カテゴリー
MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase334 村山暁洋 林源平

【Pancrase334】ボディとローで自分の距離を保った林が、村山にTDを許さずフルマークで初戴冠

【写真】必殺の右は届かずも、しっかりポイントを抑えた村山がベルトを巻いた (C)MMAPLANET

<ウェルター級王者決定戦/5分5R>
林源平(日本)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45.
村山暁洋(日本)

ローと前手で距離とタイミングをうかがう村山、林は左インローでけん制する。互いに左インローを繰り出したあと、林が次第に右を狙う構えに。一度右クロスを見せた林が、スイッチしながら距離をつめて左ハイを放った。距離を取る村山に右ローを見せた林は、中盤で一気に距離を詰めて右を伸ばす。

左手を伸ばして林の右を抑える村山に対し、林は右ストレートを伸ばした。距離を詰めて左フックを当てた林に村山が組みついた。バックに回って右足を差し込む村山。林は村山のクラッチを切ろうと試みるも、村山も左右に揺さぶってポジションを保つ。一発右ヒザを入れた村山が左ヒザを差し入れるも、ここは取れず。クラッチを切った林が振り返りざま右を伸ばしたが、ここは村山が離れた。

ジャッジ3者とも林の10-9としている。

2R、林が距離を取って左インローを打ち込む。左手を伸ばして村山をケージ際まで追い込み、距離を詰めてきた村山の左に右ストレートを被せた。ローを放つ林に組みついた村山が、左腕を差し上げてケージに押し込んでいく。村山の右手を抑えた林が離れた。足を滑らせた村山に左ボディを突き刺した林がパンチで攻め立てる。村山もケージ中央に戻ってローを見せる。

左ボディが伸びる林に対し、村山が右ストレートを放つ。林は右ローを連打。村山は林の右を交わして組みつくも、捕えきることができない。林がジワリジワリと村山を追い立てる。左ジャブを当てた林が右ボディフックへ。さらに右スーパーマンパンチが村山の顔面をかすめた。ミドルを繰り出した村山に、林は右ボディから左フックを当てる。さらに村山をケージに追い込み、ボディ攻撃を見せた。

このラウンドもジャッジ3者が林に10-9をつけた。

3R、林が左ジャブを突いて距離を詰める。村山が右クロスを打ち込んだ。林は左ボディから前に出るも、村山が距離を取って、左ローを入れてから下がる。村山のカウンターが林の顔面を捉え始めた。さらに村山が手四つから林をケージに押し込んでいく。離れた林は右ストレートから左ハイに繋げた。互いに左で探り合うなか、村山が左右のストレートで林を追い立てる。

ミドルで村山を下がらせた林が、ローで村山を攻め立てる。さらに右を2発伸ばすも、村山も左フックを返した。左ジャブをボディに伸ばす村山。林の右をバックステップでかわす。林は大きく右を振ったが届かず。村山が距離を詰めてパンチの連打を浴びせた。林は右ローをヒット。村山も左ミドルを見せるが、林の前進を止めることができず、組みついてケージに押し込みラウンドを終えた。

ジャッジ3者とも林の10-9に。

4R、林が左ジャブを突く。村山は組みをフェイントにパンチを繰り出す。林のフックがヒットすると、村山も右を当てた。組みついた村山が林をケージに押し込み、左腕を差し上げた。林は村山の右手を抑え、左ヒザを突き上げる。離れる林、村山が左ジャブを突く。林は右を当てている。さらにローと前蹴りで村山を下がらせ、左ジャブで追う。

ローの打ち合いから村山が左を伸ばす。しかし林の左フックから右ストレートが村山の顔面を捉えた。ダウンを奪うようなヒットこそないものの、林のほうがヒット率は高いか。村山は組みついたが、ケージ際から林に逃げられてしまう。林の右スイングに、右ストレートを合わせる林。ここは距離、ローと右スイングで村山を中に入れさせなかった。4Rも林のラウンドに。

最終回、互いに左ジャブを突く。林の左ローをキャッチしようとした村山は、相手のパンチをかいぐくって足を取った。そのまま左腕を差し上げて林をケージに押し込む。村山が大外刈りを繰り出すも、ここは林が耐えた。離れた林が左ジャブとロー、さらに右を打ち込むも村山の顔面に届かない。

村山のワンツーをブロックした林が、左右のボディブローで村山の動きを止める。しかし村山もすぐに体勢を立て直し、林の追撃を許さない。お互いに疲労が見えるなか、村山が足を使い始めた。村山が飛び込んで大外刈りを狙うも倒せず。林のボディブローを受けた村山が打ち返し、林をケージに押し込んだ。しかしテイクダウンに持ち込むことはできない。

離れると村山が右スピニングバックフィストを繰り出す。組みついてきた村山を引きはがし、さらにバックに回った林がボディロックから尻もちを着かせて、試合終了のホーンを聞いた。

結果、裁定はフルマークで林に。これでウェルター級KOPとなった林は「3Rで倒せると思ったけど、自分のベストを出すことができませんでした。でもベルトを巻くことができて嬉しいです。これからも王者にふさわしい試合をしていきます。ヨッシャーッ!」という雄叫びで締めた。


The post 【Pancrase334】ボディとローで自分の距離を保った林が、村山にTDを許さずフルマークで初戴冠 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase334 YouTube キック パンクラス ボクシング 山田崇太郎 岡見勇信 村山暁洋 林源平 米田奈央 赤沢幸典 遠藤大翼

【Pancrase334】村山暁洋戦へ、林源平─01─「田牧さんがいなかったら僕は今この場にいない」

【写真】押忍マン戦でパウンドアウトにつながら、ダウンを奪った直後の林。ケージを背負いながら、しっかりとパンチを見て右を決めた。キャリアハイのノックダウン奪取だった (C)MMAPLANET

4日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase334で、村山暁洋とのウェルター級KOP決定戦に挑む林源平のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ウェルター級に転向後2連勝で辿り着いたタイトルマッチ。好調のように見えるこの2試合も、林によれば「まだ完全体ではない」という。大ベテランであり、元パンクラスKOPの村山を相手に、林はさらに進化した姿を見せるのか。決戦直前、林が村山対策を語る。

<林源平インタビューPart.01はコチラから>


――田牧トレーナーの指導には、どのような特徴があるのでしょうか。

「特徴——うーん、細かいことは企業秘密なので言えないですけど、田牧さんから『こうしようね』と言われたことを実践すると、見事にハマるんですよ。『こういうことはしないように』と言われたことを頭に入れながらMMAの試合を視たら、『コレって田牧さんが言っていたことだ!』と気づくことも多くて。教えていただくことが具体的で、田牧さんがいなかったら僕は今この場にいないと思います。僕の中では恩師という存在ですね」

――さらに現在は、キックボクシングジムのフェニックスでも練習されているのですね。岡見勇信選手も一時期、フェニックスで練習していたことがあります。

「はい。そもそもは朝、GENに行く前に練習できる場所を探していて。フェニックスが朝から開いていたので行ってみたんですよ、福田優太さんというトレーナーの方がミットを持ってくれた時、すごく自分に合っていると感じて。MMAのことを考えてミットを持ってくれる方なので、フェニックスで続けていこうと思いました」

――現在の主な練習環境はGENとフェニックスということですか。

「あとはフィジカルを山田崇太郎さんに指導してもらっているのと、トライスタージムの赤沢幸典君と一緒に練習しています。赤沢君は試合でセコンドにも就いてくれて、試合の作戦とかも一緒に考える存在ですね。イギーハンズ・ジムの遠藤大翼さんにもお世話になっていますし、このメンバーにいつも助けてもらっています」

――なるほど。これは階級アップの影響なのかどうか分かりませんが、今年の2試合は以前よりもパンチのヒット率が高まっているように感じます。さらに一発の強さも増しているように見えます。

「かなり増しましたね。『こんなに変わるんだな』って自分でも驚いています。出しているパンチはライト級時代と、そんなには変わらないんですよ。でも当時は一生懸命、何発もパンチを振り回して、ようやくダウンを奪えるような感じでした。それがウェルター級に上げてからは、触ったら相手が倒れているっていう感覚があって。いろんな方のサポートもあって、ウェルター級に上げて本当に良かったです」

――ライト級時代は、雑賀選手とのタイトルマッチから3連敗を喫しました。階級転向の前に、もうMMAを続けていくことに限界は感じませんでしたか。

「それは感じなかったです。自分の中で確実に伸びているという感覚がありました。ここで自分の気持ちが折れてしまったら勿体ない――ずっとそういう意識を持っていたので。だから、そもそもMMAを諦めるという気持ちを持ったことがなくて。あとは自分の伸びている部分を生かすキッカケを探しているという状態でした。そのキッカケさえあれば、一気に抜けていける。結果、階級変更がキッカケになったということだと思います」

――ウェルター級転向以降の試合は、ライト級よりも体型がふっくらしています。正直なところ、肉付きを見て「無理に階級を上げているのでは……」と思いました。

「アハハハ、そうですね。自分でも肉付きが良くなったなと思います(笑)。でも練習仲間やコーチ、何より遠藤さんの意見が一番大きかったですね。今は肉付きが良い体であっても、これからウェルター級の体になっていけば良くて。自分の体は、まだウェルター級として完全体じゃないんです。

実は中村選手との試合で、試合当日の体重はライト級の時とそれほど変わりませんでした。計量後から、それほど戻ってはいなくて。でも崇太郎さんのトレーニングで確実に体が変わってきています。押忍マン戦では結構戻るようになっていたので、これはもっとウェルター級の体になっていくと思いました。その押忍マン戦から半年経って、さらにウェルター級としての完全体に近づいていますよ」

――ウェルター級の体になればなるほど、得意の打撃も楽しみですね。押忍マン選手をKOしたあと村山選手との対戦を希望し、今回実現に至りました。

「村山選手と戦うことが、僕が次のステップへ進むために重要だと感じたので、あの時は村山選手を指名させていただきました。こんなことを言うと失礼かもしれないけど、僕とは真逆のタイプだと思うんです。その村山選手との試合をクリアすることが、自分の今後に大事だと考えています」

――横浜武道館大会の両者の試合は、特に対照的でした。あれだけ組んでくる相手はやりやすいですか。

「組んでくる選手は好きです。組んでくるのを潰すと相手が消極的になってきますからね」

――村山選手にはレスリング的なものだけでなく、柔道の投げからの寝技があります。

「僕は寝技で勝負するつもりはないというか、林源平のMMAは打撃で倒す。最初にも行ったとおり、それが一番勝利に近づく方法なので。そのためにテイクダウンディフェンスに重点を置いています。

GENにはテイクダウンひとつ取っても、いろんなタイプの選手が集まっているじゃないですか。安西さんのテイクダウン、崇太郎さんのテイクダウン、米田奈央のテイクダウンは全部違っていて。そういった人たちに、自分から挑んでいきます。それこそ岡見さんに四つ組みだけのスパーリングをお願いしたりとか。さらに試合前は赤沢君とテイクダウンディフェンスを研究し続けています。

もちろん村山選手は打撃も強いです。でも組みを潰して消極的になったり、打撃戦になると僕にとっては良い展開になりますから。そこでブッ飛ばして、ベルトを巻きます!」

■視聴方法(予定)
2023年6月4日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET, ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT

The post 【Pancrase334】村山暁洋戦へ、林源平─01─「田牧さんがいなかったら僕は今この場にいない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase334 YouTube パンクラス ボクシング 中村勇太 岡見勇信 村山暁洋 林源平 海外 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase334】ウェルター級王座決定戦=村山暁洋戦へ、林源平─01─「熱くなるよりも冷静になる」

【写真】初のタイトル奪取へ、確かな自信が伺えた林 (C)SHOJIRO KAMEIKE

4日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase334で、林源平が村山暁洋と空位のウェルター級KOPを争う。
Text by Shojiro Kameike

林といえば打撃中心のスタイルで、試合では打ち合いになり危うい場面になることも少なくない。2022年にライト級からウェルター級に転向し、9月の中村勇太では1Rにパンチを食らいながら、2Rと3Rにダウンを奪って判定勝ち。続く12月の押忍マン洸太戦も打撃でケージに詰められながら右ストレートを決めてのKO勝ちだ。そんな林にウェルター級転向と打撃戦について訊くと、この1年間での成長が明らかになった。


──――MMAPLANETでは初のインタビューとなります。よろしくお願いいたします。

「はい、よろしくお願いします!」

――今回の試合が2度目のパンクラス王座挑戦となります。

「そうですね。前回(2020年9月、雑賀ヤン坊達也と暫定ライト級KOPを争い、KO負け)は暫定タイトルマッチでしたが、今回は正規のベルトということで」

――暫定と正規では気持ちも違ってきますか。

「ベルトが懸かっているという意味では変わりません。ただ、前回とは自分の中の自信が全然違いますね。今の自分なら絶対にベルトを獲れる、そういう自信があります」

――それだけ自信がついてきた要因は何なのでしょうか。

「とにかく打撃が進化したことと、階級の変更ですね。ライト級からウェルター級に上げて、この階級が自分に合っているというのは大きいです」

――2021年12月の金田一孝介戦までライト級で戦い、昨年からウェルター級に上げて以降は2連勝中です。ウェルター級に転向した理由を教えてください。

「ライト級時代は、普段のコンディションが良くなかったですね。通常体重は摂生して83キロぐらいでした。そこから試合の時は70.3キロまで落とすので、ライト級の中でもかなりやせ細っていたと思います。GENで一緒に練習している仲間からも『階級を上げてみても良いんじゃない?』と言われていて。実際に階級を上げたら、普段の練習からコンディションが良いと言われるようになりました」

――林選手の身長が181センチ、さらにライト級の中ではリーチも長いですね。その体格だと体重を落とすのもキツかっただろうと思います。しかしウェルター級に上げても体格は劣っていないどころか、相手より勝っていたのではないですか。

「力でも負けているとは感じなかったので、この階級が合っているんだと思います。今はライト級時代ほど摂生する必要はないし、練習でも毎日元気よく動くことができていますね」

――元気よく! それは良かったです。もともと静岡県のイギーハンズ・ジム所属である林選手が、東京のGENに練習拠点を移したのは、いつ頃なのでしょうか。

「今からちょうど4年前ですね。最初は『どうせ行くなら海外へ行っちゃおう』と思っていて。でも周りの方に相談したところ『海外へ行く前に、まずは東京で練習環境を整えてみれば?』と言われて、GENへ見学に行かせてもらったんです。そこでGENの練習を見て、まだまだ自分でもやれることがあるなって感じました」

――当時のGENといえば、どちらかというと重量級ファイターが多い印象でした。

「ライト級の選手も何人かはいましたね。でも平均でウェルター級ぐらいだったのは間違いないです(笑)。そもそもイギーハンズ・ジムはすごく良い環境ですし、強い選手もたくさんいます。だから、どうせ行くなら――もっとデカくて強い人たちと練習したいと考えていたので、GEN以外の選択肢はなかったですね」

――そのGENで練習をし始めた当初はいかがでしたか。

「いやぁ、恐ろしかったです(笑)。あそこで生き残った人間がトップに行けるんだな、って思いました。最初に安西昌信さんとスパーさせてもらった時、本当に全然ダメで。岡見勇信さんとスパーさせてもらうと、全く歯が立たなかったです。そのおかげで、『自分はココで強くなるんだ!』という気持ちにさせてもらいました。

最初はスパーでも組まれて、潰されてからどうするかという毎日でした。打撃で攻めたい、でも組まれて何もできない――その繰り返しで。ライト級だと当時は徳留一樹さんがGENに来ていて、最初はやられ続けていました。だんだん食らいついていくことはできるようになってきたかな、と思ったのがGENに入って1年ぐらい経ってからです」

――もう一つ「打撃が進化した」とのことですが、林選手といえば打撃、というイメージが強いです。しかし、どうしても打ち合いになりがちで、見ていて怖い面はあります。

「アハハハ、そうですね。殴って勝つことしか考えていないもので(笑)。でも打ち合うことの恐怖よりも、試合に勝ちたいっていう気持ちのほうが強いんです」

――なるほど。打撃戦に持ち込むことこそが、自身にとって勝つための術であると。

「そこが自分の一番得意なところですからね。別に打ち合おうと思っているわけではないけど、相手の打撃をもらってから自分のスイッチが入るところはあります。『100倍にして返してやろう』って(笑)。でも、そこで熱くなるよりも冷静になっているんです。たとえば押忍マン洸太戦って、いきなりヤバイと思われるような展開になったじゃないですか」

――はい。正直、『押忍マン洸太選手のKO勝ちか』と思いました。

「皆さん、そう思っていたはずなんです。でも改めて試合を見返してみると、ケージに詰められてからは押忍マン選手のパンチをもらっていなくて。しっかり相手を見ながら、自分の右を当てることができました。それはGENで打撃を指導してくださっている、田牧一寿さんのおかげです。田牧さんからは『毎日しっかりシャドーボクシングをやること』と、『試合では常に相手のことを見てパンチを出しなさい』と言われています。

だから毎日シャドーを欠かさず、練習でも試合でも常に相手のことを冷静に見るようにして――その結果が出たのが、ウェルター級の2試合だと思います。もしかしたら、田牧さんに会う前の自分だったら、もっと被弾して負けていたかもしれないです。田牧さんのおかげで、冷静に自分のパンチを当てられるようになったことが一番大きいですね」

■視聴方法(予定)
2023年6月4日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET, ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT

The post 【Pancrase334】ウェルター級王座決定戦=村山暁洋戦へ、林源平─01─「熱くなるよりも冷静になる」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET o Torao TORAO29 その他 パンクラス 中村勇太 修斗 加藤正憲 林源平 泰斗 清水洸志 結城大樹

【TORAO29】最初で最後の闘裸男参戦、加藤正憲戦へ──中村勇太「柔術。自分の総合、死に様、生き様」

【写真】柔術、総合、死に様、生き様──中村勇太の今を見せてください (C)MMAPLANET

28日(日)、アクロス福岡で開催されるTORAO29で、中村勇太が加藤正憲とMMA引退マッチに臨む。積み重ねてきたキャリアは50戦以上。地方在住でこれだけの戦績を残しているのは、オファーに「ノー」という選択がなかったから。

それだけに近年、特にコロナ禍に入ってからのファイトは危ないと感じられるだけの代償も積み重ねられていた。昨年9月パンクラスでの林源平戦を区切りと考えていた中村だが、そのの胸の内には地元・福岡でプロ修斗公式戦を開催し続けてきた山本陽一率いる闘裸男の存在と未参戦という事実が引っ掛かっていた。。

最初で最後の修斗、いや闘裸男出場で中村勇太が残し──そして伝えたいものとは。


──ご無沙汰しています。中村選手にインタビューをさせていただくのは、2019年㋅に道場にお邪魔させていただいて以来となります。

「お久しぶりです」

──コロナ禍のパンクラスでは厳しい戦いが続き、地元の福岡で引退試合を戦うことになりました。引退を考えるようになった背景をまずお伺いできますか。正直、そう決断するのも当然といえるKO負けを何度か目にしてしまっていたのですが。

「引退は結構前から考えてはいました。戦績が芳しくなかったというのもあります。コロナ前の2018年にプロモーションはバラバラですが、1年間で4試合して4連勝でした。全てフィニッシュできて。あの頃は気持ちも前向きで、パンクラスさんでランキングに入ることもできました。

ただ、それから1年間ほど試合が組んでもらえず……組まれた試合もミドル級でした。あの時36歳でランカーになれたので上の選手と戦いたいという気持ちでしたが、そこからコロナで流れに流れた試合も相手はライト級で負けて階級を上げてきた菊入(正行)選手、正直モチベーションが高いということはなかったです。

試合はやりたいからできるということでないのは、皆そうなんですけど……気持ちが上がっている時から、随分と時間を置いてしまって……。コロナになり、試合どころじゃない状況からまた戦えることになった菊入選手との試合は、内容的には打ち合えて格闘技を皆さんに見てもらうことはできかとは思いました。

その次はデビュー3戦目の木下(憂朔)選手でした。今となっては凄く強い選手達ですが……木下選手との試合ぐらいから、ランキングに入っても試合間隔が開き、上の選手とは組まれない状況に気持ちは上がらなかったです。次は当初戦う予定の選手との試合が流れ、パンクラスも必死で相手をみつけてくれたのですが、それがデビュー戦の高橋(攻誠)選手でした。そこで勝ち切れない僕が一番悪いんですけど……」

──正直、パンチの貰い方などは怖くなっていました。

「以前は見えているパンチはある程度もらっても大丈夫でした。それが高橋選手や木下選手と戦った時、ちゃんと見えて歯を食いしばって腹を括ってもらっているのに倒れてしまう。これは『いよいよだ』という風に思っていました。格闘技は勿論好きだし、独身だったら続けていたかもしれない。でも娘が2人いて、小学生になるかっていうと──僕も人生で何が大切なモノなのかが変わってきました」

──人生として絶対的に良いことで。そしてファイターとして幕引きの時かと。

「正直、高橋選手に負けた時にそういう気持ちになっていました。ただオファーを貰うとノーということがない格闘家人生だったので(笑)。それでも林(源平)選手との試合は、自分のエゴでやってみたいと思って。あれが最後、試合後には『これで終わります』と周囲にも言っていました。

ただ一つ、心残りだったのが修斗をずっと九州でやってくれている山本(陽一)さんの闘裸男に出ていないことだったんです。やっぱりパンクラスのランカーですし、そこは出ることを控えていた。でも、ウチのジムの選手も出させてもらっていたし……九州っていう関東圏や関西と比べると集客だったり、難しい環境下でコツコツとやってくれて。感謝の気持ちしか闘裸男にはなかったです。

ウチの選手も修斗公式戦に出ていても、1人だけ新人王戦で関東で試合をしましたが、その他の選手は福岡と沖縄でしか試合をしたことがないので。福岡でやってもらっている。修斗というよりも、闘裸男。そこで戦わなかったことだけが心残りでした」

──そして最初で最後の闘裸男出場が決まったと。

「パンクラスさんのランキングから外れたこともあります。それに柔術で全日本マスターに出ようとずっと練習してきたので、まだ体も動く。ならこのタイミングで『闘裸男で最後に』という気持ちになりました。山本さんが頑張ってくれているから、皆が地元や地元で近いところで試合をさせてもらえている。だから僕らも山本さんの役に立ちたいという気持ちは、常に持ってきたので」

──そういうなかで迎えるMMA最終戦。相手が加藤正憲選手というのも、なんだか伝わってくるものがあります。宮崎県延岡市在住、福岡からも十分に遠いところで選手生活を送っている選手です。

「実は引退試合を組んでもらえる……それだけで何も言うことはないのですが、一つだけ条件をださせてもらったんです」

──ハイ。

「死んでいく人間なので、知名度とか関係なく自分より若い選手と戦わせてください。試合結果に関わらず、あとを託せる選手とやりたいと伝えました。そういうなかで加藤選手の名前が挙がって。

近田道場の近田先生が昨年亡くなられて……近田先生は昔から九州の格闘業界におられる方でした。九州に出入りのある修斗関係の人も『宮崎でアマ修斗、興行をやりたいね』と言われていて。山本さんも『近田道場の加藤君の力になってあげたい』と言っていて。『なら、戦いましょう』と。そこで分かったのですが、加藤選手は僕よりも年上だったんです(笑)」

──アハハハ。中村選手、意外とまだ40歳になられたばかりで。

「加藤選手はデビューが遅く、僕はキャリアが長いので。最初は気付かなかったです。ただ近田選手が亡くなれて、近田道場の加藤選手と清水選手が各々の住んでいる地域で道場を始めた。これからがある人です。年齢は年上ですが、選手活動だけでなく今からがある選手なので、次の世代に繋がる。そういう選手なので」

──最後の試合、加藤選手も含め皆に何を魅せたいですか。

「そこは減量しながら1人で走っている時も、悩んでしまうところで(苦笑)。最後にたくさんの人が応援に駆けつけてくれます。もちろん生徒も。だから生業である柔術を見せるのか。自分の総合、死に様、生き様を見せるのか。ずっと考えてきたのですが……当日、決まることかな。

娘は東京での試合を見に来ているのですが、下の子は勝った姿を見たことがないんです。だから、勝った姿を見せてあげたい。もちろん、生徒のために最後はしっかりと勝つ姿を見せたい。見せたいけど、俺は俺でいたい(笑)」

──そこも中村選手らしいです。

「でも……そうですね、勝ちたいですね」

──押忍。では最後に、最後の試合に臨む意気込みをお願いします。

「この試合で区切りをつける中村です。しっかり試合を見に来てくれる人の記憶に……どう残るのかアレですけど、しっかり記憶に残る試合をします」

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

■TORAO29対戦カード

<フェザー級/5分3R>
結城大樹(日本)
TOMA(日本)

<ウェルター級/5分2R>
中村勇太(日本)
加藤正憲(日本)

<ウェルター級/5分2R>
畠山隆称(日本)
泰斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
大関純(日本)
HAMMER KATU(日本)

<ライト級/5分2R>
深見弦汰(日本)
清水洸志(日本)

<2023年度新人王Tフライ1回戦/5分2R>
南優人(日本)
高宮諒(日本)

<2023年度新人王Tフライ級1回戦/5分2R>
下田洋介(日本)
永留惇平(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級1回戦/5分2R>
アサシン秋雄(日本)
磯城嶋一真(日本)

The post 【TORAO29】最初で最後の闘裸男参戦、加藤正憲戦へ──中村勇太「柔術。自分の総合、死に様、生き様」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase330 RYO TSUNE YouTube シュウジ・ヤマウチ ソルト パンクラス パン・ジェヒョク 上田将竜 井村塁 伊藤盛一郎 山口怜臣 岡野裕城 新居すぐる 村山暁洋 林源平 水戸邉荘大 沙弥子 猿飛流 田嶋椋 田村一聖 粕谷優介 葛西和希 透暉鷹 長岡弘樹 雑賀ヤン坊達也 高木凌 鶴屋怜

【Pancrase330】計量終了(第1試合~第7試合)スクランブル発進の岡野も含めメイン出場選手に問題なし

【写真】さらっと7キロの減量といった岡野 (C)MMAPLANET

24日(土)午後12時45分より、東京都新宿区のサンエービル地下1階会議室で明日25日(日)に横浜市中区の横浜武道館で開催されるPancrase330の第1試合から第7試合に出場するファイター達の計量が行われた。

マッハ道場の同門、葛西和希が15日(金)に負傷し全治6週間という診断結果を受け急遽、代役を買って出て粕谷優介と対戦することになったHEATライト級チャンピオン岡野裕城は70.5キロでクリアしている。

「そんなに厳しくなかったですよ。ちょうど体重も落ちていて、7キロぐらいしか減量していないです」と常人の理解の範疇を越えた発言を涼しい顔で出来る岡野は、パンクラス初陣でどのようなファイトを見せることができるか。

ここでは計量直後の各選手のコメントをお届けしたい。

田村一聖
「明日はフィニッシュできるように頑張ります」

Ryo
「田村選手とはホントずっとやりたかったです。

明日、気持ちをしっかりと込めて頑張ります」


押忍マン洸太
「明日は思いっきり暴れます」

林源平
「ぶっとばします」

村山暁洋
「ずっとやるかもしれないと思っていた相手なんですけど。

凄いタフなんですけど、明日はフィニッシュで勝ちます」

長岡弘樹
「明日は根性を出して、魂を燃やして。

村山選手と戦いたいと思います」

高木凌
「明日の試合、死んでも勝ちます」

新居すぐる
「試合が決まってからずっと高木選手のことを考えてきたんで、明日は練習してきたことを全部出して勝ちにいきたいと思います」

岡野裕城
「えぇと……パンクラス・デビュー戦なんで、頑張ります」

粕谷優介
「また子供達に恰好良いところを見せます」

井村塁
「横浜のビッグマッチで組んでいただいて、ありがとうございます。

相手、佐久間選手なんですけど、自分らしくフィニッシュして良いクリスマスを迎えます」

佐久間健太
「久しぶりなんですけど、パンチを当てられるよう頑張ります」

沙弥子
「第1試合をやります、沙弥子です。世界で戦ってきた選手とこのタイミングで試合をすることは、一生の経験になると思います。明日は挑戦者という気持ちを忘れずに、攻め続けて勝ちたいと思います」

ジェニー・ファン
「最初に、このケージで戦う機会を与えてくれたパンクラスに感謝しています。私の対戦相手はとても強くて、とても良い選手です。明日の試合に期待しています。ベストと尽くします」

■視聴方法(予定)
2022年12月25日(日)
午後1時30分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後2時30分~ U-NEXT

■ Pancrase330計量結果

※赤字選手名をクリックすると関連記事やインタビューに跳びます

<フライ級KOPC/5分5R>
[王者] 猿飛流:56.5キロ
[挑戦者] 鶴屋怜:56.45キロ

<フェザー級/5分3R>
透暉鷹:66.25キロ
パン・ジェヒョク:66.15キロ

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也:70.15キロ
シュウジ・ヤマウチ:70.45キロ

<バンタム級暫定王座決定戦/5分5R>
TSUNE:60.95キロ
田嶋椋:61.05キロ

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:51.85キロ
ソルト:52.45キロ

<フライ級/5分3R>
上田将竜:57.0キロ
伊藤盛一郎:56.95キロ

<フェザー級/5分3R>
田村一聖:65.75キロ
Ryo:65.35キロ

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太:77.4キロ
林源平:77.45キロ

<ウェルター級/5分3R>
村山暁洋:77.5キロ
長岡弘樹:76.75キロ

<フェザー級/5分3R>
高木凌:66.2キロ
新居すぐる:66.1キロ

<ライト級/5分3R>
岡野裕城:70.5キロ
粕谷優介:70.3キロ

<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.4キロ
佐久間健太:61.55キロ

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子:47.5キロ
ジェニー・ファン:46.55キロ

<フェザー級/5分3R>
加藤泰貴:65.95キロ
倉本拓也:66.25キロ

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒:61.3キロ
木本海人:61.35キロ

<57.7キロ契約/5分3R>
水戸邉荘大:57.7キロ
金澤臣人:56.7キロ

<アマMMAバンタム級/3分3R>
山口怜臣:61.05キロ
岡田嵐士:60.95キロ

The post 【Pancrase330】計量終了(第1試合~第7試合)スクランブル発進の岡野も含めメイン出場選手に問題なし first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase330 RYO TSUNE YouTube シュウジ・ヤマウチ ソルト パンクラス パン・ジェヒョク 上田将竜 井村塁 伊藤盛一郎 山口怜臣 岡野裕城 新居すぐる 村山暁洋 林源平 水戸邉荘大 沙弥子 猿飛流 田嶋椋 田村一聖 粕谷優介 透暉鷹 長岡弘樹 雑賀ヤン坊達也 高木凌 鶴屋怜

【Pancrase330】計量終了(第8試合~メイン)上田将竜「明日はクリスマス。家族も子供も置いて──」

【写真】Make weight大賞は猿飛流。これだけ筋肉を残し、9キロ・10キロを60キロ台の体格で落とすのは相当な減量テクニックを有しているはずだ。その猿飛流、パス後の水分補給で「世界で一番美味い水」と連呼していた(C)MMAPLANET

24日(土)正午より、東京都新宿区のサンエービル地下1階会議室で明日25日(日)に横浜市中区の横浜武道館で開催されるPancrase330のメインから第8試合までの計量が行われた。

メインのフライ級KOPCで戦う猿飛流✖鶴屋怜を始め12人の上位カード出場選手は全員が一発で計量をクリアした。

ここでは計量直後の各選手のコメントをお届けしたい。なお透暉鷹は新幹線が遅れたことで、会場への到着が遅れ最後に計量とコメント、パン・ジェヒョクとの撮影を済ませている。


猿飛流
「明日はメインイベンターとして、チャンピオンとしての試合を見せます。見ていてください。絶対に盛り上げます。以上」

鶴屋怜
「2022年ラストのパンクラスの大会のメインイベントで、しっかりKO、一本勝ちして盛り上げるので。チャンピオンになります」

パン・ジェヒョク
「コンバンワ。初めまして。ボクハ、コリアン・スパイシー・パンチ、この名前を覚えてください。オポネント、ドコデスカ。アリガトゴザイマス」

透暉鷹
「初の国際戦なんですけど、普通に勝つだけじゃなくてしっかりと自分の強さを証明して、勝ちたいと思います」

雑賀ヤン坊達也
「まずはシュウジ選手、ブラジルから日本までありがとうございました。明日は最高の試合をして、皆さんにクリスマスプレゼントができれば良いなと。しっかりKOするので、よく見ておいてください」

シュウジ・ヤマウチ
「初めまして、ヤマウチ・シュウジです。パンクラスに出ることはとても嬉しいです。明日は良い試合をするので、皆さん期待してください」

TSUNE
「明日のためにしっかりと仕上げてきました。試合で魅せます。応援よろしくお願いします」

田嶋椋
「明日はしっかりとやりきって、勝ちます。応援よろしくおねがいします」

KAREN
「しっかりKO、一本して。クリスマスに連勝して、2022年を締めくくります。お願いします」

ソルト
「パンクラスに初参戦できて嬉しいです。試合を組んでいただいてありがとうございます。明日はチャンピオンのKAREN選手との試合なので、連勝を止めて行こうと思っています。宜しくお願いします」

上田将竜
「伊藤選手、パンクラスに来てくれてありがとうございます。伊藤選手はイケメンで試合が面白くて、いつもジェラシーを感じていました。でも、こっちもパンクラスで10年間戦ってきた意地があるんで。さらに明日はクリスマスなんで、家族も子供も置いて戦いに来ているので、激熱、ポイズンな試合をしましょう」

伊藤盛一郎
「今回、パンクラスのデビュー戦になるんですけど、ZST、Groundslamで育ってきた自分らしく戦い、一本、KOで勝ちたいと思います」

■視聴方法(予定)
2022年12月25日(日)
午後1時30分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後2時30分~ U-NEXT

■ Pancrase330計量結果

※赤字選手名をクリックすると関連記事やインタビューに跳びます

<フライ級KOPC/5分5R>
[王者] 猿飛流:56.5キロ
[挑戦者] 鶴屋怜:56.45キロ

<フェザー級/5分3R>
透暉鷹:66.25キロ
パン・ジェヒョク:66.15キロ

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也:70.15キロ
シュウジ・ヤマウチ:70.45キロ

<バンタム級暫定王座決定戦/5分5R>
TSUNE:60.95キロ
田嶋椋:61.05キロ

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:51.85キロ
ソルト:52.45キロ

<フライ級/5分3R>
上田将竜:57.0キロ
伊藤盛一郎:56.95キロ

<フェザー級/5分3R>
田村一聖:65.75キロ
Ryo:65.35キロ

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太:77.4キロ
林源平:77.45キロ

<ウェルター級/5分3R>
村山暁洋:77.5キロ
長岡弘樹:76.75キロ

<フェザー級/5分3R>
高木凌:66.2キロ
新居すぐる:66.1キロ

<ライト級/5分3R>
岡野裕城:70.5キロ
粕谷優介:70.3キロ

<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.4キロ
佐久間健太:61.55キロ

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子:47.5キロ
ジェニー・ファン:46.55キロ

<フェザー級/5分3R>
加藤泰貴:65.95キロ
倉本拓也:66.25キロ

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒:61.3キロ
木本海人:61.35キロ

<57.7キロ契約/5分3R>
水戸邉荘大:57.7キロ
金澤臣人:56.7キロ

<アマMMAバンタム級/3分3R>
山口怜臣:61.05キロ
岡田嵐士:60.95キロ

The post 【Pancrase330】計量終了(第8試合~メイン)上田将竜「明日はクリスマス。家族も子供も置いて──」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA DEEP DEEPフライ級GP KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase329 TSUNE YouTube アキラ パンクラス 上田将竜 中村勇太 井村塁 宝珠山桃花 宮城友一 宮澤雄大 小川徹 平岡将英 平田丈二 有川直毅 松岡嵩志 松本光史 林源平 沙弥子 秋葉太樹 雑賀ヤン坊達也 鶴屋怜 鶴屋浩

【Pancrase329】世界の九州男児──鶴屋怜戦へ。上田将竜─02─「バケモノみたい。逃げることはできない」

【写真】全ての想いを鶴屋怜というバケモノのような強い相手にぶつける(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE329で、鶴屋怜と対戦する上田将竜のインタビュー後編。

昨年2連敗を喫したあと、上田はケージに戻ってきた。そして、国内フライ級が盛り上がるなか、鶴屋怜との対決を選んだ。これまで貫いてきたMMAの人生を後悔しないために--プロデビューから10年、上田がその決意を語る。

<上田将竜インタビューPart.01はコチラから>


――今年4月、有川直毅選手を判定で下し、再起を果たしました。復帰戦の出来はいかがでしたか。

「練習では良い感じで仕上がったんですが、試合では堅くなりすぎたところがありました。最後まで気持ちも切れませんでした。でも、試合が終わって『今日は満足できたばい!』と感じた経験がないんですよね。10年MMAをやってきても。たとえば、試合中に気持ちが折れたとしても、自分にしか分からない部分ってあるじゃないですか。

『良い試合だったよ』って言われても、自分としては『あの時、もういいかな……と思ってしまったんよね』と考えることがあって。それは他の選手と話をしても、同じようなことがあるみたいなんです。前回の試合は、勝てたことは嬉しいです。でも当然ですが反省点もあるので、すぐに練習を再開しました」

――昨年10月の小川徹戦から有川戦までの間に、DEEPフライ級GPの開催が公表されました。同じ階級で戦うファイターとして、DEEPフライ級GPはどのように映っていたのでしょうか。

「正直、興味はありました。練習仲間の本田(良介)選手も出場することになりましたから。でも4月のパンクラスで僕が有川選手に勝ったあと、鶴屋怜選手が秋葉太樹選手に一本勝ちした試合を見て、次は絶対に鶴屋戦だなと思ったんですよね。

そのあとDEEPフライ級GPの出場メンバーが発表されて、興味はありました。でも自分は今パンクラスで戦っていて、しかもバケモノみたいな強い選手が出て来た。その相手から逃げるわけにはいかない、そう思ったんです」

――バケモノみたいな強さ、確かにインパクトは大きいですね。

「彼とは去年の10月に一度、手合わせしたことがあるんです。パラエストラ柏へ出稽古に行った時に鶴屋浩先生から紹介されて――初めて同階級の選手に練習でボコボコにされました。

まだ彼がDEEPに出ている頃で、その時は対戦することもないだろうと思いながら、呑気に『日本MMAの未来は明るいなぁ』とか言っていたんです(笑)。本人にも『応援するけん、頑張ってね!』と言って。その裏では、自分に対して自信を失くしていました。

それで鶴屋先生に聞いたら、他の選手も同じようにやられているそうです。『そうですよね、彼は強くなりますよね』って鶴屋先生とも話をしていたんです。しかし数カ月経って、鶴屋怜選手がパンクラスに来た時点で、覚悟はしていました。お互い勝ち上がっていけば、いつか対戦することになるだろうと」

――練習で鶴屋選手にボコボコにされた経験は、精神的な面でマイナスに働きませんか。

「いや、これは自分にとって大きなプラスになります。あの時ボコボコにされていなかったら、今回の試合も1Rで仕留められていると思いますから(笑)。

でなければ、また自分の思い描いていた鶴屋選手と実際の試合は違っていて、彼の得意なところで勝負に行って負けていると思います。でも彼と対峙したことによって、その強さが分かっています。だから、彼の強い部分では勝負に行かず、相手の嫌なことをし続けますよ」

――なるほど。今回の鶴屋戦の先も含めて、上田選手の現在の目標は何なのでしょうか。

「こんなことを言うと、ベルトを目指して戦っている選手に失礼かもしれないけど……。今の自分のモチベーションは、地元の福岡で試合をすることなんです。その目標を実現するためには、勝たないといけない。

地方では他の人とは違うことをやっていると、白い目で見られることもあるんですよ。そんな中でも家族や、自分のために時間を割いて練習してくれる仲間、応援してくれる地元の友人たちがいます。その人たちに恩返しをするために、福岡で試合をしたいです」

――パンクラスでは2015年12月に北九州大会が開催されました。上田選手も出場し、宮城友一選手に判定勝ちを収めています。あれから約7年、再び福岡で大会を行うには、ベルトが必要になってくるでしょう。

「そうなんですよね。鶴屋選手に勝ったら、次は地元でパンクラスのベルトに挑戦したいと思っています。それが今の自分にとって、一番大きな目標です」

――ではその目標に向けて重要な試合となる、鶴屋戦への意気込みをお願いします。

「怖さやドキドキというより、自分の中でも久々に楽しみな試合です。どうしても自分より下馬評が低い選手と戦ったら、自分のほうが堅くなってしまう。勝ちたいという気持ちより、負けたくないという気持ちのほうが上回ります。でも間違いなく、鶴屋選手は強い。だから楽しみなんです。

鶴屋戦のオファーが来た時は、シビれました。強い相手との試合のオファーが来た時、予定が合わないとか嘘をついて避けることもできます。この試合に関してもメリットとデメリットを考えたら、鶴屋選手とは戦わないという選択肢もあったと思いますよ。自分から断ったことを公表しなければ、誰にもバレないですし。でも、それをやってしまうと自分自身を裏切ってしまうような気がして」

――それこそ一生後悔し続けるかもしれないですね。

「はい。オレは何のためにMMAをやっているのか。これまで恥をかきながらも続けてきたMMAなのに、鶴屋戦を断ったら全てを失ってしまうんじゃないかと思いました。だからオファーが来た時、二つ返事でした。『やります』って。

その答えは日曜日に出ます。ランキングは自分のほうが上ですけど、突撃していきますよ。しっかりと調整して、当日は盛り上がる試合をしますので、よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ Pancrase329対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

The post 【Pancrase329】世界の九州男児──鶴屋怜戦へ。上田将竜─02─「バケモノみたい。逃げることはできない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase329 Road to UFC TSUNE UFC YouTube アキラ アルジャメイン・ステーリング パッチー・ミックス パンクラス ボクシング 上田将竜 中村勇太 井村塁 宝珠山桃花 宮澤雄大 平岡将英 平田丈二 松岡嵩志 松本光史 林源平 沙弥子 海外 藤野恵実 雑賀ヤン坊達也 鶴屋怜

【Pancrase329】パラ千葉のフライ級ファイター達=鶴屋怜─02─「UFCは本戦から出たいと思っています」

【写真】インタビューの受け答えもデビュー直後とは違い、しっかりとできるようになってきた!! (C)MMAPLANET

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase329。同大会で上田将竜と対戦する鶴屋怜インタビュー後編。

UFCを目指し、UFCに頂点に立つことだけを考える鶴屋。パンクラス王座のも、その前哨戦の今回の試合も、全てはUFCで戦うための通過点でしかない。とはいってもデビューから1年半、キャリア5戦目。大いなる目標に向かい、現実と向き合う20歳はこの夏にラスベガスでの出稽古を経験した。

パラエストラ千葉ネットにフライ級ファイター特集──ひと夏の経験で、何を感じたのか。そして、今やるべきことをどのように考えているのかを鶴屋怜に尋ねた。

<鶴屋怜インタビューPart.01はコチラから>


──逆に「コイツ、ヤバいな」と思った選手はいましたか。

「いました(笑)。一番強かったのは階級が一つ上なんですけど、パッチー・ミックスですね(苦笑)。さすが堀口さんに勝つだけのことはあるなって。バックを取られて、ずっと殴られて続けました。ホント、絞めてくれなくてパンチを入れ続けるんです(苦笑)。それでも向うが油断している時は結構入ることができたんで、通用する部分もあるとは感じています。凄く良い経験になりました。

あとアルジャメイン・ステーリングとスパーリングできなかったのは、残念でした。スパーリングの日じゃない時に、彼がジムに来たのでスパーはできなかったです。ただ、僕が想ったのは名前を知らない選手、日本で知られていない選手が強い。カレッジでレスリングをやっていたような選手で、プロでは1試合しかしてない奴がいて。『まだMMAは1戦しか経験していないんだ』っていう頭で練習すると、メチャクチャ強くて。名前も知らないし、MMAの経験がないのに強いヤツがいる。そこなんじゃないかと。

自分よりレスリングが強いので、なかなかテイクダウンができない。テイクダウン争いで取れることがあっても、取られることが多い。結果、自分の強いところで負けて。レスリングの相性もあったかと思いますけど」

──そういう選手がいることが、米国の真実なのですね。きっとゴロゴロいるから、層がとんでもなく厚くなっている。

「そういう風に名前が無くても強い選手がいるから、皆が何かに特化しているのではなく、バランスの良い選手になっていくのかと思いました。バランスが取れた選手が多いです。僕はレスリングで向うが上回ると、そこを返せないことがありました。だから、自分ももっと打撃を強化しないといけないと思いました」

──帰国してから1カ月少しで、次の試合がある。そういう状況でラスベガスで経験したことを何か千葉の練習に採り入れたということはありますか。

「スパーリングで自分のやることを変えました。以前はテイクダウンをして、コントロールすることを軸にスパーをやっていたのですが、どの選手と戦ってもテイクダウンに頼らないようにしています。

そこまでの打撃を使う時間を増やすというか。テイクダウンからコントロールは、グラップリングのスパーで存分にできるので。MMAのスパーリングの時は、なるべく自分から組まないようにしています。結果、打撃が多くなっていますね」

──そこを経て、上田選手との一戦。どのような試合をしたいと思っていますか。

「相手はウェルラウンダーで全部できる選手です。自分はまだテイクダウン後の戦い方も完成していないけど、それでも全体的にできることを見せたいです。もしかしたら3Rを戦い切ることになるかもしれないので、そこで粘り強さを見せることがデキれば良いなと思っています」

──タイトル戦のことは意識していますか。

「タイトルマッチは……勝てば12月にやらせてもらいたいです」

──ラスベガスというUFCのホームに滞在したことで、よりUFCを意識するようになったということはありませんか。

「自分、向うでコンテンダーシリーズを観に行ったんですよ。フライ級の試合も見て。その時に感じたのは、『こいつらに俺、絶対に勝てるな』ってことでした」

──アハハハハ。やはり、そうなりますか。

「あれでUFCと契約できるなら……UFCに出たいという気持ちはより強くなりました」

──以前は今、UFCに行っても勝ち続けることができない。だから、力をつけてから進みたいということも言っていました。その辺りの心境に変化がありますか。

「UFCに行くとしても最低でも半年はあると思います。まだ時間はあるので、パンクラスのタイトルを取ってからも、しっかりと自分の足りないところを磨いてUFCで通じるようにしていきます」

──何か日本で経験しておきたいということはないですか。向うに行く前に国際戦とか。

「そうですね、できればコンテンダーシリーズとかRoad to UFC経由でなく、いきなり本戦で戦いたいので、その前に外国人選手と日本で試合をするのも良いですね。パンクラスでできれば良いですけど、それが難しいなら海外で試合をするのもありだと思います。

正直、今はパンクラスのチャンピオンになることまでしか考えていなくて。それがあと2試合なのか。今のところ、全試合でフィニッシュしているので、次の試合とタイトル戦もフィニッシュ勝利を続けて──それから先は、まだ考え中です。パンクラスで外国人選手とやっても良いし、海外で試合をしても良い。とにかくUFCの本戦で戦えるよう仕上げていきたいです」

(C)MATSUNAO KOKUBO

──ところでお兄さんの健人選手が8月にNEXUSでプロMMAデビューを飾りました。刺激になっていますか。

「お兄ちゃんは打撃に特化していて、自分に足りないところを持っています。そこは兄弟で足りない部分を補いあって、トレーニングしていきたいです。ただ単にボクシングを採り入れるのではなくて、MMAの打撃として補っていきたいです」

──負けるかって言うライバル心は?

「もちろん良い刺激になっているけど、ライバル心は今のところはないです(笑)。階級も違うし、そこは僕の方がプロMMAを1年半以上やってきたので。お兄ちゃんがどこを目指しているのか、僕は分からないけど──2人でチャンピオンになれれば良いなぁという感じです。兄弟でチャンピオンって、余りないのでそういうのも良いかなって(笑)」

──では改めて、上田選手との試合に向けて意気込みのほどをお願いします。

「上田選手はベテランで何でもできます。強い選手なので、その上田選手を相手に自分も全部ができること。そして何度も言っていますけど、3Rになっても粘り強さで負けないというところを見せていければと思います」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ 対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
ソン・ヘユン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

The post 【Pancrase329】パラ千葉のフライ級ファイター達=鶴屋怜─02─「UFCは本戦から出たいと思っています」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase329 RIZIN ROAD FC TSUNE YouTube アキラ キム・ソユル ソン・へユン パク・ジョンウン パンクラス 上田将竜 中村勇太 井村塁 宝珠山桃花 宮澤雄大 平岡将英 平田丈二 松岡嵩志 松本光史 林源平 沙弥子 海外 藤野恵実 雑賀ヤン坊達也 鶴屋怜

【Pancrase329】ソン・へユン戦延期、藤野恵実が話していたこと─02─「観て良かったと思える試合を」

【写真】再起戦が1カ月延期された藤野──その心境と、延期前の心意気を(C)NOBBU YASUMURA

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE329で、ソン・へユンと対戦予定であった藤野恵実のインタビュー後編。
Text by Shojro Kameike

対戦予定であった……というのは、インタビュー後の本日7日(水)にパンクラスからヴィザ取得問題により──藤野×ソン・へユンの一戦を10月10日の品川インターシティホール大会へスライドすることが発表されたからだ。ここではリリース前に藤野が語っていたこと、そしてリリース後に藤野がMMAPLANETに送ってくれたコメントもお届けしたい。

<藤野恵実インタビューPart.01はコチラから>


――今年3月にベルトを失ってから6カ月、何か大きな変化はありましたか。

「別にベルトを巻いたからといって、何か環境が大きく変わったわけではないですからね。RIZINに出してもらったことぐらいかな。ベルトを獲る前と獲った後で、周囲の私の扱い方も変わらないですし(笑)。私も長くやっているから、ずっと応援してくれている人は私がベルトを失ったからって、何か変わる人たちでもないんですよね」

――周囲の対応は変わらない。ではご自分の中では……。

「それはね、あります。パンクラスのチャンピオンでいたかった。そのベルトを失ってしまったわけですから」

――藤野選手はMMAを戦ううえで、常に『自分の好きなことをやっている。MMAしかない』というふうに仰っています。ベルトを失ったことは、MMAを戦うためのモチベーションには影響を及ぼさなかったのでしょうか。

「負けて、ちょっと落ち込みましたよ。それこそ津田からも『そんじゃもう辞めたほうが良いんじゃない?』とも言われましたし。ただ、辞めるならベルトを獲り返してからだと思いました。あの試合内容で辞めるのは納得いかないし、それこそベルトが賭けられていなくてもやり返したい。そういう気持ちに切り替わりましたね」

――試合後どれくらいの期間を経て、そう気持ちが切り替わったのですか。

「1日か2日ぐらいです」

――切り替わるのが早いですね。

「もう失うものはないし。やられたから、やり返す。だから試合がしたい、とパンクラスにも伝えました」

――では練習なり日常生活なり、何か変える部分などはありますか。

「そんなにないですね。今までやってきたことに関して、より精度を上げていく。正直、今すぐ、いきなりもっと強くなることはないじゃないですか。格闘技を始めた20代の頃とは違いますから。負けたことで練習方法を見直すことはありますよ。『組んだ時に相手を抱えてしまう癖は直していかないと』って思います。でも前回負けた要因は、練習方法以前の問題なので」

――自分に負けてしまった、と。

「はい。ちゃんと作戦通りにできなかった。セコンドの指示を聞くことができなかった。それはメンタル的な問題なので。だから、余計に悔しいですよね。でもそれって、試合で取り返すしかない。だから、すぐに試合させてほしいとお願いしました。パンクラスもすぐに組むということで。ただ、タイミングが合わずに、今回9月に試合をすることになったんですけど」

――それはKAREN選手との再戦を、パンクラスにお願いしたということですか。

「再戦も含めてですね。もちろんすぐに再戦するのは難しいと思うので、『誰が相手でもすぐに試合をしたい』と伝えていました」

――その気持ちのままで6カ月を過ごすなか、早く試合をしたいという焦りはなかったでしょうか。

「焦りはなかったです。パンクラスさんは早く試合を決めてくれているので。6カ月間、何もなければ焦っていたかもしれないけど、今回の試合は結構前に決まっていましたから。まず試合をすることだけ決まって、そのあと対戦相手を見つけてきてくれたんですよ。私としては対戦相手にこだわりはなかったし、連敗している私の対戦相手を用意してくれるだけでありがたいです。『誰でもいい』、『誰とでもやる』と津田に言っていました」

――なるほど。では次の対戦相手であるソン・へユンの印象を教えてください。

「試合映像を見ましたけど、1試合しかしていないので、強いのか弱いのか分からないですよね(苦笑)」

――ソン・へユンのプロ戦績は昨年12月、韓国Double GFCで行われたキム・ソユル戦のみ。しかもその試合では、1R1分15秒、腕十字で敗れています。

「試合が始まってすぐにテイクダウンされて、腕十字を極められていましたね。あれでは彼女の実力が分からなくて。でもROAD FCに出させていただいた頃も、相手について何も分からずに試合をすることはあったので、それと同じ状態かなと思っています。試合当日に相手の構えが変わっていても、何も驚きません(笑)」

――ROAD FC時代ですか。相手はこれがプロデビュー戦だと聞いていたら、とてつもない打撃を持っていて(笑)。

「あぁ、パク・ジョンウン戦(2015年5月、判定勝ち)ですよね。1Rにアッパーを食らった時『いやいや、強いし!』って思いました(笑)。目も腫れちゃって。あの試合から思っていたんですけど、韓国の女子選手って皆が打撃ができるじゃないですか。レベルの違いはあっても、それなりにできる子が多くて」

――ソン・へユンもキム・ソユル戦では開始早々に組まれてしまいましたが、構えを見るかぎりアップライトのムエタイをやっている感はありました。

「そうなんですよ。あの試合内容と結果だけ見て、楽な相手のように言う人もいるんですけど、やってみないと分からないから。反対に研究も予想もできないし」

――そのソン・へユンを迎えての復帰戦ですが、藤野選手にとって、どのような意味を持つ試合になるでしょうか。

「前回の試合で感じた自分の弱さを克服したいです。すぐ組みに逃げるとか、逃げるようなことしない自分になりたい。自分から逃げないっていうことですね。楽な方向に逃げることは一切考えません。

この年齢になって、今から海外とか大きな舞台に行けることはないと思うんですよ。だとしたら、自分がMMAをやる意味って何かという話で――。1試合1試合、観て良かったと思える試合をする。次の試合も見たいと思ってもらえる試合をします」

■延期決定のプレスリリース後のコメント
「長年MMAをやっていて、延期という初めての貴重なアクシデントを経験できました。でも準備期間が増えることはマイナスにはならないし、試合に向けて変わらず練習するだけです。10月10日、さらに良い状態で試合に臨みます!」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ Pancrase329対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

The post 【Pancrase329】ソン・へユン戦延期、藤野恵実が話していたこと─02─「観て良かったと思える試合を」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
o UFC アキラ 修斗 林源平

PANCRASE327:第1部第5試合・松岡嵩志 vs. 冨樫健一郎

ライト級。8位松岡、冨樫はランク外。

2019年から3連勝していた松岡。昨年6月には元UFCファイターの粕谷に秒殺KO勝ちしたが、12月の元修斗王者松本戦では逆に秒殺KO負けを喫した。

41歳で1年半ぶりの試合となる冨樫。2019年にはアキラにも勝利しているが、そこから林源平・金田一孝介に2試合連続スプリット判定負け。前戦はランキング1位だったが、1年以上のブランクのためランキングから外れている。

ジャブを突いて出る富樫。踏み込んで右を打ち込んだ松岡。ヒットし富樫ダウン!インサイドからパウンドラッシュ。下からホールドして凌ぐ富樫だが、松岡立ち上がるとパンチで飛び込む。富樫がたとうとしたところで松岡のパンチをもらう。植わった体勢で打たれている富樫。富樫相当打たれたがレフェリー止め時を失っている。ハーフから肘連打。腕でブロックしている富樫だが…。レフェリー割って入る寸前だが止めない。打たれ続ける富樫。ホーン。

三者10-8松岡。

2R。富樫のパンチがヒットし一瞬ぐらついた松岡だが、パンチを貰っても相打ちで打ち返す。富樫ディフェンス出来ていないがパンチを打ち込んでいく。組んで押し込んだ富樫だが、鼻血が出てドクターチェック。右目も相当腫れているが、続行。松岡のパンチで富樫ダウン。レフェリー止めない。パウンド連打。ようやく止めた。

レフェリー止めるのが遅すぎ。最悪でも2Rのダウン時に即割って入って止めるべきだった。あそこでも様子を見ているレフェリングはいただけない。