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ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 Report ケビン・ベリンゴン ジョン・リネケル ブログ

【ONE113 Inside the Matrix03】ジョン・リネケルの圧力に、あのベリンゴンが何もできず完敗TKO負け

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
Def.2R1分16秒by TKO
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)

まず右ローを蹴ったリネケル。ベリンゴンは左ロー、リネケルもローを返す。ジリジリと距離を詰めていくリネケルが、ローから距離を取り直す。互いに踏み込み、リネケルが左を打っていく。ベリンゴンはローから右ロングフック、リネケルは距離を詰めてボディからフックを振るっていく。スピニングバックキックにも動じないリネケルは、フック中心のファイトでベリンゴンに圧を掛ける。ベリンゴンは鼻血を流しており、後ろ回し蹴りはあたりが浅い。

左フックは力が入りバランスを崩したベリンゴン、リネケルともに足を止めてフックを打ち合う。リネケルはアッパーを入れ、ベリンゴンのサイドキックが顔面をかすめても構わる右を振るって前に出る。近い距離でアッパーを多用するリネケルは、ボディから顔面を打ちベリンゴンの勢いが弱まり初回が終わった。

2R、顔に傷が目立つベリンゴンは、ローに右を合わせるもリネケルは動じず左フックを狙う。ボディから前に出られたベリンゴンは、走るように距離を取り直す。至近距離での圧が違うリネケルは左ストレートから頭を抱えるベリンゴンに右アッパー、さらに左フックをを打ち込む。

前方に崩れたベリンゴンにパウンドを入れたリネケルが完勝。「ベリンゴンはタフだったけど、KOするためにここに来たんだ。ビビアーノ・フェルナンデス、お前のために来たんだ。ベイビー」とリネケルは笑顔で話した。


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ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 Report ジェヘ・ユースタキオ ソン・ミンジョン ブログ

【ONE113 Inside the Matrix03】ゲーム巧者、ジェヘ・ユースタキオがソン・ミンジョンを丸め込む

<64キロ契約/5分3R>
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)
Def.3-0
ソン・ミンジョン(韓国)

構えを小刻みに変えるソンに対し、ユースタキオは左右のフックを見せローを蹴る。腹から顔を殴り、蹴り足をキャッチして倒したユースタキオ。直ぐに立ち上がったソンだが、蹴り足に足払いという散打アタックを許し、バックを譲る。胸を合わせて離れたソンに対し、ユースタキオが左アッパーを入れる。ソンも蹴りに右を当て、ここからパンチを纏めスピニングバックキックへ。

リードフックに続き、右ハイを狙ったソンは左ハイを掴まれそうになる。ユースタキオはよくソンの動きを見ており、左ジャブから右ロー、さらに左フックを当てる。ソンはスピニングバックフィストを空振りも、回転系の技を狙ったユースタキオのバックを取る。胸を合わせて離れたユースタキオは左フックに、左ミドルを合わされる。最後にユースタキオは左ハイをキャッチして、足払いを決めた。

2R、ソンの左ハイに左フック、そして蹴り足を掴むなど非常に動きが良いユースタキオは、クリンチも離れて左を打ちこむ。さらに右ローを入れ、右ミドルをキャッチして右の蹴りを繰り出す。飛び込んで縦ヒジ、右ロー、左フックとソンのスイッチにまるで惑わされることなくユースタキオが攻め続ける。

攻撃が当たらないソンが左ハイ、右ジャブから組むも体を入れ替えられる。離れてスピニングバックキック、サイドキックからスピニングバックエルボーを見せたユースタキオは、組んで離れる。動いてはいるが、省エネファイト気味のユースタキオはやや疲れてきたか。ソンの圧力が上回り始まるなか、ユースタキオが回転系の攻撃を続けつつ──かわすファイトになってきた。

3R、距離を詰めたソンがスタンドで肩固め、さらにジャンピングガ―ドでしがみつく。そのままグラウンドに持ち込み、頭を抜いたユースタキオ対し、ソンはラバーガードへ。スクランブルでバックを許しそうになったソンは、前転して背中をマットにつける。スタンドに戻ったユースタキオが左を当てる。

ソンは前に出るが、右を被弾。それでもハイを狙い、組んでバックを取る。ユースタキオがヒザ十字からトーホールドへ。体を捻って上を取ったソンが肩固めを狙う。ヒジをマットにつけて耐えるユースタキオからソンがマウントへ。ソンは足を戻されてもパンチを落とし、再びマウント狙いからサイド、上四方に回りノースサウスチョークで攻める。ユースタキオが体を捩じってシングルを仕掛けハーフガード、右腕を差しあげてリバーサルを決める。

最後の30秒でスタンドに戻った両者、ソンは左ハイを当てるが辺りは浅い。ここから組んでいったソンに対し、ユースタキオはギロチンでセットし逃げ切り3-0の判定勝ちを手にした。


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ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 Report ブログ ムラット・ラマザノフ 手塚裕之

【ONE113 Inside the Matrix03】化けのモノではなかったが、強かったラマザノフ。手塚は判定負けに

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)
Def.3-0
手塚裕之(日本)

跳びヒザを見せた手塚、冷静にかわしたラマザノフにカーフを蹴る。間をおいて一気に組みついたラマザノフはボディロックからホールディングダウン。立ちあがった手塚のキムラ狙いを持ち上げてスラムする。手塚はスタンドに戻るが、胸を合わせることができずヒザを後方から受ける。崩し、スクランブルで正面に回ったラマザノフがテイクダウンを決める。

ケージを背負った手塚は立つことが出来ず、殴られボディロックで背中をつけられそうになる。必死に耐え。立ちあがった手塚だが、ボディロックは外れず倒される。背中をつけないよう耐える動きが裏目に出て、そのまま両ヒザを越えられた手塚はマウントを許す。鉄槌を受け背中を向けるようになった手塚だが、足を戻してクローズドガードへ。ラマザノフはそれほど殴ることなくラウンド終了を迎えた。

押され気味だが打撃のダメージはない分、手塚にも逆転の目はある2R。手塚はこいこいと挑発すると、左ボディフックを入れる。続くオーバーハンドは遠く、距離を詰めたところでラマザノフがジャブを当てる。手塚のパンチの圧を嫌がる風でもあるラマザノフが、ボディを殴られ前蹴りを見せる。

手塚は右ロー、さらに左ボディフックから前に出る。ラマザノフはダブルレッグへ、ここは切りたかった手塚だが、蹴り上げにもボディをコントロールされトップを取られてしまう。足を腿の上に置かれ立ち上がることができない手塚は、バックを譲りスタンドへ。すぐにラマザノフがテイクダウンを取り返す。スクランブル、バックコントロールのラマザノフは手塚のキムラにまたもスラムを決める。そのまま抑えたラマザノフは、この回もリードした。

最終回、手塚の左ハイは空を切るが、右カーフを3発蹴り込む。ラマザノフは左ジャブ、手塚はここでハイを狙う。飛び込んで右を振った手塚に対し、距離を取るラマザノフは足を気にしている風もある。手塚はダブルレッグからシングルを切り、スタンドをキープする。直後のダブルはシングルからボディロックを許してしまった手塚は、ケージ際で尻もちをつかされる。初回から何度も見らえるポジションでラマザノフが、ボディにパンチを入れる。

手塚は足首を掴まれ、蹴り上げることができずケージを背負って座った状態から、腰を引き寄せられマウントを取られる。ラマザノフはパンチ入れるも、手塚もクローズドガードを取る。最後の1分、立ち上がってラストの勝負を仕掛けたい手塚だが背中をつかされた状態が続く。何とか立ち上がるも、手塚はバックを取られたままで後方への崩し、2発目はスープレックスで落とされたタイムアップに。

決してバケモノではない──ラマザノフのリアルを引き出したが、手塚は0-3で敗れた。


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ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 Report ファン・ロン ブログ ユーリ・シモエス

【ONE113 Inside the Matrix03】最終回の反撃も及ばす、ユーリ・シモエスはMMA初陣でロンに敗れる

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ファン・ロン(中国)
Def.3-0
ユーリ・シモエス(ブラジル)

シングルレッグを仕掛けたシモエスは、ボディロックでロンをケージに押し込み、ヒザを突き上げる。これが急所に入り、試合が中断される。再開後、中央で仕切り直しとなりシモエスは左フックからのダブルレッグを外され、右フックを被弾する。

ロンはテイクダウンを取られないよう、シモエスは殴られない距離を取る展開に。シモエスは左フックからダブルレッグ、ケージにファンを押し込みシングルに移行──テイクダウンを決める。頭を押して立ち上がろうとするファンに対し、シモエスはボディロックから背中をつかせスクランブルでバックへ。嫌がって引き込んだファンを殴ったシモエスが初回をリードした。

2R、ダブルを切られ引き込んだシモエス。ファンは当然、寝技に付き合わずブレイクが命じられる。スタンドの展開でファンが2発右を入れる。寝転がり足を狙うが、汗で滑りキャッチできなかったシモエスは、レフェリーにスタンドに戻される。踏み込みに勢いがなくなったシモエスは続くローシングルも切られてガードを取り、立たされる。右に合わせてテイクダウンを狙ったシモエスは、抑えるよりも下を選択してしまいMMAとして負のスパイラルに入っている。

左フックを被弾し、組んでガードのシモエスはブレイクでスタンドに。それでも右を当てたシモエスがダブルレッグからボディロックでドライブ。逆側のケージまで押し込むと、最後の5秒でテイクダウンを決めるが挽回とはならなかった。

最終回、蹴り足をキャッチしても、リリースしてからパンチで前に出るファン。シモエスは組んでひきこむところで右を被弾する。パンチに勢いがないため、ファンは殴られてもテイクダウンだけを警戒して戦う。組めないシモエスは、立ちのプレッシャーに耐えられず引き込む。立たされ、シングルで腹ばいになるシモエス。絶対に有利な態勢でも、寝技にいかないファンは徹底したテイクダウンを切り続ける。

残り90秒、シモエスは右を当ててダブルレッグを決めると即マウントへ。左右のパンチ、エルボーを入れたシモエスは、ケージキックでマウントを失うが、サイドで留まりエルボーを入れて、再びマウントを取る。左右のパンチを続けるシモエスはヒジ打ちから腕十字へ。これは極まらず、ファンがパンチを集中させてタイムアップに。

結果、ADCCを2度制した柔術家はMMAデビュー戦で判定負けとなった。


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ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 Report ブログ リト・アディワン 箕輪ひろば

【ONE113 Inside the Matrix03】箕輪ひろば、初回のキムラを切り抜け怪物アディワンにスプリット勝利

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
Def.2-1
リト・アディワン(フィリピン)

距離を取る箕輪が右に回る。アクションの声が掛かり、アディワンが前に出て左右のフックをヒット。箕輪はダブルレッグでテイクダウンを決めるがクローズドガードのアディワンがキムラを仕掛ける。正座をして耐えた箕輪は、前転してエスケープを図る。かなりタイトなキムラに、箕輪はもう一度前転してエスケープを狙い、キムラを支点に上を取りトップサイドで抑える。

ヒザを頭部に入れ、足を戻されてもパスから箕輪はニーインベリーへ。アディワンはハーフに戻すが、箕輪はパスを決めて左で殴っていく。足を絡めていったアディワンだが、箕輪はエルボー&鉄槌を落として、腕十字には時間が足らなかった。

2R、初回と同様に遠めの位置に立つ箕輪が左ローを蹴る。リトは後ろ回し蹴りも、蹴り終わりに箕輪がダブルレッグを合わせる。箕輪はワキ腹を殴り、立ち上がってガードを割っていく。即パスを決めた箕輪は、足は戻されてもスクランブルは許さない。アディワンはここもキムラ狙いえが、箕輪はクラッチを組んで胸を押し込んでセットアップさせない。

逆側にパスを決めた箕輪はキムラ狙いにバックへ。アディワンがすぐに胸を合わせるが、箕輪がリバーサルしてトップからエルボーを打ちつける。ここもパスをし鉄槌を落とした箕輪は、アディワンの足を払ってパンチを落としてサイドを取る。上四方に回り頭部にヒザを連続で入れた箕輪が、インパクトはキムラに届かないが、しっかりと削りダメージも与える攻撃を見せた。

最終回、アディワンの正面に立たないよう動く箕輪に対し、アディワンも自ら距離を詰めることができない。箕輪は左を見せてダブルレッグを決め、即サイドで抑える。アディワンは背中をマットにつけてクローズガードに。箕輪はガードを割り、パス狙いからバックを伺う。ガードを取り直したアディワンだが、箕輪は疲れることなく上からプレッシャーを与え続ける。

逆に疲弊した風のアディワンは、腕十字も切れがなくクローズドガードに戻る。この間も鉄槌を落とし、蹴り上げに合わせてパスを決めると上四方で抑える。足を戻しても、すぐに鉄槌を被弾するアディワンはガードワークの幅がなく、背中をつかされたままで鉄槌の連打を被弾してタイムアップに。

初回のキムラ以外は、ほぼ完封した箕輪はスプリットになぜか割れた勝負をモノにした。試合前は絶対的に不利といわれた箕輪がONE初勝利を挙げた。


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News ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 ケビン・ベリンゴン ジェヘ・ユースタキオ ジョン・リネケル ソン・ミンジョン ブログ ムラット・ラマザノフ ユーリ・シモエス リト・アディワン 手塚裕之 箕輪ひろば

【ONE113 Inside the Matrix03】計量&ハイドレーション結果 ONE✖UFC、ADCC&ROAD 王者、手塚&箕輪

【写真】ジェヘはほとんどバンタム級の契約体重マッチでソン・ミンジョンと対戦する。タフファイトは間違いないか (C)MMAPLANET

本日13日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix03」の最終計量及びハイドレーション結果がONEより発表されている。

ONEでは水抜き禁止、北米MMAより実質1階級の体重が上限となり、ハイドレーション・テストが試合の2日前と前日に行われている。体重はリミット+500グラム、ハイドレーションは1.0250以下という規定が設けられており、1日でもパスできないと試合当日の朝に再計量が必要になっている。


手塚裕之、箕輪ひろばがロシア、そしてフィリピンの強豪と戦う試合を始め、元UFC✖前ONE世界バンタム級王者対決=ジョン・リネケル✖ケビン・ベリンゴン。Road FCフライ級王者からWarrior Seriesを経てサークルケージデビューとなるソン・ミンジョン✖元ONE世界フライ級王者ジェヘ・ユースタキオ。ADCC✖2回世界王者ユーリ・シモエスのMMA初陣と全試合が楽しみない今大会、ハイドレーションと計量結果は以下の通りとなっている。

※赤字の選手の名前をクリックするとインタビューに跳びます

■視聴方法(予定)
11月13日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix03計量&ハイドレーション結果

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル:65.75キロ/1.0136
ケビン・ベリンゴン:65.45キロ/ 1.0144

<64キロ契約/5分3R>
ソン・ミンジョン:64.0キロ/ 1.0207
ジェヘ・ユースタキオ:63.75キロ/ 1.0136

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ムラッド・ラマザノフ:83.75キロ/ 1.0018
手塚裕之:83.0キロ/ 1.0233

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ユーリ・シモエス:92.45キロ/ 1.0187
ファン・ロン:92.7/1.0176

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば:56.4キロ/ 1.0187
リト・アディワン:56.55キロ/ 1.0136

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Interview ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 ファン・ロン ブログ ユーリ・シモエス

【ONE113 Inside the Matrix03】ユーリ・シモエス「護身柔術は我が身を守り、相手を支配するアートだ」

【写真】ラッシュガードがなく、MMAグローブをつけていてもこういうシーンはありそうだ (C)SATOSHI NARITA

13日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix03」でユーリ・シモエスがファン・ロンを相手にMMAデビュー戦を迎える。

2度のADCC王者、ノーギワールドも2度制し、道着ではパン柔術を制しているシモエスはチェックマットやカイオ・テハという生粋の競技柔術思考を思いきや──ヒクソン・グレイシーのファンだった父を持ち、MMAでなくバーリトゥードに憧れた幼少期を過ごしてきた。

MMA初戦を目前としたファイトウィークのスタート時点でインタビューを受けたシモエスは、「僕の人生において柔術の章は終わり、MMAの章が始まる」と断言した。


──MMAデビューを前にどのような気分ですか。

「少し前まで凄くエキサイティングしていたけど、試合が近づくほどに集中力が増して、落ち着いてきたよ。あとはケージに入って、自分の力を世界に見てもらうだけさ」

──コロナ禍がデビュー戦に影響することはなかったですか。

「去年ACLの手術をし、動くことがデキるようになった時にONEとサインをした。MMAはずっと戦いたいと思ってきたし、自分の人生で新たな目標に向かう時期がきたんだ。契約をしたときはまだパンデミック前だったから、6月か7月にデビュー戦を戦うつもりだったけど、コロナの影響で4カ月ほど遅れたことになる。

でも、しょうがないことだし何も不満はない。そして、より準備ができたと思っている。コロナ禍でも、自分に必要なことはやってきた。こんな状態だからこそ、自分でそれを見つける必要があったし、そこも踏まえてパンデミックだからこそ強くなれた部分もあるはずだ。

普段なら簡単にできるトレーニングも練習パートナーを見つけ、いつもより離れた場所にドライブが必要になった。だからこそ、自分の意志を確認できたよ。僕は1000パーセントの努力をし、最高のコンディションをキープできていた」

──MMAを戦いたかったということですが、いつ頃から本格的に考えていたのですか。

「僕が柔術を始めた7歳の時、まだMMAはバーリトゥードと呼ばれていた。父が柔術の練習をしていてヒクソン・グレイシーのファンだったし、ジャパン・オープンを一緒に見たことを覚えているよ」

──ユーリが4歳の時ですよ!!

「きっとビデオか何かだったんだと思う(笑)。そして父に『この人みたいになる』って言ったんだ(笑)。柔術を始めたけど、それはバーリトゥードではなかった。だから、ヒクソンが戦っていたバーリトゥードのファイターになりたいと思うようになったんだ。

そして今、僕の人生は柔術の章を終えてMMAの章に入ったんだ。マーシャルアーツとして柔術を続け、この日の準備をしてきたんだよ」

──2度のADCC王者、そしてノーギワールドでも優勝しているユーリですが、柔術とMMAはヒクソンの時代と違い、重なっている部分は残っているとしても別競技になりました。

「その通りだ。柔術はスポーツになった。僕が柔術を始めたのは伝統的なスクールだったんだ。先生はヒクソンの黒帯でハンターのオーナーだったマウリシオ・ミゲール・ペレイラ……マウリサォンだった。

マウリサォンは僕に護身術としての柔術の全てを指導してくれた。彼の柔術はバーリトゥードを考慮したものだった。イエロー、オレンジ、そして青帯を貰った時にマウリサォンは亡くなった。でも彼によって、僕は今や柔術が失ってしまったエッセンスを学んでいたんだ。

他の全ての格闘技に勝っていた時代の柔術は、トーナメントの柔術とは違う。でも、僕はスポーツ柔術だって大好きなんだ。素晴らしい技術で、人生を賭けるに値するスポーツだ。ただし柔術はレスリングと同じで、スポーツなんだ。

僕が習った護身としての柔術は我が身を守り、相手を支配するアートだ。と同時にバーリトゥードとMMAも違う。一つの競技で勝てる戦いではなくなった。今や何でも練習していないとMMAでは勝てない。

過去18年、スポーツ柔術の最高の舞台で戦ってきたから皆は僕をこの世代のスポーツ柔術家だと思っている。間違ってはいないけど、僕は自分がなぜ柔術を始めたかを忘れたことはなかったし、その価値も忘れていない。そして、当時からの想いがMMAの転向した僕の基盤になっている。スポーツ柔術の試合に出ている時にもミルコ・クロコップ、ファブリシオ・ヴェウドゥム、ジョシュ・バーネットらと練習をしてきたしね。

そして2016年からAKDで練習し、カビブ・ヌルマゴメドフ、ジェイク・シールズといったレジェンドたちとトレーニングもしてきた。ずっとMMAとはコネクトしてきたんだ」

──ユーリはノーギの時は特にトップから攻めるという印象が強いのですが、それはMMA志向と関係があるのでしょうか。

「ADCCが僕の最高のタイトルだから、そういう風に思われるのかもしれないけど、柔術ではいくらでもボトムからの仕掛けて勝っているよ。ADCCは3度出場した。でも柔術では300戦以上戦ってきた(笑)。ボトムだって得意なポジションだよ。そうだね、戦い方っていうのはルールで変わるものなんだ。

クローズドガード、ハーフガード、デラヒーバガード、50/50ガードで勝ってきた。パスで勝ってきた。テイクダウンで勝ってきたんだ。

IBJJF、 ADCC、 EBI、コンバット柔術、ACB柔術で戦ってきた。ドーギ、ノーギ、ポイント、ポイント無し──ルールの特性に合わせて戦うんだ。

多くの人間は自分の得意なルールの試合で戦う。でも、僕はどんなルールでも戦ってきた。どのルールでも最高の相手と戦ってきたんだ。それが僕のチャレンジなんだよ」

──MMAでは柔術の技で勝ちたいと思っていますか。それともMMAの技で勝ちたいですか。

「僕は柔術家だ。柔術家として生まれ、柔術家のDNAを持つ。24年間、柔術をしてきた。それが僕の人生だった。と同時に、柔術でも常に多様性を追求して戦ってきた。試合では自分の望まない形で戦わないといけないこともあるからね。MMAも同じ思考で戦うよ。だから過去8カ月は打撃に集中してきたんだ。そうすることで、柔術をより有効に使うことができる。

打撃とテイクダウン、打撃とクリンチを合わせて、僕の柔術を最大限に使える試合をする。それこそが今回の試合に限らず、僕がMMAでチャンピオンになれるかどうかのカギになるんだ」

──対戦相手のファン・ロンの印象を教えてください。  

「良い相手だ。きっとランキングの6位のはず。ただ対戦相手のことでなく、自分のことを考えているよ。そうでないと自分を見失ってしまう。まだデビュー戦だけど、いやデビュー戦だからこそ僕にはONE世界ミドル級チャンピオンになる力があることを示したい。

MMAを体験したいから戦うんじゃないんだ。MMAを征服する。アジアを征服するんだ。ONEを征服してチャンピオンになる。柔術家を代表して、MMAを支配する。ベストになるために、とてつもなくハードな練習をしてきたからね」

■視聴方法(予定)
11月13日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix03対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)

<64キロ契約/5分3R>
ソン・ミンジョン(韓国)
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)
手塚裕之(日本)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ユーリ・シモエス(ブラジル)
ファン・ロン(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
リト・アディワン(フィリピン)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix03 ONE113 ブログ ムラット・ラマザノフ 手塚裕之

【ONE113 Inside the Matrix03】ラマザノフ戦へ、手塚裕之─02─「自分のやることに集中し眠らせてやる」

【写真】大一番が続く野獣、手塚裕之 (C)KEISUKE TAKAZAWA

13日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix03」でムラッド・ラマザノフと対戦する手塚裕之インタビュー後編。

キャリア9勝0敗のダゲスタン人選手と戦う手塚、PCR検査は苦手な野獣だが、ケージのなかでは恐れるモノは何もない。

<手塚裕之インタビューPart.01はコチラから>


──ダゲスタン人も日本人も顔にはアゴがあり、テンプルがありますから。打ち抜けば……と。

「それは間違いなく自信はあります。ラマザノフは過去の試合映像でダウンをしているシーンもありましたし。打撃は思い切り振ってくるのはありますけど、洗練されているキックボクサーとかと比較すると、そこまでもないです。だから倒すなら打撃で倒します」

──ラマザノフのパンチは組むための打撃で、そこに反応すると組んでくる。でも、そのパンチを見ていないと当たる。

「まぁ、嫌なタイプですよね。手堅くきて、テイクダウンに関してもあんな風に同じ階級の選手を持ち上げてしまうなんて……」

──ペ・ミョンホ戦をケージサイドで見ていたら、MMAグローブが膨張しているんじゃないかと……そんな岩みたいな拳でした。しかもペ・ミョンホはケージレスリングに長けている選手でしたし、リストされてスラムからパウンドで一方的に敗れるとは思ってもいかったです。

「あの韓国人選手も組み技ができる選手だったのですね……。なるほどぉ……。いやぁ、もう最強の生物ぐらいな気持ちになって来たじゃないですか(苦笑)」

──でも野獣としては見せないといけないですね。

「アギラン・タニと戦うと思っていた時も、組んでくると想定していました。そこに入らせないように戦う練習をしていたので。組んでくる相手は頭を下げてくるので、アッパーとか磨いてきました。あとラマザノフはベタ足だから、カーフキックは入ると思います。だから思い切りきって蹴ります。カーフで前進を止めて、頭を下げてきたところを殴りたいですね。

あとダーティボクシングですかね。まだまだですが、ムエタイのヒジとか練習しています。MMAではスタンドでヒジを使える選手ってそんなにいないので」

──ところで、このところ一気に気温が下がったのですが、川でのトレーニングはもちろん、河原のフィジカルや自宅のジムでの練習は寒くないですか。

「寒いですよ。さすがに泳ぎはしていないですけど(笑)、外でフィジカルをして、自宅のジムの練習も続けています。もう相当に寒いので、逆に汗をかかずに良いトレーニングになっています」

──やはり野獣です(笑)。それにしても、今回はPCR検査が繰り返しあり、帰国後も2週間、公共交通を使えないなど試合前後もこれまでとはまるで環境が違います。

「自家用車は使えるから大丈夫です(笑)。ただPCRは鼻に入れられてメチャクチャ痛かったです……」

──ラマザノフと戦う野獣が何を言っているんですか(笑)。

「それとは違います(笑)。メチャクチャ痛くて、泣きましたんもん」

──泣きましたか(笑)。

「ハイ。でも確かに野獣のキャラではないですね。アハハハ。色々と勝手は違いますが、こんな時にシンガポールに呼んでもらっているので、試合ではしっかりと魅せます。

相手は強豪ですけど、自分のやることはいつもと全然変わらないので。自分はキャリア3戦目で元UFCファイターと試合をして負けてしまったのですが、そこで怖いモノなしになれました。だから強豪と戦うことはポジティブに捉えています。今回も自分のやることに集中して、ソレを当てて眠らせてやります」

■視聴方法(予定)
11月13日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix03対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)

<64キロ契約/5分3R>
ソン・ミンジョン(韓国)
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)
手塚裕之(日本)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ユーリ・シモエス(ブラジル)
ファン・ロン(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
リト・アディワン(フィリピン)

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【ONE113 Inside the Matrix03】強豪ラマザノフ戦へ、手塚裕之─01─「ロシアと聞いただけで恐ろしや」

【写真】栃木✖ダゲスタン、農耕民族✖戦闘民族。負けてはいられない!! (C)MMAPLANET

13日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix03」で手塚裕之が、ムラッド・ラマザノフと対戦する。

昨年の日本大会以来のONE本戦。9月にはRoad to ONEでグンダー・カルンダからKO勝ちし、ダゲスタンの猛者との一戦を迎えることとなった。

キャリア最強の相手との試合、シンガポールに旅立つ直前に行った取材で聞かれた手塚の意気込みをお届けしたい。


──手塚選手、シンガポールに向かう直前の忙しい時にインタビューを受けていただきありがとうございます。

「いえ、こちらこそありがとうございます」

──9月のRoad to ONE03で戦う前の取材で、そこを乗り越えてONEでアギラン・タニと戦いたいという発言がありました。まずはグンダー・カルンダ戦を振り返っていただけますか。

「作戦通りの試合内容……カーフを蹴り、視線を下げたまま左フックを合わせたら凄く入りました。そこから相手が下がって、打撃は全部見えるようになりましたね。ミドルに左フックを合わせるのも、ずっと練習していたのでイメージ通りの戦いができました」

──あの試合の後にONEの試合が決まったという形だったのですか。

「試合が終わって、控室に戻ったときに長南さんから話をいただきました」

──当初は希望通りアギランとの対戦という話がありましたが、マレーシアの新型コロナウィルス感染拡大により、対戦相手がムラッド・ラマザノフに変更されました。

「よくご存じですね(笑)。アギランとの試合は、もともと4月に決まっていたカードなので、全くケガもなくて即答で受けさせてもらいました。それから1週間ほどゆっくりしたのですが、試合が続く方が調整しやすいです。気持ちが張り詰めるということもないですし。悲壮感を漂わせ、緊張感と隣り合わせて戦うタイプではないので」

──しかし対戦相手が代わりました。マレーシアもシンガポールも経済とコロナの共生でなく、封じ込めを狙っている政策なのか。とにかくアギランのシンガポール行きが無くなりました。私はアギランも取材予定だったので、彼も本当に悔しがっているようでした。

「あんなに近いのに、それはそうですよね……。僕も対戦相手が変わったことを知らされた時は、驚きました。マレーシアがそんなことになっているとか、全然知らなかったので……。こんな情勢なのに対戦相手の国の状況ぐらい調べておくべきでしたね。甘かったです(苦笑)」

──そして新しい対戦相手は、ラマザノフになりました。正直、怖い相手です。

「いやぁ、皆がそう言います。もう言わないでくださいよ(苦笑)。名前を聞いた時にピンとこなかったので……まぁONEの選手自体それほど知らないのですが……」

──2月のシンガポール大会で、韓国の実力者ベ・ミョンホを一蹴しました。

「その韓国人が試合に出るという記事は読んでいたんです。『こんな韓国の選手がいるんだな』とか思ったのですが、試合結果とかチェックしていなかったです。でも試合が決まって映像を見たら……『コイツは強ぇぞ』って(笑)」

──相手の話はラマザノフ一本だったのでしょうか。

「ハイ。彼に代わったからという感じでした。それで取りあえず試合映像を見て、それで受けるという返事をしました」

──強いと感じたのに?

「まぁ、試合を断るということは頭になかったです」

──では先ほど、言われたラマザノフの強さ。どこにそれを最も感じましたか。

「もうロシアっていうだけで、恐ろしや……です」

──……。古典的なオヤジギャグですね(笑)。

「アハハハ。とにかくロシアって聞くだけで、なんか怖いじゃないですか。感情を表に出さないですし。フィジカルもとんでもなく強そうだし。しかもダゲスタンですよね、ヌルマゴメドフと同郷で……。本当にトップ中のトップだと思います。ONEの日本人で、あの選手に勝てる人がいるのなってぐらいに強いと思います。

試合運ぶは手堅くて、アレにハマっちゃうと本当にヤバいです。でも試合に関しては毎回恐怖を感じています。この間戦ったアフリカのグンター選手もそうですし、パンクラス時代の高木健太選手も一発を持つ選手でしたから、試合前は怖かったです。ラマザノフだから特別怖いっていうことではないです」

──コンゴ人選手に続き、ダゲスタンですし、ある意味ONEと契約していなかったらコロナ禍で戦うことはなかった相手かと思います。

「あぁ、確かにそうですよね。世界のトップを目指していると強いヤツと戦っていくことになりますし。どっちにみち、いつか当たるわけですしね。だからケガもなく、気持ちも乗っている時に連続して試合ができることは幸運です。昔から持っていると自分では思っていましたし、せっかくMMAをやっているんだから……今はそういうつもりでいます」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月13日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix03対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)

<64キロ契約/5分3R>
ソン・ミンジョン(韓国)
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)
手塚裕之(日本)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ユーリ・シモエス(ブラジル)
ファン・ロン(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
リト・アディワン(フィリピン)

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【ONE113 Inside the Matrix03】ソン・ミンジョン「辞めようと思った時、奇跡的に今回のオファーが…」

【写真】当然のように強い想い、覚悟を持ってケージに入る (C)MMAPLANET

13日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix03」でソン・ミンジョンが、ジェヘ・ユースタキオと8年振りにONEのサークルケージで戦う。

8年前の10月、ソン・ミンジョンはキャリア4勝4敗という戦績でONEで戦い、上田将勝に敗れた。その後、母国のRoad FCに戻りバンタム級では王座決定トーナメントで準優勝、田村一聖にRNCで一本勝ち。

フライ級に落とし春日井たけしと延長の激闘尾末、暫定フライ級のベルトを巻いた。その後チョ・ナムジンと統一戦に勝利し韓国の頂点に立ったソン・ミンジョンだが、3年半の間ケージを離れ、戻ってきたのはONEの発掘育成大会=Warrior Seriesだった。

空白期間とステップダウンと取れる選択をし、ついに本戦に戻ってきたソン・ミンジョン。ジェヘ・ユースタキオ戦とONE再出場に賭ける想いをファイトウィークになって行ったインタビューをお届けしたい。


──ついに再びONEチャンピオンシップのサークルケージで戦える日がやってきました。

「ハイ。本当に……。実は自分のなかでは、もう引退しようと思っていたんです」

──えっ?

「新型コロナウィルス感染拡大もあり、もう試合のチャンスは巡って来ないと考えるようになっていました。もう辞めようと思っていた時に、奇跡的に今回のオファーがあったんです。最初は信じられなかったです。この試合を実現させてくれた人達に本当に感謝しています」

──ソン・ミンジョンが引退しないで済んで本当に良かったです。まだ28歳ですしね。

「ありがとうございます。目が覚めたような気分です。しっかりと戦っていこうと思います」

──もともとRoad FCではフライ級王者に君臨し、韓国のトップファイターでした。しかし、ロードFCで長らく試合に出ていないと思っていたらONE Warrior Seriesで戦っていました。ロードのチャンピオンが、即ONE本戦で戦う機会を得ることはできなかったのでしょうか。

「3年間、ロードFCでは試合ができませんでした。この間に4度も大きな手術をしました。もう体が悲鳴を挙げて、戦うことは無理でした。それでも長い負傷欠場期間が明け、ロードFCでタイトル防衛に臨むことができるようになりました。でも、なかなかタイミングが合わず、自分の試合がプッシュされることもなかったです。

結果として契約期間が終了してしまいました。あの時、自分は進路を決める必要がありました。そして多くの人が『なんで、ウォリアーシリーズなんだ?』といってくれました。『チャンピオンだろう? プライドがないのか』とも。でも、1パーセントもそんな気持ちはなかったです。ウォリアーシリーズで戦い、勝てばONEにステップアップできる。あの機会を与えられて本当に良かったと思っています」

──8年前にONEで戦っていました。あの頃と今の自分を比較してどう思いますか。

「比較にならないほど強くなり、タフになり、良いファイターになっています。前に戦っていた時は、まだデビューしたばかりでした。ルーキーでしかなかったですが、今の自分はトップ5、チャンピオン・レベルにあると思っています」

──ではONEはどのように変化していますか。

「あの時から良い団体だと思っていたのですが、今はその10倍、20倍は価値のある大会になっています。何よりONEの選手を大切する有り方は本当に素晴らしいです。MMAとは自分が家族を守る手段なんです。その大切さをONEチャンピオンシップはフィロソフィーとして持っています」

──金曜日、元世界王者のジェヘと戦います。ただの1試合ではないと思います。

「彼が優れた選手であることは、皆が知っています。自分はもうロードFCのチャンピオンだった肩書とか、そういうモノは必要ないです。ベストを尽くして戦い、勝つ。できれば誰も傷つかず、このスポーツをひたすら楽しみたいです。

もちろん、対戦相手を倒すために全力を尽くします。ただし、それだけでの時間にはしたくない。MMAを楽しみたいです」

──今回の試合はショートノーティス出場ということもあり、64キロの契約体重です。今後はフライ級かバンタム級、どちらで戦っていく予定ですか。

「今、自分には2つの目標があります。1つはフライ級のランキングに入ることです。そして、デメトリウス・ジョンソンと戦い自分を試したいと思っています」

──ONEフライ級には若松佑弥選手、和田竜光選手という日本を代表する選手がロースターに加わっています。ソン・ミンジョン選手は既にHEAT王者だったRoad FCで春日井たけし選手を破り、そしてWarrior SeriesでZST王者のジェイク・ムラタ選手に勝利していますが、ONEで戦う日本人選手のことをどのように思っていますか。

「和田選手と若松選手が良い選手だということは知っています。自分の視界に入っている選手です。それだけ良い試合をしていますし。過去5年、日本人選手の成長は凄いと感じています。でも、彼らが自分とサークルケージのなかで向かい合うのであれば、叩きのめすだけです」

──ジェヘ・ユースタキオ戦、楽しみにしています。

「皆が自分のことをレスラー、そしてグラップラーだと思っているはずです。ずっと徹底的に打撃を磨いてきました。自分の打撃がどこまで成長しているのかを見せたいです」

■視聴方法(予定)
11月13日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix03対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)

<64キロ契約/5分3R>
ソン・ミンジョン(韓国)
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)
手塚裕之(日本)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ユーリ・シモエス(ブラジル)
ファン・ロン(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
リト・アディワン(フィリピン)

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