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【DEEP108】本田良介戦へ、杉山廣平─02─「負けたとしても胸を張れるような試合、そのために頑張ろう」

【写真】上の言葉は勝敗を度外視しているわけでは決してない。勝つために覚悟を決めた言葉だ(C)MMAPLANET

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108で、本田良介と対戦する杉山廣平のインタビュー後編。

これまでの杉山のキャリアは、決して平坦なものではなかった。連勝のあとに連敗を喫すること3回――本人が言うとおり、他のトップ選手と比べてれば出遅れているのかもしれない。しかし、その差を埋めようと千葉へ移り、DEEP初戦で勝利を収めている。そこで杉山に心境の変化と本田戦について、そして今後の目標を訊いた。

<杉山廣平インタビューPart.01はコチラから>


――これまで杉山選手は3回、2連敗を喫しています。ご自身の中で1敗だけでなく2連敗となる要因は何かあったのでしょうか。

「ありますね。2連敗した理由というより、3連敗って結構キツいじゃないですか。だから3連敗は絶対に避けたい、っていうプレッシャーがありました。それと負けるたびに、何か得られるものや変わるものがありますよね」

――負けて得られるもの……それが2021年3月の伊藤戦でKO負けしたあと、千葉へ練習環境を移したことだったのですね。また、それまでパンクラスを主戦場としていて、昨年9月の駒杵戦からDEEPで戦うこととなりました。DEEPについては、どのような印象を抱いていましたか。

「当時はまだDEEPのフライ級が、それほど盛り上がってはいなかったですよね。だから印象というのは特になかったです。でも駒杵戦の日のメインが暫定フライ級タイトルマッチで、自分がRIZINで負けていた伊藤にも借りを返したいっていう気持ちがありました」

――そのDEEP初戦で駒杵選手に勝利したことは、ご自身にとっては大きな自信になったでしょうか。

「はい。正直、駒杵選手のことはよく知らなかったんです。でも噂では、結構強いぞって聞いていました。Fighting Nexusでチャンピオンになっていて、僕との試合がDEEP初戦で。僕もDEEPで試合するのは初めてだったし、強いという噂を聞いていたので、プレッシャーはありました。そのなかで勝ち切ることができたのは、すごい自信になりましたね」

――2連敗後のDEEP初戦、そして相手が他プロモーションの王者ということで、プレッシャーは大きかったのですか。

「そうですね……プレッシャーというか、格闘技って自分との戦いだと思うんですよね。試合の日に、いかに自分を出すことができるか――そこが勝負だと考えていて。あの日は自分に勝つことができたんじゃないか、という感じです」

――それまでの敗戦は、つまり自分に負ける時があったのですね。

「負けたらどうしよう、とか試合前に思うことがありました。試合で負けて泣くことも多かったですし」

――えっ、それは意外です。

「でもUFCとかを見ていると、負けた選手も胸を張っていて。最後は自分に勝った選手と握手をしているじゃないですか。最近は負けて引退する選手も多いけど、みんな胸を張ってケージを降りていますよね。自分もそうなりたいと思ったんです。そのためには、試合でしっかりと自分のパフォーマンスを出すことが大事なんじゃないのかな、って。だから、負けたとしても胸を張れるような試合をしよう、そのために頑張ろうと思いました」

――現在の練習環境であるパラエストラ千葉ネットワークには、軽量級の強豪が揃っています。そういった強豪との練習のなかで、自分に負けることもないですか。

「いや、もうね……自信を失くしますよ(笑)。アハハハ、でもその中でも自分との勝負だと思っているので。自分を磨くことができるように練習しています」

――なるほど。試合のお話に戻ると、初戦が駒杵戦で次が本田戦というのは、噂されるDEEPフライ級GPへの出場者決定マッチの様相を呈しており、かつ杉山選手への期待もうかがえます。そこで大事な一戦となる次の試合、本田選手の印象を教えてください。

「諦めない、すごく気持ちが強い選手だと思います。毎回激闘になって、そのなかで絶対に気持ちが折れない。たとえ怪我をしても勝ち切っている選手ですよね」

――本田選手も前の試合で駒杵選手に勝利しています。その内容は、まさに気持ちが折れずに逆転のKO勝ちを収めていました。お互いに同じ相手と試合をしているということで、見えてくるものはありますか。

「参考にするとしたら……今言われたように、前回は途中まで駒杵選手が勝っていた試合だったじゃないですか。最後、駒杵選手にミスがあってKOされたという感じで。僕は駒杵選手にフルマークで勝っていますよね。だから自分と本田選手では、レベルの差があるんじゃないかと思っています」

――では本田戦に向けて、意気込みをお願いします。

「相手は気持ちの強い選手です。また自分との戦いになると思います。ここでしっかり勝って、このフライ級でトーナメントが行われるなら、その火付け役になっていきたいです」

――本田戦、そしてDEEPフライ級での戦いを経て、その先の目標はありますか。

「今はDEEPのチャンピオンになることだけです。他は考えていないですね。DEEPのベルトを獲ったら、もうあんまりやりたくないですね(苦笑)」

――もうやりたくないとは?

「何て言うか、DEEPのチャンピオンになって、防衛し続けてチャンピオンのまま辞めたいっていう気持ちがあるんですよ。千葉に来て、それだけDEEPのチャンピオンになることに懸けていますから」

■パラエストラ千葉ネットワーク 鶴屋浩代表の杉山廣平評
「ウチに来て太田忍、怜や扇久保博正と組んで練習していて、今もどんどん強くなっています。楽しみにしてほしいですね。次もすごく良い試合になると思います」

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP108対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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【DEEP108】教えて、佐伯さん─02─「なぜ本田✖杉山が2回戦?」「ユータ&ロック✖漢・中村大介の背景」

【写真】両者の対戦が決まった経緯を聞くと、さらに注目度が高まる中村大介✖ユータ&ロックだ(C)MMAPLANET

10日(日)、東京都文京区のTDCホールでDEEP108を主宰する佐伯繁代表インタビューPart.02。

潰し合い上等の勝負論だらけのマッチメイクが目立つ今大会において、力もあって上に行く可能性の高い選手の潰し合いがなぜ生じるのか。また、ある程度の実績残している実力者の顔合わせが、どうして2回戦なのかを尋ね──、ユータ&ロック✖中村大介という注目カードが決まった背景を話してもらった。

<佐伯繁インタビューPart.01はコチラから>


──そういう厳しいカード、典型的なのか雅駿介選手と海飛選手の顔合わせです。良い試合です。

「そうですねぇ(笑)。正直を言えば、海飛選手に関してはPOUNDSTORMでの試合が結構厳しいと思っていたんです。相手の鈴木崇矢選手が高校生で評判の良い選手で、当て感があった。でも終わってみれば完勝、KO勝ちできました。海飛選手もFKTで優勝したけど、プロになってからは2敗して順風満帆ではなかったです」

──ポテンシャルはあっても。

「ハイ。だから、簡単じゃないって自分でも分かっていると思います。雅選手もデビュー戦に勝ったけど、その後に負けが続いた。大阪でやっと勝てて。本当に厳しい戦いを続けていますよね」

──トントントンと行けそうな選手たちが、潰し合っている。

「ニューピアの大会だと、育てるマッチメイクもまだできます。でも後楽園ホールに出る選手は、どうしてもきついマッチメイクになりますよ。今回のTDCもそうですし、後楽園ホールの大会に選ばれて出場するというのはそういうことになります」

──厳しさついで言うと、本田選手と杉山選手のフライ級が2回戦でこの位置で行われる。この試合が3回戦でないのは勿体なさすぎます。

「アハハハハ。それねぇ、今、こうやってカードが揃うと3回戦にしたかったですよ。でもね、ぶっちゃけていうとマッチメイクが先に確定してしまって……。それから上の方で組もうと思っていた試合が2、3枚あったんですよ。だから2回戦にした。結果、その用意していた札が切れなくなったけど、もう何ともならない。新宿FACEだったらメインです。でもTDCホールで戦いたい気持ちもあるだろうし」

──その通りですね。それでも勿体ない(笑)。

「だって5分3R制の試合が15試合も並ぶと、見ている方も集中力を保てないですよ。お目当ての選手の試合が終わると、お客さんも帰ってしまいます。現実的に考えても、3回戦で組みたい試合も後楽園では時間も限られているし、何ともならない部分があるんです。でも今、思えば……3回戦でっていう風に考えちゃいますね(笑)。

と同時にですね、そこを指摘してくれるのは有難いですよ。選手にとっても、そういう評価があるんだってことですし。そういう通が好む試合をGPをきっかけにして、広く知ってもらいたい。そういう想いではいます。

だいたい僕はね、フライ級GPは去年からやりたいと思ってきたんですよ。でも、RIZINがやるみたいなことを言った時期があったので様子を見る必要が出てきた。RIZINでフライ級のトーナメントをやるのか。それともフェザー級なのか、あるいは女子なのか。正式決定まで時間が掛かる状態になっていたので……どうしてもTDCホールでフライ級GPの開幕戦を組むことができなかった。

それに本田選手と杉山選手に関しては、GPまでの流れをつくるうえでもっと前に組んでいて良かったかもしれないけど、両者の体調の問題もあって今回のTDCホールにタイミングが合ったんですよ。現状では両者の上に福田龍彌選手、伊藤裕樹選手たちがいます──序列的には。そういうなかで上がってくためには、試合をしていかないと。DEEPのフライ級は層が厚いですからね」

──待っていては上にはいけないということですね。フライ級GPに関しては、そろそろ正式発表があると踏んで……ここからは上の3試合についてお伺いしたいです。

「ユータ&ロック選手ですね、まずは(笑)。強さは誰もが認めていると思います。同時に地味でエンターテイメント性が少ない。一本勝ちもなかなかない。加えて『強いけど、あまり試合をしないね』という評判もある。そういう面も含めて、魅力的なんですよ。ただし、誰が対戦を受けてくれるかなというのはありました」

──幻の日本最強は皆に嫌がれると。

「ハイ。スタイル的にも抑え込まれて終わってしまう可能性がありますし」

──そこで中村大介選手だったのですね。

「ハイ、TDCでユータ&ロック選手が戦うとなった時に、すぐに中村選手の名前と顔が頭に浮かびました。正直言って、ユータ&ロック選手に対して何か仕掛けられる選手が、他に思い浮かばなかったです。それにユータ&ロック選手にとってオイシイ試合にもなります。だって、この試合に勝つと誰もが注目せざるを得ない状態になりますからね」

──中村選手に勝てば、これはもうタイトルンコンテンダーとして一目置かれます。

「そこはですね……ウチのチャンピオンがRIZINのチャンピオンなんで(苦笑)。まぁ、どういう風になっていくのか。そこでいえば、ユータ&ロック選手もRIZINフェザー級のなかに入り込む可能性も大きくなるでしょうしね。勝ち進めば、RIZINだってエイターテイメント性とか言えなくなってきますし」

──佐伯イズムじゃないですか。どれだけ注文をつけようが、結果を残した選手にはチャンスを与える。

「アハハハ。ただねぇ、今回に関しては中村選手もあまりユータ&ロック選手のことを知らなくて。で、オファーをした時に調べたようで。ちょっとヤバいと思ったんじゃないですかね、いつも二つ返事の中村選手が了承するまで少し時間がありました」

──いやぁ、興味深い!!

「それでも中村大介は受けるんです。ここから『前に進むためには』と」

──漢です。

「本当に戦い辛い相手だと思います。ただ試合に出ていないことでユータ&ロック幻想が大きくなりました。しかし、僕自身は前回の試合から期間があいているからどうなんだろうと疑ってはいたんです。そうしたら金原徳正選手から『摩嶋(一整)戦前に対策練習で、ユータ&ロック選手と練習していた』と聞いて……。準備もできてるじゃん。

こりゃあ、本当だと(笑)。できる選手じゃんってなったわけですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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【DEEP108】シューター✖パンクラシスト?! 本田良介戦へ、杉山廣平─01─「試験観察の条件が……」

【写真】爽やかな笑顔、スタイルは組み技中心──でも、試合中に見せる気の強さ。そのバックボーンが今回のインタビューで明らかになった(C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108で、これがDEEP2戦目となる杉山廣平が本田良介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

パンクラスを主戦場としてきた杉山は、RIZI参戦を経て昨年9月にDEEP初戦で駒杵嵩大に判定勝ちを収めた。前戦から約9カ月、今回の本田戦は噂されるDEEPフライ級GPへの出場権を賭けた戦いとなってくるに違いない。

その杉山は駒杵戦後、愛知県岡崎市から千葉へ活動拠点を移しパラエストラ千葉ネットワークで練習を続けている。本田戦を控えた杉山に、これまでのキャリアと、千葉に移った理由を訊いた。


――本田良介戦を控えている杉山廣平選手です。もともと愛知県岡崎市を拠点に活動していた杉田選手ですが、現在は千葉で練習しているのですか。

「はい。去年の11月から千葉に移って、パラエストラ千葉ネットワーク(以下、パラエストラCNW)で練習させてもらっています」

――どのような経緯で岡崎を離れ、千葉に移り住んだのでしょうか。

「去年の夏ぐらいに名古屋の知人と千葉へ遊びに来て、ついでにパラエストラ柏で練習させてもらったんです。そこからの繋がりですね。

もともと愛知県でも田舎のほうで、練習仲間も多くないなかで練習していました。そんななかでもタイへ3回ぐらい行かせてもらっていましたけど、前から東京に行ってみたいなとも思っていたんですよ。それで去年の夏に柏で練習させてもらい、すごく刺激をもらって、すぐに決めました。(千葉へ)来るなら、このタイミングだなって」

――昨年の夏ということは、9月の駒杵嵩大戦の前ですか。

「そうです。8月と9月、駒杵戦に向けたファイトキャンプとして来させてもらって、この試合が終わったら引っ越して来ようと思いました。それで11月に千葉へ」

――では前回の試合で、千葉で練習した成果は何か出ていましたか。

「成果は大きかったですね。取り組み方もそうですし、ここで練習したことで強くなることもできたし、気持ちの面でも変わった部分がありました」

――杉山選手といえば、組みの面では柔術ベースの印象を持っていました。しかし駒杵戦ではケージレスリングの展開のなか、バックコントロールで駒杵選手を組み伏せています。杉山選手のなかで、どのような変化があったのかと思っていました。

「そうなんです。レスリング力の強化は、大きく違いますね。パラエストラCNWにはレスリングが強い選手が多くて、それだけ強い人たちと組んでいたら、自分もレスリングが強くなれるんだなって思います。

ただ千葉に来てから負傷があって休んでいたので、なかなか試合ができなかったんですよ。だからこれだけ期間が空いてしまって。千葉に来てからガンガン試合したかったんですけど……」

――その間にDEEPフライ級が大きな盛り上がりを見せています。特に前回の駒杵戦が行われたDEEP103のメインはDEEPフライ級暫定王座決定戦で、藤田大和選手と伊藤裕樹選手の激闘を目の当たりにしていると思います。そのような現在のDEEPフライ級について印象を持っていますか。

「良いですよねぇ。盛り上がってきていて、トーナメントもあると言われていますし。自分はトップ戦線に食い込むのが遅れているので、早く上がっていきたいです」

――なるほど。では、これまでのキャリアについてお聞きしたいのですが、まずMMAを始めたキッカケから教えてください。

「18歳の時に、小さいジムから始めました。これは記事にできるかどうか分からないんですけど……10代の頃は結構悪さをしていて」

――両肩のタトゥーを見ると、何となく想像はできます……。

「アハハハ、そうですよね。ぶっちゃけていうと成人でいうと執行猶予のような試験観察下にありました。試験観察が認められる条件が、健全な趣味に取り組むというようなものだったんですね。それで格闘技のジムに行ったのがキッカケです」

――健全な趣味ということは、どのようなスポーツでも良かったかもしれません。その中で格闘技を選んだ理由は何だったのですか。

「やっぱり悪い……ヤンチャな時代だったので、アウトサイダーとか地下格闘技を見ていたんですよ。ちょうどアウトサイダーが人気の頃で、自分も出たいと思っていました」

――結果、アウトサイダーには出場したのでしょうか。

「いえ、出ていないです。アウトサイダーに出たいと思って格闘技を始めたんですけど(笑)。最初のジムにいた頃はアマチュアで2試合ぐらいして、そのあとスプラッシュに移ってプロデビューしています」

――そういったキャリアからすると、打撃中心のファイトになる選手が多いかと思います。しかし杉山選手の場合は、柔術的な動きが特徴的でした。

「今でも、組み技ができることにビックリされることがありますね(笑)」

――アハハハ、失礼ながら見た目のイメージとは違うかもしれません。

「プロデビューして最初の2試合はKOで勝ったんです。でもスプラッシュの木部(亮)代表は柔術の黒帯を持っている方なので、自分も自然とそういうスタイルになっていったのかな、と思います。

何ていうのか……当時から、打撃より組み技のほうが強いんじゃないかと思っていました。もともとキン肉マンの影響でプロレスも好きでしたし、何でもありなら掴んで倒して、上になってボコボコにするほうが良いんじゃないの、って」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
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<フライ級/5分2R>
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<バンタム級/5分2R>
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【DEEP108】この時期にTDCホールの真意、佐伯繁代表─01─「〇百万円ほど演出に力を入れています」

【写真】昨年2月のDEEP100以来、1年5カ月振りのTDCホール大会となる(C)MMAPLANET

10日(日)、東京都文京区のTDCホールでDEEP108が開催される。7月は修斗が大阪大会と後楽園ホール大会、パンクラスが高田の馬場、RIZINが沖縄とさいたまと2つのイベントを開くなか、後楽園でもニューピアでもなくTDCホールという箱をDEEPは選択した。

なぜ、このタイミングでTDCなのか──を佐伯繁代表に尋ね、見所、注目カードが決定した背景とこれからについて尋ねた。

そこにDEEPの「今」──が見られるTDCホール大会だ。


──RIZIN沖縄大会の直前(※取材は7月1日に行われた)のお忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。

「いえいえいえ」

──10日に昨年の2月以来のTDCホール大会があります。RIZINが1カ月で2大会あるタイミングでTDCホールという大箱で大会開催、いつ頃からその腹積もりだったのでしょうか。

「まぁ、ぶっちゃけていうとウチもパンクラスも修斗もスケジュールは早めに出ていると思います。基本は1年前から会場を抑えるわけじゃないですか。知っての通り、後楽園ホールなんて9月には翌年のスケジュールを抑えないといけない。そこにRIZINのスケジュールが入って来る。そこでいえばDEEPとしては7月の3日も大会をやるよう定で、それから1週間で10日のTDCを予定していました」

──ただし、THE MATCHの開催でRIZIN沖縄大会が7月3日にリスケされたので、3日の大会は取りやめたと。それにしても、佐伯さんとしては3日と10日に連続で大会を開くつもりではいたのですね。

「ハイ。実は10日のTDCに関しては、ちょっと趣向の変わったイベントにしたいと思っていたんですよ」

──趣向を変えるとは?

「音楽とのコラボとか難しいので、ちょっと演出面を変えて。実際、LDEスクリーンとか使って〇百万円ほど演出に力を入れています」

──えっ、〇百万円!!

「だからナンバーシリーズでやるつもりじゃなかったんですよ。それが3日のナンバーシリーズからスライドしてきたカードを組んだ……というのはあります。どういう試合を組んでいくのかとプランがあって、10日のTDCホールを抑えたわけではなかったんですよ。8月21日にも後楽園ホール大会がありますし……だからこそ、このタイミングでは趣向を凝らした形でTDC大会を開こうという考えは去年からありました。TDCホールって、今も2年先まで空いていない会場なんですよ。それが人を介して抑えることができたのだから、特別なことをするつもりでした。たまたま巡ってきた機会なので」

──たまたま、計画性を持っていたわけではなかったのですね。

「僕として今は意識してDEEPをTDCホールや大田区総合体育館でやろうというのはないです」

──それがリスケの影響で、趣向を凝らすよりも従来のナンバーシリーズとして組むべき試合を組んでいった大会になるというわけですね。

「そういうことですね。正直、準備もそこまでできなかったですし。まぁJEWELSをTDCで仕掛けるっていうアイデアはありだと思いますよ。それが予定外にフライ級でトーナメントをやって、やり切っちゃった状態ですよね(笑)」

──予定外(笑)。

「杉山(しずか)さんと中井りんさんの試合もありましたしね。ただ、RIZINが女子スーパーアトム級のトーナメントをやるって榊原社長が公言したので、ならチャンピオンの伊澤(星花)さん、大島(沙緒里)さんはそっちだろうと。パク・シウ選手だって、そうなるでしょう。なら、ここではJEWELSで仕掛けるタイミングではないですよね」

──何もかも流動的ななかで、DEEP内で今が見られる見所の多い対戦カードが並んだのではないでしょうか。なんかさいたまスーパーアリーナ大会を思い出します。

「アハハハハ。それはどうなのか……さっきも言った中井りんさんと杉山さん、神龍誠選手と藤田大和選手の統一戦のように温められてきたモノをやっちゃっていますからね。だから、物足りなさはあります。それでも今年はナンバーシリーズ以外の大会を7回ぐらい開くことになって若い選手が育ち、上の選手が落ちてきたというのもあります。その結果、有難いことに試合で出られる選手が多い状態です」

──なるほど温めるというのではなく、勝ち上がったり、インパクトを残した選手をぶつけるという手法で試合は組めると。

「そうなんですよ。だから良いカードは組めているとは思いますけど、時間を掛けて温められたカードではなく特別感という部分ではもう一押ししたかったです。僕的には考えられる余裕があった方が面白いんですよ、なんか」

──だからこそ、今のDEEPが分かるカード編成かと。

「そういうなかでいえばプロモーターとしてTDCは17試合ぐらい組まないと採算は合わないというのはあるんですよ。でも、次のことを考えないといけないのとRIZINに出る選手もいますし、そこはバランスを取りながらカードを組みました」

──新顔の参入として森山壱政の欠場は残念ですが、第2試合で泉武志✖野村駿太のライト級戦が、いきなり目を引きます。

「泉選手は半年以上前から話はしていて、タイミング的にTRIGGERでグラント・ボクダノフとの試合が決まりました。そういう意味では野村選手も武田君が返上したベルトを狙うという……レスラー✖空手家の異色のカードですね。フューチャーキングトーナメントで優勝し、今大会で山本有人選手と戦う濱口奏琉選手も極真の高校生の少年の部で結果を残している逸材で、まだ大学2年生ですけどレスリングもやっています(大阪体育大学。去年の西日本学生新人選手権グレコ63キロ優勝)。

先日の新宿フェイス大会でデビューした五明宏人選手も空手の全日本王者(※2019年全日本空手道選手権個人戦優勝。2016年全空連ナショナルメンバー世界大会出場)とか。今の時代に空手ベースの選手が上がってくるのが、面白いですよね。毎年、FKTをやればそれだけ強い選手が出てきます。そのなかで濱口選手と五明選手は抜けていました。

野村選手の場合はGRACHANで戦ってきて、新人の割には強い──MMAに順応しているということを聞きます。そこで泉選手に『やらない』という選択はないです。ライジンでデビューしているのでもう少し名前がある選手の方がという気持ちはあるでしょうが、そこは同じ経験が少ない者同士でやるしかない。

なんせ若くて良い選手は多いけど、抜けている選手もいないんですよ。戦績的には皆、黒星があるという状況で彼らがどうなるのか」

──それは佐伯さんが、そういう選手をぶつけているからじゃないですか(笑)。

「アハハハハ。そう簡単には、上にいけないですよ!!」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP108対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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【DEEP】7.10 泉武志×野村駿太 ライト級新鋭対決決定!

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7月10日にTOKYO DOME CITY HALLで開催されるDEEP 108 IMPACT。既に大原樹理(KIBAマーシャルアーツクラブ)×石塚雄馬(AACC)のライト級タイトルマッチ、北岡悟(パンクラスイズム横浜)×上迫博仁(NICE BAD GYM)など注目のカードが発表されていますが、新たにマニアが喜びそうな対戦カードが追加されました。

イチオシは泉武志(FIGHTER’S FLOW)×野村駿太(BRAVE)のライト級ワンマッチ。泉はレスリング全日本選手権グレコローマンで2度の優勝したレスリングエリート。2017年にアジア選手権で優勝して世界選手権にも出場した輝かしい経歴を持っています。

その実績を引っ提げてRIZINでMMAデビューしましたが、柔術黒帯のグラント・ボグダノフの寝技の前に敢えなく3RでTKO負け。それでもボグダノフのしつこい仕掛けを凌いで粘りを見せた試合運びはデビュー戦としては上出来かなと。

しかもキレの良いパンチとカーフキックをヒットさせるなど見せ場も作ってきれました。MMA2戦目で上積みもあるはず。レスリングエリートがポテンシャルの高さを一気に開花させる可能性は十分にあり得ます。

そして対戦相手の野村もまたポテンシャル高し。伝統派空手をバックボーンに持ち、MMA戦績2勝1敗。敗れた試合も後にROAD TO UFCに出場する事になる宇佐美正パトリックと一歩も引かない打撃戦を見せているから悲観する必要はないでしょう。

テイクダウンを狙う泉とスタンドの時間を増やして打撃勝負を仕掛けたい野村。ストロングポイントが明確になっている者同士だけに、メリハリの効いた見応えのある試合になると見ました。RIZINの先行きが不透明な今、PRIDEの時と同じくDEEPの果たす役割はますます大きくなりそうです。
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BELLATOR Brave CF DEEP DEEP108 MMA MMAPLANET o RIZIN VTJ ウスマン・ヌルマゴメドフ グラント・ボクダノフ 劉獅 森山壱政 泉武志 野村駿太

【DEEP108】レスラー泉武志×空手家・野村瞬太のDEEP初陣対決。森山壱政も初DEEPで劉獅と

【写真】ノンコン空手出身でプロMMA4戦目の野村が、MMA2戦目のレスラー泉と対戦する(C)MMAPLANET

2日(金)、DEEPより7月10日(日)に東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108 IMPACTの追加カードが発表された。

まず目を引くのが元インカレ・グレコで優勝している泉武志と全空連の強豪空手家=野村瞬太のライト級2回戦だ。


泉は4月のRIZIN TRIGGERにおけるMMAデビュー戦でグラント・ボクダノフにテイクダウンを幾度となく許してコントロールされ、最後はパウンドでTKO負けを喫した。MMAの厳しさを身をもって知った泉が初勝利を目指して戦う野村は、Grachanでデビュー後VTJで宇佐美正パトリックに判定負けを喫したものの、3月には再びグラチャンに出場し、藤村健悟をパウンドでTKOしている。

ルールとしてはノンコン空手出身の野村だが、相当に当てる空手の修練をしてきたようで、殴る感覚を持っている。とはいえ、そこはMMAだ。組みのあるなかでノンコンの特有の伸びのある動きも、足下を狙われると容易にバランスを失いかねない。その辺りをエリートレスラー揃いのBRAVEで修正を進めており、MMA化という部分では野村が泉を一歩リードしているか。

それでもテイクダウンはMMAの軸。倒してコントロールという部分で、泉は勝利を掴みやすいスタイルに徹することが予想される。この他、劉獅にリングネームを変更した元・高塩竜司が森山壱政と対戦する一番も気になる。

森山はZSTからNEXUSで活躍してきた選手で、現在はBellatorで戦うウスマン・ヌルマゴメドフとも対戦するなど2度BRAVE CF出場経験もある。そんな森山にとっても今回がDEEP初出場。昨年12月に須藤拓真の足関節に下った森山が、新天地で再び輝きを取り戻すことができるか。実力査定の意味合いが強い劉獅戦、だ。

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Brave Fight26 Grachan53 MMA MMAPLANET o 藤村健悟 野村駿太

【GRACHAN53 X BRAVE FIGHT26】藤村にMMAをさせず。野村俊太がプロ2勝目をパウンドアウトで挙げる

【写真】藤村に回転するMMAをさせなかった松井の力強いパウンド(C)NOBU YASUMURA

12日(土)、東京都大田区の大田区産業プラザPIOでGRACHAN53×BRAVE FIGHT26が行われた。
Text by Nobu Yasumura

ここでは第10試合で行われた野村駿太×藤村健悟のライト級マッチの模様をお伝えしたい。


<ライト級/5分2R>
野村駿太(日本)
Def.1R3分43秒by TKO
藤村健悟(日本)

1R開始直後にダブルレッグを藤村がテイクダウンへ。ガッチリと野村を抑え込みながらパウンドを見舞う。

下の野村は立ち上がるが、藤村は足をキャッチして足関節を狙う。
足を抜いて脱出した野村は起き上がりながらパウンド連打をお見舞い。もらいながらも藤村はしつこく組みにいくが、防戦一方に。

藤村の動きが止まったところでレフェリーがストップ、野村のTKO勝ちとなった。

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Brave Fight26 Grachan53 K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC キック ボクシング ラデック 原口伸 大宮優 杉本静弥 海外 藤村健悟 野村駿太 高須将大 黒井海成

【GRACHAN53×BRAVE FIGHT26】BRAVEの秘密兵器=黒井海成―02―「これから毎試合KOしていきます」

【写真】プロデビュー前から、しっかりと自分の意見を口にできる。それだけ考えた末のMMA挑戦なのだろう (C)GRACHAN

12日(土)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催される「GRACHAN53×BRAVE FIGHT26」で、プロデビュー戦を迎える黒井海成のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

空手、そしてキックボクシングを経て、たどり着いたMMAとBRAVEジム。レスリング出身の強豪選手たちと練習することで、黒井は経験のない組み技の実力も向上してきたという。そんな黒井が語る目標とは――今年、成人式を迎えた若武者らしさが爆発だ。

<黒井海成インタビューPart.01はコチラから>


――2020年12月に初めてBRAVEで練習してすぐ正式に入門したのでしょうか。

「3カ月後に空手の大会に出ることになっていたので、一度地元に戻りました。そのあと東京に来て、4月6日に内弟子としてBRAVEに入っています」

――硬式空手で3度も世界大会で優勝し、K-1甲子園でも東日本トーナメントで優勝している黒井選手です。地元を離れて東京でMMAに取り組むとなって、周囲の人に引き留められはしなかったですか。

「それは……自分がMMAをやりたかったので。まずは何でもチャレンジしたかったんです。ずっと空手やキックボクシングをやってきたんですけど、MMAはやらないといけないことが多いじゃないですか。だからMMAをやるなら、早いほうが良いと思って」

――新しいことを吸収するのであれば、若い段階のほうが良いのかもしれません。

「はい。今までやっていたキックボクシングは、MMAを終えた後でもやれる。MMAは今しかできない。周囲にもそう伝えて、BRAVEでお世話になることに決めました」

――BRAVEに入門したのが2021年4月6日で、同年9月26日のBreakingDownに出場しています。

「そうですね。BreakingDownのルールは正式なMMAではなく、1分間で戦わないといけないというものでしたけど……どちらかというと、いきなり殴り合う試合が多かったですよね。ただ、今の僕はどれくらいのMMAの力があるか確かめてみたかったんです」

――なるほど。

「1分間というなかでもMMAはできるのかな、っていう自分の挑戦でした。相手はキックボクシング団体のチャンピオンで、他の選手と同じように打ち合ったらKO負けするリスクもありますよね。その中で自分がどれだけMMAができるのか――実際にやってみたら違和感があったんです」

――違和感とは?

「組んでみたら、相手の力があまりにも軽かったんです。逆に軽すぎて力んでしまい、呼吸も乱れちゃっていましたけど……。普段はBRAVEで、本当にレスリングが強い方たちと練習しているので、それぐらい力の違いを感じることができました」

――ということは、一般的なMMAルールは前回のBRAVE FIGHT25(昨年10月31日、山﨑ソラに1R KO勝ち)が初戦となるのですね。

「あの時は試合前からリラックスできて、自信しかなかったです。相手も強い選手だと思うんですけど、僕は毎日BRAVEで強い先輩たちにボコボコにされているので、これ以上強い選手はいないだろうという想いがありました。この試合でも組んだ時に軽く感じて、レスリング力も負けないなと思いました」

――その結果、KO勝ちを収めました。

「相手を倒してグラウンドに行こうとした時、どれくらい寝技ができるんだろうと思ったんですけど、相手が仕掛けてこなかったんです。だから寝技も差があるのかな、と。最後は右でKOしたいと思っていたので、そのとおり右ストレートでKOできて良かったです。この試合でMMAのうち3つ――レスリング力、寝技、打撃を確かめることができました」

――MMAを始めてから一番苦労しているのは、どんなところでしょうか。

「テイクダウンディフェンスですね。そこは、まだまだだなって思いました。それで今は週4~5でテイクダウンディフェンスの練習をしています」

――週4~5! それは試合当日が楽しみですが、MMAでは自分からテイクダウンをするという選択肢もあります。とはいえ打撃がベースにある黒い選手です。どのようなMMAを表現したいでしょうか。

「やっぱり打撃を中心に戦うというのは崩したくはないです。もちろんテイクダウンのフェイントを見せたり、実際にテイクダウンに行くこともあります。でも打撃でKOしたいと思っています」

――打撃ベースの選手が、日本国内で勝てても海外では苦戦するケースはあると思いますが、いかがでしょうか。

「そうですよね。海外の選手は打撃でもテンポをずらしたりして、日本人選手とは違うテンポで戦っているように感じます。海外で戦うなら、そのテンポに騙されないようにしていかないといけないですね」

――黒井選手がMMAを戦ううえで、目指すのは海外のプロモーションなのですか。

「まずは国内で一番大きな大会……RIZINに出たいですし、RIZINに出るために国内大会のチャンピオンになりたいです。そして、世界一の大会であるUFCで戦うのが夢です」

――分かりました。今回のプロデビュー戦は、その夢への第一歩となります。対戦相手の印象を教えてください。

「相手の選手もMMAは初めてで、もともと柔道をやっているサウスポーの選手だと聞いています。ここで油断していたら足元をすくわれてしまうので、全局面で圧倒しながら、自分の持ち味である打撃で倒したいです。その後に出るBRAVEの先輩たちに、しっかり繋げていきたいですね」

――では最後に、プロデビューに向けての意気込みをお願いします。

「まずは国内のベルトを巻きたいですね。そして、お母さんにベルトを巻いてあげたいです。タイトルマッチにたどり着くためには、面白い試合も必要だと思っています。これから毎試合KOしていきますので、応援よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
3月12日(土)
午後1時00分~ GRACHAN放送局

■ GRACHAN53×BRAVE FIGHT26対戦カード

<ライト級/5分2R>
原口伸(日本)
大宮優(日本)

<73キロ契約/5分2R>
岸本篤史(日本)
モリシマン(日本)

<ライト級/5分2R>
野村駿太(日本)
藤村健悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
高橋謙斗(日本)
フミ・グローブTV(日本)

<フェザー級/5分2R>
黒井海成(日本)
杉本静弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
和田健太郎(日本)
誠人(日本)

<無差別級/5分2R>
ラデック(チェコ)
高桑格(日本)

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
高須将大(日本)

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Brave Fight26 DEEP Grachan53 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC VTJ VTJ2021   ラデック 修斗 原口伸 大宮優 宇佐美正パトリック 宮田和幸 岡澤弘太 岩﨑ヒロユキ 木下憂朔 藤村健悟 野村駿太 高須将大 黒井海成

【GRACHAN53×BRAVE FIGHT26】岩﨑ヒロユキ「本当に強い選手」x宮田和幸「対戦相手も成長する大会」

【写真】 原口伸に対する、大宮優。野村駿太に、藤村健悟。3年後のJ-MMAのためのサバイバル戦(C)MMAPLANET

12日(土)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGRACHAN53×BRAVE FIGHT26の見どころを、GRACHANプロモーター岩﨑ヒロユキ氏と、宮田和幸BRAVE代表が語るインタビュー後編。

メインの原口伸×大宮優を筆頭に、BRAVE所属選手と他ジムの若手選手が対戦するマッチメイクが並んだ今大会。両者が注目する選手と試合は……。きっと、この2人が最も今大会を楽しみにしているに違いない、そう思わせてくれる内容となった。

<宮田和幸×岩﨑ヒロユキ対談Part.01はコチラから>


――今回のGRACHAN×BRAVE FIGHTはアマチュアの試合から始まり、後半はBRAVE所属の5選手が出場します。そんな今大会のマッチメイクのテーマを教えてください。

岩﨑 今回は原口伸×大宮優、ともにプロデビューしてから間もない選手の試合をメインに持ってきました。僕としては今後の日本MMAの明るい未来を信じつつ、2人にとって2022年のスタートとして大事な試合になります。

――日本MMAの明るい未来、ですか。

岩﨑 去年から、宮田君のジムから原口伸君たちのような、実力のある選手がどんどん出てきていて。まだキャリアはなくても強いという選手が増えています。そして、これからさらに若手選手が、どんどん出て来る予兆がある。その点を考えたマッチメイクになっています。

――宮田さんが主宰するBRAVEジムからは、他競技で実績のあるポテンシャルの高い選手がデビューしていますね。

岩﨑 そう、宮田君のジムが最近すごいよね。

宮田 そうですね。でもウチのジムから選手が出てきているのも、決して突然ではないんですよ。GRACHANもそうですけど、やっぱり積み重ねることが大事で。ウチでいえば芦田崇宏や、GRACHANに出ていた選手でいうと鈴木隼人(初代GRACHANフライ級王者)たちの活躍があったからこそ、今の原口とか才能のある選手が入ってきてくれたんです。芦田も鈴木も下積みが長かったし、今の選手もここ最近出てきただけで、ずっと下積みを経験きましたから。

――なるほど。次に、今大会で岩﨑さんと宮田さんが注目する試合を教えていただけますでしょうか。

宮田 僕は原口、そして野村駿太の試合ですね。同じライト級で、2人とも良いものを持っています。原口はレスリングがベース(2019年全日本フリー70キロ級優勝)で、UFCを狙わせたいと思っています。……いや、野村にはUFCを狙わせたくない、っていうわけじゃないですよ(笑)。

――アハハハ、分かります。野村選手は昨年11月のVTJ2021で宇佐美正パトリック選手に判定負けを喫しているので、今回は仕切り直しの一戦になりますね。一方の原口選手は、同じくVTJ2021では岡澤弘太戦で試合を優勢に進めながら、バッティングによるノーコンテストに終わりました。この2選手について、VTJ2021から現在までの成長具合はいかがでしょうか。

宮田 それが……彼らはMMAを始めてまだ1年なんですよ。原口は去年まだ大学生だったし、野村がジムに入ってきたのも去年の3月です。2人とも1年の間に、ものすごいスピードで強くなってきました。だから今回は、ぬるいマッチメイクにはしていません。2人とも相手が強いですからね。まず原口と対戦する大宮選手は試合映像を見たら、勝った対戦相手が凄かったので。

岩﨑 大宮選手は昨年のDEEP大阪大会でデビューしたばかりで(11月21日、安達健一郎にキムラで一本勝ち)、今回がプロ2戦目です。でも2年前にアマチュアの試合で、今パンクラスやRIZINに出ている木下憂朔選手に勝っているんですよ。

大宮選手はライト級なのに、1階級上の木下選手にキムラを極めていて。大宮選手も絶対に上へ来る実力の持ち主ですから。反対に今回の試合を乗り越えたら、原口君も自信を持っていいと思います。

宮田 野村と対戦する藤村選手も最初に見た時、めちゃくちゃ良い動きをするなと思いました。野村にとっては全然楽な相手じゃなくて、むしろチャレンジマッチですよね。

岩﨑 野村君についてはストライカーのイメージを持っていたんですけど、練習を見るとテイクダウンのディフェンスが、すごく速くなっています。見ていて「あぁ、こんなに成長したんだ」と思いました。だからこそ、苦手なグラップラーである藤村選手を当てました。両者に期待を込めて。

宮田 僕も最近、考えを改めたんです。昔はウチの選手に対して、じっくり経験を積ませようと思っていました。でも最近は、それよりもどんどん強い選手と試合させるほうが良いかな、と。岩崎君とそういう話をして、原口も野村もMMAを始めて1年で対戦するレベルではない相手との試合を組んだんですよね。

岩﨑 プロモーターとしても以前なら、もっとゆるく段階を上げていったかもしれません。でも、僕も宮田君と同じことを感じていて……時代が変わってきたんです。もし試合で負けるとしたら、若いうちに敗戦を経験したほうが、選手にとって財産になると思っています。

今回もこの2試合だけではなく、若手も戦績が近く、かつ本当に強い選手をピックアップした試合ばかりです。これは対戦する両者が成長できるマッチメイクだと思います。

宮田 岩﨑君はGRACHANの代表だから、相手に対しても同じことを思っているはずだけど、この大会から対戦相手も含めて成長していくんじゃないですか。ウチの選手もそうだし、他の選手も長く続けてくれれば、数年後にはトップ戦線に行くと思いますよ。

――お話を聞いていると、かつての修斗下北大会を思い出します。その後の日本MMAを支えていく選手たちが、北沢タウンホールのクラスB戦で鎬を削っていました。

宮田 あぁ、分かります。今回の大会も同じようになりますよ。何年後かに見たら、「この選手とこの選手、こんな段階で対戦していたの?」とか思ってもらえるような。

岩﨑 絶対にMMAPLANETを読んでいるMMAファン好みのマッチメイクだと思いますので、ぜひ期待してください。

■視聴方法(予定)
3月12日(土)
午後1時00分~ GRACHAN放送局

■ 対戦カード

<ライト級/5分2R>
原口伸(日本)
大宮優(日本)

<73キロ契約/5分2R>
岸本篤史(日本)
モリシマン(日本)

<ライト級/5分2R>
野村駿太(日本)
藤村健悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
高橋謙斗(日本)
フミ・グローブTV(日本)

<フェザー級/5分2R>
黒井海成(日本)
杉本静弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
和田健太郎(日本)
誠人(日本)

<無差別級/5分2R>
ラデック(チェコ)
高桑格(日本)

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
高須将大(日本)

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MMA ONE VTJ VTJ2021 キック 宇佐美正パトリック 野村駿太

【VTJ2021】宇佐美正パトリックが野村駿太から左フックでダウンを奪い、プロ2戦めは大差の判定勝ち

【写真】左ボディと左ヒジを当てたパトリック、さらに左フックでダウンを奪った (C)MMAPLANET

<ライト級/5分2R>
宇佐美正パトリック(日本)
Def.3-0:20-17.20-17.20-18.
野村駿太(日本)

野村はガードを下げて遠い距離から踏み込み、パトリックはガードを上げて迎え撃つ。互いのバックボーンが明確な形で試合がスタート。野村の右バックスピンキックの打ち終わりに、パトリックが右ローを返した。そしてパトリックが組み付き、左腕を差し上げて野村をケージに押し込んでいく。野村が右オーバーフックに捉えると、パトリックはクラッチを外して左のフックを放った。

離れてケージ中央に戻った両者、パトリックの左目上に大きな傷が見える。パトリックは一度相手をケージに押し込むが、打撃戦では野村が首相撲からショートレンジのヒジを当てる。野村が右ローから右ショートのストレート。離れ際にパトリックがパンチを放つが、野村はバックステップでかわす。組み合いの攻防では、パトリックがケージに押し込む。野村が離れると、パトリックの左ボディが当たり、野村の動きが止まった。

もう一発ボディを放ったあと、俄然パンチと、首相撲からのヒザ蹴りを突き刺すパトリック。グラウンドではパウンドを放つがスタンド戦を要求し。スタンドに戻るとパトリックは左ヒジからヒザ蹴りを連打し、さらに前蹴りをボディに突き刺して野村に背中を着かせた。

最終回、野村が右ローから右の打ち下ろし。さらに半身の体勢からサイドキックを放つ野村に対し、パトリックはパンチから組み付いていく。野村は両腕を差し上げてからヒザ蹴りを突き刺すと、パトリックは離れた。首相撲から右ヒジを繰り出したパトリックが、そのまま相手をケージに押し込んだ。ケージ際で首相撲からヒザ蹴りを出す野村に、パトリックは離れてから左ボディ。続いてパトリックは組み付いて野村をケージに押し込む。

倒せないとみるや離れたパトリックに対し、野村は右のスピニングバックフィスト。パトリックはやはり組み付いて野村を押し込んでいく。ここでブレイクがかかり、ケージ中央で再開すると、飛び込んでくる野村にパトリックがパンチを当てる。しかし離れた野村もワンツーを当てる。パトリックは組み付いてケージに押し込むもブレイクに。ケージ中央で再開後、パトリックが左フックでダウンを奪った。野村を絶たせたパトリックは、またもパンチを当ててから組み付きケージ際でブレイクとなる。

残り30秒、打撃戦では最後にパトリックが右ストレートを繰り出してからダブルレッグで野村に尻もちを着かせた。最後はパトリックがケージ際で野村にパンチを落として終えた。

判定は2Rにダウンを奪ったパトリックの勝利。格闘DREAMERS出身のパトリックが、プロデビューから2連勝を飾った。


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