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【Grachan56】フェザー級王座決定T=鍵山雄介戦、大搗汰晟-02-「憧れの朝倉未来さんと戦いたい」

【写真】フェザー級T初戦、ベルト奪取、RIZIN出場、憧れの朝倉未来戦という風に歩むことができるか(C)GRACHAN

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan56で、鍵山雄介と対戦する大搗汰晟のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

昨年プロデビューした大搗は初戦こそ勝利したものの、続く原口伸戦でKO負けを喫した。しかし以降は2連続KO勝利を収めている。あの敗戦から何を得たのか。GRACHANの新しいフェザー級王者を決めるトーナメントを前に、MMAファイターとしての成長を訊いた。

<大搗汰晟インタビューPart.01はコチラから>


――「大学の時に自分の中の最低目標をクリアできなければ柔道を辞める」と決めたとのことですが、その最低目標とは何だったのでしょうか。

「大学4年生の最後の大会で、関西で優勝することでした。先輩たちからも『関西は優勝して、全日本学生でベスト4位に入るんちゃう?』と言われているなか、関西のベスト16で負けたんですよ。それで柔道に対する気持ちが、ガラスのように割れてしまいましたね」

――その気持ちがMMAへと移っていったのは、いつ頃のことですか。

「関西のベスト16で負けて、気持ちの整理がつかない日々が続いていて、何も手につかない。人生そのものが面白くないなぁと思っていた時期に、RIZINで朝倉未来選手の映像を見たんです。

朝倉選手は、もともと不良だったじゃないですか。僕とは真反対の道を歩んできた人が、格闘技で成り上がってトップ選手になる。そういう道がカッコいいなと思ったんですよ。もともとKIDさんが好きで、MMAもよく見ていたので。そういうことが重なって、自分もMMAをやってみたいと心が動きました。今から3年前の話ですね」

――大搗選手が2020年『朝倉未来チャレンジ』に参加したのは、そういった経緯があったのですね。朝倉未来チャレンジ参加と自衛隊への入隊は、どちらが先だったのでしょうか。

「朝倉未来チャレンジのほうが先です。そこで落ちちゃったので……」

――柔道で納得のいく結果を残せず、朝倉未来チャレンジで落ちながら、自衛隊ではエリート部隊である第一空挺団に入ることができたわけですよね。そうなると、認められた世界で生きていこうと考える人も多いと思います。

「そうですよね。でも僕は、どうしてもMMAをやりたいっていう気持ちを捨てきれなかったんです。YouTubeで朝倉未来チャレンジで受かった人たちの動画がアップされるじゃないですか。おすすめに挙がってくると、どうしても目に入ってしまいます。見ていると、やっぱり悔しくて。

自分もMMAを始めて、朝倉未来チャレンジで受かった人よりも上に行きたい、っていう闘争心に変わりました」

――結果、2021年4月からMMAを始めて同年7月にはWardogでプロデビューし勝利しています。その2カ月後には原口伸選手と対戦して、KO負けを喫しました。

「あの試合は、やらかしたなぁ……と思いました。Wardogの試合で負傷していて、原口戦までの間にそこまで練習できていなかったんです。相手は凄い練習していると聞いていたのに、それでもイケるやろうと考えてしまったんですよね。いざ対戦してみたら、原口選手はメチャクチャ強かったです。

そこから自分も練習について考え直すキッカケになりました。あの時に負けておいて良かった、今はそう思います。

あの段階では、レスリングをベースとした選手との練習も少なかったです。自分はオールラウンダータイプか柔術ベース、あるいは打撃が強い選手ばかりでした。だから試合でも、原口選手がテイクダウンのために足を触りに来た時、自分の反応は遅かったと思います。レスリング出身者の中でも原口選手は実績が凄いし、実際スピードもメチャクチャ速かったですね」

―原口戦以降は2連続KO勝利を収めています。ご自身の中で、何か変化や新しく取り入れたものはあったのでしょうか。

「試合後にパラエストラ大阪へ入会しました。それとキャプテン☆アフリカさんやコブラ会の方とも練習させてもらうようになって、強い方たちと練習することで反応も速くなったし、戦い方も変わってきたなと思います。

あとは打撃の練習も足りなかったんですよね。もともと右利きで、柔道は利き手利き足が前になるから、MMAでもサウスポーに構えました。でもサウスポーで打撃を出すことに慣れていないところもあって。オーソドックスなら蹴りも出しやすかったんですけど……今もその部分は修正してきています」

――加えて、原口戦以降はケージレスリングの質も変わってきていますね。

「はい。先ほども言ったとおり、僕は柔道時代から、道着を掴むよりも体の力で投げるタイプでした。だから今はMMAでも相手のほうから組んできたら、逆にケージ際で自分が組みやすい体勢にもっていったり、テイクダウンを奪うこともできるようになっています。柔道でやってきたことをMMAに生かして、そのおかげで対戦相手も反応しづらいというのは感じますね」

――結果、投げてから袈裟固めで抑え込み、パンチで削るという勝利パターンが出来てきたわけですか。

「はい。もちろん勝ちパターンは、一つだけじゃないです。それは今後の試合で見せていきたいですね」

――なるほど。そういえばコブラ会の選手と練習しているとのことですが、鍵山選手は……。

「コブラ会所属ですよね(苦笑)。ただ、鍵山選手とは一度も練習したことがないんです。この試合のこともあって、最近はコブラ会の方とも練習していません。

試合を見るかぎり、鍵山選手はベテランで粘り強い選手だと思います。僕とは経験値の差があるので、そこは勢いと自分の形にもっていくことでカバーします。相手が驚くような、アッということをやりたいですね。そこで焦りが出てきたほうがミスしやすいし、ミスしてくれたほうが自分の形にもっていきやすいので」

――この試合はフェザー級王者決定トーナメント1回戦として開催されます。

「時代を変えたいですね。僕がGRACHANのチャンピオンになって、RIZINとかに出て活躍していきたい。だから、ここで負けるわけにはいかないと思っています」

――RIZINのフェザー級には、朝倉未来選手がいます。やはり憧れた選手と同じ舞台に立ちたいですか。

「正直言うと、朝倉未来さんと戦いたいです。自分が憧れた人と戦って、勝つことで僕たちの時代にしたい。そのためにも今は一戦一戦、大事に勝っていきます」

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Grachan54 MMA MMAPLANET o   原口伸 植田豊

【Grachan54】蹴られそうで、蹴られない原口伸。テイクダウンを重ね、植田豊を下し暫定フェザー級王者に

【写真】崩れない。ポスチャーの強さが際立っていた(C)MMAPLANET

15日(日)に東京都港区の品川インターシティホールでGRACHAN54&55が開催された。

J-MMA新時代を告げるようなマッチアップ、重量級の戦い、そしてタイトル戦と今のグラチャンが詰まったダブルヘッダーから──ここではGrahan54のメインイベント=Grachan暫定ライト級王座決定戦の模様をお伝えしたい。

念願の王座奪取へ、キャリア3度目のタイトル戦に臨む植田豊に対し、原口伸はデビューから8カ月&4戦目の選手権試合になる。


<GRAND暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
原口伸(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
植田豊(日本)

サウスポー同士、原口の右ローを植田がチェックする。原口は右カーフ、植田は右ミドルを蹴る。ローから前に出た原口は、ヒザ蹴りにもダブルレッグで組んでテイクダウンを決める。ハーフの植田にパンチを入れる原口は、右腕を差されても右手をついてバランスをとる。

煽る植田はウィザーでアンダーフックを殺され、煽り切れずに動きが止まる。起き上ることができず、右のパンチを断続的に被弾する植田は背中をつけるまで動くと、原口が連打で右を打ちつける。潜り切れず、パンチを連打された植田がフルガードを取ろうと正対するが、原口は足を捌いてパス、上四方へ。

原口はアームロック狙いも、頭を跨ぐことができない。最後に植田はハーフから右腕を差してスクランブルに持ち込み、原口をケージに押し込むところまで挽回。オープンスコアでジャッジ3者とも、原口を支持した。

2R、植田は右ハイ、原口は右カーフからジャブを伸ばす。植田の右ハイが顔面を捕らえたように見えた刹那、原口は蹴り足をキャッチしボディロックから豪快にテイクダウンを決めると、間髪いれずパウンドを連打する。

ハーフで左足にしがみつき、右腕を差した植田は小手を決められ下になりそうな場面で、原口の勢いを利用し右足を持ち上げてスイープを仕掛ける。一瞬尻もちをつきながら原口はすぐに体を起こしてトップを取ると、ハーフでパンチを連打する 。

ここもハーフで動きが止まった植田は、エルボーを落とされ、ワキ腹から顔面を殴られると状態を起こすことができない。なんとか両足を戻した植田に対し、原口は立ち上がって足首を掴んだ状態が続く。ここでレフェリーがブレイクを命じ、植田がスタンドに戻った。

しかし蹴り足をキャッチされ、テイクダウンを許した植田はエルボーを受けながらクローズドを取り、腕十字へ。腹ばいになるが、原口は腕を抜いて上四方で殴り続ける。植田は足を絡めるも、捌かれる。正座状態の原口は、クローズドに戻されると動き始めパウンドを落とし──この回もジャッジ3者の支持を得た。

最終回、左フックから右ハイを蹴る植田。蹴りはキャッチされる可能性があるが、原口のガードが甘いという判断か。その原口はここでは左ストレートに組みつき、ダブルからボディロックでテイクダウンを決める。

がぶりに背中をつけた植田は、上四方で抑えられる。植田が腹ばいになると原口はがぶってワキ腹と頭部を殴る。立てない植田は展開を変えることできない。

サイドバックを許しガードを取った植田は、ようやくスクランブルに持ち込んで立ち上がることに成功する。原口はケージに押し込み、ボディ打ちとヒザを腿に入れ、レベルチェンジからダブルレッグ──植田が尻もちをつく。

両足を束ね、ワキ腹を殴る原口は時計回りに動き植田に背中をつけさせる。植田は最後までハーフでシングル&立ち上がることを狙ったものの原口は根を張ったようにびくともせず、時間を迎えた。

判定は当然のようにフルマークで原口に凱歌が挙がり、兄・央のグラジエイター・フェザー級王座に続き、弟・伸がグラチャン・フェザー級王者に就き、兄弟で2つの大会のベルトを巻くこととなった。

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【Grachan54】原口伸と暫定ライト級王座決定戦。植田豊「打・投・極、どこでも倒せる」

【写真】MMAファイターとして、力の差があると言い切った植田 (C)MMAPLANET

15 日(日)、東京都港区の品川インターシティホールで開催されるGrachan54&55。ダブルヘッダー第一部のGrachan54のメインで暫定ライト級王座を賭け原口伸と対戦する植田豊。

その実力の程は定評があるが、なぜか試合で取りこぼしも多い。そんな植田はレスリングから転向してきた超新星との対戦を前に、MMAファイターとしての力の差はあると断言した。


──日曜日に原口選手と暫定王座決定戦が控えています。格闘DREAMERSの期待の新人✖外敵のようなマッチメイクとなりました。

「う~ん、そうですね。まぁ彼が勝てばストーリーができやすいことなのですが、自分には関係ないことなので。そこは気にしていないです」

──舐めんじゃねぇよという想いは?

「舐めんじゃねぇよっていうのは、当然のように誰に対してあるわけじゃないですか。だから今回の試合で、そういう気持ちが特に強いということはないです」

──ではキャリア4戦目、デビュー7カ月目でタイトル戦まできた原口選手に関して、どのような印象を持っていますか。

「単純にポテンシャルの高い選手です。レスリングのベースがあって、気持ちが強い選手なので勝ち星を重ねていれば当然、資格はあるのかと思っています。まだ2勝ですけど、グラチャンのライト級で彼と絡める役者がどれだけいるかということもありますし、これだけ勢いがついちゃうと当たるのは必然かもしれないです」

──一段階ではなく、三段階ステップアップするためのタイトルと植田選手という風に見えます。

「役者が少ないんで、仕方ないと思います。そうなりますし、でも力を考えると向うに勝たせたいというマッチメイクではないと思っています」

──ポテンシャルがあるということですが、前回の試合ではかなり課題が浮き彫りになっています。現時点で原口選手のMMAファイターとしての力をどのように判断していますか。

「MMAって何でもMMAと表現できるので、少し難しいところがありますが、全てができてちゃんとつなげる選手ではないですよね。全てができてつなげることができることをバランスが取れているというのであれば、全然レベルは低いと思います」

──同時に繋げられていなくて、一点突破でいけるのもMMAという見方もできます。

「ハイ。だからレスリングと振りまわしで勝てています。それが現時点の彼の戦い方ですね。前の試合で打撃を意識して戦ったことで、パンチを被弾して倒れたので今回は戦い方を変えてくる可能性は十分にあると思っています。ただ本能で戦うタイプなので、熱くなればまたぶん回してきそうなイメージもあります」

──ぶん回してきた方が戦いやすいというのはありますか。

「ぶん回し方にもよります(笑)。まぁカウンターは取りやすいです」

──所属しているMe, Weでは、誰かが常に試合があり、皆がその練習相手を務めている印象があります。

「試合が続いたこともあって、雰囲気も良い感じです。倉本(一真)君や佐々木憂流迦君の加入もあって、憂流迦君は大きいので良い練習相手になってくれています。MMAだと鈴木一史選手がいて、あとは柔術が強いジムですから。組み技に関しては、体格の合う強い選手はいくらでもいます。だから全く問題ないです」

──それだけ仕上がっていると。

「かなり良いと思います。特別何をしてきたというわけではないですけど、一つ一つのレベルももの凄く上がったと思います。僕が負ける勿体ないパターンって、素人のぶん回しみたいなのを貰って負けたりしているので(苦笑)。そういう事故が起きないように戦わないといけないです。そういう意味でも、基本に立ち返って練習できたかと思います」

──植田選手は試合で、まだ力を出し切れていない印象です。

「ありがとうございます。半分も出せていないと思います。取りこぼしてしまうこともそうですし、入り方、考え方という部分でも試合期間が空いたので見直すことができました。ジムに若い子たちも増えていますし、しっかりと見せないといけないという気持ちもあります」

──ダイヤの原石との対戦で、一番見せたい部分はどこでしょうか。

「一番は勝つこと。結果を残さないといけないです。正直、彼と違って全局面できるので。打・投・極、どこでも倒せると思っています。なので、そういったレベルの高いところを見てもらいたいです。

もうタイトルマッチも3度目ですし、これを落としてしまうと一生ベルトには縁がないのかと思います。ただ大切なモノはベルトとかっていう物理的なモノではなく、強さを求めるという部分に重きを置いてはいます。それでもステップアップする大きなきっかけではあると思うので、ここをしっかりと獲りたいです。それで大きな舞台に繋げることができればなと思っています」

■GRACHAN55視聴方法(予定)
5月15日(日)
午後5時00分~ GRACHAN放送局

■ GRACHAN55対戦カード

<GRANDウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]長岡弘樹(日本)
[挑戦者] 川中孝浩(日本)

<無差別級/5分2R>
荒東 怪獣キラー 英貴(日本)
瓜田幸造(日本)

<フェザー級/5分2R>
高橋孝徳(日本)
大搗汰晟(日本)

<バンタム級/5分2R>
高須将大(日本)
長谷川卓也(日本)

<無差別級/5分2R>
北村亮太(日本)
田馬場貴裕(日本)

<フライ級/5分2R>
宮内拓海(日本)
吉田哲之(日本)

<フェザー級/5分2R>
櫻庭泰裕(チェコ)
伊藤類(日本)

<バンタム級/5分2R>
YO-HEI(日本)
佐々木歩夢(日本)

■GRACHAN54視聴方法(予定)
5月15日(日)
午後1時30分~ GRACHAN放送局

■ GRACHAN54対戦カード

<GRAND暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
植田豊(日本)
原口伸(日本)

<フライ級/5分2R>
長野将大(日本)
加マーク納(日本)

<バンタム級/5分2R>
松井斗輝(日本)
松本大輔(日本)

<フェザー級/5分2R>
村田俊(日本)
黒井海成(日本)

<無差別級/5分2R>
ラデック(チェコ)
佐々木克義(日本)

<無差別級/5分2R>
中島大志(日本)
石川廉(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本尚大(チェコ)
中嶋紳乃介(日本)

<フェザー級/5分2R>
萩原一貴(日本)
羽馬誠人(日本)

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【Grachan54】プロ4戦目で暫定ライト級王座決定戦=植田豊戦へ、原口伸「喧嘩ができるスタイル」

【写真】喧嘩が強いスタイルという本人の弁。とにかく馬力がある (C)MMAPLANET

15 日(日)、東京都港区の品川インターシティホールで開催されるGrachan54&55。ダブルヘッダー第一部のGrachan54のメインで暫定ライト級王座を賭けて、プロMMA4戦目の原口伸が植田豊と対戦する。

2019年フリースタイルレスリング70キロ級全日本王者──鳴り物入りのBRAVEジム入門から、昨年9月にプロデビューを果たすと、現在まで2勝1NC。MMAファイターとして、余りにも荒々しい一方で限りない可能性を感じさせる原口に4戦目でタイトル挑戦について、そして今後を尋ねた。


──早くもベルトを賭けた試合を戦うことについて、どのように思っていますか。

「自分としては4戦目でこういったチャンスをいただけたことに、期待が入っています」

──3月に大宮優選手を初回TKOで下し、どのタイミングでタイトル戦のオファーがあったのでしょうか。

「2週間後ぐらいだったのです、割とすぐでした」

──その大宮戦ですが、4分39秒間は濃密な時間になったかと。

「そうですね、勉強になった試合です。ダウンを奪われたシーンは、嫌になるぐらい映像で見直しました。変に打撃戦をやろうとか、MMAをやろうという感覚で戦っていたことに気づきました。あの前にBRAVE勢が試合をしていて、絶対に勝ってやろうという気持ちも強すぎたようです」

──ダウンを奪われた感覚は覚えていますか。

「ハイ。人生、初のノックダウンなので。倒れていく景色も覚えています。痛みとかではなくて、『あぁ、俺倒れてるな』って。試合中は記憶が途切れることなく、直後は『こうなって負けるんだ。止めてほしくない』と思いました。『絶対に負けたくない』って思って、必死に動いたのも覚えています。ただ試合後の記憶がないんです」

──そうなのですか。やはり怖いですね。ただダウンをしてマウントを取られながら、スクランブルで立ち上がった馬力には驚かされました。

「とにかく止めてほしくなくて、動き回ると立てました(笑)」

──テイクダウン、スクランブルが繰り返され、その間もパンチを打ち合い、最後は右でTKO勝ちででした。

「大宮選手ももの凄い覚悟が決まった顔をしていて。殴り合っている時も、もうブレーキが効かなくなっていたんだと思います(笑)」

──笑って振り返っていますね。

「アハハハ。僕はレスリングの時から技術とか関係なく、気持ちのぶつかり合いになった時は絶対に負ける気がしないんです。殴り合いをしている時も、『これ打ち勝てるな』っていう感覚がありました。

ただガードも下がっていて、足も使えていなかったです。最初にフックを貰ってダウンをしたのですが、ああいう風にパンチを打って来る人が練習ではいなかったので勉強になりました。無暗に打ちあったことは反省しています。勝ったことが唯一の救いになる試合でした」

──そんななか原口選手が意識しているかどうか分からないのですが、奇しくも2022年のプロデビュー同期となった中村倫也選手はプロ3戦目で修斗ブラジル王者のアレアンドロ・カエタノを4月のPOUNDSTORMで破りました。

「最初の頃は負けたくないと思っていましたけど、階級が違うのでそういうことは思わなくなりました。ただ凄く良い刺激を貰っています。同じサウスポーで、レスリングベースだから勉強させてもらっています。倫也選手に関しては、レスリングを生かしたMMAというよりもMMA選手になり切っている。そこはMMAに関する知識や、子供の頃から持っていた熱量が僕とは違いが出ていると思います。ただし、MMAを実際に始めた時期はそれほど変わらないので、倫也選手が短期間であれだけのMMAファイターになれていることは、本当に刺激になっています」

──グレコからの転向組の河名マスト選手も、修斗のトップランカーに勝っています。

「中村倫也選手とは違って、レスリングの強味を生かしたMMAで。やるべきことを着実にこなす強さが感じられます。デキることをこなすって難しいのですが、河名選手はそれがデキていて、倫也選手とは違う種類の強さを感じます」

──対して原口伸のMMAとは?

「倫也選手とも河名選手とも違い、経験が少ないというのもあって僕のMMAは野性的です。レスリングの実績は2人に劣りますが、泥臭さとか喧嘩ができるファイトスタイルだと思います。それがMMAにも生きています」

──では、対戦相手の植田豊選手の印象は?

「絵にかいたようなベテラン選手で、落ち着いて慌てず。チャンスが来るまで我慢して戦う。でも、僕もレスリング時代の終盤は相手のミスを待つというか、そういう戦いをしているので植田選手の考えていることは意外と理解できると思います」

──では日曜日、どのような試合をしたいと思っていますか。

「前回の試合は動きが悪かったです。突っ立って戦って。それでああいう試合になったのですが、僕が今持っている技術を使い、力を出すことができれば、もうあんな試合にはならないです。

ただフィニッシュ方法とか深く考えていなくて、取りあえずどういう形でも良いから決着をつける。そういう戦いができればと思います」

──ではこの試合を経てなおプロ2年目でありますが、どこを目標にMMAを戦っていきたいと考えていますか。

「デカいこと言うなって怒られるかもしれないですが、喧嘩ができるスタイルで外国人選手と戦った場合、相手を喰うことがデキると思っています。自分のそういう部分があれば、日本人選手が余りできていない──外国人選手との戦い方ができるという自信もあります。最終目標はUFCですし、そのためにどこで戦っていくとか分からないですけど……Road to UFCには間に合わなかったので、ちょっと待っとけよと思っています」

──押忍。最後にMMAPLANETの読者に一言アピールお願いします。

「キャリアはまだ少ないですけど、上に行こうとしている若者がいるっていうことを試合でアグレッシブに戦って──自分の存在感を示していきたいと思っているのでよろしくお願いします」

■視聴方法(予定)
5月15日(日・日本時間)
Grachan54午後1時30分~Grachan放送局
Grachan55午後5時00分~Grachan放送局

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ABEMA Grachan54 MMA MMAPLANET o RIZIN ボクシング 中村倫也 原口伸 大宮優 宇佐美正パトリック 岩本健汰 植田豊 河名マスト 長野将大 鶴屋怜

【Grachan54】原口伸が植田豊と暫定ライト級王座決定戦へ。超ルーキーは足し算を間違えないMMAが必要

【写真】2021年デビュー組、初の王座戴冠となるか。それとも植田が意地を見せるか(C)MMAPLANET

1日(金)、GRACHANより5月15日(日)に東京都港区の品川インターシティホールでGRACHAN54が開催され、メインで植田豊✖原口伸の暫定ライト級王座決定戦が組まれることが発表された。

この日は昼夜2興行制となり、Grachan54が昼の部、Grachan55が夜の部として実施され本日のプレスリリースでは昼の部のカードが明らかとなった。


2019年フリースタイルレスリング70キロ級全日本王者、昨年9月のMMAデビューから2勝1NC、原口が4戦目で王座挑戦の機会を得た。

J-MMA界の未来──2021年デビュー組は、中村倫也&宇佐美正パトリック、鶴屋怜、河名マスト、岩本健汰、原口の同門である野村瞬太とレスリング、ボクシング、空手、グラップリングの全日本クラスがズラリと揃っており、デビューイヤーからキャリアで上回る相手を引きずり下ろし、急激に存在感を増している。

そんななか早くも、原口がタイトル挑戦の機会を得ることになった。対する植田は過去にグラチャンだけでなくGladiatorでもライト級王座挑戦経験があるベテランだ。

前回の大宮優戦を見る限り、原口はがぶってのパンチや首相撲からのヒザ蹴り、勝負を決めた最後の接近戦でのフックの連打とMMAへの対応力はつきつつある。

その一方で打撃を使おうとするあまり、パンチを被弾する数も決して少なくない。特にまだコンビネーションは見えておらず、右でステップインしてきた大宮の左フックを浴びてダウンを経験している。

ここから大宮がマウントに移行し、スクランブルに持ち込んだことで、レスリング力でピンチから脱したものの、老獪な植田とその頭脳=山崎剛Me,We代表であれば優勢のままスタンド戦に戻るという選択をしていたかもしれない。

世界レベルのレスリングがベースだけにテイクダウン&スクランブルの強さはある原口だが、パンチを被弾して組まれることも少なくなかった。気になったのは組みの攻防のなかで、フィジカルに任せた強引な小手投げを見せていた点だ。金網の位置を考慮しないあの手の荒い攻撃を植田相手に繰り出すと、バックを許し致命傷となる可能性もある。

サウスポー、リーチのある植田は抑え、極めの強さは10勝8敗という戦績以上のモノがある。今回の対戦の肝は、組む前の間──だ。3月のままの原口だとサウスポーの植田のジャブをより多く被弾する可能性も十分にある。

と同時に、組んでからの打撃の強さを前段階で原口が使えるようになっていれば、一方的な展開になる可能性すらある。それは最後に打ち勝ったパンチではなく、対戦相手の大宮が見せていた組むためのパンチが使えるかどうかに掛かって来る。

同様に削り合いになった時に、原口が5分✖3Rの戦い方ができるか否か。この暫定王座決定戦、原口がMMAをやり過ぎれば勝機は植田に。レスリング時々パンチという打撃を駆使できるようになっていれば原口……という見方もできる。

そのポテンシャルの高さを十分に理解した上で、足し算を間違えることがないMMAが原口には必要となってくるだろう。

また今大会のセミではEXFIGHTで地に落ちた自信をグラチャンで取り戻しつつある長野将大が、加マーク納に挑む。柔道ベースの組み力の強さを持つ加マーク納に対し、長野はスピードと手数の多さで切り崩すことがデキるのか。

王者がRIZINに戦場を求めているライト級とフライ級にあって、暫定王座の制定はもちろん、波風を起こす興味深い2つのマッチアップだ。

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Brave Fight26 Grachan53 MMA MMAPLANET o 原口伸 大宮優

【GRACHAN53 X BRAVE FIGHT26】ヒヤリとするシーンも、ヒヤリとせず。原口伸が大宮に「打」で勝利

【写真】強さと課題が見られた原口のプロ3戦目だった(C)NOBU YASUMURA

12日(土)、東京都大田区の大田区産業プラザPIOでGRACHAN53×BRAVE FIGHT26が行われた。
Text by Nobu Yasumura

ここではメインで行われた原口伸×大宮優のライト級の模様をお伝えしたい。


<ライト級/5分2R>
原口伸(日本)
Def.1R4分39秒by TKO
大宮優(日本)

1R、ニータップを狙う大宮に対し、原口はがぶってテイクダウンを阻止。それでも大宮は打撃を組み合わせながらしつこくテイクダウンを仕掛けるが、原口は突き放して倒されない。ならばと大宮は荒々しいパンチを出しながら前進し、その1発を被弾した原口は後方にダウン。追撃する大宮はマウントポジションからパウンド連打で一気に出る。

ダメージを感じさせることなく原口は、反転しながら起き上がるものの大宮は原口の首に腕をすり込ませてRNCの体勢へ。耐えて脱出した原口は大宮のトップを取るとパウンド連打。

ここかから試合がスタンドに戻り、荒々しいパンチで出る大宮に対し、原口はダブルレッグへ。すぐさま試合がスタンドに戻ると、原口は大宮に対して首相撲からのヒザ蹴りを連発する。ここからテイクダウンを奪った原口が優位なポジションからパウンドを落とし続けるも、大宮は立ち上がって脱出する。

追撃する原口が、金網を背にする大宮にパンチ連打。被弾した大宮がヒザをつくと、原口はなおもパンチを落とし続けたところでレフェリーがストップし、原口が逆転TKO勝ちを手にし――会場を沸かせた。

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【GRACHAN53×BRAVE FIGHT26】BRAVEの秘密兵器=黒井海成―02―「これから毎試合KOしていきます」

【写真】プロデビュー前から、しっかりと自分の意見を口にできる。それだけ考えた末のMMA挑戦なのだろう (C)GRACHAN

12日(土)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催される「GRACHAN53×BRAVE FIGHT26」で、プロデビュー戦を迎える黒井海成のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

空手、そしてキックボクシングを経て、たどり着いたMMAとBRAVEジム。レスリング出身の強豪選手たちと練習することで、黒井は経験のない組み技の実力も向上してきたという。そんな黒井が語る目標とは――今年、成人式を迎えた若武者らしさが爆発だ。

<黒井海成インタビューPart.01はコチラから>


――2020年12月に初めてBRAVEで練習してすぐ正式に入門したのでしょうか。

「3カ月後に空手の大会に出ることになっていたので、一度地元に戻りました。そのあと東京に来て、4月6日に内弟子としてBRAVEに入っています」

――硬式空手で3度も世界大会で優勝し、K-1甲子園でも東日本トーナメントで優勝している黒井選手です。地元を離れて東京でMMAに取り組むとなって、周囲の人に引き留められはしなかったですか。

「それは……自分がMMAをやりたかったので。まずは何でもチャレンジしたかったんです。ずっと空手やキックボクシングをやってきたんですけど、MMAはやらないといけないことが多いじゃないですか。だからMMAをやるなら、早いほうが良いと思って」

――新しいことを吸収するのであれば、若い段階のほうが良いのかもしれません。

「はい。今までやっていたキックボクシングは、MMAを終えた後でもやれる。MMAは今しかできない。周囲にもそう伝えて、BRAVEでお世話になることに決めました」

――BRAVEに入門したのが2021年4月6日で、同年9月26日のBreakingDownに出場しています。

「そうですね。BreakingDownのルールは正式なMMAではなく、1分間で戦わないといけないというものでしたけど……どちらかというと、いきなり殴り合う試合が多かったですよね。ただ、今の僕はどれくらいのMMAの力があるか確かめてみたかったんです」

――なるほど。

「1分間というなかでもMMAはできるのかな、っていう自分の挑戦でした。相手はキックボクシング団体のチャンピオンで、他の選手と同じように打ち合ったらKO負けするリスクもありますよね。その中で自分がどれだけMMAができるのか――実際にやってみたら違和感があったんです」

――違和感とは?

「組んでみたら、相手の力があまりにも軽かったんです。逆に軽すぎて力んでしまい、呼吸も乱れちゃっていましたけど……。普段はBRAVEで、本当にレスリングが強い方たちと練習しているので、それぐらい力の違いを感じることができました」

――ということは、一般的なMMAルールは前回のBRAVE FIGHT25(昨年10月31日、山﨑ソラに1R KO勝ち)が初戦となるのですね。

「あの時は試合前からリラックスできて、自信しかなかったです。相手も強い選手だと思うんですけど、僕は毎日BRAVEで強い先輩たちにボコボコにされているので、これ以上強い選手はいないだろうという想いがありました。この試合でも組んだ時に軽く感じて、レスリング力も負けないなと思いました」

――その結果、KO勝ちを収めました。

「相手を倒してグラウンドに行こうとした時、どれくらい寝技ができるんだろうと思ったんですけど、相手が仕掛けてこなかったんです。だから寝技も差があるのかな、と。最後は右でKOしたいと思っていたので、そのとおり右ストレートでKOできて良かったです。この試合でMMAのうち3つ――レスリング力、寝技、打撃を確かめることができました」

――MMAを始めてから一番苦労しているのは、どんなところでしょうか。

「テイクダウンディフェンスですね。そこは、まだまだだなって思いました。それで今は週4~5でテイクダウンディフェンスの練習をしています」

――週4~5! それは試合当日が楽しみですが、MMAでは自分からテイクダウンをするという選択肢もあります。とはいえ打撃がベースにある黒い選手です。どのようなMMAを表現したいでしょうか。

「やっぱり打撃を中心に戦うというのは崩したくはないです。もちろんテイクダウンのフェイントを見せたり、実際にテイクダウンに行くこともあります。でも打撃でKOしたいと思っています」

――打撃ベースの選手が、日本国内で勝てても海外では苦戦するケースはあると思いますが、いかがでしょうか。

「そうですよね。海外の選手は打撃でもテンポをずらしたりして、日本人選手とは違うテンポで戦っているように感じます。海外で戦うなら、そのテンポに騙されないようにしていかないといけないですね」

――黒井選手がMMAを戦ううえで、目指すのは海外のプロモーションなのですか。

「まずは国内で一番大きな大会……RIZINに出たいですし、RIZINに出るために国内大会のチャンピオンになりたいです。そして、世界一の大会であるUFCで戦うのが夢です」

――分かりました。今回のプロデビュー戦は、その夢への第一歩となります。対戦相手の印象を教えてください。

「相手の選手もMMAは初めてで、もともと柔道をやっているサウスポーの選手だと聞いています。ここで油断していたら足元をすくわれてしまうので、全局面で圧倒しながら、自分の持ち味である打撃で倒したいです。その後に出るBRAVEの先輩たちに、しっかり繋げていきたいですね」

――では最後に、プロデビューに向けての意気込みをお願いします。

「まずは国内のベルトを巻きたいですね。そして、お母さんにベルトを巻いてあげたいです。タイトルマッチにたどり着くためには、面白い試合も必要だと思っています。これから毎試合KOしていきますので、応援よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
3月12日(土)
午後1時00分~ GRACHAN放送局

■ GRACHAN53×BRAVE FIGHT26対戦カード

<ライト級/5分2R>
原口伸(日本)
大宮優(日本)

<73キロ契約/5分2R>
岸本篤史(日本)
モリシマン(日本)

<ライト級/5分2R>
野村駿太(日本)
藤村健悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
高橋謙斗(日本)
フミ・グローブTV(日本)

<フェザー級/5分2R>
黒井海成(日本)
杉本静弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
和田健太郎(日本)
誠人(日本)

<無差別級/5分2R>
ラデック(チェコ)
高桑格(日本)

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
高須将大(日本)

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Brave Fight26 DEEP Grachan53 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC VTJ VTJ2021   ラデック 修斗 原口伸 大宮優 宇佐美正パトリック 宮田和幸 岡澤弘太 岩﨑ヒロユキ 木下憂朔 藤村健悟 野村駿太 高須将大 黒井海成

【GRACHAN53×BRAVE FIGHT26】岩﨑ヒロユキ「本当に強い選手」x宮田和幸「対戦相手も成長する大会」

【写真】 原口伸に対する、大宮優。野村駿太に、藤村健悟。3年後のJ-MMAのためのサバイバル戦(C)MMAPLANET

12日(土)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGRACHAN53×BRAVE FIGHT26の見どころを、GRACHANプロモーター岩﨑ヒロユキ氏と、宮田和幸BRAVE代表が語るインタビュー後編。

メインの原口伸×大宮優を筆頭に、BRAVE所属選手と他ジムの若手選手が対戦するマッチメイクが並んだ今大会。両者が注目する選手と試合は……。きっと、この2人が最も今大会を楽しみにしているに違いない、そう思わせてくれる内容となった。

<宮田和幸×岩﨑ヒロユキ対談Part.01はコチラから>


――今回のGRACHAN×BRAVE FIGHTはアマチュアの試合から始まり、後半はBRAVE所属の5選手が出場します。そんな今大会のマッチメイクのテーマを教えてください。

岩﨑 今回は原口伸×大宮優、ともにプロデビューしてから間もない選手の試合をメインに持ってきました。僕としては今後の日本MMAの明るい未来を信じつつ、2人にとって2022年のスタートとして大事な試合になります。

――日本MMAの明るい未来、ですか。

岩﨑 去年から、宮田君のジムから原口伸君たちのような、実力のある選手がどんどん出てきていて。まだキャリアはなくても強いという選手が増えています。そして、これからさらに若手選手が、どんどん出て来る予兆がある。その点を考えたマッチメイクになっています。

――宮田さんが主宰するBRAVEジムからは、他競技で実績のあるポテンシャルの高い選手がデビューしていますね。

岩﨑 そう、宮田君のジムが最近すごいよね。

宮田 そうですね。でもウチのジムから選手が出てきているのも、決して突然ではないんですよ。GRACHANもそうですけど、やっぱり積み重ねることが大事で。ウチでいえば芦田崇宏や、GRACHANに出ていた選手でいうと鈴木隼人(初代GRACHANフライ級王者)たちの活躍があったからこそ、今の原口とか才能のある選手が入ってきてくれたんです。芦田も鈴木も下積みが長かったし、今の選手もここ最近出てきただけで、ずっと下積みを経験きましたから。

――なるほど。次に、今大会で岩﨑さんと宮田さんが注目する試合を教えていただけますでしょうか。

宮田 僕は原口、そして野村駿太の試合ですね。同じライト級で、2人とも良いものを持っています。原口はレスリングがベース(2019年全日本フリー70キロ級優勝)で、UFCを狙わせたいと思っています。……いや、野村にはUFCを狙わせたくない、っていうわけじゃないですよ(笑)。

――アハハハ、分かります。野村選手は昨年11月のVTJ2021で宇佐美正パトリック選手に判定負けを喫しているので、今回は仕切り直しの一戦になりますね。一方の原口選手は、同じくVTJ2021では岡澤弘太戦で試合を優勢に進めながら、バッティングによるノーコンテストに終わりました。この2選手について、VTJ2021から現在までの成長具合はいかがでしょうか。

宮田 それが……彼らはMMAを始めてまだ1年なんですよ。原口は去年まだ大学生だったし、野村がジムに入ってきたのも去年の3月です。2人とも1年の間に、ものすごいスピードで強くなってきました。だから今回は、ぬるいマッチメイクにはしていません。2人とも相手が強いですからね。まず原口と対戦する大宮選手は試合映像を見たら、勝った対戦相手が凄かったので。

岩﨑 大宮選手は昨年のDEEP大阪大会でデビューしたばかりで(11月21日、安達健一郎にキムラで一本勝ち)、今回がプロ2戦目です。でも2年前にアマチュアの試合で、今パンクラスやRIZINに出ている木下憂朔選手に勝っているんですよ。

大宮選手はライト級なのに、1階級上の木下選手にキムラを極めていて。大宮選手も絶対に上へ来る実力の持ち主ですから。反対に今回の試合を乗り越えたら、原口君も自信を持っていいと思います。

宮田 野村と対戦する藤村選手も最初に見た時、めちゃくちゃ良い動きをするなと思いました。野村にとっては全然楽な相手じゃなくて、むしろチャレンジマッチですよね。

岩﨑 野村君についてはストライカーのイメージを持っていたんですけど、練習を見るとテイクダウンのディフェンスが、すごく速くなっています。見ていて「あぁ、こんなに成長したんだ」と思いました。だからこそ、苦手なグラップラーである藤村選手を当てました。両者に期待を込めて。

宮田 僕も最近、考えを改めたんです。昔はウチの選手に対して、じっくり経験を積ませようと思っていました。でも最近は、それよりもどんどん強い選手と試合させるほうが良いかな、と。岩崎君とそういう話をして、原口も野村もMMAを始めて1年で対戦するレベルではない相手との試合を組んだんですよね。

岩﨑 プロモーターとしても以前なら、もっとゆるく段階を上げていったかもしれません。でも、僕も宮田君と同じことを感じていて……時代が変わってきたんです。もし試合で負けるとしたら、若いうちに敗戦を経験したほうが、選手にとって財産になると思っています。

今回もこの2試合だけではなく、若手も戦績が近く、かつ本当に強い選手をピックアップした試合ばかりです。これは対戦する両者が成長できるマッチメイクだと思います。

宮田 岩﨑君はGRACHANの代表だから、相手に対しても同じことを思っているはずだけど、この大会から対戦相手も含めて成長していくんじゃないですか。ウチの選手もそうだし、他の選手も長く続けてくれれば、数年後にはトップ戦線に行くと思いますよ。

――お話を聞いていると、かつての修斗下北大会を思い出します。その後の日本MMAを支えていく選手たちが、北沢タウンホールのクラスB戦で鎬を削っていました。

宮田 あぁ、分かります。今回の大会も同じようになりますよ。何年後かに見たら、「この選手とこの選手、こんな段階で対戦していたの?」とか思ってもらえるような。

岩﨑 絶対にMMAPLANETを読んでいるMMAファン好みのマッチメイクだと思いますので、ぜひ期待してください。

■視聴方法(予定)
3月12日(土)
午後1時00分~ GRACHAN放送局

■ 対戦カード

<ライト級/5分2R>
原口伸(日本)
大宮優(日本)

<73キロ契約/5分2R>
岸本篤史(日本)
モリシマン(日本)

<ライト級/5分2R>
野村駿太(日本)
藤村健悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
高橋謙斗(日本)
フミ・グローブTV(日本)

<フェザー級/5分2R>
黒井海成(日本)
杉本静弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
和田健太郎(日本)
誠人(日本)

<無差別級/5分2R>
ラデック(チェコ)
高桑格(日本)

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
高須将大(日本)

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【Grachan53 & Brave Fight26】グラチャン&ブレイブファイトが2月13日から3月12日に延期

【写真】第6波は──現状の自治体の対策を鑑みると、イベント毎は第5波以上に影響が出る可能性がある……なかなか真の意味で共生時代を迎えることは難しいのか (C)MMAPLANET

28日(金)、2月13日(土・同)に東京都大田区の大田区産業プラザPIOで開催予定だったGrachan53 & Brave Fight26が3月12日(土・同)に延期されることがグラチャンから発表があった。

原口伸×大宮優、野村瞬太×藤村健悟、またK-1甲子園東日本トーナメント60キロ級優勝の黒井海成のプロMMAデビュー戦と他競技からMMAに転向してきた若い選手たちの試合が組まれている同大会だが、残念ながら延期が決まった。

「東京のコロナピーク時が、2月上旬になるとの予測もあり、選手の健康安全を考えた上での判断であります」とグラチャンの岩﨑ヒロユキ代表が言うように、新型コロナ感染状況の悪化が延期理由だ。オミクロン株は重症化のリスクは減ったとはいえ、選手間の感染も爆発的に広まっており、濃厚接触者も含めイベント関係は先が読めなく──非常にリスキーな状態にある。2月、3月、数々のMMAイベントの開催が既に発表されているJ-MMA界だが、発表通りのイベントを完遂させるには非常に困難な状況下であることは確かだ。他イベントの開催状況に変化があれば随時お伝えしていきたい。


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【Grachan53&Brave Fight26】J-MMA界の梁山泊から原口伸&野村瞬太揃い踏み。小野島の対戦要求に対して

【写真】 オリジナルの競技をどのように進化させ、MMAを創っていくのか──非常に楽しみな原口と野村(C)Zuffa /UFC

17日(月)、2月13日(土・同)に東京都大田区の大田区産業プラザPIOでGrachan53 とBrave Fight26の開催及び対戦カードの発表があった。

昨年6月以来のホームで開催は恒例のBrave Fightとの共催となり、全12試合の後半6試合にBrave勢が出場する。


メインイベントでは2019年フリースタイル70キロ級全日本王者の原口伸が出場。MMA3戦目でALIVE所属で柔術ベース──松場貴志と竹本啓哉臭のする大宮優と対戦する。

セミでは岸本篤史がモリシマン。セミ前に全日本空手道選手権5位の野村瞬太もプロMMA3戦目で──藤村健悟と戦うというマッチアップも見られる。伝統派空手の距離とタイミングにレスリングを融合させるスタイルの野村が、回転体MMAの申し子を相手にどのような戦いを見せるか、興味深い。

さらに高橋謙斗はフミ・グローブTVと、また硬式空手出身で2019年K-1甲子園東日本トーナメント60キロ級優勝の黒井海成が杉本静弥とプロMMA初陣を戦うことも決まった。

9月にBreakingDown、11月にBrave FightのアマMMAで試し切りを終えている黒井のプロデビュー戦、今やJ-MMA界の梁山泊と化しているBraveジムの勢いを示すことができるか──注目だ。

また昨日のプロ修斗公式戦で環太平洋バンタム級王座に就いた小野島恒太が現グラチャン・バンタム級王者の手塚基伸への対戦を表明したことに関して、グラチャンの岩﨑代表に尋ねると以下のような反応だった。

岩﨑ヒロユキ
「小野島選手は漢気のある選手ですね。ただ手塚君からすると、一度勝っている選手なのでモチベーションが上がるのかというのはあります。修斗さんやONEの選手に関して本人は以前『佐藤将光選手と戦いたい』と言ってはいました。タイミング……小野島選手と手塚君が戦うルートがあれば、多分受けると思います。RIZINなど複数と交渉中ですので、やはりタイミングですね。私もサステインの坂本代表を先輩として慕っているので、不可能ではないと思います」

なお今回のリリースではグラチャン・フライ級王者の松場貴志のGRANDフライ級王座の返上も伝えられている。

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