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【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:4月:パッチー・ミックス✖堀口恭司「北米ユニファイドの勝ち方」

【写真】米国MMAチームは緻密だった (C)BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年4月の一番。23日に行われたBELLATOR279より、パッチー・ミックス✖堀口恭司戦について語らおう。


──柏木さんが選んだ4月の一番は?

「Bellatorバンタム級ワールドGP準々決勝のパッチー・ミックス✖堀口恭司選手の一戦ですね」

──日本のファンにとってショッキングな堀口選手の連敗となってしまいました。

「競技者でない人間の視点として、対局が変わる場面に目が行きます。この試合は流れが決まったのが、とても分かりやすい試合でした。ミックスは北米MMA──ユニファイドMMAの勝ち方、ラウンドマストシステムの勝ち方を忠実に実行した戦い方でした。そういう意味でも1Rが肝ですよね。あの展開を創ることができたことで、5Rの流れを創ることができたと思います。

1Rでバックを取ったことで、『これをやっていけば良い』という保険を手にすることができた。そこが大きかったと思います。とはいえ、あの1Rの動きに出る勇気は凄いです」

──堀口選手から、最初のアクションでバックを取り切る。凄まじいですね。

「本当に良く取り切ったと思います。技術力は当然として、精神力。セコンドからは『お前は失うモノがないから、行くしかない』という言葉があり、ミックスもそういうメンタリティで試合に臨んでいました。あの堀口恭司を相手に、アレをやってそこから先の4Rの攻め方が確立できました。

堀口選手からすると、してやられたということですね。ミックスはアルチュレタと戦ったときに、アレをやって極め切れずに体力を消耗して負けた。あの試合の敗北で、ミックスの評価は著しく下がったにもかかわらず、今回も同じことをしたんです」

──ハイ。確かにアルチュレタ戦の敗北は、期待が高過ぎたのかという風に思いました。

「そうなんです。その程度かというガッカリ感がありましたよねがありましたよね。あの負けを見事にアジャストして、今回のミックスは敗戦から学んだことをフルに生かしました。フィジカル、サイズの差が味方するので、それが優位に働いたというのはあります。

とにかく1Rですね。堀口陣営も警戒をしていたいし、RNCを極めさせなかった。でも、ミックスは極め切れないことより、バックグラブに入れる自信を得たように感じました」

──そこが勝負の大局を決めたと。

「ハイ。キーは1Rと5Rでした」

──5Rというのは?

「ジャッジのスコアは3人ともあの時点で37-37で。結果、2度に渡りバックを制して3-0の判定勝ちを勝ち取りました」

──正直、自分は48-47でなく、49-46。初回が10-8なら49-45もあるかと思っていました。

「僕も49-46、堀口選手が明確にとったのは2Rだけという風に見ていました。そんなに競っていなくて、堀口選手はフィニッシュしないと勝ち目はないと思っていました。ただし、そういう風に楽観的な考えで5Rを戦っていたら、ミックスは負けもあったことになります。

そんな結果的にキーとなった5Rで、初回と同じ戦いをした。1Rで得た自信をもとに、気を抜かずバックを制した。本当にパッチー陣営の勝利ですね。この緻密にやり切る米国のMMAチームから学ぶことは多いと思います。

逆に今の日本人選手達を見ていると、ある程度までちゃんとやっているけど、途中から大雑把になる傾向が感じられるので」

──私の性格もそうです。石橋を叩いて渡る──のではなく、石橋を叩き切らず最後はジャンプインして、落下するという……。

「あぁ、分かります(笑)。石橋を5回、6回と叩くのに最後の方に叩かずにダッシュする。凄く分かります。僕もそうかもしれないです(笑)。それこそ組み立て方、スポーツに対する見方が違う。ファイターかアスリートなのかという差が、ちょっと影響しているかなと。そこが1Rと5Rに表れたかと思います。

対して3R戦でキーの攻防を創って、勝ち切ったのがマッケンジー・ダーンでした」

<この項、続く>

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MMA MMAPLANET o UFC UFC273 キック ティーシャ・トーレス マッケンジー・ダーン

【UFC273】攻める姿勢を貫いたマッケンジー・ダーンが、トーレスからスプリット判定勝ち

<女子ストロー級/5分3R>
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ティーシャ・トーレス(米国)

左ジャブから勢いよく右オーバーハンドを振るうマッケンジー。かわしたトーレスは、左もかわして右を当てていく。ダブルレッグ、さらにクリンチを狙うマッケンジーを突き放すトーレスは間合いを測り、無暗に手を出さない。マッケンジーに打たせる感のあるトーレスは、近距離の組み合いでボディロックに捕えてケージに押し込む。

組み負けているマッケンジーは、離れ際に左を被弾。それでもワンツーから前に出たマッケンジーに対し、トーレスも自分から動いて右を入れていく。関節蹴りを決めたトーレスは、組みを切ってワンツーを伸ばす。マッケンジーのジャブを当て、とにかく攻めの姿勢でトーレスに向かうも──関節蹴りの影響もあったか、ローを効かされたようにも見える。

打って下がるのではなく、打って走り抜けるようなトーレスが右をヒットさせる。マッケンジーも右を当て、ミドルからもう一度右ストレートを打ち込む。体が揺れたトーレスはサイドキックで距離を取りラウンド終了となった。

2R、マッケンジーは変わらず前に出てパンチを積極的に打っていく。トーレスは構えを変え、ローを足払いのように繰り出す。クリンチの展開でマッケンジーはジャンピングガ―ド、三角狙いからギロチン、さらにキムラに取る。ケージにもたれ右腕を右手で掴んで耐えるトーレスに対し、マッケンジーはケージを蹴って隙間を創ると、そのキムラを支点にぶら下がるように体重をかけハイガードで寝技に持ち込む。

ここからの腕十字にも腕を抜いたトーレスだが、マッケンジーは左足で顔を刈り、左足をすくってスイープを狙う。さらにオモプラッタを取れる態勢で腕を取るマッケンジーは、腕を懸命にクラッチするトーレスの足に狙いを定めてヒザ十字へ。残り1分、必死に足を組んで耐えるトーレス。マッケンジーはトーレスの腹の上に座ってトーホールドからパンチを入れる。エルボーに切り替えたマッケンジーがラウンドを取った。

最近のMMAではすっかり見られなくなった積極的な組み、サブミッションのトライを続けたマッケンジー──スタミナはもつか、3Rが始まった。左から右アッパーを狙うマッケンジーが、関節蹴りにも前に出る。トーレスは後ろ回し蹴りも、マッケンジーは右ミドルを入れてワンツーを放つ。左リードも力があり、軸も乱れないよう打撃を繰り出すマッケンジーに対し、トレースはサイドの構えで右足を伸ばす。

マッケンジーはワンツーで右を当てると、回ったトーレスに左ジャブを届かせる。ついにサイドキックをキャッチしたマッケンジーは、ケージに押し込むとケージ中央に戻って軸足に足払いを決める。上を取ったマッケンジーだが、トーレスは蹴り上げから立ち上がる。残り2分、力を使っても前に出るマッケンジーは、さすがに手数が減ってきた。

それで右を当てると、右を被弾しながらも前に出る。マッケンジーが自らのミドルで姿勢を乱し尻もちをつくが、トーレスはそれでも寝技を嫌がりスタンドで待ち受ける。ここでパンチを貰うことなくスタンドで戻れたマッケンジーは、サイドキックで前進を阻まれてもワンツーで前に出る。

トーレスは最後の10秒でにシングルレッグに出たが、マッケンジーが潰してトップ奪取──ここで時間に。両者、両手を高たかと挙げて勝利をアピールする。2Rはマッケンジーだが、初回と最終回はどう判断されるか。スプリット判定勝ちを手にしたマッケンジーは、ケージによじ登って歓びを露わにした。

「キムラはタイトで、足関節も入ったけど筋肉量が半端なかったわ。エネルギーを使い過ぎて3Rは盛り返されてしまって。次? トップ5の誰かと戦いたい」とマッケンジーは愛娘のモアちゃんを抱いて話した。


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【UFC273】トーレス戦を控えたマッケンジー・ダーン─02─「KOで勝っても、私は柔術を代表している」

【写真】フェイスオフでは、この後に笑顔で言葉をかわし握手をしたマッケンジーとトーレス(C)Zuffa/UFC

9日(土・現地時間)、フロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催れるUFC273で、ティーシャ・トーレスと戦うマッケンジー・ダーン・インタビュー後編。

柔術家がMMAに転向する際、グラスルーツショー→フィーダーショーという道順でなく、ONEのようなビッグショーと契約することが増えてきた。対してマッケンジーはフィーダーショーで経験を積みUFCとサインを果たした。

それこそ──柔術界で成し遂げたように、じっくりと腰を据えてMMAの世界でも頂点に立つことを目標する彼女の姿勢の表れだった。

<マッケンジー・ダーン・インタビューPart.01はコチラから>


──柔術の練習は続けていますか。

「柔術は試合の直前になってから始めることが多いわ。今回も父(メガトン・ディアス)とファイトの4週間前になってから練習を再開した形ね」

──トップ・グラップラーがMMA転向する際、柔術家としてのネームバリューを生かしマッケンジーのようにLegacy FCやLFAなどフィーダーショーでキャリアを積むことなくONEやBellatorなどビッグプロモーションと契約するケースが増えています。

「良いことだと思うわ。ONE Championshipがグラップラーに支払うファイトマネーは高いって聞くし。彼らがどれだけシリアスにMMAファイターとして成功を収めようとしているのかは私は分からないし、経験してみたいってことだと思うの。実際、ほとんどが柔術から離れているわけじゃないし。私は柔術を愛しているわ。そして柔術界で頂点を極めた。最高のキャリアを築き、最高の時間を過ごしたわ。

セミナーをたくさんして。試合もたくさん出た。ビッグトーナメント、スーパーファイトで戦い続けたわ。だから十分にお金を得ることもできた。私は柔術を離れ、MMAでトップを目指しているの。ベルトを巻くまで、時間をじっくりとかけてね。MMAでも柔術と同じように大きなことをやり遂げたいと思っている。

ONEのような大きな舞台でグラップラーが、良いファイトマネーを得ることは素晴らしいことよ。だって彼らはそんなに長い間、MMAを戦うつもりはないだろうし。なら条件の良いところ、グラップラーの価値を認めてくれるところで戦うべきよ。

UFCは最もタフなファイターが集まっている場所で、レベルも最高に高い。ここで戦いたいなら、戦場を変えるでしょうし。何より、皆がONEで良い活躍ができていることはグラップリング界や柔術界のためにも素晴らしいことだと思うわ」

──ただしマッケンジーはそうはしなかったということですね。

「ファンの皆は私のキャリアを追っている方が楽しいんじゃない? だって皆にMMAファイターとしての成長過程も見てもらっているのだから。ONEで戦っているグラップラーは、私のようにスタンドファイトをしていないでしょ? 彼らは即グラウンドで戦おうとしているわ。それはそれで凄いって思うけど、皆はグラップラーのスタンドでの成長だって見たいだろうし。私が鼻を骨折して戦う姿とか──それでも私が負けずに戦い続ける姿を、ね」

──ノー。マッケンジー、激しい戦いは見たくても鼻の骨を折るところなんて見たくないですよ(笑)。ケガをせずに戦って欲しいとファンも思っています。

「アハハハハ。きっと、そんなところが好きファンもいるわよ(笑)。私は母であり、妻でもある。そんな1人の女性が色々と学ぶ過程で、鼻を折ったわけだし。それも私の成長を見てもらっていると思っているわ。そして、その試合よりも次の試合で成長した姿を見てもらう。私の試合を見てくれる人のなかには、柔術を練習している人だっているはず。そんな人たちの中には少数でも『自分だって練習すれば、ああやって戦えるようになる』と思ってくれる人もいるでしょうし。私にインスパイアされる人がいる……だから私はいつだって柔術、グラップリングを代表してMMAを戦っているつもりよ。

KOで勝っても、私は柔術ガールを代表しているの。柔術を練習している誰もが、ベストの中をベストを目指して練習すれば、私のように打撃も成長できるから」

──そんなマッケンジーにこういうことをいうのは失礼かもしれないですが、パンデミック以降WNOのようなグラップリングのプロ大会が盛んになってきました。マッケンジーはああいうトップグラップリング・イベントで戦うことは考えていないですか。

「100パーセント、戦ってみたいわよ。私も柔術よりもグラップリングの試合を視ることの方が多くなっているし。グラップリングは柔術と違うプラットフォームのイベントを確立させたわよね。もちろんMMAにプライオリティをおいているけど、グラップリング大会からのオファーをいつだって待っているわ。MMAの試合がない時なら、グラップリングのスーパーファイトをぜひとも戦ってみたいって。

特にめきめきと力をつけている新しい世代のグラップラーたちと、競い合いたいと思っているの。そういう機会があれば、グラップリングに戻ってみたいわ」

──WNOにナンバーワンが戻って来る。最高ですね、そんな機会が巡ってくると。

「ありがとう。そう言ってもらえて、凄く嬉しいわ。私もその日が来るのが願っているわ」

──そんな日を夢見ながら、土曜日の試合です。マッケンジーが言ったようにタフな試合になることが予想されます。とはいえティーシャはトップどころに負け、それ以外には勝つというハッキリした結果が出ています。つまり彼女に勝たないとトップの1人して認識されません。

「この試合で勝てば、私は次のレベルへ進むことができる。女子MMAのなかでも、今いる場所とは、一段違う場所へ進める。それぐらいの感覚でいるわ。トップの戦い──私が目指してきた場所へね。凄く大切な試合だし、PPVカードになっていることも重要で。私のことを知らない人にも、試合を視てもらえる。そして、一風変わった戦い方をする女子ファイターは、チャンピオンになる可能性を持っているって思ってもらえるようになる」

──ティーシャは常にアグレッシブなので、危険な相手ではありますが、逆に組みやすい相手かもしれないです。ジャブで突き放して、テイクダウン防御に徹する相手よりも。

「その通りよ。だから、この試合が楽しみだったの。彼女は動きが多いファイターよ。攻めるために動いている。グラップラーは、そういう相手の方が戦いやすいから。それに彼女は私より背が低い、だからパンチを当てるために近づいてくることは確実で。

そこを捕獲するわ。テイクダウンの絶好の機会になるし。そうね……この試合で、私は一本勝ちするわ。未来の世界チャンピオンがここにいる──そういう試合を世界に披露しようと思っている」

──マッケンジー、今日もありがとうございました。最後に日本のMMAファン、柔術好きの人たちに一言お願いします。

「アリガト。皆の応援に感謝しているわ。最高の試合を皆のためにするわ。ファンの皆の存在が、強くなろうというモチベーションになっているの。I LOVE JAPAN、皆のために戦うわ!!」

■視聴方法(予定)
4月10日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC273計量結果

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー: 144.5ポンド(65.54キロ)
[挑戦者]ジョン・チャンソン: 144.5ポンド(65.54キロ)

<UFC世界バンタム級統一戦/5分5R>
[正規王者]アルジャメイン・ステーリング: 134.5ポンド(61.0キロ)
[暫定王者]ピョートル・ヤン: 134ポンド(60.78キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ: 170ポンド(77.11キロ)
カムザット・チマエフ: 170ポンド(77.11キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
マッケンジー・ダーン: 115.5ポンド(52.38キロ)
ティーシャ・トーレス: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ライト級/5分3R>
ビンチ・ピチェル: 155.5ポンド(70.53キロ)
マーク・マドセン: 155ポンド(70.31キロ)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー: 170.5ポンド(77.34キロ)
ダリアン・ウィークス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 252.5ポンド(114.53キロ)
マルチン・ティブラ: 253ポンド(114.75キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
アスペン・ラッド: 136ポンド(61.69キロ)
ラケル・ぺニントン: 134.5ポンド(61.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル: 170.5ポンド(77.34キロ)
マイク・マロット: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク: 244ポンド(110.67キロ)
ジャレッド・ヴァンデラ: 266ポンド(120.65キロ)

<ミドル級/5分3R>
アンソニー・ヘルナンデス: 186ポンド(84.37キロ)
ジョシュ・フレムド: 185.5ポンド(84.14キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ピエラ・ロドリゲス: 115ポンド(52.16キロ)
ケイ・ハンセン: 118.5ポンド(53.75キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジュリオ・アルセ: 136.5ポンド(61.91キロ)
ダニエル・サントス: 135ポンド(61.24キロ)

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『UFC 273: Volkanovski vs. The Korean Zombie』前日計量動画/2選手が計量ミス

UFC 273 weigh-in results: Two fighters miss weight but key bouts official(MMAJunkie)
MAIN CARD (Pay-per-view, 10 p.m. ET)

・Champ Alexander Volkanovski (144.5) vs. Chan Sung Jung (144.5) – for featherweight title
・Champ Aljamain Sterling (134.5) vs. interim champ Petr Yan (134) – for bantamweight title
・Gilbert Burns (170) vs. Khamzat Chimaev (170)
・Mackenzie Dern (115.5) vs. Tecia Torres (115.5)
・Mark Madsen (155) vs. Vinc Pichel (155.5)

PRELIMINARY CARD (ESPN/ESPN+, 8 p.m. ET)

・Ian Garry (170.5) vs. Darian Weeks (170.5)
・Jairzinho Rozenstruik (252.5) vs. Marcin Tybura (253)
・Aspen Ladd (136) vs. Raquel Pennington (134.5)
・Mickey Gall (170.5) vs. Mike Malott (170.5)

PRELIMINARY CARD (ESPN+, 6 p.m. ET)

・Aleksei Oleinik (244) vs. Jared Vanderaa (266)
・Josh Fremd (185.5) vs. Anthony Hernandez (186)
・Kay Hansen (118.5)* vs. Piera Rodriguez (115)
・Julio Arce (136.5)** vs. Daniel Santos (135.5)

 『UFC 273: Volkanovski vs. The Korean Zombie』前日計量結果。ジャルジーニョ・ホーゼンストライク vs. マルチン・ティブラはどちらもパスしていますが、既報通りその後ティブラの体調不良で中止されています。また、アーリープレリミナリーカードでピエラ・ロドリゲスと対戦するケイ・ハンセンが118.5ポンドと2.5ポンドオーバー、ダニエル・サントスと対戦するフリオ・アルセが136.5ポンドと0.5ポンドオーバー。どちらも出場給の20%を譲渡し試合は行われます。




 前日計量動画。


UFC 273 predictions: Who are our two unanimous picks in Jacksonville?(MMAJunkie)

 MMAJunkieスタッフによるメインカード勝敗予想。

・アレックス・ヴォルカノフスキー vs. ジョン・チャンソンは11人全員ヴォルカノフスキー支持。

・アルジャメイン・スターリング vs. ピョートル・ヤンはスターリング支持4人、ヤン支持7人。

・ギルバート・バーンズ vs. カムザット・チマエフはバーンズ支持4人、チマエフ支持7人。

・マッケンジー・ダーン vs. ティーシャ・トーレスはダーン支持9人、トーレス支持2人。

・ヴィンス・ピチェウ vs. マーク・マドセンは11人全員マドセン支持。続きを読む・・・
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【UFC273】新型マクレガー=イアン・ギャリー─01─「カレッジを辞めて、MMAにJUMP INした」

【写真】キレキレの打撃とは対照的に、少年のような口調で語るイアン・ギャリー=アイリッシュMMAファイターが何もマクレガー流を踏襲するだけでないことが、よ~く理解できた(C)MMAPLANET

9日(土・現地時間)、フロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナでUFC273が開催される。

UFC世界フェザー級選手権試合=王者アレックス・ヴォルカノフスキー✖挑戦者ジョン・チャンソン、UFC世界バンタム級王座統一戦=正規王者アルジャメイン・ステーリング✖暫定王者ピョートル・ヤンの2つの世界戦に加え、ジルベウト・ドゥリーニョ✖カムザット・チマエフという注目カードが組まれた今大会のプレリミマッチにヒューチャーの異名を取るイアン・ギャリーが出場、UFC2戦目=ダリアン・ウィークス戦に臨む。

1997年11月生まれの24歳は、19歳でアマMMAを始め5年で最高峰に辿り着いた。コナー・マクレガー後のアイリッシュMMA、いや世界のMMAをリードする可能性すらあるMMAの未来=イアン・ギャリーに初インタビュー。コナー・マクレガー、そのやり口をコピッたBellatorのジェイム・ギャラガー、アイルランドMMA界の新鋭は──マクレガーへの憧れでいっぱいという内面のなかで、その真逆の感性を持っていた。


――パンデミック以前は欧州のMMA大会は、日本では深夜2時や3時のスタートで終了時がUFCのスタートと重なるためにストリーミングがあっても、ほとんど見過ごしていました。それがコロナ禍で世界各国のMMAが活動休止になり、決して多くないプロモーションが無観客で活動を再開。その頃からCage Warriorsも可能な限り視聴するようにしていたのですが、そこで見た──飛び切り活きの良い選手がイアンでした。すると7戦目でウェルター級王者になり、8戦目でUFCデビューと瞬く間に世界の最高峰に到達しました。

「おお、日本ではそんな真夜中にCage Warriorsは中継されているんだね。いやぁ、それなのに僕の試合を視てくれていたなて嬉しいよ。本当にありがとう」

──いえ、フィーダーショーから可能性のある若い選手が出てくるのを見るのが、楽しくてしょうがないんですよ。ところでアイルランドは今やMMAのパワーハウスの一つですが、イアンがMMAを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「MMAに興味を持ったのは、コナー(マクレガー)の影響だよ。彼の活躍と成功をずっと追っていて、試合も夢中になって視ていた。そして『僕もMMAをやりたい』って思うようになったんだ。その時はカレッジの学生だったけど、学校を辞めてMMAファイターになることを決めたんだ。このスポーツに身を置きたいと思ってね。

コナーを見ていたら、自分がカレッジでやっていることってなんなんだろう?って感じるようになった。そうしたら、『こんなことやっていられない。これ以上、ここに居たくない』って居ても立ってもいられなくなったんだ。そしてジムにジャンプインした(笑)。

テレビで視ていた本当に美しい戦いを習うことができるようになって。僕はコナーと同じ道を歩み始めたんだって──最高の気持ちになったよ。練習は凄く楽しかったよ」

──大学を辞めた? 

「そうだよ。自分で決めた。父にも母にも相談せずに学校を辞めたんだ」

──OMG!! 

「ジムに通うようになってから4~5年でUFCとサインできた。UFCデビュー戦はMSGだった。そして2戦目のPPV大会に出場できている。楽しい人生だよ」

──それまでに格闘技の経験はあったのですか。

「柔道だよ!!」

──えっ、いやあれだけシャープな打撃の持ち主なのにベースは柔道なのですか。

「ボクシングはやっていたよ。10歳から14、15歳までボクシングをしていて──父親に連れられて始めたんだけど、なんで人を殴って自分も殴られるようなことをやっているのか、どういう意味があるだって考えるようになっていたんだ。顔を腫らして、さ。そんなときに柔道と出会った。見た感じでも、柔道はイカしていたよ」

──柔道がクールだったのですか。

「そうだよ。学校が終わって宿題を家でやっているより、ずっとクールだったよ。すぐに週に3回か4回は柔道場に通うようになった。柔道を習っていたことでマーシャルアーツに欠かせない規律、尊敬心を学ぶことができたんだ。それはMMAを始めてからも生きているよ。アイリッシュ・クラブというアイルランドで一番の柔道クラブで練習できていて……18歳で黒帯になったんだ。練習するメンバーのなかでも、トップの連中は日本に行って練習していたよ。

僕も彼らと一緒に日本で稽古したいと思っていたけど、それは実現しなかった。僕にはそれに見合った力がなかったからね。日本まで行って練習していた友人たちは五輪を目指すようなレベルだったんだ。それに僕にとって柔道はどれだけ懸命にやっても、返って来るものは少なかった。国際大会で戦ったことはないし、せいぜいイングランドまで遠征して試合に出ていたぐらいかな。それでも柔道の試合に出ることが大好きだった。それは今、MMAをやっていて最高の気分でいるのと同じことで。

ただし、僕が柔道の試合に出ている期間はそれほど長くなかった。黒帯になってから、翌年にはアマチュアのMMAにデビューしたからね。でも、僕にとってオリンピックに出て活躍する柔道家は本当の天才なんだよ。そんな柔道をやっていたことで、学べた心境というのは何物にも代えがたいモノなんだ。

今はMMAに専念しているけど、いずれMMAで第一線から退く時が来る。その時はまた柔道の練習をして、日本で試合をしたいと思っている。それに柔術だって続けたいし、日本で柔道や柔術の試合に出ることだってあるかもしれないよ」

──ぜひ講道館を案内します。

「おお、サンキュー。ホント、そういう日が来るのも楽しみだよ。講道館で稽古がデキれば最高の経験になるね(笑)。今、MMAをやっていて柔道で学んだ技術云々よりも、柔道で身に着けることができた人間の内面性が凄く役立っていると思う」

──とはいえ規律、尊敬心といってもコナー・マクレガーがケージ内外で見せていたことは、全く真逆のことだと思うのですが……。

「ホント、その通りだ(笑)」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
3月10日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC273対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者]ジョン・チャンソン(韓国)

<UFC世界バンタム級統一戦/5分5R>
[正規王者]アルジャメイン・ステーリング(米国)
[暫定王者]ピョートル・ヤン(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル)
カムザット・チマエフ(スウェーデン)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ホランド(米国)
アレックス・オリヴェイラ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
ティーシャ・トーレス(米国)

<ライト級/5分3R>
ビンチ・ピチェル(米国)
マーク・マドセン(デンマーク)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー(アイルランド)
ダリアン・ウィークス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)
マルチン・ティブラ(ポーランド)

<女子バンタム級/5分3R>
アスペン・ラッド(米国)
ラケル・ぺティントン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
マイク・マロット(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
ジャレッド・ヴァンデラ(米国)

<ミドル級/5分3R>
アンソニー・ヘルナンデス(米国)
ジョシュ・フレムド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ピエラ・ロドリゲス(ベネズエラ)
ケイ・ハンセン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジュリオ・アルセ(米国)
ダニエル・サントス(ブラジル)

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【UFC273】ティーシャ・トーレス戦を控えたマッケンジー・ダーン─01─「MMAではまだ紫帯」

【写真】MMAデビュー直後、IBJJFアジアンオープンで来日した時から彼女が身を置く環境は大幅に変わった。それでも笑顔とインタビューに真摯に向かい合ってくれる姿勢は一切変わりない。多謝(C)MMAPLANET

9日(土・現地時間)、フロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナでUFC273が開催される。

2020年5月、パンデミックで活動休止を余儀なくされたUFCに真っ先にイベント開催を認可したフロリダ州ジャクソンビル。ダナ・ホワイトは当時に語ったように、2021年に続き今年もこの地でPPVイベントを行う。

UFC世界フェザー級選手権試合=王者アレックス・ヴォルカノフスキー✖挑戦者ジョン・チャンソン、UFC世界バンタム級王座統一戦=正規王者アルジャメイン・ステーリング✖暫定王者ピョートル・ヤンの2つの世界戦に加え、ジルベウト・ドゥリーニョ✖カムザット・チマエフという注目のウェルター級戦もマッチアップされている。

そんな注目されるイベントのPPVカードで、ティーシャ・トーレスとマッケンジー・ダーンが戦う。昨年10月のマリーナ・ホドリゲス戦で初のメインを任され、ファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得も判定負けを喫した。それでもなおPPVカードに登用されるほどUFC首脳からの評価されるマッケンジー、元柔術の女王にトーレス戦を前にして、改めて彼女にとってMMAとは何かを尋ねた。


――土曜日のティーシャ・トーレス戦に向け、ジャクソンビル入りを果たしたばかりのマッケンジーです。こんなタイミングで(※取材は4月4日(月・現地時間)に行われた)インタビューを受けてくれてありがとうございます。まず今のフィーリングを教えてください。

「凄くワクワクしているわ。前回の試合では初めてUFCでメインイベントを戦い、負けてしまったけどファイト・オブ・ザ・ナイトのボーナスを獲得でき、25分間とても良い勉強になったの。あの試合を経験し、今回の試合まで凄くMMAファイターとして成熟したと思う。過去最高の状態で、準備はできているわ。

ティーシャは経験豊かで、この階級の多くの選手たちと戦ってきている選手だから絶対にタフな試合になるでしょうね。それだけ彼女は色々なタイプの選手達と戦ってきているんだろうけど、私のような柔術を使える相手と戦った経験はないはずよ。ただ戦いやすい相手かといえばそうじゃないし、簡単な試合にはならない。でもこの試合で勝って、またウィンニングトラックに戻りたいと思っている」

──タイトルショットに向け、非常に大切な試合で敗れてなお『勉強になった』と言い切れるのが素晴らしいです。

「マリーナ・ホドリゲスと戦う前から、彼女に勝てばタイトル挑戦だという風な声は多く聞いたわ。でも、私自身はまだ早いと思っていたの」

──えっ、そうなのですか!!

「そうよ。まだ、タイトルに挑戦にして勝つ力はないわ。だから急いでもいないし。私はベルトに挑戦したら、勝ってそのまま王座に居座りたいの。挑戦して負けたり、勝ってもすぐにベルトを失うような状況には陥りたくないのよ。

そしてマリーナのようにフットワークが巧いと、近づいて捕まえることが難しいことを学習できたわ。凄くフラストレーションが溜まって、試合中も考え過ぎてしまった。彼女を捕まえることができなくて、どうすれば寝技に持ち込むことができるのか、頭で色々と考え続けていて。そうね、考え過ぎたのよ。あれじゃダメね。無心になって、自分がやってきたこと、日々の練習を信じれば良かったのに。

もうデビューしたてのグリーンじゃないし、今は中堅の位置にいるわ。まだまだ先は長いけどね。でも、今の私はこれまでに自分が何をしてきたのかを信じることができている。一つ一つの練習をこなすことで、さらに強くなっているし、マッケンジーは日々成長していると自分を信じることができているわ。まだMMAでは黒帯じゃないけど、紫帯ぐらいにはなっているはず」

──UFCのヘッドライナーになってなお、紫帯ですか(笑)。

「だってまだ『私はちゃんと戦えている?』、『このパンチの打ち方で大丈夫?』って思いながら戦っていて……全てを完璧に戦いたいんだけど、全然ファイトは完璧じゃないから。完璧な試合なんてできないことも分かっているからこそ、もっと自分を信じて、自分の感覚、判断を信じられるようになりたいの。ハードな練習をしていれば技術は身についてくるモノだから」

──それにしても5Rと3Rでは明白に戦いが違って来たと思います。5Rの試合はとにかくセーブ・エナジー。特に組みの部分で、そういう試合が増えました。組んで、倒して、抑えて、極める。この流れは攻めている人間が相当に疲弊し、多くのストライカーはテイクダウンとグラウンドは防御に徹します。対して、ホドリゲス戦の2Rのマッケンジーはまさに自らが疲弊する可能性のある戦いをしていました。正直、まだ3R残っているのに……と思って視ていました。

「そこなのよね。私はそれで大丈夫だと思って、寝技で色々な仕掛けを続けたわ。でもラウンドが終了すると、また試合は立ち技でリスタートされるわけで。正直、『あぁ、私は自分の全てをつぎ込んで戦っているのに……』ってなったわ。そうね……ストライカーはグラウンドで攻めてくることはない。私が下になっていても、そうよ。ただ固めてくるだけで。だって、そうやっていればスタンドで試合は再開されるんだから。

でも私は柔術を信じている。20秒あれば、仕留めることができるから。それなのにあの時はパウンドを打たなきゃ、打撃でダメージを与えるんだって考え過ぎていたの。それはサブミッションも同じで、腕十字に行かなきゃとか思って戦っていて。今からすると、ただ戦えば良かったと思っているわ。自分の柔術、トレーニングを信じて、頭で考えることなく体が動くにように任せて戦えば良かったのに──ってね。

だって私が100パーセントの力を見せることができれば、サブミッションで仕留めることができるんだから。だから、あんな風に考え過ぎる必要はなかった。それでも5分✖5R、25分間の試合をストライカーと戦うことを想定したトレーニングは私を強くしてくれたわ。確かに2Rを終えた時に『まだ3R残っている』って思ったの……。でも、そこは思考を変えないとね。もっとフィニッシュするプレッシャーを掛けていくべきだと今では考えているわ。

今は皆が戦略重視で戦っていて。私はそういうことを考えずに戦ってきた。試合を終わらせる。KOする。極める。ジャッジの判断で勝とういう考えはなかったの。でも、私にも戦略が必要になってきたかなって。ポイントアウトすることも、ね。そのためにも極めのプレッシャーが要るなって思っているの」

──それもMMAファイターとしてマッケンジーの進化だと思います。何より、体格が変わりましたね。

「妊娠する前、MMAのキャリアの序盤では計量失敗を何度か経験して……本当に苦しかった。でも、それって私のMMAへの取り組み方が十分じゃなかったからで。全てが経験だって思いつつも、自分のなかでチャンピオンになるんだっていう強い意志が欠けていたの。妊娠と出身を経験し、凄く体重が減ったわ。あのときから、私はチャンピオンになるだって強い気持ちでMMAに向き合うようになったの。

そのためにはあらゆる局面を想定して、全てにおいてハードトレーニングが必要で。考え方、肉体、技術、全てをプロフェッショナルとして見直したわ。今はアンデウソン・シウバについていたホジェリオ・カモエスが私のフィジカル・トレーナーで、試合の2カ月前からトレーニングをするようになって。

私はスイーツが好きだし(笑)、チョコレートも大好き。でも今は普段から体重の管理をするように心掛け自制しているの。それがMMAファイターとして、良いパフォーマンスを見せられる大きな要因になっているから。

良い試合をファンに見てもらいたいし、勝ちたい。ボーナスだって欲しい。PPVカードで戦いたい。それを願うなら、それだけの取り組みを自分に強いることが必要でしょ。そこまでやろうって決めたら、全てのことがさほど大変だと感じなくなって。凄く充実しているし、毎日のトレーニングを楽しめているわ。フィジカルトレーニングによって、体が仕上がって来るとケガがなくなり、他の練習も思い通りに取り組めるようになったから」

──今はどのジムでMMAの練習を行っているのですか。

「コスタメサのRVCAアカデミーよ。チート・ヴェラ、マイケル・ビスピン、BJ・ペン、ルーク・ロックフォードたちが一緒よ」

──男子選手ばかりで、引退した……そして体格の大きなファイターじゃないですか。

「フフフ。もちろん、体格のあった選手、女子選手とも練習しているわよ。でも、時々ハワイからフラッとジムにやって来るBJが強いの(笑)。体はそんなに大きくないけど、今でも強くて……特に頭が固いわ。私のパンチをいつもおでこで受けるから、私の拳が痛くなっちゃうの(笑)」

<この項、続く>

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LFA MMA UFC UFN196   イケ・ビジャヌエバ ギガ・チカゼ グレゴリー・ホドリゲス ジェイ・ハーバート ズヴァイアド・ラジシュビリ タバタ・ヒッチ チェ・スンウ パウロ・コスタ パク・ジュンヨン マッケンジー・ダーン マノン・フィオフォ マラブ・デヴァリシビリ マーヴィン・ヴェットーリ

【UFN196】計量終了 路上で見いだされ、修士号2つのLFA王者。ジョージアの傑物、ラジシュビリに要注目

【写真】別にMMAで強くなくても良いだろう……こんな多才なファイターがいるのか……ラジシュビリ(C)Zuffa/UFC

22日(金・現地時間)、23日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN196:UFN on ESPN+54「Costa vs Vettori」の計量が行われた。

メインのマーヴィン・ヴェットーリ✖パウロ・コスタは当初はミドル級で組まれていたが、コスタが体重が落ちないということでキャッチウェイト、さらにライトヘビー級に変更され実施されることとなった。


そんなコスタの我がままが通った今大会、韓国から3連勝中のチェ・スンウがアレックス・カサレス、パク・ジュンヨンがグレゴリー・ホドリゲスと戦うメイン&プレリミカードは、まず外せない。

この他、2度目のUFCで初勝利を目指すタバタ・ヒッチにも注目だ。

ストロー級のヒッチは6月のマノン・フィオフォ戦をショートノーティスで受け、フライ級でも大きな相手に打撃で圧倒されて完敗──。ストロー級で戦う今回のマリア・オリヴェイラ戦がある意味、本当の意味でのUFCキャリアのスタートとなる。

日本のSEI☆ZAで活躍し、滞在中には小見川道大から講道館黒帯を巻かれたヒッチの持ち味は、なんといっても組みにある。紫帯でノーギワールズを制し、マッケンジー・ダーンの練習相手として力をつけたヒッチにとって今後のキャリアを左右する大一番だ。

そのヒッチはスクランブル発進でUFCと契約したため、LFAではタイトル戦に絡んでいないが、プレリミ第1試合に出場するズヴァイアド・ラジシュビリはLFAバンタム級王者として、オクタゴンに初参戦となる。

ギガ・チカゼ、マラブ・デヴァリシビリと小さな旋風をUFCで巻き起こすジョージア人ファイターのラジシュビリは、19歳の時にストリートファイトの強さを名将コバ・ケシュラシビリに見いだされ、大学に通いならMMAのトレーニングを始めたという変わり種だ。

2011年にプロMMAにデビューし、4年間で10連勝を達成──現地のコンバットリーグ・ワールドチャンピオンシップではフェザー級王座に就き、同団体のライト級のグラップリングチャンピオンにも輝いている。

母国の大学で経営管理学で学士となったラジシュビリは、米国の大学へのスカラシップを得て渡米、修士号を習得している。ジョージア時代からその知識を生かしたビジネスを展開し、ロシアでは会社経営をしていたという才覚もある。

米国でMMAへの想いを抑えれず、LFAで復帰すると2戦目でリッキー・スティールを破りバンタム級王座を獲得した一方で、UFCで戦うチャンスを得た現状でもデータ解析の修士号を習得中でジョージア時代に職歴のある市場調査会社を持つという目標を持っている。

ストリートファイトの強さを見初められ、ジョージアのMMA王者から北米MMAの登竜門であるLFAでもベルト奪取、その上で2つの修士号を得て米国をビジネス拠点にするというプランを持つ──文武両道どころか商才まであるラジシュビリ──傑物と称しても過言でないだろう。

今後、ラジシュビリはMMA一本で人生を賭けているファイターの夢を潰していくことになるのか。要・要・要注目のUFCデビュー戦だ。

■視聴方法(予定)
10月24日(日・日本時間)
午前2時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN196計量結果

<ライトヘビー級/5分5R>
マーヴィン・ヴェットーリ: 204ポンド(92.53キロ)
パウロ・コスタ: 204.5ポンド(92.76キロ)

<ライト級/5分3R>
グラント・ドーソン: 156ポンド(70.76キロ)
リック・グレン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ホセリン・エドワルツ: 134.5ポンド(61.0キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス: 146ポンド(66.22キロ)
チェ・スンウ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドワイト・グラント: 170ポンド(77.11キロ)
フランシスコ・トリナルド: 169.5ポンド(76.88キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ニック・ネグメレアフヌ: 204.5ポンド(92.76キロ)
イケ・ビジャヌエバ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)
グレゴリー・ホドリゲス: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
メイソン・ジョーンズ: 156ポンド(70.76キロ)
デヴィッド・オナマ: 153.5ポンド(69.62キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
タバタ・ヒッチ: 115ポンド(52.16キロ)
マリア・オリヴェイラ: 115ポンド(52.16キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロウレアノ・スタルポリ: 184.5ポンド(83.68キロ)
ジェイミー・ピケット: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
カーマ・ワーシー: 155ポンド(70.31キロ)
ジェイ・ハーバート: 155ポンド(70.31キロ)

<フライ級/5分3R>
ジェフ・モリーナ: 125ポンド(56.7キロ)
ダニエル・ラセルダ: 125ポンド(56.7キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヘナタ・リヴィアナ・ソウザ: 115ポンド(52.16キロ)
ランダ・マルコス: 115ポンド(52.16キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス: 135ポンド(61.24キロ)
ズヴァイアド・ラジシュビリ: 135ポンド(61.24キロ)

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Column ONE UFC   マッケンジー・ダーン

マッケンジー・ダーン「マリーナ・ロドリゲス戦で学んだことは多いしここから修正していく」


 『UFC Fight Night 194: Dern vs. Rodriguez』でマリーナ・ロドリゲスに判定負けしたマッケンジー・ダーンがインスタグラムで以下のコメント。

「皆さん、たくさんの応援をありがとう! 練習通りの結果は出なかったけど、この試合は私にとって最大の学びの場になったわ! 今、私はより良いファイターになるために多くのことを振り返り修正している。サブミッションが極まったら最高だったけど、ああいうラウンドがあることはとても幸せなことね。マリーナの勝利を祝福するわ。そしてファイト・オブ・ザ・ナイトを贈呈してくれたデイナ・ホワイトにも感謝している。家族、チーム、友人、そしてこれからも応援してくれる皆さんにも感謝している。レッツゴー!」
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MMA UFC   マッケンジー・ダーン

マリーナ・ロドリゲス「次はタイトルに繋がる相手と戦いたい」「ヨアンナ・イェンジェチックはランキングに入るべきじゃない」

Marina Rodriguez says Joanna Jedrzejczyk shouldn't be ranked: 'She doesn't fight anymore'(MMAJunkie)

 『UFC Fight Night 194: Dern vs. Rodriguez』でマッケンジー・ダーンに判定勝ちしたマリーナ・ロドリゲスが以下のコメント。

「マジな話、ヨアンナ・イェンジェチックは私と戦いたくないから、私も戦いたくはない。そもそも彼女はランキングに入るべきじゃない。彼女は全然試合をしてないし(2020年3月の『UFC 248: Adesanya vs. Romero』でジャン・ウェイリに判定負け以来試合をしていない)年に3回ペースで戦っている人たちをランクインさせる必要があると思う」

「次はチャイニーズファイター(ヤン・シャオナン)でも誰でもいいわ。私の前にいて即ベルトに繋がる相手の方がいいけど」

「タイトルマッチのチャンスを否定する気はないけど、ジャン・ウェイリじゃなくてカーラ・エスパーザが挑戦すべきだったと思う。だけど(『UFC 268』で)ローズ・ナマユナスとの再戦が決まってるし、UFCが再戦のチャンスをくれたら私だって受けている。私はカーラがベルトを獲ったら彼女と再戦したいと思ってたけど、長くは待てない。待ちきれないわ」
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MMA UFN194 キック マッケンジー・ダーン マリナ・ホドリゲス

【UFN194】2Rと4Rの終盤以外は寝技に持ち込ませず。ホドリゲスがマッケンジー・ダーンに判定勝ち

<女子ストロー級/5分5R>
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)
Def.3-0:49-46.49-46.49-46
マッケンジー・ダーン(ブラジル)

長身、リーチで優るホドリゲスに対し、マッケンジーは右の蹴りを繰り出す。ホドリゲスはしっかりと間合いを取り、その蹴りをかわして前蹴りを見せる。右オーバーハンドから一気に距離を詰めて組みに行ったマッケンジーだが、ここはホドリゲスが離れて組ませない。自らの攻撃もローが届く距離を維持するホドリゲスだったが、マッケンジーが思い切り右を振るって顔面に入れ組んでいく。

右腕をネルソン気味に極め、テイクダウンを許さなかったホドリゲスは体を一度入れ替え、押し込まれ返しても離れることに成功する。パンチに距離を取るマッケンジーにミドルを入れ、鋭い左ジャブを当てたホドリゲス。マッケンジーも荒くも勢いのあるパンチを振るうが、ボディに強烈な勢いでヒザを突き刺し初回を終えた。

2R、ワンツーを振るってクリンチに持ち込んだマッケンジー。回って離れたホドリゲスに、右オーバーハンドを2発入れて組みつく。右腕を差して、腰技を狙ったマッケンジーは潰されても、足をすくってスイープ、即ニーインベリーで抑え上四方へ。サイドから再びニーインベリー、枕で抑えるマッケンジーに対し、ホドリゲスはサイドで抑えられた状態でRNCクラッチのギロチンへ。

これを振りほどき、スクランブルで腹固めに出たマッケンジーがパンチを入れる。右腕を足で極めに行ったマッケンジーに対し、ホドリゲスが前転しバックに移行して両足をフックし背中を伸ばせる。結果、マウントを取ったマッケンジーがパンチを纏める。ケージキックで逃れようとしたホドリゲスに対し、マッケンジーはマウントをキープして腕狙いへ。ホドリゲスは何とか時間まで防ぎ切った。

3R、右オーバーハンドを振るって前に出るホドリゲス。大きな振りのパンチは組みつかれる隙を与えるが、マッケンジーは打撃で対抗する。ホドリゲスは右ハイを繰り出し、左右のボディフックからワンツー。スピニングバックフィストを空振りしたマッケンジーのパンチは相当に荒い。そこにホドリゲスがワンツーを入れ、マッケンジーが頭を下げる場面も。

寝技の攻防で両者が削られた感があり、動きは少ない。そのなかでもホドリゲスが蹴りを交えて前に出て攻勢に。マッケンジーは前に出てフックも、回ってかわしたホドリゲスがボディを抉る。ジャブから右、ワンツーフックと手数で優るホドリゲスが前蹴りを入れる。残り30秒で組んだマッケンジーは、首相撲にもシングルに出てレッグリフト。ホドリゲスがエルボーを連打し、この回を取った。

4R、右ストレート&前蹴りを繰り出すホドリゲス。蹴りが股間に入り、マッケンジーがインターバルを要求する。再開後、右を振るったホドリゲスはスラッピーなマッケンジーの打撃とその後のテイクダウン狙いを見据えたファイトを展開する。左に回り、前に出てきたマッケンジーの腹にヒザを突き刺したホドリゲスがダブルレッグ狙いを切る。

打つ手がなくなってきたマッケンジーは右フックを被弾し、ワンツーに下がる。ここで距離をキープし、テイクダウンの機会を与えない堅実なファイトを展開したホドリゲスがボディを攻める。ワンツーで突っ込みすぎ背中を見せたマッケンジーにハイを狙ったホドリゲスは、ワンツー&首相撲からヒザ蹴り、さらに前蹴りが顔面を捕える。続くヒザ蹴りに右腕を頭に巻き付けるように、マッケンジーがいわゆるラリアットからのニータップを狙う。

ホドリゲスは左腕を差して、前傾姿勢のマッケンジーを前方に崩すが、下となった同時に
マッケンジーがブリッジ&スイープへ。そのままマウントを取ったマッケンジーは、左右のパンチをハイマウントからオモプラッタに入ったところで時間となった。一瞬の隙で攻勢に出る柔術を持つマッケンジーが、父メガトンが待つコーナーに戻った。

最終回、右オーバーハンドから組みに行くマッケンジー。回ってかわすホドリゲスが前蹴りから右オーバーハンドを放つ。左右のフック、そして前蹴りからサークリング、距離を取るホドリゲスが左フックをヒットさせる。組めないマッケンジーは、ここでもラリアット式のニータップへ。ホドリゲスは姿勢を乱すも、マッケンジーは足が前に出ず押し込みが足らずテイクダウンは奪えず。

ここは無理をするする場面だが、ホドリゲスが左フックに続き右オーバーハンドを当てる。最後の1分を蹴り、ダブルレッグからケージにホドリゲスを押し込んだマッケンジーだが、小内に反応されると、離れたところでヒザを被弾しタイムアップとなった。

結果、2R以外を取ったホドリゲスが3-0の判定勝ちし、「戦い始めた時から5R戦、世界戦を戦えるようにして来た。そのようにコーチが準備をしてくれた。まだ何人か前にいるけど、欠員が出たら私はタイトルマッチを戦える」と勝者は話した。


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