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【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─07─ジャック・ショア✖アーロン・フィリップス

【写真】多彩な攻撃、やるべき主題があるなかで、選択肢が多いことは絶対的に優位性を保てる要素になる(C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が岡田遼の語りたいUFCプレリミマッチ。

ここでは16日(木・現地時間)のUFC ESPN13で行われたバンタム級戦=ジャック・ショア✖アーロン・フィリップス戦について話してもらった。


ファールカップを力点として

──過去1カ月、岡田選手が気になったUFCプレリミ1試合目は?

「一番印象に残っているのはジャック・ショアとアーロン・フィリップスの試合における──ショアですね。個人的な好みなんですけど、ケージレスリングが強い。壁際で崩せるし、強いパウンドも打てる。スタンドで四の字バックを取った時も、自ら解除してサイドバックに戻って良い形を崩さない。

そしてサイドバックから顔面にヒザも入れる。金網際であれだけ多彩な攻撃を出せるというのは素晴らしいと思いました。あの辺は上手かったですねぇ。選手って僕もそうだけど、バックを取れると拘ってしまうので、そこを切り替えることができるのはクレバーです。

しかもあの時、四の字フックが相当に上手く入っていて。あのままでも落ちなかったかもしれない。でも角度が変わると、すぐに解除した。これかぁ、そうくるのかぁと思いました」

──ショアのことは元々注目していたのですか。

「いえ、全然知らなかったです(笑)」

──アハハハ。私も全くノーチェックでした。Cage Warriorsのバンタム級王者で、UFCで2勝目を挙げた。ケージウォリアーズはフォローしていなくて……。

「ウェールズ出身ということですけど、ウェールズ出身のMMAファイターって聞かないですよね」

──そこはもうなぜMMAは英国=イギリスでなく、イングランド、ウェールズ、スコットライト、北アイルランドという国籍を残しているのか。同君連合としてエリザベス女王を君主としている豪州、ニュージーランド、カナダは独立した政府がありますが、英国は単一国家でイングランドやウェールズらとの連邦国家ではないのに……。

「なんか難しい話ですね」

──5教科7科目の相手に合わせました(笑)。

「アハハハ。サッカーとかラグビーとかも、そうですよね。アイルランドは独立しているから分かるのですが……」

──格闘技大会って、国籍を増やしたい傾向があるような気がします。いずれによせ、そのウェールズからショアのような選手が出てきたと。

「本当にどこで練習しているのかも分からないんですけど、英国勢は強くなっていますよね。ショアの2Rに左に合わせてダブルレッグを決めた──あの動きは最高でした。それまでに誘いのミドルを蹴っていて、フィリップスを動かせてテイクダウンを決める。フィリップスがクローズドガードを取ると金網まで押し込んで、エビをできなくして殴る。

そしてガードが割れると、背中を取ってRNCというのは最高の流れですね。フィリップスが横向きでいると、両足フックでなく、一本で背中を潰した。まさに支点・力点・作用点です」

──でたっ!! MMAに学習用語を用いる男。

「アハハハ。ダブルフックでなく、片足をかけているだけで背中を伸ばすことができる。

アレは一本入れた足をフィリップスのヒザ裏において伸ばす。それでフィリップスの足が伸びて、背中も伸ばした。きっとファールカップを力点として使っています」

──ファールカップを押し付けると、痛いものですか。

「痛いですし、一点に釘や杭を打つようにすると、梃子の原理のように力が入ります。自分でも試合でやってみたい流れをショアはやっていました。良い選手だと思いませんでしたか?」

──正直なことを言いますと、この試合は良かったです。でも、相手はどうなんだろうと。ファイトアイランドの4連戦はUFCとしては出場選手の質にバラつきがあった。だから、次が大切というのはあります。

「なるほど。フィリップス相手では査定できないということですね」

──岡田選手、ご自身とフィリップスが戦うとどうなると思いますか。

「正直、この選手なら俺もUFCで勝てると思いました(笑)。相手はお粗末だというのはありましたが、ショアの組みのなかでの距離で凄くえげつないパンチとかは、本当に凄いです。第1試合でこの試合ですからね……。ショアはこれで13連勝のようですし、次の試合を期待して視てみたいと思います」