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【NEXUS33】青森から。唐沢タツヤとバンタム級挑戦者決定戦、小蒼卓也「自分はコレしかできないんで」

【写真】言葉でなく、佇まいから伝わってくるものがあった (C)MMAPLANET

10日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS33。メインでNEXUSフライ級王座決定戦=荻窪祐輔✖豪瑠が組まれた同大会のコメインで小蒼卓也が、唐沢タツヤとNEXUSバンタム級王座挑戦権を賭けて戦う。
Text by Manabu Takashima

青森に自らのジム=スカーフィストを持つ小蒼だが、そのMMAの常設ジムの数が県下で片手の指の数で足りてしまうという。120万の県民数に対して、この数はMMAの浸透度の低さを如実に表しているといえるだろう。

対戦相手だけでなく、そのような現実とも戦い続けてきた小蒼は「青森でもやれるんだ」というモチベーションを次世代のファイター達が抱き続けられるために──戦う。


――初めて青森を訪れさせてもらったのですが、まるで格闘技事情を把握しておらず申し訳ありません。小蒼選手が青森にスカーフィストジムを開いたのは、いつ頃なのでしょうか。

「7年ぐらい前ですかね。その前は公共のスポーツ会館のレスリング場を週に3度借りて練習していました」

──公共の施設にレスリング場があるのですね。そもそもMMAを始めたのは?

「23、24歳の時に友達から、『こんなのがあるよ』って総合格闘技のビデオを見せられたんですよ。それが五味隆典さんと佐藤ルミナさんの修斗の試合(2000年12月)で。その試合で勝った五味さんに憧れて次の年に、この人はどこにいるんだって調べ五木田勝さんが代表の木口ワークアウトスタジオに入会しました」

──つまり青森を出て?

「ハイ。仕事と住むところを探して、アッチに行きました」

──もの凄い決断力と行動力ですね。

「でも2年ぐらいですから。本当はもっといるつもりだったのですが、青森に帰省した時に交通事故を起こしてしまって。あの時、同乗していた当時の彼女が青森の人だったので、そのまま青森に留まることになったんです。アレがなかったから、ずっと向うにいたかもしれないです。木口ワークアウトスタジオにはそれだけの短期間しか在籍していなかったので、試合は柔術に出たぐらいでした」

──戻った時、青森でMMAを続ける土壌というのは?

「無かったですね。先輩がスポーツ会館でサークルみたいに遊びでやっていて、そこに自分も遊びに行っていました。当時は俺もプロになるつもりとか全然なかったので。でも途中で、プロになりたいなって思い始めて。当時はMMAをちゃんと知っている人はいなくて。ボクシングや柔道、レスリングをやっている人達と考えながら練習をしていました。

その頃、アマ修斗が八戸で行われていて。パラエストラ八戸の西塚(丈人※11月19日のGFGに52歳で出場、半澤拓也に87秒アームロックで一本勝ち)さんがやっていたのですが、それこそ藤田(成保T-Pleasure代表、GFG主宰)さんとか皆が出ていて」

──そこからプロになったわけですね。いやぁ、歴史が感じられます。

「今も青森県のMMAの常設ジムはうちと五所川原の藤田さんのところ、西塚さん。それと野辺地で魚住(良太)さんがやっているメビウス・スポーツアカデミーの4つぐらいで。あとはサークルが少しありますけど、MMAはまだまだ知名度は低いです」

東北におけるプロ修斗は仙台で行われていたが、震災後は2013年から2016年にかけて青森に移り、弘前、五所川原で公式戦が組まれていた。現在はプロ修斗公式戦ではなく、GFGが五所川原で開催されている。

──ネットで世界中のMMAが視聴できても……。

「今もK-1ですか?って言う人がたまにいますしね(苦笑)。それとプロレスとも……」

──まだ、それを言われてしまいますか……。格闘技とはいえないのですが、Breakingdownの影響でジムに来るような若い世代は?

「何人かいましたけど、そういう子は続かないです。YouTubeで華やかな場面しか見ていなくて。本当に強くなろうと思えば、コツコツと地道な作業が必要なので。そこで嫌になってしまうんでしょうね(笑)」

──それは首都圏も地方都市も共通かもしれないですね(笑)。地方のMMAを考えると、藤田さんが頑張ってくれていても、北陸と東北がエアポケットのような状況かと。同時に地方のジムの所属選手は、試合機会がどうしても限られている。こちらの選手はどのように実戦の機会を得ようとしているのでしょうか。

「年に1回アマ修斗があって、盛岡でも行われています。盛岡は2時間ちょっとで遠くないので」

──……。

「それって僕らからすると遠くない距離なんです(笑)。あと岩手だとブレイブの細川(英司・東北格闘技連合会=グラップリング、MMA、キックの試合を主宰)さんも定期的に大会を開いてくれていますしね。ウチでもブレイブに出たいという子は多いです。

それにプロも今は以前と違い、色々なプロモーションがあるので修斗以外にもウチの選手は出ています。北海道のPFCと繋がっていて、最近は北海道での試合が多いですね」

──格闘技のジムはフィットネスか、選手志向という2つの目的を持った人達がやってくる場所ですが、スカーフィストはどちら系のジムになりますか。

「ウチは選手志向で、フィットネスは少なくて。結果、会員が少ないジムです(笑)。プロは俺と、同い年の大里洋志(GFGのメインで大高幸平にスプリット判定勝ち)、1つ下の黒石大資(11月19日PFC30で、平井聡一郎を破りPFCフライ級王座を獲得)、12月10日のNEXUSでデビュー戦を戦う塩谷優斗、それと吹田琢ですね。デビュー戦の子以外は、平均年齢は高めです」

──首都圏ではNEXUSの出場機会が多い?

「PFC経由でNEXUSということが多いです。PFCでトーナメントがあって、勝つとNEXUSでプロの試合ができるという流れもあるので」

──小蒼選手自身は7月の後楽園大会で、渡部修斗選手の引退試合の相手を務めPFCバンタム級のベルトを取られてしまいました。引退ストーリーに華を添えるような形になり、納得できていない部分もあるかと。

「まぁ、そうッスね。でも何を言っても言い訳になるんで。負けは負けになります」

(隣で話を聞いていた)藤田成保 自分たちがアマチュア修斗を戦っていた頃に、若林太郎さんから「判定になった時点で、何も文句を言うな」と教わってきました。

「そうっスね。それはずっと残っています。判定に文句を言うぐらいなら一本、KOで勝たないといけない」

──そして本部席の前を絶対に横切ってはならない。これこそ太郎さんイズムです。

「ホント、それです」

藤田 でも、やり始めた時に言ってもらえたことって残っています。だから判定になったら、文句は言えない。

「彼の引退試合ですし、判定になったら分が悪いのは分かっていたことですしね」

──判定云々でなく、完全に良き思い出創りの駒にされた。格闘技は思い通りにいかないんだというストーリーを見たかった気持ちは、個人的にありました。記者がこんなことを言ってはいけないのですが……(笑)。

「でも、あの試合は修斗君本人が一番分かっていると思いますよ」

──そんな敗北を経て、次戦の時点では41歳になっている小蒼選手。次は挑戦者決定戦となりました。

「そんなに長くはできないと思っているので、ここでこの機会を貰えたことは有りがたいです。俺がベルトを取ることで、こっちの選手たちも青森にいてもやっていけるんだというモチベーションになると思うんです。NEXUSのベルトを取ったら、次の道も見えてくるし。まぁアンダードッグとして呼ばれることは、慣れっこですしね」

──今もDEEP、パンクラス、修斗を上3つという見方をする現状は残っていますが、そこへの拘りというものは?

「修斗がないと、やっていなかった。修斗には感謝しています。でも、今はもうそういう拘りはないです。それよりも青森で戦いたい。今回はタイミングが合わなかったのですが、GFGで戦いたいです」

──小蒼選手の想いが、青森におけるMMAの普及に通じることを願っています。

「ハイ。自分はコレしかできないんで。本当にコレしかのめり込んだモノがないんですよ」

──では挑戦者決定戦に向けて、意気込みの方をお願いします。

「とにかく今回の試合に勝って河村(泰博)選手に挑戦し、青森にベルトを持って帰りたいと思います」

■NEXUS33メインカード対戦カード

<NEXUSフライ級王座決定戦/5分3R>
荻窪祐輔(米国)
豪瑠(日本)

<NEXUSバンタム級挑戦者決定戦/5分2R>
唐沢タツヤ(日本)
小蒼卓也(日本)

<バンタム級/5分2R>
神部篤哉(日本)
塩谷優斗(日本)

<ライトヘビー級/5分2R>
マシン(日本)
田馬場貴裕(日本)

<バンタム級/5分2R>
ジェイク・ムラタ(日本)
イ・ヘウォン(韓国)

<フライ級/5分2R>
曾我英将(日本)
鶴屋健人(日本)

<無差別級/5分2R>
Guts(日本)
山本拓海(日本)

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【PFC31】平井総一朗とベルトを賭けたリマッチへ、黒石大資─02─「まずは自分が行きすぎないこと」

【写真】写真は2019年11月のNEXUSフライ級トーナメント準決勝。橋本薫汰に判定で敗れてベルトを逃した。黒石はネクサス再挑戦も視野に入れている(C)MMAPLANET

19日(日)、北海道は札幌市北区のPODアリーナで行われるPFC31で、平井総一朗とのPFCフライ級王座決定戦に臨む黒石大資のインタビュー後編。
text by Shojiro Kameike

PFCフライ級は、第3代王者の亀松寛都が王座を返上。空位となったベルトを同級1位の黒石と同級3位の平井が争うこととなった。両者は今年7月のPFC30で対戦し、黒石が3R判定勝ちを収めている。ベルトを賭けたリマッチを控える黒石に、スカーフィストのファイトスタイルと札幌での試合について訊いた。

<黒石大資インタビューPart.1はコチラ


――青森県といえば以前は常設ジムも少なく、地元で試合ができる機会も少なかったと思います。MMAをするために他の地域へ行くことは考えませんでしたか。

「それは考えなかったですね。青森で続けていきたいと思っていました」

――青森の良さって、どんなところでしょうか。

「何だろうなぁ……食べ物が美味しいところですかね(笑)」

――アハハハ、ありがとうございます。話を戻すと、黒石選手は2015年12月にパンクラス札幌大会でプロデビューし、その後は修斗の試合を経て中国WLFの試合を迎えます。プロ5試合目で中国遠征というのは、当時いかがでしたか。

「当時はいろんなことを経験したかったんです。だから『海外での試合って、どういうものなんだろう?』と興味が湧いて、オファーが来た時にすぐ『行きます!』って返答しました」

――なるほど。黒石選手の戦績は勝っても負けてもKOか一本決着で、もともとスカーフィストの選手にはレスリング+パンチ、そこにサブミッションが加わるという印象があります。それはスカーフィスト所属選手に共通することなのでしょうか。

「皆そういうタイプかもしれないですね。特にアマチュア修斗から出ていると、前に出て寝かせてナンボ――という雰囲気はありました。今はルールも変わってきていますけど、当時のアマ修斗はテイクダウンしてトップを取るとポイントが入っていて。そのルールであれば、みんなトップを取りに行きますよね」

――まだアマチュア修斗でグラウンドのポイント制が採用されていた頃ですね。確かに、当時のアマ修斗から育ったファイトスタイルかもしれません。

「前に出ること自体は、リスクもあります。でも自分はリスクを背負ってでも、前に出て倒しに行きたいです」

――そんななか現在は北海道のPFCが主戦場となっています。青森県から北海道で戦うのはアウェイ感が強いのでしょうか。それとも、もう地元のような意識になっていますか。

「他の選手は分からないけど、自分にとっては地元感が大きいです。アマチュア修斗の頃から札幌で試合をしているんですよね。アマ修斗の北海道予選とか。もうPFCでも4試合やらせてもらっていますし、いつも試合が終わったあと『また札幌に帰ってくるね!』と地元のお客さんに挨拶してきますから(笑)。その札幌でタイトルマッチができるというのは嬉しいですね」

――では次のタイトルマッチについてお聞きします。空位のPFCフライ級王座を賭けて戦う平井選手とは、4カ月前に対戦して判定勝ちを収めています。ダイレクトリマッチとなるわけですが、前戦の印象を教えてください。

「平井選手はとにかくフィジカルが強かったです。もともと柔道がベースだと思いますが、スコーンと投げられてしまう感じで」

――前回の試合は5分2R+Ex 1Rで、1Rは平井選手、2Rには黒石選手がテイクダウンを奪ってドローとなりEXラウンドに突入しました。

「2Rが終わって、自分が勝っているのかなっていう思いは少しありました。テイクダウンを奪われたあと、前に出ていたのは自分だったので。ただ、それだけに削られていた部分はあって――延長戦に入ることになって、疲れはありましたが『もおうやるしかないな』と気持ちを固めましたね。延長戦は気合いで戦いました。そこだけは絶対に負けないと思って」

――気持ちで負けていると代表の小倉卓也選手が……。

「いつもセコンドについている代表から怒られています。『行け! サボるんじゃねぇ!!』とか(笑)。でも自分にとっては、それぐらい言われるほうが良いんですよ」

――なるほど。ただ、次のタイトルマッチは5分5Rです。

「しかも5Rを戦いきる試合が多いですよね(苦笑)。ちゃんとフルラウンド戦うことも想定して、まずは自分が行きすぎないことを意識しています。いつものように前に出すぎると、前半戦で消耗してしまうでしょうから。最初はしっかりと圧力をかけながら、自分のペースで進めていきたいです」

――対する平井選手も前回の試合内容を踏まえて、序盤はペースを抑えてくるかもしれません。そうなると黒石選手自身も抑えて進めていくのか、あるいは前に出るのか。

「その場合は、自分がもっと圧力を強めていくかもしれません。できることなら――やっぱりフルラウンド戦うことなく、序盤に仕留めたいですね。アハハハ」

――今回のタイトルマッチも含めて、MMAにおける黒石選手の目標を教えてください。

「今回PFCのベルトを獲ることができたら、その次はネクサスのベルトも視野に入れていきたいですね。自分は一度ネクサスのフライ級王者決定トーナメントに出て、準決勝で負けています(2019年11月、橋本薫汰に一本負け)。あの時は悔しい想いをしたので、もう一度ネクサスのベルトに挑むことができたら――と思っています。

その前に、まずは今回勝つこと。ベルトが懸かった試合なので、ここは死ぬ気で獲りにいきます。今後も期待してください」

■PFC31対戦カード

<PFCフライ級王座決定戦/5分5R>
黑石大資(日本)
平井総一朗(日本)

<PFCストロー級王座決定戦/5分5R>
早坂優瑠(日本)
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)

<バンタム級/5分2R+1ex>
亀松寛都(日本)
ジミー西将希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
渡辺トシキ(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
中島光陽(日本)
河永重春(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<フライ級/5分2R+1ex>
澤口悠之介(日本)
中西テツオ(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
ハント高島(日本)

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【Pancrase340】横浜武道館大会の追加対戦カード発表。透暉鷹がバンタム級暫定王座戦へ

【写真】会見はYouTubeで中継(C)MMAPLANET

15日(水)、都内にて12月24日(日)に横浜武道館で開催されるPANCRASE340の追加対戦カード発表記者会見が行われた。
Text by Shojiro Kameike

会見は1部と2部に分かれ、パンクラスのYouTube公式チャンネルでも中継されている。今回の記者会見で発表されたのは次の7カードだ。

ウェルター級KOP選手権試合:林源平×住村竜市朗
バンタム級暫定王者決定戦:河村泰博×透暉鷹
フライ級暫定王座決定戦:伊藤盛一郎×有川直毅
フライ級:ムハンマド・サロハイディノフ×松井斗輝
バンタム級:田嶋涼×笹晋久
71.5キロ契約:近藤有己×美木航
ウェルター級:川中孝浩×佐藤生虎


バンタム級転向のために保持していたフェザー級のベルトを返上していた透暉鷹が、転向初戦で暫定ながらタイトルマッチに挑む。対戦相手は現NEXUS王者であり、今年9月に井村塁をギロチンで秒殺してランキング1位に昇ってきた河村だ。透暉鷹にとっては2階級制覇、河村にとっては2冠王者を目指す戦いとなる。

ウェルター級は今年6月に村山暁洋を判定で下し、新王者となった林源平に住村竜市朗が挑む。野球のヘルメットを被って会見に臨んだ住村は、ややスベり気味――しかしこれが、関西特有のスベり芸なのか。ともあれ、右主体のストライカーだった林は村山戦で鋭い左ジャブでアウトボクシングを展開。一方の住村も「塩漬け上等」と言いながら9月の藤田大戦は怒涛のパウンドアウトと、新しい一面を見せ続けている両者だけに、どのような展開になるか楽しみだ。

また、近藤有己が71.5キロ契約で、これが約7年ぶりのMMAを戦う美木航を迎え撃つことに。「2年ぐらい前から試合用の練習をしていた」という美木は、これがパンクラス初参戦となる。さらにIMMAF世界王者で、9月にパンクラスでプロデビューしたサロハイディノフと、プロデビューから6連勝中の松井斗輝が対戦することも決定している。

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NEXUS o TSUNE パンクラス 中島太一 田中路教

PANCRASE339:セミファイナル・井村塁 vs. 矢澤諒

バンタム級。井村2位、矢澤6位。

柔術バックボーンの井村は全勝全フィニッシュでネオブラを制し、2年前の12月に中島太一と暫定王座決定戦で対戦したが、2RKO負け。さらにTSUNEにもテイクダウンから押さえ込まれて判定負け。そこから3連勝で復調したが、前戦はNEXUS王者河村からテイクダウンを奪ったところで下からのダースチョークに捕まってタップ負け。24歳。

右の一撃KOパンチャーの矢澤は、井村同様3連勝(3戦とも1RKO勝ち)で9月の30周年記念大会に出場したが、ノーランカーで4月には田中路教に敗れているパラエストラ柏の笹に、ひたすらテイクダウンを仕掛けられる展開で打撃が不発となり判定負け。25歳。

いきなり飛びこんだ矢澤。右フックがヒット!井村一瞬棒立ちに。パンチで出る矢澤。井村シングルレッグ。足にしがみつく。しかし引き剥がした矢澤。右を入れる。効いている。が、矢澤出力を出しすぎたのか疲れが見える。前蹴り。井村タックル。切りきれない矢澤。井村テイクダウンしてバックに回りチョーク!タップアウト!

井村「9月大恥かいたんで、すぐにチャンスをくれたパンクラスさん、対戦を受けてくれた矢澤選手、ありがとうございました。来年がんばります」

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NEXUS o パンクラス

PANCRASE NEO BLOOD!6:セミファイナル・小森真誉 vs. 望月貴史

フェザー級

ロータス所属小森はNEXUSでキャリアを積み、2019年にパンクラス初参戦すると2連勝。しかしそこから4連敗し、再びNEXUSでキャリアを積み直した。昨年10月に1年半ぶりにパンクラスに出場したものの、三宅にパンチを貰ってKO負けでパンクラス5連敗中。その後はまたNEXUSに出場して1勝1敗。32歳。

望月はBRAVE所属で昨年デビューしたばかり。今年はここまでパンクラスで2戦して1勝1敗。8月の前戦はリバーサルジム横浜の岡田から柔道スローで投げられr下になる展開で判定負け。25歳。

蹴りを入れる小森。ケージ際でタックルに。しかし潰され下になった。マウントからバックを狙ったが、小森反転して上を取る。ハーフ。ブリッジで返そうとした望月だが、小森こらえてバックに回る。四の字バック。バックから殴っていく小森。反転しようとする望月だがさせない小森。そのままホーン。

1R三者小森。

2R。小森パンチからシングルレッグへ。片足のまま首をキャッチした望月がアナコンダクラッチすると、そのまま後方に倒れ込んで絞める。しかし浅いか。上になり押さえ込んだ小森。ハーフ。肩固めをセットしまうんとに。しかし望月ケージを蹴って返した。肩固めは外れたが、小森バックに移行。四の字バック。もがいて脱出しようとする望月だがバックキープが続く。ホーン。

2R三者小森。

3R。小森すぐにシングルレッグ。望月ノーアームギロチンで引き込んだが対応されている。放した。ガードに。下から蹴って立とうとする望月だが、小森バックに回る。四の字バック。ケージを蹴るが脱出できず。その体勢のまま残り1分。ようやく反転した望月。パウンド。小森立った。四つからスタンドバックに。テイクダウン。タイムアップ。

30-27×3で小森がパンクラスでの連敗を止めた。

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MAGISA MMA MMAPLANET NEXUS o Wardog Wardog44 しゅんすけ 修斗 冨樫健一郎 柿原勇気

【Wardog44】8年半ぶりのワードッグで感じたこと――日本版フィーダーショー、人材育成の在り方

【写真】柿原勇気代表から防衛したベルトを受け取ったMAGISAが、返上を表明して柿原代表に戻した。そんな卒業式を受け入れるのが、ワードッグの在り方でもある (C)MMAPLANET

22日(日)、大阪市港区の弁天町世界館でWARDOG CAGE FIGHT44が開催された。メインイベントではフライ級選手権試合が行われ、MAGISAがしゅんすけを判定で下し、王座の初防衛に成功している。
Text by Shojiro Kameike

MMAPLANETが初めてワードッグについて報じたのは2015年3月に開催された第2回大会だった。あれから8年半の時が経ち、大会数も44に達したワードッグの現在と、関西フィーダーショー=人材育成についてお伝えしたい。


<WARDOGフライ級選手権試合/5分5R>
MAGISA(日本)
判定3-0
しゅんすけ(日本)

メインイベントでフライ級王座を防衛したMAGISAが、柿原勇気ワードッグ代表に驚きの発言を行った。「このベルト、返上しても良いですか? 僕の現役生活もあと2~3年だと思うので、他の団体でも勝負してみたい。それと今日対戦した、しゅんすけ選手のような若い選手たちにもチャンスを与えたい」――このMAGISAの言葉を受けて、柿原代表はその場でベルト返上を了承。MAGISAからベルトを受け取り、来年にフライ級トーナメントを開催する旨を語った。

MAGISAはレスリングで日体大まで進んだあと、地元である岡山県でMMAを始めている。プロデビューは2012年、MMAキャリアも10年を超えるベテラン選手だ。現在はWARDOGを主戦場とし、昨年10月に岡山市内で『MMAジムblooM』を立ち上げた。さらに練習のため、パラエストラ広島や山口県岩国市のレオス柔術アカデミーまで赴くこともある。今大会では、パラエストラ広島の冨樫健一郎代表がセコンドに就いていた。

今大会の王座防衛戦ではフルラウンドにわたり、しゅんすけからテイクダウンを奪い続け、トップキープで判定をモノにした。しゅんすけは1RこそMAGISAのシングルレッグをスプロールしたものの、後半になると背中を着かされる場面が増えてくる。それも一度は組んできたMAGISAを抱えながら、しぶとく粘られると根負けしているような印象を受けた。試合後、MAGISAは勝因として「経験の差」を挙げている。

しゅんすけはプロMMA戦績こそ5勝3敗だが、その前にワードッグのNGF=New Generation Fightで経験を積んでいた。MAGISAの言うように、テイクダウンやスクランブルの競り合いの中で経験不足を露呈した印象だ。しかしフライ級の中では恵まれた体躯に加えて鋭いストレートと蹴り、4Rにアナコンダチョークを極めかけたグラウンド技術には将来性も感じさせる。そんな打撃とグラウンド技術を繋ぐテイクダウンやスクランブルの攻防を育てるためにも、ケージ&ユニファイドルールは必要だ。

このルールで女子の試合が組まれるのは、近畿圏では珍しいといえる

5分1Rでユニファイドの経験を積むための戦いは、ワードッグ主催者が「セミプロ枠」と呼んでいるように、いわゆるプロMMAではない。今大会で見られたような、積極的にフィニッシュを求める試合内容も、5分1Rという短い時間だからこそ可能な面はある。

とはいえ、プロデビュー前からユニファイドを目指したルールで戦える経験は大きい。まだまだ選手層が厚いとはいえない各地域のジム、あるいはMMAイベントの中で経験できないルールと攻防がNGFにはある。NGFの効果がまだまだ先のことかもしれない。しかし、その芽は大阪の小さな劇場で生まれつつある。

現在、blooMには修斗などプロMMAはもちろん、ワードッグのNGF出場者まで20名近い選手がいるという。すでに大阪をはじめとした近畿エリアだけでなく、中国地方でもNGF枠による選手育成の輪が広がっている。そしてMAGISA自身も来年1月28日に岡山県笠岡市で自主興行を開催し、その中でNGFと同様に5分1Rの試合を組む予定とのことだ。

柿原氏はインタビューの中で、同じフィーダーショー的な位置づけの団体としてNEXUSを挙げた。発表こそできないものの、日本に存在するフィーダーショー的イベントと交流し、MMAの底辺拡大の輪を日本全国に拡大していくプランもあるという。そこにワードッグのNGF枠に選手を送り出しているMAGISAの自主興行も、来年の興行はリングを使用するとのことだが、いずれ同じフィーダーショーの輪に加わってくるのだろうか。今後のNGF、そして小径ケージ&ユニファイドから広がっていく選手育成の輪に注目していきたい。

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【Wardog44】関西フィーダーショー=ワードッグ柿原勇気代表─02─「選手を囲い込んでも強くなれない」

【写真】今大会のメインはMAGISA×しゅんすけのフライ級選手権試合(C)WARDOG

22日(日)、大阪市港区の弁天町世界館でWARDOG CAGE FIGHT44を開催する、柿原勇気代表のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

立ち上げから来年で10年目を迎えるワードッグから、他団体に出場する選手も増えてきた。柿原代表はワードッグに出場している選手を囲い込むようなことはしないという。「チャンピオンになったら、どこに出ても良い。他でワードッグの名前を広めてほしい」と語る、柿原代表とワードッグにとっての選手育成とは?

<柿原勇気代表インタビューPart.01はコチラから>


――ワードッグがスタートした時、地下格闘技の方面から反発はなかったのですか。

「当時は良く思われていなかったんじゃないですか。でも今は選手を囲うようなことをしたら選手のほうから離れていく。それは地下格闘技の主催者やチームも分かってきていて、ちゃんとMMAをやりたい選手をワードッグに出してくれるようになりました。

選手も選手で、コンプライアンスというものが分かってきましたよね。細かい法律の内容はともかく、『こんなんしたらアカンな』ということは知るようになってきました。みんな変わらざるをえなかったんです。主催者もチームも、行儀が悪い連中は切らざるをえない。そういう選手がいると、格闘技を続けていかれへんから」

――ワードッグが継続されるなかで、練習面でも意識は変わってきたのでしょうか。

「技術的な面もそうです。たとえば地下格闘技で腕に覚えがある子が、ウチのジムへ練習しに来るじゃないですか。まずスパーでウチの選手が完全に漬けて、『このレベルではワードッグに出ても勝たれへんよ』と教えます。地下格闘技は、寝かされたら立てない場合が多いです。でも、やる気のある子たちは一度やられたら、寝技を学ぼうと自分で柔術の道場を探したり、レスリングの練習をするようになる。ちゃんとMMAを勉強したうえで、さらに自分の良いところを伸ばそうとする――そうやって変わっていかざるをえなくなりますね」

――本当にイチから、ということなのですね。そうして選手を育成しているワードッグにとって、新生グラジエーターはどのような存在だったのでしょうか。

「共存共栄という言葉があるじゃないですか。別に共存するつもりはありません。存在するには各々が頑張っていれば良いことやから。でも共栄――共に栄えるために、一緒に何か考えていきましょう、という話をグラジエーターの櫻井(雄一郎代表)さんとしています。

グラジやRIZINにも出場経験のあるストロー級王者、中務 修良が11月4日、韓国でGFCフライ級王座ウ・ジウォンに挑戦する。

結局、考えて辿り着くところは同じなんですよ。先ほどお話したとおり、登っているのは格闘技……MMAという同じ山やから。たとえば今、グラジエーターさんは海外から強豪を呼んでいますよね。我々は以前から韓国に選手を派遣してきました。もう日本人選手だけで試合を組んでいても強くなれない。国によって、いろんなMMAのやり方がある。それを知ることも選手の今後にとって、大きな財産になると思います。今や一つの団体が囲い込んでいては、選手も強くなれないわけで」

――はい。

「自分の中に『日本なら、この団体で華を咲かせよう』と決めることは大切です。一つの団体で強くなれないのに、他の団体に行って勝てるかどうかは分かりません。でもWARDOGとしてはチャンピオンになったら、次にどこで試合しても良いです。ただ、他の大会に出る時も僕が窓口になっています。それはワードッグが選手を囲みたいわけじゃなくて――契約とか、そういうことも分からない子たちばかりなんですよ(苦笑)。ウチのチャンピオンになって、○○に出てみたいけど、どうやって交渉すればいいのか分からない。だったら僕が話を聞いてみるよ、というだけで。そのほうが選手も、他の団体さんも楽やと思うんです」

――他団体との契約方法まで含めて、イチから育てていくということですか。

「海外の大会へ派遣するのも、海外への行き方も学んでほしいという気持ちもあるんです。昔の話ですけど、韓国の試合が決まって飛行機も決まった選手が『15分前集合で良いですか?』と言ってきて。『良いわけないやろ! 飛行機に乗ったことないんか!?』と(笑)」

――アハハハ! そう考えると、MMAをやっていなければ人生で経験しなかったかもしれない、ということも多いかもしれません。

「そうなんですよ。だから、いろんなことを経験してほしいし、学んでいってほしい。極論すると、ワードッグを経験したあとに何をしようと別に構わないんです。そのままプロになってMMAを続けるでも良いし、ブレイキングダウンに出たければ出ても良い。全く違う仕事に就いても良いです。何であっても、ここで教わることは格闘技だけじゃなく、その後の人生にとっても絶対に必要なことやから」

――初期ワードッグで印象深かったのが、アマチュアの試合で韓国人選手や日系ブラジリアン選手と対戦できていたことです。アマチュア時代に、あの経験はとても大きい。

「今はアマチュアを止めてNGFに移行していますね。日系ブラジリアンの場合も、地下の選手と同じパターンなんですよ。彼らは柔術以外の試合に出場する方法が分からなくて。あと韓国からも、やっぱりMMAの経験を積みたいという話が結構来るんです」

――本当にイチから育てる、まさに日本版フィーダーショーですね。

「フィーダーショーという言い方をすれば、NEXUSさんはコンセプトも同じで、代表の山田さんとは話が合いますね。今はNEXUSさんと選手の行き来はないけど、いずれフィーダーショーとして何かしら協力関係をつくっていくことがあるかもしれないです」

――では次の大会について見どころをお願いします。

「まずはメインですね。MAGISAはレスリングの実績もあるベテランで、しゅんすけは初めて見た時に『コイツは強くなるな』と思った新鋭です。そういう分かりやすい試合ですね。このタイトルマッチで勝った選手に、ワードッグ王者として海外の試合を経験させたいです。あとはライト級のマッチメイクが多くなっていますが、この階級は来年のタイトルマッチに向けて挑戦者を決めていきたいと思っています。あとはぜひNGF枠で選手がイチから育って羽ばたいていく過程を、ぜひ見てください。よろしくお願いします!」

■WARDOG44対戦カード

<WARDOGフライ級タイトルマッチ/5分5R>
[王者]MAGISA(日本)
[挑戦者]しゅんすけ(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
そのまんまたなか(日本)

<ライト級/5分2R>
キンコンカンコンケンチャンマン(日本)
ユン・チュル(韓国)

<フェザー級/5分2R>
DAIGO(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
前田慶次(日本)
SAIDER(日本)

<バンタム級/5分2R>
セイヤ(日本)
カーレッジユウキ(日本)

<フライ級/5分2R>
岩本尚(日本)
よしひと(日本)

<グラップリングマッチ ウェルター級/5分1R>
坂本オーズ昌良(日本)
ジャンジュオン(韓国)

<グラップリングマッチ ライト級/5分1R>
白樫忍者(日本)
ユ・エンホ(韓国)

<NGFライト級/5分1R>
だいち(日本)
REN(日本)

<NGFフェザー級/5分1R>
RYUSHI(日本)
淳平

<NGFバンタム級/5分1R>
アダチコウキ(日本)
それゆけケイタっち(日本)

<NGFバンタム級/5分1R>
涼河(日本)
将太(日本)

<NGFフライ級/5分1>R
小西澄斗(日本)
PANTHERBOYショウ(日本)

<NGFフライ級/5分1R>
太一(日本)
真鍋陸(日本)

<NGF女子ストロー級/5分1R>
プリンセス☆サアヤ(日本)
チャッキー☆ルビ(日本)

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BELLATOR IMMAF KAREN MMA MMAPLANET NEXUS o PANCRASE Pancrase337 RIZIN UFC V.V mei   ブログ ムハンマド・サロハイディノフ 井村塁 住村竜市朗 八田亮 川中孝浩 平田樹 平田直樹 河村泰博

【Pancrase337】計量終了 カルバン・クライン派は5名。平田直樹のセコンドは平田樹。計量会場よもやま話

【写真】住村竜市朗、八田亮、川中孝浩、河村泰博の共通点は(C) MMAPLANET

23日(土)、明日24日(日)に立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE337の計量が新宿区サンエービル会議室で行われた。
Text by Manabu Takashima

正午に第8試合からメインまで7試合、14名の出場選手。続いて午後12時50分からオープニング~第7試合までの14選手が計量を行った。計28人中3選手が再計量が必要となったが、3人揃って時間内までパスしている。そんな計量会場がきかれたよもやま話をお届けしたい。


■パンクラスの計量は本計量をメディアに公開して行われるもの。セレモニアル計量を用いるプロモーションも存在するが、そのパブリック計量では実際に戦う時に着用するものとは違っても、ファイターはファイトギアを着用することが一般的だ。対して本計量ではUFCのような公式ウェアが無い場合は、少しでも体重を軽くするために私物の下着姿で計量台に乗る選手もまま見られる。

もちろん、写真を撮影されるわけで、普段から文字通り下着として使用しているモノではなく、計量用に下着を購入する選手がほとんどだろう。そんなアンダーウェア派のなかでオシャレ&セレブ感があるのがカルバン・クライン着用の選手だ。今日の計量では、確認できる範囲で上位カード出場選手から4名、前半戦出場選手は1人のカルバン・クラインの下着着用が認められた。

■今やMMAPLANETでその名が見られるのが、兄・平田直樹の計量時限定ともいえる平田樹は、1月の試合復帰に向けて練習環境を整えつつある模様で、「足がアザだらけです」と笑顔を見せていた。その平田樹はロータス世田谷の八隅孝平がRIZINで金原正徳と中島太一のコーナーに就くため、明日は兄・直樹のセコンドに就くという。

その平田兄妹、セコンド業に向けてタオルの投げ方を話し合う――いや、そこじゃないでしょうという――一幕が計量会場で見られた。

■コメインで藤田大と戦う住村竜市朗は、意気込みで「久しぶりの青コーナー」と発言していたが、本人に確かめると2019年12月のBellator Japan、ジョン・タック戦以来3年9カ月ぶりとなるそうだ。

■地元立川大会に連続出場の井村塁。ALMA FIGHT GYM PUGNUS所属として河村泰博と対戦。その井村が計量台に乗った瞬間、明らかに雰囲気が以前と違う。本人か確認してしまうほどの違いは、髪の毛を下ろして額が隠れていたから。新たな気持ちで、ヘアスタイルも変えてNEXUS王者を迎え撃つ――と思いきや、「髪の毛を切る時間が取れなくて、伸びてしまっただけで。これからカットしにいきます」とのことだった。

■秋葉太樹とプロデビュー戦を戦うIMMAF世界王者のムハンマド・サロハイディノフ。明日の試合に向けての抱負を話すと、コーチが英語に訳す。その英語を日本語に通訳をするなど、タジキスタン勢のサポートをしていたのがV.V Meiだった。

■パンクラス30周年記念大会、海外勢はそのサロハイディノフ1人。対して、12月24日の記念大会は外国人ファイターの来日も増える見込みだ。某アジア系のフェザー級強豪がサインをしたという話も伝わってきており、正式発表が待たれる。

■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分5R>
亀井晨佑:65.75キロ
新居すぐる:65.65キロ

<ウェルター級/5分3R>
藤田大:75.5キロ
住村竜市朗:77.55キロ

<ストロー級/5分3R>
八田亮:52.75キロ→52.6キロ
黒澤亮平:52.55キロ

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太:76.65キロ→77.55キロ
川中孝浩:76.95キロ

<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.35キロ
河村泰博:61.65キロ

<フェザー級/5分3R>
平田直樹:66.25キロ
遠藤来生:66.0キロ

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹:57.05キロ
ムハンマド・サロハイディノフ:57.05キロ

<ライト級/5分3R>
余勇利:70.55キロ
神谷大智:70.55キロ

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣:61.6キロ
安藤武尊:61.0キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.15キロ
葛西和希:70.6キロ

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:51.85キロ
高本千代:52.0キロ

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒:61.8キロ→61.65キロ
笹晋久:61.4キロ

<フライ級/5分3R>
梅原規祥:57.05キロ
饒平名知靖:56.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎:77.5キロ
渡邉ショーン:77.0キロ

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【RIZIN44】「チョット早くね」=摩嶋一整戦前の横山武司。「ボコボコされる可能性は十分にあります」

【写真】言葉使いは現代風ですが、礼を欠かない。慇懃無礼の逆を行く横山武司(C)MMAPLANET

24日(日)、さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN44で、横山武司がRIZIN二戦目で摩嶋一整と対戦する。
Text by Manabu Takashima

ブラジリアン柔術黒帯、新婚旅行もATOSで修行という横山は5月の山本琢也戦でRIZINデビューを腕十字&一本勝ちで飾ったが、今回の摩嶋戦のオファーに関しては「チョット早くね」という心境を吐露した。

社会からはぐれていそうで、しっかりと社会性もある。そのアンバランスさはMMAファイターとして組み特化のアンバランス性と相まって、横山の存在を既に際立たせている。


――7月の超RIZIN02の際、さいたま新都心駅の改札横で長蛇の列の先頭に横山選手がいて、ファンにサインを書き続けている場面に出くわしました。

「そうでしたね(笑)。めっちゃビックリしました。赤羽までバイクで行って、そこから電車に乗ったんですけど、なんかすごいジロジロと見られて。何かおかしいなって思っていると、改札を出た直後に『サインしてください』、『写真撮らせてください』っていう人が次から次へと出てきて(笑)。結局、1時間ぐらいサインをしていました」

――1時間も。あの炎天下でッ!!

「1人だったから、水を飲むタイミングがなくて……。でも、最後の最後に『これを』って水をくれた人までいたんです。気が利く人っているんですね」

――凄く良い笑顔で対応していました。

「凄く嬉しかったです。最初は(笑)。最後の方は、試合が始まっちゃうって焦り出して。でも、途中でやめるって嫌な気持ちをする人もいるのでできなかったです」

――そのファンの存在は、横山選手にとってやりがいになるのですか。

「なりますね。そんな、特別に有名になりたいという気持ちはないのですが、今のところファンのSNSでの反応は良いことしか書かれていないので、励みになるというか自信になります。応援してくれる人達のために頑張ろうということではないけど、自分のこのやり方は間違っていないんだって思えます。

まだ悪口とか、変なことは書かれていなので――そこは良かったなって。でも何かあったら悪口に変わるし、これでつけあがるようなことはないようにしたいです。良い感じで楽しんでいられるので、今の感じで良いかなって」

――そして9日後に摩嶋選手との試合が控えています(※取材は15日に行われた)。前回の山本琢也戦ですが、あの状況では横山選手の実力は測ることができない。計量失敗で、山本選手は力を出す精神状況になかったと素直に思いました。それでも一本勝ちができた。あの勝利をどのように振り返ることができますか。

「アレは相手がミスってくれればできることですけど、一瞬で終わっちゃったんで。試合勘が全く掴めていない。ただでさえ、RIZINに出るまで4試合しかしていなくて、あの試合も自分の経験値にはあまりなっていない。疲れることもなく、汗を掻く前に終わってしまったし。勝った時はもちろん嬉しかったけど、経験値を高めることができていない。そういう焦りもあります」

──そこで決った摩嶋選手との一戦です。オファーを貰った時は、どのような気持ちでしたか。

「『チョット早くね』っていうのが、本音です。本当にトップの選手なので。斎藤(裕)選手、朝倉未来選手、摩嶋選手──その辺の選手たちはもうチョット後、次はRIZINで1、2回出たぐらいの下の選手になるかなって。自分もまだ無名だし、北海道大会とかに余り知らない人達が出ていた。あの辺の人たち。DEEPからRIZINにきて1試合目じゃ2試合目の選手。それか、この前の僕みたいにどっかの団体のチャンピオンでRIZINデビュー戦になる人。知らない選手で、決まってから調べて『こういう選手なんだ』ってなるような相手と戦うのかなと思っていました。

それが摩嶋選手だったから、あぁもうそういう選手とやるんだって。同じ日に試合をして、普段普通に練習していて摩嶋選手の名前はよく聞いていました。他の選手に比べて、かなり業界のことを知らない僕でも摩嶋選手のことは知っていました。ただ、ここで相手を選ぶことはできないので。『うわぁ、マジか』って思ったけど、『やります』と返答しました」

──戦績的に摩嶋選手はRIZINでは1勝3敗です。それでも横山選手からすればフェザー級のトップだと。

「相当に強いと思います。3敗したといっても斎藤選手、クレベル(コイケ)、金原(正徳)さんが相手です。この3人でないと5連勝していたかもしれない。マジで結構連勝していたと思います。RIZINに出る前は14勝1敗だし、相当に強い」

──それでも対戦を受けたのは?

「相手を選ぶのって恰好悪いじゃないですか。戦えない理由が『知り合いだから』とかっていうモノなら分かるけど、『ちょっとまだ勝てないから』って断ることはできない。試合に向けて練習していくしかないから。なんで、オファーを受けた時には『練習しないとな』となりました」

──摩嶋選手は昨年の4月に金原選手に激闘の末敗れました。対して横山選手は昨年の11月に山本空良選手にNEXUSで競り勝った。そして金原選手は4月に山本選手と戦い圧勝しています。現状、横山選手と摩嶋選手の間には金原選手と山本選手のような差があるかもしれない。そのような見方も成り立ちます。

「ホント、その可能性はあると思っています。金原さんと山本選手は、先輩が先輩らしくボコボコにした試合でした。僕がそうされる可能性は十分にあります。7割、8割、9割の局面をコントロールされて、フィジカルも気持ちも摩嶋選手の方が全部格上だなって負ける。その可能性は結構高い。それか僕が一本を取る。僕が疲れすぎて肩固めでタップという可能性もあるけど、スッと一本を取られることはない。一本決着なら、僕が隙をついて取ります」

──スッと入るということであれば汗を掻く前、初回が勝負かと。

「でも摩嶋選手は1Rが元気なので、そこで掴めるのは難しいと思います。取るなら疲れてきたところなので、気持ちで負けないように……スタミナが切れないようにずっと攻撃し続けてないといけないです」

──それは簡単ではないですね。

「そこッスね。気持ちの保ち方、フィジカルで自分が先に疲れると勝ち目はないです。攻め続けて、相手を疲れさせないと一本は取れない試合になるんじゃないかと」

──勝負だから負けることもあると承知の上で今、冷静に話しているのか。もしくは謙遜して話している風で、心の内は凄く自信があるのか。どちらなのか、判断がしづらいです(笑)。

「両方ッスね(笑)。自信もしっかりあるけど、全てをシミュレーションしています。だから、どうなると負けるのかっていうことも考えていて。ただ謙遜していても、適当なことを言っているということはないです。本当のことしか言っていないです。今回は本当に相手は強いだろうなって」

──それでも自信が伝わってくることが、横山選手の面白いところです。大口を叩いても、やはりそれが大口にしか聞こえない選手もいます。

「真面目に練習していないと、そうなりますよ。やっぱり練習あるのみだから。勢いだけでやっていると、なんか若い子はMMAはやることが多すぎて喧嘩みたいな方にいってしまいますよね」

──若い子はって……。

「僕はデビューしたのが25歳で、もう27歳なので(笑)」

──MMAだけでなく、そこまでの全ての経験値も関係してくるような気もします。特に横山選手は柔術家という括りでいえば、黒帯のコンペティションを経験していることは大きくないでしょうか。

「柔術でいえば黒帯になってからが、本当の勝負なので。そこで戦っている人間と、やっていない人間の違いはあると思います。それとグラップラーだとMMAも柔術もグラップリングもやっていて、負けたら終わりという状況にないことがあります。負けたら終わりという試合をすると、選手は成長できるかと」

──なるほど。では今回の試合に向けて、練習内容に変化はありましたか。

「余り変えていないです。今は仕事として柔術のクラスがありますが、選手練習はMMAだけです」

──その練習場所というのは?

「K-Clannでは……今はATTに行っているけど、牛久(絢太郎)先輩やCOROさん。大尊伸光選手、中原由貴選手とか。あとK-ClannのDEEPに出ている選手なんかと」

──中原選手など、RIZINで同じ階級ですね。

「まぁ、打撃はボッコボコにされています(笑)。メッチャ、強いです。あの人と試合をするとなると、怖いッスね。だからこそ、そういう練習が必要で。あとはFIGHT BASEで(佐藤)将光先生のところに行っているのと、ここS/weelsでもグラップリングの練習をハードにしたり。それとパラエストラ東京を借りてイゴール・タナベ、シビサイ(頌真)さんとかめっちゃデカいですけど(笑)、マネージメントが同じ3人でミットを持ってくれる人やレスリングのコーチが来てくれて一緒にやっています」

──レスリングの指導はどなたが?

「なんか日体大の強い人……凄く強いって言われている人が来てくれます」

──アハハハハ。名前を覚えていないのは失礼かと思うのですが、なぜか許されてしまう得なキャラをしていますよね。

「ハハハハ。MMAの練習は色々な人が誘ってやっているけど、レスラーはやっぱ凄いですね」

──今回の試合に関しては、組んで倒されても自分の庭で戦えるということなりますね。

「向うのやりたい試合が、僕のやりたい形になってくるので、やりたい戦いになると思っています。自分の得意なところを潰されないこと。そこは絶対に潰されない自信はあります」

──トップのプレッシャーに対して、下からのコントロールというところでしょうか。

「そうですね。意外と簡単にスイープできちゃうのか。全然、できないのか。サブミッションのディフェンスはどうなのか。メッチャ緊張しているのですが、凄く楽しみです」

──寝技に付き合わない、突き放す戦いをされる方が嫌かと思うのですが。

「何もしてこないってやつですね。そこはマジで想定しています。突き放してくる分には別に構わないです。立って殴り合いをして、自分からも組むので。でも上から何もしない。パウンドも打たない。取られないことだけを意識して、動いてこないと本当につまらない試合になる可能性はあります。

摩嶋選手は強い選手です。だから……弱い選手が上から何もしてこなくても、動かす方法は意外となくて。それを摩嶋選手が動かないでつまらない戦いをやってきたら、本当につまらない試合になる。そうならないことを願っています。そうならないよう勝つ時も、負ける時も良い試合をしたいですね」

──MMAでの戦い方は、どのように組み立てているのですか。

「自分でやっています。色々なところで練習しているので、細かいところは自分で考えて。そのなかでも、たくさんアドバイスをくれるのは将光先生です。実際にスパーリングをしても、圧倒的に知識とテクニックがありますし。まず将光先生から聞いて、自分でできることをやる。分からないことは将光先生に尋ねて、また試す。そうやって最後は自分で選ぶんですが、将光先生は本当にお世話になっています」

──ここ越えて、この先というのは考えますか。

「これが自分にとってRIZIN公式デビュー戦です。この前の試合はRIZIN体験入門で。今回はこの前の体験で皆から認められて、ファンの人も求めてくれた試合──RIZINの中心メンバーと組まれた。どこまで自分ができるのか。勝っちゃったら、もっと強い人というのはあんまり考えていなくて。いうても、まだ7戦目で。この人と戦いたいというのはあまりないです」

──ここからは横山選手本人の試合ではないのですが、クレベル・コイケ✖金原正徳の一戦の勝利者予想を。

「(きっぱりと)クレベルの一本勝ち」

──おお。

「高校生や青帯の時から見ている業界の大先輩がRIZINに出て、バンバン一本勝ちしているのを視て、俺にもできると思ったところもあるし。クレベルが負けるところを見たくないです。自分の信じた柔術が一番強いという想いが凄くあって、僕はクレベルとサトシが勝ってくれると勝手に誇らしく思っていたし。だから金原選手も凄く強くて、金原選手が勝つパターンも色々と想像できるけど、願い──望みということもあってクレベルが一本取るんじゃないかと思います」

──横山選手は今、柔術ベースのMMAファイターなのかMMAを戦う柔術家なのか。どちらなのでしょうか。

「MMAファイターらしくはなってきちゃってはいます。なぜかというと、今年の収入は柔術よりMMAファイターの方が全然高いので。だからMMAファイターになってきてはしまっているけど、まだ柔術家のノリがあるかな。

ただ柔術の黒帯全日本チャンピオンがMMAをやっているというのはあったけど、RIZINに出てそれなりに注目されているなら、MMAファイターだと言わないとRIZINに失礼かという気持ちもあります。この舞台で戦って注目されているからにはMMAファイターだと思って、やることをやらないといけないです」

■視聴方法(予定)
9月24日(日)
午後2時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■ RIZIN44対戦カード

<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
金原正徳(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
萩原京平(日本)

<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(日本)

<フェザー級/5分3R>
中原由貴(日本)
白川陸斗(日本)

<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
横山武司(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
岡田遼(日本)

<ヘビー級/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
ヤノス・チューカス(ハンガリーム)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
トッド・ダフィー(米国)

<フライ級/5分3R>
福田龍彌(日本)
山本アーセン(日本)

<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

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【RIZIN44】新スタイルへ進化中、摩嶋一整―01―「フルラウンド動いてフィニッシュを狙い続ける」

【写真】明らかに前回のインタビュー時と表情が違う。すっきり爽やかな笑顔だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

24日(日)、さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN44で、摩嶋一整がNEXUSフェザー級王者の横山武司と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年5月に芦田崇宏を下して連敗を脱した摩嶋。昨年4月の金原正徳戦は敗れたものの大激闘となり、摩嶋自身も学んだものが多かったという。横山戦を控える摩嶋が目指す、理想のMMAスタイルとは――


――9月24日に横山武司戦を控えている摩嶋選手です。本日は宜しくお願いします。

「宜しくお願いします! そういえばMMAPLANETって、国内のリングMMA取材を解禁したんですね」

――はい。そこで次はリングで試合をする摩嶋選手のインタビューと相成りました。

「MMAPLANETは特に選手が多く見ていると思うので、リングMMAも扱ってくれるのは嬉しいです」

――ありがとうございます。それにしても前回のインタビュー……、昨年4月の金原戦の前と比べると、表情も柔らかいですね。

「心の余裕がありますから。やっぱり3連敗中は、しんどかったです(苦笑)」

――では心に余裕が生まれた要因でもある、芦田戦の勝利の感想から教えてください。それまで摩嶋選手は3連敗中でした。

「ようやくRIZINで勝てたことは僕にとっても、あと地元にとっても嬉しいことだと思うので、とりあえずホッとしています」

――地元である山口県の方からの期待を感じますか。

「山口県からRIZINに出ている選手は僕しかいませんし、自分が出たらそれだけ地元でも盛り上がるので。最近は仕事の現場でも声を掛けられるようになりました。あと道を歩いていると『試合を視ました!』と言われることもあって――特に勝った後は。自分の試合を視てくれているんだなぁって感じます」

――その状況では、3連敗中だと心に余裕がなかったのも仕方ないかもしれません。

「結果を出すことができていなくて、地元の人たちに対して申し訳ない気持ちはありました。でも自分としてはもっとできると思っていたし、しっかり練習して勝てたことは嬉しいです」

――その芦田戦の前に、金原選手との試合は敗れたものの大激闘を展開しました。あの試合内容に対して手応えはなかったのですか。

「練習内容の割には戦えたのかな、と思います」

――練習内容の割には(笑)。

「アハハハ。でも、もっとできることはあるかなと思いました。ここは攻める、ここは休むというペース配分とか。3連敗しましたけど、大舞台でそういう経験ができて自分も変わることができましたね」

――摩嶋選手の場合、どうしても練習環境が取り上げられることが多いです。仕事の関係で、練習できても週4日ほど――そのなかで広島と山口で活動している柔術家の森戸新士選手と、ケージレスリングの練習に取り組んでいるとのことでした。金原戦で、その練習の成果は出ていたのでしょうか。

「今考えると、まだまだだなって思うことは多いです。ただ、あの後もずっと森戸さんと練習させてもらっていて、自分に合った戦い方が分かってきました。それはケージレスリングだけでなく、グラウンドの面でも」

――金原戦の直後には「スタミナがなく、3R戦えない。最後は心が折れた」と仰っていました。

「金原さんとの試合に限らず、いつも1Rで極めるつもりで戦っていて最初からガンガン攻めていました。でもトップレベルの選手と対戦すると、全て防がれてしまう。すると自分が消耗していくという試合ばかりでしたよね」

――19戦というキャリアの中で判定決着が2試合しかない摩嶋選手です。1Rからガンガン攻めていくのも摩嶋選手の魅力かもしれません。一方で3連敗を喫した時に学んだものとは、3Rずっと攻め続けるためのスタミナをつけることなのか。あるいはペース配分を考えることなのか――どちらでしょうか。

「今は両方ですね。スタミナをつける練習もやっていますし、無駄なところでは力を抜くというペース配分も考えながら戦っています」

――これまで最大で週4日という練習スケジュールのなかで、スタミナをつける練習よりも技術練習やスパーリングに時間を割くことのほうが多かったのですか。

「筋トレやフィジカルトレーニングをしたことは、ほとんどないです。ほとんど技術かスパーリングで。30歳を迎える頃には仕事も忙しくなってきて、全く練習できない時期が1~2カ月もあったりしました。ずっと休みなく、毎日働くことになるので。それも3連敗してから、仕事が忙しい時期と試合をずらすことにしました。仕事が忙しい時期は、だいたい決まっているので」

――そうして練習と試合に集中できる時間を増やしたということですね。――体力をつけるために、どんなトレーニングをしているのでしょうか。

「走り込んだりもしますが、基本は道場での練習のみです。でもスパーリングで追い込むようにしてもらっています。どんどん体力を使って、追い込まれた時に自分がどうするかっていう練習は増えました」

――摩嶋選手のスタイルで3R攻め続けることができれば、それは強いですよね。

「それが理想ですし、その理想を求めてきました。ただ、ずっと早い段階でフィニッシュできていたので、スタミナ面はあまり考えてこなかったんです。でも対戦相手のレベルが上がってくるにつれて、試合の後半でフィニッシュすることを考えなくちゃいけなくなった。もちろんチャンスがあれば1Rで極めることですけど、ベストはフルラウンド動き続け、フィニッシュを狙い続けることです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月24日(日)
午後2時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■ RIZIN44対戦カード

<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
金原正徳(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
萩原京平(日本)

<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(日本)

<フェザー級/5分3R>
中原由貴(日本)
白川陸斗(日本)

<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
横山武司(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
岡田遼(日本)

<ヘビー級/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
ヤノス・チューカス(ハンガリーム)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
トッド・ダフィー(米国)

<フライ級/5分3R>
福田龍彌(日本)
山本アーセン(日本)

<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

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