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【UFC298】中村倫也と対戦、カルロス・ヴェラ「テコンドーは何よりも速く。ライアンの柔術は誰とも違う」

【写真】両者とも135.5ポンドで計量を終えている(C)MMAPLANET

明日17日(土・現地時間)にカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」で中村倫也と戦うカルロス・ヴェラ。
Text by Manabu Takashima

3週間前の代役オファーを受けたヴェラは、MMA界で最高のテコンドー使いのタン・リーの盟友で、MMA界随一の50/50ガードの使い手であるライアン・ホールの指導を過去7年に渡り受けてきた。ヴェラ曰く「多くの選手がリンヤとの対戦を避けてきた」なかで、彼がスクランブルで出場を決めたのは、長年のテコンドー歴と濃密なグラップリングの指導を受けたことにより、他の類を見ないMMAを成形してきたからだ。

立っても寝ても異端のヴェラが口にした中村倫也戦の自信とは。


──カルロス、ファイトウィークにインタビューを受けてもらってありがとうございます。

「実はジムに行って汗を流そうと思ってUberで移動中だけど、取材してくれて感謝しているよ」

──そんな時に……こちらこそ、感謝しています。今週末、UFCデビュー戦で中村倫也選手と戦いますが、今の気持ちを教えていただけますか。

「凄く調子は良いよ。もともとリンヤ・ナカムラと対戦予定だった選手が欠場になり、僕がこの試合を受けたのは3週間前だった。聞くところによると、リンヤが凄くデンジャラスな相手になるから多くの選手が対戦を嫌がったというんだ。そんな相手だからこそ、戦い甲斐があるってものだよ。普段からしっかりと練習をしているし、試合が決まってからも十分に準備をすることができた。あの時点で、十分に戦うことができるという確信があったからリンヤとの試合に合意したんだ」

──カルロスのバイオを見ると、エクアドル人となっていますが、英語にスパニッシュ訛りも余り感じられずアメリカン・アクセントですね。

「生まれたのはエクアドルだけど、子供の時にルイジアナ州ニューオリンズに移り住み、6年前からフルタイムのMMAファイターとしてワシントンDCで暮らしている。もう米国にやってきた30年になるよ」

──ニューオリンズでテコンドーの経験があり、しかもMMAファイターで現在は50/フィフティージムに所存しているということは、もうONE暫定世界フェザー級王者のタン・リーと関係していないわけがないですね?

「その通りだよ(笑)。4歳の時からタン・リーのお父さんであるタイ・リーが開いたムーンカレッジでテコンドーを習って来た。30年に渡りテコンドーを続け、多くの蹴りとコンビネーションが僕のファイトの根幹をなしている。

タイ・リーにテコンドーを習い、タン・リーとは長年の練習仲間であると同時に彼もまた僕の指導者の1人だ。もう兄弟のようなもので、MMAも同じ時に始めたんだ」

──50/フィフティーへの移籍はタン・リーがTUFで親密になったライアン・ホールのところで練習をするようになったからですか。

「TUFの収録が終わってタン・リーがルイジアナに戻って来た時、その前と比べると10倍は彼の柔術が良くなっていた。驚いて『何があったんだ?』って尋ねた。そうしたらタン・リーがワシントンDCでライアン・ホールと練習すべきだと。すぐにワシントンDCに向かったよ。ライアンはまるで魔法使いのようだった。素晴しい柔術家で、素晴らしい指導者、そして最高のMMAファイターだった。ライアンが僕のマーシャルアーツキャリアを変えてくれた。

僕とリンヤの試合から2週間後にタン・リーも王座統一戦でタン・カイと再戦する。僕自身、リンヤ・ナカムラという相手に自分を試す機会が巡ってきた。運命的なモノを感じるよ」

──タン・リーはライアン・ホールとの出会いのあとも、テコンドーを全面に出したファイトですが、カルロスはMMAでもそれこそ50/50から足関節やリバーサルを狙い、またギロチンでフィニッシュするなどグラップラーのような戦い振りを見せています。

「僕は今でもテコンドー・ファイターだよ。多くの選手が僕らのようなトリッキーな動きを嫌がる。なぜなら、僕らが戦う角度は凄く相手にフラストレーションを与えるからね。そして彼らの解決策は、組んでテイクダウンを狙うことになる。以前の僕なら、リンヤ・ナカムラと立ち技で戦うとしただろう。なんせ、彼はU23の世界チャンピオン・レスラーだからね。

とてもパワフルなレスラーで、しかもKOできる打撃力もある。僕が望む相手だ。パワフルな打撃とレスリングの持ち主が相手なら、移動とボクシングとキック、そして柔術と僕の力がフルに発揮できる。勿論、リンヤを軽視することはない。でもリンヤがテイクダウンを仕掛けてきても平気だ。グラウンドも今や僕の庭になった。立っても、寝ても、どちらでもリンヤと戦うことができる」

──中村選手はケージのなかで50/50を経験したことはないと思います。どれだけ自信を持って寝技を戦うことができるでしょうか。

「自信の根源は、トレーニングだ。打撃、柔術、レスリングを毎日練習してきた。もちろん、僕のレスリングはリンヤとは比べものにならないほど稚拙だ。彼はワールドクラスだからね。彼とレスリングでやり合おうとは思っていない。でもさっきも話したように、僕は4歳の時からテコンドーをやってきた。キックして動く、加えて7年間懸命に修得してきた柔術がある。

彼がどれだけグラウンドができるのか、分からない。彼のテイクダウンとコントロールは素晴らしいと皆が言っているけど。うん、そうだね……。重ねて言うと、僕はしっかりと練習を続けてきた。グラップリングもそうだし、打撃でも自信を持っている。リンヤは危険なファイターで、技術力の高さも、パワーも認めている。だからこそ、僕の特性を生かしたトリッキーなファイトで彼と戦う」

──距離と間合いが鍵を握って来そうです。

「同意するよ。距離は凄く重要になる。つまりはリズムとタイミングの勝負でもある。テコンドーのタイミングとフェイクは他の比べるものがないほど速い。ムエタイはパワフルだけど、遅い。テコンドーはパワフルで、ずば抜けて速い。リンヤがこの速さにどれだけ対応できるのか、とても興味深い。そして彼がテイクダウンを狙った瞬間から、僕の庭に足を踏み入れることになる。色々な仕掛けを用意しているよ。

まず打撃、そしてテイクダウンがくればゲームプラン#02だ。柔術ゲームを仕掛ける。ライアン・ホールに習った僕の柔術は普通の柔術ではない。色々と違った仕掛けがある。彼のこれまでの試合のグラウンドと同じようになることはない。テコンドーは何よりも速く。ライアンの柔術は誰とも違う。リンヤは凄く戦いづらくなるだろう」

──カルロス、練習前に本当にありがとうございました。日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本の皆、僕は心からリンヤのことを尊敬している。そして、ずっとK-1とPRIDEを見てきた。リンヤ・ナカムラには侍スピリッツが宿っている。僕にはエクアドルの先住民の魂がある。先住民には多くの戦士がいた。リンヤのなかのウォリアーと僕のなかにいるウォリアーが、ケージのなかで尊敬心と勇気を持って戦う。その結果、最高のアグレッシブな試合になるに間違いない」

■視聴方法(予定)
2月18日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

■対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者] イリャ・トプリア(ドイツ)

<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウティカー(豪州)
パウロ・コスタ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール(米国)
イアン・ギャリー(アイルランド)

<バンタム級/5分3R>
マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
ヘンリー・セフード(米国)

<ミドル級/5分3R>
アンソニー・ヘルナンデス(米国)
ロマン・コピロフ(ロシア)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
マッケンジー・ダーン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マルコ・ホジェリオ・デリマ(ブラジル)
ジャスティン・タファ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
中村倫也(日本)
カルロス・ヴェラ(コロンビア)

<ウェルター級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
ブレジソン・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・クィンラン(米国)
ダニー・バーロウ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴァル・ウッドバーン(米国)
オーバン・エリオット(英国)

<女子フライ級/5分3R>
アンドレア・リー(カナダ)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

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【Gladiator CS01】フライ級Tでチェ・ドンフンを迎え撃つ和田教良─01─「何も執着するものはなくなった」

【写真】和田教良、35歳。これが男の生き様だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」で、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準々決勝として和田教良が韓国のチェ・ドンフンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

現在は名古屋市千草区の今池で『ガイオジム』を運営している和田だが、もともとは京都出身だ。その和田が京都で格闘技を始め、名古屋市に拠点を移した経緯を訊くと――黒星先行から、2022年に入ると4勝2分と無敗を貫いている理由が明らかになった。


――2月16日にチェ・ドンフンと対戦する和田選手です。公式記録としては2012年5月のDEEP大阪大会でプロデビューしていると考えると、MMAキャリアも12年近いベテラン選手です。

「2012年5月……まぁ、そうみたいですね(苦笑)」

――「そうみたいですね」というのは?

「実は僕自身がよく分かっていないんです。あの時は、たまたまDEEP大阪大会に出たという感じで。当時の関西のMMA大会にはセミプロ枠もあったし、どの試合がプロデビュー戦なのか曖昧じゃないですか」

――確かに。和田選手がMMAを始めたのは、いつ頃なのでしょうか。

「最初は京都だったんですよ。京都で濱村健さんと深見智之さんに教わっていました」

――CMA京都成蹊館ですね。

「中学2年の時、成蹊館に通い始めました。昔からプロレスファンで」

――中学生の時ですか! 当時からMMAを……。

「その時は空手の練習が中心でした。まだMMAとかは全然意識しなかったです。でも中学を卒業したあと柔道をやりたくなって、受験もあったので成蹊館を退会しました。で、高校で柔道部に入り、高校卒業時に成蹊館へ戻ろうと思ったらジムがなくなっていたので、ピュアブレッド京都(現MIBURO)に入りました」

――では格闘技キャリアとしては、もう20年以上ということになるのですね。

「それがまた違っていて……僕って結構、精神的にブレがあるんですよ」

――精神的なブレとは、どういうことでしょうか。

「消防士になりたいと思って格闘技から離れ、試験勉強をしたけど結局は無理でした」

――ジェットコースターのような展開なので、一度整理させてください(苦笑)。まず中学卒業時に柔道をやりたくなった理由は何だったのでしょうか。

「その頃にはMMAに興味を持ち始めていて。当時はPRIDEで吉田秀彦選手や、吉田道場の選手が活躍していたじゃないですか。『柔道をやったらMMAでも強くなるんか!』と思いました。でも、いざ柔道を始めても僕は弱くて――部活動も『柔道をやっていた』と言えるほどじゃなかったです。柔道場の隅っこで足払いばかり練習したり、とか。MMAを始めてから投げ技が得意になりました(笑)」

――アハハハ。現在のファイトスタイルのベースは、間違いなく柔道部に入っていたおかげでしょう。

「そう思います。高校を卒業したあと、大学に入ったあとピュアブレッド京都に入会しました。ピュアブレッドにいたエダ塾長さんが消防士で、僕も消防士になりたいと考えたんですよ。消防士として働きながらプロのMMAファイターになって――という計画だったのですが、消防士の試験に落ちました。当時は僕もよく分かっていなくて、消防士になってからMMAでプロデビューしていたら、もっと大変だったでしょうけど。

消防士の試験に落ちたあと、その時にはピュアブレッド京都も今のMIBUROになっていて。ただ、僕は環境を変えたいと思ってパンクラス稲垣組へ行き、1年ぐらいお世話になりました。それが2013年ぐらいの話です」

――2013年ということは、もう試合に出始めていた頃ですね。

「プロデビューの時はMIBUROで、そのあとパンクラス稲垣組からアマ修斗に出るようになりました。2014年に全日本アマチュア修斗フェザー級(現バンタム級)で優勝し、修斗でプロ昇格したんです。だから僕の中では、プロデビュー戦って2016年12月の秋葉大樹戦(1R一本負け)やと思っています。あと僕のことを『超ベテラン選手』と書かれることも多いけど、そんなに試合もしていなくて」

――秋葉戦でプロデビューしたとすると、ここまでの戦績は7勝4敗2分です。2016年から8年間で13戦というのは、決して多くはありません。

「だから年齢的にはベテランですけど、試合数はベテランじゃないという(笑)。まず食い扶持を見つけてからプロMMAファイターになろうと思っていました」

――しかし消防士にはなれませんでした。かといってMMAの試合だけで食えるわけではない。当時はどうやって食いつないでいたのですか。

「大手ドラッグストアチェーンでアルバイトをしていました。それなりの稼ぎにはなっていて――僕、登録販売者の資格を持っているんですよ」

――登録販売者とは、ドラッグストアなどで医薬品を取り扱うことができる国家資格ですよね。

「はい。だから当時は時給も良かったです」

――和田選手はプロデビュー後も勝ち負けを繰り返すキャリアを送っていました。一方で登録販売者の資格を持ち、時給も良い。となると、MMAを続けるかどうか迷いませんでしたか。登録販売者の資格を生かして専業になれば、もっと稼ぎは増えるでしょう。

「迷うというか……結局は自分が何をしたいんか、よく分からなかったです。それは今も同じなんですけど(苦笑)」

――当時は京都、大阪で活動していた和田選手が、名古屋に拠点を移したキッカケは何だったのですか。

「食い扶持を探していたのも当時、名古屋にいる女性と遠距離恋愛をしていて、その女性と結婚したかったからなんです。結婚するためには、正業を持たないと難しい。それで名古屋に引っ越し、こちらで正社員として就職しました。でも就職した会社で働き始めると、最初に聞いていた条件と違っていたから数カ月で辞めて。また格闘技に携わりたいと思って、TSジムでトレーナーとして働き始めました。

指導は週1~2回ぐらいで、自分もまた試合に出たい気持ちが強くなったんです。そこでTSジムの選手練習に参加するようになり、春日井“寒天”たけしさんと知り合って、志村道場さんでも練習させてもらうようになりました」

――名古屋へ引っ越した後に会社を辞めて、ジムの指導も週1~2回ということは、収入は厳しくなかったですか。

「そこは登録販売者の資格を使って仕事をしていました」

――強い資格ですね! 一方、プロMMA選手としての活動に執着はしていなかったのでしょうか。

「当時は自分がプロ選手として、どうこうというのは考えていなかったです。試合に出ながら、指導で生計を立てていきたい。だけど自分のジム(ガイオジム)を立ち上げたあと、名古屋に来たキッカケだった彼女と結婚したけど離婚してしまって(苦笑)。

そこからです。もう何も執着するものはなくなった。自分には格闘技しかない、好きなことをして生きよう――そう考えると調子も良くなり、無敗で今に至っています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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【RIZIN46→LANDMARK9】神戸大会はケージ仕様に。ライト級王者サトシがK太郎とノンタイトルで激突

【写真】サトシと対戦する中村K太郎は通常営業のポーズ(C)MMAPLANET

31 日(水)、東京都内で、3月23日(土)に兵庫県の神戸市ワールド記念ホールで開催されるRIZIN46改めRIZIN LANDMARK9の追加カード発表記者会見が行われた。
Text by Shojiro Kameike

会見の冒頭で榊原信行CEOから、当初ナンバーシリーズとして発表されていた今大会がLANDMARK=ケージを使用する大会となることが発表された。会見で発表されたMMAルールの試合は、ライト級=ホベルト・サトシ・ソウザ×中村K太郎(ノンタイトル戦)、ウェルター級=イゴール・タナベ×ストラッサー起一、フライ級=山本アーセン×柴田MONKEY有哉、フェザー級=久保優太×高橋遼伍、バンタム級=金太郎×ダイキ・ライトイヤー、フライ級=中村優作×アルマン・アシモフ、ヘビー級=貴賢神×コーディー・ジェラベック、フェザー級=高木凌×西谷大成の8カードだ。


キックボクシングルールの試合も組まれ、70キロ契約=憂也×蛇鬼将矢、56.5キロ契約=赤平大治×吉岡雄希、57.5キロ契約=松山瞬×櫻井芯、53キロ契約=野田蒼×上村雄音の4カードが発表されている。また。2月24日(土)にSAGAアリーナで開催されるRIZIN LANDMARK8で矢地祐介と対戦予定であったキム・ギョンピョがヒザ靭帯の負傷により欠場となり、白川陸斗が矢地と対戦することとなった。

ここからは会見での挨拶と、MMAPLANETからの質問に対する回答を書き記したい。

ホベルト・サトシ・ソウザ
「最近は試合をしていないけど、今年も頑張ります。RIZINのライト級でもっと面白い試合を見せたいから、今年ももっと頑張ります。(K太郎が兄のマルキーニョスに勝っていることについて)絶対にその質問が来ると思っていた(笑)。でも私は全然気にしていない。兄も『良い試合になる。絶対に勝てる』と言っているから」

中村K太郎
「サトシ選手という強い相手とライト級で戦えるのは光栄です。頑張ります。(かつて兄のマルキーニョスに勝っていることについて)今、言われるまで僕も言えていなかったのですが、事あるごとに『マルキーニョス、俺に負けているぞ』と言ってやろうと思います。試合中もボソボソ『マルキーニョス、俺に負けているぞ』と言って、メンタルを乱してやります」

イゴール・タナベ
「今回の相手は日本から世界で活躍してきたストラッサー起一選手ですが、自分が世界一になるためには必ず越えなければいけない壁です。必ず1Rで一本を極めます」

ストラッサー起一
「自分は24歳の時にド素人で格闘技を始めました。当時は『UFCに行く』と言って、みんなにバカにされながら、それを糧にして頑張ってUFC、Bellator、RIZINで戦ってきました。42歳の今でもRIZINのチャンピオンを目指しています。『もうできひん』『もう引退しろ』という声もあります。その言葉を力変えて、しっかりイゴール・タナベ選手を倒し、30~50代の方に勇気とか感じてもらえたらと思います。熱い試合をします」

高橋遼伍
「自分は今まで海外で試合していたのですが、ずっとRIZINに出たかったので念願が叶いました。自分は実家が明石で、神戸は隣町なので、地元開催という一つで二つ美味しいことが起こりました。今このキャリアになっても新しいことにチャレンジできるのが、凄く嬉しいので、しっかりRIZINを盛り上げたいです」

久保優太
「対戦相手の高橋選手は、RIZINファンの方は聞きなれない名前の選手かもしれません。修斗のチャンピオンで、ONEでも活躍していて、トップクラスの選手だと思っています。その選手に挑戦できるのは、凄く嬉しいです。常々言っているとおり、僕はRIZINのチャンピオンになることが目標です。この勝利が目標達成のための第一歩になると思っています。自分の格闘技人生の集大成を見せたいです」

西谷大成
「去年の6月、北海道で大きな花火を打ったのですが、うまくいったかどうかは結果的によく分かりません。今年初めての試合ということで、気合い入れて練習してきました。今回も跳びヒザで勝てるように頑張ります」

高木凌
「前回は負けて、イチから全て見直してきました。西谷選手は自分との試合の前にブレイキングダウンに出るみたいで、そこはサクっと勝ってもらわないと困ります。跳びヒザで勝つと言っていますが、跳びヒザで来たら右でブッ倒すので楽しみにしておいてください」

山本アーセン
「自分は寝技の相手には良いところを見せて最後に負けたりだとか、良い結果を出せていないので。今回も黒帯だと聞いているので、自分の壁を超えて、しっかり1Rで終わらせられるように頑張って、また本戦に呼ばれるような選手になろうと思います」

柴田MONKEY有哉(コメント代読)
「まず初めにDEEP佐伯代表、DEEP関係者の皆さん、RIZIN関係者の皆さん、僕を起用してくださり、ありがとうございます。僕の夢はPRIDEです。そして、現在に蘇ったPRIDがRIZINだと思っています。そんなRIZINで、レスリングの世界を獲ったアーセン君と戦えることは、異種格闘技戦に近いPRIDEのような戦いができるんじゃないかとワクワクしています。RIZIN初参戦ですが皆さん、応援のほど宜しくお願いします」

ダイキ・ライトイヤー(コメント代読)
「前回に続きオファーを下さったRIZINの関係者の皆さん、ありがとうございます。3月23日は自分の地元・神戸でのRIZIN開催です。そして対戦相手が金太郎。試合が面白くならないはずがありません! 自分も大人しくしているつもりはないので、金太郎選手をしっかり倒して、会場も、神戸も、RIZINも盛り上げようと思っています。修斗で積み上げてきたものを全て出しきり、必ず勝ちます! 神戸の皆さん、ダイキ・ライトイヤーの応援よろしくお願いします!」

金太郎
「この1年、格闘技にしっかり向き合ってきました。次の試合で、その成果を見せます」

榊原CEO
「神戸は追加でキックの試合を1試合、2試合追加できるかなと思います。神戸と佐賀、LANDMARK2連戦で、この2024年シーズンを占うような、シーズンを引っ張ってくれるような選手が誕生してくれると嬉しいです。今年も10大会ぐらいを予定しています。そこに参戦していただく機会も増えるかと思います」


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45 AB Column F1 o ONE PRIDE   クレベル・コイケ ホベルト・サトシ・ソウザ

高田延彦とヒクソン・グレイシーが再会し柔術トレーニング「濃密で至極な時間」

覚悟の言葉 悩める奴らよでてこいや! (ワニブックス〈plus〉新書) [ 高田延彦 ]


 2024年1月28日、髙田延彦が米国カリフォルニア州ロサンゼルスで、ヒクソン・グレイシーと柔術家として、再会した。

 インスタグラムに「LAを訪れ Mr.ヒクソン・グレイシーの指導を仰ぐ」と記したように、髙田は、ロサンゼルスのヒクソンのスタジオを訪問。柔術衣をまとい、ヒクソンの指導を受けた。

 ヒクソン戦から20年が経ち、髙田はさまざまな折り合いをつけて、柔術を本格的に習い始めた。

 ヒクソンの黒帯のアラバンカ柔術アカデミーの山田重孝代表と交流し、ボンサイ柔術では、ホベルト・サトシ・ソウザや、クレベル・コイケらとも柔術衣を着てトレーニングする姿が見られている。

 今回のヒクソンのジム訪問は、山田代表との出会いがきっかけだった。

「もともと髙田さんと私は関係が古く、髙田さんが柔術を始めて数年が経ち、柔術を通してさらに関係が深まりました。ヒクソン先生に黒帯を貰っている私は、世界一の柔術の先生と髙田さんを引き合わせたく、相談したところ、髙田さんも『是非、ヒクソンさんにお会いしてご指南してもらいたい』との事だったので、2年ほど前からヒクソン先生にお願いして、お話を通し実現しました」(山田)

 年が明けた1月、髙田はヒクソンのもとを訪れ、柔術衣を着て、向き合った。

 山田代表は、黙々と柔術する両者を、「かつて闘った同士でしたが、お互いを認め合ってすごく友好的でいい感じでした。道衣を着て稽古が始まったときからいつも通り、エリオ先生の写真に礼をして、お互いに礼をして始まり、何も特別な事はありませんでした。柔術に関してヒクソン先生は、誰にも特別扱いはしません。

 髙田さんもヒクソン先生をすごく尊敬していて、柔術のテクニックを一つ教えてもらうたびに、ため息をついて──それは私も同様です。手解きしてもらった初日でした」と、明かす。その指導は、技術のみならず、柔術を人生で活かすことに繋がるものだった。

「ヒクソン先生も情熱的に指導してました。会話は全て柔術の話。例えば髙田さんが先生の柔術は奥が深い、深い、と感心してヒクソン先生に話すと、ヒクソン先生は『柔術は普段の生活にも活かせる』と、人生のなかに柔術があることを説明していました。テクニックなどの動きだけでなく、呼吸法など、世の中の黒帯の教え方とは全く違う異次元の伝達方法で、今回初めてだった髙田さんはとても刺激を受けていました」(山田)







 『PRIDE.1』と『PRIDE.4』の対戦をリアルタイムで見ている者としては実に感慨深いです。

ヒクソン・グレイシーがパーキンソン病を告白も「これも神からのギフトだ」「あまり気にしていない」と達観(2023年06月22日)

 半年前にヒクソンはパーキンソン病を告白していますが、元気そうに何よりでした。続きを読む・・・
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45 AB ABEMA DREAM MMA MMAPLANET o PRIDE TOP BRIGHTS TOP BRIGHTS01 堀口恭司

【TOP BRIGHTS01】堀口恭司EPの大会総括から──「子供達に夢を与えていきたい」

【写真】とにかく明るく大会を振り返った。この人間力が、TOPBRIGHTSを大化けさせるかもしれない(C)MMAPLANET

「やって良かった」。21日(日)に群馬県太田市のオープンハウスアリーナ太田で開催されたTOP BRIGHTS01終了後の共同会見で、堀口恭司エグゼクティブプロデューサーはまず感想を述べた。
Text by Manabu Takashima

続けて堀口EPは「現役生活はもう長くない。次のスターを創っていきたい。その候補はいても1試合だけでは、何とも言えないから、色々な選手を見ていきたい。2回目は間を置かず、ポンとやりたいけど自分の試合の都合もあるので調整する」と次回大会にも言及した。

その第2回大会の開催地は「まだ考えていない」ということだが、大きな会場に拘りたい意向を明らかにしていた堀口EPの会見から、MMAPLANETの質疑応答を切り取ってお届けしたい(要約)。


──ケージの中でファンの皆に悲しい想いをさせてと謝罪をしていましたが、あれはどういうことだったのでしょうか。

「まぁ悲しいというか、こちらサイドもSNSだとか手が回らないところがあって。自分がファイターとして注目度が今はちょっとあるじゃないですか。それに見合っていないような形になってしまって──TOP BRIGHTSの宣伝とかが」

──正直、イベントはもっとズンドコになるのかと思っていましたが……。

「ズンドコって?」

──ドタバタというか。

「スーパー・ドタバタですよ。マジで」

──試合時間が短かったこともあってか、非常にサクサクと進行して興行的な粗は出ていなかったかと思いました。

「自分もそう思いました。裏方の方が、タイムスケジュールをパッパッパッパっとこなしてくれるようなプログラムを組んでくれて。多分、観客側も『こんなにスピーディーにできるんだ』と驚いたかもしれないですね。そういう風に皆に喜んでもらえる──スピーディーにやっていきたいです」

──集客は難しい部分もあるかと思いますが、堀口選手がTOP BRIGHTSでやって行きたいこととシンクロしていたのが、子供たちの声が多かったことかと感じたのですが、その辺りはいかがでしょうか。

「そうですね、自分がPRIDEだったりだとかDREAMだったりとかに夢を貰ったので。会場に来てもらって、子供達に夢を与えていきたいです」

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AB F1 MMA o PRIDE RIZIN YUKI   その他 エメリヤーエンコ・ヒョードル ジェイク・ポール ブログ

榊原信行CEO、アンデウソン・シウバと交渉していることを認める「彼との関係性は続いてますし、いつでもドアはオープンです」

無敵のドラゴン [ マックス・チャン、アンデウソン・シウバ ]


アンデウソン・シウバ「最後の試合はMMAで、場所は日本になるかもしれない」「RIZINやその他の団体と話をしている」(2022年09月23日)

アンデウソン・シウバ「MMA最後の対戦相手は桜井”マッハ”速人がいい」「ジェイク・ポール vs. ネイト・ディアスの勝者と対戦したい」(2023年04月20日)

アンデウソン・シウバ「MMAラストファイトについて日本の団体と交渉している」(2023年06月17日)

 こちらの続報。アンデウソン・シウバは1年半前からMMAラストファイトを日本でしたいとコメントしていましたが、


 榊原信行CEOがアンデウソン・シウバについて以下のコメント。

「アンデウソン・シウバは我々の団体(PRIDE)で試合をしてくれたことがあります。関係性はずっと前まで遡ります。質問の回答はイエスで、私たちは話をしました。しかし…彼が何かアイデアを持っていて、私たちが本当に何かをやりたいと思えば、いつでもドアは開いているし、いつでも話は聞きます」

「アンデウソンとの関係性は続いてますし、詳細についてはあまり話せませんが、機会があり、それが理に適っていれば、いつでもそれを実現する準備はあります」

「RIZINのコンセプトのひとつは、レジェンドファイターたちが最後の試合をするプラットフォームを提供すること、そして彼らに敬意を払って辞めていく姿を見せることです」

「(エメリヤーエンコ・ヒョードルがもう一度日本で試合をする可能性について尋ねられ)その可能性を除外するつもりはありません」

「もちろん五味隆典が引退を決意し引退試合を望むなら、喜んでブッキングし、喜んで大会を開催し、プラットフォームの機会を提供します。私たちのコンセプトは、レジェンドファイターに手を差し伸べることです。いつかオールドスクールのファンを熱狂させるような対戦が実現するかもしれません。将来的にその可能性は間違いなくあります」


 1年半前から話をしていて、この曖昧な回答ですから、あまり期待しない方がいいかも? ヒョードルについてはこう回答するしかないでしょうし、五味については来年ですかね。続きを読む・・・
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【RIZIN】五味隆典 大晦日に嫌がらせみたいなオファーを受けた事を投稿

2023年大晦日に開催されるRIZIN.45の追加対戦カード発表記者会見を明日に控え、選手同士のSNSでのやりとりが加速する中、五味隆典が自身のXを更新。RIZINからオファーを受けた事を明らかにしました。

嫌がらせみたいなオファー。。。これまでも大晦日の大会直前で皇治、那須川天心とのボクシングマッチを行ってきた事を考えると、今回も大物と!?と邪推するのがマニアの悲しい性。来場を匂わせているフロイド・メイウェザー、木村フィリップのドーピング陽性反応で試合が流れた安保瑠輝也、そして師弟関係のある鈴木千裕とのエキシビジョンマッチを妄想しているはずです。

PRIDE時代のビッグネーム、そして大晦日男の参戦は大会に花が咲いて盛り上がると思いますが、いかんせん一線を退いた選手。準備期間も短く、試合はどうしても顔見せやお手合わせ、賑やかし的な意味合いが濃くなるのは間違いありません。

それであれば安保にも鈴木にもヒリヒリするような現在進行形の選手を当ててほしい。特に鈴木はウガール・ケラモフとの試合で負傷した拳の怪我を完治させるため、無理に出場させる必要もないでしょう。そう思っていたら五味が新たな投稿。午前中のイベントに3万円でオファーを受けた事とそれを断った事を明らかにしました。

この投稿は大晦日での試合を指しているのか判然としませんが、RIZINと五味の間で何らかの交渉が行われているようです。果たして鬼が出るか、蛇が出るか。恐らく明日の記者会見で明らかになるはず。そして平本蓮とYA-MANの舌戦の行方は。見逃せません。
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【TOPBRIGHTS】松嶋こよみ カルシャガ・ダウトベックと対戦!

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2024年1月21日に群馬県のオープンハウスアリーナ太田で開催されるTOPBRIGHTS.1の追加対戦カードとして松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)×カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン/タイガームエタイ)のフェザー級ワンマッチが発表されました。

松嶋はONEを主戦場にした後にROAD TO UFCにも出場した実力者。その後もUFC出場を見据えて今年はDEEPに参戦していました。それがまさかTOPBRIGHTSに参戦するとは。。。意外な気もしますが、UFC出場を目指す上で単発で参戦出来る大会は貴重だったのかもしれません。

しかも、試合はUFCにアピールする上でモノを言いそうな国際戦。ダウトベックはボクシングをベースにしたストライカー。2018年にRIZIN朝倉未来に判定負けを喫しましたが、今年はカザフスタンでのAlash Prideを主戦場に3試合連続1R KO勝ちと波に乗っています。

9月にはUFCに出場経験のあるディエゴ・ブランダオンをハイキックからフックでダウンを奪ってパウンドアウトした試合は印象的。同じく打撃がキレる松嶋との対戦はヒリヒリした緊張感のあるものになりそう。松嶋はアピールする上で負けられない一戦を迎えます。

その他にもグレイソン・チバウ(ブラジル/アメリカン・トップチーム)×キム・ハンスル(韓国/コリアンゾンビMMA)のMMAマッチが決定。堀口恭司プロデュースたる所以かだいぶ国際色豊かな大会になってきました。

後は大会を観戦しに行くべきか。良いカードもある反面、大半はキッズや育成枠の試合。そして群馬という開催地。チケットも決して安くはないしな。。。配信を激しく希望します。
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【Special 】K-MMA、2023年・秋。修斗で岡見勇信戦、キム・ジェヨン「衰えたという声に負けない」

【写真】この試合に向けて取材後に米国で練習をしてきたという話も伝わってくる――キム・ジェヨンだ(C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。遅まきながら第二弾は12月2日(土)に東京都江東区の豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦=FIGHT&MOSHで岡見勇信と戦うキム・ジェヨンの声をお届けしたい。

MMAデビューは2004年2月――キャリア19年、K-MMA界の生き字引といえるキム・ジェヨンにとっての岡見勇信戦とは。


――12月2日に修斗で岡見選手と戦うことが決まりました。今の気持ちを教えてください(※取材は10月25日に行われた)。

「岡見選手のようなメジャーなファイターと戦うことは、自分の格闘技人生のなかで、一番のチャンスが来たという感じです。岡見選手と戦える日が来るとは、全く期待をしていなかったので。これが2年振りの試合になるのですが、この間にケガもあり潮時かと考えることもありました。でもまだ辞められないと1年前に思い直し、トレーニングに戻りました。そのような過程があったので、今回のオファーは本当に嬉しかったです」

――2004年にソウルで行われたGladiatorの旗揚げ戦を取材した際、初めて韓国のMMAジムを訪れさせてもらったのですが、チーム・タックルに既にキム・ジェヨン選手が在籍しており極真空手出身だと聞かされたことが思い出されます。いわば韓国MMA界のパイオニアです。

「あの頃は情熱と根性だけでMMAをやっていました(笑)。その情熱は自分だけでなく、大韓民国のMMA関係者が持っていたのでキム・ドンヒョンやジョン・チャンソン、チェ・ドゥホら有名な選手が生まれたと思います。自分の韓国のMMAの発展に役立とうと頑張ってきました」

――今、名前が挙がった選手たちはUFCファイターになれました。一方でキム・ジェヨン選手はあの場で戦うことがなくても、ここまでキャリアを積んできました。

「UFCが30歳になった選手と契約したがらないのは、その後の伸びしろを考えても理解できます。同時に30代の壁を感じ取る人が多いことは知っています。ただしMMAは五輪競技ではないので、精神力や技術力で乗りこえるモノがあります。自分自身、UFCがMMAを続ける上での唯一の目標ではなかったです。そして30歳を過ぎても、強くなれる方法は存在しています」

――なるほどぉ。UFCだけが目標でなかった。では、キム・ジェヨン選手はなぜMMAを始めようと思ったのですか。

「もう大昔の話ですね(笑)。自分が極真空手を始めたのは、強くなりたいと思ったからです。そしてMMAを見た時、ここで勝つことが強さに通じると思って始めました」

――当時の韓国のMMAはイベントができても、継続して活動できるところがSprit MC以外はほとんどなかったです。当時、MMAが韓国に根付くという希望を持っていましたか。

「何度も『もう少しだけ耐えてみよう』という繰り返しでしたね。Sprit MC以外でも自分が競技生活を続けることができたのは、応援してくれる方の支えがあったからです。まぁ韓国国内だけでなくMMAにはUFCやPRIDEがあったので、ジムの指導をしてスポンサーの協力を得られてことで、生活はできました。ただABCを始め海外で戦うことで、国内の選手よりも待遇は良くなり、その時に『やっていける』と思うようになりました。若い頃はガムシャラに突っ走って、やるだけやろうという風でした(笑)」

――韓国のMMAは活動開始同時は打撃が強く、組みに課題があるという時代もありました。その後の技術の変革を常に向き合ってきたかと思います。

「MMAデビュー直後は自分も極真空手出身のアグレッシブなストライカーでした。今も指導をしてくれているパク・ヒョンウク監督に出会ってから、MMAに合う打撃、MMAに合うクリンチ・レスリング、MMAのための寝技を教えてもらいウェルラウンダーに成長することができました」

――技術力が進歩してくると、最終的には気持ちの強さが欠かせないのもMMAだと思います。そのなかで極真でガンガンとやりあってきた経験というのは生きてくるものでしょうか。

「自分の考えでは、極真空手はMMAにあまり役立たないです。自分は極真の癖を直すために苦労をした口です(苦笑)。やはり極真がガンガンとやりあえるのは、顔面を守る必要がないからで。あの距離をMMAで戦うには、それだけの防御と攻撃が必要になってきますが、極真はそこを省いてあの攻防があるわけなので」

――精神的な支柱にもならないですか。

「MMAと極真は別物です。自分はミドル級としては背も低く、リーチも短いので精神論を武器に戦うことはできない」

――押忍、忌憚のないご意見をありがとうございます。ではキム・ジェヨン選手が40歳になるまでMMAを続けることができたモチベーションとはどこにあったのでしょうか。

「プロMMAファイターを続けることができたモチベーションは、チームの存在です。このチームで皆で練習を続けることが、MMAを戦う目的であり、どこそこで戦いということが目標ではなかったので。このチームで活動し、皆と刺激しあい成長することが自分のモチベーションですね。

引退するまで、世界中の強者と可能な限り戦いたいと思っています。過去のキャリアを振り返ると、拘り過ぎることがあり過ぎたり――反省することが多いです。もっとできることもあったと思います。後悔することも多かったですが、そういう時にもチームの皆が支えてくれました」

――さすがACBで戦った選手の言葉は説得力があります。

「ACBはUFCで戦う力がある選手だらけだと聞いて、戦ってみたいと思いました。当時は米国のサイトでアジアのミドル級で1位だったので、やってやろうと気持ちになったんです。だからこそ、今回は岡見選手のような強い選手と戦えて嬉しいです」

――最近の岡見選手のパフォーマンスを見て、どのような印象を持っていますか。

「最近の岡見選手は、以前より衰えたという風に見られていますが、だからこそ強くなれる。自分もそのような声……衰えたという声に負けないように努力して、強くなっています。だから、岡見選手を相手に全く気を緩めることはないです。岡見選手はクリンチが強く、プレッシャーも凄いです。そこに負けないように対策し、岡見選手だけでなく30年間、格闘技をやってきたキム・ジェヨンを倒せる試合をしたいです」

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AB DEEP K-1 MMA o ONE PFL PRIDE RIZIN Road to UFC TOP BRIGHTS UFC   キム・ハンスル 劉獅 朝倉未来 松嶋こよみ

1.21『TOP BRIGHTS.1』で、松嶋こよみ vs. カルシャガ・ダウトベック、グレイソン・チバウ vs. キム・ハンスルが決定

EASY FIGHT



 1月21日に群馬県太田市のオープンハウス太田で開催する『TOP BRIGHTS.1』の第1弾対戦カードが発表されています。

Gleison Tibau(Sherdog)

Han Seul Kim(Sherdog)

 元UFCファイターのグレイソン・チバウも現在40歳。最近はPFLやロシアのRCCで試合をしていますが4連敗中です。キム・ハンスルは5月の『ROAD TO UFC』シーズン2でタイイーラクエ・ヌエアジに2R KO負けして以来の試合。


Koyomi Matsushima(Sherdog)

Karshyga Dautbek(Sherdog)

 松嶋こよみは7月の『DEEP 114 IMPACT』で劉獅に1R TKO勝ちして以来の試合。カルシャガ・ダウトベックは現在29歳(試合時は30歳)のカザフスタン人でMMA戦績13勝3敗。9月の『Alash Pride 89』でディエゴ・ブランダンに1R KO勝ちして以来の試合で5連勝中。2018年9月の『RIZIN.13』で朝倉未来に判定負けしたことでも知られています。

11/22(水)TOPBRIGHTS.1対戦カード(詳細情報)(TOP BRIGHTS)

 他にも育成枠10試合、キッズ・ユース3試合が発表されています。10時30分開始予定なので長丁場になりそうです。


 チケット価格は以上の通り。最高価格50万円は一瞬驚きましたが、「定員70名」の席です。続きを読む・・・