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【ONE131】ONEが攻める!! 4月22日、地上最強柔術家&グラップラー=マイキー・ムスメシ✖今成正和決定

【写真】ファンメンタル、モダン、レッグロッカー、マイキーはどの顔で今成と相対するのか──楽しみ過ぎる一戦(C)FLOGRAPPLING&MMAPLANET

31日(木・現地時間)、26日(土・同)に10周年記念大会=ONE Xを終えたばかりのONE Championshipが公式SNSで4月22日(金・同)に開催されるONE131「Reloaded」でマイキー・ムスメシ✖今成正和のサブミッション・グラップリング戦を組むことを発表している。

MMA、ムエタイ、キックボクシングに次ぐONEにとって第4の軸となるサブミッション・グラップリングで、超注目カードが組まれた。


2017年から2年連続ムンジアルのライトフェザー級を制し、2019年とパンデミックで中止となった2020年を経て2021年にはルースター級優勝、現状4連覇中で道着柔術世界最強の名を欲しいままにしているマイキーは、その2021年にはノーギ・グラップリングをロックオンした。

1月にWNO07でマルセロ・コーヘンを腕ひしぎ腕固めで一蹴すると、5月のWNO09におけるルーカス・ピニェーロ戦、さらに6月のWNO10でジュニー・オカシオ戦、3カ月連続となる7月には後半ポイント有りのRoad to ADCCでジオ・マルチネスを撃破し、ノーギへの対応力の凄まじい高さを見せつけた。

9月のWNO Championshipではライト級トーナメントに出場し、ガブリエル・ソウザのノースサウスチョークに下るも、翌10月WNO12ではリチャード・アラルコンを秒殺してWNOバンタム級チャンピオンの座に就いている。

そして12月に上記にあるムンジアル4連覇目を達成するや、今年に入り1月にはノーギワールズ王者エステファン・マルチネスを3-0で下しWNOバンタム級王座初防衛と、マイキーは誰にも止められない破竹の勢いを見せている。

そのマイキー、本来は今月25日のWNO14でジオ・マルチネスの挑戦を受ける予定だったが、祖母を亡くし欠場しONE初陣を迎えることとなった。

ベリンボロがクラブライド~トラックポジションでトップもバックも奪取できるモダン柔術の使い手、現代競技柔術最先端の旗手という印象の強いマイキーだが、その実──彼は競技大会直前以外の期間はオールドスクールといっても良い、クローズドガード、パスガード、バックテイクにチョークという根幹部を重視したファンダメンタル柔術の精度を上げることに費やしている。

そんな軸があってモダン、ノーギになっても足関節を使いこなすことがデキる万能がグラップラーだ。一方イマナリロールで世界に名を知らしめる今成も現代レッグロックを習得し、代名詞である足関をアップデートしている。

さらにいえば道着柔術でムンジアルに挑戦している頃からガードを取っての三角、腕十字、スイープを得意としていた。ただし、トップからポジションニング、ガードでの防御能力の高さでいえばこれはもうマイキーが今成を上回るとしか書き記しようがない。

とはいえ、この試合はケージで行われる。リングMMA時代からマットと違い、ロープや金網があることで動きが窮屈になる位置と、そこでの動きを今成は熟知している。そしてケージ際に持ち込む術も持つ。

マイキーがそれ以上回転できない場所で、ヒールの攻防が見られれば今成にも勝機が生まれるが、果たして……。

(C)FLOGRAPPLING

一方マイキーには足関節へのカウンターのベリンボロがあり、足関節にしてもワキの下で足首を取るのではなく、首の付け根と鎖骨の上=ネックピットで利して極めるマイキーロックなる仕掛けある。

マイキーが有利なことを承知のうえで、今成が勝ちに行くグラップリングを展開できるのか──軽量級だからこそのダイナミズムを両者に期待したいケージ・サブミッション・グラップリング戦だ。

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MMA Report WNO10 クレイグ・ジョーンズ タイ・ルオトロ ブログ

【WNO10】上でも強いんです──クレイグ・ジョーンズが、タイ・ルオトロに盤石のチップゲームで勝利

【写真】ビクトル投げからヒザ十字、何でもできる (C)MIKE CALIMBAS/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催された。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー最終回はメインイベント、クレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロの一戦──ジョーンズがトップゲームで強さを見せた試合の模様をお届けしたい。


<ノーギ200ポンド契約/15分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def. 3-0
タイ・ルオトロ(米国)

タイが徐々にウェイトアップしているとはいえ、10キロほどの体重差がある両者の戦い。試合開始後、ジョーンズはいつものように引き込むことはせず、タイと首を取り合い、足を飛ばしてスタンドの攻防を挑む。

やがてタイの左腕を両腕で掴んで体を寄せたジョーンズは内股を仕掛け、バランスを崩したタイの背中に素早く付く。

タイはすぐに前転するが、ジョーンズは重心を低くしてそこからのスクランブルを許さず、タイの背中をマットにつけさせてバタフライガードの中に入った。

腕を伸ばして距離を作りたいタイだが、ジョーンズは低く体重をかけて密着。タイはバタフライフックでジョーンズの右足を浮かせると、外掛けで絡んでの足関節狙いへ。いつもは下から足関節を狙うジョーンズが上を取り、普段は決して下にステイせずに上攻め専門のタイが下から足関節を仕掛けるという、通常とは逆の光景が展開されている。が、望まない攻防を強制されているのはタイの方だ。

足関節の攻防はお手のもののジョーンズは難なく足を抜くと、その後もバランスをキープする。

さらに上半身を低く密着させボディロック作ったジョーンズは、左にステップオーバーしてタイの右足を超えてパスガードを決めた。このボディロックパスは、足関節技やバタフライからの仕掛けと並ぶダハナー一門の得意パターンだ。

(C)CLAYTON JONES

が、次の瞬間タイは自らの左腕で左脚をフックして三角絞めのように下から締めるバギーチョーク狙いへ。

嫌がるジョーンズはタイの口を手で塞ぎ、さらに顔面を前腕で圧迫してディフェンス。そこでスペースができたところで、タイはバタフライガードに戻してみせた。

その後もタイが下からジョーンズを浮かそうと試みるが、体格に勝るジョーンズが密着し続ける展開が続く。タイは両足でジョーンズの鼠蹊部を蹴って距離を作って立とうとするが、ジョーンズはそれも許さない。さらにタイはデラヒーバフットロックや内回りを仕掛けるが、その度にジョーンズは容易くディフェンスをして上をキープする。

それでも、ついにバタフライでジョーンズのバランスを崩したタイは、両腕を伸ばしてジョーンズのワキを押して隙間を作って立つ。

追いかけるジョーンズを振りほどいたタイは、残り8分の時点でついにスタンドに戻ることに成功した。スタンドでタイはジョーンズの右足に触れてから、両差しをとる。が、ジョーンズはオーバーフックから内股へ。

タイが堪えると、ジョーンズはそのまま前転してビクトル投げに移行する。左足をワキに挟むと強烈なヒザ十字を仕掛けたジョーンズだが、タイは角度をずらしてみせた。

そこからジョーンズは50/50の体勢を作って必殺のヒールを狙ってゆく。最大のピンチを迎えたと思われたタイだが、捕らえられている左足を深く伸ばして防御する。

その後もジョーンズがフックを作ろうと動くたびに、タイは先に左に回転してそれを許さない。やがてジョーンズは自ら足の絡みを解き、上を選択した。

またしても下を余儀なくされたタイは下から浮かせたり、フレームを作って距離を作ろうとするが、ジョーンズは重心を低く保ってバランスキープし、やがて体を巧みにずらして再びボディロックへ。

ここでも下からのバギーチョークで抵抗するタイだが、ジョーンズは上から前腕でタイの顔を圧迫する。

やがてハーフに入ったジョーンズは、頭をタイの右ワキにこじ入れると、右腕で枕を作ってグリップを作り、右肩でタイの首を強烈に圧迫してゆく。続いて腰を切ったジョーンズは、タイの両足を重ねて潰すことに成功する。再びパスガードかと思いきや、タイは下から動いて体をずらしてエスケープ。

ジョーンズの右足に下から外掛けで絡んでゆく。が、ジョーンズはその絡みを難なく外して上をキープした。

その後もタイは下から足関節やスイープを仕掛けるものの、体重で勝り足関節の攻防を熟知しているジョーンズには通じず。結局ジョーンズが上をキープしたまま時間切れとなった。

判定は3-0でジョーンズに。笑顔でタイと健闘を称えあったジョーンズは、タイのセコンドにして、チームメイトのゴードン・ライアンと因縁のあるアトス総帥のアンドレ・ガルバォンとも笑顔で挨拶を交わした。

試合後のインタビューでジョーンズは、普段と違って上からの戦いを選択したことについて聞かれ、「いやあ、試合前にキミらが『クレイグは引き込む』、『あいつがやることは予想できる』って言いまくるから、『じゃあ違うことやってやるぜ!』って思ったんだよ。まあ俺たちはいつも全ての局面を練習し、ウェルラウンデットな選手を目指している。だからどんな体勢でも戦えるんだ。バキーチョークはちょっとヤバかったけど、ああいう技にはこっちも大袈裟なくらいにディフェンスするもんだ。だってあんな技で極められちまったら赤っ恥だろ。一番フィニッシュに近かったのは、(自分が仕掛けた)ヒザ十字だよ」と語った。

自身の一番得意な形をあえて使わず、相手に不得手なボトムでの戦いを余儀なくさせたジョーンズ。足関節だけではなく、スタンドでの内股からのテイクダウンと強力なトップゲームを披露し、引き出しの広さを見せつけた。このジョーンズの戦いは、一芸に秀でるだけでなく、全ての面で強いウェルラウンデッドであることの重要性を改めて教えてくれるものだった。

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Gladiator014 MMA WNO10 ジュニー・オカシオ マイキー・ムスメシ

【WNO10】マキシー・ムスメシが、足関節デモンストレーションでオカシオに圧勝

【写真】オールドスクールのガード、モダン柔術がしっかりしていると足関節ゲームのお手のモノになってしまうか……マイキー、恐るべし (C)/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催された。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー第3回は、本格的にノーギグラップリングに挑むようになった競技柔術軽量級ナンバーワンのマキシー・ムスメシが、ジュニー・オカシオ戦で足関節のバリエーションの多さを披露した戦いをお届けしたい。


<ノーギ・バンタム級/15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def. 3-0
ジュニー・オカシオ(米国)

この世界では新鋭であるオカシオが32歳で、逆に熟練された競技柔術絶対王者のムスメシはまだ24歳だ。だがノーギグラップリングの世界においては、オカシオがすでにトップの地位を確立しているのに対し、ムスメシは本格転向してからまだ3カ月も経っていない。

シッティングを取ったムスメシは、内側からオカシオの左をたぐりにゆく。ヒールで秒殺した前回のピニェーロ戦に続き、足関節を得意とするノーギグラップラーであるオカシオ相手にも足関節の攻防を挑むつもりのようだ。

対するオカシオも上からムスメシの右足を取りにゆき、両者は足を取り合った。

ムスメシは左に絡んでのベリンボロから足を狙うが、オカシオも距離を取って足をとらせず、逆にムスメシの左足に外掛けで絡んで、さらに右足を取りゆく。

ここでムスメシがオカシオの左足を捉え、ストレートフットロックでカウンター。

実はムスメシは2019年のムンジアル決勝戦において、この技でホドネイ・バルボーザを秒殺したほどの使い手だ。強烈に足を締め付けられたオカシオは、場外に出るまでスピンし続けてブレイクを得た。

再開後、ムスメシは再び座ると今度はオカシオの右足に絡み、外掛けから内ヒールへ。オカシオはまたしてもスピンを続けてのエスケープを余儀なくされ、再び場外ブレイクとなった。

中央に戻ると、またしても座ってオカシオの右足に絡むムスメシ。するとオカシオは、ムスメシの足関節の強さを悟ったか、もはや攻防を挑まず背中を向けて引き抜いた。

その後もムスメシが下から絡んで足を狙い、オカシオがそこから逃れる展開が続く。

ヒール、エスティマロック、デラヒーバフットロック、クロスグリップのフットロック等、ムスメシは多様な足関節を繰り出し、極めることはできないが一方的に攻撃を繰り返していった。

残り40秒。ここまで防戦一方だったオカシオも、逆転を狙って足を狙って倒れ込む。するとムスメシはその左足を流しながら掴み、シットアップして超えてニーオンザベリーへ。

オカシオが下からスクランブルを試みると、すかさず首を取ってアナコンダチョーク一閃。深くロックが入り、上から体重をかけて絞めあげ完全決着かというところで、時間切れとなった。

判定は3-0でムスメシに。ノーギの練習を開始してまだ二ヶ月半ほど。ピニェーロ戦での秒殺劇に続き、今度は足関節を得意とするトップノーギグラップラーのオカシオを多彩かつ強烈無比な足関節の仕掛けで圧倒。最後はわずか数秒でトップから制圧し、次の瞬間には深く極めに入るという、まさに底知れぬ強さを見せつけた。

勝利者インタビューでムスメシは「ジュニーがすごく足関節が上手いことを知っていたから、今日はハイレベルな足関節の攻防を感じてみたかったんだ。またたくさん修正点はあるけど、でもうまく戦えた。でもジュニーのエスケープも素晴らしかったね」と、その恐るべき強さとはあまりにも対照的なソフトな口調と笑顔で語った。

ムスメシの次戦は7月17日(日・現地時間)、Road to ADCCのジオ・マルティネスが気会っている。一回り以上大きく、現役の一流ブレイクダンサーとして強靭かつ柔軟な身体を持ち、極め力も抜群の10th planet柔術軽量級のエースとの一戦が、今から楽しみだ。

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JJ Globo Report WNO10 オリバー・タザ ブログ ミカエル・ガルバォン

【WNO10】17歳──柔術の神の子=ミカ・ガルバォン。タザの動きに身を任せるBe Water柔術で快勝

【写真】豪快なベリートゥベリーを決めてしまうミカ・ガルバォン (C)CLAYTON JONES/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催された。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー第2回は、世界のグラプリング・シーンに衝撃を与え続ける17歳=ミカ・ガルバォンが、足関の名手オリバー・タザを相手に魅せた攻防のバランスが取れた流れに身を任せつつ、要所を締める……be water柔術の模様をお届けしたい。


<ノーギ・ミドル級/15分1R>
ミカエル・ガルバォン(ブラジル)
Def. 3-0
オリバー・タザ(カナダ)

(C)MIKE CALIMBAS

17歳の超新星ミカを迎え撃つタザは、ちょうど10歳年上の27歳だ。当然完全に体ができているタザと比べると、ミカは顔も体型も幼さが残る。

試合開始後、両者ともに引き込みはせずに、スタンドで頭を取り合いいなし合う展開に。リラックスしたミカが軽くダブルレッグや飛びついてのギロチンのモーションを見せるのに対し、タザは気合いを前面に出して積極的にテイクダウンのフェイントやアームドラッグを仕掛ける。

(C)MIKE CALIMBAS

首を抱えあった状態から、タザはイマナリロールのように低く入る。が、ミカはすぐに反応して潰してサイドを奪取。さらにミカはタザの首を殺しにかかるが、タザは下から腕のフレームを張って距離を作って立ち上がった。

引き続きスタンドで前に出るタザは、スナップダウンを仕掛けるが、ミカはそれに乗じて前にドライブしてテイクダウン。ボディロックを作ったミカに対し、タザは下からヒップバンプ。

と、その瞬間にミカは跨いでマウント狙いへ。ミカは余計な力を使わず、相手の動きに乗じての一瞬の反応でポジションを進めている。その動きのスムーズさは目を見張るものがある。

下から動き続けるタザは体をずらして足を取りにゆくが、ミカも付いてゆき、タザの背中とマットの間に頭を滑り込ませてのバック狙いへ。

タザは横回転して正対を試みるが、ミカはそれを許さず4の字フックを組んでマウントへ。

それでも動いてスクランブルを試み続けるタザと、その動きに付いてゆきバックorマウントを譲らないミカ。やがてミカはタザの動きの先をゆくように一瞬で三角絞めへ。

反応して頭を抜いたタザは、倒れ込みながらのミカの右足にからむ。が、ミカはすぐに反応して足を抜いて離れた。

残り8分。両者スタンド。タザは、やや消耗が見えるミカの右足を抱えて倒そうとするが、ミカはバランス保つ。再びタザがミカの右足に手を伸ばすと、あっさりその足を取らせて片足で飛んでのギロチン狙いへ。

(C)MIKE CALIMBAS

防いだタザは軸足を払ってテイクダウンに成功。そこから足を狙いたいタザだが、ミカは前転して立ち上がった。

試合は再びスタンドに戻り、前に出るタザに簡単に両差しを許したミカだが、次の瞬間反り投げ一閃。大きな弧を描いて投げ捨てられたタザが、すぐに立ち上がる。

前に出ても切り返される展開に、タザは引き込んで足を狙うが、ミカは難なく距離をとる。積極的に仕掛けるタザと、ときに無防備とも感じられる様子で攻撃をさせながらも、要所で瞬時に切り返すミカという攻防が続く。

(C)MIKE CALIMBAS

タザはスナップダウンからがぶるが、ミカは横回転して逃れると、次の瞬間三角絞めへ。タザが頭を抜くやオモプラッタへ移行する。タザはミカの体をまたぐと、右足に必殺のヒール狙い。が、ここでもミカはすぐに足を抜いた。

残り3分。前に出るタザはアームドラッグからバック狙いを見せるが、ミカは素早く体を翻して逆に背中を取りかけ、それを嫌がったタザがガードを取り──その中に収まる。ここでもミカは攻撃をさせておいて、天性の反応力と最低限の力で切り返している。

(C)MIKE CALIMBAS

下から足を狙うタザだが、ミカは距離を取る。

ならばとタザが立とうとすると、すかさず背中に回ろうとするミカ。それを嫌って再びタザが寝転ぶと、ミカはマウントへ。タザは下から動いて体をずらし足関節狙い、ここもミカはすぐに離れた。

残り時間が少なくなり、このままでは判定で不利なタザは引き込んで足狙いへ。

(C)MIKE CALIMBAS

仰向けになったミカは、なんと自らの体を二つ折りにして、自分の両足を両手で抱え込んでグリップを作るという、まるで一人ラバーガード状態を創る──エアーラバーガードで足関節を防御。

最後の数秒をこの奇手でやり過ごし、セルフラバーガードでマットに転がったままミカは試合を終えた。

判定は3-0で、何度かバックやマウントを取りかけたミカに。体力的には明らかに大人のタザに劣る17歳のミカ。先週のタイナン・ダウプラ戦のような驚天動地のアクションこそなかったものの、一見無防備に相手に攻撃させるようでいて一瞬で柔らかく切り返し、相手の動作にごく自然に反応。一切無駄のない動きでポジションを進めてゆく体の使い方は、他に類を見ないもの。17歳にして、「柔術」を誰よりも体現しているグラップラーだとすら言えるかもしれない。

そして先週タイナン・ダウプラにスイープの形を一切作らせなかったように、今回はタザに足を絡めることすら許さず、足関節の仕掛けを無難に回避してみせたことも特筆に値する。真に驚くべき存在であるミカエル・ガルバォンが今後どう進化してゆくのか、見逃せない。

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MMA ONE WNO10 ハイサム・リダ

【WNO10】ハイサム・リダ、キーナン・コーネリアスの代役を36秒で一蹴!! 次こそっ!!!!

【写真】体格差もあったが、それを差し引いても完勝だったハイサム (C)MIKE CALIMBAS/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催された。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー第1回は、キーナン・コーネリアスの欠場でその教え子のミカ・ペルハヴィッツをハイサム・リダが圧倒した一戦の模様をお届けしたい。


<ノーギ・ヘビー級/15分1R>
ハイサム・リダ(ガーナ)
Def. 0分36秒by 腕十字
ミカ・ペルハヴィッツ(スロヴェニア)

かなりの体格差のある両者。計量ではハイサムの方が約30ポンド重かったという。

試合開始と同時に前に出たペルハヴィッツは、組んで足を飛ばすと払い腰を狙う。が、それを堪えたハイサムはそのまま背中につき、ダイブするようにグラウンドに引きずりこんだ。

Clayton Jones(C)WNO

体をずらすペルハヴィッツがハーフからシッティングに移行しようとすると、上のハイサムはダイブしつつペルハヴィッツの右腕をキムラグリップでキャッチ。

そのまま腕十字に移行したハイサムは、体を起こしてスタックを狙うペルハヴィッツの右腕を伸ばし切り、僅か36秒でタップを奪った。

互いに思い切り良く仕掛け合うダイナミックな展開から、一瞬の極め。プロとしてこれ以上ないほどの形で勝利を挙げたハイサムは「今回のパフォーマンスは前回よりは少し満足できたよ。もちろん次は(今回負傷欠場した)キーナン(コーネリアス)と試合をしたいよ。僕のドリームマッチだ。いろいろなことを学ばせてもらった選手とマットをシェアできたら光栄だ」と語った。

圧巻の攻撃力をコーネリアスはどう対処するのか、両者の戦いへの期待を大いに高める、ハイサムの秒殺勝利だった。

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EUG02 MMA WNO10 オリバー・タザ ジュニー・オカシオ ジョナタ・アウヴェス タイナン・ダウプラ マイキー・ムスメシ ミカエル・ガルバォン ルーカス・ピニェーロ

【WNO10】マイキー・ムスメシが2大会連続出場。EUG02の衝撃から1週間、ミカ・ガルバォンも

【写真】マイキーの快進撃が始まるか(C)COREY STOKTON/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催される。レビュー最終回はバンタム級のマイキー・ムスメシ✖ジュニー・オカシオ、ウェルター級のミカエル・ガルバォン✖オリバー・タザという注目の2試合の見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi

ムスメシは、言わずと知れた2017年~2019年にムンジアル三連覇を達成し、道着着用の柔術においては誰もが認める軽量級絶対王者だ。今年に入って最後の野望=ADCC制覇に向けてノーギでも本格始動を開始し、5月のWNO 09ではルーカス・ピニェーロ相手にわずか1分半足らず、下から50/50を作っての内ヒールで秒殺勝利している。


3月のマルセロ・コーエン戦(腕を極めて圧勝)後に練習をノーギに切り替えてわずか2カ月にして、その恐るべき対応能力を見せつけたムスメシの対戦相手ジュニー・オカシオは、ミヤオ兄弟の同門でユニティ柔術所属だ。2019年に黒帯を取得すると、Kasai pro 6の予選リーグで今成正和の足関節技を凌いでポジションを奪って8-1で勝利、さらに10thPlanet柔術・軽量級のエース=ジオ・マルチネスとの凌ぎ合いを2-0で制して決勝進出。 決勝こそ先輩のジョアオに惜敗したももの、その実力を知らしめた。

その後も実績を重ねているオカシオは、まぎれもなくノーギグラップリング専門の軽量級トップファイターの一人だ。前回ムスメシが勝利したピニェーロは、超一流選手ではあるものの道着着用柔術をメインとするファイターであり、ヒール等の足関節技に不慣れであったことは否めない。

よって今回のオカシオ戦こそ、怪物ムスメシのノーギグラップリングの技術的洗練度、進化の度合いを図る絶好の機会となりそうだ。

続いてWNO 09(ではアンドリュー・タケットに圧倒的な勝利を挙げ、1週間前のEUG02における道着170パウンド以下級トーナメントにて、世界トップの黒帯たちを相手に驚愕のパフォーマンスを見せたスーパーティーンネイジャー、ミカことミカエル・ガルヴァオンが怒涛の連戦に打って出る。

連戦が可能になり、世界のトップの出場機会が多くなるのが組み技競技の良いところだ。ノーギと道着着用を股にかけて活躍し、現在世界でもっとも熱い注目を集めるグラップラーと呼べるミカの今回の相手は、ジョン・ダナハー門下にしてレバノン出身のカナダ人足関節師、オリバー・タザだ。

タザも先月のWNO 09に出場。奇遇なことに、先日のEUG 2トーナメントの決勝でミカの猛攻を膠着戦法で凌ぎ切って優勝したジョナタ・アウヴェスと対戦している。この試合でタザは一度パスを許してサイドを奪われる場面があったものの、前半に必殺のヒールフックを何度も仕掛け、凌がれたもののサブミッション狙いの数で上回りレフェリー判定勝利を得ている。

ミカがEUG 2のトーナメントにて、トップにおける絶妙のバランスと体捌き、チャンスを逃さない反応速度からの連続攻撃で、超強豪タイナン・ダウプラの強力なガードからのスイープを完封したのは記憶に新しいところ。

驚愕のトップゲームを持つミカが、タザが使いこなす足関節の仕掛けに対してどう対応するのか。同世代のライバルであるルオトロ兄弟が4月のWNO 08で見せた足関節対処法とはまた一味違ったアプローチを、ミカが見せてくれることにも期待したい。

他にメインカードでは、タイの双子の兄弟ケイド・ルオトロと、チンギーニャことマウリシオ・マリアーノの黒帯コール・フランソンの一戦、WNO 08でデイヴィッド・ガルモに完勝したアンドリュー・ウィルツィと、ヴィエイラ兄弟の黒帯カブリエル・アウメイダの試合。

さらには昨年のパン柔術とパンノーギの両方を制したアンドレ・ガルバォンの黒帯ハファエル・ガエデスと、ホイス・グレイシー系の黒帯にしてプロMMAでも2戦2勝の戦績を持つエリン・ハープの女子マッチが組まれている。

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MMA ONE WNO10 クレイグ・ジョーンズ タイ・ルオトロ ニッキー・ライアン ルイス・パンザ

【WNO10】クレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロ。ストップ・ザ・ダナハー流足関は、ベリンボロ?!

【写真】この形にさせないこと、それがルオトロの勝利への道だ(C)MIKE CALIMBAS/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催される。レビュー第2弾はクレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロの一戦を深掘りしたい。
Text by Isamu Horiuchi

4月のWNO 08で実現予定だったものの、ジョーンズの欠場によって流れた一戦が実現する。最大の焦点は、足関節技をめぐる攻防だろう。


ラクラン・ジャイルズ、ジョン・ダナハーという世界が誇る二大足関節理論家から学んだジョーンズは、2月のWNO 06でホナウド・ジュニオールを、そして5月のWNO 09では、IBJJF系の足関節師ルイス・パンザを必殺の内ヒールで秒殺。その切れ味をまざまざと見せつけて復活を遂げている。

しかし今回の相手タイ・ルオトロは、近年猛威を振るう足関節技への対策において最先端を行く選手といえる。昨年ニッキー・ライアンの足関節を素早く対処して潰し、レッグドラッグでパスを奪って完勝したタイは、WNO 08ではジョーンズの代役にして、同じく足関節技を得意とするウィリアム・タケットと対戦した際も足関節を完封している。

その方法が、上から飛び込んでのベリンボロを駆使してタケットの足関節を潰すというもの。ここからパスの連続攻撃でタケットの足を何度も超えて完勝して見せた。

注目すべきは、同日にタイの双子の兄弟のケイドもまた、ジョーンズと同門のイサン・クレリンステン相手に完勝していることだ。

タイ同様に上から飛び込んでのベリンボロでクレリンステンの足関節技を封じ込めたケイドは、さらにクレリンステンがバタフライガードから足を抱えにきたところに、逆にダースチョークを極めて完勝。この日のルオトロ兄弟は、ダナハー一門の十八番であるバタフライガードからの崩しや足関節の仕掛けに対し、きわめて完成度の高いカウンターで上を行った。

このルオトロ兄弟流の足関節対処は、体格・実績で大きく上回るジョーンズにも通用するのか。またジョーンズは、たとえ足関節を封じられても精度の高いバックテイクや強烈な三角絞め等の極め技を持ち合わせている。常にサブミッションを狙うジョーンズと、相手が疲弊するまでノンストップでパスを狙ってゆくタイの戦いは、世界最高峰、最先端のエキサイティングな攻防になることは間違いないだろう。

■視聴方法(予定)
6月19日(土・日本時間)
午前9時00分~ FloGappling

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JJ Globo Preview WNO10 クレイグ・ジョーンズ タイ・ルオトロ ハイサム・リダ ブログ マイキー・ムスメシ ミカエル・ガルバォン ミカ・ペルハヴェッツ

【WNO10】クレイグ✖ルオトロ、マイキー&ミカ出場のWNOで、ハイサムがキーナンの愛弟子と対戦

【写真】F2WからWNOプレリミ、今回の試合を勝利してWNOメインカードに進出し名実ともに北米トップグラップラーの仲間入りを果たしたい(C)F2W

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

今やワンマッチのプログラップリングイベントとして世界最高峰といえる同大会だが、今回もクレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロ、マイキー・ムスメシ✖ジュニー・オカシオという注目度の高い試合が組まれている。

さらには先のEUG02で組み技の世界を震撼させたといっても過言でないミカエル・ガルバォンがオリバー・タザと対戦するなど、豪華なだけでなく試合内容を予想するだけで、スリリングでたまらない顔合わせが揃ったといえよう。そんなWNO10にハイサム・リダが、5月大会に続き出場する。


スローン・クライマー戦の完勝を経て、当初の予定ではキーナン・コーネリアスという大物とメインカードで対戦という大抜擢を受けていたハイサムだが、そのキーナンが背中の負傷により欠場としてしまう。

結果、キーナンの愛弟子ミカ・ペルハヴェッツに対戦相手が変更され、またもプレリミ出場になってしまった。

残念すぎるキーナンの欠場だが、ペルハヴェッツは全くもって楽観できる相手ではない。ペルハヴェッツはバルカン諸国スロヴェニア出身で柔道をバックグラウンドに持ち、3カ月前にキーナンから黒帯を授与された。以前からヨーロッパのグラップリングシーンを印象的な活躍をしてきたペルハヴェッツは、英国のノーポイント&サブオンリー大会=Polarisでこれまでに3勝1敗というレコードを持っている。

唯一敗れたリッチー・ブギーマン・マルティネス戦も序盤に豪快な大腰で一本勝ち相当の投げでマットに叩きつけて場内を沸かせているなど、ポラリスでの活躍からも彼が欧州のトップレベルにあることは間違いない。。

跳びつき腕十字で秒殺勝利を挙げたことをあり、強烈な極めも持っているペルハヴェッツは、ハイサムとしては決して油断のできない猛者だ。それでもハイサムとして、ペルハヴェッツを相手にしっかりと勝利し、師匠キーナン・コーネリアスを引きずり出したい。

■視聴方法(予定)
6月19日(土・日本時間)、
午前9時00分~ FloGappling

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