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【UFC298】The Future !!! ジェフ・ニール戦へ、イアン・ギャリー「世界中の皆が、僕の運命を追い続ける」

【写真】ファイトウィークに技術論の言葉を重ねてれる。本当に感謝です(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC 298「Volkanovski vs Topuria」でイアン・ギャリーがジェフ・ニールと対戦する。
Text by Manabu Takashima

英国#01フィーダーショー=Cage Warriorsで7連勝を遂げ、ウェルター級王者としてUFCへ。世界最高峰でも6連勝と負け知らずのギャリーは、昨年12月にキルクリフFCの盟友ヴィセンチ・ルケと戦う予定だった。

しかし、ファイトウィークに体調を崩して欠場に。そんな幻となった同門対決と、今回のニール戦からの世界王座への道のりについてギャリーをインタビューした。26歳、これからピークを迎えるMMA界の未来──の言葉は自信に満ち満ちていた。


──週末にジェフ・ニールとの対戦を控えたイアンです。今の気持ちを教えてください。

「エキサイティング。僕がどれだけことができるのかを、ファンの皆に見てもらえることが楽しみでならない」

──昨年12月のヴィセンチ・ルケ戦はファイトウィークに病欠になってしまいましたが、それ以前にヴィセンチというキルクリフFCのチームメイトとの試合が決まったことに驚かされました。そして試合前はキルクリフFCでなく、ブラジルで調整をしていたとも聞いています。

「その通りだ。ヴィセンチは僕の友人で、家族と一緒にブラジルからフロリダに移り住んでいる。僕は身軽だし、その点が気になっていたからジムを出てブラジルで準備をすることにしたんだ。そうすれば、ヴィセンチは家族と離れる必要はないだろうと思って。

ただ、残念なことにファイトウィークに体調不良に陥ってしまって──でも、それも人間が生きていくうえで起こり得ることだからね」

──ではヴィセンチ戦が流れ、キルクリフFCに再合流をしたのでしょうか。

「今回の試合は、そのままブラジルに残って練習をして来た。シュートボクセで練習し、柔術はデミアン・マイアとやってきた」

──デミアン・マイアと!!

「そうなんだ。最高の技術に触れ合うことができた。成長するために、素晴らしい出会いになったよ。でもキルクリフFCを離れたわけじゃない。今も皆が友人だ。コンタクトも取り続けているし、またジムに戻る。でも今はブラジルで柔術を学ぶことが、自分にとって正しい道なんだ」

──チーム内にウェルター級のライバルがいることを考慮したということは?

「ノー(笑)。ヴィセンチ・ルケもシャクハト・ラクモノフ、リー・ジンリャン、ジルベウト・ドリーニョ、皆が僕の友人だ。彼らから色々なことを学ばせてもらった。色んな影響も受けてきたよ。僕にとって欠かせない存在だ。またキルクリフに戻って、皆とスパーリングを再開するよ。彼らと同じ場所を共有すること自体が、楽しくてならないからね」

──では、今回の試合のコーナーマンは?

「ディエゴ・リマ、シュートボクセのヘッドコーチだ。そして対戦経験のあるダニエル・ロドリゲスも僕を助けてくれる。今回、ジェフ・ニールとの対策練習でトレーニング・パートナーを務めてくれたんだ。凄く良いヤツなんだよ。この試合のために、凄く良い練習をディエゴやダニエルと積むことができた」

──シャクハト、ヴィセンチは既にジェフ・ニールと戦っており、キルクリフのコーチングスタッフはニールのことを凄く理解しているかと。

「そこは特に気にしていない。僕は自分の才能を信じている。自分がどれだけできるのかも、自信を持っている。いかに自分が特別なのかを知っているからね。誰も僕のようには戦えない」

──なるほどぉ!! ではジェフ・ニールの印象を話してもらえますか。

「良い選手だよ。タフで、パンチが重い。そして、思い切り打ちこんでくる。テイクダウン・ディフェンスにも長けている。でも背が低い。あのリーチでは、僕の距離を攻略することはできない。何より、俊敏さという面では一切僕に優るところはない。彼にとって僕のスピードは超絶なほどに厄介になるだろう。彼の拳は僕の顔を捕えることはできないよ。

それにジェフは僕のようなディフェンス能力も持ち合わせていない。彼は殴る能力はあるけど、守る力が欠けている。だからタフなファイトが必要になってくるんだ。僕は彼を近寄らせることなく、やりたいことを封じ込む。試合は僕がドミネイトするよ」

──ニール・マグニー戦ではイアンのカーフキックが凄く効果的でした。マグニーはオーソで、ニールはサウスポーなのでインサイドローがカーフキックのように有効活用できると考えていますか。

「カーフよりもインサイドローの方が、リスキーだ。右インローを蹴ると、ニールに左ストレートを打つ機会を与えることにもなる。だから正しいタイミングで、正しい場所に足を置く必要がある。いくら相手にダメージを与える攻撃でも、自分が傷ついては何もならない。もちろんインローを有効に使うことがえきれば、その効果は大きいよ。それは絶対だ。

どのような蹴りでも、彼の前足を削ることができれば試合を有利に運ぶことができるようになる。ニールのスピードは落ち、前に出てくる圧力も落ちるからね。そういう展開を望まないわけがない。でも、それには正しい場所かつ正確なタイミングで蹴ることが必要になる」

──押忍。UFCデビュー戦の頃からインタビューをさせてもらってきましたが、一つ一つの言葉に説得力が出てきました。UFCで無敗でいるということは、それだけの自信になったといえますか。

「自信は持っているよ。自分を信じることから、始まっているから。そして、その自信は自分がやるべきことをやり、結果を残すことでより大きく、絶対になってきた。ガキの頃から自信はあったけど、より真実味をもって特別な自信を持てるようになったんだ」

──素晴らしいです。ところでウェルター級という層の厚い階級で、タイトルショットを手にするために今回の試合では何を見せないといけないと感じていますか。

「計画では、世界王座挑戦は2025年だ。そのために今年は、如何に僕が優れたファイターかを世界のトップ戦線で証明し続ける。手始めに土曜日にはジェフ・ニールをぶっ飛ばす。そしてトップ5ファイターから2人を指名する。

現時点でトップ15人のうち、6人を破っている。来年、タイトル挑戦を実現させるには7位か6位、5位を倒してから、1位か2位のファイターに勝つ。そうなればイアン・ギャリーが最高のファイターだと世界も認識し始めるだろう。ワクワクするよ。

皆が熱狂するファイトと共に、ゴールに向かって世界を震撼させる。それが運命だ。世界中の皆が、そんな僕の運命を追い続けることになるんだよ(笑)」

──イアン、世界中の1人として楽しみにしています。では最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか。

「もちろん!! 僕は柔道の黒帯だ。柔道を通して、日本の文化に実際に触れたいと思っている。日本で僕のルーツに立ち返りたい。対戦相手の重心を崩すことは、MMAでも本当に有効になってくるから。それを日本の柔道で学びたいんだ。絶対に日本に行くよ」

──講道館で稽古するイアンの姿、見てみたいですね。

「おぉ!! そうなれば最高だよ。講道館の刺繍が入った黒帯を巻きたい。友人の1人が日本で柔道の稽古をしてきて、本当にビューティフルな道着を持って帰ってきたんだ。日本の友の誰かが、講道館の黒帯を僕に届けてくれないかな(笑)」

■視聴方法(予定)
2月18日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

■ UFC298対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者] イリャ・トプリア(ドイツ)

<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウティカー(豪州)
パウロ・コスタ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール(米国)
イアン・ギャリー(アイルランド)

<バンタム級/5分3R>
マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
ヘンリー・セフード(米国)

<ミドル級/5分3R>
アンソニー・ヘルナンデス(米国)
ロマン・コピロフ(ロシア)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
マッケンジー・ダーン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マルコ・ホジェリオ・デリマ(ブラジル)
ジャスティン・タファ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
中村倫也(日本)
カルロス・ヴェラ(コロンビア)

<ウェルター級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
ブレジソン・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・クィンラン(米国)
ダニー・バーロウ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴァル・ウッドバーン(米国)
オーバン・エリオット(英国)

<女子フライ級/5分3R>
アンドレア・リー(カナダ)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

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o ONE UFC UFC298 YouTube

Ilia Topuria discusses his confidence ahead of UFC 298 title fight vs. Alex Volkanovski | ESPN MMA

Stream UFC 298 on ESPN+ https://plus.espn.com/ufc/ppv

Jon Anik sits down with Ilia Topuria ahead of his featherweight title fight against Alexander Volkanovski in Anaheim.

0:00 Intro
0:40 Rise to title contender
1:44 How long he’s prepared for Volk
3:12 Win vs. Josh Emmett
4:32 Sergio Ramos & bringing UFC to Spain
7:30 Volk’s rematch vs. Makhachev
8:10 Sizing up Volkanovski
10:42 Volk’s short turnaround

#UFC298 #Volkanovski #Topuria
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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC298 YouTube タン・リー ライアン・ホール 中村倫也 風間敏臣

【UFC298】テコンドー&50/50=カルロス・ヴェラ戦へ、中村倫也「直感を信じて戦えば、問題ない相手」

【写真】楽しそうななかで、集中力が増したように感じられた中村倫也だった(C)MMAPLANET

いよいよ今週末17日(土・現地時間)にカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」で中村倫也がオクタゴン2戦目を戦う。
Text by Manabu Takashima

MMAPLANETでは代役カルロス・ヴェラとの戦いが決定する以前に、中村倫也インタビューを行い日常からの取り組み、レスリング練習の利点などについて尋ねた。その取材からほどなくヴェラと戦うことができ待った中村に追加取材。ヴェラ戦に向けての、取り組みとそので得られた自信について話を訊いた。


──カルロス・ヴェラ戦が決まったのは、いつ頃でしょうか(※取材は1月30日に行われた)。

「前に取材をしてもらった前日に最初の相手のキャンセルがあり、あれから2週間後ぐらいですかね」

──スライドでなく、対戦相手が代わったということに関しては?

「PPV大会に出られるのは、嬉しいです。それとデビュー戦はシンガポールだったので、本場のお客さんはまたエネルギー感が違うだろうし、凄く米国のお客さんの前で戦いたかったので。カルロス・ヴェラ選手には凄く感謝しています。

とにかく米国のアリーナで、満員のお客さんの前で早いうちに試合をしたかったです。シンガポールでも凄い盛り上がり方だったんですけど、米国だとまた違う感覚があるんじゃないかと。これから上がっていって、タイトルマッチとかになると米国のそういう状況での試合ばかりになってくるので。そういうファンの前で、自分の気持ちがどうなるのか。そのフィードバックを早めにしたいと思っていたので、ここで戦えて嬉しいです」

──懸命に対戦相手をUFCが探してくれたのではないかと。とはいえ、ヴェラの試合映像を視る限り──ピンキリでいえば、キリの類のUFCファイターであることは間違いないかと。

「映像を視た時、最初は皆がそういう印象を持つと思います。『えっ、近場にいって拳をぶん回せば良くない?』っていうのが第一印象としてありました。ただ練習仲間が、50/フィフティージムだとライアン・ホールに柔術を習っていて、タン・リーもいる。作戦を立てるのが上手いジムだから、自力の差をそういう点で誤魔化されないように──と。

そして、細かい対策を練るようになった段階で『ここが怖い』、『ここも怖い』、『ここもあるぞ』って思うようになって。ただ第一印象って大切で。その直感を信じて戦えば、問題ない相手だと思います」

──怖い点、つまり何を注意しないといけないのか?

「下からの仕掛けですね。足関節のエントリーを壁際でやられると、平場で大丈夫な対応ができなくなることがある。それとテイクダウンを狙った時のギロチンは、メチャクチャ練習して来ると思います。あとはカポエイラ特有の回し蹴りとか、関節蹴りですね。

でもKOできるような蹴りではないので、自分の立ち位置を確認している形ですね」

──あの足関節、風間敏臣戦前の練習が生きるのかと。

「風間選手とやる時も、野瀬(翔平)選手とやる時も、(アリアンドロ)カエタノとやる時もギロチンと足関節、下からの仕掛けをしのぐ練習をしてきたので。特別、そんなに焦ることはないです。試合前だけど、リラックスしています」

──足関節に対して、パウンドというのは?

「ガンガン入れていく展開にしようと思っています。う~ん、足関も仕掛けてくるか分からない。ぶっちゃけて、試合でもそんな上手いことやっていないので。でもやっぱりレスラーが相手のスクランブルで試合を受けたのだから、フィニッシュの一つの選択視にあると思って……仕掛けてくるかなって。う~ん、それでもTUFでは(ブラッド)カトーナに漬けられているので。それを自分ができないとも思えないです。

漬けて堅く勝ちに行こうと思えば、それができる相手で。さらにその上の課題を自分に課したいので、パウンドでダメージを与えて首を取るだとか。そういうことまで持っていくことができれば、一つステップアップできるかと思います」

──ギロチンのセットのし直し、アジャストは嫌でないですか。

「上半身が、がっちしタイプなのでアームインでもタイトになってくると思います。ギロチンはどう動くかを再確認して……今日も練習しました。でもスピードの差があるからなぁ……。エントリーが緩いのか、相手もあの場所で止まっていたのか。ジワジワと極めているんですよね。でも、俺だったらあの時間、あそこで止まらない。なので、あれも果たして……というのがあって。キャッチされた感じが緩いと感じ、その場にいるという罠にだけはハマらないように。とにかく先に足を跨いでいきます」

──UFCという場にきて、このヴェラの戦い方は一発こそあっても安定した結果を残せるスタイルではないと思います。

「そうですね」

──と同時にデビュー戦ということもあり、凄まじい集中力で挑んでくるのではないかという怖さもあります。

「ハイ……多分、そうですね。凄い集中力でピークを創ってくるんじゃないかと思っています。でも、バッチリです。大丈夫です。その自信もあります」

──世界中のファンに、何を見せたいですか。

「ちゃんとフィニッシュしきる姿を見せたいです。本当に見せたいです。前回の試合で、まだまだこういうMMAをしたいという課題がいっぱい見つかったんで。パウンドでしっかり削って、フィニッシュする。もしくはスタンドで決める可能性もプランとして全然あるので。中村、ついに本格的に自力をつけてきたなと思われる試合をしたいです」

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45 AB DREAM MMA MMAPLANET o UFC UFC298 YouTube 三上ヘンリー大智 中村京一郎 中村倫也 鈴木崇矢 髙谷裕之

【UFC298】中村倫也のMMA学概論─03─「何があっても自分を信じる心と、やりたいことができる体」

【写真】しんどいことを真面目に楽しむ──のが、中村倫也だ(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」でカルロス・ヴェラ対戦する中村倫也インタビュー第3弾。
Text by Manabu Takashima

自身の意識と実際の体の位置の修正──日常生活から、心身ともにコーディネイトする中村だが、その精神世界にも通じるMMAの取り組み方は万人に理解されるモノではない。

結果、気がつけば彼の周囲にはあの頃の光景が戻っていた。

<中村倫也インタビューPart.02はコチラから>


──それは稽古の時ですか、それとも試合の時もそのように意識するということでしょうか。

「試合の時は意識をしてはダメです。無心にならないと。日常でそういう風に意識をするようにしていても」

──日常生活において、どのように意識しているのですか。

「例えば歩いて移動している時も、重心がどうなっているのかを意識します。そして『左肩が固まっているな』、『連動していない』と感じると、『ここから剥がして……アッ、連動した』、『つながった』という風に。普段から体の位置、力が出る場所を気にして動かしています」

──それだけ意識しているとしんどくないですか。

「そうッスね。しんどい……と捉えてしまうと、そうなるだろうなっていうのはありますね。でも全部の体の堅さが取れて心が平穏な時って、動きたくなる。超良い状態なんですよね。体の調和がとれている状態で動けていると、気持ちが良くて疲れもどんどん抜けていきます」

──日常から、そこまで突き詰めていてちょっと気を抜きたいと思う時は?

「その時はもう、本当に太陽の下に寝転がって呼吸法で疲れを抜くようにします」

──それは呼吸でなくて、光合成では?

「ハハハハ。でも本気でUFCのベルトが欲しいですし、3年ぐらいこういう生活をしていても全然構わないです。そういう今の自分は、レスラー時代の自分が本当のレスラーだったのかと自答すると、レスリングの時間だけレスリングを頑張っていたに過ぎない。それに気づきました。

当時の僕は格闘家だったのかといえば、格闘技の時間は格闘技を頑張っていたけど、それ以外は楽しんでいた。そこまで没頭はしていなかった。ここにきて、僕の理想としていた格闘家像に近づけてきているなと思います。

日頃の姿勢、呼吸も全て格闘技のため。なかなか食事とかは難しい面もあって、妥協することもありますけど、日常を格闘技のために生きている──そういう生活が今は楽しいです」

──そんな風にMMAの話をしているのに、逆にMMA社会から浮くと感じたことはないですか。

「まぁ、『なんか言ってるよぉ』という風に思われているんだろうなとは(笑)」

──では倫也選手が、通じ合える選手というのは?

「アーセンは本当に理解してくれるし、ヘンリー(三上ヘンリー大智)もそういうところは凄く共通しています。ヘンリーはそれこそ容姿とかでも、それでお金を稼げるモノを持っていますが、敢えてそこには頼らずに力で上がっていきたいということなので、僕は凄くリスペクトしています。そうですね、この2人は凄く強く共感してくれています。

あとは後輩の鈴木崇矢と中村京一郎も、その辺りで日常が格闘技に繋がっているような生活になってきています」

──所属ではなくなりましたが、髙谷裕之さん、津田勝憲さん、練習仲間もコーチも倫也選手の周囲には格闘DREAMERSの面々、そしてEXFIGHTの面々がいます。

「自然と戻りましたね。なんか感じるのは、向かうところが一緒だということなんです。僕も彼らの成長の度合いを肌で感じ取りたいですし。格闘家って何だろう……って考えるような人間で。普段の生活から格闘家でないといけない……いけないというか、そうなりたいという人たちです。

もう一緒に練習することはないと思っていたのですが、不思議なモノですね。そこは本当に。やっぱりお互いに必要な存在なんだと思います」

──どの山を目指すかでやることは変わってくると思います。

「そうですね、こっちの山を登ろうとする人間は……UFCに上がる前に、精神面も含めて全てを整えておかないといけない。そこで精神的に追い込まれるようでは、話にならない。どんなことがあっても自分を信じる心と、やりたいことができる体。パッと見て『あの動きがやりたいです』と思ったら、すぐにできるようにする体の能力も必要だし。

そういうことを教えてくれる人のところに、結局、皆が集まっている。絶対に行ける、絶対に行けると、彼らはずっと口にしています」

──それこそが、中村倫也の居場所なのですね。では、まだ対戦相手が決まっていない状況ですが(※取材は1月12日に行われた)、昨年8月のデビュー戦と、恐らくは2月にそのまま戦うことになるオクタゴン2戦目で、違った面を見せることができれば、どのようなところになるか教えてもらえますか。

「相手が代わってしまって、それが出るのか……というところはありますが、離れた距離を追う時のパターンは凄く練習してきました。試合直後は近距離が怖くないように、近い距離ばかり練習していたのですが、MMAは距離が遠いところから始まる。なら、大切なのは追い足で。

その足を盗むところとか……二歩、三歩下がられた時の潰し方とか、細かいところを色々とやってきました。あとは首を取る技術、がぶりですね。がぶりからの上四方はずっとやってきて、フィニッシュ力も上がっています」

──がぶりから先はともかく、足の運びとなると、UFCのカメラ割でもどこまで映し出されるのか。その辺り、凄く楽しみですので試合が終わった後にまたインタビューを宜しくお願いします。

「ハイ。ぜひ、お願いします!!」

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AB MMA o ONE UFC UFC298 YouTube

“He needs a bit of humbling” – Alex Volkanovski on his UFC 298 opponent Ilia Topuria | Main Event

Alex Volkanovski speaks to Main Event ahead of UFC 298 and discusses his opponent Ilia Topuria. Watch Alex Volkanovski v Ilia Topuria at the exclusive new home for PPV with Main Event, available on Kayo or Foxtel – https://bit.ly/488gPPg

#UFC298 #VolkanovskiTopuria
📅 Sunday Feb 18
⏰ 2pm AEDT

#UFC #MMA

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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC298 YouTube   ドミニク・クルーズ 中村倫也 常達偉 摔跤 水垣偉弥

【UFC298】ヴェラ戦へ。中村倫也のMMA学概論─02─「意識を向けたところにエネルギーは発生する」

【写真】競技特性上、レスラーが嫌がる距離を取る中村。ここからさらに動いて誘い、無理に相手が前に出るように仕向けていた(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」でカルロス・ヴェラ対戦する中村倫也インタビュー第2弾。
Text by Manabu Takashima

古巣専修大学レスリングジムでトレーニングから、中村は競技として攻め主体の格闘技にあってMMAには、距離を取って「誘う」という間があることから、外見の動きと内面の思考と意志力の一致が欠かせないと独特の感性に得ることができたMMA論を語った。

ヨガでも、武術でもない。勿論、宇宙でもない。中村倫也はMMAを追求している。

<中村倫也インタビューPart.01はコチラから>


──持続力というのは?

「これまで1Rのなかで、体力を気にして躊躇するようなことがあったのですが、それがなくなってガンガンと蹴りが出せるとか。そういう部分ですね。心配なく、それが出せるようになりました。ただ、そうなると自分がどんどん攻め気になってしまうのがMMAで、後ろのスペースを使わなくなってくるんですよ」

──そこで後ろの発想があるのが、倫也選手ですよ。攻め主体は、あらゆる競技の特徴で。そこで後ろを気に出来る。ある意味、武術に通じています。

「レスリングは場外に出ると減点なので、その感覚は持っているといえば持っているのですが……」

──でも、それはある意味攻められている方の感覚ですよね。倫也選手が言われたイケイケになると、後ろのスペースを使わなくなるというのとは状況が違います。


「そうですね。レスリングは誘うってことはしないですしね。でも、MMAをやるようになってから『しても良いじゃん』って誘うような動きをここでも取り入れています。『コイツは並行ステップをすれば、並行でついて来る。なら、角度をつけてテイクダウンを狙おう』とか。それがメッチャ通用するんです」

──うん。倫也選手、去年はシルムとモンゴル相撲の体験紀行を実施しましたが、今度は台湾に行って摔跤をやりましょう!!

「摔跤? それって何ですか(笑)」

──平たくいえば中国式レスリングですが、武術として功夫の母体であり、功夫の究極系とも言われています。なので打撃、擒拿、関節技も含まれています。競技としてサークルマットで戦い、レスリングのように押し出されるとポイントを失いますが、押し出すことを目的とした押し出しにはポイントは与えられません。あくまで円の移動で相手を崩して、ボディバランスを崩した時のみ有効です。さらにヒザ下への蹴り、バランスを崩す目的の蹴りも許されています。

■台湾に残る伝統的な摔跤を伝承する常達偉(チャン・ターウェイ)氏のインタビューはコチラから

「円の動きなのですか! おおっ!! 行きたいですっ! めっちゃ行きたいです(笑)」

──鍛錬が功夫で。

「凄いっすね。呼吸法とかも、何かありそうです。そうっすね、その理論は生きて来そうです(笑)。台湾、行きたいです!!」

──八極拳とかも、ぜひ体験してほしいです。站椿とかも、倫也選手は生かせそうです。

「いやあ、楽しみです(笑)」

──本当に話が逸れてしまいましたが、レスリングに誘うことを用いて、どのような変化が起こったのでしょうか。

「手を首にかけて誘うとか、そういう距離感ではやっていました。そこからアンクルピックみたいな形で。でも、触らない位置で誘うというのはやらないことですし、学生達も違和感があるようです。レスラーにとっては、触ることができない距離は気持ち悪いはずです」

──レスリングは闘牛同士の戦いですよね。

「アハハハハ。確かに。闘牛士がいない。闘牛✖闘牛ですね。だから、そこを踏まえてレスリングのスパーをやってみます。ただ久しぶりだし、思い切り押し切られることもあるかもしれないですけど、工夫をして進化をもたらせたいですね」

──MMAって気持ちの良い空間のやり取りは、他の競技よりも少ないかとも思います。以前、水垣偉弥さんとアライアンスに行った時に、ドミニク・クルーズの師匠であるエリック・デルフィエロにミットを持ってもらったのですが、『気持ち良くない。逆に気持ち悪いミットでした』と感想を述べていました。

「そうなんですね、ミットからそうなる。コーチがわざとやっているわけですね、凄いですね。でも、誘えるっていうのはMMAを始めて気付いたことです。だから逆に僕は上手い人とやると、誘われてしまことが凄く多いです。(アリアンドロ)カエタノ戦は自分が闘牛になって、変な位置から飛び込んで一発を貰ったし、野瀬(翔平)君との試合で一発を貰ったのも自分から突っ込んだ時です。

ガルシア戦で事故は無かったですけど、向うが2歩、3歩と下がった時に追う技術が自分にはなかったです。そこは頭を抱えました。今回、決まっていた相手もサークリングを多用するタイプで、シミュレーションをしたときに『あっ、コレ誘われてるわ』みたいなことに気付きました。そこでプレッシャーの掛け方とか、距離の潰し方を色々とやっている際中だったんです」

──その距離を潰せるようにならないと、上には行けない?

「そうッスね。アレを潰さないといけない」

──後ろも気にするし、前にも出ないといけないと。

「金網の中ではあの空間を支配しないといけないです。実際に戦うようになって、気付くことは多いです。僕はシミュレーションの1回、1回を本当の試合のようにやっているんで気付きは多いです。そして、これまで戦ってきたなかで気持ちが良かった瞬間を思い出す作業をメンタルコーチング・セッションとかでするんですけど。その時って前の空間と後ろの空間が把握できている瞬間なんです」

──おぉ。

「なんか細胞が、そうなっていて。あと2歩下がると金網だからとか、もう少し来たら外すとか」

──それが倫也選手は競技を戦っていて、できているということですか。相手の攻撃が見えるだけでなく、自分の動きを把握すると相手も自分のことも分かり過ぎて、動けなくなる。それが護身を目的とする武術を競技に用いる難しさだと理解してきましたが……。

「はい、はい、はい。そこを凄く探しているんです。頭がバババババババと凄く回っていて、凄く活性化して色んな展開を想定する。でも体の動き、速さには限界があるから。ワッと自分が攻撃した後の展開まで色々と考えちゃって動けなくなります。頭のモーターが早過ぎて、から回しているみたいな。

パッと拾って、その動きに繋げるにはどういう心理状態が良いのか。それを探しているとことですね」

──倫也選手、長い間は戦えそうにないですね(笑)。

「できないッスね(笑)」

──武術は生涯をかけてやるもので。そこと同じ精神状態を現役競技生活のなかで求める。いやぁ、凄まじいです。

「それを体現したいというのはあります。それが整っている時が統一体ですもんね」

──出たぁ、統一体。自身の体が最も整い、意志伝達が行きわたる。それでいて、特別ではない。無理をしない状態ですね。

「今、教わっているメンタルコーチングの方だったり、ちょいちょいストレッチスタジオでお世話になっている人たちって真理とか、法則を纏める人たちなんですよ。そういう人たちの言っていることで、一致することを拾っていく。格闘技でないところで生きている人の考えも、格闘技のシチュエーションで生きることに通じることがある。そこで、こう切り替えるのは格闘技の考え方と同じだ──とか。そういう人が統一体になることが、一番パフォーマンスを発揮できるという風に言っています。呼吸、姿勢、そこからですね」

──通じているのですね。

「人間は外見の動きだけでなく、内面と通じている。MMAを戦うようになって、そこが一番感じられることです。意識を向けたところにエネルギーは発生する。そこを凄く感じていて……僕はレスリング時代はコンディションがメチャクチャだったんです。今はそうでなくなったのは、そこを感じるようになったことも関係しています。

ずっと頑張って前へ、前へ、前へという人生を送ってきたので、自分の体って実際よりも前にあるという感覚になっていました。肩を動かそうと思ったら、本来はある位置よりも気持ちでは前に肩がある。気持ちが前のめりになっているので。そこから動かそうとすると、実際の肩の位置と距離があるから支点がズレてケガをする。

ストレッチをするのも、伸ばしたい場所を明確にする。本当にその箇所に意識をして伸ばすと、伸びも違います。そんな風に本当の自分の体の位置への理解が深まり、ケガも減りました」

<この項、続く>

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【UFC298】UFC二戦目。中村倫也のMMA学概論─01─「どこかのパーツを大きくしたということではない」

【写真】その跳躍力が、予想を完全に上回りフレームアウトしてしまった中村のバック宙(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」で中村倫也がUFC2戦目を戦う。
Text by Manabu Takashima

当初の予定ではブレディ・ヒースタンドと対戦予定だったが、負傷欠場でカルロス・ヴェラ戦が決まった。MMAPLANETでは中村が古巣である専修大学レスリングジムでトレーニングを行う日に取材が決まっていが、なんとその前日にヒースタンドの欠場の知らせがあった。

そこで対戦相手云々ではなく、レスリング練習、体創り、その体の生かし方など、MMAへの向き合い方とMMAを戦う自身との向き合い方を訪ねた。そこにはこれ以上ないほど求道的な中村だからこそ伝わってくる言葉が聞かれた。これこそが中村倫也のMMA学概論、だ。


──専修大レスリング場での取材となります。凄く綺麗な施設で、壁には吉田光雄さんや馳浩さんの写真が飾ってあるものばかりだと思っていました。

「ハハハハ。僕が大学の1、2年の時は古いプレハブ小屋で、長州力さんや中西(学)さんが学生時代に練習していた場所でやっていたんですけど、2015年からこのジムができて新しく綺麗な環境になりました。だから山北渓人だったり、僕や河名マストはここを使っていて、武田光司はここに移ってすぐに中退したんですけど、一応知っています(笑)。江藤(公洋)選手は、前のジムですね」

──社会人レスリング部が、レスリング場を持たないということを知りませんでした。

「そうですね。練習場所は母校に行くのが普通でした。企業も費用対効果を考えると、10人とかレスラーを抱えることはできないじゃないですか。採って3人とか4人になってしまい、そこに男女がいて階級も違う。そうなるとレスリング場を持つ意味がないですよね」

──倫也選手は社会人の時には、同じ所属企業の選手と練習をすることはなかったのですか。

「僕の場合は博報堂DYスポーツマーケティング所属で、男女1人づつしかいなかったです。だからスパーリングをするとか、そういうことはなかなかなかったですけど、ここに2人で来て同じ空間で練習はしていました」

──ALSOKなどレスラーや柔道家がたくさん所属しているイメージですが、練習場を持ってないのですか。

「持っていないですね。ただレスリングは今、学生でも全日本で表彰台にガンガンと上がってきています。やはり、距離が近くてガンガンやるので若い力が良い面に出ることが多いスポーツで。だから例え社会人でチームができるような環境があっても、大学のレスリング場を選ぶ人が多いと思います。学生と毎日ガンガンやっていくような」

──では倫也選手はMMAを始めてから、母校で練習する機会というのは?

「メチャクチャ減りました。年に数えるぐらいしか、来ていないです。転向して1年目とかは、2週間に1度ぐらいきていたのですが、最近はほぼピュアレスリングの練習はしていないですね。去年で7、8回ぐらいです。それも試合前に集中して」

──それを今日、来ているのには理由があるのですか。

「技術的なところでいうと、凄く近い距離での組手とテイクダウン狙い。そこに付随する駆け引きも凄く速いから、妥協している暇がないんですよ。組みに対してMMAだと『ここは一度、差しあげてホールドしておこう』という展開があるんですけど、そんなことをやったら強烈に攻められてしまいます。結果、妥協しないで次、次、次と動いて、どうバックを取るかなどを体が思い出します。すると次の練習も速い展開に持っていけるようインプットがされます。

技術とか体力とかでなく、体を整える。月に1回と分散して来るのではなくて、試合前に集中して来るとガンガンとやる感覚を思い出せます」

──その感覚を思い出すと、MMAでの動きが変わるのですか。

「そうですね、打撃面でも生きます。ここは言葉では説明し辛いところなんですけど、良いパフォーマンスが出るところに持っていきやすいんです」

──それでも週に一度というように、定期的に来るモノではないのですか。

「そうしようと思ったこともあったんですけど、MMAにおけるケガをする瞬間って強い打撃を受けること、それかテイクダウンされた時の際だと思います。そのケガをする状況ばかりなんです、ここでレスリングの練習をするということは。ケガのリスクがあることを理解して、ここには来ないといけないので」

──倫也選手が母校に戻ってきてレスリングの練習をするのと、レスリングの経験がほぼない選手が大学のレスリング部で出稽古を行うのは目的が違うということですね。

「そうですね。僕は今のレスリングの技術は一通り持っているので、そこを磨くとかではない。投げを打つときの感覚を、もう1回体にインプットしたいという理由でレスリングの練習をしています。あと学生なんで、彼らは体力がありますからね」

──倫也選手を食ってやろうとガンガン来ますか。

「ハイ。しかも、知恵があるので疲れたところに来ますからね(笑)。逆にそうでないと、来る意味がないので」

──そのようななか、対戦相手ブレディ・ヒースタンドが欠場。このビックリニュースが昨日伝わってきました(※取材は1月12日に行われた)。いずれにせよ、試合間隔を半年開けたのは倫也選手の意志だったのですか。

「いえ、12月に戦おうと思っていました。ただ、前回の試合で足を骨折して。変なところをケガして、完治したというのを連絡していたのですが、『相手が見つからない。年を跨いで良いか?』という返答だったんです。なら1月でも良いという考えだったのが、2月になった形ですね」

──12月の上海大会に関して、倫也選手は出場を狙っていたのでしょうか。

「上海じゃなくて良い……いっちゃうと、上海は嫌でした。乗れなかったです。ビザとか取るのが面倒くさそうで(笑)。しかも、大会があるとかないとか……なって」

──なるほど、です。ではデビュー戦を終えた時に、バンタム級としては小さい。体創りをしていくという発言もありましたが、その辺りは?

「ハイ。思っていたように体はできています。普段の体重も1.5キロほどでしたけど、増えています。実はもっと増やそうとして、体が浮腫んだりしたので抑えたんです。もともと筋肉も脂肪も付きにくいタイプなのでゆっくり時間をかけていっていて……も、パワーもついてきています」

──倫也選手は繊細に体を創ってきているイメージがありますが、この1.5キロの差というのは如実に表れるものなのでしょうか。

「続きますね、動きが。これまでは同じ質力でも足に来だしたというのがあったのが、もっとポンプできるなって。多分、筋肉量が増えたのだと思います。でも、どこかのパーツを大きくしたということではなくて、足から力を伝えて全身に連動させてモノを投げたり、人を投げたり、ぶつけたりをドンドン重ねてデカくしてきました。そういう創り方がしたかったんです」

──心肺機能の方は?

「必然的に少し上がっています。体を大きくするというのは、体力を使う作業なので。ハイ、体力はつきました」

──その体力がレスリングや打撃、つまりMMAに生きている実感は?

「それが……やっぱ、そんなに上手くいかなくて。打撃では、ちょっとケツの引き込みが甘くなっているとか。自分では気づいていなかったことなんですけど、外から見てもらった時にズレが発覚して。で、自分のなかでも『これで良かったっけ?』、『良いような気がする』、『でも良くないような気もする』という風に違和感もあって。それを岳(大宮司トレーナー)さんに指摘してもらえたので。そこから修正するような動きに変えたりしています」

──つまり……。

「違いが出てきているということですよね。でも……格闘技として生きるポイントとしては持続力がついた。これで一発の威力が上がったという風に捉えるのは良くない。そういうスポーツだと、感じているところです」

<この項、続く>

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