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【PFL2021#10】初参戦ドン・マッジ、打撃で圧を掛けTDを許してもオモでスイープ。最後はRNCで一本勝ち

【写真】フィニッシュへの流れが綺麗だったマッジ。サウスポーでこの右ボディが打てるのは怖い(C)PFL

<ライト級/5分3R>
ドン・マッジ(南アフリカ)
Def.2R2分15秒by RNC
ネイサン・ウィリアムス(米国)

サウスポーの構えから左ミドルを蹴ったマッジ。2発目をキャッチしたウィリアムスが、ボディロックからテイクダウンを決める。マッジはバタフライガードからクローズド、手首を掴んで三角を狙う。ウィリアムスが頭を抜いた刹那、スクランブルに持ち込んだマッジはシングルレッグを切って逆でケージに押し込んでいく。右アッパーを見せて離れたマッジに対し、ウィリアムスが右ミドル、そしてローを蹴る。

マッジは間合いを取り直しワンツー、右ジャブを2発当てる。

強烈な前足=右ミドルを入れたマッジが、圧力を高めて左ストレート、左ミドル、そして右フックを繰り出し、ワンツー&右前蹴りで圧を高める。強烈な左ローに続き、ジャブ、そして左ミドルと受けたウィリアムスの動きがみるみる落ちていく。詰めてパンチを纏めようとしたマッジだが、ウィリアムスが頭を振ってかわすとここも間合いを取り直し、左ハイ、右ボディフック、続いてワンツーを決めて初回を取った。

2R、左の蹴り、右クロス、そして左オーバーハンドと勢いのある動きを見せたウィリアムスだが、オーソからサウスポーに戻したマッジに組みついてムエタイ流の足払いで崩される。直後に蹴り足をキャッチし、レッグリフトからテイクダウンを決めたウィリアムスに対し、マッジはオモプラッタでリバーサルを決めてトップを取る。

サイドで抑えたマッジが、ウィリアムスブリッジにバックに回り前転にも背中について両足をフックする。右腕を喉下に差し込み、RNCを決めたマッジがPFL初陣で非常に綺麗な一本勝ちを極め「作戦通りの勝ち方だった。柔術を始めて10年、茶帯を5年間巻いている打撃だけじゃないんだ、僕はサウスポーで左はいつだって当てることができる。シーズン4に出場する。ファイターとして素晴らしい機会だ」と話した。


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【PFL2021#10】UFCで2勝0敗、ドン・マッジがPFLを選んだ理由。「4試合で100万ドルを手にするチャンス」

【写真】ライト級としては大きく、スピードがあるドン・マッジ。左右の蹴りとパンチのコンビネーションは相当高いレベルにある (C)PFL

27日(水・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノでPFLのシーズンファイナル=PFL2021#10 「Championships 」が開催され、本大会の第1試合でドン・マッジがネイサン・ウィリアムスと戦う。

UFCでは2連勝後に、コロナの影響でなかなか試合が組まれなかったドン・マッジが、心機一転PFLに転じた。UFCを離れた理由──いやPFLを選んだ理由をマッジに尋ねた。


──計量を終え、ネイサン・ウィリアムスとのPFLデビューを明日に控えたドン・マッジです。UFCで2連勝していたのに、PFLとサインしたことにまず驚かされました。

「とにかく、もっとコンスタントに試合がしたかったんだ。UFCでは2年前の9月に試合をして以来、コロナになって今年の3月まで試合が決まらず。決定した試合も相手の負傷、ビザの問題で2度も流れたままだった。凄くフラストレーションがたまったし、PFLはシーズン制を採っているのでもっと定期的に試合ができると判断したんだ。

それに新しい場所で戦い始めるって、エキサイティングなことだからね。エルボーが無かったり、アジャストは必要だけど大したことはないよ。全てのプロモーションには、それぞれのやり方があるわけだし。そこに合わせることは、MMAを戦ううえでとても重要になってくるからね」

──ところで日本ではUFCと契約していて、試合機会がないから他で戦うという選択はあまり考えられないです。南アフリカではPFLはUFCから戦場を移すほど価値が認められているプロモーションなのでしょうか。

「南アフリカではMMA自体が急成長している。そんな南アフリカの選手たちに、UFCだけじゃない他の選択肢があることを知って欲しという想いもある。世界的な規模でイベントを開いてきたプロモーションがあることもね。

それに僕がMMAの第1戦を退く時、プロモーション云々でなく自分のキャリアを築いておきたいと思ったんだ。どこのプロモーションでも戦う選択肢は僕にあり、色んなところで色々な経験ができる僕のキャリアを築きたいんだよ」

──100万ドルも魅力的ですしね。

「もちろんだよ。100万ドルを他のプロモーションで稼ごうと思うと、10年間掛かる。タイトルを獲って、PPVのフォーマットに乗ったマシーンの一部にならないと手にできない額だ。でもPFLでは4試合で100万ドルを手にするチャンスがある。誰だって、そんな環境で戦ってみたいはずだろ(笑)」

──ところで南アフリカという国で、ドンがMMAを始めたきっかけは何だったのですか。

「僕は6歳の時に空手と柔道を始めた。母親は柔道のチャンピオンで、子供のころからずっとマーシャルアーツの影響を受けてきた。14歳の時にムエタイを始め、プロになりたいと思った。そして、この世界で成功するならタイだと思い2009年からビザが切れるまでタイにいて帰国、またビザを取ってタイに行くという生活を20歳まで4年以上繰り返したよ」

──そこまでムエタイに傾倒していたのですね。

「最初はバンコクで練習し、帰国した時にはアフリカでキックの試合に出ていた。僕の試合を見たタイガームエタイの関係者に誘われ、スポンサードを受けてタイガームエタイで練習をするようになり、ムエタイやK-1ルールの試合に出ていたんだ。

で、21歳になって南アフリカに戻った時、ムエタイを練習していた連中が皆MMAに転向していたんだ。彼らはMMAに夢中になっていて、『お前もMMAを始めろよ』って勧められた。特に断る理由もないし、それでMMAの練習をするようになったんだ」

──それだけムエタイをやり込んでいて、組み技の習得は問題なかったですか。

「チャレンのし甲斐があったよ。ムエタイのチャンピオンから、MMAで戦うことで多くのの技を学ぶ必要があり、タフだった。でも11年間、レスリングと柔術ももう続けてきた。柔術は6年前に茶帯になって以来、ずっと帯の色は変わらないけどね(笑)。今ではグラップリングは僕の弱点ではなくて、得意分野といえるよ。とにかく自分が強くなるためには練習しかない。そこで学び続けることが僕の性に合っている」

──強烈な左右の蹴り、さらにヒザ蹴りも強いダンですが、スクランブルにも長けており蹴りでもパンチでも倒せるウェルラウンディットファイターです。PFL初戦では来年のレギュラー獲得のために、どのような試合をしたいと思っていますか。

「ドン・マッジとはどういう選手か分かってもらえる試合がしたい。ちょっとしたバイオレンスな戦いも交え、ビューティフルマーシャルアーツを見せたいんだ」

──あの強烈なフィニッシュ力の幅が広いのは、その考え方が根底にあるからなのですね。では最後に日本のファンにメッセージをお願います。

「僕が最初に好きになった格闘技のイベントが、K-1 MAXだった。マサトは、僕が成長する上で凄く影響を受けたヒーローの1人だよ。マサトがインスピレーションを与えてくれたから、K-1、PRIDEと日本で行われていた試合は必ず目を通すようにしていたんだ。ずっと日本のマーシャルアーツが好きだったし、友人のボカン・マスンヤネが戦うようになってからONEの試合もチェックしている。今は日本の皆は僕のことを知らないだろう、でも試合を視聴してもらえたら、名前と顔を覚えてもらえるよう戦う。絶対に皆が楽しめるよう試合をするよ」

■視聴方法(予定)
10月28日(木・日本時間)
午前5時30分~Official Facebook

■ PFL2021#10計量結果

<女子ライト級決勝/5分5R>
ケイラ・ハリソン: 153.8ポンド(69.76キロ)
テイラー・ゴールダード: 154.4ポンド(70.03キロ)

<ウェルター級決勝/5分5R>
マゴメド・マゴメドカリモフ: 170ポンド(77.11キロ)
レイ・クーパー3世: 169.8ポンド(77.01キロ)

<女子ライト級/5分3R>
クラレッサ・シールズ: 155.8ポンド(70.66キロ)
アビゲイル・モンテス: 154.4ポンド(70.03キロ)

<ヘビー級決勝/5分5R>
ブルーノ・カッペローザ: 236.4ポンド(107.22キロ)
アンテ・デリア: 243ポンド(110.22キロ)

<フェザー級決勝/5分5R>
モヴィッド・ハイブラエフ: 145ポンド(65.77キロ)
クリス・ウェード: 145ポンド(65.77キロ)

<ライトヘビー級決勝/5分5R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール: 204.4ポンド(92.7キロ)
マールシン・ハムレット: 205ポンド(92.99キロ)

<ライト級決勝/5分5R>
ロイック・ラジャポフ: 155ポンド(70.31キロ)
ハウシュ・マンフィオ: 155ポンド(70.31キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
オマリ・アクメドフ: 203.6ポンド(92.35キロ)
ジョーダン・ヤング: 206ポンド(93.44キロ)

<女子ライト級/5分3R>
ジュリア・バッド: 154.6ポンド(70.12キロ)
ケイトリン・ヤング: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ライト級/5分3R>
ドン・マッジ: 155.6ポンド(70.57キロ)
ネイサン・ウィリアムス: 155.4ポンド(70.48キロ)

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BELLATOR MMA PFL PFL2021#10 UFC   アンテ・デリア オマリ・アクメドフ クラレッサ・シールズ クリス・ウェード ケイラ・ハリソン ジュリア・バッド テイラー・ゴールダード ドン・マッジ ハウシュ・マンフィオ ブルーノ・カッペローザ ボクシング マゴメド・マゴメドカリモフ マールシン・ハムレット レイ・クーパー3世

【PFL2021#10】計量終了 2021年決勝。ウェード✖ハイブラエフ、クーバー✖マゴメドカリモフ。新顔も

【写真】短髪にしたことで、父レイ・クーパーに風貌がそっくりになったブラダボーイ(C)MMAPLANET

27日(水・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノで開催されるPFL2021#10 「Championships 」の計量が26日(火・同)に行われた。

2021年PFLのシーズンファイナル=チャンピオンシップスは5階級のシーズン決勝=世界選手権試合と3試合のフューチャーバウトが組まれている。


優勝賞金100万ドルを前に、誰一人として体重オーバーは見られなかった。そしてライト級とライトヘビー級ファイナルをアンダーカードに追いやった──ロンドン&リオ五輪女子ボクシング金メダリストで、ボクシング世界8冠のクラレッサ・シールズはMMA2戦目の計量を 155.8ポンドで終えている。

メインカード第1試合のフェザー級ファイナル=モヴィッド・ハイブラエフとクリス・ウェードはともに145ポンドでパスし、フェイスオフ後にはしっかりとハグをして健闘を称え合った。

コメインのウェルター級ファイナル、レイ・クーパー3世は父親ブラダを短髪で登壇し、頭一つ大きなマゴメド・マゴメドカリモフを見上げるようにフェイスオフ。

「3年前と変わっていない。同じ相手、同じ試合、結果も同じだ。サブミッションでまた勝てる? そこについては何もいえない。打撃もグラップリングも、レスリングも交えたスペクタルな試合になるだろう」とマゴメドカリモフが話すと、ブラダボーイは「ただケージに入って、顔を殴りつける。シンプルに戦う」とコメントした。

メインではケイラ・ハリソンとテイラー・ゴールダードが女子ライト級決勝を戦うが、賭け率は驚異の+3500とハリソンが圧倒的に優位と予想されている。

ゴールダードはインタビュアーのショーン・オコネルの「誰も勝利を期待していない」という問いかけにも、「とても落ち着いている。あとはやるだけ。私の好きなことをして、良い時間にしたい」と返答するのみで、最後まで勝つという言葉を発しなかった。

対してケイラは余裕の表情で「ベストを尽くして、殺やられる前に殺るだけ。ライオンでも、虎でも、熊が相手でも私が殺す」と話した。

また今大会ではアンダーの3試合で2022年の展望が見える3人の選手が出場する。

ライトヘビー級ではUFCミドル級で9勝5敗1分だったオマリ・アクメドフ、女子ライト級には元Bellator世界フェザー級王者のジュリア・バッド、そしてライト級では南アフリカン・ショータイム──ドン・マッジがPFL初戦を迎える。

3者は2020年シーズンを睨んでのお披露目的なファイトでありながら、気の抜けない対戦相手が用意され査定試合のようになっている。

また同大会にはフェザー級で日本のプロモーションでベルトを持つファイターへオファーもあったが、契約締結には時間が足らなかったという話も伝わってくる。

来るべき022年シーズンに3年振りの日本人ファイターの出場はあるのか──という期待も募るが、まずは2022年シーズンウィナーが誰になるのか──特にフェザー級&ウェルター級の行方──を楽しみたい。

■視聴方法(予定)
10月28日(木・日本時間)
午前5時30分~Official Facebook

■ 対戦カード
<女子ライト級決勝/5分5R>
ケイラ・ハリソン: 153.8ポンド(69.76キロ)
テイラー・ゴールダード: 154.4ポンド(70.03キロ)

<ウェルター級決勝/5分5R>
マゴメド・マゴメドカリモフ: 170ポンド(77.11キロ)
レイ・クーパー3世: 169.8ポンド(77.01キロ)

<女子ライト級/5分3R>
クラレッサ・シールズ: 155.8ポンド(70.66キロ)
アビゲイル・モンテス: 154.4ポンド(70.03キロ)

<ヘビー級決勝/5分5R>
ブルーノ・カッペローザ: 236.4ポンド(107.22キロ)
アンテ・デリア: 243ポンド(110.22キロ)

<フェザー級決勝/5分5R>
モヴィッド・ハイブラエフ: 145ポンド(65.77キロ)
クリス・ウェード: 145ポンド(65.77キロ)

<ライトヘビー級決勝/5分5R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール: 204.4ポンド(92.7キロ)
マールシン・ハムレット: 205ポンド(92.99キロ)

<ライト級決勝/5分5R>
ロイック・ラジャポフ: 155ポンド(70.31キロ)
ハウシュ・マンフィオ: 155ポンド(70.31キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
オマリ・アクメドフ: 203.6ポンド(92.35キロ)
ジョーダン・ヤング: 206ポンド(93.44キロ)

<女子ライト級/5分3R>
ジュリア・バッド: 154.6ポンド(70.12キロ)
ケイトリン・ヤング: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ライト級/5分3R>
ドン・マッジ: 155.6ポンド(70.57キロ)
ネイサン・ウィリアムス: 155.4ポンド(70.48キロ)

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【PFL2021#10】ウェルター級2連覇へ、レイ・クーパー3世「豪華な設備は必要ない。練習はガレージで十分」

【写真】取材後にハワイからフロリダへ。同じ米国内でも6時間も時差がある(C)Zuffa/UFC

27日(水・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノでPFLのシーズンファイナル=PFL2021#10 「Championships 」が開催される。

5階級のファイナルが行われるPFLのシーズン掉尾を飾る大会で、ブラダボーイことレイ・クーパー3世が、2018年シーズンファイナルで敗れたマゴメド・マゴメドカリモフとウェルター級二連覇を掛かったリベンジマッチに挑む。

父はハワイアンMMAのパイオニア=レイ・ブラダ・クーパー、その父と弟2人の計4人で、ガレージでトレーニングをブラダボーイはローリー・マクドナルドを完封するなど、ワイルド一辺倒から高いステイビリティを誇る成熟したファイターに成長した。

シンプル・イズ・ザ・ベスト、ハワイアン・ロコを代表してブラダボーイがデカゴンに足を踏み入れる。


──6日後にマゴメド・マゴメドカリモフとPFL2021シーズンファイナルを戦います。(※取材は10月22日に行われた)今の気持ちを教えてください。

「良い感じだよ。もう準備はできている」

──今シーズはレギュラーシーズン2戦目が計量失敗で、勝ってもマイナス1点。負けてボーナスポイントを対戦相手のニコライ・アレクサヒンに与えるケース、または勝っても獲得ポイントは5Pで終了し、サディボウ・シとカーティス・ミランダーが強豪ロシアンをフィニッシュするような事態になれば、プレーオフ進出ができないという危機的状態に陥りました。

「とにかく試合に勝つことに集中したよ。神経質になることもなかった。対戦相手のニコライ・アレクサヒンに勝ち点3もボーナスPも与えないこと、他の選手は僕よりポイントが低かったし、目の前にある試合に勝つことに集中していたんだ」

──あの試合内容を見ると、体調不良でないことは分かりました。なぜ、大切な時に減量失敗というミスを犯してしまったのでしょうか。

「水抜きを早くし過ぎてしまった。そして水分補給も早過ぎた。タイミングを間違い、突然、全く水が抜けなくなってしまったんだ。僕のミスだよ。体は水分を欲しがるから、早く水抜きをするような間違いはもう絶対にしない。減量方法は変えてはいなかった。ただ、早く水抜きをしたことで、水分補給がいつもと違ってしまって。もう、あんなことはしない」

──結果的にプレーオフ進出を果たし、準決勝ではキャリア最高のビッグネームと言って良いローリー・マクドナルドを完封しました。

「ローリーはこのスポーツのレジェンドだから、勝てた意味は凄く大きい。何よりも彼は今もトップの1人だ。その彼を完全に支配できた。ローリーはスタンドでも手がでないし、レスリングでも僕が圧倒した。結果、僕がウェルター級の世界のトップだと証明できる試合になった。自分の力を信じていたし、勝つと思っていたけど、やり切ったという気持ちが大きなファイトだったね。大きな意味を持つ勝利だ」

──決勝で戦うマゴメドカリモフには3年前のファイナルで敗れ、2年前はプレーオフの準決勝を彼が棄権をしました。このような過去があり、ブラダボーイは常に彼との対戦を望んできました。

「2年前、プレーオフの2試合目で戦うはずだったけど、初戦で消耗していたから彼は勝てないと判断したんだろうね。僕との試合を避けた。今回はファイナルだし、そういうことは起きない。シーズンファイナル、最後の試合、最高の舞台だ。あの負けを払拭する勝利を手にする」

──3度目とはいえ目の前に100万ドルがあると、精神的に何か影響はないでしょうか。

「3年前より大人になった。自分のエゴに従って、パンチを大振りするようなことはなくなったよ。ミスをしないよう戦う、それがファイターとして成長した点だと思う。状況判断をしてパンチを放つようになったし、よりテクニカルになっているよ」

──今は3年前より100万ドルの賞金を気にせず戦えるということでしょうか。

「賞金のことは考えていないよ。ファイトに集中している。この階級のベストファイターと戦うんだから、とにかく自分をプッシュすること。いつの日か、ウェルター級のベストファイターになるためにもね」

──2年前に100万ドルを手にしても、その考えは変わらなかったということですね。

「100万ドルを獲得して、練習に身に入らなくなるとか、戦うモチベーションが落ちたとかは一切ないよ。100万ドルが手に入ったことは家族と生きていくことを考えると、もちろん嬉しかったよ。だからって僕の生活スタイルが変わるわけじゃない。派手な生活なんて一切送って来なかったし、何も変っていないよ。

人としてハンブルなままでいたいんだ。時間を無駄に使う様なことだけはしたくない。練習もガレージで続けているし、父の練習方法も一切変わっていない。豪華な練習設備なんて要らないし、走るのは家の外で十分だ。ガレージのマットでレスリングのスパーリングをして、打撃の練習をし、ウェイトを挙げる。科学的なトレーニングは僕には必要ない。

結局、ハードなランニングとハードなスパーリングをするにことに変わりはない。マシーンで使って行うことは、マシーンなしでやり切れるんだよ」

──ガレージで行う父、そして弟との練習で、マゴメドカリモフ戦への対策練習はできるのですか。

「父と2人の弟、それで十分。誰も僕らの練習に来てもらっていない。ジム内で身内だけでやる練習が好きなんだ。僕はそうやって生まれ育った。他の選手たちと練習しようとは思わない」

──マゴメドカリモフのようなサイズが弟たちはあるのでしょうか。

「ノー。2人は僕より小さいよ。でも対戦相手じゃないないんだよね、試合は。僕がどう戦うか、だから。ハードな練習をして、グッドシェイプでいること。そして戦う。自分をしっかりと創り込むことができれば、相手が何をしてこようが関係ない。関係してくるのは僕が何をするのか、だよ」

──その考えはもちろん、ブラダボーイの信条だと思いますが、皆に共通することだと思いますか。

「それは分からないよ。僕は僕のことを考えて、こうしているんだから。大きなジムより、ガレージで練習する方が好きなんだ。だから他の人がどうかっていう問いに対して、答を持たない。ただ自分らしくやっているだけだよ。

普段も家族と一緒にいるし、友人も多くない。家族が一緒にいる──それ以上のことを望むことはないからね」

──では、そうやって自分を貫いてきたブラボ―イはマゴメドカリモフのことをどのようなファイターだと考えていますか。

「前に戦った時と何も変わっていない。同じファイターだ。ひたすらレスリングを仕掛けてくるだろう。レスリング勝負がお望みなら、レッスルするよ。どの局面でも僕は戦うことができるから」

──ブラダボーイ自身は2018年の大晦日にマゴメドケリモフと戦って以来、どこが一番成長したと思いますか。

「ラッシュをしないで、パンチを打つことに対して我慢できるようになったこと。もう少し我慢強く戦うことができていれば、前回の試合も勝つことができていた。それなのにフラストレーションがたまってミスを犯してしまった。もっと我慢強く、成熟した試合を見せる。そうすることで、試合は楽になるんだ。自分のアグレッシブな性格をコントロールして戦えば、勝機は確実に広がって来るからね」

──シーズン2連覇、それともリベンジ。どちらにより比重がありますか。

「タイトルを獲ることだけを考えて戦うよ。2021年のウェルター級世界チャンピオンという称号を得るために、マゴメドカリモフと試合をする。今年の4試合目で、最後の試合だ。ここまで本当に調子よく戦えた。これを続けるだけだよ。それが一番大切なことだよ」

──仮にPFLウェルター級2連覇を成し遂げた場合、3連覇を目指しますか。それともUFCのドアを叩くのでしょうか。

「まだ、そこまでは考えていない。そうなった時には父やマネージャーと話をする。今はそこを考える時じゃないし、試合に集中するよ。とにかく時が来れば、自分にとって正しいと思われる選択をすることだけは確かだよ」

──ブラダボーイ、今日はインタビューを受けてもらいありがとうございました。

「こちらこそありがとう。僕はルミナ・サトーやタカノリ・ゴミの試合を見て育った。父は彼らとレスリングの練習をしたこともある。僕にとって父のように日本で戦うことが夢なんだ。さいたまスーパーアリーナで戦いたいと思っている。サンキュー」

■視聴方法(予定)
10月28日(木・日本時間)
午前5時30分~Official Facebook

■ PFL2021#10対戦カード
<女子ライト級決勝/5分5R>
ケイラ・ハリソン(米国)
テイラー・ゴールダード(米国)

<ウェルター級決勝/5分5R>
マゴメド・マゴメドケリモフ(ロシア)
レイ・クーパー3世(米国)

<女子ライト級/5分3R>
チェルシー・シールズ(米国)
アビゲイル・モンテス(メキシコ)

<ヘビー級決勝/5分5R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
アンテ・デリア(クロアチア)

<フェザー級決勝/5分5R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
クリス・ウェード(米国)

<ライトヘビー級決勝/5分5R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

<ライト級決勝/5分5R>
ロイック・ラジャポフ(タジキスタン)
ハウシュ・マンフィオ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
オマリ・アクメドフ(ロシア)
ジョーダン・ヤング(米国)

<女子ライト級/5分3R>
ジュリア・バッド(カナダ)
ケイトリン・ヤング(米国)

<ライト級/5分3R>
ドン・マッジ(南アフリカ)
ネイサン・ウィリアムス(米国)

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