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【ONE114】対戦カード キンガド✖アクメトフ&アリアックバリ、OUT。ボカン✖カタラン、IN

【写真】リトゥ・フォーガットは2大会連続でLIVE中継オープニングに。インディアンMMAを引っ張る存在になるか(C)MMAPLANET

2020年12月4日(金・現地時間)
ONE114「Big Bang」
シンガポール カラン
シンガポール・インドアスタジアム

■視聴方法(予定)
12月4日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■対戦カード

<ONE Super Seriesムエタイ世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者] ロマン・クリキア(ウクライナ)
[挑戦者] ムラット・アイグン(トルコ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ゲイリー・トノン(米国)

<キック・フェザー級/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
イワン・コンドラチェフ(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
レネ・カタラン(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ジョマリー・トーレス(フィリピン)

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Interview ONE ONE Big Bang ONE114 ゲイリー・トノン ブログ 松嶋こよみ

【ONE114】ゲイリー・トノン戦へ。松嶋こよみ─02─「この相手に勝つのは、日本には僕しかいない」

【写真】今回のインタビューで松嶋が話してくれたような試合展開に挑むことは、精神的に非常にきつい。その覚悟を日々、養ってきたということか(C)MMAPLANET

4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE114「Bing Bang」で、ゲイリー・トノンと対戦する松嶋こよみインタビュー後編。

稀代のグラップラーと戦う松嶋をABEMA TVのTHE WONDERが追った。

MMAPLANETではトノン戦、トノン対策に特化したインタビューを同コンテンツ内で行った。

MMAとしては相当に特徴的なファイター=トノンに勝利するために、松嶋は自分を隠す──我慢のファイトに徹することを覚悟していた。

<松嶋こよみインタビューPart.01はコチラから>


──ユニファイドと違い、ONEルールではグラウンドでヒザが許されています。

「低い姿勢でのテイクダウン狙いは、ユニファイドと比較すると減ると思います。そこに関しては、ONEルールであることは僕の方に有利に働くでしょうね。

それとユニファイドのラウンドマスト判定でなく、コントロールされていてもダメージを与えることができればという裁定基準なので。全体を通して、自分が最終的には優位に立っていたと印象づける。そういう場面を創るように戦う。ONEで戦うので当然ONEルールになるのですが、ユニファイドでなくて良かった点ですね。

それに武器としてはトノンより、僕の方があると思っています。もちろんトノンは強いグラップラーであるけど、MMAの経験値の低い今、倒しておかないと。これからも成長していくでしょうし、対戦がこのタイミングで良かったと捉えています。それだけに『MMAってこうなんだよ』っていうのを見せないといけないです。

そういう部分でも、今後につながる面でも本当に大切な試合です。まずはトノンがコロナに感染しないで、試合に挑めることが一番かと」

──笑いごとでなく、その通りですね。トノンと対戦する前に、中原選手と彼の試合があったことが良かったということはないでしょうか。

「それはあります。あのヒールをMMAでもできる。それはそうだよなってことを……やっと刀を抜いたかっていうところを中原選手相手に見せていたので。中原選手もそんなアホじゃないと思うので、あれが来ることを想定して戦い、ああいう結果になった。あれを視ることができたので、自分のなかで色々と創ることができました。

あの試合がなければ、『あまり気にしなくて良いか』っていう感じで、イグルーに来ることもなかったかもしれないです。強いけど、MMAでは大丈夫だなっていう準備で戦うことになっていたかもしれない。そういう部分であの試合があって良かったです」

──トノンを相手に、コンビネーションのバン・バン・バンという打撃ではなく、ベースにドンというカラテがあるというのは、どういう風に考えていますか。それとも、そこも意識しないほうが良いのでしょうか。

「あまり意識はしていないですけど、カウンターのテイクダウンはキックボクシングの打撃より、僕の打撃は取られて辛いとは思っています。キックだとリズム&リズムで、ワンツー&蹴り、ワンツー&蹴りってなるところですが、僕の打撃はそれが見え辛い。

トノンのテイクダウンは打撃へのカウンターか、彼自身のガチャガチャした打撃から入って来るので、その一つであるタウンターのテイクダウンは僕の打撃で消すことができると思っています。

もちろん自分がミスをすれば、そこを衝いてこられるのですが、ミスをしないように戦うには、今の打撃は自分に合っていると思います」

──この試合はタイトルに向けてという試合になりますが。

「そこは、あまり意識していないです。タン・リーが上にいるのは分かっていますが、そんなことを意識していると勝てない相手なので。まずは目の前にいる強敵をしっかりと倒すことです。スプリット判定でも良いので、勝つことが大切。なんとかモノにしないといけない試合です」

──自分の階級に新チャンピオンが誕生したことも関係ないですか。

「そうですね、あの2人がまた戦うと思っているので。もともと、このトノンとの試合が決まってから、あの試合を見たので余り気にせずにやってきました。もちろん、2人の強いところを見ることができた試合でしたけど、トノンを倒すことに集中してきました」

──それ以前も含め、2月以来9カ月振りの試合になります。

「意外と試合がない期間を無駄に過ごしてきたという感じはなかったです」

──結果、海外のONE本戦と呼べる大会で戦うことになりました。

「待って良かったということに今回はなりました。Road to ONEがあったり、修斗だとか他に選択肢があるなかで、一番やりたかったトノンとの試合になったので。少し待って、練習に集中して、この機会に恵まれました。運命じゃないですけど……こうなる運命だったのかと(笑)。タン・リーの挑戦が決まっていたし、トノンだろうって気持ちを創ってきたのが良かったのかと思います」

──試合自体は11月20日から2週間ズレました。

「2週間延びたのはきつかったです(笑)。追い込み期間が2週間続いて……。でも、本来なら向うにいて隔離されている期間も、こうやって練習してグラップリングで修得できることも増えました。自分にとっては良い時間になったと思います。練習的にもそうだし、精神的にも余裕を持つことができて、良い自分を創ることができたかなと思っています」

──以前のように勢いで攻めたくならないですか。

「やりたくはなっちゃいますけど(笑)。ずっと試合では自分のやりたいことを思い切り投げ込んで戦う。自分の戦いにハメ込んで戦えば良いと思っていたのが、前回の試合から少しずつ変わってきました。

今回は特に自分を隠す、我慢することが本当に大切だと思っています。自分の攻撃がしたいとは思うのですが、そこは自分を隠す。我慢するという意味では、それはやってはいけないことです」

──攻めるけど、我慢。大変ですね。

「我慢して戦うには、精神的に成長しないといけなかったです。ただ、本当に触ってみないと分からないところもあります。どれだけ自分とトノンにレスリング力の差があるのか。トノンはそこまでレスリングの強さを見せた試合はまだないので。普通のテイクダウンは取られないと思いますが、引き込みからの攻撃とか細心の注意を払っていないと一瞬にして持っていかれるでしょうし。

最後まで気の抜けない辛い試合になるでしょうが、それはトノンも同じで。だから、そこばかりに余り気を遣わずに、やるべきことをやることを意識しようと思います。そうですね、最後の最後まで相手の後ろを走る……そういう試合をしないといけないと思っています」

──それは本当に覚悟が必要ですね。

「結果、見ている人たちに面白くないと思われるかもしれないけど、それはしょうがないでです。この相手に勝つのは、日本には僕しかいないので。とりあえず、それを見せたいと思います」

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Interview ONE ONE Big Bang ONE114 ブログ 岩本健汰 松嶋こよみ

【ONE114】かつてない業の持ち主、トノン戦へ。松嶋こよみ─01─「手を置く位置、その一つだけで……」

【写真】もちろん、こういう攻防を知ることも大切だが、それ以外の多くのことを学んできた(C)MMAPLANET

12月4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE114「Bing Bang」。同大会では松嶋こよみがゲイリー・トノンと対戦する。

過去に対戦経験のない組み技、グラップリングの世界の頂点にあるトノンとの対戦を前に、IGLOOブラジリアン柔術、そして今成正和との練習をルーチンに加えた松嶋をABEMA TVのTHE WOUNDERが追った。

MMAPLANETではイグルー柔術での練習後にトノン戦、そして対策に特化したインタビューを行っており、ここで紹介したい。

その形に入られない試合で、入られた状況を想定したトレーニングで松嶋は何を学んだのか。


──ゲイリー・トノン戦に向けて、IGLOO柔術で岩本健汰選手たちと練習をされていました。

「これまで目を背けてきたのがグラップリングだったんです。ロータス世田谷ではMMA選手とMMAのグラップリングはしてきたのですが、グラップリングのためのグラップリングを知るために、やられながら練習させてもらっています」

──これでまで目を背けてきたのというのは?

「試合でも自分がガードを取ったり、マウントを取られるとか、テイクダウン後にスイープされたりとか殆どなかったです。でも、トノンと戦うことがきっかけになったのですが、今後自分が成長していくためにも目を瞑ってはいられない部分でした」

──ロータスでの岩本選手とイグルーでの岩本選手は違いますか。

「違いますね。ロータスでは立ちからで僕が切ったりできるのですが、寝技からのスタートだと組手を一つ、一つしっかりと取られてしまって何もできない。(ABEMAが撮影した)映像に残っていると思いますが、散々やられているので、その一つ一つを自分の中でインプットできているかなって思います」

──その点はMMAグラップリングの時とは、違うということでしょうか。

「そこまで深く触れないというか、スパーリングをやって終わりっていうことが多かったです。

それがイグルーでこうやって練習していると、分からなかったこととか尋ねることができて……手を置く位置、その一つだけで全然展開が変わってきます。それが分かるようになったのも、ここで練習するようになったからなので良かったと思います」

──とはいえ、足関節にしてもその形に入らせないことが一番の試合になります。

「ハイ。と同時に何が起こるのか分からないですから。トノンは特別な選手だと思いますし、自分がいくら切れると思っていても、そういう展開になることは十分にあるでしょうし。今回はそうなると思っています。知らないといけないことです。自分がやりたいことをまずやるのが一番ですが、転ばぬ先の杖というか……間違いなく必要になるので」

──MMAグラップリングのスパーで足関節、三角絞めを狙われることもあったかと思います。そのなかでエスケープした場合、今、ここで得たような知識があって防御できていたのでしょうか。

「多分なかったです。なかったというか、このスパーリングをしてないと立って終わりという考えでした。ここでの練習はそういうことではないので、練習のなかであの形があり、逃げ方を教えてもらえることは大きいです。

本当はああいう風にならない。拒絶するつもりで戦いますが、そうは上手くいかないことは分かっています。ここでの練習で、自分の弱さを知ることができました」

──ゲイリー・トノンも同じような想いでMMAに向き合っているような気はしませんか。殴られそうになっているところで組み合い、下になると殴られる状況で極めに行くなど。

「そんなことないんじゃないですか(笑)。どういう神経をしているのかは分からないですが、あそこまで特別なモノを持っている人はハメれば良いと思っているような気がします。僕は全国チャンピオンになれたわけでもないし、何か突出して突き出たモノはないけど、トノンに関していえば『寝技で勝てる。打撃は貰わなければ良い』という風に考えて、組み立ててくる。組み立て方は向うの方が絶対に簡単だと思うので、それとどういう風に戦うのかがキーになってくるのかと」

──ルールは違いますが、トノンと肌を合わせた北岡選手、青木選手からアドバイスはありましたか。

「北岡さんは『これまでバック取られてきたなかで、もうダメだと思ったのはアレが初めてだった』と言っていました。青木さんは『意識しないほうが良いよぉ』ぐらいのことは言ってくれましたが、それ以上深くは話していないです。

あと今成さんとも練習させてもらっていて、『本当に何でもできるよ』というのは言われています。もちろん足関を意識しているのはありますが、それだけではないです。だからこそ、ここでの練習が役立つと思って練習しています。

ただし、やるのはMMAですから。グラップリングを戦うわけではないですし、準備としてはしっかりできています」

──これまで松嶋選手は、組まれて嫌だという状況で試合をしたことはそれほどなかったのではないかと。

「ないですね。粕谷さんとの試合はバックチョークを意識して練習していましたけど、ここまでレスリングをしたくないという気持ちは初めてです」

──そういうなかで自身の打撃に関しても、考え方は変わってきますか。

「今までと違って、今回は我慢しないといけない試合だと思います。打ちにいっても取られる可能性はあるでしょうし。その可能性があるなかで戦わないといけないので、今回はどこまで我慢できるか」

──打撃を当て、トノンが弱気になった。そこで攻めていくと、一発で足を取られている可能性もあります。自分がいつ有利なのか、心理面を考えることはありますか。

「トノンが弱気になったと思って僕が行くことが嫌なことでないのであれば、自分が出ないことが嫌なことかもしれない。どれだけ相手に嫌なことをするのか──ちょっと当たったからといって強気になって行くのは向うの思う壺でしょうし。

そこは岩﨑先生と話をして考えてきています。打撃にしても、精神的な部分でも話をしてイメージは凄くついています」

──組みになると、逃げる一方でしょうか。

「そうですね。そうしないと危ないです。ロールしてもしょうがないですし、今練習していることがどれだけ生きるのかと──とはなりますが、足を触られてから対処をしてももう遅いと思っています。まずは本当に一方的に逃げるつもりで戦います。

そこをトノンも考えているでしょうし、何手先まで逃げることができるのか。北岡さんとも『1回切られた後のことは考えているよ』とは話していました。スクランブルの際の自分の立ち位置、そういうことまでスパーリングで意識して練習してきました。それが試合で出るかというと分からないのですが(笑)、そこまで意識はしてきました」

──寝技を逃げるというのは、言葉的には逃げるですが、その先に勝利があるので精神的には逃げではない。強い気持ちを持って逃げるということかと。

「あまり相手の気持ちよりも、自分がどれだけ平常心でいられるのか。触られてラウンドを取られたと思った後でも、自分が変わらずに試合に挑めるのか。そういうのを意識しないと、今回は勝てないと思っています。逃げるというのも印象は悪いからもしれないですが、それで相手が疲れるという部分も関係してきます。まぁ、まずは我慢。我慢、我慢、我慢して最終的には勝てる。そういう展開にしたいです」

<この項、続く>

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Interview ONE ONE Big Bang ONE114 ゲイリー・トノン ブログ 松嶋こよみ

【ONE114】松嶋こよみと対戦、ゲイリー・トノン─02─「この試合はテスト、タフファイトは覚悟」

【写真】どう組むか、どうタイトな距離を続けることができるのか。関節の一発、バック奪取とともに注目だ(C)MMAPLANET

12月4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE114「Bing Bang」で、松嶋こよみと対戦するゲイリー・トノン・インタビュー後編。

コロナ禍により、少なからず影響を受けたトノンは、世界のトップグラップラーであることは違いないが、この試合でトップMMAファイターであることを示そうとしている。

<ゲイリー・トノン・インタビューPart.01はコチラから>


──次に戦う松嶋選手は、蹴りを使うという部分においても過去に対戦したことがないストライカーです。

「ほんとカラテなのかテコンドーなのか、興味深いスタイルの持ち主だよ。そういう試合を遠い位置でして、レスラーという別の顔を持っている。キックで距離を取って、近づくとテイクダウンだ。

ただレスリングに関しては倒してコントロールしたり、サブミッションにつなげるモノじゃないね。どちらかといえばパウンドを打って、KOを狙っている。そういう相手とは戦ったことがないから、面白い挑戦になるよ。

僕がサブミッション・グラップリングで戦うには、彼をテイクダウンできないと大きな問題になる。君が指摘したように、これまで蹴りをあれだけ使う選手と戦ったことはなかった。キック……特にハイキックは一発で試合を決めることがあるしね。ただし、そこに関してもしっかりと準備してきたよ」

──この試合、距離がカギになるかと思われます。

「その通りだ」

──その一方でテイクダウンではなく、引き込むという動きもゲイリーはできます。パウンド有りのなかでガードワークから仕留める自信はありますか。

「もちろん、彼を仕留める技はいくらでもある。ただし、きっとマツシマがやってくることはレスリングを使って寝技にいかないことだ。例えテイクダウンに成功しても、僕にくっつき続けることはないはずだよ。

グラップリングの応酬と、離れて殴りたい人間へのガードワークはまるで意味が違ってくる。基本的に僕はトップから時間から攻める人間だけども、バランス良く下からも攻めることができる。だから、足関節を含めガードから極めることは可能だよ」

──タン・リーが新ONE世界フェザー級王者になりました。タイトル挑戦に向け、今回の試合はどれだけ重要だと考えていますか。

「凄くエキサイトしているよ。この試合の勝者、少なくとも僕が勝った場合はタイトル挑戦権を得ることができるだろう。マツシマは1度、挑戦しているからね。ただタン・リーとマーチン・ウェンのリマッチを組みたがっている風に感じるよ。いずれによせ、この試合に勝ってタン・リー、あるいはマーチン・ウェンかもしれないけど、彼らと戦うポジションに立つことになる。

コヨミ・マツシマのようにタイトル挑戦する前にしっかりと勝つことが求められている。過去の例でいえば、タイトルに挑戦する前の試合はとても大切だ。ファンから『ゲイリーの挑戦がみたい』と言われるようなファイトにしないといけないね」

──まだキャリア5戦目ですが、もう充分に世界タイトルに挑戦する準備はできていますか。

「そこなんだよ。そういう声がついて回るから、次の試合で文句なくタイトルに挑戦する力があることを示さないといけない。もちろんすぐにサブミットすることもそうだけど、もう僕はMMAファイターであって柔術家じゃないから、そうでない勝ち方もできる。

サブミッションだけでなくKO勝ち、TKO勝ちできるウェルラウダ―だということを証明したい。サブミッションで勝つにしてもグラウンドで殴ってダメージを当てる方が極めやすいからね。アンソニー・アンゲレンをパウンドアウトしたように、そういう力があることを皆に見てもらわないと。

プランAはサブミット、プランBはコントロールして殴ってダメージを与える。どっちもできる。さっき言われたようにカギはディスタンスだ。近い距離で戦えるなら、ファイトは僕にとって都合の良いモノになるだろうね」

──日本のMMAファンは世界でも最も寝技に理解のある人達だと思います。だから一本勝ちできるファイターは人気がありますし、柔術家なら国籍に関係なくゲイリーの勝利を願うことすらありそうです。

「アハハハハ。だからこそ、僕もまた日本で戦いたいと思っている。今はこんな状況だけど、事情が許せばすぐにでも再び日本を訪れたい。その時は最もMMAで成功したグラップラー、そしてトップMMAファイターとして日本に行くことになるだろうね。

そのためにもコヨミ・マツシマとの試合は大切になる。多くの柔術家がレスラーを相手に苦戦を強いられてきた。レスラーがグラップリングを理解すると、本当に厄介だ。ユーリ・シモエスが中国人レスラー(※ファン・ロン)に敗れたようにね。僕もレスラーを相手にタフな試合を戦うことになるかもしれない。

そこも覚悟している。タフな状況を乗り越えられるのか。それこそが、僕にとってテストになる。このチャンレジに対して、全力を尽くして戦うから、日本のファンにもしっかりと試合を見てほしい」

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【ONE114 & ONE115】12月は4日に松嶋✖トノン、アクメトフ✖キンガド。18日はローウェン・タイナネス!!

【写真】これは楽しみ、中央アジアのパイオニア世代のアクメトフ✖新世代ラカイのエース(C)KEISUKE TAKAZAWA & MMAPLANET

23日(月・現地時間)、ONE Championshipが12月4日(金・同)と18日(金・同)にシンガポール・インドアスタジアムで250人限定の有観客大会を開催することを正式発表した。

20日のABEMA中継で12月4日に松嶋こよみが、ゲイリー・トノンと戦うことが明らかとなっていたが、この大会のイベント名はBig Bang、18日大会はCollision Courseと決まった。


松嶋✖トノンが組まれた大会ONE114のメインはキック世界ライトヘビー級王者ロマン・クリキアが、ムラット・アイグンの挑戦を受ける立ち技マッチ。6試合中MMAは4試合で、フライ級のトップランカー対決となるカイラット・アクメトフ✖ダニー・キンガド、ヘビー級でアミール・アリアックバリ✖イスラム・アバソフ、女子アトム級のリトゥ・フォーガット✖ジョマリー・トーレスがラインナップされた。

18日大会=ONE115もメインは立ち技戦でムエタイ世界バンタム級王者ノンオー・ガイヤーンハーダオが、ロドレックP.K.センチャイムエタイジムとの王座防衛戦に挑む。同大会ではメイン以外は全てMMAでライト級=ムラット・ガフロフ✖ローウェン・タイナネス、バンタム級ではユーサップ・サーデュラエフ✖トロイ・ウォーセン、ライト級のアミール・カーン✖パク・デソン、フライ級のチャン・ロタナ✖シェ・ウェイ、そしてウェルター級=ライモンド・マゴメダリエフ✖エジソン・マルケスの5試合が組まれた。

ONE114では松嶋✖トノンは当然として、アクメトフとキンガドの対戦は若松佑弥、和田竜光の今後にも十分に影響を当たる一番。さらにヘビー級GPではないのかというアリアックバリのデビュー戦も、非常に興味深いところだ。

ONE115は何といってもローウェン・タイナネスに注目だ。ライト級では動きの悪さを露呈したガフロフ戦をステップに、クリスチャン・リーとハワイ頂上対決につなげるのか。ONEライト級の裏番長の1年11カ月振りの実戦復帰は期待大だ。

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 タン・リー ブログ マーチン・ウェン 松嶋こよみ

【ONE113】松嶋こよみが予想するONE世界フェザー級選手権試合──勝者:マーチン・ウェン

【写真】松嶋もウェン勝利で、これまでの4人全員がチャンピオンの防衛と予想したことになる (C)ONE & MMAPLANET

いよいよ本日、 30日(金・現地時間)にイベント開催となるONE113「Inside the Matrix」。

4大タイトルが組まれた今大会、同階級で戦う選手に世界戦を予想してもらう──シリーズ第4回目は、松嶋こよみがONE世界フェザー級選手権試合、王者マーチン・ウェン✖挑戦者タン・リーの勝利者予想とその理由を語った。


松嶋こよみの予想
勝者:マーチン・ウェン
理由
「ウェンだと思います。中間距離はウェンの方が強いです。対して遠い距離はタン・リーだと思います。でも5Rを戦ううえでウェンの中間距離でのプレッシャーを最後までかけ続けられると、タン・リーも足が止まるかと思います。

5Rの長丁場で、あの距離は保てない。それとタン・リーはKOが目立っていますが、単発の攻撃が多くて。対してウェンは幅広く餌を撒いてパンチを当てることができます。そういう部分でも5Rの勝負ではウェンが有利だと思います。

高橋選手とタン・リーの試合では、高橋選手が蹴らせて取るという良い創りをしていました。コンテンダーシリーズでも、タン・リーは蹴っても相手が下がらないで距離を詰められていました。結果はハイで勝ちましたけど、プレッシャーを掛けられて苦戦を強いられていたんです。

プレッシャーを掛けることができない選手は、タン・リーに蹴られてしまいます。そこからの追い突きも怖いですけど、あの距離でウェンは蹴りを貰わない。蹴りも警戒しているので、あの距離にならないと思います。

自分も戦ったことがあるうえで、タン・リーという暫定LFA王者と戦うことでマーチンのレベルが分かるのも楽しみです。下手した方と僕がやる可能性も十二分にありますし。本音をいえばタン・リーが勝ってくれた方が僕は面白くなるのですが……全体的に見ると、ウェンが距離の取り方もあってKOはなくても、最後まで頑張れると思います。

クリスチャン・リーとの試合をみても、ウェンは劣性を挽回できますし、逆にタン・リーは早めに勝負を賭ける選手で長いラウンドは未知数で。でも、一瞬たりとも目が離せない試合になるのは絶対です」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Bu et Sports de combat Interview ONE サンチン ブログ 松嶋こよみ

お蔵入り厳禁【ONE】松嶋こよみに訊く─02─武術空手「サンチンの稽古で培われた内面を生かすこと」

【写真】黒帯のストライプルが2本になっている松嶋。コレをやって役にたつのか?!(C)MMAPLANET

お蔵入り厳禁──8月21日(金・現地時間)にABEMAで中継されたONE110「No Surrender III」のゲスト解説を務めた松嶋こよみインタビュー後編。

Road to ONE出場がなかった松嶋はMMAファイターがほぼ行うことがない空手の型稽古を採り入れている。フルコンタクト空手でもポイント空手でのない、武術空手の稽古は松嶋に何をもたらしているのか。

<松嶋こよみインタビューPart.01はコチラから>


──ゲイリー・トノン、タン・リーという名前が挙がりましたが、その2人を現時点でのターゲットにしているということですね。

「やはり今すぐに戦って勝てるというプランが頭に浮かばない2人ですし。簡単にそういうモノが出てくる相手ではないです。それこそ、もっともっ積まないと勝てない相手だとは分かっています。だからこそ、この2人と戦いたいんです」

──現代の有明省吾と剛毅會では呼ばれている松嶋選手としては……。

「誰も分からないですよ。その呼び方をしても(笑)」

──大山倍達総裁が極真史上、最高の天才と称したとされる春山一郎という実在した人物をモデルとした空手バカ一代の登場人物であることは一応説明させていただきます。そんななか、あまり武術空手を語ることがない松嶋選手ですが、以前に取材以外での会話のなかで『ナイファンチは型をやっていてもまだ分からないですが、サンチンは掴めてきてMMAで生かせる』ということを言っていましたが、その言葉の真意を教えていただけないでしょうか。

「それは……何が生きているのか、動きや技術面として言葉で言い表すことはできないのですが……一番は僕は目線かと思っています」

──目線?

「ハイ。構えている時の目線、視線が死んでいる時というのがあります。こういうことを話し始めると、MMAの選手たちは『何を言っているんだ』という感じになってしまいますが、僕のなかでは視線が死んでいる時があるんです。

でも構えてフとした時に、ハッと……全部、擬音になってしまうのですが(苦笑)、開いた瞬間にパンチが見える」

──それは姿勢や目の位置が同じであっても死んでいる時と、見える時があるのですか。

「細かいことでいえば手の位置とか、姿勢は違っているのかもしれないですが、見えるんです。心の持ちようもあるかと思いますけど、色々なことが合わさって自分の構えが良くなったと思います。

それこそ今、前傾姿勢で戦っているのですが、そういう時ってどうしても頭は下がります。でも、その気持ちがあるだけで自分が楽になるんです」

──サンチンの構えを取らなくても、サンチンの型の稽古をしていることで、その気持ちを思い起こして活用できるということですか。

「ハイ。サンチンの構えを取らなくても、自分が瞬間的にフッと開いているなという気持ちでいるだけで、自分の状態が良くなっているんじゃないかと感じます」

──それがサンチンを体得できているということなのですか。

「いや、体得できているなんて言えません。全然、まだまだだと思っています。そういう気持ちの部分以外でも、肩の使い方や、ヒジが体側から離れるタイミングで拳を回転させるなど威力のある突きを打つことができるはずなのですが、まだ自分のなかで落とし込めていないです」

──つまりはサンチンで培ったモノを心身ともに威力、力として活用するわけであって、相手のパンチを廻し受けし、虎口のようなタイミングで掌底やパンチを入れるということではないと?

「ここは断言できますが、cです」

──おお、そういう風に言い切れてしまうのですね。あれができると格好良いなとか浪漫を追い求めるのではなく。

「練習の時点でそういうことをやると、それは試合のための練習にはならないです。それこそサンチンの型には、色々な動作、体の使い方はありますが、そこによって培われた内面を生かすことだと僕は考えています。あの型の動きが、MMAに生きるとは思っていないです」

──リアリティと浪漫、秘術の違いですね。そういう夢を見なくてトライできるのが凄いですね。

「やって損はないですから。だって日本人の打撃はキックでもなく、ムエタイでもない。日本にあったのは空手じゃないですか。せっかく日本には空手があったのに、皆はそこを学ばないんだなぁって思っています」

──キックボクシング、ボクシング、ムエタイは内面で生かすのではなく、練習した技術を落とし込むことができますよね。その違いは大きくないでしょうか。

「でもK-1やムエタイの距離とMMAは違うので、そこも習った技術がそのまま生きるというのは別だと思います。だから、個々の競技で習ったことをMMAに落とし込む作業は必要ですし。実際、僕もキックボクシングのジムに行かせてもらってキックのスパーリングをしていますけど、そのスパーがMMAで直接生きると思ってやっているわけではないです……でも、なんでやっているのかな。アハハハハ」

──そもそも剛毅會の武術空手は競技としてのカテゴライズを考えるとフルコンタクト空手でも、ポイント空手でもありません。要は琉球で培われていた競技化、むしろ体育科する以前の空手を探求しているような。

「だから僕がやっている空手の稽古はK-1やキック、ムエタイよりもMMAに生きると思っています」

──例えば松嶋選手のパンチは、低い位置からまっすぐ出ることがあります。それはサンチンで培ったからでしょうか。

「自分では理解していないですが、2月のキム・ジェウン戦で奪ったダウンは岩﨑先生曰く『そうです』。でも自分ではサンチンの突きで殴り倒したという自覚はないです。それこそボクシングもやっているから、できたとも思っていました。ただ後々、映像で見返して見るとヒジを返していたり、ちょっと違う殴り方をしていました」

──サンチンの動きが入っていたと。

「それでも武術って実際には使うモノじゃないような気がしています」

──それが路上の現実を指すモノであれば暴漢に襲われた、切った、刺したということが身の回りにあるほうが危険すぎますしね。

「それこそマインド的なやることで、それが勝手に試合で出たんじゃないかと思います。だから、こういう感覚ってどう説明すれば良いのかも難しいですし、誰もがハマるかといえば全然そうじゃないでしょうし。でも、僕にはそれがハマったということです」

──マインドということですが、メディテーションとはまた違うのでしょうか。

「メディテーションは別物です。武術も格闘技もMMAも、どのスポーツも感情の起伏が試合中で出てしまいます。その部分をできるだけ減らしたくて、僕はメディテーションをやっています」

──その効果の程は?

「自分のなかで精神的な波がなくなってきました。それが空手と良いように融合してきたかと思っています。2月の試合は特にそのように感じました。以前は……それこそAACCに所属していた時期は、ガッと攻めて殴れば良いという感覚で空手をやっていました。結果的に空手が自分の中に入ってきていなかったです。

それが今ではメディテーションとの相乗効果で空手が入ってきて、凄く良い練習ができています」

──MMAをやるうえでどのような稽古も真剣にしていれば無駄はないと思います。ただし、効率的かどうかはある。正解があるとすれば試合で勝つこと。と同時に勝った、負けたで正解、間違いもない。結果と鍛錬によって得る効果、あるいは強化とは別物という難しさがあります。

「だから面白いという見方もできると思います」

──結果ムエタイにも興味があって、土曜日はムエタイに行こうとなるわけですね。

「あっ、でも明日(※収録翌日)は昇段審査があるんです。サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型を全てやります」

※剛毅會空手二段に昇段

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Interview ONE Road to ONE03 ブログ 中原由貴 松嶋こよみ 高橋遼伍

【ONE】松嶋こよみ発言を受けて、中原由貴に訊く、Road to ONE─01─「日本人対決には全く興味ない」

【写真】言葉は強めだが、終始にこやかだった中原(C)ABEMA

28日(金・現地時間)にABEMAで中継されたONE111「A New Breed」のゲスト解説を務めた中原由貴。

1週間前に解説をした直後のインタビューで、同じフェザー級の松嶋こよみが日本人対決に関して、「前の試合で負けている選手だし、勝ってから声を挙げて欲しい」という発言をした。これ対し、中原はSNSで『話が違う』と反論。解説を終えた直後に、中原に日本人対決や昨年5月以降にどのように過ごしてきたのかを尋ねた。


──解説お疲れさまでした。大会の印象や昨年5月から現在までの動向を伺う前に、松嶋こよみ選手のMMAPLANETのインタビューで『僕と戦いたいという声がなかった。ランキングが下の選手に僕からやろうという気にはなれなかった』という発言をしたことに対し、ツイッターで反応をされていたと聞きました。

「これはもう、書くかどうかは高島さんに任せますけど、俺は別に逃げているわけじゃないんです。それなのに周りは『なんで、コイツらやらないんだ』って意見が出ているみたいで」

──Road to ONE03 に関しては、オファーはあったのでしょうか。

「ありました。僕、プライベートと仕事のケジメをつけたくてLINEが2つあるんです。SIMカードを2つ持っていて。でプライベートの方にしている時にオファーを長南さんからもらっていて1日、気付いていなかったんです。

気付いてすぐに、連絡を取りました。試合まで6週間か7週間で10キロほど体重を落とさないといけない状況で、詳しい計量方法とか分からなかったですけど……。ここ最近の流れだとONEの体重で当日計量だろうし、ONEと契約している日本人選手と戦うのであれば、久しぶりだし試合もしたいから『やります』って返答したんです。

で、相手が決まらないまま1週間ぐらい減量もして体重も3キロ落としていました。そうしたら、他の日本人フェザー級選手はONEが再開して日本人を呼ぶようになるのを待つということで、ONE本戦と契約していない選手の名前を告げられたんです。

ファイトマネーは日本でやる大会だし、本戦のような額じゃないだろうと思っていたけど、そこは良かったです。でも、ONEの契約選手と戦うつもり満々だったのに……それはちょっと気が乗らないってなりました」

──なるほど、そういう流れがあったのですね。

「でも僕のなかで相手は松嶋選手じゃないと思っていました。彼は僕とやるメリットはない。だって1つや2つでタイトルに挑戦できるのだから。で、山田(哲也)選手は日本にいるらしいけど、向うでずっとやってきた人が、このタイミングでは日本で試合はしないだろうと。だったら、高橋遼伍選手かなって。

高橋選手は去年の日本大会の時に『日本人対決も面白い』と発言していたので、これは高橋選手だって僕は思っていました。もう作戦も考えつつ、松嶋選手か山田選手の可能性もあるかもと考えつつ練習をしていると、ONE本戦で戦っていない選手の名前を告げられて……。

それは違うし一旦断わらせてもらいました。で、その直後にちょっとケガをして睡眠をとるにも影響がでる状態だったんです。そうしたら『高橋遼伍選手がOKなら、やりますか?』って1週間後に連絡がきて。『なんで1週間前に言ってくれないんだよ』って」

──でもケガをしていたのですよね。

「僕は試合が決まったら、ケガをしてもやります。逃げたと思われたくないし。だから、なんであの時に高橋選手の名前を出してくれなかったんだって。もう日常生活に影響が出るくらいなので、あの時点で試合ができるとは言えなかったです」

──なるほど、そのようなタイミングが合わないことがあったのですね。それとは別問題で、松嶋選手が『前の試合で負けているのに、ランクが上の僕とやるなら勝ってから言って欲しい』という風に発言していたことについてはどのように受け止めましたか。

「フフフフフフ。正直な話をして良いですか」

──勿論です。

「日本人対決には全く興味ないです。勿論ランキングは上にいるし、そういう風に言う気持ちは分かります。でも、彼がそういう風に言うってことは日本人を意識しちゃっているってことですよね。僕は日本人選手は誰も……それだったらONEに行かず、あのままパンクラスに残ってISAO選手に勝ってベルトを獲ってから、どっかに行くっていう選択をしていました。

お金の問題もありますけど、僕がONEを選んだのにはちゃんと理由もあります。海外で練習をしてローカル団体で戦っている色々なヤツらと肌を合わせた時に『ちょっと待てよ、俺、井の中の蛙じゃん』って思ったからなんですよ。世界にはまだまだ凄いヤツがいる。だから、外国人と戦いたくてONEをチョイスしたんです。

それが周りから同じ階級に日本人がいるとか言われても、それは外野の意見です。まず日本のなかで強いヤツを決めろよっていう気持ちも分かりますけど、俺個人としては正直、日本人と対戦することに興味はないんです」

──ただし10月にシンガポール大会が開催され、日本人選手が招聘されたとしても、出たいと思っている皆が出られることはまずないと予想されます。

「そうですね。その通りだと思います」

──もう本当にどのような大会で、どうなるのか分からない状況でRoad to ONEという国内大会の需要が高まり開催される。でも、日本人としか戦う選択肢はない。そういう場合だと中原選手はどうしたいですか。

「僕、今回スイッチ入ったのはビックリしたんです。日本人対決に意欲的になって。それもなぜか分からないですけど、金じゃなくて、消去法で誰になるか考えつつ3人の中なら誰でも良いって思っていたし。正直、僕より箔のある選手ばかりなんで。

下から突き上げるっていうのは一番良い立場で試合に臨むことができます。そういう気持ちがあったので、次に日本人選手と戦うことにスイッチが入るかと言われたら、今はもう待ちたいです。今日も解説している時に、コメントで中原✖高橋が見たいって書き込んでくれている人達もいて。そういう声を挙がると、それは嬉しいです。これだけ姿を消していた人間に対して、そんな風に行ってくれるなんて。

ですけど、本当にタイミングですね」

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Interview ONE ONE110 No Surrender III ファビオ・ピンカ ブログ 中原由貴 山田哲也 松嶋こよみ 高橋遼伍

【ONE】ムエタイ好き?=松嶋こよみに訊く、Road to ONE─01─「意外と僕と戦いたいという声がなかった」

【写真】解説後のインタビューも恒例になっていた(C)ABEMA

21日(金・現地時間)にABEMAで中継されたONE110「No Surrender III」のゲスト解説を務めた松嶋こよみ。

ムエタイに興味があるのは、解説中の言葉からも伝わってて来た。そんな松嶋にRoad to ONEという大会について、他のフェザー級選手が出場しない状況について尋ねた。


──いつも通り、解説でも大人しい松嶋選手でした。清野・大沢コンビの間に入っていくのは難しかったですか(笑)。

「そうですね、あれだけ話しているとなかなか入ることはできなかったです。しっかりと話してくださっているので(笑)」

──ムエタイの試合の方が言葉も多かったと思うのですが、松嶋選手はムエタイもチェックされているのですか。

「ONEでやっているムエタイは比較的見ています。キックボクシングよりムエタイをチェックしていますね。ムエタイはMMAに使える技術があると思うので、参考にするためにも見るようにしています」

──ペトロシアンの試合も見ないですか。あのカウンターや下がりながら打つパンチは参考になるかと思っていたのですが。

「キックはMMAグローブを使わないことが多いので、大きなグローブの試合はもう追わなくて良いかという風になっています。8オンスとかだと、もう別ですよね。ムエタイは逆にMMAグローブでなくても、好きで動画とかで挙がっているタイの試合も、ちょこちょこチェックしていました。

結局、首相撲ってまだ掘れる場所じゃないですか。そういうところは試合を見て、自分なりでも勉強していった方が良いかと思っています。試合ではそれほど使っていないのですが、練習では使うようにしています」

──首相撲の指導を受けることもあるのですか。

「それこそマモルさんに教えてもらったり、スパーリングのなかで自分で組んでヒジを使ったりして試しています」

──マモル選手はある意味、MMAファイターが首相撲を習うには最高の指導者かもしれないですね。MMA目線で首相撲を見るという点においても。

「首相撲は全てマモルさんに教わっています」

──ただ、めちゃくちゃ教えてくれることが多かったりしませんか(笑)。

「話に熱が入ると、もの凄い情報量になるので、全てを記憶に留めることは難しいです(苦笑)」

──ではファビオ・ピンカのMMAデビュー戦は見たいと思っていた部分が見られなかったのではないですか。

「余り良いようにムエタイをMMAに落とし込めていないというか、MMAはあまりできていなかったですね。残念でした」

──ただムエタイが凄いからといってMMAで勝つって、難しいことじゃないですか。

「それはそうなんですけどね(笑)。期待してしまっていたということですよね。ウィラチャイはMMAができる選手ですし。判定基準としてもローをいくら効かせていても、ダウン一つが仇になる。そういうMMAらしさは出ていました。

ピンカはがMMAの距離で戦えていなかったですし、ムエタイだったらあのスピニングバックフィストは被弾しなかったと思います。ムエタイだと、あの技を貰ったことすらないんじゃないかと。でも、ウィラチャイはムエタイでは勝てないけど、MMAなら勝てる。ウィラチャイとしては頑張って良い試合をしました。

初回にバランスを崩したときも、MMAを戦うならどういうつもりか分からない立ち方をして、殴られていました。柔術を練習しているとかインタビューで言っていたのに、どうなんだろうって。もう少し楽な相手と初戦は戦わせてあげたかったというのはありますけど、ピンカがどういう試合をしたかったのか、分からなかったです」

──ONEが活動再開し、解説という立場で大会を見てどのような気分でしたか。

「MMAが少ないのは寂しかったですね。ムエタイも面白いし、良い試合でした。でも僕はMMAファイターなので、MMAで締めて欲しいという気持ちはあります」

──解説中に10月のシンガポール大会に触れ、ゲイリー・トノンかタン・リーと戦いたいという発言がありましたが、9月10日のRoad to ONEという大会が行われることについてはどう思っているのでしょうか。

「それこそ意外と、僕と戦いたいという声がなかったですね。もっと同じ階級の選手が『松嶋とやりたい』と想ってくれているものだと思っていました。

僕はランク2位にいて、2月の試合が終わってからトノン、タン・リーという選手を念頭にずっと練習してきているので……そのつもりでいるというのはあるのですが、それこそランキングに入っていない人から『戦いたい』と言われても良いと思っています。どうなんでしょうかね?」

──ONEと契約していて、海外の大会に出られる見込みがないのであれば、私は中原由貴選手と高橋遼伍選手、そして山田哲也選手は松嶋選手と戦いたいと発言があっても良いと思います。そうすると国内にいて、フェザー級版の猿田洋祐✖内藤のび太が見られたので。

「まぁ、やりたいとアピールすることすらできない理由があるのかもしれないですけど……」

──松嶋選手から『やろうぜ』ということは?

「過去に負けている相手だったり、僕の方がランキングが下なら言うと思います。でも何か一つでも間違えるとぶっ飛ばされるのはタン・リーだと思うし、少しでも気を抜けば足首を捻られるのはトノンだという感覚でいます。

その2人に負けて、ランキングが僕より下の選手に自分の方からやろうという気にはなれなかったです。」

──このインタビューを読んで、『なら、やろうぜ』という声が挙がるとどうしますか。

「本気で僕をブッ飛ばすつもりでいるなら、僕がこれを言ったから声を挙げるっていうのも変じゃないですか。そういう気持ちもない選手よりも、僕がやりたいのはタン・リーとトノンです」

──ただし、いつタン・リーやトノンとできる日はまるで見えないです。

「ここからまた試合がない状況が何カ月も続けば、もうやるしかないです。やりたいと思われて、名前が挙がるのであればやると思います。

中原選手も高橋選手も強いです。僕が一方的に勝てる試合でないことは重々承知しています。ばかりか負ける可能性がある相手だと思っています。ただ僕は世界戦で負けたけど、前回の試合に勝って次にステップを踏める状況になっていると思います。

負けて試合ができていない状況の2人なので、なら2人で先にやってほしいという気持ちでいるのは、ダメなんですかね。なんで、その2人がRoad to ONEという場所で戦わないんだろうっていう話にならないですか?」

──そして勝った方が、『松嶋、テメェ俺と戦え』とアピールするものだと。

「そう思っています。それも僕の我儘な部分かもしれないですけど、江藤さんが青木さんと戦うのもアミール・カーンに一本勝ちしているからこそ、楽しみな部分も生まれる。そういうことだろうと……」

<この項、続く>

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Interview ONE ONE Championship ブログ 佐藤将光 松嶋こよみ 猿田洋祐

【ONE】リスタート、ONEチャンピオンシップ。松嶋こよみ、佐藤将光、猿田洋祐、再開に向けての声

【写真】松嶋、佐藤、猿田、世界王座が視界にある3者だ (C)ONE

26 日(金・現地時間)にONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼会長が、7月31日にタイのバンコクでONE「No surrender」を開催することを発表した。

元々ONEでは7月中にタイでのイベント再開を視野に入れており、その状況は関係各所には伝わって来ていた。当然、ONEとパートナーシップを結ぶABEMAにもその報を届いており、ABEMAではあらかじめONE出場日本人選手から活動再開に関してのコメントを集めていた。ONEチャンピオンシップ、リスタートが正式発表のタイミングで、それら日本人MMA選手の声をお届けしたい。まずは第三弾として松嶋こよみ、佐藤将光、猿田洋祐の今の気持ちとは。


松嶋こよみ
「ONE Championship再開が決まりとても嬉しく思っています。まだ世界的にも新型コロナウイルスの影響はあり油断できない状況ですが、早く戦いたい気持ちでいっぱいです。当面は無観客大会などになると思いますが、画面越しで応援していただける格闘技ファンの皆さんに気迫の伝わるような試合をしたいと思います。応援よろしくお願いします」

佐藤将光
「率直に嬉しいです。それと共にどういう形態であれ、選手に場を与えてくださりありがとうございます。コロナ禍で改めて生きることについて考え、試合することで表現する事が私は大好きなんだと感じました。この先何年も試合できないかと考え絶望さえ感じました。またお客さんと一緒に盛り上がれる日が来るかと思うと今は楽しみで仕方ないです!
格闘技は最高です」

猿田洋祐
「 ONE Championship 再開を待ち望んでいましたので嬉しく思います。 自分の中で今年はベルトを奪還すると決めているので、コロナによって色んな変化があっても気持ちが切れる事はなかったです。会社員として普段と変わらない仕事をしながら、いつ試合が来ても飛びつけるように自分で出来るトレーニングを続けて毎日生きてきました。またこの期間にSNSを通じて自分の事を知って貰い応援してくれる人も増えました。 自分の好きな格闘技を通じて世界中の皆さんに元気を与えて行きます!