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Bu et Sports de combat Special ブログ 岩本健汰 岩﨑達也 松嶋こよみ 青木真也

【Bu et Sports de combat SPECIAL】青木真也 meets 武術空手。武の原理原則をMMAに落とし込むには──

【写真】格闘技に正解も不正解もない。勝てば正解、負ければ不正解。ただし、取り組み方には正解、不正解はあり、とことんやりこむ青木の「技術信仰は一つの宗教。そこを信じるかどうかというのは」という言葉は説得力に溢れている(C)MMAPLANET

青木真也から東京都世田谷区のロータス世田谷で剛毅會空手の手ほどきを受けるという連絡を貰い、5月24日(月)──見学させてもらうことにした。

青木は以前より岩﨑達也氏の打撃や武術論よりも、モノの見方に興味を持っており、プライベートで会いたいということを言っていた。コロナ禍ということもあり、会食云々でなく取材として4月23日発売のFight&Life誌で対談という形で意見交換を両者にしてもらった。

そこから彼らの親交が進み、今日の技術交流が実現した。まずは青木が興味を抱いた「置く、突き」に関して、パンチの打ち方、当て方という部分で両者のやりとりは始まった。

置く、突きの理論を知るために青木のパンチの打ち方や体の使い方をまず探り、ここから突きだけでなく左ミドル、前蹴り、三日月とミット打ちや組手で確認作業が進んだ。

組手では当然のように相手が必要で、そこは武術空手の原理原則をMMAに誰よりも落とし込めている松嶋こよみが務めた。

松嶋の存在が、より青木の理解を深める速度を上げ、岩﨑氏の説明を迅速にした。

打撃のための打撃の構えと、組みも交えた時の打撃の構えでは、青木の歩幅や角度が変わり、動きをコントロールする足も前足と後ろ足で変化が見られた。

移動で創るエネルギー、養成したエネルギーを移動させる違い──ここをより理解するために、ロータスのグラップリング・スパーリングに参加して、この模様を眺めていた岩本健汰も加わった。

非常に興味深いもので、組み有りの組手になると、打撃だけの時よりも青木のパンチが良いタイミングで松嶋を捉えるようになった。

パウンド、グラウンドでのエルボーはそもそもボクシングにも、ムエタイにもない技術だ。ここに青木が「置く、突き」に着眼し、その原理原則を採り入れられるかを試みた。

武術とは本来、攻防を生まない。戦いでいえば失点しないのが原則だ。しかし、MMAは加点しなければならない。そのために武術をMMAに落とし込む必要がある。

それには武術的に正しい姿勢、体の使い方を体得するのが近道だ。そして、自分の体の使い方、姿勢が乱れていないのか、自身にサインを身の内から送ることができるのが型稽古だ。

青木は何かアドバイスを受けるたびに、体を動かすのを一旦止めて頭を働かせていた。疑問を感じると、すぐに質問し納得しようとしていた。青木真也という組み技、ムエタイをやり込み、MMAに落とし込んできた格闘家だからこそ、武術空手の動きを自らが持ちうる技術の上積みにするのではなく、原理原則の自身が培ってきた技術の細部に生かすことができる。

そんな風に思えた約2時間半の稽古で見られた、究め方は違っても、強くなることを考え続ける両者、そして松嶋&岩本を含めた4人の濃密なやり取り。改めて取材という形で深堀りできれば。さぞかし楽しいだろう。


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Interview JJ Globo UNRIVALED00 ブログ 岩本健汰

【Unrivaled00】総合グラップリング提唱者=岩本健汰「僕もアンライバルドで戦っていきたい」

【写真】総合的なルールを採用して、総合的に強い選手と特化して強い選手のせめぎ合いが──岩本のアンライバルド参戦で見られるのが楽しみだ(C)MMAPLANET

27日(日)に東京都大田区のゴールドジム・サウス東京ANEXで開催されるUNRIVALED00が開催された。

グラップリングで世界に通じる日本人選手の育成と、底辺を広げる大会という目標を掲げグランドスラムとイグルー柔術が手を取り合って開いた同大会。

ノーポイント&サブオンリー隆盛のノーギグラップリングにあって、トップの有効性を確認するためにポイント制が導入された。

実験的に行われた今大会のポイントは以下のようなモノだった。

:テイクダウン、サイドポジション、マウント、バックマウント2P
:抑え込みからエスケープし、スタンドに戻ると1P
:引き込み-2P

実験的なアンライバルド第1回(=0回大会)を終え、総合的グラップリングの提唱者でもある岩本健汰に大会の印象と今後のトライに関して話を訊いた。


──総合的なグラップリングの提唱者でもある岩本選手ですが、アンライバルド準備大会では得点係をしていました。大会を終えてどのような印象を持ちましたか。

「凄く良かったです。総合的なグラップリングに一歩近づいたと思います。ルールや得点に関しては、変えていくところはあると思いますが、それによって人の戦い方は劇的に変わるわけではないと思っています。

立ち技も強く、トップのキープという要素も踏まえて、グラップリングに必要な要素をトータルで強い選手が勝っていける総合的なルール、得点に整備していくことが大切だと思います」

──今回は実験的な試みということもあり、スイープポイントがなかったです。ただ、総合的なグラップリングとするならば上の有効性を認めた上で、下の有効性も認める必要があるのではないかと思います。

「今回はスイープのポイントはなかったですが、僕もスイープがあったと方が良いと思います。

足関節にしても極めと同様にスイープという役割も果たせますし。得点がある方がより攻防も増えると思います。そうなることで結果的に足関節も極まることが増えるかもしれないですし」

──トップの重要性も理解できるのですが、そこがレスラーやMMAファイターの特色としてテイクダウンとホールディングダウンが強く、トランジッションにいかないという側面もあるかと感じました。

「そうですね、そこに関しても下から上を取ることができる選手は、上から攻めることができるのではないかと思います。

あとバックを取られて相手を落とす、バックマウントで上を向いて胸を合わせる。これもスイープというかリバーサルと見なせると思うんです。上を取り返す行為にポイントがあった方が良いと今日の試合を見て感じました」

──岩本選手の言われるように、それでも選手の戦い方はそれほど変わらないと思われます。と同時に、上下が入れ替わることで得点が動くと、最終試合などはよりエキサイティングになったかと思います(※ちなみに岩本のいうリバーサルのポイントがあったとすると、本戦8-6で木下の勝利)。

「今回はテイクダウンでは背中をつけると、すぐにポイントが入っています。それはテイクダウンは投げ技で、コントロールとして見なしていないからです。だからこそ、良く得点が入りやすくなっています。それもあってスクランブルの攻防も得点が入ることで、見応えがより増してくるかと思いますね」

──ポイントに関しては、最終試合は延長ゴールデン方式が採用されました。EBIのオーバータイムのように『ここまでの戦いは何だったの?』という風にならない一方で、椿選手のマルセロチンの仕掛けがあった状態でしたが、首を取られていても木下選手の投げが成立したという解釈だったのでしょうか。

「あそこも……今後のゴールデンスコアのテイクダウンの定義づけとしてサブミッションを抜けないといけないというのは考慮すべきかと思います。

今回はさきほども言ったようにテイクダウンは投げという判断だったので、あそこで決着がつきましたが。

それと僕的にはスクランブルのエスケープで1P挽回というのも、ガードからでも良いと思いました。サイドで抑えられている状態からスタンドに戻るだけでなく、ガードを取っていてひっくり返すとリバーサルで2点、立ち上がるとスクランブルのエスケープで1点としたルールもトライしてみたいですね」

──下になりサイドを取られた時点で4点を献上している。スクランブルで離れても挽回は1点。対してテイクダウンされてガードを取っている状態からスクランブルに持ち込んでエスケープできると、2Pの献上から1Pの挽回とより接戦化できますね。

シッティングの相手を持ち上げて、後方への投げという豪快は攻防も見られた──が、上の選手が投げて上をキープしたことで得点とはならない

「テイクダウンの定義とスクランブルのエスケープに関しては、詰めないといけない部分ですね。尻もちやバックコントロールからヒザをつかせるという部分でも。

それでも今日のルールでテイクダウンとスクランブルがこれだけ見られ、下が圧倒的に有利ということはなく、総合的なグラップリングに近づいたので、色々と試したいです」

──総合グラップリングの提唱者が、試合で実践するというのは?

「ハイ、普通にこれから僕もアンライバルドで戦っていきたいと思います」

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Interview JJ Globo Special ブログ 今成正和 岩本健汰 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:11月─その弐─岩本健汰×今成正和「組み技の異種格闘技戦を」

【写真】岩本健汰を孤高のグラップラーにさせてはいけない (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年11月の一番、第2 弾は22日に開催されたZST/Battle Hazard08から岩本健汰✖今成正和の一戦を語らおう。


──11 月の青木真也が選ぶ、この一番。2試合目は?

「岩本健汰✖今成正和のブラップリングマッチですね。僕は2人とも組んできていますし、当然のように彼の方が強いことは分かっていました。でも、思った以上に差がありましたね。15分のグラップリングで下を選択して良いルールなので、決着がつかないという予想もありました。

圧倒するからこそ取れないということがあると思っているところで、取ってしまったので。相当の実力がありますね」

──今成選手が組み技で日本人選手に一本を取られるのは、本当に記憶になくて。自分のなかでは佐藤ルミナ戦以来かと……。

「コンバットレスリングだっ!! ないですよね、そこ以外。日本で戦った試合では外国人にだって……ジェフ・グローバーにも取られなかったし。MMAで今成選手からパスを決めた選手はままいますが、グラップリングで引き込んだ今成選手に岩本選手がパスを決めた。あれこそが、この試合のハイライトでしたね。

ボディロックですぐにパスをした。アレが全てだと思いました。得意な形なんですけど、バチっといった。『これは強えぇ』と思いましたね」

──岩本選手の方が大きくはありましたが、そのあたりというのは?

「体格差はありました。でも2、3キロとかの範囲だろうし、いうてもグラップリングですからね。そこの体重差が影響したというのは打撃よりは小さいですよね」

──15分という試合タイム、ここはどうでしょうか。

「10分でないのは大きいです。10分だと守られたかもしれない。15分という時間を設定できたのはポイントだし、そこから戦いも始まっていますからね」

──と同時に、一瞬でも内ヒールに入る態勢に持っていける今成選手も素敵でした。

「岩本選手のチャンレジを受けて立つ、そこは凄いです。40代半ばになって、バリバリの日本一と戦う。勝負論からは下りているからこその味わいがあります。一発あるかもって思われると、そこである意味勝ちでもありますしね。高島さんはこういう言い方嫌いかもしれないですけど、プロレスラーですよ」

──自分、プロレスラー嫌いでないですよ。ロープに跳んで、ラ・ケプラーダやトペ・コンヒーロができるって凄いと思いますし。プロレスをやっているプロレスラーの人に何もないです。でも、MMAやグラップリングだと偽ってプロレスをするのは話が違うと思っているだけで。

「そうでした、そうですね。なんていうのか、でも勝負論がないことを好まない印象はありますよね」

──う~ん、自分のスタンスを話すのも格好悪いですが、勝負論がないことを好まないのではなくて、勝負論がない試合を勝負論がある試合よりPV数を稼ぐために上位に持ってくるのは好まないという感じです。

「違う色は認めると。それは、それで魅力がありますからね。勝負論っぽくて、勝負論じゃないとかは面白くないけど。その点でいえば、今成選手の凄いところは達観しているところなんですよね」

──今成選手の試合が面白くないケースが多いのは、足関節が怖くて入れない対戦相手が多いから。でも、それも勝負の妙で。今回、入っていける相手だとここまで重厚感があって緊張感溢れる試合になるというのを岩本選手が示したかと思います。それに今成選手の場合は足関勝負できる人が、ほとんど一緒に練習している選手になりますし。

「あぁ、気持ちが入らないということですね。そうなっちゃいますよね、面白くなりそうな相手が……練習相手だと。うん、熱くなれないですよね」

──と同時に寝転がって足関合戦ができる選手が、どれだけ少ないのかという表れでもあるかと思います。グラップリングが盛んなるには、もっと門戸を広げないと岩本選手も対戦相手がいなくなってくるという懸念が既にあります。他の上にいる選手、倒した選手が有利というような。

「それって上から下にモノは流れるものだから、米国軸にそういう流れがないと難しいですよね。こっちからメジャーにしていくのは困難です」

──ただし、そこに挑むために国内の普及策ということでは、そういう考えもあるかと思います。

「そうですね。日本のグラップラー、柔術家が海外に出て勝負すると、どれだけテクニックがあってもフィジカルで跳ね返される。テクニック勝負にならないという事実はあるかと思います。そういうなかで、MMAファイターと触れ合うことができるグラップリングというのは必要になるかもしれないですね」

──そのためにはMMAファイターに勝ち目があるルールが、必要かと。

「簡単にいえばADCCルールですよね。ポイントのあるバージョンの。打撃のないMMAというか。MMAファイターもね、グラップリングをやっていないから。そこが必要だからっていうのは、そういうモノがあることで気付く人も出てくるかもしれないですしね。

MMAの人達が……僕もMMAの人なんですけど、MMAの人はグラウンドをやらないから。やらないと、しんどいですよ。最終的には、勝てなくなります。UFCファイターはデキていますからね。

そういうなかで岩本健汰という今の日本で最高のグラップラーは足関の人として出てきたのが、今や足関の人でない。今成さんと取り合って、パスして肩固めで勝てる。固いグラップリングもできる。総合力のあるグラップラーです。

自分でいうのも恥ずかしいですが、僕は影響を与えてしまったと思っています。良くも悪くも──柔術で勝つグラップリングに、MMAのエッセンスを与えてしまった。彼が今のようになったのは、僕の流れというのはありますし」

──では責任を取ってもらって、青木スペシャルで総合グラップリングを組んでもらいましょうか(笑)。

「いわばノーギで柔道家、サンビスト、柔術家とも戦える。昔、中井(祐樹)さんが『MMAファイターだったり、大道塾のようにトータルファイトを標ぼうする人間は、どの競技の人間ともやり合えなくても良いけど、立ち会えないといけない』と凄く良いことを言っていたんです」

──15年前だと、それこそ──そうである人がMMAで突出することがありましたが、今や普通レベルにそれが求められるほどMMAは進化したわけですね。

「まぁ、そこに寝技が欠けているというのが日本の現状ですけど、ボクサーともキックボクサーとも立ち会える。勝てないかもしれないけど、立ち会えますよね。

そういう部分で岩本選手はどんなグラップラーとやっても立ち会える。その彼の世界観が広がるのはノーポイントではないでしょうね。そのグラウンドの戦いの重要性を競技者としてやりつつ、MMAファイターも含め伝えていく責任があると最近は感じています。

岩本選手が岩崎(正寛)選手とやりたいと言っていたけど、そういう世界観じゃない。岩崎選手もやらなくて良いし。反応もしなくて良いです。柔術に対応できてノーギが戦える柔道家とかね……。コロナの状況下ですけど、何か次に良いモノを用意してあげたいですね。要は組み技の異種格闘技戦ですね。

岩本選手は努力の質と量、技術力、何も上から目線で言えない。俺たちがやってやっているというんじゃなくて、協力させてもらっているという立ち位置で……何かできれば。岩本健汰的な世界観が広まれば、回りまわって僕も得する──みたいな有難い話であるので(笑)」

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Interview ONE ONE Big Bang ONE114 ブログ 岩本健汰 松嶋こよみ

【ONE114】かつてない業の持ち主、トノン戦へ。松嶋こよみ─01─「手を置く位置、その一つだけで……」

【写真】もちろん、こういう攻防を知ることも大切だが、それ以外の多くのことを学んできた(C)MMAPLANET

12月4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE114「Bing Bang」。同大会では松嶋こよみがゲイリー・トノンと対戦する。

過去に対戦経験のない組み技、グラップリングの世界の頂点にあるトノンとの対戦を前に、IGLOOブラジリアン柔術、そして今成正和との練習をルーチンに加えた松嶋をABEMA TVのTHE WOUNDERが追った。

MMAPLANETではイグルー柔術での練習後にトノン戦、そして対策に特化したインタビューを行っており、ここで紹介したい。

その形に入られない試合で、入られた状況を想定したトレーニングで松嶋は何を学んだのか。


──ゲイリー・トノン戦に向けて、IGLOO柔術で岩本健汰選手たちと練習をされていました。

「これまで目を背けてきたのがグラップリングだったんです。ロータス世田谷ではMMA選手とMMAのグラップリングはしてきたのですが、グラップリングのためのグラップリングを知るために、やられながら練習させてもらっています」

──これでまで目を背けてきたのというのは?

「試合でも自分がガードを取ったり、マウントを取られるとか、テイクダウン後にスイープされたりとか殆どなかったです。でも、トノンと戦うことがきっかけになったのですが、今後自分が成長していくためにも目を瞑ってはいられない部分でした」

──ロータスでの岩本選手とイグルーでの岩本選手は違いますか。

「違いますね。ロータスでは立ちからで僕が切ったりできるのですが、寝技からのスタートだと組手を一つ、一つしっかりと取られてしまって何もできない。(ABEMAが撮影した)映像に残っていると思いますが、散々やられているので、その一つ一つを自分の中でインプットできているかなって思います」

──その点はMMAグラップリングの時とは、違うということでしょうか。

「そこまで深く触れないというか、スパーリングをやって終わりっていうことが多かったです。

それがイグルーでこうやって練習していると、分からなかったこととか尋ねることができて……手を置く位置、その一つだけで全然展開が変わってきます。それが分かるようになったのも、ここで練習するようになったからなので良かったと思います」

──とはいえ、足関節にしてもその形に入らせないことが一番の試合になります。

「ハイ。と同時に何が起こるのか分からないですから。トノンは特別な選手だと思いますし、自分がいくら切れると思っていても、そういう展開になることは十分にあるでしょうし。今回はそうなると思っています。知らないといけないことです。自分がやりたいことをまずやるのが一番ですが、転ばぬ先の杖というか……間違いなく必要になるので」

──MMAグラップリングのスパーで足関節、三角絞めを狙われることもあったかと思います。そのなかでエスケープした場合、今、ここで得たような知識があって防御できていたのでしょうか。

「多分なかったです。なかったというか、このスパーリングをしてないと立って終わりという考えでした。ここでの練習はそういうことではないので、練習のなかであの形があり、逃げ方を教えてもらえることは大きいです。

本当はああいう風にならない。拒絶するつもりで戦いますが、そうは上手くいかないことは分かっています。ここでの練習で、自分の弱さを知ることができました」

──ゲイリー・トノンも同じような想いでMMAに向き合っているような気はしませんか。殴られそうになっているところで組み合い、下になると殴られる状況で極めに行くなど。

「そんなことないんじゃないですか(笑)。どういう神経をしているのかは分からないですが、あそこまで特別なモノを持っている人はハメれば良いと思っているような気がします。僕は全国チャンピオンになれたわけでもないし、何か突出して突き出たモノはないけど、トノンに関していえば『寝技で勝てる。打撃は貰わなければ良い』という風に考えて、組み立ててくる。組み立て方は向うの方が絶対に簡単だと思うので、それとどういう風に戦うのかがキーになってくるのかと」

──ルールは違いますが、トノンと肌を合わせた北岡選手、青木選手からアドバイスはありましたか。

「北岡さんは『これまでバック取られてきたなかで、もうダメだと思ったのはアレが初めてだった』と言っていました。青木さんは『意識しないほうが良いよぉ』ぐらいのことは言ってくれましたが、それ以上深くは話していないです。

あと今成さんとも練習させてもらっていて、『本当に何でもできるよ』というのは言われています。もちろん足関を意識しているのはありますが、それだけではないです。だからこそ、ここでの練習が役立つと思って練習しています。

ただし、やるのはMMAですから。グラップリングを戦うわけではないですし、準備としてはしっかりできています」

──これまで松嶋選手は、組まれて嫌だという状況で試合をしたことはそれほどなかったのではないかと。

「ないですね。粕谷さんとの試合はバックチョークを意識して練習していましたけど、ここまでレスリングをしたくないという気持ちは初めてです」

──そういうなかで自身の打撃に関しても、考え方は変わってきますか。

「今までと違って、今回は我慢しないといけない試合だと思います。打ちにいっても取られる可能性はあるでしょうし。その可能性があるなかで戦わないといけないので、今回はどこまで我慢できるか」

──打撃を当て、トノンが弱気になった。そこで攻めていくと、一発で足を取られている可能性もあります。自分がいつ有利なのか、心理面を考えることはありますか。

「トノンが弱気になったと思って僕が行くことが嫌なことでないのであれば、自分が出ないことが嫌なことかもしれない。どれだけ相手に嫌なことをするのか──ちょっと当たったからといって強気になって行くのは向うの思う壺でしょうし。

そこは岩﨑先生と話をして考えてきています。打撃にしても、精神的な部分でも話をしてイメージは凄くついています」

──組みになると、逃げる一方でしょうか。

「そうですね。そうしないと危ないです。ロールしてもしょうがないですし、今練習していることがどれだけ生きるのかと──とはなりますが、足を触られてから対処をしてももう遅いと思っています。まずは本当に一方的に逃げるつもりで戦います。

そこをトノンも考えているでしょうし、何手先まで逃げることができるのか。北岡さんとも『1回切られた後のことは考えているよ』とは話していました。スクランブルの際の自分の立ち位置、そういうことまでスパーリングで意識して練習してきました。それが試合で出るかというと分からないのですが(笑)、そこまで意識はしてきました」

──寝技を逃げるというのは、言葉的には逃げるですが、その先に勝利があるので精神的には逃げではない。強い気持ちを持って逃げるということかと。

「あまり相手の気持ちよりも、自分がどれだけ平常心でいられるのか。触られてラウンドを取られたと思った後でも、自分が変わらずに試合に挑めるのか。そういうのを意識しないと、今回は勝てないと思っています。逃げるというのも印象は悪いからもしれないですが、それで相手が疲れるという部分も関係してきます。まぁ、まずは我慢。我慢、我慢、我慢して最終的には勝てる。そういう展開にしたいです」

<この項、続く>

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Battle Hazard08 Interview JJ Globo ブログ 今成正和 岩本健汰

【Battle Hazard08】岩本に破れてなお、組みの醍醐味みせた今成正和「カーフスライサー来てくれないかと」

【写真】今成正和が日本人選手にグラップリングで一本負けは2001年コンバットレスリングの佐藤ルミナ戦以外に、記憶にない (C) MMAPLANET

22日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されたBATTLE HAZARD 08。そのメインで岩本健汰と対戦した今成正和。

14分21秒肩固めに敗れたが、攻める岩本と耐えきる今成という展開から、足関節での一発逆転があるかもしれないというスリリングかつグラップリングの醍醐味溢れる戦いを見せてくれた。

試合終了直後、我慢の展開と足関節の攻防を今成に振り返ってもらった。


──引き込みから許した最初の肩固めですが、相当に荒い息が聞こえてきて。これはここで終わるのかと思ったほどでした。

「そうですね、苦しかったです。青木君がね、『それ、あんまり極まっていない』って言ってくれたから、岩本君も緩めてくれて助かりました(笑)」

──15分の序盤でした。そこで岩本選手も考えたところはあったかもしれないですね。

「そうですね。10分だったら、あそこで極めに来ていたかもしれないです」

──しかし、今成選手の試合は相手が近づかない。グラップリングでもMMAでも、寝技になる相手が距離を取る。そういう展開が多かったのですが、岩本選手が足関節を怖がらず、どんどん攻めていったので攻防が見ることができ、今成選手の極めさせない力も改めて再確認できました。

「そりゃ、練習でやっていますかね。でも……確かにこういう風に攻防が見られた試合は少ないですね」

──その中で肩固めからバックマウント、RNCで攻められる時間もありました。

「あそこは、それこそ想定して練習していたんです。ただ力が思いのほか強くて、ハマっていなくても絞まっていって……ヤバかったです」

──あの攻防は岩本選手も腕がパンパンになったかと思いました。

「いや、どっちも疲れる攻防ですし、腕もパンパンになっているだろうって思っていたんです。でも、全然疲れている様子もなかったです(苦笑)。疲れてくれなかったですね」

──次の展開、トラックポジションの攻防も見応えがありました。

「トラックはカーフスライサー来てくれないかと思っていたんですが……」

──実は私も撮影していて、ツイスターでなくカーフスライサーに移行すれば今成選手が足関節に行くぞ、と待っていたんです(笑)。

「いやぁ、全然来なかったですねぇ(笑)。ツイスターの形だけで終わってしまったから……。あそこはね、仕掛けがあるとチャンスになるので来てほしかったですね」

──まぁ、岩本選手もそこはみすみす危険は冒さないと。

「それはそうですね(笑)。なかなか簡単にはいかないです」

──今成選手もトラックの解除から足関節で攻めていきました。

「後ろを取らせてから、取っていくのは割と得意な形ではあるのですが、簡単にはいかないですね。ちゃんと処置できなかったです。岩本君は防御も上手かったですから、まだまだアレでは極まらないです」

──最後にパス狙いから肩固めに入られました。

「あそこも我慢してみようと思ったのですが、我慢できなかったです(笑)。ドローでもって思ったけど、無理でした」

──しかし、15分というのは岩本選手の戦場でしたね。

「もうチョットで終わったんですけど……(笑)。粘って、粘って、最後にやられて。15分はきついっスね。やっぱり、体が大きかったので、凄く体力で消耗してしまいました。あれだけ体格差があると、15分……きつかったです」

──今成選手に足関節を仕掛けるなんて、ゲイリー・トノン戦ぐらいしか記憶にないです。本当にグラップリングの良さが詰まった好勝負でした。米倉選手と高橋選手もそうですし、ああいう攻めができる下の世代が育っていると、今成選手との対戦が以前より楽しみです。寒河江選手なども……あっ、でも一緒に練習をしているとそうはいかないですね。

「そうなんですよね。こないだのクインテットもそうですけど、一緒に練習をしている人と試合をするのは何か気持ち悪いなって。あんまり好きじゃないですね」

──60キロですが、米倉選手と練習をしたことは?

「米倉さんは触ったことがないです」

──無差別に挑戦すると言っていますし、今成選手と米倉選手も見てみたいカードです。

「そうッスね、いつか」

──いつか……ですか(笑)。

「アハハハハ。そういうのは縁ですから。タイミングで、来たら『ハイっ!!』っていうモノなので。無理やりというか、作るのはあんまり好きじゃないですよね。流れに任せたいです」

──今成選手らしいです。でも選択肢は決して多くないですし、早々にそういうオファーもあるかもしれないです。

「そうっスね。直ぐにあるかもしれないですね」

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Battle Hazard08 JJ Globo Report ブログ 今成正和 岩本健汰

【Battler Hazard08】勝つための動きと防御力が生んだ好勝負。岩本健汰が今成から肩固めで一本勝ち

【写真】掛け逃げや大きく動くというのではなく、格闘という部分でのグラップリングであり、好勝負となった一番で岩本が今成を破った(C)MMAPLANET

22日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されたBATTLE HAZARD 08。KOKルール、道着MMAルールも組まれた今大会から、ここではメインイベント──新旧グラップラー対決=今成正和✖岩本健汰戦の模様をレポートしたい。


<GT67キロ契約/15分1R>
岩本健汰(日本)
Def.14分21秒by 肩固め
今成正和(日本)

立ちレスで左腕を差した岩本が、今成をコーナーに押しこむ。今成はジャンピングガ―ドで引き込むと、持ち上げて落としガードを割った岩本が足を捌いて、頭を胸に置く。ハーフからフルガードに戻そうとする今成が足首を取りに行くも、岩本はボディロックで潰して左腕を差して頭を殺す。

岩本はそのまま今成を跨いで、頭をワキに押し付けてマットにつけ肩固めに。

マウントからスライドさせると、今成の呼吸が相当に荒くなる。一旦マウントに戻って絞める岩本は、今成のブリッジにニーインの状態で抑え&絞めを続ける。次のブリッジに、またも体をスライドさせて力を込める岩本に対し、今成は肩を押して体を捻っていく。

岩本はバックに転じ、四の字フック&シールベルトの態勢に。アゴの上からのRNCに苦し気な表情の今成は両ヒジを開き、手首を取ってエスケープに成功する。ここで岩本はネッククランクのようにアゴの付け根から首を畳みにいく。

残り時間を考えると、絞め過ぎて腕が張ってしまうことも怖い岩本は、今成が腰をずらしてきても背中を取り続け、アゴの上からRNCクラッチへ。今成はヒジを押して腰をずらすとも、ワンフックの岩本がトラックポジションを取る。

ツイスターを取られないようにワキから腕を深くいれさせない今成に対し、岩本は足首を取らせないためにロックダウン。

左足の動きを止めていたが岩本だが、下になった足でなく上になった右足に絡んでいく。今成はここで逆に岩本の右足にサドルを仕掛け、ヒールへ。

すかさずロールし上体を起こした岩本は、右足を取ってサドルを解除へ。今成は左足を岩本の右足に外掛けし、外ヒール。ならばと岩本はロールしながら寝転がり、今成の右足を取って内ヒールを仕掛ける。

左腕を差し込んで防ぐ今成は両手で岩本の右ヒザの周囲を押して腰をずらし、ロールして足を抜きながら上を向く。

立ち上がった岩本は、今成の右足を取って背中をつけて外ヒール。極まらないとみるや再び立ち上がりもう一度仕掛ける。

今成が足を差し入いれて耐えると、岩本は足首を掴み両足を捌いて、一気にパスへ。

ハーフから試合序盤のように、頭を今成のワキの下に固定させた岩本は、残った足を抜きつつマウント&肩固めの態勢に入る。

さらにスライドさせ、暴れる今成を制し渾身の力を込める岩本。ついに今成がタップし、残り時間40秒で岩本は今成から一本勝ちを決めた。

序盤の攻勢から足関節勝負にも持ち込み、削った上での肩固めでタップを奪った岩本は、個々の局面だけでなく15分を通しての戦略という部分でも岩本は見事な勝ち方を見せた。

今後について、ADCC予選もなくなったことで77キロや無差別級に挑戦したいと明言した岩本は、77キロでは岩﨑正寛の名を挙げ、無差別級では同じく同階級では意中の相手との試合が実現しない同門の米倉との対戦もありうると語った。

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Battle Hazard08 Interview JJ Globo ブログ 今成正和 岩本健汰

【Battle Hazard08】今成正和戦へ、岩本健汰「15分間あるから最初は付き合って、足関節で勝負したいです」

【写真】組み技への考え方が変化しつつある岩本だが、足関十段との足の取り合いにも自信あり (C) MMAPLANET

明日22日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるZST69 & BATTLE HAZARD 08。

昼の部=バトルハザード08のメインで岩本健汰が今成正和と67キロ/15分1Rのノーポイント&サブオンリー戦を戦う。

足関十段に対し、新足関時代の寵児から総合的なグラップリングに目覚めた岩本健太はどのような組み技対決を挑むのか。

過去に国内では足関節勝負をしたことが、ほぼほぼない新旧対決へ、岩本の心境を尋ねた。


──今成選手とのグラップリングマッチがいよいよ、明日に迫ってきました。今の調子はいかがですか。

「今回は今成さんに合わせて67キロ契約で戦うのですが、1カ月ぐらいかけて体重を落としてきたので、体調はまぁ良いです。最近は大きくなっていて、普段は73、74キロあって減量は少ししんどかったですけど、しっかりと時間をかけて落とせました」

──今更ながらですが、今成選手の印象を教えてください。

「今成さんとは以前にロータスで週に一度、火曜日に練習をしていたので、それほど戦いたい相手ではなかったです。たた足関節対決という意味では、凄く面白いとは思います」

──今では岩本選手は総合的なグラップリング、テイクダウンも投げも組み技という認識になっています。そこで引き込んで下、足関節に特化したスタイルというのはどのように考えているのでしょうか。

「今の僕は立ちから練習をやっているので、今成さんとの試合で出てくる場面は練習であまりやっていないです。でも元々、足関節は得意だったので足関対決でも自信はあります。

15分間あるから最初は付き合って、足関節で勝負したいですね。時間が経ってしまうと上からでも、下からでも普通に攻めていきます」

──今成選手の足関節を怖がると、攻防が生まれなくなる。そんな試合が何度もありましたが、岩本選手は足関を恐れることなく足関対決も、他の攻撃も仕掛けられるということですね。

「僕も足関節ばかり使っていた時は、対戦相手がディフェンシブになっていました。その点で、今成さんは攻防に付き合ってくれるだろうし、面白い展開になると思います。僕からガンガン攻めますし、足関節を怖がらず他の技も仕掛けることができます」

──おお、それは楽しみです。引き分け有りの15分1R、ドローも狙えるのが今成選手です。

「それは……あり得ますね。今成さん次第で、引き分けになっちゃう可能性もありますが、そこも含めて15分間で決着をつけたいです。僕としては時間無制限で決着がつくまでというのが一番ですけど、そうもいかないので15分の間に極めようと思います」

──リングでの戦い、今成選手は慣れていると思います。

「あぁ、確かにリングっていうのはちょっと不利ですね。慣れていないし、タッグマッチでやっただけなので正直戦い辛いです。

ロープが無ければ回れるとかありますし、あれだったらケージの方が詰めて戦えるので良いですね。ロープは体が外に出てしまうので、やり辛いです」

──ところでコロナ禍の影響で、ADCC世界大会が1年延期されました。

「その分、自分が成長できる期間も伸びるので気にしていないです」

──2021年もグラップリングを興行のなかで戦っていきたいですか。

「そうですね。どうしても対戦相手は日本人選手が多くなると思うので、66キロでなく減量をしないで77キロぐらいまで戦っていこうと思います。66キロは国内には戦いたい相手がもうあまりいないので、重い階級で戦ったことがない選手とやっていきたいです」

──なるほど。では最後に、明日に向けて意気込みをお願いします。

「そうですね……今成さんとは、これからも仲良くやってきたいのですが、明日だけは倒したいと思います」

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Battle Hazard08 JJ Globo News ブログ 今成正和 岩本健汰 未分類 米倉大貴 関根シュレック秀樹 高橋サブミッション雄己

【Battle Hazard08】岩本✖今成に続き、米倉✖高橋サブ。シュレックはKOKルールで初参戦!!

【写真】GTFトーナメント2階級の優勝者とMMAグラップラーの対戦(C)KEISUKE TAKAZAWA & MMAPLANET

29日(木)、ZSTより11月22日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスが開催されるZST69とBATTLE HAZARD 08のここまでの対戦カードが発表されている。

ZSTとバトルハザードの二部制興行で、グラップリングやさまざまなモディファイドMMAが見られるバトルハザードは午後1時30分からのスタートだ。


GTFルールで足関十段こと今成正和と国内グラップリング最強=岩本健汰の激突に加え、米倉大貴と高橋SUBMISSION雄己の対戦も決まった。GTFトーナメント60 キロと65キロの優勝者がMMAグラップラーを迎え撃つ形だ。

これは無しルールでの参戦(C)KEISUKE TAKAZAWA

また今大会ではジャケットMMAも組まれており、松本大輔と谷井翔太が対戦する。さらに関根シュレック秀樹選手のZST初出場も決まった。

柔道&柔術からMMAに挑むシュレックだけに、ここも道着MMAと思いきや──平信一とKOKルールで戦う。今やプロレスと格闘技の二足の草鞋を履くシュレックだけに、戦っておくべきルールなのだろう。

さらにGTR初の女子トーナメントは、現状として杉内由紀、村上彩、坂元和子、木越めぐみ、岸野紗弥加、鈴木悠花里の参戦が決定している。ZSTの戦うおもちゃ箱、そして実験及び体験リーグ=バトルハザード、コンバット柔術も含めどのような追加カードがあるも楽しみに待ちたい。

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Interview JJ Globo ブログ 岩本健汰

【Special】10月22日(木)発売のFight &Lifeで組み技観を熱弁した岩本健汰が話したIBJJFのヒール解禁

【写真】今や日本を代表するグラップラーの岩本は、IBJJFノーギのヒール解禁によってどのような変化が起こるかを鋭く予想した(C) MMAPLANET

IBJJFが2021年よりノーギの茶と黒帯でヒールフックを解禁──が、どうやら決定的なようだ。グラップリングの世界の趨勢はノーポイント&サブオンリー、それでいて世界最高峰とされるADCCは、前半はノーポイントで後半はポイント有りルールが採用されている。

近年ポイントの有無、ヒールの有無により柔術とグラップリングは明確な別競技として発展してきたなか、ノーギ柔術でヒールが解禁される。

日本ではブラジリアン柔術の普及以前にMMAの寝技でヒールが使用されていたこともあり、その世代の柔術家のなかには黒帯はヒールを解禁すべきという主張も聞かれてきた。ノーギとはいえIBJJFの柔術でヒールが解禁される。

10月23日(木)発売のFight & Lifeでは、岩本健汰が世界のグラップリング・シーンについて語りつくすというインタビューが掲載される。ADCC、オンリーサブ、足関節、そしてスクランブルとフォークタイルレスリングを語るうち意外なグラップリング観を熱弁し始めた岩本健汰が話したIBJJFのノーギにおけるヒール解禁とは。ここでは、この部分を抜粋してお届けしたい。


岩本健汰
「ノーギ、グラップリングしかやってない人間には嬉しい決定ですね。これまではヒール禁止だったので、サブオンリーで活躍している人はIBJJFノーギにはあまり出ていなかったですが、今後はIBJJFの大会にもサブオンリー出身の人が出やすくなりました。参加者も増えるだろうし、大会を勝つことによって得られる評価も上がると思います。

これにより柔術とノーギは競技としてより分離して、柔術しかやっていない人はますます勝てなくなるし、ノーギ専門の人はより勝ちやすくなったと思います。

ヒールフックが解禁されると、今まであまりなかった展開が増えてきます。例えば、上の人は頑張って相手のガードをパスすることに集中してきましたが、これからは上の人が下の人の足を抱えて引き込んで、ヒールを狙いやすくなりました。

上の人のサブミッションの選択肢が増えるし、下の人もよりヒールを警戒しながらガードしないといけないので、パスのチャンスも増えると思います。何より50/50の攻防が、ディフェンシブだったのが、サブミッションとスイープ両方取り合う攻めのポジションになります。

僕自身はポイントもヒールもある方がサブオンリーに比べて、より展開が早くアクションが増えると思います。ただし、選手全員がヒールフックを理解しているわけではないので、ヒールフックを一切知らない選手でも、とりあえず踵を引っかけてアドバンテージを取る──そんな人も増えるかと思います。

ヒールは相手の足がちょっとずれただけで、極められなくなってしまう難しいサブミッションなのですが、踵引っかけただけでレフェリーがアドバンテージを容易に与えてしまうと、極まらないヒールの取り合いになる可能性もありますね」

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Battle Hazard08 JJ Globo Report ZST ブログ 山中健也 岩本健汰 森戸新士 高橋サブミッション雄己

【Battle Hazard08】タッグマッチの妙、岩本&山中✖森戸&高橋はドローに

【写真】森戸から高橋へのタッチ。たらればだが、中央で戦っていると極まっていたのだろうか。いずれにせよ、タッチワークは即席チームが上だった(C)MMAPLANET

<GTFタック王座挑戦者決定戦/15mins 3 Sub>
岩本健太&山中健也(日本)
Draw.
森戸新士&高橋サブミッション雄己(日本)

岩本と森戸でスタートし、森戸が右足を狙って下になる。即、ヒザを畳んで対応した岩本は頭をつけ、ヒザを殺してトップをキープする。

パスのプレッシャーから森戸が離れようとすると、岩本は左足を取って内ヒールへ。森戸立ち上がると外ヒールに移行してヒザにプレッシャーを与える。

たまらず森戸は、高橋にタッチした。岩本はそのまま高橋と向き合い、高橋が左足に外ヒール、立ち上がった岩本は左足を取って回転し、ここもロールができないヒザをプレッシャーを与えるアウトサイドヒールをセットする。

と、高橋も森戸にタッチし一本を逃れた。相手チームが2度タッチしてなお、岩本は森戸と向き合い右足を取りつつ、蹴ってきた左を捕らえるなど徹底して足関ゲームを続ける。

森戸も自陣から遠いコーナーでの仕掛けに必死に爪先を掴み、コーナーを座るように防御する。RNグリップの危険な外ヒールも、立ち上がって足を抜いた森戸は高橋に代わった。

ここで岩本も山中にタッチし、高橋が引き込む。山中は腰を抑えてパス狙い、高橋は粘って足を越させない。必死で脛を当てて耐える高橋はタッチを選択した。

ならばと山中も岩本と交代へ。慣れないリングとロープ、エプロンに出ようとした山中とリングに入ろうと岩本の頭がぶつかる(笑)。

その岩本は下になると、森戸は手を差し入れて足を取らせない形で動く。そして残り時間僅かというところで足を取り合い、タイムアップに。王座決定戦は形として一本がなくドロー。挑戦チーム決定は主催者預かりとなった。