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【DEEP OSAKA IMPACT2024#01】MANAと対戦、ストライカー栗山葵「攻めるためのレスリングも」

【写真】人柄とMMAの姿勢が伝わってくるかのような笑顔。次はヒョウ柄もお願いしますっ!!(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2024#01で、栗山葵がMANAと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

栗山は2022年からスタートしたDEEP JEWELSのフライ級トーナメントでは中井りんに敗れ、ベルトに届かなかった。しかし2022年以降の敗戦は中井戦のみで、現在は2試合連続KO中だ。その栗山に、明らかに変わってきたファイトスタイルと、所属するスモーカージムの変化について訊いた。


――栗山選手といえば、どうしてもタトゥーとヤンチャ時代のお話が多いですね。

「アハハハ、どうしても多くはなってしまいますね。私もそれで売っていきたい、というわけじゃないんですけど(苦笑)」

――確かにタトゥーは目立ちますが、そのために苦労も多いだろうとは思います。

「一番はお風呂ですね。私はお風呂が大好きなんですけど、やっぱり入れない銭湯は多くて。入れたとしても、他の人の視線は強いです。あとは冠婚葬祭の時に隠し切れないと困るとか――私としては『しゃあないわ!』と思っていますね。自分が選んだことですし」

――栗山選手が格闘技を始めたのは25歳の時で、その頃にもうお仕事にも就いていたのですよね。

「はい。建築の仕事に就いたのは17歳の時でした。2年生の時に高校を辞めていて」

――17歳から今まで現場のお仕事をされていると、管理職も経験しているのではないでしょうか。

「職長(※建設現場における責任者)もやっていました。ただ、本気でMMAに取り組むために、ここ1~2年はあまり現場には出ていなくて。

2021年2月、杉山しずかさんに負けたじゃないですか。あの試合はMMAを始めて1年ぐらいで、ホンマに悔しかったんですよ。MMAのことを何も知らずに、恥ずかしい負け方をして。もっともっとMMAをやりこまなアカンと思いました。私も当時26歳で、MMAとの向き合い方を考えるなら、これが最後のチャンスや――と」

――杉山戦の前と後では、どのような点が一番大きく異なりますか。

「気持ちの面は変わっていないです。やっぱりMMAの知識や技術の面では違いますよね。今5~6年MMAをやってきて、ようやく分かることもあるじゃないですか。『あの時あのレベルで、よう試合に出ていたな』とか思ったり(苦笑)」

――もともとサッカーをやっていた栗山選手がMMAでは立ち技主体のスタイルを選択した。それは所属するスモーカージムのスタイルも関係しているでしょう。ただ、その場合「盛り上げるために立ち技で、打撃で試合をする」と考えるファイターも少なくないです。

「はい、そうですね」

――一方でスモーカージムの場合は意識が変わってきたと思います。試合でテイクダウンされると、応援団から「立て! 立て!」と声が掛かる。その中には「お前は立たな勝たれへんぞ!」という声が混ざっていました。

「そのとおりです。勝つために、打撃で倒すために――その気持ちは同じやと思います」

――そのためにジムの練習もスタンドが中心となるのですか。

「2年前ぐらい前までは、練習もスパーリング中心でした。3~4時間ずっとスパーリングしているような……。その練習が変わっていったのは、(萩原)京平君がRIZINに出始めてからです。『もっと組みの練習をせな勝たれへん』って、チーム全体で組みの練習に取り組むようになりました。壁際の攻防はもちろん、寝かされてもすぐに立てるように」

――それはジムに組みの指導者を招くようになったのでしょうか。それとも出稽古ですか。

「私の場合は、まず出稽古でした。関西のジムもそうですし、東京でも練習させてもらっています。京平君も岸本泰昭さんに教わったり、その内容をスモーカージムに持ち帰って確認していますね。私はカルペディエム芦屋のプロ練習に参加させもらい、そこで知り合ったパンクラス稲垣組の北方大地さんにも、レスリングを教わるようになりました」

――カルペディエム芦屋のプロ練習に参加しているのですか。他に女性はいますか。

「サダエ・マヌーフさんが来てはるぐらいで、基本的に男の人ばかりですね。東京だと同じぐらいの体格の女子選手も多いじゃないですか。今の自分がどれくらい通用するのか確認するために、東京でも練習させてもらっています。

レスリングの練習をしていて、打撃面についても気づくことがありました。組まれた時にテイクダウンのディフェンスをする。でも、その時点ですでに後手に回っているわけですよね。それはディフェンスのことだけを考える状態になっていて。もちろんディフェンスしたあとに打撃を当てることがベストやけど、守るためのレスリングばかりを考えていてはアカンって思うようになったんです。攻めるためのレスリングも学ばないといけないっていう自覚も生まれてきて」

――確かにスモーカージムの選手の試合も変わってきたと思います。ケージに押し込まれた選手が差し返して、逆に投げを打つ場面もあります。しかし仰る通り、まずケージに押し込まれないために何をするべきか。栗山選手の場合は圧倒的に蹴りの数が増え、まず蹴りで相手を下がらせてからパンチを当てるようになりました。

「最近それをメッチャ言われるんですよ。戦い方を考えるようになったのは、去年2月に中井りん選手に負けてからですね。以前は打撃に自信があったとしても、組まれるのが怖いから後ろ重心というか……構えも腰が引けていて。だから弱いパンチしか当てることができませんでした。でもレスリングを教わることで組みにも自信がついて、より前に出ることができるようになったとは思います」

――大阪でもスコーピオンジムで女子選手が集まって練習するようになりました。

「スコーピオンジムは毎週土日に女子練習会が行われています。今は私もテイクダウンディフェンス、倒されないことを重点的に練習していますけど、これからはシフトチェンジも必要になってくるとは思うんですね。先ほども言ったとおり倒されないだけでなく、寝かされても立ち上がること。あるいは寝技の攻防をしながら立ち上がること、ですね。ただただ寝技の攻防を嫌がっていては勝てないと思うので。

たとえば須田萌里ちゃんと練習していたら、私のほうが体格も大きいし、力だけで抑え込めるかもしれないです。でも、それじゃダメなんですよね。彼女の柔術の技術は高い。だから彼女の技に対して、私も技で対応しないと練習にならないじゃないですか」

――確かに、そのとおりです。

「カルペディエムでも、背中を着かされてから立ち上がる練習もしています。最初に岩﨑(正寛カルペディエム芦屋代表)さんから言われたのは、『まずは何回も繰り返して練習すること。そうしないと寝技は身に付かない』と。それからずっと打ち込みから続けていて。

それでスモーカージムの練習も変わってきました。スパーは出稽古先でやらせてもらう。ジムでは打撃もミット、組み技も打ち込みが中心になって。そういうことがホンマに大事なんやなって思うようになりましたね」

――さらにスモーカージムの選手の場合は、1Rに押されていてもインターバル中に、松山誠代表に気合いを入れられて2Rから復活するという。

「アハハハ! (桑本)征希は特にそういうタイプですね。インターバルのあとは明らかに動きが違う(笑)。他の選手もそうですし、やっぱりジムのファミリー感であり、信頼感があると思います」

――なるほど。次はMANA選手という、まさに今スモーカージムで取り組んでいることを証明するための試合は組まれました。

「MANA選手が柔道出身で、まず組んでくる選手ですからね。それは今までの試合も同じなので、MANA選手対策というよりは自分のレベルアップのほうが重要だと思っています。柔道ベースの選手対策は、前回の齊藤百瑚戦からやっていて――BLOWSにも出稽古に行かせてもらっているんですよ。そこで柔道出身の方に『ここはこうしたら、相手はこう来る』みたいなことを教わって、シチュエーションスパーもやらせてもらっています。

DEEPジュエルスのフライ級トーナメントでは中井りん選手に負けて、ベルトには届きませんでした。あの時よりも強くなっている実感があるんです。それだけの練習をさせてもらっていると思うので。今大会のメインで試合をするDEEPジュエルス王者の松田亜莉紗さんをはじめ、大島沙緒里さん、本野美樹さんなど同年代の選手が活躍しているなかで、私も早く追いつきたいです」

■視聴方法(予定)
3月17日(日)
午後2時00分~DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、ツイキャス

■DEEP OSAKA IMPACT2024#01対戦カード

<女子フライ級/アマチュアSPルール 3分2R>
山口恵(日本)
中本飛鳥(日本)

<女子54キロ契約/アマチュアSルール 3分2R >
橋本葵(日本)
高橋沙羅(日本)

<女子アトム級/アマチュアSルール 3分2R>
セアリ(日本)
SAAYA(日本)

<ライト級/アマチュアSルール 3分2R>
中尾天丸(日本)
萩野王昇(日本)

<フライ級/5分2R>
綿谷誠(日本)
上谷章(日本)

<フェザー級/5分2R>
延命そら(日本)
藤田宇宙(日本)

<フライ級/5分2R>
井上暉也(日本)
飴山聖也(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田塾長こうすけ(日本)
千種純平(日本)

<バンタム級/5分2R>
田中壱季(日本)
キャプテン禎(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
松田亜莉紗(日本)
マドンナ・ザ・ロケット(タイ)

<女子フライ級/5分2R>
栗山葵(日本)
MANA(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
銀グラップリングシュートボクサーズ(日本)

<ウェルター級/5分2R>
鈴木琢仁(日本)
角野晃平(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田直毅(日本)
MG眞介(日本)

<バンタム級/5分2R>
内山拓真(日本)
山﨑鼓大(日本)

<メガトン級/5分2R>
ステファン“スマッシュ”(フランス)
竹内龍吾(日本)

<女子45.5キロ契約/5分2R>
古林礼名(日本)
上瀬あかり(日本)

<女子ミクロ級/5分2R>
ジャカ季美香(日本)
こゆき(日本)

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【Pancrase337】ザ・七転び八起き=松岡嵩志─01─「もうMMAは終わり」からの「ダメだ。まだ──」

【写真】1991年生まれの32歳。雑賀ヤン坊達也、冨樫健一郎、松本光史、粕谷優介、岸本泰昭、横山恭司、牛久絢太郎、林源平、そして──チェ・ドゥホ。これだけの面々と戦ってきた(C)SHOJIRO KAMEIKE

24日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE337で、松岡嵩志が葛西和希と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

松岡のプロデビューは2008年。MMAキャリアは14年間と、ベテランの域に達している。しかしその14年間は決して平坦なものではなかった。パンクラスのニューエイジ戦線からトップファイターとの対戦を経て、松岡が打撃主体からオールラウンドのMMAファイターへ進んできた道程を訊いた。


――MMAPLANETでは今回が初のインタビューとなりますが、どうしても松岡選手にお聞きしたいことがありました。雑賀ヤン坊達也戦が決まった際、プレスリリースで「格闘家の3大親方と言えば、藤野恵実、長南亮、そして松岡嵩志だ」と書かれていましたが……。

「アレですか(笑)。昔、専門学校に通っている頃に、あまり練習できていなくて太ってしまった時期がありまして。その時に北岡さんに『親方感が出ている』と言われて、親方という言葉が内輪で広まっていたんです」

――親方と呼ばれる職種でも何でもなかったのですね。

「それもよく言われました。『大工か何かやっているの?』って。僕としては藤野選手や長南さんと並べていただいて、嬉しかったです(笑)。でも藤野選手は僕のせいで巻き込まれていまい、すみません!」

――アハハハ、いきなり余談で失礼しました。まずは格闘技を始めたキッカケから教えていただけますか。

「僕たちは地上波で格闘技を視ていた世代で、中学校を卒業したら格闘技をやろうと考えていました。そんな時、たまたま町田へ遊びに行ったらU-FILE CAMPを見つけて。でも入会してからしばらくはキックボクシングしかやっていなくて、あまり寝技クラスには参加していませんでした」

――そこからパンクラスイズム横浜の所属になった経緯を教えてください。

「2011年ごろにU-FILE CAMP町田からキックボクシングのSTB Japanというジムに移って、ちょうどその頃にパンクラスに出させてもらえるようになりました。そのパンクラスで2015年3月に牛久絢太郎選手と対戦する前に、ロータス世田谷でプロ選手が集まって練習していることを、北岡さんのツイッターで知ったんです。北岡さんに『自分も参加させてもらっても良いでしょうか』と連絡して、そこから北岡さんには本当に良くしていただいています。

当時の僕は、どこにも所属していないフリーの状態で。ロータスの練習に参加し始めたあと、北岡さんからパンクラスイズム横浜が出来るという連絡をいただき、そこに入るしかないと思いました。もともと柔道整復師の資格を取るために専門学校に通おうと考えていたので、学校もパンクラスイズム横浜から近いところを選びました」

――ロータスでの練習に参加したいと連絡した時、すでに北岡選手とは面識があったのですか。

「いえ、なかったです(笑)」

――えっ……面識がない先輩ファイターに連絡するのも、なかなか勇気がいりますよね。

「いきなり連絡するのは失礼かと思いましたが、どうしても参加したくて……。ただ、当時の北岡さんは、傍から見ると本当に怖くて(笑)。『ロータスへ行くと練習で足を壊されちゃったりするのかな』と思いながら行きました。でもお会いすると本当に優しかったです。今でも怖いところはあるけど、あれだけしっかり怒ってくれる人とは、なかなか巡り会えないです。自分としては、ありがたいですね」

――ロータスの練習に参加するまでは打撃主体といいますか、キックボクシングで戦っていたわけですか。

「テイクダウンされなければ勝つ、というぐらいの気持ちで試合をしていました。とにかく組まれたら耐える、倒されたら背中を見せてでも立つという感じで。勝つ時はKO、寝技で一本を取るようなタイプではなかったです」

――当時は徐々に対戦相手のレベルが上がってきて、2015年から2016年にかけて、パンクラスの中でも次の時代を担う選手同士の戦いが繰り広げられていました。しかし松岡選手は2018年まで負けと勝ちを繰り返しており、当時はどのように感じていましたか。

「自分にとっては牛久選手に負けた時が、悪い転換期になったといいますか……。まさに今後上がっていく選手同士の対決だったんです。そこで牛久選手はすごく頑張って――技術的な部分以上に、自分が気持ちで負けたような試合でした。牛久戦以降の4年間は、『もう自分は上に行けないのか』と思って過ごしていました」

――……。

「その頃にはパンクラスイズム横浜に移って、一生懸命やっていました。でも、そこにビジョンがなかったです。ただスパーリングを頑張って試合に出る。その結果、勝つと負けるを繰り返すような時期でした。

実は2019年に入って、MMAを辞めようと考えたことがあったんです。2018年12月に金田一孝介選手とのランキング入りを賭けた試合で、すごい失神KO負けをして。そのあとに柔道整復師の試験があり、『もう柔道整復師の資格を取って普通に仕事をしていく。もうMMAは終わりだ』と思いました。でも国家資格を取得したあとに改めて考えた時、『ダメだ。まだ燃え尽きることができていない』と思って。MMAがなくなった自分の生活を想像できなかったです」

――1度辞めようと決めたからこそ、自分にとってMMAが必要だと気づくことができたのですね。

「そこから技術的な面でも変わってきて。金田一戦に続く平信一選手との試合を経て、組みが強くなったと明確にと思えるようになったのは岸本(泰昭)選手に勝ってからです。もともと技術的な部分では、下位の選手が相手なら勝負できていたかもしれないです。でも本番でその組みを試すのは怖くて。実際に試合で、グラップリングが強い岸本選手に勝つことができて、自信に繋がりました」

<この項、続く>

■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分5R>
亀井晨佑(日本)
新居すぐる(日本)

<ウェルター級/5分3R>
藤田大(日本)
住村竜市朗(日本)

<ストロー級/5分3R>
八田 亮(日本)
黒澤 亮平(日本)

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太(日本)
川中孝浩(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
河村泰博(日本)

<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
遠藤来生(日本)

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)

<ライト級/5分3R>
余勇利(日本)
神谷大智(日本)

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣(日本)
安藤武尊(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
葛西和希(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
高本千代(日本)

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒(日本)
笹晋久(日本)

<フライ級/5分3R>
梅原規祥(日本)
饒平名知靖(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎(日本)
渡邉ショーン(日本)

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【RIZIN44】牛久絢太郎戦へ、岸本泰昭と合体=萩原京平「よく今まであれで試合をやってたなと」

【写真】MMAは理解し始めた時に、自身の本質とのバランスの取り方という課題がスタートするが、萩原はいかに消化できているだろうか――楽しみだ(C)TAKUMI NAKAMURA

24日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN44にて、萩原京平が牛久絢太郎と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年は弥益ドミネーター聡志、クレベル・コイケ、鈴木千裕に3連敗を喫した萩原。しかし今年4月RIZIN41のカイル・アグォン戦では見違えるようなパフォーマンスでアグォンを下して連敗脱出に成功した。そこには自分の弱さと向き合い、練習環境を見つめ直す萩原の姿があった。トレーナー&参謀役として信頼を置く存在=岸本泰昭との出会い、そして「牛久戦の後のことは考えていない」という真意を訊いた。


――24日RIZIN44で牛久絢太郎選手と対戦する萩原京平選手です。まず牛久戦のオファーを受けた時の心境から聞かせてください。

「自分にとって相性がいい相手だと思いました。4月に朝倉未来選手とやった時にも、そのうち当たるだろうなと思っていたし、元チャンピオンなんで、勝ったらオイシイ相手ですね」

――どこに相性の良さを感じたのですか。

「どちらかと言えばグラップラーだけど極めがない。そういう選手は相性がいいんですよ。あとは打撃のスタイル、身長、距離感……それも含めて戦いやすいです」

――かなり牛久選手のことを分析できているようですが、萩原選手は対戦相手の映像など細かくチェックするのですか。

「僕は軽く映像を見るくらいで、何回も見ないんですよ。細かい部分は僕以外のメンバーが見てくれています」

――では萩原選手はどういった部分を見るのですか。

「僕は最初に映像を見た時の第一印象で、自分の武器と相手の武器、自分の弱点と相手の弱点、それを照らし合わせて、自分と相性がいいかどうかを考えます。その最初の感覚は大事にしていますね。あとは試合当日に向かい合った時の感覚。どれだけ作戦や戦略を立てていても、試合で向かい合って自分が感じたことが第一優先だと思っています」

――事前に映像を見た直感、実際に向き合った時の直感、そのどちらも重要にしているんですね。

「そうですね。あんまり試合前に考えすぎてもよくないんで。試合映像といっても、過去のものだから試合当日までに技術もアップデートされていると思うんですよ。特に牛久選手は試合ごとに新しい技や引き出しが増えているから、最近の試合の印象プラス向き合った時の感覚で試合をしています」

――萩原選手自身は今回どのようなことを意識して練習しているのですか。

「まずは寝かされないこと、寝かされてからのエスケープ、寝かされても極められないことですね。僕の一番の武器は打撃で、そこを殺さずに強みとして出せる練習を意識しています。グラウンドを警戒して、自分の強みが出せなかったら勝てないし、それを出して寝かされたらしょうがないと思うんですよ。それを考えた上での練習です」

――4月RIZIN41のカイル・アグォン戦前には近畿大学のレスリング部にも出稽古に行っていました。今回も出稽古は行っているのですか。

「大阪と東京で練習していて、東京では土居(進)さんのフィジカルトレーニングと走り込み、大阪ではSMOKER GYMと岸本(泰昭)さんのジムのプロ練に参加させてもらっていて、そこで打ち込みや作戦の確認をしています。僕と岸本さんは牛久選手の組みに関する視点が変わるんですけど、そういう見方もあるんだと気づくことも多くて、お互いの意見をすり合わせながら練習しています」

――岸本選手にはどういった経緯で練習を見てもらうようになったのですか。

「もともと大阪で一緒に練習することがあって面識はあったんですよ。で、僕がカルペディエムで岩﨑(正寛)さんと練習していた時に『萩原くんにはMMAのコーチが必要。岸本選手とかいいんじゃないですか?』と言われたことがあって。ただ、正直その時は腑に落ちてなくて、岸本さんに練習を見てもらおうとは思わなかったんです。

でも鈴木千裕に負けて、練習環境や練習のやり方を見直そうと思った時に岸本さんのことを思い出して連絡させてもらいました。そしたら岸本さんは快く自分のことを受け入れてくれて、僕のために個別の練習時間を取ってくれたり、調整に付き合ってくれたり。打ち込みのパートナーとして身体を貸してくれて、今では自分にとってなくてはならない存在です」

――なるほど。実はアグォン戦を見た時に萩原選手の個々の技術がMMAとしてつながった印象があったのですが、そこは岸本選手の存在が大きかったんですね。

「今まではMMA特有の打撃からレスリング、レスリングから寝技、そのつなぎの部分を教えてくれる人がいなかったんです。だから打撃・レスリング・寝技を練習しても、うまくMMAとしてつなげることが出来なくて。でも岸本さんはそこを理論的に教えてくれるので、一気に伸びた感じがしますね。例えば東京でMMAスパーをして、全く歯が立たなかった相手を圧倒できるようになったり、自分の成長が目に見えて分かります」

――MMAの理解度が高まりましたか。

「それもあるし、よく今まであれで試合をやってたなと思います(苦笑)。逆にその分、自分のポテンシャルを感じたし、ここからの自分はもう負けないなって思います」

――今回の牛久選手も自分が勝つイメージは明確にできていますか。

「もちろんしんどい試合になる準備もしてますよ。牛久選手も強いファイターだからそう簡単にいくとは思ってないし。倒すパターンも用意しつつ、それが通用しなかったことも考えています」

――RIZNフェザー級はクレベル・コイケの王座剥奪に始まり、ヴガール・ケラモフが王座戴冠など混沌している階級です。萩原選手にも大きな期待がかかると思うのですが、牛久戦も含めたこれからの展望も聞かせてください。

「RIZINのベルトが目標ですけど、牛久戦の後のことは考えてないです。牛久戦に全集中しています。牛久選手を倒せば自然に次のことが見えてくるだろうし、今は9月24日に勝つことしか頭にないです」

――周りからは誰々とやってほしいと言われることもあると思いますが、萩原選手自身は牛久戦に集中しているようですね。

「そういう話をしてくる人は多いんですけど、周りの声に流されていい結果が出なかったことを経験しているし、それが僕が過去の失敗から学んだことです。牛久選手は先のことを考えて勝てるような相手じゃないから、目の前にいる敵を倒す。それ以外はないです」



             
■視聴方法(予定)
9月24日(日)
午後2時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■ 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
金原正徳(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
萩原京平(日本)

<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(日本)

<フェザー級/5分3R>
中原由貴(日本)
白川陸斗(日本)

<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
横山武司(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
岡田遼(日本)

<ヘビー級/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
ヤノス・チューカス(ハンガリー)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
トッド・ダフィー(米国)

<フライ級/5分3R>
福田龍彌(日本)
山本アーセン(日本)

<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

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Grachan49 MMA RIZIN UFC レッツ豪太 中山巧 修斗 岸本泰昭 川中孝浩 手塚基伸 日沖発 林RICE陽太 植田豊 竹本啓哉

【Grachan49】Grachan Invasion、グラジ&関西勢の正念場。ガチンコ大会で日沖発が組み技戦出場へ

【写真】岸本欠場は残念だが、日沖のグラップリングは素直に楽しみだ(C)MMAPLANET

3 日(土)、Grachanが8月8日(日)に豊中市の176boxで初の大阪での単独イベントとなるGrachan49の対戦カードの変更と新たなカードを発表している。

手塚基伸✖竹本啓哉、レッツ豪太✖川中孝浩、林RICE陽太✖植田豊、荒東”怪獣キラー”英貴✖田馬場貴裕と並んで組まれていてグラップリングマッチ=中山巧と岸本泰昭の一戦が、契約体重がまとまらず中山が日沖発と相対することになった。


TKO、修斗、SRCのフェザー級王者からUFCに参戦した日本を代表するMMAファイターが、プロ興行では2018年8月のRIZIN以来、3年振りに出場を果たす。

またグラップリングとはいえ、日沖のケージでのファイトは2017年10月の髙谷裕之戦以来となる。2019年7月には全日本マスターオープン柔術では、色帯時代以来道着の試合を経験しているが、ノーギのワンマッチ出場は非常に興味深い。

中山もKOTCライト級王者、パンクラスでは暫定フェザー級キング・オブ・パンクラシストとなっている往年の日本を代表する実力者だ。47歳の中山と37歳の日沖──10歳違いだがプロMMAデビューは2年ほどしか違わない。それでも中山が70キロで戦っている期間が長かったため、2人が修斗や他のリングで拳を交えることはなかった。そんな両者が、時を経て手を合わせる非常に興味深い。

また今回のリリースによると、岸本も引き続き組み技で出場予定だったが、見合う相手が見つからず今大会は欠場となるとのこと。

MMAではBRAVE所属、無敗の高橋謙斗がreliableの上田祐起と対戦するバンタム級マッチも決まっている。上田はキャリア3勝3敗ながら、Gladiatorで3連勝中と調子を上げている選手だ。

グラチャン初の大阪大会はアママッチ=グラチャン・チャレンジの実施など、関西のMMAの揺り起こし的な意味合いがあるものの、プロマッチに関しては完全に関西、いやグラジ侵攻といえる。このGrachan Invasionに対しては、新体制から15度のイベント開催を経たグラジ&関西勢の真価が問われる大会となる。そんなガチンコ・バトルにあって、一服の清涼剤となる組み技戦だ。

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【Grachan49】日曜日に大田区大会控えるグラチャンが、8月に大阪単独興行。手塚✖竹本が決定!!

【写真】これは楽しみなMMAグラップラー対決 (C)MMAPLANET

16日(水)、20日(日)に東京都大田区の大田区産業プラザPIOでGRACHAN48を開催するGrachanが、8月8日(日)の大坂で初の単独イベントとなるGrachan49開催を発表した。

コロナ・パンデミック以前は1月にWARDOGと合同で大阪大会を開いてきたグラチャンが、豊中市の176boxで単独興行へ。そして元Grachanバンタム級チャンピオンの手塚基伸が修斗、パンクラス大阪大会を経て2年11カ月ぶりの参戦も決まった。


その手塚の相手は同じく大阪を拠点とし、9月に大会が控えているGladiatorバンタム級王者の竹本啓哉だ。ストライカーを柔術で倒すカタルシスを持つ竹本だが、初のグラチャン出場で過去最強のMMAグラップラーとの対戦が決まった。

手塚も竹本も揃って4連勝中で、2回戦で戦うのが勿体ないマッチアップだ。またGladiatorからはウェルター級王者のレッツ豪太の出場も決まった。20日に桜井隆多と長岡弘樹が王座統一戦で戦うGLANDウェルター級王座の挑戦権が懸けられた一番でレッツは、川中孝浩と相対する。

さらに修斗を主戦場としてきた林RICE陽太が、植田豊とライト級マッチ。タイからの凱旋ヘビー級ファイター=荒東”怪獣キラー”英貴は、田馬場貴裕との無差別級戦も決まっている。

この他、中山巧と岸本泰昭のグラップリング、75キロ契約で戦うことも決まった。

Grachan初の単独大阪大会は、バラエティに富んだラインナップになりそうだ。グラチャンが単独でイベントを開催することで、これから関西MMA界にどのような影響があるのか楽しみだ。

■ Grachan48対戦カード

<Grandウェルター級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]桜井隆多(日本)
[暫定王者]長岡弘樹(日本)

<ライト級/5分2R>
ルクク・ダリ(コンゴ)
笹川JP(日本)

<フェザー級/5分2R>
小島勝志(日本)
村田俊(日本)

<ライト級/5分2R>
藤村健吾(日本)
篠原アンジェロ(日本)

<フェザー級/5分2R>
阿仁鬼(日本)
和田健太郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本尚大(日本)
上妻慎治(日本)

<フライ級/5分2R>
三好真大(日本)
田中智也(日本)

The post 【Grachan49】日曜日に大田区大会控えるグラチャンが、8月に大阪単独興行。手塚✖竹本が決定!! first appeared on MMAPLANET.

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Gladiator Special The Fight Must Go On キ・ウォンビン ブログ 岸本泰昭

【The Fight Must Go On】Must Watch !! 櫻井雄一郎のおススメ、Gladiatorを知るための5番勝負─06─

Kishimoto vs Ki【写真】スロエフ・ロックまで見せた岸本(C)MMAPLANET

国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第32弾はMust Watch!!  このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。

和歌山発、関西でMMAの普及に努めるGLADIATORの櫻井雄一郎代表が選ぶ、Gladiator編。櫻井代表が「Gladiatorで頑張っている選手をもっと知って欲しいために選んだ5番勝負」から……本来は既に5試合の紹介を終了しているが、櫻井代表より『なんとかこの試合も加えてもらえないですか』という要望を受け──番外、6試合目を。

※ここで紹介する試合は、オフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合は含まれていません。


櫻井代表が選んだ「Gladiatorで頑張っている選手をもっと知って欲しいために選んだ5番勝負」、番外6試合目は2016年11月23日に行われた岸本泰昭✖キ・ウォンビン の一戦だ。

DEEPからHEAT、そしてGladiatorという選択でキャリア再浮上を目指した岸本と、韓国Road FCでも期待されたライト級の新鋭キ・ウォンビンが、ライト級挑戦者決定戦で相対した。右の圧力が半端ないキ・ウォンビンとのテイクダウン&スクランブルゲームで、気持ちを切らすことなく戦い切った岸本にとって、キャリア最高の試合の一つに挙げられる1戦であった。

櫻井雄一郎のMust Watch 06、岸本✖キ・ウォンビンの選択理由は以下の通りだ。

櫻井雄一郎
Kishimoto vs KI 02「この試合は関西ローカルではなかなか見られない世界レベルの試合だったと思います。グラジエイター初出場の岸本選手は関西トップ、日本のライト級でもトップの1人です。

その岸本選手がスコア以上に厳しい試合を強いられた。キ・ウォンビン選手は決して試合経験の多い選手ではなかったですが、日本のトップと渡り合える力の持ち主でした。

正直なところ、岸本選手があそこまで苦戦するとは思っていなかったです。それでも勝ち切ったということで、勝者も敗者も良いところがでた好勝負でした。関東のファンでも納得する試合だと思います。一発KOとかでなく、ギリギリの攻防でここ一番を制して勝った。しっかりとした勝利、当時のMMAの最前線を行く試合でした」