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【ONE110】スリアン戦へ─スタンプ・フェアテックス「ムエタイでクラスターが起こったことは……」

【写真】5カ月振りの実戦、7カ月ぶりのMMAマッチに挑むスタンプ(C)MMAPLANET

31日(金・現地時間)にタイのバンコクで活動を再開するONEチャンピオンシップ。ONE110「No Surrender」でスタンプ・フェアテックスが、MMAマッチ=✖スニサ・スリアン戦を戦う。

感染拡大がいち早く収まりつつあるタイだが、それでもスタンプもロックダウンを経験し、ジムも閉められる期間があった。そんな状況だった頃を振り返ってもらい、今回の試合への意気込みをスタンプに尋ねた。


──7月31日にONEチャンピオンシップがバンコクで開かれます。今の気持ちを教えて下さい。

「ロックダウン期間を経て、またONEで戦えることは凄く嬉しいわ。しかもバンコクで大会が行われるなんて、とてもエキサイトしているの」

──いつ、この大会がバンコクで行われることを知りましたか。

「1カ月半ぐらい前かなぁ。オフィシャルアナウンスの前ね。母国で試合があることで、気持ちも上がったし。それから試合が確定するまで少し時間が掛ったけど、とにかく試合ができることが一番だから」

──3月にタイではムエタイの大会でクラスターが起こりました。格闘家として、あの時はどのような気持ちになりましたか。

「クラスターが起こったことは関しては色々な要因があったことは間違いないけど、最悪のニュースだったことは確かで……。ONEもそうだし、私も含め当事者であり、ムエタイに関係する全ての人間が心穏やかじゃなかった。

でも、アレを良い経験として政府もONEのイベント開催を認めてくれたし……本当に良かったわ」

──国技であるムエタイの今後を危ぶむことはありましたか。

「それは思わなかったわ。ムエタイがタイから無くなるなんてことは。だからこそ、しっかりと対応しないといけないし。あのクラスターからムエタイで感染者を出さないために、最大の努力をしないといけないって学んだわ」

──ところで2月のシンガポールの試合後、スタンプはどのように過ごしていたのでしょうか。

「新型コロナ感染拡大が進み、ロックダウンが開始されると故郷に戻って家族と過ごしていたわ。街のジムも閉鎖されていたので兄弟とスパーリングや、ジョギングをしていたぐらいで。4月にはフェアテックスに戻って、なるべく人との接触を避けた時間割で、練習を再開したの。でも、それも他の人に分からないようにコッソリね。

もう私たちができることは小まめに手洗いとうがいをして、ジムでの消毒を徹底するだけ。1カ月半前に政府からジム活動の再開が認められ、そこでも以前よりずっと対策をして、トレーニングを続けてきたわ。以来、検温が欠かせなくなったわ」

──31日の試合はムエタイやキックでなく、MMAを戦うことになりました。

「1月からMMAの試合をしていなかったから、凄く嬉しいわ。また母国でMMAを戦えるのも良いことだし、試合の日が来るのが楽しみな気持ちでいっぱいよ」

──対戦相手のスニサ・スリサンの印象を教えてください。

「実は彼女はフェアテックスに練習に来ていたことがあって、凄く良い子なの。試合が決まって、所属するジムに戻ったけど……タイでは数少ない女子MMAファイターで……。でも、試合は試合。100パーセントの自信があるし、そのためにトレーニングを積んできたから。

油断することなく前回の試合から私の寝技がどれだけ進歩したのかを、可能な限り皆に見てもらいたいと思っている」

──パンデミックで今後のことは不確定要素が多いですが、既に練習仲間のデニス・ザンボアンガが女子アトム級世界王座挑戦が決まっています。

「デニスにとってアンジェラに挑戦できることは、本当に素晴らしいことよ」

──友人がチャンピオンになっても、チャレンジできますか。

「もし、そんな日が来るならベストを尽くして戦うだけだし……試合が終わればまた友達に戻るわ」

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【ONE110】31日のバンコク大会にスタンプ・フェアテックスがMMA出場。今後のスケジュールも発表

【写真】31日ライブ中継枠でスタンプがダークシリーズでもなく、またMMAへの出場は嬉しい (C)MMAPLANET

13日(月・現地時間)にONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼チェアマンが自らのSNSに2つの投稿をし、31日(金・同)にタイ・バンコクで開催される無観客大会のONE110「No Surrender」の追加カードと、今後のイベント・スケジュールに関する発表をしている。

31日大会ではONEムエタイ世界フライ級王者ロッタン・ジットムアンノン✖挑戦者ペッダム・ペッティンディーアカデミー、ONEムエタイ世界フェザー級王者ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー✖挑戦者ヨーセングライ・フェアテックスと、キックボクシング・フェザー級でスーパーボン・バンチャメーク✖シッティチャイ・シッソンピーノンの立ち技3試合が既に発表されていた。

ここにMMAマッチでスタンプ・フェアテックス✖スニサ・スリサン、マーク・アベラルド✖ファブリシオ・アンドラジの2試合とムエタイ=パンパヤック・ジットムアンノン✖スーパーレック・ギアットムーガーオが加わることが明らかとなった。


チャトリの投稿にあるようにCOVID19の影響で国境を跨いだ行動は極端に制限されている状態でタイ人対決及び、タイのジムに所属する他国のファイターの試合が組まれた形だ。

立ち技のスーパーシリーズ中心になるのは当然といえるバンコクでの再出発だが、ここにスタンプのMMA出場はMMAファンにとっては嬉しいニュースだろう。

対戦相手のスリサンは2000年12月生まれの19歳の選手で、16歳だった2017年までにタイのローカルショー=FMD(フルメタル・ドージョー)でMMAを3試合経験し3勝している。スリサンはムエタイの経験もあるようで、過去3試合では首相撲から相手を崩しや、柔道に近い足技や腰技で投げも試合で決めてきた。とはいっても、対戦相手の力はスタンプの違いは明白で──どれだけ善戦するかという見方になるか。

もう1つのMMAもONE本戦で戦っている選手と、この状況下で戦う機会を得たファイターのマッチアップとなった。アベラルドはPXCからONEウォリアーシリーズに転じ、本戦にステップアップし竹中大地や佐藤将光と戦ってきたフィリピン系ニュージーランド人選手だ。

一方のアンドラジは22歳のブラジリアンで、キャリアは3勝2敗。ブラジルで1試合、カザフスタンでWFCAの試合に出場してからは、中国のクンルンや武林風で戦ってきた。アンドラジはプーケットのタイガームエタイ所属、アベラルドはパタヤのフェアテックス・ジム所属──タイ在住選手の国際戦MMAとなる。

またチャトリが明らかにしたイベント・スケジュールは7月31日以降、8月14日&21日&28日、9月11日&18日&25日、10月は9日&16日&30日となっているが、開催国等は明らかとなっていない。

当然のようにこの日程の回数だけイベントが行われるのではなく、無観客大会で組まれた録画試合を中継するONE Dark Seriesの配信日との合算であることが予想される。となると以前に「No Surrender大会は、12試合が録画マッチ=ダークシリーズ用として組まれる」とチャトリが公言していたように、今後のイベント形態はライブマッチが6試合&ダークシリーズ=6試合✖2回配信分の18試合というワンセットになりそうだ。

とはいえ、この計算をすればイベント&配信回数の合計は3で割り切れなければならないが、チャトリの発表は10イベント。そうなると31日のNo Surrenderも含め、24試合が用意された大会が出てくるのかもしれない。

もう1つ気になるのが、10月シリーズだ。パンデミック以前にONEでは4月の日本大会を10月に延期する発表をしていた。現状を顧みると、ONEのイベント開催国で国内在住選手のみで18及び24という数の試合が組め、かつ無観客大会を行える目算を立てることができるのはタイ、中国、そして日本の3カ国しかない。

勿論、10月には各国を巡る状況は好転し、観客を入れた大箱で国際戦を組めることができるようになっているかもしれない。とはいえ、希望的観測をもってイベントの準備はできない。現状に則したイベントの開催方法を考えると、無観客&収録マッチ形式を念頭に動き出す必要があるのは明らかだ。日本国内でいえば那須川天心が無観客 ABEMA TVファイトに出場するニューノーマル時代、チャトリが発信した今後のスケジュールに関して、さらなる詳細の発表を待ちたい。