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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 オンラ・ンサン ブログ ライニア・デリダー

【ONE113】ライニア・デリダーの挑戦受けるオンラ・ンサン「同じ星に住む、人類という一つの人種」

【写真】人間が出来ているとしか思えないオンラの発言だ (C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」。ONEにとって半年振りのビッグショーの再開、そのメインでミドル級&ライトヘビー級の二冠王オンラ・ンサンが、ライニア・デリダーとミドル級王座防衛戦を行う。

6月の終わりに自らが陽性になったことをSNSで発表したンサンが、コロナ禍での成長や今回の世界戦について話してくれた。


──ようやくケージに戻ることができます。

「本当だね。前回の試合から1年も経ってしまったよ。凄くエキサイトしている。本当にしっかりと準備してきたよ」

──パンデミック後、世界は変わってしまいました。今回の大会はONEの歴史でも最も大切なショーになります。そんな大会でヘッドライナーを任されたことをについて、どのように考えていますか。

「この大会は僕だけでなく、ONEチャンピオンシップに関係している全ての人間にとって重要なモノになる。コロナウィルス後、渡航制限の関係でONEは従来の規模の大会を開くことができなくなっていた。そのなかで、ONEやチャトリの努力、シンガポール政府の理解があって今回のようなビッグショーを開くことができるようになった。

ファンにとっても決して忘れられない……そして、当日を凄く楽しめる大会にしなければならない。ファンのために僕も全力を尽くすよ」

──UFC、BELLATORらは活動を再開し、チームメイトは試合の機会を先に得ていました。サンフォードMMAにいて、練習仲間は試合が決まるなか、なかなかONEが活動再開されない時に焦りはなかったですか。

「全く問題なかったよ。僕は忍耐力の強い人間だ。この間、自分を成長させることを考えてきた。そして皆との練習で僕は強くなり、成長できた。より優れたミックスト・マーシャルアーチストになれたよ。タカシ(佐藤天)のような素晴らしいチームメイトのおかげでね。

タカシは本当にハードワーカーだ。凄く厳しい練習に取り込んでいる。タカシはUFCで試合があり、徹底的に自分を追い込んでいた。そんな彼と一緒に毎日練習することで、僕も成長できるんだ」

──人としてコロナ禍で成長できたと思えますか。

「同じ星に住んでいて、僕らは凄く近い距離で繋がっている。世界中がコネクトしている。このことを改めて理解できた。僕らは小さな世界で生きているだってね。中国で起こったことが、世界中に広まったんだ。米国、ミャンマー、アフリカ、ヨーロッパ、南アフリカ、世界中で起こっている。

人間は凄く近い位置で生きている。ホントにONEのキャッチフレーズみたいだけど『WE ARE ONE』なんだって分かったよ。人類という一つの人種なんだよ」

──確かにその通りですね。ところでオンラが6月に陽性反応が出たと発表したときは、まだファイターの感染例もそれほど確認されていない時期だったので、かなりショッキングでした。

「そうだね、僕は健康だったし重症化することもないと思っていたから、それほど自分自身に関しては重く受け止めていなかったんだ。でも僕自身のことよりも、やはり娘のことが心配でならなかった。自分の体の状態は分かっていたし、高熱が出たわけでもない。でも家族のことは心配だったよ。

5カ月の娘も感染し、70歳の母も感染した。でも重症化せずに済んだ。だから、大丈夫といえば大丈夫だった。幸運にも回復も早かったしね。

でも、そうじゃない人がいることも分かっている。亡くなった人もいるから、自分たちは軽症で済んだかもしれないけど、『COVID19は大した問題じゃない』なんて絶対に言えない。僕らの家族も2週間、自主隔離した。他の人に感染するリスクは絶対におかせなかった」

──感染予防をしていても、感染する可能性はあるわけですし。

「誰にも分からないことだからね。コロナ禍で世界が変わったよ。と同時に僕ら家族は抗体ができた。それによって、少し気持ち的には開放された感は少なからずあったかな」

──抗体ができて練習相手に感染させることがないという状況は、気持ちが落ち着くかと思います。ワクチンが変質すればまた話は違ってきますが、現状のコロナウィルスには感染しない可能性が高いわけですし。

「そうだね。ドクターからも、感染することも感染させることもないと言われている。練習仲間に迷惑をかけることはなく練習できるのは、やはり気持ち違うからね。MMAはソーシャルディスタンスがとれない競技だし」

──抗体があれば思い切ってキャンプ中も追い込めたのではないでしょうか。

「素晴らしいキャンプだったよ。動きはシャープで、体調は最高だ」

──それでも試合に向けてPCRチェックがあり、ホテルの部屋にこもる必要があるのですか。

「その通りだ。出場選手、セコンドが検査を受け、試合の8日前にシンガポールに入り。空港でまたチェックし、ホテルで隔離だ。僕は感染しないし、感染させることもないけど、他の人達は違う。皆が同じ状況にないといけないから、そこは従うよ。まぁ、退屈だけどね(笑)。

色々なルールがあって、皆が同じ条件でいるのに僕だけ気ままにやることは許されないよ」

「デリダーは素晴らしいストライカーがいるなかで、自分の勝ち方を見つけてきた。侮れない」

──そんなファイトウィークを過ごして戦う、挑戦者ライニア・デリダーの印象を教えてください。

「良いファイターだよ。12勝0敗、挑戦者として不足ない。でも僕の方が経験があり、彼より技術的にも上回っている」

──デリダーのフィジカルをどう思いますか。

「背が高いけど、彼より背の高いトレーニングパートナーもいるからね」

──グラップリングとムエタイ・クリンチを融合させたスタイルについては?

「長い手足を使って、良いグラップリングをしている。打撃に関しては上手いとは言えない。でも、打撃に関して、彼には優れたトレーニングパートナーがいるはずだ。だから攻撃面ではグッドストライカーではないかもしれないけど、ディフェンス面に関してはしっかりとしているに違いない。

そこであのグラップリングを磨き上げてきたのだから、彼の力を軽く見積もるつもりはないよ。どれだけ素晴らしいストライカーがオランダにはいるのか。それは僕も理解しているつもりだ。そういうなかかで自分の勝ち方、戦い方を見つけて実践してきた。その力を侮ることはできないよ」

──オンラとしては、グラップリングに持ち込ませない戦いが必要なのでしょうか。

「まぁステップや間合に関しては、ちゃんと調整してきたよ。簡単に組ませるつもりはない。それに……例え組まれても、その局面でも僕は負けないけどね」

──おぉ!! どのような試合になるのか、期待が高まります。

「そうだね。僕がMMAワールドでベストのミドル級チャンピオンだということを世界に示すよ」

──オンラ、陽性になった時ことなど言葉にしてくれて、ありがとうございます。

「こちらこそ、ありがとう。とにかくベストを尽くすよ。そして、また会える日が早く来ることを願っているよ。アリガト!」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 クリスチャン・リー ブログ ユーリ・ラピクス

【ONE113】「K-1もMMAも同じ」&「青木は70キロで戦うべき」クリスチャンに挑戦ユーリ・ラピクス─02─

【写真】一本と叫びたくなる払い腰をマラット・ガフロフに決めたラピクス (C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でクリスチャン・リーが持つONE世界ライト級王座に挑戦するユーリ・ラピクス・インタビュー後編。

ジョルジオとアルメンのペトロシアン兄弟とジムと同じ建物で生活し、両者に心酔しているラピクスだが、ペトロシアンは世界最高のストライカーとはいえ、それはキックボクシングでの話だ。

MMAを戦うラピクスが、なぜMMAを始め、どうしてペトロシアンと合流したのか。そしてペトロシアンとの練習がどのようにアドバンテージにあるのかを尋ねた。そして陽気なイタリアンとは完全に一線を画した、東欧&旧ソ連マインドがソビエト崩壊後に生まれた彼からも、ヒシヒシと伝わってきた。

<ユーリ・ラピクス・インタビューPart.01はコチラから>


──最初にMMAを始めたのはどういうジムだったのですか。

「僕がMMAを始めたパラエストラは凄く小さくて、MMAの経験がない人間が多くいたところだよ。ミラノにあったパラエストラだけど、名前も覚えていないなぁ。でも、1年ぐらいでペトロシアンのパラエストラに移ったんだ」

──あのう……そのパラエストラというのは?

「あぁ、イタリアではジムのことはパレストラと呼んでいるんだ」

──えぇ、そうなのですか!! ギリシャ語で勇者(パリカリ)を養成する場所がパラエストラと言うことは日本にも伝わっていたのですが、イタリアでも同じなのですね。ところでペトロシアンのジムはMMAのクラスもあったのですか。

「なかったよ。僕は柔道をやっていたから寝技には自信があった。でもMMAファイターとして打撃の修得が必要だと思ったんだ。だからペトロシアンのところで練習を始めたんだ。

MMAが普及して、結果的にペトロシアンのジムでも、MMAを採り入れることになった。ジムに大人の柔術クラスはないけど、MMAファイターのジュリアーノ・パデッサがキッズには柔術の指導を始めたんだ。今ではジムに根づいているよ」

──ペトロシアンと打撃の練習をすることは、MMAファイターとしてどれだけアドバンテージがあるのでしょうか。

「ジョルジオと練習できることを、今でも凄く光栄に思っている。ベストストライカーと練習できるなんて、他のMMAファイターにはない環境だからね。

ただし彼は世界最高のキックボクサーだ。彼と同じことができるわけがない。でもジョルジオと練習することで、メンタル面が鍛えあげられる。そのおかげで僕のゲームは変わったんだ」

──ペトロシアンの距離感、カウンター、キックボクシングおいて世界最高の芸術品だと思います。ただし、MMAとキックは距離もタイミングも違います。ペトロシアンから学んだことをユーリは自身でMMA用にアジャストしているのですか。

「タイミングも距離も、MMAもK-1も同じだよ」

──えっ?

「もちろん、テイクダウンがあるから距離は違うともいえるよ。ただし、拳が当たる距離やタイミングはMMAもK-1も同じだよ。パンチもキックも変わらないようにね」

──その打撃はクリスチャン・リーに挑戦するうえで最大の武器になるのでしょうか。

「勿論だよ。体も僕の方が大きいし、パワーは絶対的にこっちが上だ。パワーと打撃の違いで、僕はチャンピオンになる」

──ではクリスチャンのどこを最も警戒しないといけないですか。

「特に気を付けることはない。確かにクリスチャン・リーはウェルラウンダーだ。でも、何も気にする必要はない。この試合で僕が証明することは何もない。ただ全力で戦い、ベルトを巻く。それだけさ」

──なるほど。では、ファンにどのような試合を届けたいと思っていますか。

「ベルトを巻く以外に、何かをしようとは思わない。誰かに何かを示したいなんて、まるで考えていない」

──……。ところでONEライト級には青木真也という日本人ファイターがいます。いずれ、拳をかわすことがあると考えていますか。

「凄く良い選手だ。ただしシンヤ・アオキは77キロでなく70キロで戦うべきだろう。この階級では細すぎる」

──でも前世界王者ですよ。

「だから、僕は彼が悪いファイターだとは言っていないよ。でも、彼は70キロで戦った方が77キロより適していると言ったんだ」

──……押忍。今日はありがとうございました。

「こちらこそインタビューの時間を取ってくれて、ありがとう」

──いえ、それはこちらの言葉です。

「そんなことはない。感謝しているよ。そして日本のファンに喜んでもらう試合をすることを約束する」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 クリスチャン・リー ブログ ユーリ・ラピクス

【ONE113】ライト級王座に挑戦ユーリ・ラピクス─01─「ペトロシアン兄弟とジムの上に住んでいる」

【写真】言葉の端々からジョルジオ・ペトロシャンを崇拝していることが伝わってくるラピクス(C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でクリスチャン・リーが持つONE世界ライト級王座にイタリア在住のモルドバ人選手=ユーリ・ラピクスが挑戦する。

ONEでの戦績は2戦2勝、2月の元フェザー級王者マラット・ガフロフを払い腰で投げ、RNCでアッという間に破った。とはいえ、彼の実力はまだまだ未知数。モルドバ人で、ジョルジオ・ペトロシアンと練習していながら、MMAファイターとして14勝0敗というラピクスとは、どのような人間なのか。

コロナ禍の気の持ちようからも、我々とはかなり違うメンタルをラピクスは有しているようだ。


──イタリアは欧州で最初にCOVID19の感染が大きく広まった国です。また寒い季節を迎えフランスやチェコなどと同様に感染者数が多くなっています。まず、3月の段階でユーリにはどのような影響があったでしょうか。

「正直なことを言えば、僕自身は新型コロナウィルスの影響はあまり受けていない。君の言ったようにイタリアでは大きな問題になっていたけど、僕はジョルジオとアルメンのペトロシアン兄弟とジムの上に住んでいるから──言ってみれば、凄く長いトレーニング・キャンプをしてきたようなものだよ。

唯一の問題は5月から延期されていた世界戦がいつ組まれるのかということだけだった。トレーニングに関しては、普段よりもずっと練習できていたからね」

──ロックダウンでジムなどは封鎖にならなかったのですか。

「自由気ままに外出することはできなかったけど、さすがに自宅のある建物内の移動は自由だろう?」

──4月には新型コロナウィルスの実情が今ほど掴めておらず、また医療崩壊が現実化していました。感染を恐れることなく練習を続けていたのですか。

「もちろん心配はしていたよ。特に母が感染しないようにね。パンデミック後、母の下を訪れることはしなくなった。ジョルジオとアルメンとは共同生活をしているから、感染予防を考えながら練習を続けたんだ。外出を控え、他の人と接触はしないようにしてね。ただ、それも自分が感染する心配よりも、母のことを考えての行動だったといえるかな」

──最近になるまで感染がある程度コントロールできていた感もありますが、この間に世界戦が正式に決まりました。それからの調整に新型コロナウィルス感染の影響はなかったですか。

「もちろん、いつも通りにはいかない部分はあったよ。特にスパーリング・パートナーを見つけるという部分で。でも、何とかなったし、何よりもジョルジオとアルメンとは5カ月に渡り練習を続けてきたからね。だから、スパーリング相手は限定されていたけど、大きな問題ではなかった。

今では心身ともに100パーセント仕上がっているよ。いつでも戦える状態さ」

──ところで日本のMMAファンはユーリ・ラピクスのことをまだ余り知らないのが本当のところです。皆が知っているのはモルドバ人で、イタリアのペトロシアンのジムに所属しているということ。ユーリはイタリアではなく、モルドバで生まれ育ったのでしょうか。

「そうだよ。15歳までモルドバに住んでいた。ただ母がより良い仕事を求めてイタリアに働きに出ていて、数年経ってから僕を迎えに来たんだ。僕も一緒にイタリアで新しい人生を歩もうって。

モルドバは知っての通り貧しい国だ。仕事環境も生活環境もイタリアの方が良いから、母は僕をイタリアに呼んでイタリアで生きる選択をしたんだよ」

──もともと格闘技との出会いは?

「7歳から柔道をやっていた。子供だったしナショナル選手権に出るとかそういうことはなかったけど、地域の大会では優勝しているよ。イタリアに来て、MMAを始めてからは僕にはこっちの方が才能があるって気付いたんだ。

モルドバにいるときからMMAに興味はあったんだけど、家の近くで練習できる場所がなかった。そういう現実問題があったけど、イタリアではジムを見つけることができたんだ」

──ユーリが15歳の時だと、今から10年前ですがイタリアではジムが普通に見つかるほどMMAは定着していたのが驚きです。イタリアはキック人気の高い国というイメージだったので。

「確かに2010年頃、イタリアでのMMA人気はそれほど大したものじゃなかったよ。だから、練習場所が見つけられたのは運が良かったのかもしれない。ただし、その後MMA人気はあがり、今では練習場所は簡単に見つかる状態だよ。

とはいっても、キック人気と比較できる状態ではまだないけどね。なんぜジョルジオ・ペトロシアンがキックボクシングには存在しているのから。でもMMA人気は凄くあがっているよ」

<この項、続く

■ONE113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 クリスチャン・リー ブログ ユーリ・ラピクス

【ONE113】ラピクスの挑戦を受けるONEライト級王者クリスチャン・リー─02─「それが僕の狙いだ」

【写真】昨年10月の日本での試合がワールドGP決勝だったため、今回がライト級王座の初防衛戦となるクリスチャン (C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でユーリ・ラピクスを相手にONE世界ライト級王座防衛戦を戦うクリスチャン・リー・インタビュー後編。

キャリア14連勝かつ未知な部分の多いラピクスに対し、クリスチャンは油断することなく、また自分への絶対の自信を持っていた。

<クリスチャン・リー・インタビューPart.01はコチラから>


──そんななかでアンジェラとブルーノは柔術アカデミーをオープンし、赤ちゃんまでつくっちゃって凄いですね。

「アハハハハ。柔術ジムのオープンを決めた1カ月にパンデミックが起こって、全てが閉鎖されたんだけど、幸運なことに2人ともしっかりと計画を進めてきた。そして、アンジェラが妊娠したことは僕も凄く嬉しいよ。ずっと2人が願っていたことだからね」

──本当に良かったです。ところで今回の挑戦者ユーリ・ラピクスです。

「もともと5月に戦う予定だったけど、10月になってようやく戦うことができるようになったね」

──私はエドゥアルド・フォラヤンに勝ったピーター・バウシュトが挑戦者になるかと思っていたんです。

「確かにね。僕らの試合が決まったあとでランキングが発表されて、ラピクスが1位になっていた。ピーターは3位だったと思うけど、次は自分の番だと思っているに違いないね」

──現状ラピクスの実態が分かりません。どのようなファイターだと捉えていますか。

「彼は危険なファイターだよ。多くの人の間違いは、ユーリ・ラピクスのような選手を軽く見ることだ。ONEでは2試合しか戦っていないかもしれないけど、彼は14連勝中の選手でずっとフィニッシュしてきている。ユーリのハングリーさが、この戦績に通じている。無敗で自信を持っているはずだから、僕との試合でもフィニッシュを狙ってくるに違いない。つまり、良い試合になることが期待できる。僕もこの試合のために途轍もないハードトレーニングを積んできたからね」

──ONEライト級でも特にサイズが大きいように感じます。

「確かに、少し大きいだろうね。でもマーシャルアーツだ。対戦相手が僕の2倍大きくても、戦うものだから。この階級にしては大きい……ぐらいのことは問題じゃないよ」

──彼のどのような攻撃に気を付けないといけないと思っていますか。

「パンチが重いね。蹴りも、同様だ。でも、気を付けないといけないのはレスリングや柔道だろうね。マラット・ガフロフを投げて、バックを取って勝った時のような試合を僕にもやろうとしてくるに違いない。その攻撃が、彼の最も得意とするところだろうからね」

──あの払い腰に対して、クリスチャン・リーはバックを制することができると思うのですが……。

「イエス。それが僕の狙いだ。準備はできているよ」

──ところでラピクスがケージで戦っている試合映像がなかったのですが、クリスチャンは見つけることはできましたか。

「ONEでもリングだし、それ以前の試合は見つけることすら難しかった。初めてケージで戦う可能性もあるね」

──コーナーのないケージで戦うことは、クリスチャンにとって優位になると考えていますか。

「一つ言えることは、ケージでの経験は僕の方があるということ。そして、僕はリングよりケージの方が戦いやすいと感じている。ただし、ユーリだってこの試合に向けてケージでの戦い方を研究しているに違いない。だから、そこが大きなポイントになるとは思わないよ」

──打撃とテイクダウン、スクランブルと柔術。そのトランジットがよりスムーズ……というより一体化しているのが、クリスチャンかと思います。

「サンキュー。総合力では僕が上回っている。そして100パーセント、自分に自信を持っている。タイトル防衛だけでなく、ユーリを仕留めるよ。何ラウンドで終わらせるのかっていうことは言及できないけど、少しでも速くフィニッシュするつもりさ」

──この大会はパンデミック後、初の大規模なONEの大会になります。

「このビッグ・メガ・イベントで戦えることを、とても嬉しく思っているよ。今年一番、注目されるONEの大会になることは間違いないからね」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「前回、日本で試合をしてファンの素晴らしさを肌で感じることができた。10月30日の試合に勝って、また日本で戦いたいと思っているよ。いつも、サポートありがとう!!」

■ONE113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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【ONE113】ラピクスの挑戦を受けるONEライト級王者クリスチャン・リー─01─「新婚旅行から戻ると……」

【写真】昨年10月の日本大会で、姉アンジェラがONE世界女子アトム級王座を防衛し、クリスチャンは急遽出場のライト級ワールドGP決勝で勝利した。1年振りのファイトを戦うクリスチャン、アンジェラは妊娠で休養に入っている(C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でクリスチャン・リーが、ユーリ・ラピクスを相手にONE世界ライト級王座防衛戦を行う。

昨年5月に青木真也を破りベルトを巻いたクリスチャンは、10月の日本大会でザイード・フセイン・アサラナリエフを倒しワールドGP優勝も果たした。

そのクリスチャン、今年の2月末にハワイで挙式を済ませ新生活のスタートを切っていた。その直後に始まったニューノーマルを、世界ライト級チャンピオンはどのように過ごしてきたのか。ハワイのMMAの状況とともに語ってもらった。


──クリスチャン、お久しぶりです。シンガポールにはいつ、入ったのでしょうか。

「昨日の早朝だよ(※インタビューは10月23日に行われた)。パンデミックが始まってから、初めてオアフを離れたよ。今はホテルで隔離されている形で、2度検査もした。色々と新しい状況のなかにある感じだね。ONEは感染予防プロトコルに則して、アスリートの安全を確保してくれているよ」

──大会には250人とはいえ、ファンの来場も可能になりました。

「本当に?! いくら限られているからといってもファンがスタジアムで試合を見ることができるのは本当に良いことだよ」

──ところでクリスチャンには「結婚おめでとうございます」という言葉をずっと以前にかけるべきでしたが、ノビノビになってしまっていました。2月の終わりに結婚式を挙げた時には4月にはどこかの国で直接告げることができると思っていたので。

「おぉ、ありがとう。そうだね、式の頃にはアジアで感染が広まってきていたから、僕らもハネムーンをアジアからカナダに変更したんだ。そうしたら、世界的なパンデミックが起こった。ハネムーンから戻ると、すぐにロックダウン状態になったのでこの点においてはラッキーだったよ」

──新生活と同時に、ニューノーマルがやってきたということですね。

「本当だ(笑)。この状況は全人類に関係しているけど、僕らは適応していくしかない。家族が安全に過ごせて、問題がなかったから言えることだけどね」

──練習にも当然のように影響が出たと思います。

「まず3月にはジムを閉めて、一般クラスの指導はできなくなった。でも、ユナイテッドMMAは僕らの家族が経営しているから、僕がジムを使うことは問題なかったんだ。だから、家族内でトレーニングを続けて、この試合の契約を結んでからはフルキャンプでハードトレーニングを積んできたよ」

──その状況でいつものようなキャンプを張ることはできたのですか。

「そうだね、ほとんどがブルーノ(プッシ)と父とやってきた。あとはごくごく親しい選手と、必ず検温をして最大限で5人までという少人数で練習してきたんだ。可能な限り安全な状態で、可能な限りハードなトレーニングをね」

──今、ハワイは昨年のPFLにおけるレイ・クーバー3世に続き、カイ・カマカ3世がUFCと契約するなど若い世代が活躍していますが、やはり出稽古などはできる状況ではないということですね。

「そうだね、ハワイは凄く才能豊かなファイターがいるけど、僕のトレーニングがユナイテッドMMA内でしかできないように、皆がスモールグループでトレーニングしている状況だね。それでも、ちゃんと準備はしてきたよ」

──マックス・ホロウェイがリモート・トレーニングしか行わないで、アレックス・ボロカノフスキーに挑戦したのは驚かされましたが……。

「イエス(笑)。あの試合内容で判定負けは気の毒だったけど、僕もスパーリングなしでUFCの世界戦で戦うなんて凄く驚かされたよ。実際、ジムは閉まっていてもメインランドと比較するとハワイの感染者数は少ないし、スパーリングはできたはずだよ。でもマックスは息子や家族の安全を一番に考えて、あの調整方法を選んだんだと思う」

──このような現状ですが、多くの選手が外にも出られない期間に自宅でトレーニングを続けてきて、コンディションが上がったという言葉もまま聞かれます。

「僕もだよ。現状、体調は過去最高だ。本来、試合前でも僕は1日に4時間、指導をしている。そうなるとスケジュールもタイトで、疲労も抜けにくい。でも、今回は自分の試合のことだけ考えて調整することが可能だったからね」

──ハワイではまだ一般会員の人達の練習は許されていないのですか。

「まだジムも閉まったままだよ。フィットネスジムも3月から休館になっている。本当にジムを閉める人も少なくないし、ビジネス的には大打撃を受けているよ」

──……。ハワイ自体が感染者数を抑えることができるのも、一番の産業である観光客がやってこないからですしね。ここは複雑です。

「COVID19で産業、ビジネス活動が遮断されてしまった。凄くタフな状況だよ。幸いにも僕らの家族がそうなっていないことに感謝しているよ」

<この項、続く>

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 タン・リー ブログ マーチン・ウェン

【ONE113】タン・リーの挑戦を受けるマーチン・ウェン─02─「言い訳のできない環境で準備をする」

【写真】自信をえるために、自身を追い込み──自信を得る(C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムでONE113「Inside the Matrix」で、タン・リーの挑戦を受けるONE世界フェザー級王者マーチン・ウェン・インタビュー後編。

豪州シドニーがホームのウェンは、試合前にフロリダのサンフォードMMAでキャンプを行ってきた。しかし、渡米するにも政府の許可が必要になったニューノーマル。サンフォードMMAでのトレーニングは「言い訳ができない環境創り」というウェンは、タン・リーとの防衛戦を前に──自分への信頼度を高めていた。

<マーチン・ウェン・インタビューPart.01はコチラから>


──覚悟が感じられる渡米とサンフォードMMAでのトレーニングですね。

「世界がどのような状況になっても生きていくために支出はあって、そのために稼げないといけない。僕はテーブルに子供たちの食事を届ける必要がある。なにがあろうが、やるべきことをやらなければならないんだ。政府の許可を得ることができ、フロリダでは最高のトレーニングができたよ」

──しかし、マーチンがサンフォードMMAで練習をするというだけで、如何に世界が変わったのかが再確認できました。

「ただね、この状況ではもっと深刻な状態の人々がいくらでもいるということなんだ。人々の生活か変化し、人々の考え方が変わった。今回の件では本当に色々なリアクションが見られた。人間力が問われるし、しっかりと自分を見つめる時間になったよ。

試合が決まったなら、僕がやるべきことは100パーセントの準備だ。仮にね、試合に負けたときに『いつも通りの準備ができなかったからだ』なんてことは絶対に言いたくない。ワールドクラスのジムで、ワールドクラスのチームメイトと、いかなる状況でも最高の準備をする。これまでも、これからもそこは変わらないよ」

──そして最高の準備ができたというマーチンですが、タン・リーという選手についての印象を聞かせてください。

「ONEでの過去3試合をみても、挑戦者に相応しい選手だと思う。でも、彼に関しては何もいうことはないよ。僕と同じように、しっかりとこの試合に向けて準備をしてきてほしいということぐらいかな。僕はどのような場面でも自分にとって必要になる技術を磨いてきた。タン・リーがどれほど変わったスタイルでも、問われるのは僕の力だ。

マイケル・チャンドラーを始め、多くの実力者、そして若くて活きの良い選手とトレーニングしてきた。練習パートナーに関してはベストのなかのベストが存在してくれている。全く、その点については不安を抱くことはないからね。そしてキャンプでやれるだけのことは全てやりつくしたよ。それが言い訳のできない環境で準備をするってことだよ」

──タン・リーの距離の作り方については、どのように思っていますか。

「とても良いよ。僕のこともコントロールしたいと思っているだろうけど、どうなるかな(笑)。インサイドボディキックを効果的に使ってきたけど、ああいう攻撃を僕に仕掛けてきたときに何が起こるのか。楽しみにしてほしい」

──マーチンは右のカウンターを得意とし、その場面を創ることに長けていましたが、サンフォードMMAで練習するようになり、よりオプションが増えたように感じます。

「僕はずっと自分の打撃に自信を持つことができなかったんだ。でも、もともと持っていた打撃の技術の完成度をサンフォードMMAでワールドクラス・ストライカーとトレーニングすることで高めることができた。豪州でも最高のボクシング・コーチの指導を受けている。

今では自分の打撃に自信を持っている。僕の打撃の能力は間違いなく上がっているからね。それだけでなく、D-1レスラー、柔術世界王者と練習しているのだから、どの局面でも落ち着いて戦うことができるようになっているよ」

──では、次の試合でもその完成度の高いファイトを期待しています。

「なぜ、僕が現ONE世界フェザー級チャンピオンなのかを証明するよ。そして、いつか日本で戦いたいと思っている。その日が来るまで、僕の試合を注目してほしい。アリガト」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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【ONE113】10月30日、シンガポール大会が超限定・250枚のチケット発売=有観客大会に。抗原検査も

【写真】このような入場を選手、ファンが楽しめる日に向けて一歩ずつ進んでいく世界のMMAだ(C) MMAPLANET

23日(金・現地時間)、ONE Championshipが10月30日(金・同)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催するONE113「Inside the Matrix」で、250枚のSuperfanチケットを発売することを発表した。

10月9日にCOVID19パンデミック後、初のシンガポール大会を開いたONEにとって限定とはいえ有観客大会は2月7日のインドネシア大会以来となる。


日本でも政府や自治体のガイドラインに則して、7月よりMMAは有観客を開いてきたが、現状のMMA界で観客を入れて開催されているのはACAやKSW、EMCなど非常に限られている。今回、1万2000人収容できるインドアスタジアムにおいて250人のファンの数というのは占有率でいえば2.08パーセントで、さらにこのチケット購買者も抗原検査が行われるという。

現状シンガポールでは新規感染者が一桁台で死者も出ていない。5人までのグループなら外食も可能になっていることを考えると、相当な予防対策といえるONEの限定・有観客大会だ。

■ONE Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 タン・リー ブログ マーチン・ウェン

【ONE113】フェザー級王者マーチン・ウェンに挑戦、タン・リー─02─「異端? それがアドバンテージだ」

【写真】母は米国人。肉体的にも精神的にも東洋と西洋がハイブリットしている点に強いが感じられてしょうがない(C)MMALANET

30日(金・同)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」で、マーチン・ウェンの持つONE世界フェザー級王座に挑戦するタン・リー・インタビュー後編。

ウェンが最高の選手であり、最高のチームの所属していることを誰よりも理解した上でリーはベルトへ挑む。タン・リーといえばテコンドー・ベースのMMAファイター、MMAでも他に例の見ない動きをする。そのリーは、グラウンドになっても恐れない──50/50 ガードの使い手もある。

技術同様にマインドセットも多くの米国人ファイターと違う、マーシャル・アーチスト振りが感じられるリーは、チャンピオンの戦い方を熟知し蹴りで倒す道筋が見えているようであった。

<タン・リー・インタビューPart.01はコチラから>


──マーチン・ウェンのMMAファイターとして強さはどこにあると思いますか。

「彼はエクセレント・ファイターだよ。だからチャンピオンなんだ。経験豊かで、素晴らしいチームのバックアップがある。ヘンリー・フーフトは技術的な部分だけでなく、メンタルを創るという点においても最高のコーチだと思う。何よりマーチンは知性溢れるMMAファイターで、落ち着いて戦うことができて我慢強い。

MMAで勝つための正しさを全て身につけているといって良いだろう。そういう選手を相手にし、ゲームプランを実行して全ての局面で自分がやるべきことをやってベルトを手にするよ」

──マーチンはKOパワーの持ち主です。特に右のカウンターが素晴らしい。と同時に以前は、そのタイミングを待って自分から距離を詰めることはあまりなかったのですが、最近はその課題すら克服したように感じます。

「カウンターのKOパワーを持つというのは、まさに彼のことを言い当てているね。マーチンは自分の右が生きる距離を把握している。対戦相手がそれを許す大きな動きをすると、右を打ち込むんだ。

でも、その戦いを僕にするとどういうことになるか。僕はアウトサイドにいる相手への攻撃を苦にしないからね。マーチンが得意としている──相手を誘う動きこそ、僕にとっては都合の良い戦い方になるんだ。いくらでもアウトサイドで戦ってもらって構わない。それが僕のアドバンテージになるからね」

──テコンドー仕込みのキックが有効だということでしょうか。

「僕にとってテコンドーで培われた技術が、MMAファイターとしての全てだ。動きだけでなく、考え方もね。

ゲーム中に仕掛ける罠も皆は気付かない。僕は相手が正面にいても、動きを止めカウンターの蹴りを入れることができる。それが僕のテコンドーだよ」

──今回の試合はケージで行われます。

「リングとケージは違うよね。ケージにはコーナーがない。正直に言おう──ケージを背負って動くマーチンにプレッシャーを与え続け、蹴りを入れることは簡単じゃない。ただし、プレッシャーを掛けると彼は動くしかない。そこが僕がKOするポイントだ」

──今回の試合に向け、最高のキャンプを行えたといっていましたが、常にニューオリンズで練習してきたのでしょうか。

「さっきも言ったようにムーンカレッジ・テコンドー、ニューオリンズに持っているミッドシティMMAの練習がメインで、時折ワシントンDCにある50/50柔術でライアン・ホールともトレーニングしてきた。僕が彼のところに行くように、ライアンもニューオリンズに何度も来てくれたよ」

──つまりマーチンとの試合ではタンが50/50ガードからヒールフックを仕掛ける。そんなシーンも期待できてしまうわけですね(笑)。

「試合が寝技になれば、僕はそこを狙うことを約束するよ(笑)」

──凄く楽しみです。テコンドーキックとレッグロック、MMAにおいて最高に異端のコンビネーションですね。

「そこだよね。全然違う、他のファイターが戦っている普通のMMAじゃない。違いがあるっていうのは、僕にとってアドバンテージになる」

──ボクシング&レスリングで攻められた場合、テイクダウンの防御で疲弊することもありますが、ONEの裁定基準だと下になって極めというフィニッシュ直結の動きを見せると、北米基準とは違いより効果的なコンビネーションかと思えます。

「もちろん、基本はスタンドで戦いたいと思っている。だけど普段は打撃中心に戦っている選手が、僕との試合になるとグラップラーに転じるんだ。打撃を諦め、ケージを使ってテイクダウンを狙ってくる。でも、僕はグラウンドを恐れていない。寝技で仕留めることだってできるし、立ち上がって五分の状態に戻すという選択もある」

■「どちらかが眠って終了を迎えることになるだろう」

──今回の大会はONEの歴史で最も大切なショーになります。そこでタイトル戦を戦うことについて、どのような気持ちでいますか。

「素晴らしい機会を得ることができて、シンガポールという場所で今回のようなステージで戦えることに感謝しているよ。対戦相手もそのチームも最高で相手にとって不足はないしね。ONEチャンピオンシップにとっても、ファイターにとっても本当に大切な夜になる。だからこそ、落ち着いてゲームプランを実行するだけさ」

──大会前もこれまでとは過ごし方が違うかと思います。試合前の1週間をホテルの部屋から、ほぼ出られない──対面で人と会う機会も限れることが予想されます。

「そこに関しては、僕だけがその状況にあるわけじゃないから。マーチンも同じ状況だ。だから、大事とは捉えていないよ。食事が計量に適していない。トレーニングできる環境が満足でない。そういうところで、自分をしっかりと創り上げるために、これまでのキャリアが存在したと思っている。シリアスにならず、気楽にやるよ(笑)」

──素晴らしいです。今回はベトナミーズ・アメリカン✖ベトナミーズ・オーストラリアンの世界戦です。

「ベトナムの人々やファンにとって最高だ。このスポーツにとっても良いコトだし。僕がこの試合で世界王者になり、ベトナム大会でマーチンのチャレンジを受けるよ。最高のショーになるはずさ」

──どれだけの大事になるのか、楽しみです。では日本のファンに一言お願いします。

「いつもサポートありがとう。マーチンとは激しい戦いになり、どちらかが眠って終了を迎えることになるだろう。見逃さないでほしい」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 タン・リー ブログ マーチン・ウェン

【ONE113】タン・リーの挑戦を受けるマーチン・ウェン─01─「豪州を離れるのは簡単じゃなかった」

【写真】サザンクロスが誇らしげな豪州国旗とONE世界フェザー級ベルト。そしてベトナムの血にマーチン・ウェンのアイデンティティが詰まっている(C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムでONE113「Inside the Matrix」が開催される。

4階級の世界戦が組まれた同大会、要注目なのがONE世界フェザー級チャンピオンのマーチン・ウェンが、タン・リーの挑戦を受ける一番だ。

MMAPLANETではタン・リー・インタビューに続き、フロリダを離れる直前のマーチン・ウェンに電話取材を行った。今回の試合に向け、フロリダのサンフォードMMAでこれまで通りファイト・キャンプを張ったチャンピオンだが、COVID19パンデミック後では、これまで通りのことを行うことが、これまで通りでなくなっていた。


──マーチン、お久しぶりです。

「ハイ。ブラザー、調子はどうだい?」

──色々と変化はありますが、家族で楽しくやっています。

「それが一番だよ」

──マーチンもご家族は変わりないですか。

「皆、健康でやっているよ。僕は9月にシドニーからフロリダにやってきて、しっかりと試合の準備をしてきた。過去最高のトレーニングができたよ」

──タン・リー戦がいよいよ来週に迫ってきましたね。

「最高に調子は良いよ。本当にこれまでのキャリアで最高なんだ。バチバチにやりあう準備はできているよ」

──ファイトキャンプのためにサンフォードMMAのあるフロリダに滞在しているマーチンですが、パンデミック後の豪州ニューサウスウェールズ州は、どのような状況だったのでしょうか。

「豪州はロックダウンが3カ月ほど続いた。そして感染予防に良い兆しが見られるようになり、ジムは再開したよ。でも柔術ジムですら、グラップリングは許されていない。プロトコルは街中の施設もジムも一緒で、ジムに入るまではマウスの着用が絶対で検温が必要になる。そして手指消毒だね。

それでも豪州の状況は良くなっているんだ。もともと僕とタン・リーは4月に試合をする予定だったから、その時までフロリダでキャンプを張っていて、試合がなくなり豪州に帰国した。あの頃はトレーニングができる状況ではなかったよ。ジムがオープンしてからも、ウェイトやそういう面での調整が続いた。

状況が良くなり対人トレーニングも良くなってきて、シドニーにいる間にもプレキャンプを行ったけど、どうしても強度の高いトレーニングをすることは難しい。だから8月の終わりに世界戦が決まり、9月の最初にはベスト・コーチ、ベスト・トレーニングパートナーのいるフロリダ入りした。フロリダでは7週間のキャンプで、試合中に起こる可能性のある全ての状況を想定して練習してきたんだ」

──ご家族は今もシドニーですか。

「いつもなら長いキャンプ期間中、1カ月ほどはファミリーもフロリダにバケーションを兼ねてやってくるんだけど、今回は状況が違うし、キャンプ自体が短いから僕1人でやってきたよ。正直にいえばコロナ予防を考えるとシドニーの方がフロリダより安全だしね。感染者数はフロリダの方が多い。

でも練習漬けで、最低限のことでした外出はしていない。その時もマスクは絶対につけているし、しっかりと感染予防対策はしてきた。

もちろん練習をしていると感染をする可能性があるよ。でもね、それは結果論だから。ここで最高の練習をせずにタン・リーと戦うことはできない。この間のチームの皆の意識も凄く変わってきて、皆が清潔に務めている。練習前だけでなくて、練習のあとでもね。

つまり僕は最高の準備ができたということだよ。この状況で何を選択するのか。自分の人生において、こういう予想もしないことが起こった。そこで僕は何をすべきなのか、フロリダにやってきてトレーニングをする。それが答だよ」

──実際、渡米するのも以前のような状況ではなかったと思いますが、それでもフロリダで練習することをファイターとして選択したということですよね。

「豪州を離れるのは簡単じゃなかった。渡米の理由を説明して、政府の承認を得るために審査が必要だったんだ。その許可が下りるのか、凄く心配だったよ。だってロックダウン中で、皆が窮屈な生活を強いられているんだよ。その状況で、練習をするために国外出ることが認められるのか──。

基本的に米国に住んでいる証明書がないと許可されないことが多い状況で、僕はONEとの契約書で米国に来るがことがでたんだ。戦ってファイトマネーで家族を養っている。僕が第一にすべきことはファミリーを守ることで、それが認められて出国がすることができたんだよ」

──そこまでして、サンフォードMMAでのトレーニングが必要だったということですね。

「それにね米国に来てから幸運だったのは、あの時点で多くの州では自主隔離が必要だったけど、フロリダ州は必要なかったこと。だから、こっちにきてすぐに練習に取り掛かることができたんだ」

<この項、続く>

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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【ONE113】フェザー級王者マーチン・ウェンに挑戦、タン・リー─01─「ずっと研究してきた」

【写真】LFA暫定フェザー級王者だったタン・リーの挑戦は、ONE世界王者の強さを図るスケールとなる(C)MMAPLANET

30日(金・同)にONE113「Inside the Matrix」がシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催される。

4階級の世界戦が組まれている同大会。その一つに日本で最も注目度が高いといっても過言でないのが、ONE世界フェザー級選手権試合=王者マーチン・ウェン✖タン・リーの顔合わせだ。

シンガポール入国後に宿泊ホテルで、大会ガイドラインに則した隔離状態になるファイターたちは、従来のイベントと違い現地入りも早い。多くのファイターが今週の木曜日か金曜日にシンガポールへ到着するというスケジュールのなか、米国を離れる直前のタン・リーに電話取材を行った。


──来週の金曜日にマーチン・ウェンの持つONE世界フェザー級王座に挑戦します。今の調子を教えてください。

「凄く良い調子だよ。明日、シンガポールに向けて米国を出るんだけど、キャンプは完璧だった。体重も問題なく、作戦もバッチリ立てることができている。何も文句のつけようがない状態さ」

──今年は全てのMMAファイターが新型コロナウィルスの影響を受けたかと思います。タンもロックダウンを経験していると思いますが、調整という部分で問題はなかったですか。

「ロックダウンや隔離政策の影響を僕自身はそれほど受けたとは思っていない。さっきも言ったけどトレーニング・キャンプは完璧だったし、逆にいつもよりも時間があってしっかりと調整できたと思っている。ゲームプランも最高なモノを用意することができたし、同時に僕の技術力も上がっている。体に切れもあるし、より強くなれている。

トレーニングに関しては父、兄弟、義理の兄弟としっかりと詰めたから本当に何も問題なかったんだ。少人数でトレーニングすることで、マーチン・ウェンとの試合だけに絞った、僕のための練習を続けることができたからね」

──それは3月や4月のロックダウンの頃もですか。ルイジアナ州は2月に恒例のマルディグラ(謝肉祭)のカーニバルがあり、150万に近い観光客が集まっていたことで米国でも最も早く感染拡大が広まった州ですが。

「そうだね。ロックダウン中は劇場、映画館、レストランと同様にジムも閉めないといけなくなった。父が創り、僕が指導しているムーンカレッジ・テコンドーはニューオリンズ郊外のマテリーにあるんだけど、自分のジムだからいつでも使うことができたんだ。

兄弟を中心に少人数で、ロックダウンの間もトレーニングは続けていたよ。ベルトを獲るために練習をストップすることはできなかったからね」

──米国では練習をしていると警察が回ってきて、解散させられるという話を聞いたことがありました。

「そういうことは全米で起こっていたよ。でも、僕らはラッキーだった。小さなジムで、行き来が自由にできた。ムーンカレッジ・テコンドーもニューオリンズに持っているMMAジムもクローズ状態だったから、ジム・メンバーへの指導という部分ではビジネスはできなくなっていたけど、マットスペースで自分の練習は続けることができたからね」

──ジムの再開と、堂々とトレーニングができるようになったのはいつからですか。

「指導を再開したのは9月になってからだよ。クラスもほぼレギュラースケジュールで行うようになった」

──MMAやマーシャルアーツはソーシャルディスタンスが取れないですし、色々と大変な状況が続けているのではないでしょうか。

「今、一般クラスでの指導はまだストライキングに限定されているんだ。そして、皆がしっかりと他の人との距離を取って練習している。それでもフットワークとミット打ちをしていると、生徒たちも成長できるからね」

──日本ではロックダウンはなかったのですが、政府や自治体の要請のという形でジムを閉める道場が4月と5月と多かったです。ただし、プロ選手は練習を続けることもありました。その練習をしていると周辺住民から非難の電話があったり、自粛警察と呼ばれた取り締まりを行う一般の人間がジムに手紙を送ってきたりしたんです。

「そういうことは僕のジムでは起こっていないよ。でも、日本でファイターがこの間に堂々と練習をしていたということが驚きだよ」

──なるほど、そういう風に感じられるのですね。ところタンはマーチン・ウェンへの挑戦はパンデミック前に決定していました。1人の対戦相手のことを考える時間が、半年以上もあるというのはキャリアでも初めてのことではないでしょうか。

「そうだね。最初は4月17日に組まれていた試合だからね。でも、僕の調子が良いようにこれだけの時間ができたことは、本当に良かったと思っている。マーチン対策は完璧になり、僕はより強くなれた。

確かにパンデミックが起こって、こういう状況になったのは特別なことだろう。でも、僕はONEで戦うことが決まってから、ずっとマーチンのことを研究してきた。もちろん、試合前に対戦相手のことを考えて練習していたけど、常にゴールはこの階級のベストガイと戦い、勝利してベルトを巻くことだったから。

マーチンがベルトを持っているのだから、彼がベストガイだ。つまり彼と戦うことをずっと想定してきていたんだ」

<この項、続く>

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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