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【Pancrase333】久米鷹介とライト級王座統一戦、アキラ─01─「生地を焼いてから生クリームを塗って」

【写真】スイーツ好きそうな笑顔だ(?!)(C)SHOJIRO KAMEIKE

30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333で、フェザー級暫定KOPアキラが正規王者の久米鷹介との王座統一戦に臨む。
Text by Shojiro Kameike

昨年9月、松本光史との3度目の対戦でKO勝ちを収め、プロデビューから12年を経て遂にベルトを巻いたアキラ。4連敗から復活して戴冠を果たした裏には、石渡伸太郎の存在があった。そんなアキラに復活ストーリーを訊いた。


――格闘技とは関係のない話で恐縮ですが、アキラ選手はお菓子づくりが趣味なのですか。

「はい、そうなんです。休日にはお菓子を創ったりしていますね」

――公式サイトのプロフィールにクッキー、パウンドケーキとあるので、基本的には焼き菓子なのですね。

「食べたいなぁと思ったら買ってくるのではなく、自分で創ります。創ったほうが、たくさん食べられるので。焼き菓子の場合は自分で生地から創ります。焼き菓子だけでなく、一時期はパンプキンプリン創りにハマっていました。いろんな人のレシピを参考にしながら、自分流のレシピを創って。デコレーションケーキも、生地を焼いてから生クリームを塗って――と全て自分でやっていました」

――それは凄い! お菓子創りは材料の分量が1ミリグラムでも違うと味が変わると聞きました。

「確かに分量がキッチリしていないと失敗しますね。でも反対に、そのほうが楽なんです。いろいろセンスが問われる料理ってあるじゃないですか。一方でお菓子創りはレシピ通りの分量の工程でつくれば、食べるためのものには辿り着けるので。形とかはセンスも必要になってきますけど」

――なるほどぉ。これは失礼ながら……、アキラ選手の以前の試合ぶりからすると、お菓子創りが趣味というのが意外だと思われませんか。

「アハハハ! そうですね。以前の試合ぶりだったら、そう思われても仕方ないです。以前はフィジカルに頼って、作戦も本当におおまかなもので――。コレって決めたものを出してKOできればいいし、倒れなかったらとにかく頑張ろうという(苦笑)」

――石渡さんに練習を見てもらうようになったのは、いつ頃からなのでしょうか。

「ISAO戦(2020年7月に判定負け)からです。スポンサーである武蔵村山さいとうクリニックの齊藤先生を通じて石渡さんを紹介していただきました。齊藤先生から『石渡君の練習は厳しいけど、ためになると思う』と言われまして。ただ、ISAO戦の時は、まだ石渡さんに練習を見てもらい始めてから日が浅かったんですよ。次の田村さんとの試合(2020年10月、田村一聖にKO勝ち)からガッツリと教えていただき、試合の作戦も組み立ててもらうようになりました」

――ここ最近のアキラ選手は、試合全体の正確性が増しているように見えます。ベルトを巻いた松本光史選手との3度目の対決はもちろん、他の試合でも種を巻いて最後に刈り取るような試合ぶりで。

「石渡さんの作戦は本当に細かいです。コレをやったら次はどうする、その次はどうする――という感じですね。場面ごとに細かく想定して、『コレをやって対応されたら、きっと次はこうなるから自分はこうする』というふうに、石渡さんの中で組み立てているんだと思います。いろんなことを枝分かれして考えていくというか」

――石渡トレーニングの結果、田村戦から4連勝を収めたということは、それだけアキラ選手の中でも大きな変化が起きたのですね。

「田村さんとの試合は、まだ僕の技量が足りなかったです。一発頼みの試合になってしまって。そこから、さらにガッツリ練習を見てもらうようになってから、試合中に被弾する数が減ったと思うんです。田村戦では、ほぼKO負けの状態に追い込まれたじゃないですか」

――ローを効かされ、さらに顔面にパンチをもらいながら最後は右カウンターで逆転KO勝ちという試合内容でした。

「でも次の松本さんとの試合(※2021年5月、松本光史と2度目の対戦でKO勝利)は、左ジャブはもらいましたけど、そんなにビッグヒットはなかったと思うんです」

――あの松本戦は大きなターニングポイントだったと思います。それまでは、どうしても肉を斬らせて骨を断つという試合をしているイメージがありました。

「自分で意図していたわけではないんですけど、結果的にそういう試合になることが多かったのは確かです(苦笑)」

――2018年11月のサドゥロエフ・ソリホン戦からISAO戦まで4連敗を喫した時、ご自身の中でも何か限界を感じたところはあったのでしょうか。

「うーん……、何か勝てない時期でしたね。ソリホン戦は組んでテイクダウンすることができたし、いける気がして。でも組みでなく打撃で勝負しようと思ったら、2Rにスピニングバックエルボーを食らってしまいました。あの一撃は全く見えていなかったです。

次の冨樫さんとの試合(※2019年4月、冨樫健一郎に判定負け)は2Rまで冨樫ワールドに引き込まれながら、3Rに盛り返したものの結果は負けてしまい……。繰り返しになりますけど、当時は行き当たりばったりの試合をしていたんですね。岡野さんとの試合(※2019年9月、岡野裕城にKOで敗れる)もそうですし。限界というよりは、何かを変えないといけないって考えていました。だから階級を下げてみたりとか」

――ISAO戦と田村戦はフェザー級で戦い、続く松本戦からライト級に戻しました。再びライト級で戦うことにしたのは、フェザー級では減量の影響があったからですか。

「無理やり階級を下げてみたのですが、メッチャ減量がキツかったです。試合前のラスト1カ月は、体重のことしか考えられなくなって。作戦とかはどうでもよくて、とにかく体を動かして、汗をかいて体重を落とすだけ。そこで石渡さんに『体格は小さいけどライト級のほうが合っているよ』と言われて、ライト級に戻しました」

<この項、続く>

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【Pancrase333】平田直樹が初出場、続々とガチガチ&ゴリゴリのカードの発表続く

【写真】平田の試合のリリースには、プレリミ出場と明記されている。この真意は──(C)MMAPLANET

4月30日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333で4階級のタイトルマッチに続くカードが、次々とアナウンスされている。

バンタム級王座統一戦=中島太一×田島椋戦、ライト級王座統一戦=久米鷹介✖アキラ、ストロー級クイーン・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ=王者KAREN×挑戦者ソルト、フライ級クイーン・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ=チャンピオン端貴代✖チャレンジャーNØRI──以外にこの9日間で10試合が明らかとなっている。

最新、本日18日(土)のリリースでは平田直樹のパンクラス初出場と渡辺譲明戦が発表されたばかりだ。


それ以前には10日(金)にフェザー級の亀井晨佑✖パン・ジェヒョク、11日(土)にライト級の松岡嵩志✖岡野裕城、12日(日)に同じくライト級の粕谷優介✖葛西和希、13日(月)にはフライ級の秋葉太樹✖谷村泰嘉、14日(火)にはバンタム級で石井逸人✖井村塁、15日(水)はライト級の松本光史✖ヌルジャノフ・ルスタムベックと女子ストロー級=藤野恵実✖エジナ・トラキナス、16日(木)にフライ級の有川直毅✖コルトン・キエルバサ、17日(金)は女子ストロー級の高本千代✖重田ホノカ、そして本日の平田✖渡辺が正式発表となった。

DEEPでデビューした平田は所属ジムと活動拠点を変え、米国MMA界の登竜門CFFCに挑むも敗北──。キャリアの仕切り直しはフェザー級に戻し、パンクラスに新天地を求めた。

藤野✖エジナは3月26日のPancrase332で組まれていたが、エジナの負傷でスライドされ、立川大会のカードに……結果的に厚みを加えることとなった。

亀井は一時期ONE FF出場の話も聞かれたが、日本とアジアを行き来するキャリアアップは困難だったのか。それでも暫定フェザー級KOP透暉鷹を相手に、しっかりと力を見せつけたパン・ジェヒョクとの対戦は確実にタフな戦いが予想され、実のあるマッチアップといえよう。

そのONE FFで藤沢彰博をRNCで一蹴したキエルバサが来日し、有川と戦うというのも興味深い。さらには海外勢では、中央アジア=キルギスから、松本と戦うルスタムベックに要注目だ。

加えてクリスマス大会からの仕切り直しの粕谷✖葛西戦、そのPanrcrase321で葛西の代役を買って出た岡野は松岡との試合が決まった。

さらに修斗で環太平洋を取り、世界を取り逃した石井のパンクラス再参戦=井村との顔合わせもトピックな一番だ。

高本✖重田のティーンエイジャー女子デビュー戦、高本&井村の出場は何気に立川色も加えておりながら、決して数合わせでない。そんなカードが並ぶPancrase333──MMAPLANET調べでは、『えっ、ここに来たのか』となるファイターの出場も決まっており正式発表が待たれる。

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ABEMA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase333 RIZIN アキラ パンクラス 中島太一 久米鷹介 松本光史 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase333】カード第2弾も王座統一戦。久米鷹介✖アキラのライト級KOP対決が実現

【写真】 令和の激闘王と呼ぶには、令和になって1試合しか戦っていない久米が、アキラと王座統一戦(C)MMAPLANET & SUSUMU NAGAO

8日(水)にパンクラスより、4月30日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333のカード発表第2弾として、ライト級王座統一戦=正規チャンピオン久米鷹介✖暫定王者アキラの一戦が発表された。

昨日のバンタム級王座統一戦=中島太一×田島椋戦に続く、統一戦第二弾は久米にとって2021年12月に当時の暫定チャンピオン雑賀ヤン坊達也の挑戦を受けて以来、1年4カ月ぶりの実戦となる。


この間、久米は国際戦が復活したRIZINで某強豪米国人ファイターとの試合が決まったものの、正式発表前と負傷欠場となっていた。今回のリリースにあるように王座在籍5年4カ月と長期に渉る久米だが、その裏では数々の負傷に泣かされてきた。

久米自身、最終章を見据える今、グラップリング等のオファーも固辞しMMAで戦える状態を再構築し、この戦いに挑む。

一方のアキラは昨年9月に久米へのリベンジを果たすためにパンクラスに転じた松本光史の目標を打ち砕いての暫定王座奪取だった。互いのこの先のMMAファイター人生を全うするために、落とせないベルトを賭けた一戦だ。

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『PANCRASE 329』試合結果


第11試合 メインイベント パンクラス・ライト級暫定王者決定戦 5分5R
×松本光史(M PLATIC/2位、元修斗世界王者)
○アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/&mosh)
3R 1’25” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※アキラが暫定王者に

第10試合 コーメインイベント フライ級 5分3R
×上田将竜[まさたつ](G-face TEAM緒方道場/1位)
○鶴屋 怜(パラエストラ松戸/3位)
1R 2’33” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第9試合 女子ストロー級(ノンタイトル戦) 5分3R
○KAREN(PRAVAJRA/王者)
×宝珠山[ほうしゅやま]桃花(赤崎道場A-SPIRIT)
判定3-0 (大藪30-27/出口30-27/梅木29-28)

第8試合 ライト級 5分3R
○雑賀[さいか]“ヤン坊”達也(DOBUITA/4位、元暫定王者)
×松岡嵩志 (パンクラスイズム横浜/5位)
1R 1’36” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第7試合 バンタム級 5分3R
○井村 塁(Nexusense/3位、ネオブラッドトーナメント2020同級優勝・MVP)
×平田丈二(闇愚羅/6位)
2R 2’38” 裸絞め

第6試合 バンタム級 5分3R
○TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We/2位)
×平岡将英(KRAZY BEE/ネオブラッドトーナメント2019同級優勝)
1R 2’49” 裸絞め

第5試合 ウェルター級 5分3R
×中村勇太(T-Rex Jiu-Jitsu Academy/5位)
○林 源平(和術慧舟會Iggy Hands Gym/ライト級8位)
判定0-3 (荒牧28-29/大藪27-29/梅木28-29)

第4試合 ストロー級 5分3R
×宮澤雄大(K-PLACE/4位)
○若林耕平(コブラ会)
判定0-3 (出口28-29/大藪27-29/梅木28-29)

第3試合 ウェルター級 5分3R
×髙橋攻誠(RIGHT THING ACADEMY/4位)
○押忍マン洸太(DESTINY JIU-JITSU)
1R 3’48” KO (左フック)

第2試合 フライ級 5分3R
×荻窪祐輔(K-PLACE)
○萩原幸太郎(パラエストラ八王子)
3R 1’25” TKO (コーナーストップ:マウントパンチ)

第1試合 女子アトム級 5分3R
○沙弥子(リバーサルジム横浜グランドスラム)
×原田よき(mma ranger gym)
1R 3’22” アームロック

プレリミナリー第2試合 フェザー級 5分3R
×工藤修久(禅道会小金井道場)
○立成洋太(パラエストラ千葉)
1R 4:30、TKO (ドクターチェック:左まぶたの負傷)

プレリミナリー第1試合 ライト級 5分3R
○水戸邉[みとべ]壮大(TRIBE TOKYO MMA)
×山﨑聖哉(BRAVE)
1R 2’22” TKO (ドクターストップ:肘打ちによる額のカット)

 9月11日に立川ステージガーデンで開催された『PANCRASE 329』の試合結果。メインイベントのライト級暫定王座決定戦はアキラが松本光史に3R TKO勝ちし王座戴冠しています。続きを読む・・・
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MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase329 アキラ 松本光史

【Pancrase329】アキラが返り討ち。松本光史のローを受けるも最後は左で沈めて暫定ライト級KOPに

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
アキラ(日本)
Def.3R1分25秒 by KO
松本光史(日本)

開始早々、松本は距離を詰める。サウスポーのアキラは右に回りながら、アンクルピックでグラウンドに持ち込んだ。ハーフガードを取る松本をケージ際に追い込み、起き上がろうとする相手を潰しながら、右腕を首に回してギロチンの態勢へ。首を抜いた松本が立ち上がる。アキラがパンチで追い込むも、松本がカウンターで右を当てた。

相手の動きが止まったところでケージ際から脱出した松本は、シングルレッグで組みつき、ケージ際でバックに回る。アキラにクラッチを切られると、離れて再び距離を詰める。右ハイで相手を下がらせる松本。パンチを振るうアキラに組みつくも、これは倒せず離れる。すぐにシングルレッグにチャレンジした松本は、そのままドライブするが倒せず。

離れると距離を詰めてカーフを当てた松本に対し、アキラが押し返して右フックを当てる。ケージ際で距離が詰まり、バッティングも見られる。それに構わず攻める両者、松本は離れ際に右を当てた。アキラが左フックから押し込みグラウンドへ。そのままアキラがノースサウスで抑え込み、初回を終えた。ジャッジ3者ともアキラの10-9へ。

2R、またも松本が距離を詰める。左右に体を振るアキラの左ミドルに右フックを合わせた松本は、アキラが距離を詰めると離れた。左ボディから右フックに繋げるアキラ。松本は右インローを当て、アキラが出て来ると離れて再び右ローを当てる。松本の右フックと左ジャブがヒット。アキラも左右フックを振って前に出る。ケージ際から離れた松本がプレッシャーをかけ、アキラは左ハイで応戦。松本の右ローでアキラの足が流れる。

アキラにケージを背負わせる松本。アキラは回って頭を振りながら松本に組みついた。左腕を差し上げて、松本をケージに押し込むアキラ。松本は首相撲から回ってケージ際から脱した。ショートの左フックを当てた松本が、ジャブとローでペースを握る。アキラもフックを返したが、松本の左ジャブと右ローを受ける。松本のシングルレッグをかわしたアキラは、相手をケージに追い込み右を見せた。ジャッジ1名が10-9で松本、2名が10-9でアキラにつけている。

3R、左を伸ばしながら距離を詰める松本。ケージ中央で右ローを当てる。アキラが左のパンチから組みつくが、松本が捌いて離れる。互いのローが交錯したあと、前に出て来た松本にアキラの左スーパーマンパンチがクリーンヒット。この一撃で倒れた松本に、アキラが追撃の鉄槌を浴びせると、レフェリーが割って入った。

暫定ライト級KOPとなったアキラは、「まだ正規じゃないので、ここからもっと頑張ります!」と語った。


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o RIZIN UFC パンクラス 松本光史

PANCRASE329:第8試合・雑賀 ヤン坊 達也 vs. 松岡嵩志

ライト級。ヤン坊4位、松岡5位。

ハードパンチで連続1RKOの山を築き、暫定KOPとなったヤン坊だが、昨年12月の久米との王座統一戦では、パンチでダウンを奪ったものの、蘇ってきた久米の久米地獄に巻き込まれ2R腕十字で一本負け。今年4月にはRIZIN TRIGGERに出場したが、グラップラーの江藤にグラウンドに持ち込まれる展開で、パウンドでのKO負けで連敗。

パンクラスイズム横浜の松岡は元ZST王者平・GLADIATOR王者岸本・元UFCファイター粕谷に3連勝したが、昨年12月の松本光史戦は1RKO負け。今年4月の冨樫戦では、パンチでボコボコにしながらレフェリーが止めずに、一瞬パンチを貰ってぐらつく場面もあったが2Rにダウンを奪いパウンドでKO勝ち。

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【Pancrase329】世界の九州男児──鶴屋怜戦へ。上田将竜─02─「バケモノみたい。逃げることはできない」

【写真】全ての想いを鶴屋怜というバケモノのような強い相手にぶつける(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE329で、鶴屋怜と対戦する上田将竜のインタビュー後編。

昨年2連敗を喫したあと、上田はケージに戻ってきた。そして、国内フライ級が盛り上がるなか、鶴屋怜との対決を選んだ。これまで貫いてきたMMAの人生を後悔しないために--プロデビューから10年、上田がその決意を語る。

<上田将竜インタビューPart.01はコチラから>


――今年4月、有川直毅選手を判定で下し、再起を果たしました。復帰戦の出来はいかがでしたか。

「練習では良い感じで仕上がったんですが、試合では堅くなりすぎたところがありました。最後まで気持ちも切れませんでした。でも、試合が終わって『今日は満足できたばい!』と感じた経験がないんですよね。10年MMAをやってきても。たとえば、試合中に気持ちが折れたとしても、自分にしか分からない部分ってあるじゃないですか。

『良い試合だったよ』って言われても、自分としては『あの時、もういいかな……と思ってしまったんよね』と考えることがあって。それは他の選手と話をしても、同じようなことがあるみたいなんです。前回の試合は、勝てたことは嬉しいです。でも当然ですが反省点もあるので、すぐに練習を再開しました」

――昨年10月の小川徹戦から有川戦までの間に、DEEPフライ級GPの開催が公表されました。同じ階級で戦うファイターとして、DEEPフライ級GPはどのように映っていたのでしょうか。

「正直、興味はありました。練習仲間の本田(良介)選手も出場することになりましたから。でも4月のパンクラスで僕が有川選手に勝ったあと、鶴屋怜選手が秋葉太樹選手に一本勝ちした試合を見て、次は絶対に鶴屋戦だなと思ったんですよね。

そのあとDEEPフライ級GPの出場メンバーが発表されて、興味はありました。でも自分は今パンクラスで戦っていて、しかもバケモノみたいな強い選手が出て来た。その相手から逃げるわけにはいかない、そう思ったんです」

――バケモノみたいな強さ、確かにインパクトは大きいですね。

「彼とは去年の10月に一度、手合わせしたことがあるんです。パラエストラ柏へ出稽古に行った時に鶴屋浩先生から紹介されて――初めて同階級の選手に練習でボコボコにされました。

まだ彼がDEEPに出ている頃で、その時は対戦することもないだろうと思いながら、呑気に『日本MMAの未来は明るいなぁ』とか言っていたんです(笑)。本人にも『応援するけん、頑張ってね!』と言って。その裏では、自分に対して自信を失くしていました。

それで鶴屋先生に聞いたら、他の選手も同じようにやられているそうです。『そうですよね、彼は強くなりますよね』って鶴屋先生とも話をしていたんです。しかし数カ月経って、鶴屋怜選手がパンクラスに来た時点で、覚悟はしていました。お互い勝ち上がっていけば、いつか対戦することになるだろうと」

――練習で鶴屋選手にボコボコにされた経験は、精神的な面でマイナスに働きませんか。

「いや、これは自分にとって大きなプラスになります。あの時ボコボコにされていなかったら、今回の試合も1Rで仕留められていると思いますから(笑)。

でなければ、また自分の思い描いていた鶴屋選手と実際の試合は違っていて、彼の得意なところで勝負に行って負けていると思います。でも彼と対峙したことによって、その強さが分かっています。だから、彼の強い部分では勝負に行かず、相手の嫌なことをし続けますよ」

――なるほど。今回の鶴屋戦の先も含めて、上田選手の現在の目標は何なのでしょうか。

「こんなことを言うと、ベルトを目指して戦っている選手に失礼かもしれないけど……。今の自分のモチベーションは、地元の福岡で試合をすることなんです。その目標を実現するためには、勝たないといけない。

地方では他の人とは違うことをやっていると、白い目で見られることもあるんですよ。そんな中でも家族や、自分のために時間を割いて練習してくれる仲間、応援してくれる地元の友人たちがいます。その人たちに恩返しをするために、福岡で試合をしたいです」

――パンクラスでは2015年12月に北九州大会が開催されました。上田選手も出場し、宮城友一選手に判定勝ちを収めています。あれから約7年、再び福岡で大会を行うには、ベルトが必要になってくるでしょう。

「そうなんですよね。鶴屋選手に勝ったら、次は地元でパンクラスのベルトに挑戦したいと思っています。それが今の自分にとって、一番大きな目標です」

――ではその目標に向けて重要な試合となる、鶴屋戦への意気込みをお願いします。

「怖さやドキドキというより、自分の中でも久々に楽しみな試合です。どうしても自分より下馬評が低い選手と戦ったら、自分のほうが堅くなってしまう。勝ちたいという気持ちより、負けたくないという気持ちのほうが上回ります。でも間違いなく、鶴屋選手は強い。だから楽しみなんです。

鶴屋戦のオファーが来た時は、シビれました。強い相手との試合のオファーが来た時、予定が合わないとか嘘をついて避けることもできます。この試合に関してもメリットとデメリットを考えたら、鶴屋選手とは戦わないという選択肢もあったと思いますよ。自分から断ったことを公表しなければ、誰にもバレないですし。でも、それをやってしまうと自分自身を裏切ってしまうような気がして」

――それこそ一生後悔し続けるかもしれないですね。

「はい。オレは何のためにMMAをやっているのか。これまで恥をかきながらも続けてきたMMAなのに、鶴屋戦を断ったら全てを失ってしまうんじゃないかと思いました。だからオファーが来た時、二つ返事でした。『やります』って。

その答えは日曜日に出ます。ランキングは自分のほうが上ですけど、突撃していきますよ。しっかりと調整して、当日は盛り上がる試合をしますので、よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ Pancrase329対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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【Pancrase329】パラ千葉のフライ級ファイター達=鶴屋怜─02─「UFCは本戦から出たいと思っています」

【写真】インタビューの受け答えもデビュー直後とは違い、しっかりとできるようになってきた!! (C)MMAPLANET

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase329。同大会で上田将竜と対戦する鶴屋怜インタビュー後編。

UFCを目指し、UFCに頂点に立つことだけを考える鶴屋。パンクラス王座のも、その前哨戦の今回の試合も、全てはUFCで戦うための通過点でしかない。とはいってもデビューから1年半、キャリア5戦目。大いなる目標に向かい、現実と向き合う20歳はこの夏にラスベガスでの出稽古を経験した。

パラエストラ千葉ネットにフライ級ファイター特集──ひと夏の経験で、何を感じたのか。そして、今やるべきことをどのように考えているのかを鶴屋怜に尋ねた。

<鶴屋怜インタビューPart.01はコチラから>


──逆に「コイツ、ヤバいな」と思った選手はいましたか。

「いました(笑)。一番強かったのは階級が一つ上なんですけど、パッチー・ミックスですね(苦笑)。さすが堀口さんに勝つだけのことはあるなって。バックを取られて、ずっと殴られて続けました。ホント、絞めてくれなくてパンチを入れ続けるんです(苦笑)。それでも向うが油断している時は結構入ることができたんで、通用する部分もあるとは感じています。凄く良い経験になりました。

あとアルジャメイン・ステーリングとスパーリングできなかったのは、残念でした。スパーリングの日じゃない時に、彼がジムに来たのでスパーはできなかったです。ただ、僕が想ったのは名前を知らない選手、日本で知られていない選手が強い。カレッジでレスリングをやっていたような選手で、プロでは1試合しかしてない奴がいて。『まだMMAは1戦しか経験していないんだ』っていう頭で練習すると、メチャクチャ強くて。名前も知らないし、MMAの経験がないのに強いヤツがいる。そこなんじゃないかと。

自分よりレスリングが強いので、なかなかテイクダウンができない。テイクダウン争いで取れることがあっても、取られることが多い。結果、自分の強いところで負けて。レスリングの相性もあったかと思いますけど」

──そういう選手がいることが、米国の真実なのですね。きっとゴロゴロいるから、層がとんでもなく厚くなっている。

「そういう風に名前が無くても強い選手がいるから、皆が何かに特化しているのではなく、バランスの良い選手になっていくのかと思いました。バランスが取れた選手が多いです。僕はレスリングで向うが上回ると、そこを返せないことがありました。だから、自分ももっと打撃を強化しないといけないと思いました」

──帰国してから1カ月少しで、次の試合がある。そういう状況でラスベガスで経験したことを何か千葉の練習に採り入れたということはありますか。

「スパーリングで自分のやることを変えました。以前はテイクダウンをして、コントロールすることを軸にスパーをやっていたのですが、どの選手と戦ってもテイクダウンに頼らないようにしています。

そこまでの打撃を使う時間を増やすというか。テイクダウンからコントロールは、グラップリングのスパーで存分にできるので。MMAのスパーリングの時は、なるべく自分から組まないようにしています。結果、打撃が多くなっていますね」

──そこを経て、上田選手との一戦。どのような試合をしたいと思っていますか。

「相手はウェルラウンダーで全部できる選手です。自分はまだテイクダウン後の戦い方も完成していないけど、それでも全体的にできることを見せたいです。もしかしたら3Rを戦い切ることになるかもしれないので、そこで粘り強さを見せることがデキれば良いなと思っています」

──タイトル戦のことは意識していますか。

「タイトルマッチは……勝てば12月にやらせてもらいたいです」

──ラスベガスというUFCのホームに滞在したことで、よりUFCを意識するようになったということはありませんか。

「自分、向うでコンテンダーシリーズを観に行ったんですよ。フライ級の試合も見て。その時に感じたのは、『こいつらに俺、絶対に勝てるな』ってことでした」

──アハハハハ。やはり、そうなりますか。

「あれでUFCと契約できるなら……UFCに出たいという気持ちはより強くなりました」

──以前は今、UFCに行っても勝ち続けることができない。だから、力をつけてから進みたいということも言っていました。その辺りの心境に変化がありますか。

「UFCに行くとしても最低でも半年はあると思います。まだ時間はあるので、パンクラスのタイトルを取ってからも、しっかりと自分の足りないところを磨いてUFCで通じるようにしていきます」

──何か日本で経験しておきたいということはないですか。向うに行く前に国際戦とか。

「そうですね、できればコンテンダーシリーズとかRoad to UFC経由でなく、いきなり本戦で戦いたいので、その前に外国人選手と日本で試合をするのも良いですね。パンクラスでできれば良いですけど、それが難しいなら海外で試合をするのもありだと思います。

正直、今はパンクラスのチャンピオンになることまでしか考えていなくて。それがあと2試合なのか。今のところ、全試合でフィニッシュしているので、次の試合とタイトル戦もフィニッシュ勝利を続けて──それから先は、まだ考え中です。パンクラスで外国人選手とやっても良いし、海外で試合をしても良い。とにかくUFCの本戦で戦えるよう仕上げていきたいです」

(C)MATSUNAO KOKUBO

──ところでお兄さんの健人選手が8月にNEXUSでプロMMAデビューを飾りました。刺激になっていますか。

「お兄ちゃんは打撃に特化していて、自分に足りないところを持っています。そこは兄弟で足りない部分を補いあって、トレーニングしていきたいです。ただ単にボクシングを採り入れるのではなくて、MMAの打撃として補っていきたいです」

──負けるかって言うライバル心は?

「もちろん良い刺激になっているけど、ライバル心は今のところはないです(笑)。階級も違うし、そこは僕の方がプロMMAを1年半以上やってきたので。お兄ちゃんがどこを目指しているのか、僕は分からないけど──2人でチャンピオンになれれば良いなぁという感じです。兄弟でチャンピオンって、余りないのでそういうのも良いかなって(笑)」

──では改めて、上田選手との試合に向けて意気込みのほどをお願いします。

「上田選手はベテランで何でもできます。強い選手なので、その上田選手を相手に自分も全部ができること。そして何度も言っていますけど、3Rになっても粘り強さで負けないというところを見せていければと思います」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ 対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
ソン・ヘユン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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【Pancrase329】ソン・へユン戦延期、藤野恵実が話していたこと─02─「観て良かったと思える試合を」

【写真】再起戦が1カ月延期された藤野──その心境と、延期前の心意気を(C)NOBBU YASUMURA

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE329で、ソン・へユンと対戦予定であった藤野恵実のインタビュー後編。
Text by Shojro Kameike

対戦予定であった……というのは、インタビュー後の本日7日(水)にパンクラスからヴィザ取得問題により──藤野×ソン・へユンの一戦を10月10日の品川インターシティホール大会へスライドすることが発表されたからだ。ここではリリース前に藤野が語っていたこと、そしてリリース後に藤野がMMAPLANETに送ってくれたコメントもお届けしたい。

<藤野恵実インタビューPart.01はコチラから>


――今年3月にベルトを失ってから6カ月、何か大きな変化はありましたか。

「別にベルトを巻いたからといって、何か環境が大きく変わったわけではないですからね。RIZINに出してもらったことぐらいかな。ベルトを獲る前と獲った後で、周囲の私の扱い方も変わらないですし(笑)。私も長くやっているから、ずっと応援してくれている人は私がベルトを失ったからって、何か変わる人たちでもないんですよね」

――周囲の対応は変わらない。ではご自分の中では……。

「それはね、あります。パンクラスのチャンピオンでいたかった。そのベルトを失ってしまったわけですから」

――藤野選手はMMAを戦ううえで、常に『自分の好きなことをやっている。MMAしかない』というふうに仰っています。ベルトを失ったことは、MMAを戦うためのモチベーションには影響を及ぼさなかったのでしょうか。

「負けて、ちょっと落ち込みましたよ。それこそ津田からも『そんじゃもう辞めたほうが良いんじゃない?』とも言われましたし。ただ、辞めるならベルトを獲り返してからだと思いました。あの試合内容で辞めるのは納得いかないし、それこそベルトが賭けられていなくてもやり返したい。そういう気持ちに切り替わりましたね」

――試合後どれくらいの期間を経て、そう気持ちが切り替わったのですか。

「1日か2日ぐらいです」

――切り替わるのが早いですね。

「もう失うものはないし。やられたから、やり返す。だから試合がしたい、とパンクラスにも伝えました」

――では練習なり日常生活なり、何か変える部分などはありますか。

「そんなにないですね。今までやってきたことに関して、より精度を上げていく。正直、今すぐ、いきなりもっと強くなることはないじゃないですか。格闘技を始めた20代の頃とは違いますから。負けたことで練習方法を見直すことはありますよ。『組んだ時に相手を抱えてしまう癖は直していかないと』って思います。でも前回負けた要因は、練習方法以前の問題なので」

――自分に負けてしまった、と。

「はい。ちゃんと作戦通りにできなかった。セコンドの指示を聞くことができなかった。それはメンタル的な問題なので。だから、余計に悔しいですよね。でもそれって、試合で取り返すしかない。だから、すぐに試合させてほしいとお願いしました。パンクラスもすぐに組むということで。ただ、タイミングが合わずに、今回9月に試合をすることになったんですけど」

――それはKAREN選手との再戦を、パンクラスにお願いしたということですか。

「再戦も含めてですね。もちろんすぐに再戦するのは難しいと思うので、『誰が相手でもすぐに試合をしたい』と伝えていました」

――その気持ちのままで6カ月を過ごすなか、早く試合をしたいという焦りはなかったでしょうか。

「焦りはなかったです。パンクラスさんは早く試合を決めてくれているので。6カ月間、何もなければ焦っていたかもしれないけど、今回の試合は結構前に決まっていましたから。まず試合をすることだけ決まって、そのあと対戦相手を見つけてきてくれたんですよ。私としては対戦相手にこだわりはなかったし、連敗している私の対戦相手を用意してくれるだけでありがたいです。『誰でもいい』、『誰とでもやる』と津田に言っていました」

――なるほど。では次の対戦相手であるソン・へユンの印象を教えてください。

「試合映像を見ましたけど、1試合しかしていないので、強いのか弱いのか分からないですよね(苦笑)」

――ソン・へユンのプロ戦績は昨年12月、韓国Double GFCで行われたキム・ソユル戦のみ。しかもその試合では、1R1分15秒、腕十字で敗れています。

「試合が始まってすぐにテイクダウンされて、腕十字を極められていましたね。あれでは彼女の実力が分からなくて。でもROAD FCに出させていただいた頃も、相手について何も分からずに試合をすることはあったので、それと同じ状態かなと思っています。試合当日に相手の構えが変わっていても、何も驚きません(笑)」

――ROAD FC時代ですか。相手はこれがプロデビュー戦だと聞いていたら、とてつもない打撃を持っていて(笑)。

「あぁ、パク・ジョンウン戦(2015年5月、判定勝ち)ですよね。1Rにアッパーを食らった時『いやいや、強いし!』って思いました(笑)。目も腫れちゃって。あの試合から思っていたんですけど、韓国の女子選手って皆が打撃ができるじゃないですか。レベルの違いはあっても、それなりにできる子が多くて」

――ソン・へユンもキム・ソユル戦では開始早々に組まれてしまいましたが、構えを見るかぎりアップライトのムエタイをやっている感はありました。

「そうなんですよ。あの試合内容と結果だけ見て、楽な相手のように言う人もいるんですけど、やってみないと分からないから。反対に研究も予想もできないし」

――そのソン・へユンを迎えての復帰戦ですが、藤野選手にとって、どのような意味を持つ試合になるでしょうか。

「前回の試合で感じた自分の弱さを克服したいです。すぐ組みに逃げるとか、逃げるようなことしない自分になりたい。自分から逃げないっていうことですね。楽な方向に逃げることは一切考えません。

この年齢になって、今から海外とか大きな舞台に行けることはないと思うんですよ。だとしたら、自分がMMAをやる意味って何かという話で――。1試合1試合、観て良かったと思える試合をする。次の試合も見たいと思ってもらえる試合をします」

■延期決定のプレスリリース後のコメント
「長年MMAをやっていて、延期という初めての貴重なアクシデントを経験できました。でも準備期間が増えることはマイナスにはならないし、試合に向けて変わらず練習するだけです。10月10日、さらに良い状態で試合に臨みます!」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ Pancrase329対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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【Pancrase329】世界三大ヤン=雑賀ヤン坊達也✖三大親方=松岡嵩志 by Yasushi。KO必至のライト級戦

【写真】リリースがノリノリになるのも理解できる──楽しみな一戦が決まった(C)MMAPLANET

「格闘家の3大ヤンと言えば、ピョートル・ヤン、ヤン・ウェンリー、そして雑賀ヤン坊だが、格闘家の3大親方と言えば、藤野恵実、長南亮、そして松岡嵩志だ。ヤン坊と松岡、共に右のパンチを武器にKOを築いてきた。この試合まさに殺るか殺られるか。銀河の歴史がまた、1ページ」

J-MMA界の歴史に残るであろうノリノリのプレスリリースが22日(金)、パンクラスより届いた。

9月11日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase329。藤野恵実✖ソン・ヘユン、さらにKAREN&沙弥子の出場=女子マッチ3試合、上田将竜✖鶴屋怜というカードが組まれている立川大会に、雑賀ヤン坊達也✖松岡嵩志というKO必至対決がラインナップに加わった。


雑賀は昨年12月のパンクラス史上に残る久米鷹介との王座統一戦に敗れ、暫定王者から正規王者への昇格を果たなかったが、強さを十分に見せ、また久米の恐るべき精神力を引き出したことで価値を落とさない敗北となっていた。

しかし、4月のRIZIN TRIGGERで江藤公洋のテイクダウン&コントロールに完封され、これまで表面化することなく成長の跡を見せていた──課題が浮き彫りとなった。

対する松岡は松本光史戦に76秒KO負けを喫し、4連勝を阻まれるも4月の立川大会で冨樫健一郎をTKOで下しウィンニングトラックに戻ってきた。現状、ライト級1位は金田一孝介、2位が松本、そして先日の高田馬場大会で勝利した葛西和希が3位につけている。ヤン坊は4位、そして松岡は5位というポジションに満足しているわけがない。

RIZIN TRIGGERの開催の声が聞こえてこない現状で、ヤン坊としては再びパンクラスで足固めをするためにも、松岡が自分を破っている上位勢とのリベンジ戦を実現させるためにも、負けられない一戦となる。

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