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【UFC280】セレモニアル計量終了 プレリミ出場ダゲスタン系英国人モカエフもメイン級の声援集める

【写真】将来的に平良との対戦が実現することも十分にありうるモカエフ――凄まじい僧帽筋だ(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUFC 280「Oliveira vs Makhachev」のセレモニアル計量が21日(金・同)に同所で行われた。

昨日の会見以上にファンが集まったセレモニアル計量は、輪をかけてアラブ&ダゲスタンのイスラム連合の声援が大きくなっていた。


なかでもプレリミ2試合目のフライ級マッチでマルコム・ゴードンと戦うムハマド・モカエフ:への声援はPPVカード出場選手に見劣りしないものだった。

ダゲスタンで生まれ、幼少期を過ごしたモカエフは家族ともに英国に移住。英国籍も取得しているが、コーカサスの戦闘民族の血は確実に流れており、イギリスで始めたレスリングですぐに頭角を表し、パリ五輪候補ともいわれている。

IMMAFにユース時代から出場し、2度世界王者に輝くとアマMMA22連勝でバーレーンのKHKジム所属ファイターとなり、BRAVE CFでプロデビューを飾った。5連勝で今年の3月にUFCデビューを飾り、2戦目にはLFAフライ級王者だったチャールス・・ジョンソンを破っている。

そのモカエフ、大声援にすっかり気を良くしたのか、フェイスオフではゴードンに拳をつきつけ、ダナ・ホワイトが急ぎ割って入る場面も。

平良達郎のライバルになることは間違いないモカエフ、まだ喧嘩的な強さをオクタゴンの中で見せていたが、ゴードンを相手にしても淡々、堅実な試合展開に持ち込むことができるか――注目だ。

コメインのUFC世界バンタム級選手権試合は王者アルジャメイン・ステーリング、挑戦者TJ・ディラショーの両者にブーイングが送られるという珍しい状況に。

フェイスオフで激しく言葉を交わした両者、まずディラショーが「俺はケージの中で勝負にしにきた。あのマ〇ーフ〇ッカーを眠らせるよ」と話すと、さらに大きなブーイングを浴びたステーリングは「アブダビ、皆、来てくれてありがとう。凄いカードが揃ったグレートなショーだ。明日は〇ザー〇ァッカーを倒す」とコメントした。

メインのUFC世界ライト級王座決定戦に出場するイスラム・マカチェフを大チャントで迎えた会場のファン。そのマカチェフとシャーウス・オリヴェイラはフェイスオフでは鼻が触れるまで超接近していた。

まずマイクを握ったマカチェフは「アブダビ、思い切り応援してほしい。インシャラーラー(アラーの意思があれば)」と短いマイクに、対してオリヴェイラは「ライト級のライオンは、まだ吠え続けている」とポルトガル語でまくしたてると、訳を待たずにステージを下りた。

■視聴方法(予定)
10月22日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
午前3時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWプライム

■UFC280計量結果

<UFC世界ライト級王座決定戦/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ: 154.5ポンド(70.08キロ)
イスラム・マカチェフ: 154.5ポンド(70.08キロ)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]アルジャメイン・ステーリング: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]TJ・ディラショー: 135ポンド(61.24キロ)

<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン: 136ポンド(61.69キロ)
ショーン・オマリー: 135ポンド(61.24キロ)

<ライト級/5分3R>
べニール・ダリューシュ: 156ポンド(70.76キロ)
マテウス・ガムロ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・チューケイギアン: 127.5ポンド(57.83キロ)
マノン・フィオホ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ウェルター級/5分5R>
ベラル・モハメッド: 170ポンド(77.11キロ)
ショーン・ブレイディ: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル/5分3R>
マフムド・ムラドフ: 185ポンド(83.91キロ)
カイオ・ボハーリョ: 186ポンド(84.37キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア: 206ポンド(93.44キロ)
ニキータ・クリロフ: 206ポンド(93.44キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・ヌルマゴメドフ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ガジシ・オマルガジシエフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
アルメン・ペトロシアン: 186ポンド(84.37キロ)
AJ・ドブソン: 185ポンド(83.91キロ)

<フライ級/5分3R>
ムハマド・モカエフ: 126ポンド(57.15キロ)
マルコム・ゴードン: 126ポンド(57.15キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
リナ・ランズバーグ: 135ポンド(61.24キロ)
カロル・ホザ: 135ポンド(61.24キロ)

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【UFC280】オフィシャル計量終了 ステーリングが雄叫び。TJ・ディラショーは水抜きの影響大??

【写真】エネルギーが漲っているような本計量だったアルジャメイン・ステーリング(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUFC 280「Oliveira vs Makhachev」のオフィシャル計量が21日(金・同)午前9時より、クラウンプラザホテル内ミーティングルームで行われた。

まず計量開始前に減量に問題があったとしてフェザー級のズベア・トホゴフ×ルーカス・アルメイダの中止が発表され、タイトルマッチ2試合を含む、12試合24選手が計量台へ。

女子フライ級でマノン・フィオホに戦うケイトリン・チューケイギアンがリミット125(+1)ポンドに対し、127.5ポンドで計量失敗となった。


その他のファイターは全員クリアーしており、メインで世界ライト級王座を賭けて戦う両者がいの一番に登壇し共に154.5でパスした。

昨日の会見時に比べると、イスラム・マカチェフはシャーウス・オリヴェイラよりも目のくぼみが目立ち、水抜きの影響がより強く感じられた。

一方、最も減量の影響が見られたのは、アルジャメイン・ステーリングの持つ世界バンタム級王座にチャレンジするTJ・ディラショーだった。

歩く姿も力なく、リミット丁度でパスしてもガッツポーズもない。うつむき加減でシャツを拾って、そのままステージを下りた。対してチャンピオンは、同じ135ポンドでパスの声を聞くと同時に大きく叫び声を挙げている。

もう一人シャウトしたのは、べニール・ダリューシュと対戦するマテウス・ガムロだった。やや時間を置き、ラスツーでステージに力を現したガムロは156ポンドのコールを受ける。

まず両手を高々と掲げたガムロはその手を振り下ろしつつ、ここからが本当の戦いの始まりと告げるような、雄叫びを見せたのだった。

■視聴方法(予定)
10月22日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
午前3時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWプライム

■UFC280計量結果

<UFC世界ライト級王座決定戦/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ: 154.5ポンド(70.08キロ)
イスラム・マカチェフ: 154.5ポンド(70.08キロ)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]アルジャメイン・ステーリング: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]TJ・ディラショー: 135ポンド(61.24キロ)

<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン: 136ポンド(61.69キロ)
ショーン・オマリー: 135ポンド(61.24キロ)

<ライト級/5分3R>
べニール・ダリューシュ: 156ポンド(70.76キロ)
マテウス・ガムロ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・チューケイギアン: 127.5ポンド(57.83キロ)
マノン・フィオホ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ウェルター級/5分5R>
ベラル・モハメッド: 170ポンド(77.11キロ)
ショーン・ブレイディ: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル/5分3R>
マフムド・ムラドフ: 185ポンド(83.91キロ)
カイオ・ボハーリョ: 186ポンド(84.37キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア: 206ポンド(93.44キロ)
ニキータ・クリロフ: 206ポンド(93.44キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・ヌルマゴメドフ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ガジシ・オマルガジシエフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
アルメン・ペトロシアン: 186ポンド(84.37キロ)
AJ・ドブソン: 185ポンド(83.91キロ)

<フライ級/5分3R>
ムハマド・モカエフ: 126ポンド(57.15キロ)
マルコム・ゴードン: 126ポンド(57.15キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
リナ・ランズバーグ: 135ポンド(61.24キロ)
カロル・ホザ: 135ポンド(61.24キロ)

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【ONE FN03】「リネケルの戦いは非常に限定されている」。バンタム級王座に挑戦、アンドラジ―02―

【写真】その自信通りの試合展開、結末となるか(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、マレーシアはクアラルンプールのアシアタ・アリーナで開催されるONE Fight Night03「Lineker vs Andrade」のメインで、ジョン・リネケルの持つONE世界バンタム級王座に挑戦するファブリシオ・アンドラジ・インタビュー後編。

スパーリングパートナーを負傷に追い込むほどの激しいスパーリングを試合前に繰り返す彼は、王者リネケルを「リミテッド・ファイター」と言い切り、ベルトを巻くことに絶対の自信を持っていた。

<ファブリシオ・アンドラジ・インタビューPart.01はコチラから>


――体力、精神力をスパーリングで養ってきたわけですね。

「気楽に構える選手もいるだろうけど、僕は戦いのフィーリングを大切にしている。練習の時からそこを創っていきたいんだよ」

――スパーリングパートナーはボディ・プロテクターが欠かせないですね(笑)。

「ホント、だから練習パートナーのことはいつも気にかけているよ。試合が決まるようなことがあれば、僕のスパーリング相手はしなくて良いと伝えているし。当たり所が悪いと本当にケガをしてしまうからね。だから、スパーリングパートナーを見つけることが難しいんだよ。とはいえ自分が強くなるには、そこも欠かせないプロセスだから。攻める気持ちを持ち続けてくれる練習相手が必要なんだ」

――それだけの準備をして戦う相手、ジョン・リネケルには技術的にはどのような印象を持っていますか。

「ウェルラウンダーではあるよ。キャリアも長いし、経験豊かだ。ただし、リネケルの戦いは非常に限定されている。彼のスキルに関しては、何も心配することはない」

――あれだけのパンチ力を誇っていますが。

「そこが一番の武器だ。そして彼のハンドパワーを無力化させることが、僕のやるべきこと。パンチ力がある分、彼の攻撃は限定される。そのパンチ力を承知しているからこそ、何も驚くような攻撃はないだろう」

――つまり彼のパンチを無力化させる戦いをすると。蹴りとリーチで上回るファブリシオは、そこを使って戦うということですね。

「僕は空間を使って戦える。これまでリネケルがKOしてきた相手は、彼と打撃戦を戦える相手ではなかった。凄く背の低いファイターが、フルパワーでパンチを振るう。何も印象に残る攻撃はないよ。パンチ力はあっても、動きはない。頭を動かすこともなく、ステップも踏まない」

――UFC時代のコリー・サンドハーゲン戦やTJ・ディラショー戦は参考になりましたか。TJにはテイクダウンがありますが、両選手とも蹴りがあってパンチで圧倒することができませんでした。それでもサンドハーゲン戦では、3Rに逆襲していましたが。

「ディラショー戦はそうでもないけど、サンドハーゲン戦はしっかりとチェックしたよ。でもサンドハーゲンもディラショーも、僕のようなパワーはないからね。サンドハーゲンは良いストライカーでステップも良い。でも、ノーパワーなんだ。あれぐらい威力だとリネケルが思っているようだと、大変なことになるよ。

そう、そこなんだよね。僕がリネケルのパンチ力を気にしていないのは、彼以上にパワフルな攻撃力があるから。試合が始まると、彼にとってこの試合は悪夢になると教えてやるつもりだよ」

――そのパワーがあって、あのスピードとタイミング、そして距離が存在するということでしょうか。あの距離のコントロールとタイミングの取り方は、真似ができるモノではないかと。

「多くの対戦相手は、僕の攻撃が見えていない。もちろん、動きだしも分かっていないよ。まず試合開始直後から、彼らにはないスピードで動き、そのままのペースを保てる。逆に僕の方が対戦相手の動きは丸見えだ。ジョン・リネケルのような相手の踏み込みは、特に見やすい。あのパンチの出し方は、すぐにどんなものが理解できる。特に手数が多いから、余計に分かりやすいんだ。リネケルって、ただ追いかけてくるだけなんだ。しかも、踏み込みの幅が少ない。簡単に間合いを外すことができる」

――もう答えてもらっているようなものですが、世界バンタム級王者になる自信のほどを教えてください。

「リネケルはONEバンタム級戦線でベストファイターだ。僕を除けば、ね。彼を叩きのめす能力を僕は持っている。僕がニューチャンピオンになる時がやってきたのさ」

――ところでファブリシオはONEで戦う前に、ムエタイやキックで戦うためにアジアにやってきました。ONEでキックやムエタイのベルトを狙うことは考えていますか。

「それもオプションだけど、今は絶対的にMMAに集中している。もっとMMAでやりたいことがあるんだ。この試合後、ONEと話し合って自分が何をできるかを探っていきたい」

――今回の世界戦は米国のプライムタイムでライブ中継され、ファブリシオはヘッドライナーです。

「そんな大会の中心を担うことができてエキサイトしているよ。米国ではリネケルは名前があるから、良い試合を皆に届けたいと思っている」

――単刀直入に伺います。リネケルは元UFCファイターですが、ファブリシオはアルジャメイン・ステーリングやタイガームエタイで顔を合わすこともあるピョートル・ヤンらUFCトップファイターと比較して、自身の力をどのように考えていますか。

「僕がワールドベストのバンタム級ファイターだ。リネケルを倒した後、そのことを証明するために過去に誰も成し遂げていないことをやり遂げるつもりさ」

■放送予定
10月22日(土・日本時間)
午前9時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE Fight Night03対戦カード

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジョン・リネケル(ブラジル)
[挑戦者] ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界ライト級王座決定戦/3分5R>
レギン・アーセル(オランダ)
シンサムット・クリンミー(タイ)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP決勝戦/3分3R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
シャミル・ガサノフ(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジャレミー・ミアド(フィリピン)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)王座決定戦/12分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
ウアリ・クルジェフ(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
アミール・ナセリ(イラン)
内藤大樹(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
エイサー・テン・パウ(米国)
メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リー・ビヴィンス(米国)
ノエル・グホンジョン(フランス)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
ジヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

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【UFC280】マカチェフ人気一色。二番人気はヌルマゴメドフ!! オリヴェイラ&ステーリングは大ヒール

【写真】ファイトウィーク、公開イベントはこの会見から(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUFC 280「Oliveira vs Makhachev」の記者会見が20日(木・同)に同所で行われた。

Showdown weekとして、さまざまなUFC関連の催しが会場の外で実施されており、お祭り的な雰囲気だったアリーナ周辺。会見はロシア人ファンとローカル:ファンが一体化し、マカチェフ・サポート一色という空気で大いに盛り上がった。


メインカード出場10選手、プレリミからはベラル・モハメッドとショーン・ブレイディが出席し、1人ずつ登壇する形で会見はスタート。

まずパレスチナ系米国人のモハメッドが、米国大会では考えられない高いファンの支持を集めており、ブレイディには大きなブーイングが送られる。

質疑応答中もシャーウス・オリヴェイラやアルジャメイン・ステーリングにブーイングを送るファンに呼応し、何度両手を広げて煽るモハメッドの姿が確認されている。

べニール・ダリューシュと対戦するマテウス・ガムロはテンション高めでステージ上でTシャツを脱いで、ファンに投げ込む。

一投目はメディアシートにしか届かないと、わざわざ取り戻して、Tシャツを丸めて結い、二投目で目的を果たした。

ピョートル・ヤンも高い人気を誇る一方で、会場には欧州や米国、ブラジル人サポーターの姿もあり、対戦相手ショーン・オマリーにはブーイングだけでなく、かなりの声援が集まっていた。

グラサン、レザーのオマリーは「全ての局面で上回っている」とコメントした際、ヤンの表情は弱冠強張ったように見えた。

ヤンの天敵ステーリングは絶えることのないブーイングと野次のなかで、対戦相手のTJ・ディラショーのコメントに対し「聞こえない。男らしく堂々と話せ」とイチャモンをつける。

TJは「テストは口でするもんじゃない。『テスト、テスト、テスト1、2』って上手くいったか?」という返答をし、ファンの大声援を受けていた。

さらにライバルのヤンの隣に座っている状況には「今、この男のことは気にしてない。TJのことを考えている」と発言したステーリング、ここで会場はまたも大ブーイングに包まれることとなった。

オリヴェイラへの質問はブーイングでかき消され、マカチェフへの大声援で質問者が間を置く必要がある館内。体重超過でベルトを失ったオリヴェイラは「誰がチャンピオンか皆に聞けばよい」と立ち上がって手を広げると、ブーイングの雨に晒された。

そのオリヴェイラがメディアデーで「マカチェフがタイトルに挑戦できるのは、ヌルマゴメドフの力だ」と言ったことに尋ねられると、マカチェフが「マイケル・チャンドラーに勝ってタイトルを獲ったけど、その前に誰と戦ってきた。教えてくれ」と答えるだけで、ファンは拍手喝采だった。

さらにオリヴェイラがアブダビがマカチェフのホーム状態であること関しては「いつも彼を僕のホームに招待しているけど、一度も来なかった。ここで戦いたかったんだろう」と言えば、マカチェフは「俺はブラジルで行くとダナに伝えている。何度もブラジルで戦うと言ってきた。この男は英語を話さないから、誰も何を話しているのか分からない」と粗い口調になる。

ここからは両者はマイクを掴み、身を乗り出して顔を合わせると、食い気味にトラッシュトークを続けた。

会見中から最前列に座るヌルマゴメドフ・チャントが起こるなど高い人気を維持する元世界王者は、会見終了後からフェイスオフまでの間、ファンの注目を一身に集め、その様子を携帯で撮影するや、マカチェフに負けない大声援がわき起こった。

フェイスオフでは意外にも胸を押して一触即発状態になったのはピョートル・ヤンで、対応が遅れたオマリーはやり返すことはなかった。

ステーリングとオリヴェイラがブーイングの矢面に立っていたフェイスオフが終了すると、ファンは会場外のアトラクションへ一目散。

昼は35度以上のアブダビも、日が落ちると28度ぐらいで海風もあり、やや涼しく感じられる。そんななか、ファンはベルトを手に写真撮影、Esportsブースでもしっかりと列を作るなど、会見中とは様子でファイトウィークを満喫、砂漠の決戦に向けエティハド・アリーナは夜の帳が下りても、さらに熱が帯びていた。

■視聴方法(予定)
10月22日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
午前3時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWプライム

■対戦カード

<UFC世界ライト級王座決定戦/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
イスラム・マカチェフ(ロシア)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]アルジャメイン・ステーリング(米国)
[挑戦者]TJ・ディラショー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
ショーン・オマリー(米国)

<ライト級/5分3R>
べニール・ダリューシュ(米国)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・チューケイギアン(米国)
マノン・フィオホ(フランス)

<ウェルター級/5分5R>
ベラル・モハメッド(米国)
ショーン・ブレイディ(米国)

<ミドル/5分3R>
マフムド・ムラドフ(ウズベキスタン)
カイオ・ボハーリョ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア(スイス)
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)

<フェザー級/5分3R>
ズベア・トホゴフ(ロシア)
ルーカス・アルメイダ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ガジシ・オマルガジシエフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
アルメン・ペトロシアン(アルメニア)
AJ・ドブソン(米国)

<フライ級/5分3R>
ムハマド・モカエフ(英国)
マルコム・ゴードン(カナダ)

<女子バンタム級/5分3R>
リナ・ランズバーグ(スウェーデン)
カロル・ホザ(ブラジル)

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【UFC280】「NJまで片道2時間掛けてスパーに行くわ」。フィオホと対戦、ケイトリン・チューケイギアン

【写真】アッパレ過ぎるほど、アッパレな返答のオンパレードだったチューケイギアン(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)にUAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUFC280でケイトリン・チューケイギアンが、マノン・フィオホと対戦する。

UFC在籍6年、タイトル挑戦経験がありオクタゴンで戦績11勝5敗というチューケイギアンにアブダビという地で戦うこと、新鋭フィオホの印象とタイトルショット、そしてNYでの女子選手のトレーニング環境について話を訊くと、彼女のMMAに対する向き合い方こそ、これだけのキャリアを残せる要因だと確信できた。


──ファイトウィークに入り、現地入りして間もないタイミングでインタビューを受けていただきありがとうございます。

「大丈夫よ。昨夜、アブダビ入りしてしっかりと睡眠をとることができたし、今日も問題なく体を動かすことができたわ……って、あなたのこと見覚えあるわ。確か……」

――7月の終わりにセラBJJで平田樹選手に関して、日本のABEMA用にインタビューをさせていただきました。

「ああ、そうね。Zoomで顔を見て、アレって思ったの(笑)」

――あれから3カ月、本来は9月のパリ大会で対戦予定だったマノン・フィオホと今週末に戦うことになりました。

「マノンのホームタウンであっても、すっごくパリで戦いたかったわ。ただパリを訪れたい、そういう感じだけど。大会終了後に数日間パリで過ごすつもりでいたから。それが凄く楽しみだったの」

――勝負云々でなく、パリを楽しみたかったということですね(笑)。

「それだけじゃないわよ(笑)。彼女は唯一のフランス人女子UFCファイターで、試合順もコメインだった。マノンのホームタウンで戦うという経験を楽しみにしていたし。でも、コーチ陣は中立の土地で戦うことを歓迎しているわね。彼女のケガでパリでの試合はなくなったけど、一度はパリで試合を戦ってみたいと今も思っているわ」

――ところで米国国内で3時間の時差で戦うのと、アブダビに来て8時間の時差で戦うのは体調的に違いは感じられますか。地球は自転しており、西に移動するのと東に移動するのではバイオリズムが違うという医学的見解を以前に読んだことがありまして。

「う~ん、その疑問に答えるにはまだこっちに入って早すぎる気はするけど、現時点で私は何も問題はないわ。飛行機とアブダビで睡眠をとったわけだけど、すこぶる好調よ。それに2020年にファイトアイランドで試合をしていて、アブダビへの遠征も初めてじゃないから、問題なく過ごせているしね。

あの時は朝の4時からの試合だったのが、今回は午後10時からだし。戦う環境としては、今回の方が良くなっているから不便が感じられないのかもね。だからベガスで戦うことではなくて、前回のアブダビで戦うことと比較すると今回は楽になっているのは確かよ」

――今回は中立の地です。基本的にケイトリンは米国での試合が多く、USチャントの後押しがあってもブーイングを受けて戦うことはないです。

「ブーイングされて戦うことを考えると、凄くワクワクするわね。もう7年も前になるけど、UFC以前にHungarian FCっていう大会に出場して、ブダペストで試合をしたの。トーナメント戦で決勝がハンガリーの選手が相手だったから、少しブーイングを受けたわ。でも観客の数自体がとても少なかったから、ブーイングも小さくて(笑)。

きっとパリの大観衆にブーイングされると、最高のクールだったでしょうね。でも、今はアブダビでのファイトを楽しみにしているわ」

――マノンはUAEW出身ですし、ひょっとすると彼女の応援が多いかもしれないですね。

「いずれにしても彼女のファイトスタイルはファンにも受けるし。私はアンダードッグだけど、しっかりと戦うわ」

――確かにマノンはUFCで4勝0敗ですが、ケイトリンも現在4連勝です。アンダードッグに納得していますか。

「確かに彼女はジェニファー・マイアに勝ったけど、フライ級契約でも本来はストロー級の選手との試合も多いわ。5連勝、6連勝、7連勝をしようが対戦相手にどれだけの価値があるのか、大切なことはそこよね」

――マノンのカラテ流ファイトにはどのような印象を持っていますか。

「体が強いわ。そして、あの動きをする選手は凄く少ないわね。ただし、マノンが戦ってきた相手で私のようなフットワークを使って戦える選手はいなかった。真っすぐ前に出て、攻撃が当たる相手ばっかりだったわ。これまでの彼女の試合は、スタイル的に戦いやすい相手が多かった。でも、私はちょっと違う戦い方ができるから」

――マノンのようなスパーリング・パートナーを今回は見つけることはできましたか。

「レフティでキックをたくさん使う。スパーでもドリルでも、そこを頭に入れて練習してきたから大丈夫よ。とにかく蹴りの数が多い。そこは十分に対策を練ってきたわ」

――ところで冒頭で話したようにセラBJJでケイトリンに会った取材は、いつ以来のイーストコーストでのジム取材かというぐらい久方ぶりでした。西海岸やミッドウェスト、あるいはラスベガスやフロリダで取材をしていると米国のジムは一つの場所で、全てのトレーニングをこなせるという印象が強かったです。でもNYで平田選手はマンハッタンやロングアイランドなど、公共交通を使ってクイーンズから1時間もかけて移動していました。

「そうね、ほんとソレがNYのクレイジーなところだわ。私はニュージャージー出身だけど、今はロングアイランドに住んでいて。だからセラBJJはすぐに行けるけど、週に2度ニュージャージーまで車で2時間かけて、スパーリングに行っているの」

――!!!!!! それって片道っていうことですか。

「そうよ。往復で4時間ね。私たちも一か所で練習できないことはないけど、納得できる練習をするには、それだけの移動が私は必要なの。特に女子選手はベストなトレーニング・パートナーを見つけることは男の人より難しいから。

全ての局面で練習パートナーがいる男子選手と、私たちは違うからね。まぁ不満には思うところもあるけど、ベストなトレーニングができないより良いからオプションがあって良かったと思っている。車で片道2時間かけても、マーク・ヘンリーの指導やニュージャージーでのジムメイトとの練習は私に欠かせない。納得できる練習をすることが、一番大切なことだから」

――それだけの想いでケイトリンはMMAを向かい合っているのですね。では、その想いをどのように土曜日の試合でぶつけたいと思っていますか。

「UFCで長く戦い、常に成長してきた姿を見せたい。そして、今も新しい武器を携えていることもね」

――おそらくはUFCはマノン・フィオホのようなニューウェーブの台頭を望んでいるかと思います。ただしこの4連勝対決、勝てばケイトリンにももう1度タイトルショットを戦う機会が巡ってくるのではないでしょうか。

「そうね、5連勝したらそのチャンスがあって然りよね。でも、それは勝ってからの話で、また交渉が必要だし、今回も良い勝ち方が求められるはずよ」

――ケイトリン、今日はありがとうございました。日本のファンに一言お願いできますか。

「私だけでなく、UFCを応援してくれてありがとう。日本からNYにガールズたちが練習に来るんだけど、大歓迎よ。彼女たちとの練習はとても楽しいわ。そして日本のファンの皆には土曜日のショーを楽しみにしてほしい。サポート、ありがとう」

■視聴方法(予定)
10月22日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
10月23日(日・同)
午前3時00分~PPV
午前3時00分~WOWOWプライム

■UFC280対戦カード

<UFC世界ライト級王座決定戦/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
イスラム・マカチェフ(ロシア)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]アルジャメイン・ステーリング(米国)
[挑戦者]TJ・ディラショー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
ショーン・オマリー(米国)

<ライト級/5分3R>
べニール・ダリューシュ(米国)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・チューケイギアン(米国)
マノン・フィオホ(フランス)

<ウェルター級/5分5R>
ベラル・モハメッド(米国)
ショーン・ブレイディ(米国)

<ミドル/5分3R>
マフムド・ムラドフ(ウズベキスタン)
カイオ・ボハーリョ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア(スイス)
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)

<フェザー級/5分3R>
ズベア・トホゴフ(ロシア)
ルーカス・アルメイダ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ガジシ・オマルガジシエフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
アルメン・ペトロシアン(アルメニア)
AJ・ドブソン(米国)

<フライ級/5分3R>
ムハマド・モカエフ(英国)
マルコム・ゴードン(カナダ)

<女子バンタム級/5分3R>
リナ・ランズバーグ(スウェーデン)
カロル・ホザ(ブラジル)

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【Pancrase329】パラ千葉のフライ級ファイター達=鶴屋怜─02─「UFCは本戦から出たいと思っています」

【写真】インタビューの受け答えもデビュー直後とは違い、しっかりとできるようになってきた!! (C)MMAPLANET

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase329。同大会で上田将竜と対戦する鶴屋怜インタビュー後編。

UFCを目指し、UFCに頂点に立つことだけを考える鶴屋。パンクラス王座のも、その前哨戦の今回の試合も、全てはUFCで戦うための通過点でしかない。とはいってもデビューから1年半、キャリア5戦目。大いなる目標に向かい、現実と向き合う20歳はこの夏にラスベガスでの出稽古を経験した。

パラエストラ千葉ネットにフライ級ファイター特集──ひと夏の経験で、何を感じたのか。そして、今やるべきことをどのように考えているのかを鶴屋怜に尋ねた。

<鶴屋怜インタビューPart.01はコチラから>


──逆に「コイツ、ヤバいな」と思った選手はいましたか。

「いました(笑)。一番強かったのは階級が一つ上なんですけど、パッチー・ミックスですね(苦笑)。さすが堀口さんに勝つだけのことはあるなって。バックを取られて、ずっと殴られて続けました。ホント、絞めてくれなくてパンチを入れ続けるんです(苦笑)。それでも向うが油断している時は結構入ることができたんで、通用する部分もあるとは感じています。凄く良い経験になりました。

あとアルジャメイン・ステーリングとスパーリングできなかったのは、残念でした。スパーリングの日じゃない時に、彼がジムに来たのでスパーはできなかったです。ただ、僕が想ったのは名前を知らない選手、日本で知られていない選手が強い。カレッジでレスリングをやっていたような選手で、プロでは1試合しかしてない奴がいて。『まだMMAは1戦しか経験していないんだ』っていう頭で練習すると、メチャクチャ強くて。名前も知らないし、MMAの経験がないのに強いヤツがいる。そこなんじゃないかと。

自分よりレスリングが強いので、なかなかテイクダウンができない。テイクダウン争いで取れることがあっても、取られることが多い。結果、自分の強いところで負けて。レスリングの相性もあったかと思いますけど」

──そういう選手がいることが、米国の真実なのですね。きっとゴロゴロいるから、層がとんでもなく厚くなっている。

「そういう風に名前が無くても強い選手がいるから、皆が何かに特化しているのではなく、バランスの良い選手になっていくのかと思いました。バランスが取れた選手が多いです。僕はレスリングで向うが上回ると、そこを返せないことがありました。だから、自分ももっと打撃を強化しないといけないと思いました」

──帰国してから1カ月少しで、次の試合がある。そういう状況でラスベガスで経験したことを何か千葉の練習に採り入れたということはありますか。

「スパーリングで自分のやることを変えました。以前はテイクダウンをして、コントロールすることを軸にスパーをやっていたのですが、どの選手と戦ってもテイクダウンに頼らないようにしています。

そこまでの打撃を使う時間を増やすというか。テイクダウンからコントロールは、グラップリングのスパーで存分にできるので。MMAのスパーリングの時は、なるべく自分から組まないようにしています。結果、打撃が多くなっていますね」

──そこを経て、上田選手との一戦。どのような試合をしたいと思っていますか。

「相手はウェルラウンダーで全部できる選手です。自分はまだテイクダウン後の戦い方も完成していないけど、それでも全体的にできることを見せたいです。もしかしたら3Rを戦い切ることになるかもしれないので、そこで粘り強さを見せることがデキれば良いなと思っています」

──タイトル戦のことは意識していますか。

「タイトルマッチは……勝てば12月にやらせてもらいたいです」

──ラスベガスというUFCのホームに滞在したことで、よりUFCを意識するようになったということはありませんか。

「自分、向うでコンテンダーシリーズを観に行ったんですよ。フライ級の試合も見て。その時に感じたのは、『こいつらに俺、絶対に勝てるな』ってことでした」

──アハハハハ。やはり、そうなりますか。

「あれでUFCと契約できるなら……UFCに出たいという気持ちはより強くなりました」

──以前は今、UFCに行っても勝ち続けることができない。だから、力をつけてから進みたいということも言っていました。その辺りの心境に変化がありますか。

「UFCに行くとしても最低でも半年はあると思います。まだ時間はあるので、パンクラスのタイトルを取ってからも、しっかりと自分の足りないところを磨いてUFCで通じるようにしていきます」

──何か日本で経験しておきたいということはないですか。向うに行く前に国際戦とか。

「そうですね、できればコンテンダーシリーズとかRoad to UFC経由でなく、いきなり本戦で戦いたいので、その前に外国人選手と日本で試合をするのも良いですね。パンクラスでできれば良いですけど、それが難しいなら海外で試合をするのもありだと思います。

正直、今はパンクラスのチャンピオンになることまでしか考えていなくて。それがあと2試合なのか。今のところ、全試合でフィニッシュしているので、次の試合とタイトル戦もフィニッシュ勝利を続けて──それから先は、まだ考え中です。パンクラスで外国人選手とやっても良いし、海外で試合をしても良い。とにかくUFCの本戦で戦えるよう仕上げていきたいです」

(C)MATSUNAO KOKUBO

──ところでお兄さんの健人選手が8月にNEXUSでプロMMAデビューを飾りました。刺激になっていますか。

「お兄ちゃんは打撃に特化していて、自分に足りないところを持っています。そこは兄弟で足りない部分を補いあって、トレーニングしていきたいです。ただ単にボクシングを採り入れるのではなくて、MMAの打撃として補っていきたいです」

──負けるかって言うライバル心は?

「もちろん良い刺激になっているけど、ライバル心は今のところはないです(笑)。階級も違うし、そこは僕の方がプロMMAを1年半以上やってきたので。お兄ちゃんがどこを目指しているのか、僕は分からないけど──2人でチャンピオンになれれば良いなぁという感じです。兄弟でチャンピオンって、余りないのでそういうのも良いかなって(笑)」

──では改めて、上田選手との試合に向けて意気込みのほどをお願いします。

「上田選手はベテランで何でもできます。強い選手なので、その上田選手を相手に自分も全部ができること。そして何度も言っていますけど、3Rになっても粘り強さで負けないというところを見せていければと思います」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ 対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
ソン・ヘユン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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お蔵入り厳禁【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:4月:ヴォルカノフスキー✖ジョン・チャンソン

【写真】ここ最近の水垣氏の言葉深みは一体どうしたことか……(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ水垣偉弥氏が選んだ2022 年4 月の一番。4月9日に行われたUFC273で組まれたUFC世界バンタム級王座統一戦=アルジャメイン・ステーリング×ピョートル・ヤン戦から──UFC世界フェザー級選手権試合=王者アレックス・ヴォルカノフスキー✖挑戦者ジョン・チャンソン戦について語らおう。

<月刊、水垣偉弥のこの一番:4月:アルジャメイン・ステーリング×ピョートル・ヤン戦はコチラから>


──チャンピオンに近い選手と、チャンピオンになる選手の違い……とは、ズバリ何になるのでしょうか。

「ジョン・チャンソンはタイトルに挑戦するまでも勝ってはいるのですが、こうやって戦績を眺めてみると、どこがピークだったか分からないところがあります。ジョゼ・アルドに挑戦したが8年8カ月前なんです。

UFCの世界王座に2度挑戦した。それは、もう本当に凄いことで。多くのファイターは1度すらない。だからチャンピオンに近い選手が決してダメだということじゃないんです。ただし、チャンピオンになる選手はそれ以上だということで」

──ハイ。分かります。

「明確に何かということはできないのですが、明らかなのは気持ちでは埋められないということかと思います……」

──そこはもうメチャクチャ実感がこもっていますね。その言葉にここまで重みがでるのは、日本では岡見勇信と水垣偉弥だけではないでしょうか。

「いやか……。ジョン・チャンソンって負けもあるけど、とにかくあのスタイルでトップを張り続けた。だから、もらう度に弱っていった。今回の試合に関しては3Rで止めてほしかったです。

セコンドもタオルを投げられない空気があったんでしょうね。これが最後のチャンスだって。そんな状況でヴォルカノフスキーが凄まじかったです。打撃をまとめていればTKOだっていうシーンは何度もあったと思います。そこをサクッとテイクダウンにいく。

これだから負けない。チャンピオンに君臨できるんだと感じました。エグいです。パプニングの一切が起きないように戦う。一か八の正反対にあります。そこからのパウンドもリーチを生かして……ジョン・チャンソンの良さを全て封じ込むと戦い方でしたね。

スタンドで仕留めにくれば、ジョン・チャンソンもワンチャン──逆転の可能性が出てきます。そうはさせないという完璧な戦い方をしました。隙を見せない。ヴォルカノフスキーのレコードが良いのが理解できますよね」

──そんなUFCフェザー級タイトル戦線、次は7月2日にマックス・ホロウェイの挑戦を受けます。2020年7月以来、3度目の対戦ですね。

「ほとんど差がない試合でしたよね。あそこからホロウェイはカルヴィン・ケイター、ジャイー・ロドリゲスにファイト・オブ・ザ・ナイトを取りながら、危なげなく勝っている。めちゃくちゃ強いです」

──いうなればチャンピオンになれる者同士の世界戦ということですね。

「フェザー級はこの2人が抜けちゃった感がありますね。ブライアン・オルテガが、その線に入って来るかと思ったら、半歩下がったので。やっぱり抑えるところを抑える……そこは大きいのかもしれないです。攻撃力の強さは当然として」

──そう考えると、コンテンダーシリーズから契約した選手は、フィニッシュ至上のファイトをしないといけない戦いを引きずると、安定した成績は残せないような気もします。

「結果として、それも出ていますよね。コンテンダーシリーズの戦い方だと、ある程度までいくとスタイルを変えないとダメだと思います。インパクトを残した選手が、上まで上り詰めることができていない。

それこそコンテンダーシリーズからは、防御力があって隙のないファイターは生まれないと思います。よほど、あの場だけと割り切ってスタイルチェンジをしないと」

──とはいえ、MMA業界がLFAのタイトル戦といいコンテンダーシリーズ・ファイト化していないでしょうか。

「UFCと契約するためには、そこが必要なわけですからね。ただ、ずっとあのままではなくてプレリミの間に、勝ちながらスタイルを変えていかないといかないです」

──いやぁ、めちゃくちゃ難しいことですよ。評価される勝ち方をしていながら、アジャストする。

「だから最初から、そういう設計図を書いておく必要があるかと思います。コンテンダーシリーズの戦い方で勝っても、それを自分のスタイルの軸にするのではないという風に。

それはこの2年間、ほぼ国際戦がなかった日本の選手にも当てはまることだと思うんです。僕が実際にそうだったので。日本で戦っている間は3Rの間、打撃戦を続けていればKO勝ちができるし、少なくともダウンを取って優勢に進めることができるという絶対の自信がありました。

でもミゲール・トーレスと戦った時に『あぁ、コイツは倒れない』と実感しました(苦笑)。何かが根本的に違う。そこからアジャストして、次のジェフ・カーラン戦なんかは打撃でリードしても、トップで漬けるという展開に持っていきました。それでも最後に三角絞めを貰いかけたのですか(笑)。

そういう別の引き出しを持っていないと、WECで勝つことはできないと最初の試合で思い知らされたんですよね。自分が得意なところだけで勝つことはできないことを身をもって体験して。

だからひたすらレスリングを頑張るという……。それがゴールとして正しかったのか分からないですけど、今思えばもっと柔術的な動きだってやるべきだったかもしれないと感じています。

だから僕はアルジャメインにテイクダウンをされるとバックを取られる戦い方をした。そこで背中をマットにつけても勝負できるなら、アルジャメインとの試合展開も変っていたはずです」

──下になるとラウンドを落とすという状況では、なかなかそこに時間を費やすことはできなかったかと思います。

「そこなんですよね。まぁ難しいです。でもアラン・ナシメントみたいな選手もいるわけで。関節技とスイープ、スクランブルに持ち込んで上に居続ける。下になっても、必死に上になる。いやぁ、本当にMMAは難しくて面白いですね」

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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:4月:ステーリング✖ヤン「肉体的ダメージはない。でも……」

【写真】出来ていたことが、できなくなる。実体験をもとに水垣氏がピョートル・ヤンの心理面にメスをいれた (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ2022 年4 月の一番。4月9日に行われたUFC273で組まれたUFC世界バンタム級王座統一戦=アルジャメイン・ステーリング×ピョートル・ヤン戦について語らおう。


────水垣さんが選ぶ2022年4月の一番をお願いします。

「アルジャメインとピョートル・ヤンのUFC世界バンタム級王座統一戦です。アルジャメインは自分が戦ったことがあり、ヤンは反則負けから王座を明け渡し暫定王者になっての再戦ということで注目をしていました。

1回目は最後に反則のグラウンドでのヒザがなかったら、ヤンの勝利はまず間違いなかったでしょうし、あの試合を踏まえて今回もヤンが有利だと思っていました」

──それは多くの人がそうだったはずです。実際、初回のヤンは良かったです。

「1Rは様子見をするのがヤンのパターンなんですが、結構前に出ていました。レスラーのテイクダウン狙いをストライカーが切ることができるのは、前に出ている時だと思います。下がると、取られやすいです。そこをしっかりとヤンはできていました。

それが2Rに流れのなかでテイクダウンからバックを取られ、3分ほどキープされて時間になりました。ラウンドを失いましたけど、肉体的なダメージはなかった。でも、そこがヤンの精神面に大きく影響を与えることになりました。実は僕がアルジャメインと戦った時も、こういう流れでした」

──ワンテイクでその後の流れが決まった? 水垣さんと戦った時は両手も突いて座るような低い位置からローシングルに入ったシーンが思い出されます。

「あれでダブルに移行され、ケージに押し込まれたところからテイクダウンされバックを許して……。最後は胸を合わせていったのですが、下から肩固めのような形で極められてしまいました。

あの試合、序盤はテイクダウンを切れていたのですが、一度組まれてしつこくされ、『嫌だな』と思ってしまって。そうなると、それまで前に出てプレッシャーを掛けることができていたのに、できなくなってしまったんです。心理面がその原因だったと思います」

──その前までできていたので、テイクダウンやバックを取られても『コレはコレ。この展開もある』いう風に割り切ることは難しいのですね。

「そうなんです。本当にほんの少しのことなんです。プレッシャーの掛け方の違いで。お互いが『取られるとマズい。取れるなら行く』という心理面のなかで、その気持ちがほんの少し揺らぐだけで、アルジャメインは足が触りやすくなったと思います。それが勝負の行方を分けてしまった」

──身体的なダメージでなく、内面……心の襞の部分なのですね。

「僕がヤンと同じことができるということではなく、あの心理面は理解できるというか……。『足を触られたくない』と思わされた時点で、メンタルの争いで遅れを取ったのだと思います。

実際ヤンは1試合目ではほぼ組まれていない。その戦いがデキていたのに1度倒されて、バックを取られたままラウンド終了を迎えた。ブザーで救われた形というのは、心理面でのダメージを与えた。『こうなると危険だ』と思わせたアルジャメインの勝ちでしたね」

──ステーリングはそこが得意なので、やられないようだけでなくバックに回られることも想定し、対策練習をしてきているかと思います。それでも、そこまで崩れるものなのですか。

「ホント、難しいですね。まず尻もちをつかされないことが第一で。スタンドをキープすること。だから立ちに行って、あの形になったので……これは結果論ですが、ガードポジションを取れば良いというメンタルの選手ならまた違ってくるかもしれないです。

と同時に時間も関係してきますが……下を続けるとラウンドを失いますし、ハーフで一本腕を差して立ち上がろうとしたり、レッスルアップからシングルとかを狙うとダースやギロチンが待っています」

──逃げ道が閉ざされ続ける。それは恐怖です。

「アルジャメインは、その形が出来上がっている。だからこそ、足を触らせてはいけないっていう心理になっていったのだと思います。それに4Rまで全てを失っている展開だと、最後は思い切った動きに出ていたかもしれないです。ただ2Rと3Rは失っても、4Rは取っていた。1Rはどうだろうかという風な心理では、賭けのような勝負には出られなかったのかもしれないです」

──いやぁ、深い。技術面と心理面が繋がっている試合だったのですね。本当に強い選手揃いのバンタム級だからこそ、王座挑戦までに潰し合いが続き、結果としてこの両者は二強になったような気もしますが、次の防衛戦が楽しみになりますね。

「僕はジョゼ・アルドが見てみたいです。ここにきてチート・ヴェラ、ペドロ・ムニョス、そしてロブ・フォントに勝って3連勝なんですよ。アルドは前に出てテイクダウンを切るだけでなく、シングルに取られても凄い反応で頭を押して後ろ向きから足を抜くのが上手いじゃないですか。

それにいざとなるとクローズドガードを取る。アルジャメインのテイクダウンに対して、ちょっと違った戦いを見せてくれるんじゃないかと。1周回ってアルドってなると、本当に凄いことですし……アルドはWEC勢最後の砦ですからね、タイトル戦線を争える。

WEC経験者としてはジョン・チャンソンが同じ大会でアレックス・ヴォルカノフスキーに切ない負け方をしてチャンピオンに近い選手と、チャンピオンになる選手の違いというか、そういうモノが見えたような気もしました」

<この項、続く>

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お蔵入り厳禁【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:3月:MMA SUPER CUP─02─「目を瞑っちゃあ……」

【写真】目を瞑ってはいけない現実が、MMA界に存在した(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ2022 年4 月の一番。4月9日に行われたUFC273で組まれたUFC世界バンタム級王座統一戦=アルジャメイン・ステーリング×ピョートル・ヤン戦について語らう前に──掲載が遅れていた2022 年3月の一番、3月9~10&12日に開催されたMMA SUPERCUPについて引き続き語らおう。

<月刊、水垣偉弥のこの一番:3月:MMA SUPER CUP Part.01はコチラから>


──水垣さんが見たカザフスタンの強さとは。

「バーレーンのダゲスタン人選手が見せていた近い距離に入ると組んでテイクダウンを仕掛けるという感じではなく、打撃も多かったですね」

──裸のコンバットサンボのようにも見えました。

「あぁ、確かに。あの中島太一選手を後ろ回し蹴りでKOしたアルマン・オスパノフのように遠い距離で後ろ回し蹴りを使ったり、寝技ではサブミッションという感じでしたね。繰り返しになってしまいますけど、この強さでアマチュアで。しかもバーレーンと違った帰化選手とかでなく、純粋にカザフスタンの人達なわけですよね?」

──ハイ。ただもう国か企業の援助があって、世界選手権の時などは合同合宿とかして早目に現地入りしているそうです。

「う~ん、上手く言えないのですが……体も強いし、纏まったMMAとも少し違う。日本ではアマチュアMMAってプロになるため。その資格を手に入れるための大会じゃないですか。対してIMMAFは違う価値のあることをやっているような気がします。

ボクシングだと五輪があって、そこに出場する選手たちって普通にジムでボクシングを始めてプロテストに受かってデビューした選手たちより、レベルが上で。彼らがプロになるなら、このIMMAFのSUPER CUPで戦っている選手達……いわばIMMAFの世界大会で上位の戦績を残している選手達は、MMAの世界でそんな風になっていくのではないかと感じました」

──ファイトマネーを得て試合をするからプロMMA。ただし、それで生活ができない選手が大半という世界に対し、バーレーンやカザフスタンの選手は試合で収入はなくても、これで生きていけている。

「そういうことですよね。多くの国のMMAと逆パターンですね。バーレーンとの準決勝でラマザン・ギチノフから先に大内刈りでテイクダウンを奪った選手(※ザクシノフ・アイマハノフ)とか、逆転されましたけど強かったです。あの2人の試合って、プロでもけっこう上のレベルだなって(苦笑)。

これまでIMMAFにさほど注目していなかったのですが、しっかり見てみるとレベルが高くて試合が面白いんですよね。ルール的にヒールと顔面へのヒザ蹴りがないのですが、カザフスタンの選手たちはヒザ蹴りが解禁されれば、さらに強くなると思います。

逆にバーレーンのダゲスタン勢は、顔面へのヒザ蹴りがないルールだからこそ、ここまで強さ発揮しているという見方ができるかと思いました」

──他の国でも気になったところはありましたか。

「決勝でバーレーンと戦ったアイルランドとか今のMMAに近くて、完成度も高かったです。ただし、バーレーン勢とはこのルールだと相性が悪い(笑)。ごり押しで負けてしまっていましたよね。バーレーンの選手はとにかくレスリングが強いです。

あのダゲスタン系の選手って、フォークスタイルとは違うけどコントロールという部分で似たレスリングに感じました。

僕は以前からフォークスタイルとダゲスタン・レスリングは繋がっていると思っていたんです。ダニエル・コーミエとカビブ・ヌルマゴメドフが同じAKAということもあったのもしれないですが、ケージレスリングで結構同じポジションを取って、同じように殴っていたので」

──バーレーンの選手たちが、UFCレベルのMMAファイターの打撃があっても、あのレスリングのごり押しスタイルで戦えるのか。

「実際、カザフスタンの選手にハイキックで負けた選手がいますよね。それほど打撃をやり込んでいるようには見えないです。女子のアリーサ・ベルトソとかは元々ブラジルで打撃をやり込んでいたので通用すると思うのですが、男子の選手はあのレスリングだけだとどうなるのか。

このルールだから圧倒的に有利で、一部のアマトップの国の選手以外にはアレで楽勝できるんでしょうね。でも、この先を見るとどうなるのか」

──バーレーン人選手はそこからBRAVE CFでプロデビューをしている選手もいます。もちろん他の国の選手もそうですよね。IMMAFの世界チャンピオンだとムハマド・モカエフなどが既にBRAVE CFを経てUFCファイターになっています。

「モカエフは僕もUFCで試合を見たのですが、IMMAFの大会で20数戦戦っていて無敗なんですよね。それだけキャリアがあって、プロになるとデビュー戦扱いなんですから、それは強いです。世界大会で初戦や2回戦はそれほどではなくても、準決勝や決勝は今回のSUPER CUPのレベルはあるでしょうから……それはもう経験値も積んでいます」

──先ほど水垣さんが言われた日本でプロのなるためのアマチュアMMAで成績を残した選手、こういう場で国際戦を経験する手はあるのではないかと思った次第です。

「その経験って、かなりデカいと思います。日本のMMA界はもっとIMMAFを視野に入れないといけないと感じました。最終的にUFCへ行きたいのであれば、レコードは大切です。なら、プロ戦績として結果が残らないアマチュアの大会で国際戦を経験すると、10戦分だとか力をつけてプロデビューできるかもしれない。そのアドバンテージは考慮しても良いんじゃないかと思いました。

かなりの状態に仕上がって、プロデビュー戦を迎えることになりますからね。あるいはIMMAFの実績で、もう普通に10戦、15戦のキャリアのある選手とプロデビューを行うとか、そういう日が来るかもしれない。そうなるとステップアップも早くなるという考え方もできます。さきほど名前が出たモカエフは6戦目でUFCと契約したわけですしね」

──IMMAFを重視する必要性は、本当に大ありだと私も現地で感じました。

「逆にいえば、ここに対して目を瞑っていると遅れを取ります。あの場を利用しない手はない。日本チームとして出られるなら、ぜひこの場を日本のレベルアップに使うべきだと思います。プロのレコードに傷つかないで、この経験ができるメリットを考えると、本当にそうです。

アマ修斗、アマ・パン、DEEPのフューチャーキングT優勝者が今回の大会に出ていたとして、チーム・オセアニアやアイルランドに勝てるとは限らないと思いました。もちろんバーレーンやカザフスタンは言わずもがな、です。準決勝以上の戦いはプロと比較しても、相応なレベルの高さでした。

これも繰り返しになりますが、バーレーンとか見ていると練習体系が出来上がっていないと、ああいう風に皆が似たスタイルにならないと思うんです。どういう練習をしているのか、凄く気になりますね」

──上久保選手が、KHKジムで練習がしてみたいと言っていました。

「あっ、僕も上久保選手とPROGRESSのグラップリングマッチの音入れで会った時に『ダゲスタンとかで練習したら良いのに』って言っていたんです。でも、現状はもうダゲスタンに行くこともできないでしょうし。ならバーレーンっていうのはありますよね。

あの練習があれば、彼らのようなスタイルでない選手が、あのテイクダウンとコントロールを手にすることができる。それこそベルトソのように、ですね」

──このIMMAFで世界王者を目指し、今やタイのAKAタイランド所属で練習している山口怜臣選手がいます。

(C)REO YAMAGUCHI

「以前、パンクラスで表彰とかされていた選手ですよね。

いやあIMMAFの大会に挑戦し続けているって、凄く良い経験になっていると思います。ただし、今の日本のアマMMAで優勝した子を集めて、ここに行っても勝てないですね……。ぶっちぎりで優勝した子、修斗で新人王トーナメントMVPになるだろうって思われるような。そんな選手とか、それこそ髙谷さんと岡見選手がやっていたLDHのオーディションで勝ち抜いた子が、プロになるのを一旦置いて。合宿とかしてIMMAFに挑まないと相当に厳しい。でも、それがあると僕は日本の強化につながると思いました。そして山口選手のこれからにも期待したいですね。

とにかく良い経験ができて、負けてもレコードに傷つかない。TUFのようで凄く良いことかと思います」

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【UFC273】打を捨てて、組んでコントロールを狙い続けたステーリングがヤンをスプリットで下す

<UFC世界バンタム級統一戦/5分5R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
ピョートル・ヤン(ロシア)

いきなり左ミドルを見せたステーリングが、続いてミドルハイを繰り出す。中を取り、高いガードのヤンをフロリダのファンが後押しをする。すかさズUSAコールが起こる場内、ケージの中は静かな攻防が続き、ステーリングが右ミドルを蹴る。続いて右をボディに入れたステーリング、ヤンは右を伸ばし左フックを振るう。ミドルにも左フックを合わせに行ったヤンは、腹を蹴られてスイッチするや強烈な勢いで左ミドルを蹴る。

オーソに戻し、またサウスポーに構えたヤンが前に出て、ステーリングが回る展開が続く。追いかけてワンツーの暫定王者は右ミドルをスネでカットする。ジャブを連続で見せた正規王者が、当てる攻撃はミドルだ。ヤンが左2発で前に出ると、ステーリングは右エルボー。ヤンが左ハイを返す。ダブルレッグ狙いから細かいパンチの連打、最後に右をステーリングが振るった。

2R、踏み込みに力が入ってきたステーリングに対し、ヤンがミドルを入れる。シングルを一度は切ったヤンだったが、ステーリングの右を見せてシングルというトライで姿勢を乱して崩されると、マウントからバックに回られる。四の字フックで捕らえたステーリングはワキ腹を殴り、RNCを機会を伺う。時間は3分以上あり、じっくり攻める正規チャンピオン。ヤンは後方に拳を振り落としていく。勢いのある左のパンチを嫌がったヤンが暴れると、ステーリングがRNCをしかける。動かされたヤンはマウント、バックマウントで殴られる。厳しい展開でヤンはエルボーを打たれながらサバイブした。

3R、ロー、サイドローのヤンは、ステーリングのシングルレッグを切る。続く右フックにダブルレッグも、これも切ったヤンがガブるが当然ヒザで頭は蹴らない。立ち上がって離れると、腹を殴られたか動きが固まったヤンは、ダブルレッグで倒されてバックを許す。3分30秒と2Rと同じように時間があるなかで、背中に張り付き続けたステーリング。ヤンは胸を合わせることができず、ラウンド終了を迎えた。

4R、左を空振りしたステーリングに左をまとめたヤンは、ダブルレッグを切って殴りながらバックを伺う。それは許さず立ち上がって間合いを取り直したステーリングは、カーフにテイクダウンを合わせるが、切られてガブられる。ヒザをマットについたまま離れたステーリングのバックに回ったヤンは、徹底してテイクダウンを切る。

それでもシングルからバックに回ったステーリングだが、前方に落とされてガードを取る。時折り腰を切るステーリングだが、大きな仕掛けはないまま時間が過ぎる。起き上り、振りの大きなパンチを落としたヤンは、嫌がって立ち上がったステーリングのバックを取る。ステーリングはここで引き込み、ハーフガードからングルを狙う。足首を取ってクラッチして腹ばいになったステーリングは無理をせず、ラウンドを失ってリードを守った。

最終回、右ミドルを入れ、左ローでバランスを崩させたヤン。尻もちをついたステーリングが立ち上がってダブルレッグ、一度は切られてもそのままケージに押し込んでいく。4Rを捨てて効果を発揮するタイミングだが、ヤンが離れて立ち上がる。ワンツーのヤンに、ボディをいれるステーリングは執拗に組み、ボディロックからバックに回る。痛恨のバックコントロールを許したヤンは、ケージに体を預けポジションを入れ替えて離れる。

シングルを切ったヤンは、間合いを測り打撃を振るうこともなく組みに専念するステーリングに飛びヒザを見舞う。ステーリングがそれでもシングルレッグへ。切ったヤンがバックに回る。4Rを休んでなお、攻め込まれるステーリングはバックをとったヤンのハイが空振りに終わると──続くスタンドでも、組んで一度は尻もちをつかせる。ステーリングは抑えにいけず、切り返したヤンがバックに回る。

残り30秒、バックコントロールでヒザを入れ、ついに両足をフックしたヤンはステーリングが立ち上がると自ら着地し、時間となった。コントロール&ポイントアウトのグラップリングMMAは2Rと3Rは正規王者、4Rと5Rは暫定王者のラウンドに。初回は足を使ったステーリングに対し、追いかけていたヤンのラウンドでもおかしくない。

結果、ステーリングが2-1で判定勝ちを収め王座統一。MMAの打の要素を可能な限り省き、組んで倒す&バックに回るという戦いで正規王者が勝ち切った。試合内容はねちっこく、マイクは勇ましい王者はTJ・ディラショーを対戦相手に指名し、ヤンは「自分が勝った」と言い切った──が、2Rを取っているという主張は見当違いだ……。


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