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【Pancrase347】久米鷹介と再戦&防衛戦、ライト級KOP雑賀ヤン坊達也「戦士に最強の僕で挑む」

【写真】インタビューは9月18日——なぜかヤン坊の誕生日の夜に。昼は奥様と水族館でイルカのショーを観てから練習に向かったそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase347で、ライト級QOPの雑賀ヤン坊達也が久米鷹介の挑戦を受ける。
Text by Shojiro Kameike

両者の初対決は2021年12月の同級王座統一戦で、正規王者の久米が暫定王者ヤン坊を下している。あの激闘から約3年――お互いに立場を変え、今回はヤン坊が王者として久米を挑戦者に迎えることに。そのヤン坊は今年5月、Road to UFCのワンマッチでキ・ウォンビンに敗れて以来の復帰戦だ。久米との初戦、さらにキ・ウォンビン戦も得意の右ストレートで見せ場をつくるが、逆転負けを喫したヤン坊が語る覚悟とは。


――5月にRTUでキ・ウォンビンに敗れて以来の復帰戦が、パンクラスKOPの防衛戦となりました。まずキ・ウォンビン戦に関しては、「なぜ……」という印象が強かったです。

「僕も――ケージで倒れて試合がストップされて。そこにウチのボス(長岡弘樹DOBUITA代表)が『大丈夫!?』と来るじゃないですか。その時、最初に僕が言った言葉は『やっちゃった……』でした(苦笑)」

――なぜ何をやっちゃったのでしょうか。

「ナメんなよって気持ちが出すぎて、打ち合いすぎてしまいました。自分は効かされて足も動かないし、疲れもあって、よく分からない状態になっていましたね。そこから上手く戻すこともできず、とにかく守勢にならないよう打ち合いに行く。気持ちだけ前に出てしまって」

――効かされた際に真っ直ぐ下がるよりも、打ち合うほうが凌げるケースはあると思います。ただ、まず「なぜ!?」と感じたのは、最初はヤン坊選手が効かせながら、そのあとに効かされてしまった点です。

「冷静に試合を運べば良かったものを、『倒さなきゃいけない』『良い印象を残さないといけない』という気持ちが強かったです」

――その気持ちは試合がトーナメントではなくワンマッチであることも影響していましたか。3回勝てばUFCと契約できるトーナメントではなく、いわばDWCSと同じ形で。

「たぶんトーナメントだったら、あそこで打ち合いに行っていないです。やっぱり『ワンマッチだからアピールしなきゃ!』という気持ちがたぎっていて。そんな状態で自分がダウンを奪ったから、余計に行っちゃってしまいましたね。悪い自分が出てしまいました。

あとは海外勢とのフィジカルの近いも感じましたね。キ・ウォンビン選手と組んだ時、『これは同じ階級の力じゃない』と思いました」

――今後またUFCを目指す場合、階級変更は考えますか。

「海外で戦うならフェザー級なのかな、と考えることはあります。でも仕事をしながら20キロも落とすとなると、フェザー級は厳しいというのが正直なところですね。最近はフィジカルトレーニングにも力を入れていて、通常体重も増えてきていますし」

――20キロ!? それは厳しい……。ではRTUで敗れたあと、今後についてはどのような展開を考えたのでしょうか。

「とにかくダメージが抜けたら、すぐに始動する。RTU準決勝の時に、もう1回ワンマッチで組んでもらうことはできないか――という話もしました。でも前回負けているから、どこかで勝っておかないと難しいのも当然で。そんななかでパンクラスの防衛戦の話があり、相手が久米さんだと聞いて『やります!』と返事をしました」

――その久米選手との初戦は、歴史に残る大激闘でした。2021年のベストバウトの一つだったと思います。ただ、あの試合も逆転負けを喫してしまいました。

「僕がダメな時って、仕留めに行きすぎる時なんですよ。グラップラーは、そこで粘るじゃないですか。でも自分は極めに行っているからロスが凄い。そこで感情のコントロールができるかどうかが、大きな課題だと思っています。さらにRTUで、その課題が明白になりましたよね。今回も、僕が効かせても行きすぎないようにしないといけないとは思っています」

――粕谷優介戦は、行きすぎるようなシーンはなかったですよね。

「2Rの最後に右を効かせたと思いますけど、あの時は粕谷さんの首に腕が回りそうだったのでギロチンに切り替えたんですよ。でも取れなさそうだったので、『ここは力を使いすぎないようにしよう』と、また一回切り替えました。

あの試合は冷静でしたね。1Rと2Rで、粕谷さんの組みが強いことは分かった。でも3Rはガス欠に近づいていると感じたので、トップキープしました」

――続くアキラ戦も、冷静に戦うことができていました。ヤン坊選手の右に対して、頭を下げるアキラ選手に右ハイを当ててKO勝ちでベルトを獲得。どの試合が本当のヤン坊選手なのか……。

「アハハハ、どれでしょうね。その時の状況次第で展開も変わりますし、要は勝てば正解ですから」

――確かに。久米選手との再戦も、前回の経験があるからこそ自信は深まるのではないですか。

「そうですね。あの時に足りなかったものは、これまで養ってきています試合の中で効かせる場面は出てくるはずなので、そこで感情のコントロールができるかどうか。

今回は……つまらない試合をしても勝つ。そう言い聞かせています。その気持ちを制御できるかどうか分からないですけどね。生まれ持った性格でもあるので(苦笑)」

――ファイターとしては難しいですよね。その性格がヤン坊選手の魅力でもあるし、だからこそ今までのKO勝ちがあるわけで。どちらを取るのか。

「もちろん自分はKOしてナンボだし、ギリギリまで悩むとは思いますよ。ここで負けたら、自分もお先真っ暗だとも考えますしね」

――久米選手も初戦からここまで、ファイトスタイルが少しずつ変わってきました。

「テイクダウンに来るスピードは遅くなっている気はします。初戦では組まれた時、吹っ飛ばされるような勢いでしたからね。アキラさんや粕谷さんとの試合を視ると、最近は瞬発力が落ちているとは思います。でも、やっぱり久米さんは強いんですよ」

――はい。

「それでも勝つことができるのが久米さんの凄さで。久米さんって戦士だと思います。戦うことを追求し続けて、今でも戦うことに全てを懸けているから。僕との初戦でも、意識が飛ばずに仕留めにきていますからね。

その久米さんという戦士に、最強の僕で挑むために仕上げてきています。今はパンクラスのライト級といえば久米さんだと思うので、その壁を乗り越えて『ライト級はヤン坊だ』と認知してもらえるよう、しっかり勝ちたいですね」

■視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後12時40分~U-NEXT

■Pancrase347 対戦カード

<ライト級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 雑賀ヤン坊達也(日本)
[挑戦者] 久米鷹介(日本)

<ストロー級QOP選手権試合/5分5R>
[王者] ソルト(日本)
[挑戦者] 藤野恵実(日本)

<ウェルター級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 押忍マン洸太(日本)
[挑戦者] 佐藤生虎(日本)

<ライト級次期挑戦者決定/5分3ラウンド
葛西和希(日本)
天弥(日本)

<女子アトム級/5分3R>
SARAMI(日本)
ホン・イェリン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
カリベク・アルジクル ウルル(キルギス)

<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
ホン・ソンチャン(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
端貴代(日本)
渡邉史佳(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
エジナ・トラキナス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
栁川唯人(日本)

<ストロー級/5分3R>
野田遼介(日本)
船田侃志(日本)

<バンタム級/5分3R>
安藤武尊(日本)
ギレルメ・ナカガワ(ブラジル)

<2024年ネオブラッドTフライ級決勝/5分3R>
岸田宙大(日本)
山﨑蒼空(日本)

<フライ級/5分3R>
時田隆成(日本)
齋藤楼貴(日本)
 
<バンタム級/5分3R>
友寄龍太(日本)
渡邉泰斗(日本)

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