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【Shooto2024#04】藤野と杉本が世界女子ストロー級王座決定戦でリマッチ。関口×石井、旭那×田上が決定

【写真】リーグ戦でドローに終わっている2人が王座決定戦で再戦(C)SATOSHI NARITA

5月19日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるプロフェッショナル修斗公式戦。この日は昼夜大会として開催され、第1部=PROFESSIONAL SHOOTO 2024 Vol.4の主要カードが発表された。
Text by Takumi Nakamura


今大会のタイトルマッチとして、世界女子ストロー級チャンピオン決定戦=藤野恵実×杉本恵が決定した。藤野と杉本はともに昨年のインフィニティリーグに出場。

1位と2位が世界王座決定戦で対戦するというレギュレーションのなか、ともに3勝1分の成績だったが、2つの一本勝ちを収めた藤野が勝ち点で杉本を上回り、藤野が優勝、杉本が準優勝という結果に。リーグ戦でドローに終わっている2人がベルトをかけたリマッチに臨むことになる。

前回=昨年11月の対戦は1Rに藤野が左右のフックでフラッシュダウンを奪い、バックキープするなど優勢に試合を進め、2Rは杉本が1度テイクダウンを奪ったものの、トップキープを許さなかった藤野が打撃で前に出る展開で終了。

ジャッジ1名が20-18で藤野を支持、残り2名が19-19というポイントでのドローで、1Rを明確に藤野が取り、2Rは票が割れる形だったため、藤野優勢の印象が残る内容だった。

この時はリーグ戦のため5分2Rの短期勝負だったが、今回は王座決定戦=5分5Rの長期戦となる。約半年というインターバルでの再戦、藤野としては前回の試合運びを継続すれば勝ちが見えてくる。杉本がどんな準備と戦略を用意してケージに立つかがポイントの王座決定戦だ。

昨年12月にフライ級で内藤頌貴に一本勝ちした石井逸人がランキング1位の関口祐冬と対戦。また旭那拳の負傷により、3月大会から延期となっていた田上こゆるとの一戦が今大会にスライドで実施される。

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45 MMA MMAPLANET o Shooto The Shooto Okinawa10   ザ・タイガー石井 タイガー石井 パンクラス マッチョ・ザ・バタフライ リトル 修斗 内藤太尊 南風原吉良斗 大城正也 大田ノヒロ 宇藤彰貴 安芸柊斗 当真佳直 新井丈 旭那拳 木村旬志 松根良太 根井博登 泰斗 澤田龍人 牧ケ谷篤 田上こゆる 畠山隆弥 畠山隆称 蒔田伸吾 黒澤亮平 黒部和沙

【The Shooto Okinawa10】メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直「無敗の新人を圧倒して勝ちます」

【写真】プロデビュー戦は沖縄大会だった根井と対戦する、沖縄メインイベンター当真(C)SHOJIRO KAMEIKE

13日(土)、翌日に沖縄市上地のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA 10の計量が行われ、メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直が一発でクリアした。
Text by Shojiro Kameike

ここまで2連敗を喫したこともあった。しかし沖縄で着実に、諦めずに戦ってきたことでランキング的にもベルト挑戦が目前というポジションにいる。そんな当真が迎え撃つのは、現役高校生で2023年度新人王の根井だ。決戦前日、計量後に当真が根井戦について、さらに盟友である同級1位と旭那拳と、修斗ストロー級のベルトについて語ってくれた。


――当真選手が沖縄大会のメインを務めるのは、今大会が4度目となります。

「はい。前回のメイン(2020年11月、マッチョ・ザ・バタフライに判定勝ち)は微妙な試合でした。その点については自分でも考えて、今回はちゃんとフィニッシュするか、圧倒的な差をつけて勝ちたいです」

――マッチョ・ザ・バタフライ選手との初戦は正直なところ、内容的には押されていた末、相手の計量失敗があったことも影響して当真選手の判定勝ちとなりました。そのぶん昨年11月の再戦では絶対に決着をつけるという気持ちは強かったですか。

「そうですね。初戦は――練習ではうまくいっていても、試合では出せないものがあるんだなって思いました。たとえば練習では相手にバックを奪われても逃れることはできるんですけど、試合になると相手も必死だし、全力でキープしてきますよね。だから、そもそもバックを取らせない。その点を徹底していれば勝てる。

あとは自分のギロチンに対して過信していたところもありました。ただただギロチンを取りにいくのではなく、要所要所で使っていく。それがうまく行けば勝てるだろうと思ったんです。再戦ではギロチンこそ狙わなかったけど、作戦を徹底して完封できました」

――まさに正面からの強さこそが当真選手のスタイルだと思います。

「自分のスタイルは、まず相手の打撃にテイクダウンを合わせて、トップをキープしながら削って勝つこと。もちろんフィニッシュしたいですが、そこはまだ足りないところがあるかなって思います。でも練習の中ではフィニッシュする力もついてきているし、打撃も含めて全局面で戦える力はついてきました。あとは練習の試合の差を埋めることが大切で。それがいつも反省点であるけど、今は自信もあります」

――現在、修斗ストロー級ではランカー同士の潰し合いが繰り広げられています。その中でご自身の立ち位置については、どのように考えていますか。

■2023年~2024年 修斗ストロー級 主な試合
【2023年】
3月19日 
安芸柊斗 def 澤田龍人 by TKO

4月16日
ザ・タイガー石井 def. 旭那拳 by 2-0
当真佳直 def. 大城正也 by 3-0

5月22日
阿部マサトシ def. 木内SKINNY ZOMBIE崇雅 by 2-0

5月28日
畠山隆弥 draw 泰斗 by 1-0

6月18日
田上こゆる def. ザ・タイガー石井 by TKO

7月23日 
新井丈 def. 安芸柊斗 by TKO
※新井が王座防衛

11月12日
旭那拳 def. 泰斗 by 3-0
当真佳直 def. マッチョ・ザ・バタフライ by 3-0
畠山隆称 def. 蒔田伸吾 by TKO

【2024年】
1月28日
根井博登 def. 麻生Leg Lock祐弘 by 1R TKO
※根井が2023年度ストロー級新人王に

3月23日
旭那拳 ― 田上こゆる
※旭那の負傷により中止に

4月7日
黒部和沙 def. 澤田龍人 by 変形ツイスター

【試合予定】
4月14日
当真佳直(4位) × 根井博登
畠山隆称(6位) × 牧ケ谷篤

5月26日
泰斗(8位) × 石原愼之介

「今、僕はランキング4位です。まず2位の黒澤亮平選手はパンクラスに出ていて、次はタイトルマッチじゃないですか(4月29日にリトルと暫定ストロー級王座を争う)。次に3位の安芸柊斗選手は、MMAPLANETのインタビューで『フライ級に転向する』と言っていましたよね。あとはチャンピオンの新井丈選手もフライ級で戦うために、メチャクチャ体が大きくなっていて。僕も新井選手への挑戦を見据えていましたが、見ていると新井選手はもうストロー級に落とすのは無理なんじゃないかな、と思うこともあります」

――ということは、1位の旭那拳選手と……。

「そうなるかもしれないですよね。旭那選手の怪我で中止になりましたけど、3月に田上こゆる選手の試合が組まれていて。ここで旭那選手が勝ち、次に僕が勝てば対戦することになっていたかもしれない。その可能性は、まだ残っています。ただ――複雑な気持ちです」

――……。

「練習仲間で、いろんな技術を教わることもあります。プライベートで一緒に遊びに行くこともあります。正直なことを言えば、対戦したくないですよ。でもお互いに一番を目指しているなら、いつか戦わないといけない日が来る。それは分かっています」

――同じ階級の練習仲間で、しかも近い存在であればあるほど心境は複雑でしょう。しかし松根良太さんが修斗沖縄大会を始めて、今回で10回目を迎えます。その結果として、沖縄在住ファイター同士がベルトを賭けて戦う日が来たら、それは喜ばしいことでもあるかと思います。

「僕と旭那選手が戦うなら、沖縄大会でタイトルマッチをやりたいです。松根さんも、そう願ってくれていると思っています」

――そうしてランカー同士の潰し合いが繰り広げられるなかで、根井選手のように新人王トーナメントを制したばかりの新世代が絡んでくるとは思いませんでした。

「僕はそうなると思っていましたよ。根井選手は新人王トーナメント決勝の前から注目されていて、僕はすぐに対戦する日が来るだろうと思っていました。それだけ根井選手は強いし、特に新人王を獲った時に『次は自分だろうな』と。勘でしかなかったけど」

――しかし、ここまで上位陣が潰し合いをして、自身が勝ち残った。そこで新人が来るのか……とは考えなかったですか。

「そういう考えはないです。どんどん新しい選手が出てきてほしいですね。根井選手もそうだし、澤田龍人選手に勝った黒部和沙選手とか。どんどん入ってきて、どんどんランキングを動かしてもらいたいと思います」

――今のところ旭那選手と田上選手の試合については、5月19日のニューピアホール大会にスライドできるよう調整中と発表されています。また、王者である新井丈選手の動向次第でもありますが、当真選手にとって今回の試合はタイトルマッチ前哨戦だと思いますか。

「その気持ちはあります。新井選手か田上選手が相手なら後楽園ホールでも良いけど、旭那選手と対戦するなら、やっぱり沖縄が良いですね。どちらにしても、今回はタイトルマッチ出場をアピールできるよう、しっかり勝ちます。

自分としては、まず修斗のベルトを巻くために着実に進んできました。正直、2連敗した時は『自分はこんなモンなのか……』と考えた時もあります。でも、あの連敗からココまで来ました。もうあの時の自分とは違います」

――2連敗した時と今の自分では、何が違うと思いますか。

「打投極、全てが進化しています。それと――2連敗した時は、一気に攻め込んでダメだったら『もうダメだ……』という気持ちになっていました。でも今は、試合で劣勢になっても、諦めなければ必ずチャンスは来ると考えるようにしています」

――それこそ砂辺イズムなのかもしれませんね。2010年9月に砂辺選手が田原しんぺー選手をKOした試合がすごく印象に残っています。最初に砂辺選手がダウンを喫した時、過去の試合ぶりから『ダウンを跳ね返して勝つんじゃないか』と直感的に思いました。

「えぇ、そうなんですか」

――結果は田原選手の三角絞めをスラムで返してKO勝ち。試合後に聞いたところ、セコンドの勝村周一郎さんも砂辺選手がダウンした時に「勝った!」と思ったそうです。砂辺選手としてはダウンを喫してからのほうが強いのかもしれませんが、最後まで諦めない気持ちというのは理解できます。

「その話を聞けて嬉しいです。今回の相手は高校生で、パワーは僕が勝っていると思います。でも無敗の人間が、絶対に何か持っている。何かあるから無敗なので。だから『高校生だから勝てる』なんて考えていません。無敗だから何か持っているはずだけど、自分としてはこれまで負けたことがあるから分かるものがあると思っています。明日は、そんな無敗の新人を相手に圧倒して勝ちます」

■視聴方法(予定)
4月14日(日)
午後2時25分~ Twit Casting LIVE

■ THE SHOOTO OKINAWA10対戦カード&計量結果

<ストロー級/5分3R>
当真佳直:52.04キロ
根井博登:51.80キロ

<フェザー級/5分3R>
内藤太尊:65.52キロ
宇藤彰貴:65.62キロ

<ストロー級/5分2R>
畠山隆称:52.10キロ
牧ケ谷篤:52.04キロ

<ウェルター級/5分2R>
西條英成:76.92キロ
アイエティ・ケビン:76.80キロ

<フェザー級/5分3R>
南風原吉良斗:65.62キロ
メイヘム和成:65.24キロ

<ストロー級/5分2R>
木村旬志:52.16キロ
大城匡史:52.14キロ

<ストロー級/5分2R>
ふじい☆ペリー:52.48キロ→52.20キロ
知名昴海:51.52キロ

<ストロー級/5分2R>
大田ノヒロ:52.14キロ
高橋佑太:52.20キロ

<2024年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
松本ごだい:52.22キロ
小生隆弘:56.56キロ

<修斗トライアウトマッチ バンタム級/3分2R>
山本敦章:61.10キロ
武田昴大:60.90キロ

<修斗トライアウトマッチ フェザー級/3分2R>
藤崎陽平:65.32キロ
神田篤社:65.48キロ

<アマチュア修斗 女子スーパーアトム級/3分2R>
高田双葉:48.36キロ
徳本望愛:49.22キロ

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o ONE Shooto SHOOTO GIG TOKYO ライカ 修斗 剛毅會 安芸柊斗 新井丈 旭那拳 澤田龍人 長南亮 黒部和沙

【修斗】デビュー3戦目 黒部和沙が澤田龍人に一本勝ち!

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4月7日に新宿FACEで開催されたプロフェッショナル修斗公式戦『SHOOTO GIG TOKYO Vol.36』。メインイベントで修斗やONEで活躍してきた澤田龍人(AACC×剛毅會)がプロ3戦目の黒部和沙(TRIBE TOKYO M.M.A)と対戦。実績から考えると澤田が断然優位と目されていましたが、なんと1Rで黒部が一本勝ちするアップセットが起こりました。

試合は開始直後に澤田がパンチをヒットさせたものの、そのままタックルで組み付く黒部。スクランブルの展開から上を取ると、澤田の下からの腕十字をかわすとバックに周る。そこから身体を捻るようなツイスターを仕掛けると澤田はタップ。黒部が3分38秒で見事に一本勝ちを収めました。

連敗中とはいえ、レスリングや組みに強い澤田をポジショニングで制圧して最後はツイスターを極めるとは。。。23歳にしてこの完成度は末恐ろしい。長南亮門下で強豪に揉まれてるでしょうし、ストロー級戦線の台風の目になるのは間違いなさそうです。

順当にいけば安芸柊斗や旭那拳、そして新井丈らとの対戦は今から楽しみ。わりとストライカーが目立つ階級だけに、寝技主体で試合を進める黒部なら突き抜けるかもしれません。

逆に負けた澤田はONEから数えて5連敗。かなり苦しい立ち位置に追い込まれましたが、言ってもまだ20代。子役タレントばりに早くから実戦投入されていましたが、まだ老け込むにはもったいない。再浮上に期待します。
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【Shooto2023#07】同時2階級制覇へ、修斗を変えた男=新井丈─01─「修斗の方々の懐が深くて、感謝」

【写真】レギュレーションを変えたが、二階級制覇が成ったわけではないことは本人が一番理解しているはず(C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#07のメインで、修斗世界ストロー級王者の新井丈が、山内渉と空位の同フライ級王座を争う。
text by Shojiro Kameike

新井はかねてよりストロー級&フライ級の二階級同時制覇を宣言していたが、そこには修斗のルール面で大きな壁が立ちはだかっていた。もともと修斗のチャンピオンについては、以下の規定が存在していたのだ。

※ISC認定JSAルール 第26条【チャンピオン】
チャンピオンは1クラスに1名を置き、同一の者が同時に複数のクラスのチャンピオンになることは認めない。ただし、当該階級において暫定王者が認定試合により決定された場合は暫定王者を含め2名となる。上記の規定によりタイトルを保持したまま他のクラスのチャンピオンシップに出場することは出来ない。
(一般社団法人 日本修斗協会 公式サイトより。原文ママ)

つまり現状では新井がストロー級王座を保持したまま、フライ級のベルトに挑むことはできない。しかし、9月の後楽園ホール大会で、11月に山内と新井が空位のフライ級王座を賭けて戦うことは発表されていた。と、日本修斗協会は該当の項目を11月8日に改正し、10日より新ルールが適用されることとなった。改正内容は上記のルールから「同一の者が同時に複数のクラスのチャンピオンになることは認めない」「上記の規定によりタイトルを保持したまま他のクラスのチャンピオンシップに出場することは出来ない」の2文を削除――つまり新井は晴れて、ストロー級王者のままフライ級王座決定戦に出場することができることとなったのだ。

修斗が競技であるならば、競技はルールで成り立つもの。ルールを変えた新井は、修斗を変えた男といえる。そんな新井に改めてルール改正とフライ級王座決定戦について訊くとともに、今年7月の安芸柊斗戦について振り返ってもらった。


――修斗のルールを変えさせた男、新井丈選手です!

「アハハハ、変えてくれましたね。修斗関係者の方々の懐が深くて、感謝しています」

――フライ級に挑戦するうえで、ルールを変えてくれるとは思っていましたか。

「いや、そもそも――そういうルールがあるのを知らなくて(苦笑)。自分としては、ただただ戦い続けていたら『あぁ、コレはダメなんだ』と知ったぐらいでしたね。SNSとかでは関係ない人たちが横やりを入れてきたりとか」

――選手からも「自分の時には……」という意見が出ていました。

「選手がそれを言うのは恥ずかしいと思うんですよ。たとえば兄妹がいて『自分は何年生の時にお小遣いが何円だった。でも妹は今、それより多く貰っている』って言うようなものじゃないですか。今を生きている妹に文句を言っても――ねぇ(苦笑)。そんなの状況や背景によって変わってくるもので。じゃあ選手が『自分の時には……』と言ったとしても、当時に戻れるわけでもないですし」

――いずれにせよルールというのは時代に合わせて変化していくものですし、また変化せざるをえない面もあります。ただ、もしルールが変更されないままであれば、ストロー級王座を返上してフライ級の王座決定戦に挑むつもりだったのですか。

「最初に『複数階級のベルトを同時に保持してはいけない』というルールを聞いた時に自分でも、どうにかして二本のベルトを巻けないか考えました。まずフライ級1位の関口祐冬君を倒して、『もし王座決定戦をやるなら出るのは俺だろう』と言えるポジションにはいたと思うんです。そして試合を決めてもらって――ストロー級のベルトを返上することも頭にはありました。もうストロー級は、めぼしいヤツらは全員ブチのめしたので。自分としてはフライ級のベルトを獲ってから、ストロー級のベルトと併せて2つのベルトを両肩に掛けさせてもらえれば――それがたとえ一瞬であっても良かったです。その一瞬を写真に収めてもらえれば。そう思っていたらルールも改正されたので感謝しています」

――まさに新井選手の挑戦のためのルール改正……と聞けば、山内渉選手は怒るかもしれませんね。新井丈ありきで話が進んでいますから。

「いやぁ、それは分からないけど――俺としては何でも盛り上がったほうが良いと思うんですよ。ストロー級の俺が、階級の壁を超えてフライ級も巻き込んだほうが、修斗のためにもなるじゃないですか。お客さんも盛り上がると思うし。そうするとストロー級のコンテンダーたちにも火がつくでしょうしね。正直、『何も悪いことないじゃん』と考えていました。みんなWIN-WINだから、いつかルールは変わるかなと思っていましたね」

――11月12日の沖縄大会では、ストロー級のランカーたちが試合に出場していました。今はフライ級王座挑戦を控えている身として、そこまでストロー級の動きは気にしていませんか。

「沖縄大会のツイキャスPPVを購入して視ましたよ。でも――ランカー対決の2試合は判定決着でしたから。ああいうファイトスタイルで勝って自分との試合が実現したとしても、俺がノレないというか。『みんな競技としてMMAをやっているだけなんだ……』と思いましたね。もっといろんなものを背負って、リスクを負ってもフィニッシュを狙いに行ってほしかったです。旭那拳君、当真佳直君――試合を視たからこそ興味がなくなっちゃいました。12月2日の安芸柊斗×猿丸ジュンジ戦は面白そうですよね。あの試合は会場で観たいと思っています」

――MMAがスポーツである以上、競技としてMMAを戦うことは間違っていないと思います。しかし新井選手にとっては、それ以上のものが必要だということですね。今年7月の安芸戦はノレた試合だったのでしょうか。

「はい、あの試合はノレましたね。相手どうこうの前に、ベルトの初防衛戦っていうこともあって。それと安芸君はストロー級でナンバーワンのストライカーじゃないですか。もちろん俺を除けば、ね。だから前の試合は、自分もやり甲斐がありました」

――安芸戦では開始早々に、安芸選手の打撃を受けて意識が飛んでいたと聞きました。ご自身では、いつの段階で意識が飛んでいたのかは分かりますか。

「自分では開始10秒か20秒ぐらいに、ケージ際でヒザをもらった時だと思っていて。あるいはその次にもらった被せの右かもしれないです。いずれにしても序盤も序盤ですね」

――では、どのあたりから記憶があるのでしょうか。

「それが……控室に戻ってから、俺が大沢(ケンジHEARTS代表)さんに『今日って何月何日ですか?』と聞いたあたりからですね」

――控室に戻るまで意識は飛んでいたのですか! ということは、本人としては意識が飛んでいるなか、試合後にはマイクで喋っていたのですね。

「あとで映像を視ると、結構ちゃんと喋っていましたね(笑)」

――「安芸君の応援で四国から来てくれた熱い応援団に拍手をお願いします」とまでコメントしていました。意識がないなかで相手をKOするというのは、ファイターの本能だと思います。一方で意識がない状態なのに、安芸選手の応援団のことにまで気を遣えるというのは、本能としての優しさではないですか。

「アハハハ、言いすぎですよ。それはあんまり書かないほうが良いかもしれないですね」

――いえいえ、本能的に優しいというのは恰好良すぎます。

「すみませんね、恰好良すぎて(笑)。もうその話は止めましょう」

――アハハハ。そこで照れるのも男前です。話を戻すと、控室に戻るまで試合展開の記憶もなかったのですか。

「はい。俺も控室でセコンドに何度も『何で倒したんですか?』と訊いていました。一度聞いても、すぐに忘れちゃうんですよ。それだけダメージが残っていたのか――『何で倒したんですか?』、『そうですか』、『何で倒したんですか?』の繰り返しで(笑)。大沢さんからは『20~30回、同じことを訊かれたよ』と言われましたね。

そうしたら大沢さんと猿田洋祐さんが途中から、ふざけ始めて。『ジョー、今日は組んで勝ったよ』、『足関節で勝ったんだよ!』とか答えるんですよね。二人が悪い顔しているから、『これは嘘だな』って気づきましたけど」

――ただ、意識はなくても――意識がないからこそ、なのでしょうか。これまでの試合よりも頭を振って中に入り、パンチも上下に散らしていました。

「本当にそうですね。あとで試合映像を視ても、『ちゃんと練習でやっている動きが出ているわ』って思いました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2023#07対戦カード

<修斗世界フライ級王座決定戦/5分5R>
山内渉(日本)
新井丈(日本)

<フェザー級/5分3R>
オーディン(日本)
宇野薫(韓国)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
杉本恵(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
吉成はるか(日本)
エンゼル☆志穂(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
竹原魁晟(日本)
浜松ヤマト(日本)

<バンタム級/5分3R>
ライダーHIRO(日本)
川北晏生(日本)

<バンタム級/5分2R>
江口諒(日本)
シモン・スズキ(日本)

<フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
杉本静弥(日本)

<ライト級/5分2R>
エフェヴィガ雄志(日本)
後藤陽駆(日本)

<バンタム級/5分2R>
Jセロウ若林(日本)
中野剛貴(日本)

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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto Okinawa09 The Shooto Okinawa09 キック 旭那拳 泰斗 田上こゆる

【The Shooto Okinawa09】泰斗をグラウンドで完封した旭那が、後楽園大会出場&田上こゆる戦をアピール

<ストロー級/5分3R>
旭那拳(日本)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28.
泰斗(日本)

ガードを固める泰斗に対し、旭那の右カーフがヒットした。互いに距離を測るなか、泰斗が旭那の左ミドルを受けながらテイクダウンする。しかし旭那はすぐに泰斗の左足を抱え上げてスイープし、トップへ。パスしてマウントを奪うと、右腕を差し上げて押さえ込む。泰斗がスクランブルに持ち込むも旭那がトップをキープし、さらにハーフガードの泰斗の首を取ってギロチンを狙った。

これは極められなかったが、旭那がパスしてサイドに回る。泰斗は体を起こしてスクランブルに持ち込みたいが、その動きも潰されてしまう。ハーフの泰斗に対してパスした旭那は、左腕を差し上げてニーインザベリーで押さえ込もうとし、最後はしっかりと背中を着かせて初回を終えた。

2R、旭那が左ジャブでけん制しながら右カーフキックを当てる。泰斗も右ローを返すが、旭那が右前蹴りで泰斗を下がらせる。サウスポーにスイッチしてダブルレッグで飛び込んだ旭那が、泰斗に背中を着かせた。泰斗は下から旭那の左腕をキムラで抱えるも、腕を抜いた旭那はボディロックへ。さらにバックを奪い四の字フックで固める。

さらに、おたつロックから泰斗の体を伸ばした旭那は、動く泰斗に対してバックをキープする。旭那はパンチで削りつつ右腕を首に回していくも、レフェリーがアクションのコールを発する。泰斗も極めさせなず耐え続けるが、旭那がラウンド終了間際にツイスターを見せた。

最終回、旭那が蹴りのフェイントを見せるも、構わず泰斗は左右のローを打ち込む。スイッチしながら距離を詰めていく旭那だが、手数は少ない。しかし左右のスイッチがテイクダウンのフェイントになっているか。泰斗も距離を詰めることができない。旭那は左フックからダブルレッグで入るも、切り返した泰斗がトップに回る。

ボディロックから旭那に背中を着かせた泰斗。旭那はラバーガードから泰斗の右腕を固め、顔面に右ヒジを突き刺す。泰斗がバックに回るも、旭那が正対して背中を着かせる。右腕を差し上げた旭那がパスを狙ったが、泰斗がフックガードで耐えて試合終了となった。

判定勝利で再起を果たした旭那は、まだ出場経験のない後楽園ホール大会での田上こゆる戦をアピールした。


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【The Shooto Okinawa09】泰斗戦へ、旭那拳─02─「ここから一気に全部取り返していきます」

【写真】気持ちも新たに――(C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(日)、沖縄県沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto Okinawa09で、泰斗と対戦する旭那拳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ザ・タイガー石井戦での敗北、修斗ストロー級1位であることのもどかしさを自分自身で受け止め、旭那はケージに戻ってきた。だからこそストロー級の現状を客観的に語ることができ、自身の試合に臨むこともできる。修斗ストロー級の勢力図が大きく変動する2023年末に何を見せることができるか――旭那がその決意を語る。

<旭那拳インタビューPart.01はコチラから>


――発言権がない、ですか。

「やっぱり前回の敗戦で、僕は信用を失っていると思うんです。だから泰斗選手というか、ランカー一人に勝って『次のステップに進ませてください!』とは言えません。周りも納得しないだろうし、何より自分がそれでは納得できなくて」

――そこでもう一人ランカーを倒せば……ということで、田上選手の名前が挙がるのですね。

「三段論法――石井選手を倒している田上選手に勝てば、僕は石井選手にも勝っているということで(笑)」

――アハハハ。改めて修斗ストロー級のランキングについて考えてみると、いろいろと複雑です。ランカー同士の潰し合いも展開されていて。

「僕が言うのも何ですけど、もうランキングはただの数字としか思っていないです。田上選手も決して6位の選手じゃない。みんな同じぐらいの位置にいて、先の展開が全く読めない状況になっていると思います。どうやって自分がそこから飛び出すのか。そのためには、他のランカーよりも飛び抜けるものを持たないといけないですね」

――仰るとおりだと思います。同時に、こうしてランカー同士の潰し合いが起こるのも、王者である新井丈選手の実績が飛び抜けているためではないでしょうか。

「そうですね。新井選手は自分の拳で証明して、その状況を創り上げたので凄いと思います。新井選手のフライ級王座決定戦への出場は、やっぱり悔しいですよ。『あれだけストロー級で強くて、さらにフライ級でも強いのかよ』って……」

――新井選手がフライ級も制した場合、今後のストロー級の展開も大きく変わってくるでしょう。他のランカーについても考えた場合、現在5位にいる当真佳直選手は……。

「所属は違うけど、バリバリの練習仲間です(苦笑)。僕たちの間では、頂上を争う試合でしか対戦しないと決めています。当真選手も同じ大会でマッチョ・ザ・バタフライ選手との再戦に挑みますけど、最後はストロー級王座を二人で争いたいです」

――沖縄のジム所属選手同士のチャンピオンシップとは、とても浪漫のあるお話です。そこまで先の話をしていると、次の対戦相手である泰斗選手が『自分を差し置いて何を言っているんだ!』と怒るかもしれないですが。

「煽ってきますね(笑)。でも先ほど言ったように、もう自分がランキング1位とか関係ないですし、とにかく僕は勝つしかないので。誰が相手でも、『とにかく早く先に進みたい』という気持ちしかないですね」

――旭那選手の場合、2017年にプロデビューしてコロナ禍を経ながら4連勝を収めました。しかし今年4月に敗戦を喫したことで、ご自身の中でも停滞感は強いのでしょうか。

「まずコロナ禍はキツかったですよね。2019年末から2020年末まで、1年以上も試合ができていなくて。あの時は焦りがありました。ただ、その期間にじっくり練習できたので、2021年からの4連勝に繋がったのかとは思います」

――するとブランクをポジティブに捉えるのであれば、前回の敗戦から次の試合までの7カ月間も、改めて自分を見つめ直す時期になったのでしょうか。

「はい。最初に『石井戦の後にすぐ試合をしたかった』と言いましたが、今考えるとあの時点で試合をしなくて良かったのかなって思います。やっぱり気持ちが先走っていた部分は大きくて、何も準備をしない――何も変わっていないのに試合をしても、同じ結果になってしたかもしれないですね。7カ月間も試合間隔が空いたからこそ、良い調整ができたかなと捉えています」

――修斗ストロー級が大きく動く2023年末に、ご自身としては次の泰斗戦でどんな試合を見せたいですか。

「修斗のストロー級って今は、ストライカーが多いじゃないですか。特にランキング上位陣はストライカーのイメージが多くて。でも今回、僕と泰斗選手の試合だと一本決着になる可能性が高いと思うんです。僕自身はグラップラーを目指そうとは考えていません。これはMMAなので、ストライキングもグラップリングもあります。その中で、僕は寝技で一本を取れるというところも見せていきたいです」

――なるほど。では最後に、試合への意気込みをお願いします。

「僕はランキング上では1位ですけど、崖っぷちの状態にあると思っています。ランキングに甘えず、そういう状況を受け入れてメンタルも創ってきました。もちろんプレッシャーもあります。でもそのプレッシャーがワクワク感にも繋がっていて。ここから一気に全部取り返していきます。次の試合は汚名返上のために、必ずフィニッシュして勝つので楽しみにしていてください。宜しくお願いします!」

2023年11月12日(日)
沖縄県沖縄市
ミュージックタウン音市場
The Shooto OKINAWA09

■視聴方法(予定)
11月12日(日)
午後2時~ Twit Casting LIVE

■対戦カード

<ストロー級/5分3R>
旭那拳(日本)
泰斗(日本)

<ストロー級/5分2R>
当真佳直(日本)
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)

<54キロ契約/5分2R>
畠山隆称(日本)
蒔田伸吾(日本)

<グラップリング・ライト級T決勝/5分1R>
──(日本)
──(日本)

<バンタム級/5分2R>
一條貴洋(日本)
緒方史朗(日本)

<ウェルター級/5分2R>
加藤正憲(日本)
西條英成(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級準決勝/5分2R>
小川隼人(日本)
JAM(日本)

<2023年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
亮我(日本)
神里昭吾(日本)

<ストロー級/5分2R>
大田ノヒロ(日本)
ウェイ・ワイクワン(香港)

<ストロー級/5分2R>
大城匡史(日本)
三輪勇気(日本)

<フェザー級/5分2R>
工藤圭一郎(日本)
諸石一砂(日本)

<グラップリング・ライト級T準決勝/5分1R>
南風原吉良斗(日本)
新垣勇樹(日本)

<グラップリング・ライト級T準決勝
峯岸零弥(日本)
西尾 勇作(日本)

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【The Shooto Okinawa09】再起戦、旭那拳─01─「『ゆっくり休めばいい』と言われたのがショックで」

【写真】首都圏で戦うために、地元での勝利が不可欠。それが地方大会のある地域の選手の宿命でもある(C)MMAPLANET

12日(日)、沖縄県沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto Okinawa09で、旭那拳が泰斗と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

9回目を迎えるプロ修斗沖縄大会のメインを務めるのは、現在ストロー級ランキング1位の旭那拳だ。旭那にとっては2大会連続のメイン出場となるが、前回はザ・タイガー石井に判定負けを喫してしまった。本来のストロー級ではなく54キロのキャッチウェイト戦ではあったが、ここで12年振りの修斗参戦となる石井に、世界ランカーの旭那が敗れたという結果は衝撃を与えた。

勝利した石井からも「修斗ってコレで良いんですか?」と言われてしまうことに……。そんななか9カ月振りの復帰戦を控える旭那に石井戦後のこと、さらに王者の新井丈を中心に変動し続ける修斗ストロー級戦線について訊いた。


――試合4日前のインタビューとなりますが(※取材は11月8日に行われた)、すでに体もしっかり絞れているようですね。

「はい。ストロー級のリミットまで、あと4キロぐらいです。いつも60キロぐらいから落とすのですが、すごく順調に来ています。ファイトキャンプは昨日で終えて、あとはコンディションを維持しながら最後に水抜きで落とします」

――今回のファイトキャンプでは、どのような点にフォーカスしていたのでしょうか。

「今回はスタミナ強化と、レスリング強化ですね。相手がレスリングベースの選手なので、とにかくスクランブルの展開が多くなると思っています」

――スクランブルの展開になっても良いのか、あるいはスクランブルに持ち込ませたくないか。それはどちらでしょうか。

「できるだけスクランブルには持ち込ませたくないです。でも正直言うと、相手の寝技の能力はそれほどでもないと思っていて。たとえテイクダウンされても問題ないかなとは考えています」

――泰斗選手は前回、旭那選手と同門の畠山隆弥選手と対戦(今年5月に引き分け)しています。その点は泰斗選手の力を測るうえで大きいですね。

「そう思います。チームメイトとの試合でテイクダウンしたあとに展開できていなかったのを見ているので、よく分かりますね」

――旭那選手ご自身は、今年4月にザ・タイガー石井選手に敗れて以来、7カ月振りの試合となります。試合間隔が空いた理由は何だったのでしょうか。

「一番はオファーがなかったことです。もしオファーがあれば、夏にでも1試合したかったですね。ただ立ち位置を考えると、僕がランキング1位だから試合の組み方も難しかったかもしれないですけど……」

――立ち位置、ですか。ここは包み隠さずに言えば、旭那選手はランキング1位ではありながら、ランキングに影響を及ぼさないキャッチウェイト戦で敗れています。しかもランキング外のザ・タイガー石井選手に――その点は引っかかるかもしれません。

「それは自分でも分かっています。あの敗戦は、僕にとっても大きな痛手でした。あの試合で勝っていれば、自分がトントンと上に行けたかもしれないのに……。次が新井丈選手のベルトに挑むか、あるいはもう1試合挟んでチャンピオンシップか。どちらにしても、夏の後楽園ホール大会に出ていたと思うんです」

――はい。

「試合後はしばらく、自分の中でも『やっちまったなぁ……』という気持ちでいっぱいでした。でも今は気持ちも落ち着いてきたし、自分としても『取り戻していくしかない』という意識で次の試合に臨むことができます。

泰斗選手もランキングに入ってきて(現在ストロー級9位)、興行としてもランカー対決という形になって良かったと思っています」

――旭那選手に勝った石井選手は後のインタビューで「12年振りに修斗で試合をした人間が、世界ランカーに勝った。修斗ってコレで良いんですか?」と仰っていました。他にも同じように考えていた人はいたでしょう。

「……直接言われたわけではないけれど、そういう声があったことは知っています。自分もそういう意見を受け止めるしかないです。でも落ちたままでいたら、そこで終わりじゃないですか。あとは自分が、どう食らいついていけるかであって」

――その通りだと思います。

「試合後1カ月ぐらいは、かなり落ち込んでいました。でもパラエストラ沖縄のインストラクターもやっているので、練習しなくても仕事をしにジムには行かないといけないじゃないですか。するとジムの会員さんが、すごく気を遣ってくれて……微妙な距離感になってしまうんです。自分としても『あぁ、この距離感はキツイ』と思って(苦笑)」

――会員さんも優しいがゆえだと思いますが、そういった優しさが身に応えてしまうこともありますよね。

「あとは松根(良太Theパラエストラ沖縄代表)さんから『ゆっくり休めばいいよ』と言われたのがショックで。『あぁ、無理して練習しろよ』とか言われないんだ、って……(苦笑)。でも結局は自分自身の問題ですし、自分がやらないといけないんですよね。だから、すぐに練習を再開しようと思いました」

――では旭那選手が試合をしていない間、最近の修斗ストロー級の動きはどのように見ていましたか。2023年末は、さらにストロー級の動きが活発化しています。

■2023年修斗ストロー級 現ランカーの主な試合
【試合結果】
3月19日 
安芸柊斗 def 澤田龍人 by 1R TKO

4月16日
ザ・タイガー石井 def. 旭那拳 by 2-0
当真佳直 def. 大城正也 by 3-0

5月22日
阿部マサトシ def. 木内SKINNY ZOMBIE崇雅 by 2-0

5月28日
畠山隆弥 draw 泰斗 by 1-0

6月18日
田上こゆるdef. ザ・タイガー石井 by 2R TKO

7月23日 
新井丈 安芸柊斗 by 1R TKO ※新井が王座防衛

【試合予定】
11月12日 
旭那拳(1位)× 泰斗(9位)
当真佳直(5位)× マッチョ・ザ・バタフライ(7位)

11月19日 山内渉 × 新井丈(王者) ※新井がフライ級王座決定戦に出場

12月2日 安芸柊斗(3位)× 猿丸ジュンジ(4位)

「田上こゆる選手がザ・タイガー石井選手と対戦するのは、予想していました。なかなか田上選手の相手が決まっていないなかで、『おそらく自分に勝ったタイガー選手と対戦するんだろうなぁ』って。チャンピオンシップについては、僕は安芸選手が勝つと思っていたんですよ。でも新井選手がパンチで仕留めるなんて、やっぱり強いなって思います。そういう試合を見せつけられると、自分もやらないといけないという気持ちになれましたね。僕は次の試合に勝って、その次は田上選手と対戦したいです」

――次に対戦する泰斗選手を飛び越えて……。

「あっ、決して泰斗選手のことをナメているわけではないですよ。強い選手だと思っています。でも泰斗選手だからどうこうではなく、自分はもうここで踏みとどまっているわけにはいかなくて」

――なるほど。

「自分もプロデビューしてから6年が経ちました。そろそろ次のステップに進まないといけないのに、前回は石井選手に負けてしまって――。今のままじゃ自分に発言権はないんです。ランク1位だけど、そのランキングに甘えていてはいけないと分かっています。だから自分が次へ進むために泰斗選手、田上選手と強い選手に勝っていくしかないんですよ」

<この項、続く>

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【PFC30】北のケージMMA=PFC。亀松が返上したフライ級王座を狙い、平井総一朗が初参戦

【写真】アーセグに触れた。それだけも今の平井は違うはず(C)MMAPLANET

明日23日(日)、札幌市北区のPOD アリーナでPFC30が行われる。北のケージMMAは3月12日以来、4カ月振りの開催となる。

前回大会ではフライ級王座を5Rに渡る激闘の末、亀松寛都に譲ったザ・タイガー石井が、4月のプロ修斗沖縄大会で旭那拳を破り、さらには7月の大阪大会でサステイン興行に出場するなど、いわば主流とされるMMA界の流れに影響を与えるようになりつつあるPFC。

その亀松はフライ級王座を返上し、今大会ではバンタム級で大高幸平と対戦する。6月24日のRIZIN札幌大会における同郷ファイターの活躍に刺激を受けた亀松は「ここから無敗でRIZINに出たい」と明日の試合への意気込みをプレスリリースに寄せている。


亀松の返上したフライ級王座を目指し、平井総一朗がPFC初参戦しランク1位の黒石大資と相対する。平井はNEXUSフライ級王座を取り逃した後に、豪州#01フィーダーショーといっても過言でないEternal MMAに参戦──も、現UFCファイターのスティーブ・アーセグに完敗を喫した。

キャリアの仕切り直しは北の大地から。「所(英男)会長の下で格闘技を始めた僕がPFCで戦うことに何か運命を感じています。ジムから最初のPFC参戦ということで使命感と責任感を背負って戦いに挑みます」という平井。

所は──UWF風の表現を使えば、Power of DreamではPFC山本喧一代表の弟子にあたる。いってみればこの一戦、PFCからすると孫弟子が本丸に乗り込んで王座奪取に乗り出すという見方ができる。

PFCウェルター級チャンピオンの新名正啓がコロナ禍以降、初ケージイン=ノンタイトル戦で成田佑希をメインで戦う同大会では福岡のRanger Gymからkoki、堺龍平、柿原RR昇汰の3選手が列島縦断参戦を果たすなど、充実のラインナップとなった。北の動きが再び日本のMMAに影響を及ぼすか、バリューアップに大切なイベントとなる。

■視聴方法(予定)
7月23日(日)
第一部=アマチュア:正午~ PFC YouTube Channel
第二部=プロ:午後5時~PFC YouTube Channel

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【Shooto2023#04】ザ・タイガー石井戦へ、田上こゆる─01─「12年前を知らないし、舐められてたまるか」

【写真】いつも通り、清涼感タップリの田上だったが……(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04で、田上こゆるがザ・タイガー石井と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年12月に田上は泰斗を判定で下し、2021年末から続いた連敗を脱することに成功した。その勝利にはABEMAの武者修行プログラムに参加したことも影響しているという。そして迎える半年ぶりの試合——今年4月に沖縄で世界ランカーの旭那拳に勝ったベテランの石井を地元で迎え撃つことに。連敗脱出でホッとしたのも束の間、石井のインタビュー記事を読んだ田上のハートに火がついた。


——試合直前のインタビューとなりましたが、随分とリラックスしているように見えます。まだ本格的な減量を始めていない時期なのでしょうか。

「そんなことはないですよ。今回は54キロ契約のキャッチウェイトなので、いつものような減量ではなく、今週から少しずつ落としている感じです」

——もともとストロー級でも過酷な減量はないとお聞きしていました。一方で、キャリアを重ねるにつれて通常体重は増えていないのですか。

「去年12月の試合から、そんなには変わっていないですね。やっぱり体が大きくならなくて。自分でも食べるようにしているんですけど(苦笑)。プロデビューした時は通常体重が54キロぐらいで、その頃に比べたら3キロぐらい増えましたが、まだ——今はそういう身体づくりにも気を遣うようにしています」

——では54キロ契約のキャッチウェイトというのは、田上選手にとって良い方向に働くのでしょうか。

「勝ってランキングも上げたいので、できればストロー級のリミットで試合をしたいです。でも54キロ契約の試合だからって、それで試合に影響が出るとかはないですね」

——昨年12月の泰斗戦は、ABEMAの企画でルーファスポートでの武者修行プラグラムを終えてからの試合でした。米国武者修行の成果は出せましたか。

「完全に出し切れた内容ではなかったです。練習だったら、もっといろんなことができるのにって、試合後も話をしていて。でもテイクダウンされても背中まではつかされなかったのは、修行の成果を見せることができた場面だったじゃないかと思います」

——一方、出し切れなかった点を教えてください。

「今まで自分は打撃で攻めていましたけど、その良さは変えずに、もっと自分から組みに行く展開を見せたかったですね。見合う時間が長くなったところで、打撃から入るのではなくテイクダウンも混ぜるとか。それが練習ではできるようになっていて」

——なぜそれを出し切れなかったのでしょうか。

「3Rを通じて『このラウンドは絶対に取った』と思えるような打撃を当てていたわけではなかったんですよね。そこで新しいことを試せるような試合展開ではなくて。だから打撃でジワジワ攻めていく――それは今の自分にとって『守り』というか。もっと出せるのに、出し切れない。そういう自分の良くない面が出てしまったと思います」

——とはいえ、昨年の新人王を相手に勝って、3連敗から脱したのはホッとしたのではないですか。

「それはもう、ホッとしました(笑)。もちろん勝ち方にもこだわっていかなきゃいけないけど、連敗から脱出したかったので。とにかく勝つことができたのは良かったです」

——正直なところ、2敗目を喫した2021年12月のマッチョ・ザ・バタフライ戦の直後は、師匠の中蔵隆志BLOWS代表も「どうすべきか……」と悩んでいた様子でした。そして昨年4月、沖縄で当真佳直選手に敗れたあとは、中蔵代表も「ここまで負けたのだから、まだ若いし、イチからやらせるしかない」と決意を固めたと受け取れる言葉がありました。

「そうだったんですね。僕としても『また負けてしまった。どうしよう……』となるのではなく、ずっと自分がダメだと考えていたものが、3連敗を通して確信に変わりました。自分のやるべきことがハッキリとしたんです。その部分では、ABEMAの企画で武者修行に行かせてもらい、米国で気持ちを切り替えることができましたね」

——ただ、武者修行後のインタビューでも「とにかく試合がしたい」と仰っていました。しかし今回のザ・タイガー石井戦まで半年もの間、試合がなかったことについては……。

「実は今年に入ってからも試合のオファーを頂いていて、それをお断りさせてもらっていました」

——えっ!? それはなぜですか。

「今年の初めに中蔵さんと話をしたんです。この半年間は、しっかり体をつくり、技術面も上げていくための準備期間にしようと」

——今年に入ってONE Friday Fightからのオファーもあったと聞いています。

「はい。ONE FFからお話は頂いていました。2月の大会で、対戦相手も提示されていました。でも半年間を準備期間にしたくて、お断りさせていただいたんです。ONE側からも『これでONE FF出場の話がなくなるわけじゃないから』ということで。いずれタイミングが合った時に出られるよう、スライドしてくれるようなことを言ってもらえました。自分としても焦らず、しっかりと準備して、最高の状態に仕上げてONEに出たいと思っています」

——そうだったのですね。

「僕はONEを目指しているので、そのためにいずれはONE FFに出たいですね」

——なるほど。その前にまずは次のザ・タイガー石井戦をクリアしなければなりません。昨日、MMAPLANETに掲載された石井選手のインタビューは読みましたか。

「あっ、まだ読んでいないんですよ。いま読んでもいいですか。すみません」

——はい、ぜひお願いします。

一瞬にして、表情が変わった

「……、……、……んっ!?」

——いきなり表情が変わりましたね。

「いや、うーん……」

——石井選手のインタビューについて、率直な感想を聞かせてください。

「緊張感とかピリピリ感のことは分からないです。僕は12年前の修斗を知らないし、12年前の石井選手のことも分からないので。ただ、僕は旭那選手とは違いますよ。舐められたくないですね。舐められてたまるかって──」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月18日(日)
午前1時00分~ Twit Casting LIVE

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【Shooto2023#04】田上こゆると対戦、ザ・タイガー石井─01─「修斗ってコレで良いんですか?」

【写真】タイトルの言葉の前には「勝った自分が言うのもなんですが」という前置きがある(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04で、ザ・タイガー石井が田上こゆると対戦する。
Text by Shojiro Kameike

石井は今年4月の沖縄大会で12年ぶりに修斗に参戦、世界ストロー級2位の旭那拳を判定で下した。旭那戦はストロー級リミットではなく54キロ契約であったため、石井が新たに世界ランク入りすることはない。それでも現在の修斗ストロー級に、一つの大きな風を巻き起こしたことは間違いない。そして迎える次の相手は、またも世界ランカーの田上。しかも相手の地元で戦う。そんななかで石井は、修斗の現状に問題提起を発した。


――今日はよろしくお願いいたします。……前回のインタビューと同じ構図ですね。

前回のインタビューのスクショ

「前回と同じ時間に、同じ場所に車を止めています。車も同じです(笑)」

――違いといえば、前回よりも髪が少し長いぐらいですか。

「アハハハ、これももうすぐ切ります。それだけで何グラムも落ちるので」

――えっ……、次の田上戦は4月の旭那戦と同じく、ストロー級リミットではなく54キロ契約です。それでも減量はキツいのでしょうか。

「いえいえ、今回は試合間隔が1カ月で――それも沖縄の時と同じですね(苦笑)。ただ、オファーを頂いてから試合までの期間に余裕があるわけではなかったので。とはいえ減量は大丈夫です」

――となるとフライ級に上げて試合をするという選択肢もあるかと思いますが、石井選手にとってフライ級は大きすぎるのでしょうか。

「そうですね。いずれストロー級に落として戦いたいと思っています」

――なるほど。まずは旭那戦ですが、12年ぶりの修斗参戦となった石井選手がストロー級のランカーに勝利したことについて、周囲の声はいかがでしょうか。

「いろんな声をかけていただいていますね。試合会場に行くと、みんな声をかけてくれて。修斗の世界ランカーに勝つと、ここまで評価が違うんだって思います」

――その旭那戦ですが、勝因は何だったと考えていますか。

「自分のできることをやった。それが一番だと思います。最初に自分のパンチが当たってから、僕が前に出ると相手が下がるようになりましたよね。相手にとっては、すごくやりづらかったんだろうなぁと感じました。あのパンチは狙っていたわけではないんです。まずフェイントとして出してみようと思っていたパンチが当たったので、自分でもビックリしました。そういうパンチが意外と当たって、効いたりするんですよ」

――ワンツーで右ストレートを当てようと思ったら、先の左ジャブが効いたりだとか。

「そのパターン、よくありますよね。まず右でダウンを奪ったので、右を軸に試合を進めようと思いました。2Rは僕がダウンを奪って、パウンドに行かずに腕を取られたらひっくり返されて。そういうムーブは巧いなと思いましたが、そこで相手は取り切れずに、僕にとっては救われましたね。それと久しぶりに修斗で試合をして感じたことというか……」

――12年ぶりの修斗参戦で、以前と何か違うものを感じましたか。

「修斗に戻ってきたなぁと感慨深いものはありました。もう一つ——『昔のような修斗じゃないんだなぁ』と感じましたね」

――昔のような修斗ではない……それは、どのような意味でしょうか。

「これは悪い意味ではなくて。単純に、僕たちが後楽園ホールや北沢タウンホールで試合をしていた頃の修斗とは違うなと思いました。空気というか」

――石井選手が感じたものとはリングがケージに変わったり、場所が東京ではなく沖縄だったことは関係ありますか。

「それもあります。反対に昔から馴染みの人たちも会場にたくさんいて、そういう意味では変わっていないところもありますよ。でも、それも懐かしさであったり……。以前のようなピリピリした雰囲気や、緊張感は薄れていたかもしれないです。僕がキャリアも年齢も重ねたからですかね?」

――どちらが良いかどうかはともかく、石井選手が出場していた頃の北沢タウンホールの雰囲気とは違うと思います。前回も同じような話になりましたが(苦笑)。

「アハハハ、そうですね。北沢だけじゃなく後楽園ホールでも、相手をブッ殺すような気持ちで挑んでいた選手が多かったじゃないですか。僕が修斗の前に、キックボクシングに出ていた時もそうだったんですよ。試合前は死刑台に昇るような気持ちで。もう試合後のことは何も考えられないというか」

――……。

「北沢タウンホールって劇場だからか、バックステージが暗くて。だけど対戦相手の顔は見えるので、試合前は緊張感が凄かったです。あの相手を潰して、自分が上に行くことしか考えていませんでした。当時は軽量級なら修斗しか選択肢がなかったし、そこで這い上がるしかなかったので。

そういえば、沖縄ではサイダーさん(※金内サイダー雄哉。現在は旭那と同じTheパラエストラ沖縄所属)と会って、昔からの知り合いなので話をしました。でも昔の自分だったら、サイダーさんと話をすることはなかったと思います。対戦相手だけでなく、対戦相手と同じチームの人とも話をすることはなかったでしょう。自分も変わってきたのだと思います。

それも時代の流れなのでしょうね。いくら懐かしがっても、あの頃には戻れませんし。それならそれで良くなっていってほしいと、自分の中で受け入れるしかないです。でも、ちょっと言いたいことはあるんですよ」

——はい、ぜひお願いします。

「あの時は、旭那選手が絶対に勝たなきゃいけない試合じゃないですか。でも12年ぶりに修斗で試合をした人間が、世界ランカーに勝った。世界ランカーが地元で、こんなワケ分からないヤツに負ける。勝った自分が言うのも変だけど、修斗ってコレで良いんですか?」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月18日(日)
午後1時00分~ Twit Casting LIVE

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