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【ONE FN15】急遽タワンチャイと対戦。米国在住ムエタイ戦士・ナタウット「焦ることも、驚くこともない」

【写真】インタビューもすべて英語、淡々と試合に向けて意気込みを語ったナタウット (C)TAKUMI NAKAMURA

7日(土・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night 15。今大会でジョー・ナタウットがタワンチャイ・PK・センチャイがと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

当初ONEムエタイ世界フェザー級王者タワンチャイ×スーパーボン・シンハ・マウインのタイトル戦が予定されていたが、スーパーボンの負傷欠場により延期。ナタウットがタワンチャイとワンマッチで対戦することになった。

ナタウットは活躍の場を広げるべく、2014年から米国Lion Fightに参戦。そのまま米国に移り住み、ONE契約後も米国に拠点を置き続けている。急遽決まったタワンチャイとの対戦を前にしても「一つの試合がブックされて、それを戦うだけ」と泰然自若に語った。またナタウットに米国のムエタイ事情も訊いた。


――スーパーボン選手の欠場により、急遽出場が決まりました。試合に向かた準備やコンディションはいかがですか。

「ショートノーティスで戦うことは分かっているし、ずっと練習は続けていた。彼と戦う準備はできているよ」

――対戦相手はONEムエタイ世界フェザー級王者のタワンチャイです。

「相手がタワンチャイだからと言って焦ることもないし、驚くこともないし、興奮することもない。一つの試合がブックされて、それを戦うだけだよ」

――対戦相手としてタワンチャイにはどんな印象を持っていますか。

「彼はとてもいいファイターだよ。みんなが知っている通り、蹴りが強い。でもそれ以外の印象は特にないね」

――彼はONEの現役チャンピオンであり、この階級のトップ選手ですが、特別な選手だとは思っていないですか。

「ONEには世界から強いファイターたちが集まっていて、彼はそのなかでチャンピオンになっている。それだけ彼はすごいファイターだと思う。ただしONEで戦うファイターは全員素晴らしいファイターだ」

――ナタウット選手は2014年~2017年まで米国のLion Fightに参戦していて、当時から米国に拠点を移して、現在も米国在住なんですよね。

「試合の機会を求めて米国に住むようになった。今は生活も、トレーニングも、仕事も、すべて米国が拠点になっている。だから試合が決まると、試合ときに米国から移動しているよ」

――タイの中量級(70キロ)以上の選手はタイで活躍する舞台がなく、タイ以外で戦わなければ注目を集める・稼ぐことが難しい状況だったと思います。それもあって米国に活動の拠点を移そうと思ったのですか。

「僕がアメリカに住んだのは試合のためだけでなく、それまでとは違う人生を送りたいと思ったからだ。強いファイターであれば、世界中どこにいてもオファーが来るし、活躍の舞台があると思う」

――米国を中心に活動しているナタウット選手ですが、最初にONEからオファーを受けた時の心境はいかがでしたか。

「今ムエタイに関してはONEが世界で一番大きな組織だから、そのONEからオファーがあるんだったら、自分もそこに飛び込みたいと思った」

――米国ではファイターとしての活動以外に指導もされているのですか。

「ムエタイを指導することがメインの仕事だ。色んな街を渡り歩き、あらゆる目的の生徒にムエタイを教えているよ」

――米国ではムエタイの試合・大会はどのくらい行われているのですか。

「米国でもプロ・アマ問わず多くの大会が開催されている」

――ナタウット選手も参戦していたLion Fightのような、いわゆるビッグプロモーションは他にもあるのですか。

「Lion Fightも大会数が減って、定期的に大会が開催されていないし、他にLion Fightのように世界各国から選手を招聘する規模の大会は行われていない。どうしても米国にはUFCがあって、格闘技においてはUFCの影響が大きい。米国でムエタイを普及・定着させるためには長い時間が必要だと思う」

――ONEは米国でもAmazonプライムで試合を見ることができます。ONEが世界的なムエタイイベントを開催していることをどう思いますか。

「ONEが大きな大会を開催することはムエタイにとっていいことで、世界的にムエタイの普及が進むと思うし、米国でもONEのおかげで毎週ムエタイの試合が見られることはとても大きい。ただし繰り返しになるけれど、米国に関して言えば、それと比較にならないほどUFCが巨大なものなんだ。米国でも少しずつムエタイが認知され始めているけれど、まだまだ時間がかかるだろうね」

――ナタウット選手はMMAの試合をやろうとは思わなかったのですか。

「それは思わなかったね。自分は立ち技・打撃が本当に好きだから。趣味程度にグラップリングの練習はしているけど、試合をするのであれば打撃の試合しかやるつもりはない」

――ムエタイを取り巻く環境についても聞かせてください。ルンピニースタジアムでONEが毎週大会を開催し、ラジャダムナンスタジアムでもRWSがスタートしました。ムエタイ=賭けという状況が変わりつつあると思います。ナタウット選手は米国在住ですが、この状況をどう感じていますか。

「自分もそれはすごく良いことだと思う。ムエタイがギャンブルではなくなることで、タイ国内でムエタイに興味を持つ人が増えているし、それはアメリカでも同じだよ」

――これからの選手としての目標、引退した後の目標はありますか。

「引退したらムエタイ以外ことも考えたいけど、それまではムエタイ選手として戦い、ムエタイをたくさんの人に教えていきたい」

――引退後もずっと米国に住む予定ですか。

「アメリカの市民権を持っているから、アメリカにも住んでいたいし、いずれはタイにも家を買って、アメリカとタイ両方で生活したいと思っている」

――それでは最後にこの試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「試合は目前に迫っているから、もうこれ以上言うことはない。僕もタワンチャイも戦う準備ができているから、あとは試合を見てほしい」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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【ONE FN15】10日前のオファー。手塚裕之「試合がしたい。準備期間だなんだって言ってられねぇ」

【写真】火曜日の朝にバンコクに入った手塚。まさに試合のオファーから6日しか経っていない。パスポートが切れないようにも気にしていたのだろう (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night15に手塚裕之が出場し、ジン・テホと対戦する。
Text by Manabu Takashima

2022年1月のエジソン・マルケス戦以来、実戦から遠ざかっていた手塚は、自身のキャリアの積み方に関して本気で悩んでいた。そんな彼の下に10日後のファイトという緊急オファーが届いたのは、9月27日のことだった。とにかく試合がしたい、そのために日々のトレーニングを怠ることがなかった手塚は、自分の素直な気持ちに従いバンコクへ向かった。


──9月20日に万智選手の取材で、手塚選手の実家のジムを訪れた際には「試合がない」という苦悩がにじみ出ていました。急転直下、まさかの10月7日に試合決定です。

「あの1週間後にオファーが来て……決まりました(笑)。水曜日に打診があって、木曜日に契約書にサインをしました」

──ここが不思議なのですが、代役出場でショートノーティスということではないわけですよね。

「ハイ。僕が試合をするなら、相手を探すという連絡だったんです」

──スイカで食あたりした選手がいたわけではないと(笑)。

「アハハハハ。でも、間に入ってくださった方がマット・ヒュームにも連絡をしてくれたそうなので……マット・ヒュームが動いてくれたのかなぁと。それは分からないですけど、水曜日にガレージでの練習を終えて、車で家に戻る途中にマネージャーから電話があって、『さすがに来週はないよなぁ』って。

まぁ急だったので、少し考えたいと返答して。2時間ぐらい考えて、ここで来るのも逆にいえばチャンス。急だとかなんとか言っていられないよなって。準備期間だ、なんだって言ってられねぇと思って受けることにしました」

──2日間飯を食べていないと、何を出されても食べますよね。

「まぁ、試合に関してはそれぐらいハングリーだったので」

──オファーの時点からウェルター級で?

「キャッチウェイトでも構わないということでしたけど、僕はウェルター級でアンダーなので。ウェルター級で構わないですって伝えました」

──これは私の個人的な意見です。代役でもなくて、10日の意思確認と試合決定──ファイト直前ですが、手塚選手が気の毒でならないです。選手に対して、配慮や思いやりが欠けています。周囲はどのような反応でしたか。

「驚いていました。練習を一緒にしている梅田(恒介)さんにも電話をしましたけど、『来週? 嘘でしょ』みたいな。皆、そうなりますよね。だからセコンドも見つからなくて。『来週、バンコクに行けますか』って尋ねても、行ける人はなかなか見つからないですよね。最終的には妻に頼んで、時間だけでも読み上げてもらおうかとも考えました。でも娘が今年に生まれたばかりで、水とか怖いということになって。そんななかで岡田遼選手が、セコンドに就いてくれることになったんです」

──えっ、あの独身貴族の岡田選手ですか? 

「ハハハハ。ハイ。一度、出稽古でお会いしてから同い年で仲良くさせていただいていて。今年になっても2回ぐらい栃木まで遊びに来てくれて。キャンプとかしているんですよ」

──それは意外な顔合わせでした。岡田選手は自らのジムもありますし、よくバンコク行きが可能になりましたね。

「ハイ。試合の前日に来てくれて、試合は朝なので夜には戻るっていうスケジュールで来てくれます。日曜日の朝に東京に着いて、その日はアマチュアの大会でセコンドに就かないといけないそうです。でも岡田さんは『バンコクも栃木も変わらないです』と言ってくれて」

──おお、漢ですね。

「感謝しかないです」

──と同時に、先日お邪魔した時に1年8カ月も試合から遠ざかっているのに、グッドシェイプを保っているのだと感心させられました。

「ありがとうございます。練習をし続けていたからこそ、チャンスが巡ってきた時に行くことができました。準備をしていれば、いつかチャンスが回ってくると信じるしかなかったです。そこを信じることができなくなると、続けられなかった。練習自体も好きですけど、いつでも行ける準備はしていました。だから、ありがたいです」

──この間、ショートノーティス出場は常に頭にあったでしょうが、それでもやはり2週間ぐらいを想定していなかったですか。

「ハイ。このオファーが来て、2週間じゃショートノーティスではないと思うようになりました(笑)。前回の試合も1週間前に相手が代わりましたし。だから対戦相手の研究とか関係ないですよね。何が起きてもやっていける自信があります。海外で戦っていくということは、こういうことなんだと。ここで戦うモノなんだと」

──同じく急遽試合が決まった対戦相手のジン・テホに関して、どのような印象を持っていますか。

「彼はインスタで『全然試合が決まらないから、やろうぜ』ってメッセージを送って来ていて。だから、彼も試合機会に恵まれていなくて同じ境遇だったのでしょうね。選手としてはリーチが長い。ワンツーとか遠い距離で戦うけど、蹴りはない。かといってボクシング&レスリングでもなくて、自分からテイクダウンは狙わない。四つ組みでも背中を見せてバックを取らせてアームロックを狙う──そんなイメージです」

──桜庭和志選手と同じようなファイトショーツを履いている選手ですね。

「桜庭選手リスペクストが凄いです。だから、ああいうアームロックを狙うのか。変則的で、現代MMAではなくてUWFの回転体という印象を持っています」

──Double GFCの元ウェルター級王者です。

「元々はライト級みたいで、DEEPと修斗に来日して大原樹理選手、川名雄生選手に負けています。対戦相手の対策の時間もなかったですけど、何もさせずに圧倒します。自分のやるべきことをやる。自分の動きができれば必ず勝てます。打撃、組み技でも劣っているところはないです。一発のキムラとか気を付けて舐めることなく、大きく見ることもなく戦えば、必ずフィニッシュできます。

あと無観客が2試合、前回は少しだけお客さんに席が開放されていた大会で。今回は満員のルンピニー・スタジアムで久しぶりに戦えるのは楽しみです」

──ところで手塚選手がリングで試合をしているというイメージが一切ないのですが、今大会はリングが使用されます。

「アマチュアも米国でケージだったので、リングで試合をしたことはないんですよ。なんでまぁ、初めてなんです。けれども壁レスを使って倒すタイプでもないし、リングだとコーナーがあるのでプレッシャーをかけて詰めやすい。だから不安要素としては捉えていなくて、自分にとってメリットというか、優位に働くかと思います」

──ここで勝てば、言いたいことがあるかと思います。

「もっと試合させてくれってことですね(笑)」

──その権利を得るために、どのような試合をしたいと思っていますか。

「ここまで積み上げたモノと溜まったモノを、全部ぶつけて勝利を掴もうと思います。しっかりやります。それに海外で日本人選手が勝てていないんで、このままだと日本のMMAが舐められてしまいます。ここでジャパニーズ・ビーストが、盛り上げようという気持ちで戦います」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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