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【UFC270】仕切り直しのバルセロス戦、ビクター・ヘンリー「僕らは時給を貰っているわけじゃない」

【写真】減量もあり疲労が見えるなか、ビクターは「全てはファンのためだよ」と快くインタビューを受けてくれた。感謝だ(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC 270「N’Gannou vs Gane」で、ビクター・ヘンリーが仕切り直しのハオーニ・バルセロス戦が実現する。

昨年12月18日に組まれていた試合は、ビクターが計量後のコロナ検査で陽性となり、最後の最後のタイミングで流れた。あれから1カ月後のファイトも、実際のオファーは2週間前だった。

断ることもできた試合を受けた。ビクター・ヘンリーはどんなに強い相手と戦ってもフィニッシュを目指す。


──昨年12月19日のUFN199でオクタゴン・デビューが決まっていたビクターですが、まさかの計量後のテストでコロナ陽性となり、試合が流れてしまいました。

「計量が終わったあとも、決まりで検査を受けないといけない。それまで2度の検査では陰性だったけど、計量とフェイスオフ後にホテルでもう1度検査があり、そこから隔離されることになったんだ」

──なにか自覚症状はあったのですか。

「ノー、ないよ。体調はまるで問題なくて、カリフォルニアに戻ってからのテストでは陰性だった。まぁ今、あらゆるスポーツで起こり得ることだよ」

──それにしてもヴィクター自身、やり切れないかったのではないですか。

「もちろん。特に計量も終えて、あとは試合だけっていうタイミングだったからね。全てやってきたことを奪われてしまった感じがした。ただ不幸ではあったけど、最後のチャンスじゃない。またチャンスが巡ってきて、ケージに戻れることは間違いなかったからね」。

──今や米国ではCOVID19はインフルエンザ以下、風邪という風に捉えられているように日本に伝わってくることもるのですが、UFCはそこまで厳格に対策を行っているのですね。

「UFCじゃないよ。州政府がやっていることだよ。UFCは州毎のプロトコルに従っている。UFCは世界中で開催されているから、その土地毎に決められたルールに則して大会を開く。カリフォルニアではカリフォルニア、ベガスでネヴァダの有り方にできる限り従っているんだ」

──現地で陽性になると、隔離されるわけですか。

「陽性結果が出ると、そうなる。ただ飛行機で家に戻ることはできないけど、ベガスと南カリフォルニアは車で移動できる距離だから、僕はUFCが手配してくれたレンタカーでドライブして戻った」

──公共交通は使用できないけど、車なら移動できるらしいですね。フロリダまで戻った人もいたと聞きました。

「そうなんだ。自分で運転して、ね。隔離措置は陰性結果が出るまで。1度目のテストで陰性で、もう1度受けて陰性だったから練習に戻ったよ」

──それにしても、色々と大変でした。

「忙しかったよ(苦笑)。精神の浮き沈みもあったけど、そこまで深刻じゃなかった。メディアの対応も、書類のサインとか全てをやり……さっきも言ったけど、何といっても計量を終えていたからね。まぁ、どうしようもないよ。目を開いて、次を見据えるだけだった。

次だ、次のことを考えないと。落ち込んでばかりいられない。何もできないし、全てを良い経験にして次に向かわないとね。ただ、前に進むだけだったよ」

──と同時に、ショートノーティスの出場予定から1カ月、今回はより準備ができたのではないでしょうか。

「前回は試合まで1週間、減量しかできなかった。今回は多くの人が1月15日に同じ相手と試合をするって話してきたけど、何もオフィシャルなことは決まっていなかったんだ。契約書にサインをしたわけでもなくて、ただ噂が一人歩きしていた。マッチメイカーからもマネージャーから何も連絡はなかった。

2週間前かな、連絡がきた。『もう1度、ハオーニ・バルセロスだ』ってね。まぁ、またショートキャンプだよ。ただし、キャンプの長さは問題じゃない。どっちにしても、タフな試合になることは分かり切っている。1週間のキャンプでも、8週間のキャンプでも彼の強さは変わらない。だから、試合の有無にかかわらずファイターはいつもジムにいて、ケガのことだけ注意しながらハードトレーニングを続けておく必要があるんだよ。

だいたいハオーニにはハオーニで、ビザ関係で解決しないといけないという状況だった。ビザの更新がないなら、この試合もないと聞かされていた。でも、僕はハオーニと戦いたかった。日程と相手とチェンジして戦うことも可能だったけど、どう考えても強いハオーニとマーシャルアーチストとして戦いたかったんだ。だからオファーがあった時、即イエスと答えた」

──ビクター、漢ですね。では、そのハオーニの強さとは?

「16勝2敗、8KOというレコードでも明らかだ。パンチの強さは疑いようがない。何よりもフェザー級で戦ってきたから、フィジカルも大きな武器になっている。この2つの要素だけで、彼と戦うバンタム級の選手にとっては大きな問題だ。それでも、僕には何とかできる武器がある。大きくてボクシングの強いハオーニの穴を見つけるんだ。

僕の打撃はただボクシングをするだけじゃない。蹴り、ヒザ、ヒジと多様性がある。そしてフットワークだ。スタミナとサブミッション・ゲームでも僕の方が上だよ。フィニッシュへの意識も違う。

僕は過去に勝ったと思った試合を落としたことがある。相手が安全に戦っていたからだ。フィニッシュするのが困難な相手もいる。でも5分3R、5分5Rの試合中にフィニッシュを狙わないで、どうする? そんな試合をしても、誰の記憶に残ることもない。UFCファイターのなかにもセーフティゲームを戦い、白星を積み重ねている選手もいるよ。

一方でキャリアに浮き沈みがあっても、常にフィニッシュを狙うエキサイティングなファイターも残っている。僕らは時給を貰っているわけじゃない。15分間戦おうが、3分間で終わろうがファイトマネーは同じだ。ならなら少しでも早くフィニッシュした方が良いだろう(笑)」

──アハハハ。ヴィクター、またいつも通り日本のMMAファンに一言お願いします。

「いつもと同じように──言うよ(笑)。皆が恋しい。日本に行ってゴーゴーカレーが食べたい」

──ヴィクターがゴーゴーカレーに触れると、清水俊一選手が『僕が連れて行ったんです』とツイートするんですよ(笑)。

「その通りだ。シミズのおかげで、日本にいくと太る。アイツのせいだよ(笑)。シミズとはまずゴーゴーカレーを食べて、直後にグラップリングのスパーリングをするんだ(爆)。また、アレをやりたいな。早く、そんな日が訪れてほしいよ」

■視聴方法(予定)
1月23日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■1UFC270対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] フランシス・ガヌー(カメルーン)
[挑戦者] シリル・ガンヌ(フランス)

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ブランドン・モレノ(メキシコ)
[挑戦者] デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
サイド・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ミドル級/5分3R>
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)
ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
マイケル・モラレス(エクアドル)
トレヴィン・ジレス(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・フレヴォラ(米国)
ヘナロ・ヴァルデス(メキシコ)

<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー(米国)
サイモン・オリヴェイラ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)
ケイ・ハンセン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)

<フェザー級/5分3R>
イリャ・トプリア(ドイツ)
シャルル・ジョーダン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ピート・ロドリゲス(米国)

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MMA UFN199 カマル・ウスマン キック スティーブン・トンプソン ベラル・モハメッド

【UFN199】最大5ポイント差、ベラル・モハメッドがワンダーボーイをTDから抑え込み続けて判定勝ち

<ウェルター級/5分3R>
ベラル・モハメッド(米国)
Def.3-0:30-25.30-26.30-26.
スティーブン・トンプソン(米国)

前に出てくるモハメッドに、トンプソンは右のサイドキックを使いながら回る。ケージを背負いながら、右サイドキックをモハメッドの顔面に当てるトンプソン。相手にケージを背負わせたモハメッドが、ダブルレッグからリフトアップするも、トンプソンは倒れない。スタンドに戻るとパンチの連打から右サイドキックを放つトンプソン。モハメッドが再びダブルレッグを仕掛けると、今後はトンプソンに尻もちを着かせることを成功した。しかしトンプソンも左のオーバーフックでバックには回らせない。

ケージ際で、ヒザを着きながらパンチを出し合う両者。トンプソンが切り返してモハメッドをケージに押し込むと、モハメッドも体勢を入れ替える。トンプソンは右腕を差し上げてモハメッドをケージに押し返し、パンチを突き上げる。ここでケージ際を脱したモハメッドが、ダブルレッグでトンプソンに尻もちを着かせた。ケージに背中を着けるトンプソンを、ボディロックで固めるモハメッドは、立ち上がる相手をリフトアップからグラウンドに引きづりこむ。そしてバックマウントからパンチを連打するモハメッド。トンプソンの動きが止まるが、レフェリーは試合を止めなかった。

2R、距離を取って左ストレートを放つトンプソン。さらに右サイドキックをモハメッドのボディに突き刺す。サークリングするトンプソンに対し、ガードを高く上げて距離を詰めていくモハメッドが、またもダブルレッグへ。トンプソンは一度尻もちを着いたが、すぐに立ち上がった。左腕を差し上げ、右腕を足の間に入れてクラッチしてから、リフトアップでテイクダウンしたモハメッド。ハーフガードのトンプソンに対し、パンチを落としながら、相手の右腕にアームロックを狙う。

トンプソンの頭をケージに押し込みながら、相手の右腕を伸ばすモハメッドだったが、これは極まらず。再びモハメッドがアームロックを狙いにいくなか、トンプソンが徐々に体を起こして位置をずらしていく。モハメッドもクラッチを切って右腕を伸ばしにいきながら、パスガードに成功。ここで腕は諦め、パンチとヒジを落として削っていく。ハーフガードに戻したトンプソンの顔面に、モハメッドが右ヒジを連打してラウンド終了のホーンを聞いた。

最終回、開始早々モハメッドがトンプソンのパンチをかわしてボディロックからテイクダウンを狙う。右のオーバーフックでディフェンスするトンプソンに対し、モハメッドはダブルに切り替えて尻もちを着かせた。ケージに背中を着けて上半身を起こしているトンプソンから、マウントを奪いに行くモハメッド。パンチをもらいながらトンプソンも立ち上がるが、モハメッドも逃さず両ワキを差し上げて相手をケージに押し込む。するとトンプソンが切り返してトップを奪ったが、モハメッドもレッスルアップからトンプソンを追い、再びグラウンドに持ち込んだ。

ハーフガードから相手を抱え込むトンプソンに対し、コツコツとパンチを当てるモハメッド。さらにパスしてサイド、ニーオンザベリーから左ヒジを落としていく。トンプソンもハーフに戻すが、抑え込みから逃れることはできず。最後までモハメッドがパンチとヒジを落とし続けた。

ジャッジ1人が5ポイント差、他2人も4ポイント差をつけるユナニマス判定で勝利したモハメッドは、世界ウェルター級王者カマル・ウスマンへの挑戦をアピールした。


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MMA UFN199 キック ディエゴ・フェヘイラ マテウス・ガムロ

【UFN199】TD×ガードワークによる好勝負の末、ガムロのヒザ蹴りでフェヘイラが負傷ギブアップ

<ライト級/5分3R>
マテウス・ガムロ(ポーランド)
Def.2R3分06秒 by TKO
ディエゴ・フェヘイラ(ブラジル)

まずガムロが前に出ていく。フェヘイラは下がりながら右のカーフキック。そしてフェヘイラはサウスポーにスイッチして右ジャブを放つが、そこにガムロが右のヒザ蹴りをボディに突き刺した。オーソドックスに戻したフェヘイラに対し、ガムロがサウスポーに。フェヘイラの右ロー、右ミドルハイをさばくガムロ。するとフェヘイラもサウスポーにスイッチ、ガムロの右ハイをブロックするが、オーソドックスに戻して右前蹴りを放つも、ガムロはその蹴り足を捌いて左ローを当てる。

ガムロがオーソドックス、フェヘイラがサウスポー。ガムロが右ミドルを当て、やや下がりながらサウスポーに戻して低空のシングルレッグを仕掛けた。スプロールするフェヘイラのバックを狙うガムロ、フェヘイラは回転してガードポジションに。ガムロが足を捌こうとしたところで、フェヘイラもすぐに立ち上がった。そしてオーソドックスから右ハイ、右カーフを放つフェヘイラ。しかしサウスポーになったところで、ガムロの右ストレートをもらってしまう。

足払い気味の右ローをもらったガムロが、低空のダブルレッグを狙う。フェヘイラに背中を着かせたガムロは、相手の足を左腕で抱えながら右のパウンド。フェヘイラは足を利かせて立ち上がった。ケージ中央で両者のパンチが交錯するなか、さらにスイッチしながら蹴り合うもクリーンヒットはない。フェヘイラがサウスポーになったところで右を狙うガムロ。フェヘイラもガムロの右の蹴り足をキャッチしてケージに追い込み、離れ際に右ミドルを連打していった。

残り1分、互いのパンチがヒットし、笑顔を浮かべる両者。ここでガムロのダブルレッグが決まり、フェヘイラは即座に立ち上がろうとしたが、ガムロが抑え込む。潜ろうとするフェヘイラの顔面にパンチを浴びせるガムロ。さらにフェヘイラの立ち上がり際に右フックを放つが、これは当たらずフェヘイラが距離を置いた。残り10秒で打ち合う両者、さらにガムロが下がりながら二段蹴りを放つと、フェヘイラは打ち終わりに右ストレートを合わせていった。

2R、フェヘイラがワンツーから右ミドルに繋げる。それを捌いたガムロが距離を取ると、フェヘイラが大きなパンチで追いかけていく。そこに真っ直ぐの左ジャブを突くガムロ。さらにガムロがフェヘイラの右足にシングルレッグを仕掛けるも、かわしたフェヘイラが相手の立ち上がり際に右の蹴りを狙っていく。このラウンドからフェヘイラのパンチが伸びるように。ガムロは相手のパンチをかわしてテイクダウンを狙うが決まらず。二度目のチャレンジでは、かわしきれないフェヘイラが引き込んだ。

フェヘイラがフィフティフィフティで相手の体を浮かせると、すぐにガムロは反転してヒザを着きながらニータップでフェヘイラに再び背中を着かせた。トップを奪ったガムロに下から三角を狙うフェヘイラ。ディフェンスしたガムロが立ち上がると、フェヘイラもスタンドを選択し、サークリングするガムロに伸びるパンチを当てていく。ガムロは左ジャブでフェヘイラのプレッシャーを止めようと試みるが、フェヘイラの勢いが止まらない。するとガムロはフェヘイラの左足にシングルレッグを仕掛けて尻もちを着かせるも、フェヘイラもすぐに立ち上がる。

フェヘイラの右前蹴りがガムロのボディに突き刺さる。しかしガムロもシングルでグラウンドに持ち込むと、そのままバックに回り、フェヘイラの右ワキ腹にヒザ蹴りを突き刺した。ここでフェヘイラがレフェリーに何かをアピールし始める。ガムロは構わず左腕をフェヘイラの首に回してRNCへ。ここでレフェリーが試合をストップした。

フェヘイラがバックからのヒザ蹴りでワキ腹を傷めたのか、ガムロのTKO勝ちとなった。


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MMA UFN199 カブ・スワンソン キック ダレン・エルキンス

【UFN199】カブ・スワンソン、左&右、そして左を打ち込み、後ろ回し蹴りでエルキンスをKO

<フェザー級/5分3R>
カブ・スワンソン(米国)
Def.1R2分12秒by TKO
ダレン・エルキンス(米国)

左ジャブを伸ばすスワンソン、エルキンスが左ジャブから右オーバーハンドを決める。エルキンスの右とスワンソンの左が交錯し、エルキンスはダブルレッグを切られたところで右を打っていく。と左から右のワンツーを入れたスワンソンは、飛び込んで右のパンチを当てる。これが聞いて、テイクダウンで誤魔化しに来たエルキンスとの距離を取ったスワンソンは右オーバーハンドをかわし、距離が近づくと左、右、そして左を打ち込みダウンを奪う。

立ち上がったエルキンスだが足に来ており、両足が揃っているところでスワンソンのスピニングバックキックが顔面をかすめた、足がもつれレフェリーが試合を止めた。


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LFA MMA UFC UFN199 ハファエル・アスンソン ブログ リッキー・シモン

【UFN199】アスンソン戦へ。止まらないリッキー・シモン「抑え込んで疲れるのはエネルギーの無駄使い」

【写真】一見の価値がある──シモンのMMA (C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN199:UFN on ESPN+57「Lewis vs Daukaus」でリッキー・シモンが、ハファエル・アスンソンと対戦する。

レスリングベース、打撃と柔術を加えたシモンは止まることを知らない回遊魚のようなMMAスタイルの持ち主だ。レスリング力を軸にした──先を取るスクランブルゲームで時代を切り開く──リッキー・シモンに初インタビューを試みた。


──長年バンタム級戦線のトップで活躍していたものの現在3連敗中のハファエル・アスンソンと戦います。

「凄く自信があるよ。今、僕は3連勝中で3連敗中のアスンソンはプレッシャーを感じているだろう。と同時にずっと彼の試合を見てきたし、彼のような選手と戦えることが嬉しいよ」

──今回の準備はアーバインのチーム・オーヤマ、それともグレイシーバッハ・ポートランド、どちらで行ってきたのですか。

「どちらも、でだよ。半々で準備をしてきた。コーチ・オーヤマ、アレックス・ペレスと練習し、アレックスの試合が1週間前にあって皆がベガスへ行き、アレックスは試合後は休息にはいるだろうから、最後はポートランドで活きの良い若い選手たちと調整をしてきたんだ」

──チーム・オーヤマには堀内佑馬選手も在籍しています。

「ユーマ!! 彼とも少し練習した。ベガスに来ていたし、こっちでも再開できて良かったよ。ユーマとのトレーニングはいつだって激しくて、楽しいんだ。こないだ、LFAで素晴らしいKO勝ちをしているし、きっとUFCで彼の試合を見ることができるようになるだろう」

──ところでリッキーのノンストップMMAは、今のMMAを象徴するアグレッシブな戦い方で、いつも楽しみにしていました。とにかく止まることがないですね。この戦いはある意味、テイクダウンを最終目標としていたフランキー・エドガーやドミニク・クルーズのスタイルをさらに進化させ、テイクダウンをしても止まらないという領域に入ったように感じます。

「とにかく僕のスタイルは、相手が望まないことを仕掛けることなんだ。スタンド、バック、グラウンドでも自分のレスリングで攻め続ける。テイクダウン、サブミッション、自分の可能な攻撃を仕掛けるんだ。僕自身、MMAを始める前からドミニクやフランキーをチェックしていた。GSPとともに参考にしてきたといっても良いよ」

──確かに打撃を交えた彼らのテイクダウンは神業レベルでした。とはいえ時代は変わり、今のMMAファイターのテイクダウン防御力、そして倒されても立ち上がるスクランブルの力はGSPの時代とは違います。リッキーは相手に動く隙を与えて、その動きに合わせてコントロールするようなファイトに見えます。

「凄い分析だね(笑)。確かに僕はテイクダウンし、相手が動いたところでその先をいく仕掛けを狙っている。打撃もテイクダウンも交えてね。スタンドに戻ろうとしても、そこを衝いて動くし、相手よりもより多くの仕掛けを用意しているんだ」

──このスタイルは動きを止めないハードなモノだと思いますが、それでも強引に抑え込んだりするよりも、自分のペースとリズムで戦うことができてエネルギーをセーブできるということはないですか。

「それが僕の戦い方だよ。抑え込んで疲れるのはエネルギーの無駄使いだ。そのために壁レスをファビアーノ・シャウナーと徹底的に練習してきた。毎週、何十ラウンドとね。レスリングを使って、15分間戦い切るのが僕のスタイルだからね」

──いくら素晴らしい抑え込みができても、ファンやプロモーターはアクションを求めます。そこも考慮したスタイルなのでしょうか。

「そういう意味では動きのなかで、パウンドでダメージを与え、カットも狙っている。しっかりとポスチャーすれば、良いパンチやエルボーを落とすことができるからね」

──グラウンド&パウンドを使う際、スペースが出来ます。そこで相手が起き上ることも想定して殴っていますか。

「気にしていないよ。立ち上がって来るなら、そこに対処すれば良いだけで。目の前にある標的に攻撃するだけだから」

──なるほどぉ。ところでSUGでタッグチーム戦に出場しています。あのルールで戦うことは、何かMMAに役立つことはあるのでしょうか。

「まずチームメイトのチェール・ソネンが望んだから出た。従弟のジョン・シモンとのタッグチームをチェールが見たいって言ってきたんだ。MMAの試合の合間に、ああいう形式のグラップリングを戦うのも楽しかったよ。結局のところ、僕はファイターなんだろうね」

──タッグチーム戦でない試合をSUGで戦うこともあるでしょうか。

「そうだね。チームメイトの多くが戦っているし、機会があればSUGで戦ってみたいよ」

──それと個人的にリッキーがトップ15に入っていないのが信じられないです。だからこそ、アスンソン戦が重要になってくるかと。

「ありがとう。ホント、自分でもなぜランキングに入っていないのか分からない。5位(ロブ・フォント)と拮抗した勝負をして、6位(マラブ・デヴァリシビリ)に勝っているけど、ランク外なんだよ。僕自身ランキングに入るだけの能力があると思っている。だからこそ12位のアスンソンを相手に、それを証明する。そしてトップ15の誰とでも戦って勝てる力をあることをアスンソン相手に見せつけるつもりだよ」

──リッキー、今日はありがとうございました。日本のファンももっとリッキーのノンストプアクションに注目してほしいと思っています。

「サンキュー・ソーマッチ。僕もいつか日本に行きたい。ユーマから日本のファンのことを聞いているし、UFCが日本大会を少しでも早く復活させることを願っているよ」

■視聴方法(予定)
12月19日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN199対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
クリストファー・ダカウス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ベラル・モハメッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
アンジェラ・ヒル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
リッキー・シモン(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェヘイラ(ブラジル)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
カブ・スワンソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラウド・マーシャート(米国)
ダスティン・ストーツフス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(米国)
ハリー・ハンサカー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラ・ユーバンクス(米国)
メリッサ・ガト(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国)
メイシー・シェエソン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ドンテイル・メイス(米国)
ジョシュ・パリジャン(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・セイレス(米国)
ジョーダン・ラヴィット(米国)

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【UFN199】オクタゴン初陣、バルセロス戦前のビクター・ヘンリー「日本の皆の心を僕はUFCに持ち込む」

【写真】ビクターからは溢れんばかりの日本への想いが伝わってきた (C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN199:UFN on ESPN+57「Lewis vs Daukaus」にビクター・ヘンリーが出場し、ハオーニ・バルセロスと対戦する。

キャリア25戦のうち、日本で12度戦ってきたビクター。2014年のGRANDSLAM旗揚げ戦の所英男戦から、パンクラス、DEEP、そしてRIZINを舞台に上田将勝、中島太一、石渡伸太郎、アラン・ヤマニハ、大塚隆史、元谷友貴、金原正徳とJ-MMA界のトップ・バンタム級ファイターと激闘を繰り広げてきたビクターのUFC出場には、外国人選手が戦えないコロナ禍の日本の状況があった。

そこに届いたUFCのオファー、ビクター・ヘンリーは日本総合格闘技界を代表してオクタゴンに足を踏み入れる。


──ビクター、お久しぶりです。

「Long time no see you、、、Too long time……。本当に久しぶり、久しぶり過ぎるよ。ありがとう、僕のことを取り上げてくれて」

──いえいえ、当然のことです。それにしても突然のUFC出場には、正直驚きました。

「日本で起こっていること……日本の実情が全てだよ。日本で戦うことが困難な状態がずっと続いてきた。今も続いている。日本では米国人ファイターが戦えない状況が当たり前になってしまった。それでも僕は戦い続けないといけない。そんな時にUFCがチャンスをくれた。だから今、ここにいるんだ」

──日本でもDEEPの佐伯代表は『隔離措置がなくなればビクターを呼びたい』と、いつも言っていました。RIZINのバンタム級GPのルースターに当然のようにビクターはリストされていたでしょう。ただし、パンデミックがそれを許さなかったです。

「サエキサンが日本で戦う機会を与えてくれたことは、本当に感謝している。でもパンデミックが起こり、隔離措置が取られる限り日本では戦えない──本当に辛かった。家に戻れない、そんな気持ちだったよ」

──11月に労働ビザを持っている外国人は短期の隔離で来日することが可能になった途端に、オミクロン株が発生し新規の入国が認めらなくなるなど、かつてない厳格な水際対策を日本政府を採ることになりました。ただ、それ以前にVJTにチリ人選手が来日したり、RIZINも大晦日には海外の選手を招聘する予定だったでしょうし、またビクターが日本に来られるという期待もあったのですが……。

「大晦日に関して、僕のところには何か連絡があったわけではなかった。僕は日本で成功し、それを日本のファンが見続けてくれたファイターだ。でもソファに座って、ただ待つだけというわけにはいかない。何か行動を起こす必要があるんだ。皆、1年間そういう状態で待ち続けたからね。でも、もう動かないと。それでも、いつだって僕にとって日本がホームだというのは変わりないよ」

──Parus FC、LXFで試合をしたことが、ビクターが日本で戦いたいという意思表示をしているのだと感じていました。

「その通りだよ。だからUFCと契約したからといって、僕はルーツを忘れることにはならない。日本での経験、日本で養った技術、そして日本の皆の心を僕はUFCに持ち込む」

──ビクターがどれだけ日本を愛していようが、世界最大のプロモーションで戦うチャンスを得たことはファイターとして絶対的に良いことです。UFCからオファーがあった時、どのような気持ちになりましたか。

「ちょうど、腹がいっぱいになるまでヤキニクを食べていたんだ(笑)。『2週間で体重を落とせるか』ってことだった。答えは『Let’s do it』、それしかないよ。しっかりと体重を落として戦う。それが闘魂ってものだろう。

『8週間必要だ』とか『準備期間がない』ってオファーを断るのは、好きじゃない。僕は世界中で、いつでも戦ってきた。それが日本で学んだ気構えだよ。戦う機会を得れば、そこに行って戦う。それだけのことじゃないか。UFCからオファーがあった。なら、戦う。日本のMMAファン、日本のMMA界とともにね」

──日本のファンもUFCで戦うビクターを応援し続けるはずです。UFC初陣に専念しないといけないビクターですが、一つこの試合と関係ない質問をさせてください。

「構わないよ」

──RIZINバンタム級GPはフォローしてきましたか。

「もちろん。バンタム級の戦いは常に注意を払っている。いつ僕と戦うことになるか分からないからね。バンタム級GPも、誰が勝ち残るのか注意して見てきた。ホリグチのBellatorの試合も視たよ。タイミングが合致すれば、誰とだって戦うことになる。

ホリグチが契約期間を終えて、またUFCと契約するかなんて分からない。でも、バンタム級のコレといった選手の試合は常にチェックしている。カイ、彼のことも見てきた。力をつけている。オギクボの試合もね。彼らとはUFCで戦うこともあるかもしれないだろうね」

──ではGPで、誰が優勝すると思っていますか。

「ナオキ・イノウエだ。彼はどの局面でも戦える。ソウゴウカクトウカとして、たくさんの勝ち方ができて、より完成度が高い。カイはパワフルだ。KOできる力がある。ただ、レスリングと柔術はどうなんだろう? オギクボも強い。でもカイと戦った時に見えた課題を克服できているのか。

イノウエは武器が多く、リーチも長い。素晴らしい柔術ゲーム、キャッチレスリングの技術を備えている。イノウエが本命だよ」

──なるほど。ありがとうございます。とはいえ土曜日に戦うハオーニ・バルセロスは井上選手に負けないウェルラウンディット・ファイターです。

「ハオーニはパワフルだよ。フェザー級から落としてきた選手だからね。試合の時は相当大きくなっているだろう。ボクシングでプレッシャーを掛けて、ベースのレスリングも強い。ただ、グラウンドに持ち込んできたら僕にとっては都合が良いよ。ただし、僕はイージーファイトなんてしたくないんだ。

ハオーニが全能力を使って、僕と戦うことを望んでいる。僕と相対したハオーニは、きっと驚くだろう。彼だけじゃない、次の試合で世界を驚かせる」

──北米MMAファイターとは違ったファイト・フィロソフィーを持つビクターだからこそ、UFCでの戦いが楽しみです。

「任せてくれ。いつだってしてきたように、見ている人が驚く戦いをする。多くのファイターが、ただ勝つためにたかっている。そんなのは本当の意味で、ファイトじゃない。日本の戦い方を見せるよ」

──ビクター、ありがとうございました。ずっとビクターを見てきた日本のファンに一言お願いします。

「皆のことが恋しい。ホント、皆を愛している。日本に戻る日が楽しみでならないし、ゴーゴーカレーが食べたくてしょうがないよ!!」

■視聴方法(予定)
12月19日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN199対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
クリストファー・ダカウス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ベラル・モハメッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
アンジェラ・ヒル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
リッキー・シモン(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェヘイラ(ブラジル)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
カブ・スワンソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラウド・マーシャート(米国)
ダスティン・ストーツフス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(米国)
ハリー・ハンサカー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラ・ユーバンクス(米国)
メリッサ・ガト(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国)
メイシー・シェエソン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ドンテイル・メイス(米国)
ジョシュ・パリジャン(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・セイレス(米国)
ジョーダン・ラヴィット(米国)

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MMA UFC UFN199 スティーブン・トンプソン ブログ ベラル・モハメッド

【UFN199】「コブラカイ?」&「スクールとジム」。モハメッド戦前のワンダーボーイにカラテ論を訊く

【写真】まさにジェントルマンキックの天才らしく、非常に紳士的な受け答えだったワンダーボーイ(C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN199:UFN on ESPN+57「Lewis vs Daukaus」が開催される。

同大会のコメインでスティーブン・ワンダーボーイ・トンプソンが、ベラル・モハメッドと対戦する。幼少期からアメリカン・カラテで活躍し、アメリカンキックボクシング=ジェントルマンキックではプロ&アマ通算58勝0敗だったトンプソンは、かつてGSPが最高のストライカーと認め、その技術を吸収することでMMAの完成度を高めたほど距離のコントロールに長けている。

独特の構え、サイドキックを多用するスタイルは父から教わったファミリーのカラテだ。そのカラテ、マーシャルアーツと共に生きるトンプソンは、他とは一線を画したMMAファイター──いやMMAを戦うマーシャルアーチストであった。


──インタビューの機会を頂き、ありがとうございます。ベラル・モハメッド戦を控え、今の気持ちを教えてください。

「トレーニングキャンプは最高だったし、体重も順調に落ちている。最高の状態だよ。ベラル・モハメッドはとてもタフな対戦相手で、どの局面でも優れている。打撃も強くて、レスリングも上手い。柔術だってできる。ただし、どんな試合展開になろうともしっかりと準備してきたから問題ないよ」

──スティーブンはアメリカン・カラテをベースに戦うファイターですが、空手には多くのスタイルがあります。伝統的な空手出身のMMAファイターは多くが、距離とタイミングの取り方がボクサーやキックボクサーと違うという共通点があります。

(C)Zuffa/UFC

「そうだね、極真、松濤館、アメリカン・スタイルを含め色々なカラテが存在する。

そしてレンジとタイミングこそ、僕がカラテから取り入れている一番重要な部分だよ。僕はトラディショナル・マーシャルアーツの中で育ったけど、MMAではいつもリョート・マチダを追っていた。彼こそ伝統的なカラテのスタイリストだからね。

UFCでは今も多くの人が、カラテを軽視している。カラテは使えないって言う人間もいる。でも、リョート・マチダはカラテがMMAで有効なことを示した。そしてボクシングやキックボクシングのレンジで戦う選手たちは、カラテのレンジだと攻撃が当たらないと思っている。でもリョートがそうだったように、カラテ家はこのギャップを速攻で埋めることができるんだ。レンジのマネージメントが僕らのファイトの肝だよ」

──確かに遠い距離からの出入りをし、また相手を誘い出すことも手です。と同時にMMAでは接近戦で戦い続ける展開もあります。遠い距離から踏み込むとカラテのステップですが、パンチはボクシング風になることも少なくないです。下半身はカラテで踏み込み、上半身にボクシングの捻り効果で殴るというような。

(C)Zuffa/UFC

「MMAを戦う上で、僕の主武器はカラテだ。

ただし、MMAを戦うなら他のスタイルも学必要がある。カラテで距離をつめ、エルボーやニーを使うこともある。ローキックはカラテの一部だ。そのすべてを使うのが、僕らのスタイルだよ。ボクシングとキックボクシングのトレーニングをして、対戦相手によって近い距離で戦う必要性もあるからね。

僕は子供の頃から父にトラディショナル・マーシャルアーツを習い、今も父と一緒にカラテ・スクールで指導している。僕にはカラテは欠かせないものだけど、MMAを戦ううえではキックやボクシングを知る必要がある。そこで下半身と上半身の体の使い方を融合させることができるんだ」

──そのカラテ道場ですが、コロナ禍で経営に影響が出ることはなかったですか。

「きっと地域差があるんだろうけど、サウスカロライナでは最初の感染拡大から8週間ほど、スクールを閉める必要があった。でも、それ以降は厳格なロックダウンはなかった。今では以前と変わりない活動をすることができている。実際、パンデミックで外に出られない時期もあったせいか、以前より多くの人がスクールにやってきてカラテの練習をしているんだ。僕もスクールでの指導をビギナークラスから、プロクラスまで受け持っている」

──スティーブンは初心者クラスから、プロクラスまで全てに参加して指導を行っていると聞いたことがあります。

「僕はずっと初心者の人たちとスパーリングを続けているけど、本当に彼らから学ぶことだらけなんだ。皆が違う動きをする。そんな皆に対応することで、コントロール力がつくんだ。ヘッドムーブ、頭の動きは有効だろうかだとか。距離のマネージメント、一つ一つの技の確認を数多くのスパーリングで行うことで、僕の戦い方はずっと良くなる。

ハイレベルなプロファイターとのスパーリングでは、実は狙い通りの動きができないことも多い。何よりプロファイターの多くが、試合が決まると練習量を増やす傾向にある。僕もファイトキャンプを行うけど、普段からスクールで生徒たちと練習をしている。ハイレベルな選手だけでなく、経験の多い生徒、そして初心者とあらゆる人々と常日頃から練習をすることで、僕のスタイルは出来上がっているんだ。

毎日練習すること。カラテの稽古は僕の人生だ、ライフスタイルなんだ。毎日、成長するためにトレーニングをする。肉体的、精神的、頭脳的、全てにおいて自分を成長させたいんだ。

マーシャルアーチストとは日々、成長すること。日々、鍛錬すること。ただタイトルにフォーカスして、練習をすることではないと思っている。自分を毎日、成長させることで試合も成功を収めるというリータンがあるんだ」

──ファイターではなく、スティーブンはマーシャルアーチストなのですね。ところでカラテの指導も人生の一部であるスティーブンにとって、映画カラテキッドのその後を描いたコブラカイというNetflixのドラマをどのように思っていますか。

「コブラカイ? どういうことだい?」

─高校生たちの抗争やカラテが使われることをどのように思いますか。TVドラマとしては良いのですが、カラテが暴力に見える描写が多くスティーブンのような人はどのようにうつのかと……。スミマセン、下らない質問で。

「いや、そんなことはないよ。カラテに注目が集まることは、嬉しいよ。実際にコブラカイを視たから僕のスクールにカラテを習い来た生徒もいる。そして、彼らは直ちにマーシャルアーツは、あんな風に喧嘩の道具に使うモノではないことを学ぶんだ。

マーシャルアーツとは規律、尊敬心、倫理、自制を学ぶモノだ。間違った理由のために使う道具ではない。僕たちは戦いの道具を指導しているわけじゃないだよ。それがスクールやアカデミーと、ジムの大きな違いだ。僕らはトラディショナル・マーシャルアーツを指導している」

──日本の武道の教えですね。使わないために学ぶ。

「だから僕は一度、日本に行ってトラディショナル・マーシャルアーツのスクールで学びたいと思っているんだ。それが僕の夢なんだよ。僕にマーシャルアーツを教えてくれた父は66歳になった。スパーリングはもうやっていない。でも、毎日スクールにやってきて型をやっている。僕も型は大好きなんだ」

──そうなのですか!!

「子供の頃からマーシャルアーツの練習をして成長してきたけど、ずっと型は好きじゃなかった。なぜ、型をする必要があるのか、全く分かっていなかった。分かろうともしなかったよ。今では型があることで、マーシャルアーツの稽古は完全になると思うようになった。

型をやることで、体の不具合を知ることができる。型をすることで肉体、精神、頭脳の状態を良くできる。父がそれを実践しているんだ」

──スティーブン、余りにも興味深くて試合のことを聞く時間がなくなってしまいましたが、ワンダーボーイのマーシャルアーツ論を伺うことができて良かったです。

「こういう話をインタビューですることができて、光栄だよ。こちらこそ、ありがとう。そして土曜日の僕の試合を、日本のファンの皆に見てもらえると嬉しいよ」

■視聴方法(予定)
12月19日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN199対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
クリストファー・ダカウス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ベラル・モハメッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
アンジェラ・ヒル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
リッキー・シモン(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェヘイラ(ブラジル)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
カブ・スワンソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラウド・マーシャート(米国)
ダスティン・ストーツフス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ヴィクター・ヘンリー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(米国)
ハリー・ハンサカー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラ・ユーバンクス(米国)
メリッサ・ガト(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国)
メイシー・シェエソン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ドンテイル・メイス(米国)
ジョシュ・パリジャン(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・セイレス(米国)
ジョーダン・ラヴィット(米国)

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