っていました。

とかくい試合が飛ばなくて良かったと思って、シンガポールに来たらホテルにキム・デフォンがいるんですよね(笑)。しかも動いた後で、汗をかいていて……で、スタッフに『これ行き違いがあって、俺の相手はキム・デフォンじゃないの?』って聞いたんですよ」

──それはそうなりますよね……。

「そうしたら、キム・デフォンは違う相手と試合があって……君の相手はヨッカイカーだよって」

──意味不明ですよね(苦笑)。

「コロナだから対戦相手が分かったと思っていたら、そいつは違うヤツと戦う。なんなんでしょうね。タイトル戦が飛んで、そこに同じ階級の選手が入るなら分かるんですけどね」

──もう、それはキム・デフォンの相手有りきですよね……きっと。戦える者同士の試合が、このタイミングで崩れるのは。ライブ大会でなくディレイ放送枠は、対戦カードが分からないので確かなことは言えないのですが……。

「契約者もサインしたあとですしね(笑)。まぁ、提示された相手と戦うのは問題ないですけど、それがシステムとしてまかり通るなら、俺も試合を飛ばしてもお咎めなしなのかなって思っちゃいました(笑)」

──おっしゃる通りです(笑)。そしてカード変更の説明は欲しいですよね。ともあれ対戦相手はヨッカイカーになりました。7月と8月のバンコク大会で2連勝した注目株です。

「KOするパンチがあるし、蹴りとかも食らったら痛そうで、気を付けるポイント……武器としてのゲージはキム・デフォンより高いです」

──MMAファイターとして、ガードワークやスクランブルの攻防も見せていました。

「出来ないわけじゃない……寝ても、それなりにできる。ストライカーとしての最低限の動きはまぁできるという感じですね」

──不覚を取ることはできないです。

「そりゃあ負けていらない相手ですけど、DJとランカー達以外は同じです。キム・デフォンもヨッカイカーも弱くはないけど、負けていられてないです。スタイルが違うけど、そういう意味では全員同じです。

僕はもともと対戦相手は誰も良いというスタンスなんで。ランキングの上のヤツと戦いたいですけど、誰とやりたいというのはDJとヘンリー・セフード(笑)以外はないんです。目標はONEのベルト、MMAを戦ううえで目標はそこだけです。ONEで戦うのは、ベルトを獲るためです。それが無理だと思ったら、辞めるでしょうし」

──つまり相手がヨッカイカーに代わっても、自分の試合をするだけということでしょうか。

「勝ちを狙うのはもちろんですが、相手が代わるからといって、そこには変化もないです。対策練習とかしないですから。そういうことをしている選手からすると、プランが変わるのでしょうけど。僕はイメージだけして、何をやるとか決めてケージに入るのではないので。

ヨッカイカーはタイプとして、ローやヒザが痛い。キム・デフォンからスクランブルが多くて頑丈なんだろうなって。そういうことですね。相手の武器によって、こっちのリアクションは変わりますけど、だからって何が変わるわけでじゃないです。戦い方は変わっても、一つの試合なだけです」

──そこで動揺しないのは和田選手の強味ですね。

「僕が持っているモノは変わらないので。それを使って戦うだけですから」

──ただし相性はあります。その部分でヨッカイカーとの試合はどのような戦いになるでしょうか。

「組めば僕の方が強いと思います。打撃だけやっても、負ける気もしない。ただし、勝つ確率の上がる戦いをします」

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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ マラット・ガフロフ ローウェン・タイナネス

【ONE115】大病からのカムバック。あの日の強さを見せることができるか、ローウェン・タイナネス

【写真】あの日の強さを維持しているなら、クリスチャン・リーに勝つ力を十分に持っているタイナネス (C)MMAPLANET

18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、ローウェン・タイナネスが1年11カ月振りの実戦復帰戦を戦う。

プロ2戦目でエドゥアルド・フォラヤンを破り、その後も勝ち続け10勝0敗のレコードを持つタイナネスだが、負傷や契約問題でキャリア9年で、これだけしかファイトをしてこなかった。

2年9カ月振りのファイトを昨年1月に戦った後、背骨や手足の関節、腱や筋の付け根に炎症をきたす脊髄関節炎を患い、その治療に集中してきたタイナネス。

今も痛みがフラッシュバックがあると彼は、心身ともにタフになり、MMAに戻ってきたと言い切った。マラット・ガフロフを相手に、あの無双だった強さを見せることができるのか。タイナネスにこの試合への想いを訊いた。


──2019年1月、2年9カ月振りの試合を戦いホノリオ・バナリオを初回でパウンドアウトし、ようやくライト級戦線に戻ってきたと思ったら、また1年11カ月もケージで戦う姿を見ることができなくなりました。

「脊髄関節炎になり、体中の色々な節々に痛みを感じるようになった。激痛をね。痛みを取り除くというか、自分を普通の状態の戻さないといけなかった。自己免疫を自分でつくってね。そりゃ、時間が掛かってしまったよ」

──これだけ試合が再びできなかったことをどのように捉えていますか。

「正直にいえば……しょうがないよ。まずは健康が第一だ。好きなことをしたいというのは、そこがあって初めて考えることができることだからね」

──確かにその通りですね。加えてCovid19のパンデミックも起こりました。ローウェンのキャリアに、この影響はありましたか。

「Covid19は僕だけでなく、皆に影響を与えたよ。ただし、僕にはそれほど影響があったとは思っていない。新型コロナウィルスの有無に関係なく、僕は常に自分の健康と向き合わないといけなかったら。

ファイトのことを考えるよりも、とにかく自分のことを考えないといけなかった。ビーチを走ったり、ワークアウトはできる。でも、そうするとまた違う痛みに襲われるんじゃないかって、どうしてもフラッシュバックに襲われてね……」

──……。いつ頃からケージに戻れると思うようになれたのですか。

「20度以上も専門医に血液検査をしてもらった。一つが良くなっても、また違う場所に痛みを感じるような状態で、全ての検査項目で陰性にならないといけなかったんだ。本当に自分の置かれた状況が信じられなかったけど、ダイエットをしてあるべき体重にすると、症状は回復していったんだ。

僕の体、体質が望まない食事などを排除していく日々だった。それを見つけて、体調を整えてきた。だから、言ってみれば前回の試合から常に試合を戦う準備をしてきたってことだよ(笑)」

──いや、本当に尊敬すべきタフさです。

「心身ともにね(笑)。人生に必要な全ての要素でタフになったよ。それが僕の人生だからね。MMAを再び戦いたい、ずっと思ってきたことだ」

──この間、ライト級のタイトルホルダーはクリスチャン・リーに代わり、ローウェンが欠場したワールドGPの優勝も彼でした。

「その通りだ。そして、それが現実だ。僕がどうこうできることじゃないから、この現状を理解して戦っていくだけさ。ライト級はチャンピオンだけでなく、新しい名前が多く見られるようになった。チャンスを逃さず、一つずつ勝っていくことだよ。

とはいっても、今週の試合が大切だ。まず、この復帰1戦目を乗り越えないとね。何より、また戦えるんだ。しっかりとすべきことをやるよ」

──マラット・ガフロフの印象を教えてください。

「元世界チャンピオンでレジェンドだ。スタイルは……僕に似ている部分もある。フェザー級時代よりも、計量も簡単になっただろうし──なぜ、ライト級を選んだのか、試合で確認するよ。彼に今の僕の持つ課題をぶつける。そうだね、もってこいの相手だよ」

──マラットの過去数試合のパフォーマンスは、良いとは言えません。

「分かっているよ。ただし、前回の悪かった動きを想定するわけにはいかない。彼も僕もそうだし、常に新しいチャレンジをしている。だから、金曜日のマラットが前回と同じだとは思っていないよ」

──ローウェン・タイナネスは今もライト級で最高のファイターです。タイトル獲得へ向け、トップ戦線で戦う自信をどれだけ持っていますか。

「そういってもらえて嬉しいよ、ありがとう。とにかく、今は自分は何ができるのかを次の試合で試すよ。そこに集中しているから、その質問は試合後に聞いてくれないか(笑)。今はマラットに鉄槌を落とすことだけを考えているから」

──分かりました。楽しみにしています。金曜日の夜、何を見せたいですか。

「僕を見せたい。この2年で僕のことを知らないファンも増えただろう。そして、僕のことを知っているファンも、僕がどれだけできるか──疑問視しているはずだ。だから、何も変わっていないことを試合で見せる。そして、ローウェン・タイナネスは今もベストマーシャルアーツ・ファイターになる過程にあることを証明するよ」

──ローウェン、今日はありがとうございます。

「日本にいる僕のことを知らないファンは、ローウェン・タイナネスがどんなファイターかを見てほしい。僕のプロMMAデビュー戦は、父と一緒に戦った日本のHEATだった。あの日のことを忘れたことはない。日本に戻る日が待ちきれないよ。ドーモ、アリガト!」

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