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DEEP95 Interview J-CAGE しなしさとこ にっせー ブログ

【DEEP95】5月6日のにっせー戦がなくなった、しなしさとこ─01─「息子と別々に暮らし練習していました」

Shinashi【写真】なぜ、この写真なのかは──後編で明らかになります (C)SATOKO SHINASHI

5月6日、DEEP95=後楽園ホール大会でDEEP女子アトム級選手権試合で、ニッセーと対戦予定だったしなしさとこ。

大会は中止となったが、昨年4月にキャリア3戦目のにっせーに負けた事実を彼女はどのように捉えていたのか。そして、再戦に向けコロナ感染拡大が続くなかでの練習への取り組み方──中止決定後の生き方について──自由人しなしさとこに尋ねた。


──まず昨年12月に、にっせー選手に敗れてから4カ月。再戦する予定だった大会が中止になりましたが、まずキャリア3戦目の選手に敗れたことについて、どのように捉えていましたか。

「あの時は……交通事故にあっちゃったみたいな感じでした。勝ち続けないといけないっていうプレッシャーは格闘技を始めてから持ち続けてきたのですが……あの試合は、やっちゃたなって」

──周囲はどのような反応でしたか。

「(練習パートナーで、セコンドを務める若林)次郎さんは、『負けたんだから、またやって勝てば良いだろう』っていう感じで凄くクールでしたね。私は勝ち負けに拘り過ぎる人間で、常に勝たないと我慢できない性格なので……」

──分かります(笑)。

「なので、試合後に顔が腫れて次郎さんが『とりあえず氷を当てて』と言ってくれても『氷なんて要らないっ』、『キーっ』って感じで」

──キーっですか(笑)。

「ハイ、もう悔しいし負けを認めなくないし。そうしたら次郎さんは『まぁ今は考えられないかもしれないけど、次にやって勝てば良いのだから。今はとにかく休んで』っていう風でした」

──プロ練習に参加しているグランドスラムの勝村周一朗代表は?

「周ちゃんは会場にはこられなかったのですが、あとから会った時に『やっちゃったね』みたいな感じでした。それと『女子と練習する時間を増やして』と言ってくれて、5月の試合の準備をしているときも、周ちゃんところの女子選手と練習をするようになっていたんです」

──グランドスラムでは女子選手と練習できる環境が今あるのですか。

「あの試合に負けるまでは沙弥子がプロ選手ではいるのですが、彼女は日中に働いているからプロ練習に参加できることが少なくて。私は子供がいて逆に夜の練習に通うことはできないから、ほんの少ししか練習したことはなかったです。でも、あれからはアマチュアの子とも一緒に練習しています」

──しなし選手が女子と練習するのは、もう2000年代の序盤移行は印象がないです。

「でも滝本美咲ちゃんは近所に住んでいたので、週末は一緒に練習させてもらっていましたよ。今は道場が閉まっていてできないですが、今年はグランドスラムで女子とする練習は増えていました。女子とやるときは、なんか気持ちの持ちようが違いますね。やっぱり女子は女子と練習すべきだったんだって改めて思うようになりました」

──気持ちが違うというのは?

「ピリピリ感が違いますね。なんか私、子供を産んでからピリピリ感を失っていたなって。やっぱり人と揉めることが嫌いになるし、角が取れて丸くなってしまっていて。居心地良い生活を求めると、自分の世界が居心地の良くなっちゃっていて」

──ある意味、当然なのですが。

「ハイ、普通に生活しているなら当然です。でも私はまた戦うようになっていたし。それなのに練習中に他の人とぶつかると『大丈夫?』って気遣ったり、合間に笑顔で話すとか、そんなもん練習中に必要ないのに。

ピリピリしていないと、私は体が小さいから労わってって思ったりして(笑)。何のための練習だったのって。それがキャリアの少ない女子選手が、200パーセントで向かってきてくれて。組んじゃうと差があるので、打撃でガンガン来てくれるのが、今の私に必要な練習になっています。

もちろん次郎さんと繰り返して反復練習をするという軸は崩さないで、そこに女子選手とのスパーリングを取り入れて、凄く良い練習ができていました」

──女子、体格の二重苦をようやく解消しつつあったと。

「ハイ。そうやって練習していると、前の負けも吹っ切れちゃって。だって誰だって負けるのに。無敗なんて無理ですから。今からすると、ようやく自分の階級ができたことで浮かれていて集中力が欠けていたかもしれないです。でも、タイトルマッチでもないし普通の試合で、やっちゃっただけだから」

──負けの認め方も、負けず嫌いじゃないですか(笑)。

「アハハ。そりゃ1つの負けで、全てを持っていかれるのは嫌だなって思いますよ」

──ただ交通事故とはいっても、あの前蹴りはにっせー選手が練習してきた技で。そこを貰ってからペースが崩れたというのはあります。

「そうですね、見えていなかったです。(渡辺)久江の時のように一発でやられていたら納得できるのですが、それがないから『なんで止めるの?』とはなっちゃいました。

vs Nisse組んで大内に行った時にケージを掴まれて。それも想定していたのに、慌てていたから右フックとかもらっちゃいましたし。でも、離れ際のパンチとか足関節の対応とかはしっかりと対策を練られていたなって思います」

──いや、やはりメッチャ悔しそうですよ。

「そうそうそう(笑)。でも、良いことでしょ?  悔しいって。まぁまぁまぁ負けちゃったから、しょうがないですけど腹の底からクゥーってなりましたからね。私ってキキキキっていうオバサンの怒り方じゃなくて、クゥーっていう怒りが勝つまでずっと続くんですよ。それがあったから、なんか私はまだまだできるなって思いました」

──そして再戦が決まったのですが、格闘技に限らずスポーツ、エンテーテイメントが軒並み中止になるなかで、コロナ感染の恐怖などはなかったですか。

「ハイ、格闘技の対人練習は濃厚接触ですからね。そこは……ですね。私には息子がいるし、あの子に感染させちゃ絶対にダメだと思っていました。かといって私が実家へ行っても両親も高齢ですから、寝泊りなんてできない。だから小学校が休みになった時点で息子と別々に暮らして、練習をしていたんです」

──えっ? いや……しなし選手、それは正気の沙汰ではないですね。

「ですよね。でも、勝ちたいから練習をしないわけにはいかないし」

──う~む……。

「そうしたら、犬を飼うようになっちゃいました(笑)」

<この項、続く>

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News other MMA エヴァンゲリスタ・サイボーグ ジョン・リネケル ハファエル・コルデイロ ファブリシオ・ヴェウドゥム ブログ マウリシオ・ショーグン ヴァンダレイ・シウバ

【NEWS】サイボーグがオークションにPRIDE勝利者トロフィーを出品。コロナ感染で人々の救済訴える

E.Cyborg【写真】サイボーグの試みに、旧チームメイトが声を挙げてサポートする(C)BELLATOR

28日(木・現地時間)、ブラジルのナンバーワンMMA&柔術記者であるマルセーロ・アロンソ氏からMMAPLANETに、ぜひとも日本のMMAファンに伝えて欲しいという連絡があった。

アロンソ氏によると、シュートボクセ所属時代にパンクラスやPRIDE、戦極で戦い、その後もStorikeforceやBellatorで活躍したエヴァンゲリスタ・サイボーグが、PRIDEで獲得した勝利者トロフィーをLeilão Cidadão Solidário=一致団結した市民オークションに出品し、そこで得た全金額を寄付し新型コロナウィルス感染拡大で苦しむ人々をサポートするという活動を始めたとのこと。
Special Thanks to Mrs.Yuko Hirakawa Queiroz Sousa


Cyborgサイボーグは現在ブラジル・マットグロッソ州のホンドノーポリス在住で、ブラジルでは7万人以上の感染者が確認されており、死者は5000人を超える状況だ。

マットグロッソ州では300人を下回る感染者数とはいえブラジルではジャイール・ボルソナーロ大統領が「コロナ封じ込めより、経済優先」という方針を露にし、「国民の7割が感染、どうしようもない」などという発言をし、世界からヒンシュクを買っている。

結果、新型コロナ感染の実態がつかみきれないばかりか、主要官僚の離反が相次ぎ、通貨安が止まらず経済の悪化が進むという負のスパイラルにある。そして経済活動がストップすることで、真っ先に困窮する弱者の救済にサイボーグは取り掛かった。

今回サイボーグは2006年9月10日のPRIDE無差別級GP決勝大会で 西島洋介と対戦しRNCで勝利した際に、手にした勝利者トロフィーをオークションに出品する。最初の価格を1000ドル(約10.8万円)からだ。

このサイボーグの試みにシュートボクセ時代の師匠やチームメイト等から以下のような賛同の声をLeilão Cidadão Solidárioがアップした動画で挙げている。

フジマール・フェデリコ
「このトロフィーは計り知れない価値がある。サイボーグ、私もこのオークションに参加するよ」

ハファエル・コルデイロ
「チャンピオンの行いだ。君を誇りに思う。皆が、彼を我々と同じようにサポートすることを願っている」

ヴァンダレイ・シウバ
「自分もPRIDEのトロフィーをいくつか持っているし、ファイターにとってどのような意味があるか理解している。MMAが好きで、このトロフィーを収集したいならこの機会を活かして欲しい」

ファブリシオ・ヴェウドゥム
「もうPRIDEは存在しないけど、あそこで誰が戦っているのは皆が知っている。さぁ、助け合おう。サイボーグ、本当にありがとう」

マウリシオ・ショーグン
「試合で勝って、このトロフィーを手にした時の気持ちは僕も知っている。この斬新なアイデアに賛同してほしい。サイボーグが多くの食事を必要な人に届けられることを願っている」

ジョン・リネケル
「このトロフィーは日本で最大の団体だったPRIDEのモノなんだ。人々を助けたいという行動を祝福したい。皆に神のご加護を」

「日本のMMAファンの皆さんも、ひぜこの動画に目を通して欲しい」というのが、ブラジルのルタドール達、そしてマルセーロ・アロンソの願いだ。

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Bu et Sports de combat Interview クーサンクー サンチン セイサン ナイファンチン パッサイ ブログ 岩﨑達也

【Bu et Sports de combat】なぜ武術空手に型の稽古は必要なのか─02─サンチン01「根幹となる呼吸」

Sanchin【写真】松嶋こよみのサンチンの最初の流れ (C)MMAPLANET

型、中国武術の套路をルーツとされるなか沖縄で手の修得に用いられた。それが空手の型だ。元々は一対一、あるいは極小人数で稽古が行われていた型は、明治期に入り空手が体育に採用されることで、集団で行う体力を養う運動へと変化した。

型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也師範は「型と使って戦うということではない」と断言する。自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない型稽古を剛毅會ではサンチンから指導する。

なぜ那覇手のサンチンから型を学ぶのか。そしてサンチンが持つ意味とは何なのかを今回から探っていきたい。

<なぜ武術空手に型の稽古は必要なのか─01─はコチラから>


──今、空手界には多くの型が存在しています。

「剛毅會で取り入れているのは、5つです。サンチン、ナイファンチン、クーサンクー、パッサイ、セイサンですね。5つの型を稽古していますが、求めているのは1つだけなんです」

──それもどういうことなのでしょうか。5つの型を稽古して、求めているモノは1つというのは。

「勉強をしているのは、ある法則性なんです。サンチンでは全ての根幹になる武術の呼吸を、ナイファンチンでは戦い方の基本を、クーサンクーでは四方に対する戦い方を、パッサイでは途切れることない技の流れを、セイサンでは究極の一挙動を学びます。

これからどういうことなのかは、これから説明していくことになりますが、この5つの型を稽古して、求めるものは一つ、原理原則なのです。

だからサンチンでやっていることが、ナイファンチンだったり、ナイファンチンで要求していることをクーサンクーでやったり。最後にセイサンをやって、そこでサンチンが理解できることがある。だから、5つの別々の型をやっているのではなく、1つのことを追求するのに5つの手段をこうじているということなんです」

──1つのことを求めるのに、なぜ稽古する型はその5つに絞られたのでしょうか。

「型はもう本当に色々なモノがあり、私がやる武術空手と系統が違うモノが山ほどあります。その多くが日本に入ってきて、整備された後の型なんです。そして私がこの5つの型を続けているのは、〇〇流の型だとか、〇〇先生の型ということではなく、MMAのなかで自分自身の組手が変わったのが、この5つの型があったからなんです」

──組手が変わったというのは?

「まぁMMAだろうが、私は空手家だから組手です。それまで20年間変わらなかったものが、ある日急に変わりました。『これは何だろう?』となりましたね……。それ以前は型に何かがあるというのは全く思いもしていなかったです。型をやらされていて……いみじくもやらされていてと発言をしましたが、そういうものだったんです。型が組手にどうつながるのか、全く学んでいなかったです」

──組手と型はまるで別物だと。

「ハイ。本当に別物でした。昇段審査のためにやる。伝統派空手の型競技とも違いますし、自分がやってきた型も組手には関係なかったです。だから、今では格闘技と武術は違うと言っていますが、自分自身のなかでは組手で勝つために型をやりました。

それは松嶋こよみが型の稽古をする理由とは違うかもしれない。ましてや格闘技をやっていない人が、ヨガのように健康法として型をやるのとも目的は全く違うでしょう。ただし、自分の状態を知ることと、他との関係を知るという真理は格闘技にも、健康のためにも役立つことです」

──沖縄空手には那覇手、首里手、泊手が存在していましたが、サンチンは那覇手、ナイファンチやクーサンクーは首里手や泊手。そのなかで岩﨑さんはサンチンから、まず稽古をします。

「別にナイファンチからやっても良いと思います。ただし、私が習った順番がサンチンからだったので、その順序で指導しているということです。系統的にいえるのは、私のやっているサンチンは那覇手の東恩納寛量(ひがおんな・かんりょう)先生のサンチンです。その後、教え子の宮城長順先生が剛柔流空手を開きましたが、私が習ったのは東恩納寛量先生のサンチンだと聞いています」

──剛柔流でないということは……つまり。

「弄られていないモノですね」

──東恩納寛量のサンチンが残っていたというのが、凄いことですね。それはいつ頃の話になりますか。

「15年ぐらい前ですかね。とにもかくにもサンチンでした。だからサンチンから指導する。これは私の感覚なのですが、そもそも私が習った先生から、『空手という武術の稽古は、那覇で鍛え、首里で使う』という沖縄に伝わったとされる言葉を教わりました。

空手を学ぶにしても、どういう体質なのか、どのような人間なのかでそれからは決まってきます。だから素材を理解せずに、使い方だけ覚えても限界があります。サンチンで自分という素材を把握して、なおかつ開発していくのです」

──5つの型を稽古して、一つのモノを求めるということですが、サンチンが基礎、根幹をなすということですか。

「根幹になる呼吸ですね。型の基礎、根幹ではなく。どのような畑でどのような作物を作っていくかということに近いかもしれないですね。これもいずれ詳しく説明しますが、武術には口からの呼吸とカラダの呼吸があります。

サンチンでは口からの呼吸を通してカラダの呼吸を学びます。呼吸は農作における田畑や気候などであり、それにより出来上がる作物こそ、武術でいうところの技になります。サンチンによって、技は当然変わってくるんです。そして呼吸は突き詰めれば詰めるほど深く、強くなっていいきます。その呼吸により養われる破壊力は、加齢に関係なく上がっていくという実感があります。

これも私の考えですが、エビ、ヒップエスケープが仮に寝技の根幹だったして柔術や柔道に存在するとします。それは柔道や柔術をやる人にとっての基礎ですよね。ゴルフや野球にも、そういう根幹があるでしょう。

でも、それはゴルフや野球をやらない人には関係ないです。エビは柔道や柔術をやらない人には関係がない。でもサンチンをやっていると立ち方から、自分の動き、その癖を理解できるようになります。サンチンとは柔道や柔術をする人達、野球やゴルフをやる人々にも役立ちします。つまりは空手、MMA、格闘技をやろうがやるまいが、型を学んで損はないということなんです」

<この項、続く>

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ABEMA Fighter's Diary Interview J-CAGE ROAD FC ブログ 上迫博仁

【Fighter’s Diary con on that day】「試合がない日々」を生きる上迫博仁の声 on 2016年9月17日

Hiroto-Uesako【写真】フェザー級への減量、その過酷さが感じられる当時の上迫 (C)ABEMA&MMAPLANET

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.03が25日(土)より、アップされている。

完結編=第3弾でクローズアップされた格闘家は那須川天心、山本美憂、松嶋こよみ、和田竜光、大沢ケンジ&上迫博之、藤野恵実の7人だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送されている。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第17回は2016年9月20日公開、9月17日に取材した── Road FC33でのホン・ヨンギとの対戦 を控えた──上迫博仁のあの日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

──すでにかなり頬もこけていますね。

「ハイ、体重はあと4キロか5キロぐらいなので見えています。あとは調整って感じですね」

──この時点で(※取材は9月17日)残りそれだけということは、あまりドライアウトはしない方ですか。

「半身浴やサウナで落とすことはなく、動いて落とします。なので計量前夜にソウルに行くので、ほぼほぼ落とした感じで行って、あとは代謝で落ちるぐらいにしておきます」

──水抜きは水抜きで大変ですが、それでも前日に現地入りして計量会場はホテル内。対して、日本で体重を落としていくとそれでも計量前日に6、7時間ぐらいの移動があります。

「そういう経験がなかったのですが、いつも通りの感じであまり気にしないようにしています。計量の日に移動するわけでもないですし。大丈夫だと軽く考えています。フェザー級に落として最初の方はライト級の感覚でやっていて辛かったですけど、最近はカレンダーに目標値を入れて、その通りに落ちるようになっていますし。いつも通りという感覚になっています」

──水抜きをしないのは?

「やっぱり2年前の10月の高橋(憲次郎)戦で計量をミスした時のことがあります。あの時に半身浴で落としていたんですけど、もう呼吸もできないような感じで動けなくなってしまって。あれから水抜きでなく、体を動かして落とすことにしました。それ以来、試合の時も体が軽く感じられて、よく動けるようになりましたね」

──水抜きなしだとリカバリーはどれくらいですか。

「10キロぐらいですね」

──そんなに戻るものなのですか。

「ハハハハ。僕は戻ります。体を動かして、筋肉から水分を取る。バスタブでやっていることを動いてやっているようなものですし。もうお風呂とかサウナは怖くて入ることができなくなりました」

──追い込みのピーク後も動き続けているということなのですね。

「計量の前日は代謝で落とすので、2日前までは普通に動いています。自分と向き合うというイメージでは、動いて落とす方が好きです。計量オーバーで色々な人に迷惑をかけてしまいましたし、大沢(ケンジ)さんにも心配を掛けるなら、体重でなくて技術面や試合の組み立て方で心配してもらう。そうでないと申し訳ないので」

──では開催日時、開催国も代わっていよいよ試合を迎えます。

「実はロードFCのことは何も知らないんです。全階級、チャンピオンが誰かも分かっていなくて。いや、福田(力)選手がチャンピオンなのは知っています」

──そう自信満々に言われても、福田選手は1月に王座陥落しウェルター級王者はチャ・ジョンファンですよ(笑)。

「アッ、そうだったんですか(苦笑)。そんなぐらいしかロードのことはイメージがなくて。ただ、韓国自体は今MMAが盛り上がっていること、選手が強くなっていることは伝わってきています。

そこで戦えることがまず、嬉しいです。日本を出て、お隣の韓国で試合をするのも良い経験だと思っています。いずれ僕は海外で勝負をしたいと思っているので、まずは隣の国から攻めてやろうと(笑)」

──では対戦相手のホン・ヨンギについては、どのような印象を持っていますか。

「映像を見ていると、ホン・ヨンギ選手は何か人気がありますよね。凄い応援を受けていますし。日本の全盛期の雰囲気も伝わってきます。色々と煽りもしているようだし、そういうロードFCに出られることは本当に良かったと試合前でも思っています」

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DEEP95 Interview J-CAGE ブログ 小見川道大

【DEEP95】5月6日のDJ.taiki戦が無くなった小見川道大─01─「落ち込んでいられない。今は山トレです」

Omigawa【写真】こんな時も笑いも交えて、現状を話してくれた小見川 (C)MMAPLANET

5月6日、DEEPでDJ.taikiと対戦予定だった小見川道大。今月7日に佐伯繁代表がDEEP JEWELSとのダブルヘッダーの中止を発表した。

ファイターとしてだけでなく、道場で指導を行い、少年柔道の大会も主催する彼は、この間──そして今をどのように過ごしているのだろうか。

柔道家、小見川道大に訊いた。


──今回はファイターとして、そして柔道場の指導及び経営者として小見川選手の話を伺いたいと思います。

「ハイ、宜しくお願いします」

──まず5月6日に決まっていたDJ.taiki戦、大会自体が今月7日に中止が発表されましたが、それ以前にも小見川選手の周囲でコロナ感染拡大の影響があったかと思います。

「まず3月1日に少年柔道の大会を主宰する予定だったのですが、コロナ感染の影響で延期を決めました。なら、自分が試合したいと思いました。あの時は5月になれば騒動も落ち着いているという気持ちでいたんです。

正直、少年柔道の大会を開けなかったのは気持ち的にも落ち込みましたし、子供たちにも自分が戦うところを見せてやろうという想いでした」

──しかし、現状を考えると五輪の開催を視野にいれていたことは信じられないですね。

「ハイ……本当に。あれからイタリア、米国と感染が拡大した時には、ちょっとこれはヤバいなってなってきましたね。僕自身、試合に出る気満々で調整をしていたのに、こんな状況で試合をして良いのかという気持ちが大きくなっていきました。

米国で柔道の指導をしている方から現地の説明をしてもらっている時にも『日本が簡単に捉えていると、感染拡大は一気に来ますよ』っていう話になって。深刻さが日本とはまるで違うので、だんだんと考えるようになりましたね。3月の終わりぐらいから、本当にそんな風になっていて──僕も結局、伝える前に中止の発表があったのですが、試合に出るのは止めると佐伯さんに連絡を取る気でいました」

──小見川選手も弥益選手と同じ考えになっていたのですね。その頃は道場の方も休館されていたのですか。

「そうですね。1度、3月に休館して──そこから、道場で柔道をするのではなく、公園に行って一緒に運動したり、遊んだりする感じで子供たちとは接してきました。

それが全柔連から緊急事態宣言が東京や神奈川にあったときに道場での集団トレーニングの自粛要請もあり、道場が閉めたままです。子供たちのとの公園での運動をストップしました。もちろん、月謝ももらわない状態です」

──正直、道場主として休館し、ファイターとして試合に出ない。なかなか厳しい状況ではないでしょうか。

「収入はゼロですよね(苦笑)」

──小見川パイセンは豪快な人だけど、繊細なところもあるじゃないですか。だから、落ち込んでいないかと……。

「いや、落ち込んでいる場合じゃないですよ。道場に通っている子供たちは、僕を本当に慕ってくれています。あの子たちに落ち込んだ姿なんて見せられないですからね。今も1日に2度、オンラインで指導しています。

ゲストで日本代表の選手を呼んで、インスタで子供たちと話してもらったりとか。道場内だけですが、そういう活動は続けています。コロナが落ち着いた時に、子供たちが元気で柔道をできる。そのために動き続けたいです」

──いやぁ、パイセン恰好良いです。

「いや……アハハハ」

──今、人間の本質が見える時かと感じます。

「僕は格闘技に関しては、自分のエロ……じゃなくて、エゴでやっています」

──こんな時にもありがとうございます(笑)。

「アハハハ。柔道をやってきて、格闘技……MMAでも柔道を貫いてきました。柔道場を持つようになり、僕に柔道を習いたいと言ってくれる子供たちが入門してくれた。

小見川道場、僕にとって一番大切なのは子供たちなんです。ここで子供たちが稽古ができなくなると、絶対に柔道人口は減ってしまいます。

ウチの子供たちだけでなく中学3年生、高校3年生、もう柔道だけじゃないですよね……打ち込んで来たものの集大成をぶつける大会がなくなる。本当に可哀そうなことで……。でも、皆、こんな時でも自分がやってきたことを続けて欲しいし、小見川道場の子供たちも柔道を続けて欲しいんです」

──いやぁ、パイセンに会ってからもう10年以上かと思いますが、これまでで一番良い話を聞かせてもらっています。

「アハハハ……いや、まぁ……」

──パイセン自身の稽古は今、どうされているのですか。

「続けていますよ。もちろんです。試合は自分を恰好良く見てもらう場で、さっきも言ったようにだからエゴなんです。でも格闘技を続けているのは、試合に勝つためじゃなくて自分が強くありたいからです。

だから試合がなくても、体は鍛え続けていけないです。ただ今は対人練習は全くしていない。自分と向き合う練習ですね」

──自分と向き合う……それはどのように?

「山トレです」

──山トレ?

「道場から走って5キロほど走ると、山トレに絶好の場所があって。まぁ……やっていることは道の無いところで斜面を這って登り、そこからまた下りていくということですけど。上がる時は相当の運動量ですが、下りるときも転ばないようにスピードをつけて下りるので、バランスを取る鍛錬になります。判断力も必要になってきますしね」

──いやぁ、野獣トレですね。

「山に行くと、自然界から色んなモノが見えてきて、色々なことを考えることができます。それを週に3回ぐらいやっています」

<この項、続く>

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ABEMA Fighter's Diary Interview J-CAGE ONE PXC ブログ 松嶋こよみ

【Fighter’s Diary con on that day】「試合がない日々」を生きる松嶋こよみの声 on 2015年8月7日

Otsuka-Matsushima【写真】22歳の松嶋こよみ、若い!! (C)ABEMA&MMAPLANET

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.03が25日(土)より、アップされている。

完結編=第3弾でクローズアップされた格闘家は那須川天心、山本美憂、松嶋こよみ、和田竜光、大沢ケンジ&上迫博之、藤野恵実の7人だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送されている。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第16回は2015年8月22日公開、8月7日(現地時間)に現地取材した──キャリア3戦目、 PXC49エリック・ギャトマンをスラムでKO 直後──松嶋こよみのあの日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

――豪快なスラムでの勝利、おめでとうございます。

「ありがとうございます」

Koyomi 04――あのスラムはキャンバスが硬いこともあり、狙っていたのですか。

「いえ、そんなことはないです。今回、緊張してしまっていて全く自分の動きができなかったので。取りあえず上からパウンドを落とすために、離そうとしたらああいう形になったんです」

――緊張をしたのは、会場の雰囲気など原因ですか。

PXC49「ハイ、今回がプロになって3試合目なのですが、こんな大きな場所で戦ったのは初めてなので、会場の雰囲気に飲まれました。

修斗では新宿フェイス、2戦目のカナダでの試合もホテルの宴会場みたいなところで。そこも僕にすると広かったのですが、PXCは別モノでした」

――PXCで戦うことになったのは、どういった経緯だったのでしょうか。

「7月の終わりに話をもらって。通常体重に近い状態で戦っているので、体調も問題ないし戦おうって思いました」

――外国人相手に通常体重はリスクが高くならないでしょうか。

「ハイ。日本ではライト級で戦い、海外で戦うときにフェザー級に落とすつもりでやってきていました。今回は特別です。急遽出場となったので」

――日本ではライト級というのは?

「そこで負けていると、どうしようもないので。ライト級でも力負けはしたくないという考えで、今は戦っています。今夜の試合は初めて打撃を受けたので――僕のキャリアでは日本の選手のことも分からないのですが、強い選手はこういう打撃を貰うことを経験しているんだろうし……。ただ、外国人だから強いというのはそれほど感じなかったです」

Koyomi 02――がぶられてヒザを頭に受けた後、咄嗟に手をキャンバスに着けることでて追い打ちを貰わないようにしていました。

「テイクダウンされる前にローブローがあって、それが効いてしまっていたので、とりあえず落ち着こうと思っていたらヒザを貰ってしまって……。ダメージはなかったのですが、続くと危ないと思って手を着きました。がぶられた状態は色々と練習してきたんで、怖さがそれほどなくテイクダウンの機会を伺っていました。

Koyomi 03逆に対戦相手もがぶってから攻めてこなかったので、ブレイクが掛かるかなと思ったのですが、掛からなかったので近い位置にあった足を取っていきました。

スタンドに戻したいという気持ちがあったので、少しブレイクを待っていたのですが、そうでなければもう少し早くテイクダウンも取れていたと思います」

――凄く冷静に戦えていたのですね。

「いえ、もっと早く頭を切り替えてテイクダウンを取っておくべきでした。相手も変わらないキャリアの持ち主でしたし……。海外で戦うから、もっと経験のある強い選手と戦うことになると覚悟していたので。でも、戦績も少ない相手だと分かって本当にチャンスなのでインパクトが残る試合をしようと思っていました。そう考えると舞い上がってしまって、たくさん改良点があることは分かりました」

――改めてPXCで戦った感想を教えてください。

「緊張はしたのですが、戦っていて気持ち良かったです。お客さんも試合後に握手してくれたり、そういうなかで戦えたのは嬉しかったです」

――今後の試合予定は?

「今年は修斗の新人王トーナメントに出ているので、そこをまず取りたいです。新人王を取ってからのことは分からないですが、日本と海外の両方で戦ってキャリアを積んでいきたいです」

――このPXC出場を機に、これまで前例のなかったキャリアを積んでいけるかもしれないですね。

「目標はUFCでチャンピオンになる、そのためにやっているので他の選手がしていることと同じじゃなく、自分のやりかたでUFCを目指したいと思っています」

――UFCでチャンピオンになるには、今回セコンドに就いていた大塚隆史選手を練習で圧倒するぐらいでないと(笑)。

「めちゃくちゃ強いですし、普段からずっと一緒にやってもらっているので……。大塚さんも上を目指してやっているので、今はついていっている状態ですが、自分が引っ張れるぐらいになりたいです」

――この松嶋選手の言葉を打撃を見てくれている岩崎(達也)コーチも目にすると思います。

「もう、この試合に関しては間違いなく怒られます。帰るのが怖いです。でも、改善点があるということはノビシロがあるということなので、まだまだ自分を試合で出せていないので出せるように頑張ります」

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JJ Globo Report SUG13 クレイグ・ジョーンズ ブログ ヴィニー・マガリャエス 未分類

【SUG13】クレイグ・ジョーンズが、我慢しまくりヴィニー・マガリャエスのヒザを内ヒールで破壊

<5分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def.4分21秒 by Verbal Submission
ヴィニー・マガリャエス(ブラジル)

座ったジョーンズがハーフガードの態勢に。カカトを取りながら横回転し、マガリャエスの左足を左ワキまで引き寄せることに成功する。サドルからインサイドヒールに取ったジョーンズが腹ばいから上を向く。これで極まっていておかしくない状態で、タップをしないマガリャエスは逆に左足を内ヒールに取る。

ジョーンズは体を反転させて足を抜きエスケープ、両者がスタンドへ。再び座ったジョーンズがハーフ。上側の足を取ったマガリャエスだが、ニーシールド・ハーフから潜って、逆の足を取りにいく。背中を伸ばし、尻を下げたマガリャエスが何やら言葉を発しレフェリーにアピール。ジョーンズも言葉を返しつつ、腹ばいになり右足を取る。もう一度上を向いたときに、マガリャエスの左足を抱えてRNグリップでインサイドヒールに入る。

これも極まっていて不思議でないが、マガリャエスのヒザは柔軟なのか壊れているのか、タップしない。ジョーンズは技を解き、「ポップしているだろう」と話しかける。マガリャエスはできると続行の意思を伝え、タッチで再開される。

ジョーンズは首を取り、動きが止まったマガリャエスからギロチンの態勢に。頭を抜いたマガリャエスだが、ここで左ヒザを抱えて口頭でタップの意思表示。やはり内ヒールでマガリャエスはヒザを壊していたようだ。


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JJ Globo Report SUG13 オースチン・ヴェンダーフォード ブログ リッチー・マルチネス

【SUG13】ブギーマン=リッチー・マルチネスは、ペイジ旦那=ヴェンダーフォードに延長一本負け

<5分1R>
オースチン・ヴェンダーフォード(米国)
Def.Overtime
リッチー・マルチネス(米国)

コンテンダーシリーズで勝利もUFCと契約できず、Bellatorで3連勝中のヴェンダーフォード。ペイジ・ヴァンザント夫人の姿は当然のようにコーナーにない。試合開始直後に引き込んだマルチネスはラバーガードから腕十字へ。2度前転をして腕を抜いたヴェンダーフォードが立ち上がる。

シッティングのマルチネスに対し、ヴェンダーフォードが側転パスガードを仕掛けるが決まらない。飛び込んだヴェンダーフォード、かわしたマルチネスの顔面に手が当たり両者が仕切り直す。立ちから一気にパスをヴェンダーフォードが狙うが、マルチネスは足を効かせ許さない。

グラップリングとしては、ヴェンダーフォードが寝技にいかず噛み合わない展開が続く。それでもヴェンダーフォードが足を掴み、マルチネスが首や肩を抑えにいくと立ち上がる。一瞬のオモプラッタ狙いも、思い切り頭を突っ込んで腕を抜いたヴェンダーフォードは、組ませない寝技を続けタイムアップに。

試合はEBI流のオーバータイムへ。マルチネスはスパイダーウェブを選択。5秒で腕を抜いたヴェンダーフォードはシートベルトポジションを選び、35秒間でマルチネスがエスケープに成功した。

続いてマルチネスもバックを選択するが、ヴェンダーフォードは僅か7秒で逃げる。ヴェンダーフォードは2度目のバックをチョイスし、胸を合わせにきたところで肩固めに移行してタップを奪う。ブギーマンが、まさかの延長一本負けを喫した。


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JJ Globo Report SUG13 ガブリエル・チェッコ ジェイク・エレンバーガー ブログ

【SUG13】アンダーグラウンド・サブミッションが無観客大会。チェッコがエレンバーガーを逆三角で破る

26日(日・現地時間)、Submission Underground 13がオレゴン州ポートランドにある──改装された──穀物サイロとされる場所で開催された。プレリミ7試合、メインカード3試合はファイターとレフェリー、そしてセコンドはおらずドクターと4人だけのフロアで、カメラも固定とオートで撮影という状況で行われた。

<5分1R>
ガブリエル・チェッコ(ブラジル)
Def.1分52秒by リバーストライアングル
ジェイク・エレンバーガー(米国)

MMAを引退して1年10カ月、エレンバーガーが現役時代だと1階級上のミドル級のチェッコと対戦。引き込んでから、後方回転気味に足を取りに行ったチェッコはトップを選択する。エレンバーガーが体を起こしてシングルへ。前転するように引き込んだチェッコはリバースハーフから足を抜かれそうになるが、背中をつけてラバーガードへ。足を組み変え、ミッションコントロールから右腕を伸ばしに掛かる。

クローズドに戻したチェッコは三角絞めへ。エレンバーガーの右腕は抜けており逆組みだけ極まらないように思われた。が、左腕の上から足を組まれたエレンバーガーは時計回りに移動しようとし、自らの肩で喉を圧迫されタップを強いられた。


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News other MMA PFL2020 ケイラ・ハリソン ジェイソン・ソアレス ジョニー・ケース ナタン・シュルチ バッバ・ジェンキンス ブログ マーチン・ヘルド モハメド・ウスマン ランス・パーマー レイ・クーパーIII ローリー・マクドナルド

【PFL2020】ロリマク=ウェルター、ヘルド&ケース=ライト、過去最高が期待されたシーズンが1年先延ばしに

Kayla Harrison【写真】ケイラ・ハリソンは「2020年は試合をしない」ことを明言した (C)PFL/RYAN LOCO

20日(月・現地時間)、PFLが5月21日(木・同)からスタートを切る予定だった2020年シーズンを2021年の春まで延期することを発表している。

レギュラーシーズン→プレーオフ→ファイナルというフォーマットを持つPFLは、ピーター・モーリー代表が「新型コロナウィルスの感染拡大を受け、シーズンフォーマットを重視するPFLでは今シーズンのスタートを2021年春に延期する。PFLではファイター、ファン、PFLの社員、パートナーの健康こそ第一かつ最大に優先させるべきだと考えている」と話している。


ジェイソン・ソアレス(C)TITAN FC

ジェイソン・ソアレス(C)TITAN FC

2020年は女子ライト級、男子はフェザー級、ライト級、ウェルター級、ライトヘビー級、ヘビー級と2019年と同じクラスでシーズンが進められる予定だった。

女子ライト級はケイラ・ハリソン、シンディ・ダンドワ、フェザー級はランス・パーマー、バッバ・ジェンキンス、ジェイソン・ソアレス、ライト級はナタン・シュルチを筆頭にマーチン・ヘルド、ジョニー・ケース、ウェルター級ではブラダボーイことレイ・クーパー3世にローリー・マクドナルド、ヘビー級にカマル・ウスマンの弟モハメド・ウスマンらの出場が決まっていたシーズンは事実上1年間スライドされることとなった。

バッバ・ジェンキンス(C)BRAVE CF

バッバ・ジェンキンス(C)BRAVE CF

この間、ランディ・クートゥアーをホストに関連番組の放送を始めるようだが、モーリーは無観客のノンシーズン大会の開催に関しては、大いに興味を持ちながら「PFLはESPNを通じてファイトをファンに届けることに特化した大会だが、今はそのことについて話す時ではない」としている。

マーチン・ヘルド(C)ACA

マーチン・ヘルド(C)ACA

いずれにせよロリマクが参戦するウェルター級、パーマーの3連覇がかかったフェザー級には前Breve CFフェザー級王者ジェンキンス、Titan FCフェザー級王者フアレスという注目団体の王者が参戦し、ライト級にはケース&ヘルドと過去最高のメンバーといっても過言でないロースターが揃っていただけに、まる1年の延期は非常に残念。

せめて注目選手が勢ぞろいする前哨戦のようなワンマッチ大会を開催して欲しいものだが、この事態を受け、看板ファイターのハリソンはツイッターで「今年は戦うことはないことを皆と約束するわ」と呟いている。

また2021年には2020年シーズンを詰め込み、本来の2021年シーズンとともに2シーズンを実行するのかなども明らかとはなっていない。