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【DEEP111】フライ級GP初戦は準々決勝で本田良介と対戦、松場貴志─01─「1回戦の計量後は歌い損」

【写真】最終回どころか、松場のDEEPフライ級GPはここから始まる(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP111 Impactで実施されるDEEPフライ級GP準々決勝で、松場貴志が本田良介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

Grachan&GRANDフライ級王者としてDEEPに参戦した松場。しかしGP1回戦は、対戦相手の駒杵嵩大が減量に失敗して病院に搬送された結果、試合がなくなるという事態に。それを知らないまま、計量後に替え歌を熱唱する松場だったが――。仕切り直しとなる準々決勝は、初戦で越智晴雄を下した本田良介との対戦に。改めて1回戦の中止や本田戦への意気込みを訊くと、少し真面目で、それでも相変わらずな松場だった。


――松場選手は以前、愛知県名古屋市のALIVEに所属していました。現在のパラエストラ加古川に移籍したのは、いつ頃なのでしょうか。

「もう2年前ですね。ALIVEでは日沖発さんや久米鷹介さんがいて、技術も最先端で、という良さがありました。今のパラエストラ加古川の皆さんもMMAを研究しているし、良いところを吸収できていると思います」

――2021年に2連敗を喫したあと、今年に入ってDEEPフライ級GPの開催が発表されました。そのGP出場が決定した時は、どのような気持ちを持っていましたか。

「それはもうメチャクチャ嬉しいです。出たいですってSNSでアピールしていたので、呼んでいただけたのかと思うんですけど……。このGPに出場できてなかったら、ずっと試合もなかったので。僕なんかを呼んでくれて、ありがたいです」

――他のGP出場メンバーを見た時の印象を教えてください。

「まぁ、いつもDEEPに出ている選手に宇田悠斗君が加わった、という感じですよね」

――1回戦の相手は、松場選手から駒杵嵩大選手を選ぶ形となりました。駒杵選手を選んだ理由は何かあったのですか。

「いえ、もうオーソドックスの選手と対戦したいなぁ、と思っていたぐらいで」

――スタンスで選んだということでしょうか。

「それも、おぼろげに『駒杵選手ってオーソドックスだったよなぁ』と思って選びました(笑)。でも決まったあとに駒杵選手のことを調べたら、これはヤバい相手だなと。だいぶ警戒していましたよ。実際に対戦していたら、何度も抑えられていたんじゃないですかね」

――駒杵選手は柔道がベースで勢いもあったので、その可能性は否定できません。

「絶対的な強さはあるなぁ、と。自分が選んでおいて、これは貧乏クジを引いたなって思いました」

――その駒杵選手が計量をクリアできない、ということを聞いたのは、いつだったのですか。

「歌を歌ったあとですよ。こんなの歌い損じゃん、と思って。佐伯さんにも『相手が計量をクリアできないと知っていたら、歌わなかった。次の試合の時に歌っていましたよ』と言いました」

――……試合が行われるかどうかではなく、歌うかどうかが問題だったのですか。

「アハッハァ。やっぱりね、そこに懸けているので。計量の直前で、一番苦しい時に歌を考えて。これは面白いのかどうか、自分では判断がつかないぐらいの状態の時につくりました。それでも、自分らしくいこうと」

――……。

「それで歌ったあとに計量クリアできなかったと聞いて、ショックでした。自分でも驚きましたね。試合がなくなったことでショックを受ける、そんな自分がいたのかと初めて知りました」

――プロデビューから9年を経て、初めてファイターの気持ちが分かった、と。

「いや、ファイターなんですかね? う~ん……」

――ファイターでなければ何なのですか(笑)。

「まぁ3日間ぐらいは、ポカーンとしていました。でも、自分が出るはずだった大会を観ながら、これはポカーンとしている場合じゃないなと思いましたね。そんな暇ないなって。気になる試合があったので」

――気になる試合とは、どの試合だったのでしょうか。

「福田龍彌選手と杉山廣平選手の試合ですかね。あの試合だけです。他は何も思いませんでした。あの試合は何が凄いっていうわけではなく、2人とも基本性能が高いなって」

――1回戦全体の印象はいかがでしたか。

「う~ん、やりやすい人もいて、やりづらい人もいて……。2回戦で試合したいなぁ、と思う人もいたんですけど、それはコーチから止められました。やめておけ、と。だから抽選会でも選ばなかったというか、組まれなかったというか」

――その選手が誰だったか気になるところですが、抽選会の結果、本田選手との対戦が決まりました。これは松場選手としては希望どおりだったのですか。それも偶然の結果だったのでしょうか。

「う~ん、どうなんですかね。あれは流れに任せるしかないですから。うん、まぁ、良かったんじゃないですかね。アハッハァ」

<この項、続く>

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【DEEP111】フライ級GP準々決勝への自信、安谷屋智弘「福田龍彌選手が嫌がるところは小川選手と同じ」

【写真】安谷屋の試合はもちろん、曹竜也がお店で提供するかき氷も気になる(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP111 Impactでは、フライ級GPの準々決勝が実施される。そのひとつが、安谷屋智弘×福田龍彌だ。
Text by Shojiro Kameike

安谷屋は今年8月のGP1回戦では、前フライ級キング・オブ・パンクラシスの小川徹と対戦し、キムラで固めてレフェリーストップを呼び込んだ。サブミッションによるレフェリーストップは物議を醸したが、安谷屋が小川を相手に自分の形に持ち込んだことは確かだろう。そして次に迎える対戦相手は、GP優勝候補の一人である福田だ。今回のダークホース安谷屋が、福田戦への意気込みを語る。


――安谷屋選手の所属は現在、「氷ヲ刻メ/池田道場」になっています。もともと所属していたジム、闘心が活動を停止したあとはフリーランスとして試合に出場していました。改めて新しい所属ジムについて教えていただけますでしょうか。

「新しいジムの所属になったのは、去年の11月ですね。闘心の先輩である曹竜也が新しいジムを立ち上げたんです。そこで曹さんのお店の名前と、打撃を教えてくださっている池田浩二先生の名前をとって、氷ヲ刻メ/池田道場という名前になりました」

――曹選手のお店の名前とは……。

「北谷町でやっている、かき氷屋さんです。ジムは普天間にあります。かき氷はフワフワで、独自のシロップがかけられていて――想像を絶する美味さですから、ぜひ一度お店に行ってみてください。あっ、もちろん普天間のジムにも(笑)」

――宣伝ありがとうございます(笑)。新しいジムは、どのような経緯で設立されたのでしょうか。

「闘心がなくなったあとは知り合いのジムで練習させてもらったりしていたのですが、去年11月に、僕も曹さんもRIZIN沖縄大会の出場が決まりまして。そこで自分たちのジムを持たないといけない、っていう話になって曹さんがジムを立ち上げ、お店の名前をつけました」

――氷ヲ刻メという店名は、藤原大地選手が経営する「ラーメン荘 歴史を刻め」と何か関係はあるのでしょうか。

「僕はよく知らないのですが、曹さんが藤原さんと仲が良かったみたいで、その影響はあるかもしれないです」

――なるほど。では新しいジムが出来て、ご自身の練習環境も落ち着きましたか。

「はい、落ち着きました。それまではシマジリアンズや公共の体育館を借りて練習したりとか……」

――これだけ日本でもMMAを練習する環境が整ってきたなかで、プロの選手が公共の体育館で練習しているケースは少なくなりました。

「いつも曹さんと池田さんが僕の練習を見てくれて、しんどいとか感じたことはないです。でも自分たちのジムがあることで気持ちが落ち着きましたし、いつでも好きな時に好きなだけ練習できる。それが嬉しいです。今は選手練習のみですけど、いずれ会員さんの募集も考えていこうかな、というところですね」

――新しくジムが立ち上がったあと、DEEPフライ級GPへの出場が決定しました。

「佐伯(繁DEEP代表)さんとお会いした時に、フライ級GPに出たいと直接お願いしました。最初は、ちょっと待ってほしいと。どうやら自分が出場ラインのギリギリだったそうで……。出場は微妙かなぁ、と思っていたら連絡を頂けたので嬉しかったです」

――その時点でDEEPの伊藤裕樹戦、RIZINの宮城友一戦と2連敗を喫していましたからね。

「そうなんです。まずSNSでDEEPフライ級GPが開催されるという情報を見て。これは自分からアピールしないと、って思いました。さらに、今年の2月に、練習仲間のセコンドで東京へ行くことがあったんです佐伯さんに直接『お願いします』と(苦笑)」

――安谷屋選手にとってDEEPフライ級GP出場は、どのような意味を持っていたのでしょうか。

「自分も年齢を重ねて、いつまで現役を続けられるか分からない。だから、とにかくタイトルに近づきたいという気持ちがあるんです。このGPで優勝すればタイトルマッチに近づける――その一心でアピールしました」

――安谷屋選手がGP出場メンバーを知ったのは、1回戦の抽選会の時かと思います。GP出場者の中でも、前パンクラス王者の小川徹選手が出場することは最大のサプライズでした。抽選会では小川選手が安谷屋選手を対戦相手に選びましたが、まず小川選手の出場について考えるところはありましたか。

「いえ、そこまでは……。他のプロモーションから強い選手が出て来るだろうし、それ以上に弱い選手はいないだろうなと思っていたので」

――その小川選手との1回戦は、安谷屋選手がキムラで絞り上げたところでレフェリーが試合をストップしました。あの内容とストップについては、どのように考えていますか。

「ストップは妥当だと思っています。あの形になったら、まず逃げられないし、僕としてはタップしないなら折るつもりだったので」

――安谷屋選手がキムラの形に入ったあと、レフェリーに何かをアピールしていました。

「あの時、結構バキバキ鳴っていたんですよ。これ以上やったら折れるよ、ってアピールしました。小川選手は、まだやれるっていう感じでしたけど――あそこでレフェリーが止めなければ、僕は完全に小川選手の腕を折っていました。

ただ、ストップされた後に小川選手が声を荒げていたのは、気持ちは分かります。自分が小川選手の立場だったら、同じような感じになっていたでしょうし。それだけお互いに懸けていた試合だったと思います」

――安谷屋選手にとっては、2連敗から前パンクラス王者を下すという結果となりました。

「下馬評では、相手が勝つと言われていたので。それを覆すことができたのは、メチャクチャ嬉しかったです。試合を見ていると、小川選手はこういうことをやられたら嫌だろうな、というのが分かって。それをずっと練習していました。それがガッチリとハマりました」

――小川選手が嫌なこと……具体的には、どんなことだったのでしょうか。

「それは言えないです(笑)。次の対戦相手も同じところがあるので」

――えっ、小川選手と福田選手の攻略法には同じ部分があるのですか。

「はい。試合を楽しみにしていてください」

<この項、続く

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DEEP DEEP111 MMA MMAPLANET o 宇田悠斗 島袋チカラ 村元友太郎

【DEEP111】フライ級GP準々決勝で村元友太郎と対戦、宇田悠斗─01─「仕留めるために練習している」

【写真】自信の裏にある実力と練習について語ってくれた宇田。抽選会の村元に対する意見は後編にて(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP111 Impactでは、フライ級GPの準々決勝が実施される。抽選会の結果、宇田悠斗が村元友太郎と対戦することが決まった。
Text by Shojiro Kameike

1回戦では島袋チカラを超高速ヒジ連打で沈めた宇田。今回は「前の試合では見せていないものがある」と、その計り知れないポテンシャルをうかがわせるインタビューとなった。その自信の根拠とは――。


――先日はグランプリ準々決勝の抽選会の模様がインターネット上で放送されました。全選手リモート参加で和気あいあいと抽選会が進むなか、宇田選手だけが殺気だっているようにも見えました。あの時の心境から教えていただけますか。

「えっ、殺気だっているように見えましたか? 僕自身は何とも思っていませんよ。抽選会のなかでも言ったんですけど、選手みんな仲良いから外敵感があっただけです(笑)」

――知らない場所で、自身以外は全員知り合いのところに突然放り込まれたような……もしかして人見知りなのでしょうか。

「そうですね。人見知りなほうだと思います」

――地元の愛媛県から上京して、CAVEで練習し始めた頃はいかがでしたか。

「最初はメチャクチャ緊張していたので、自分から話かけられないし、他の人が話しかけてくれたら自分も話すような感じでした。たくさん人がいるなかに混ざって練習して、帰る――っていう。

もともと自分から人に話しかけることは少ないタイプなんですよ。みんなが自分に寄り添ってくれるほうで。だから、学生時代から『黙っていると怖い』って言われていました。自分としては、全然そんな気はないんです。だけど、話かけづらいって言われていて(苦笑)」

――それが現在は、どのように変化してきていますか。

「あまり変わらないです。みんな、そんなにワイワイするタイプではないので。もちろん話はしますよ。でも格闘技の話、技術の話とかが多いですね」

――では前回の島袋チカラ戦についてお聞きしたいのですが、試合後には「面白くない試合だった」というコメントがありました。あのヒジ連打によるフィニッシュは、面白くないどころか戦慄が走ったと思っています。

「まぁ、確かにそうかもしれないですね。1発目は、そんなに思いきり打っていないんですよ。シングルレッグでケージに押し込まれて、ワキを差し返すために相手の気を散らそうと思って打ったら――思いのほかクリーンヒットして。え、めっちゃ入ると。それで2回目は思いきり強く打ち込むと、相手がガクンと落ちたので。これは効いた、終わるなって連打しました」

――2発目で島袋選手もヒザを着きました。ただ、その後の連打は今まで見たことがないほど高速でした。

「自分も、あんなに速く連打したことはないです(笑)。何も考えていなかったわけじゃないですけど、あんなに出そうとは思っていなくて。ただ、石渡(伸太郎)さんから『離れ際は打撃というより暴力として出せ』と言われているんですよ」

――これはまた怖い表現ですね(笑)。

「アハハハ、打撃じゃなくて暴力っていうのが(笑)。あの展開では、相手の嫌がる攻撃を出せるヤツが強いと教わったんです。石渡さん自身、一緒に練習していても離れ際の打撃やヒジが巧いですからね。それを、いつも自分がやられていて……練習だから思いきり入れられることはないけど、石渡さんから『お前、今のはやられてるよ』としてくれるんです。だから、練習でも絶対に気が抜けないです。その経験が前回の試合では生きたと思いますね」

――あの展開でとっさにヒジの連打を打ち込めるというのは、普段の練習から自分の中に染みついているということかと思います。

「はい。トドメを差すための勝負勘というか。勝負どころで仕留めるために攻撃をまとめる、っていう練習をしています。あの展開ならワキを差し替えすか、ガブってバックに回るという選択肢もあると思うんですよ。実際、試合中もそれは考えました。でも仕留めに行ったほうが早いかなって。2発目のヒジで完全に相手の力が抜けていたので、あれは仕留められるっていう確信のもとに連打しました」

――島袋選手のステップと打撃は、ずっと見えていましたか。

「見えていました。最初は距離が遠いなと思っていたら、正面から飛び込んできたので。自分はカウンターをもらってしまうから、絶対に正面から飛び込まないです。だから、相手が正面から飛び込んで来るっていうことを考えていなくて……。そこで次に正面から飛び込んで来たらカウンターを合わせようとシフトチェンジしたら、思っていたよりプレスがかかっていました。

ずっと島袋選手はサークリングしていたじゃないですか。これは結構嫌がっているなと思ったんです。プレスかけたら攻撃を出してくるので、そこにカウンターを合わせるか。行けるなら自分からも飛び込んでパンチを当てに行こうかな、と。そこで島袋選手は二段蹴りとか出してきましたよね。これは面倒くさいなぁ、イチから距離を作り直そうと左フックを出したところにシングルレッグを合わされて。あのタイミングはバッチリでした。でも、相手がそこまでテイクダウンにこだわっていなかったのかな? ケージ際で一度落ち着いて対処しようかなと思ってからのヒジでした」

――島袋選手がシングルレッグで組んできたのは意外だったのですか。

「そうですね。あそこで組んでくるとは思いませんでした。組んで来るような構えではなかったし、カウンターで組んできた時はビックリしましたね。あぁ、組んで来るんだ、って」

――そのような試合展開と結果でも、ご自身としては面白い試合だとは思えなかったのですか。

「前の試合では、もっと打撃を見せたかったんです。右ストレート、左フックを出したり、その打撃でダウンを取ったりとか。それができなくて、自分の中で不完全燃焼みたいな感じがありました。もうちょっと試したかったというか」

――パンチを狙っていたのですね。試合も序盤から打撃中心の構えとスタンスでしたが、それは以前の構えとは異なっていたように思います。

「体のバランスが変わったと、自分でも思いますね。打撃はスパーリングよりフォームの練習のほうが多いんですよ。素振り、シャドー、サンドバッグ、ミット打ちとかで体の重心や体幹、足の使い方、バランスを見ながら――毎日1時間から2時間ぐらいやっています。自分も最初は一切できなくて。最初から石渡さんに『体のバランスがメチャクチャ悪い』と注意されていました。自分はずっと腰を怪我することが多かったんですよね。それも体のバランスや使い方が悪いから、腰に負担がかかっているんだよって言われて。それを直す練習をやってきて、だいぶ改善されてきたと思います」

<この項、続く

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【DEEP111】フライ級GP準々決勝宇田悠斗戦──直前に出稽古。村元友太郎「宇田の底が知れる試合に」

【写真】月曜朝10半からの武術空手稽古。平本丈と前夜に修斗世世界女子アトム級王者になったばかりの澤田千優も稽古に参加していた (C)SHOJIRO KAMEIKE

12月11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP111 Impactではフライ級GPの準々決勝が実施される。ビョン・ジェウン✖伊藤裕樹、本田良介✖松場貴志、福田龍彌✖安谷屋智弘とともに村元友太郎が宇田悠斗と対戦する。

修斗からの刺客といっても過言でない宇田は、初戦で島袋チカラにケージに押し込まれた状態でエルボーを連打し失神に追い込むという衝撃的な勝利を手にした。対して村元は試合前に新スクランブル宣言をしたものの、初回にダウンを喫するという厳しい戦いを持ち味であるスクランブル戦で競り勝った。

宇田戦を直前に控えた状況で、村元は東京で出稽古を敢行──午前中は剛毅會空手、午後は田牧ボクシングの指導を受けている。そんな村元を練習の合間に取材すると、直前の出稽古の是非、宇田の評価を尋ねると元気いっぱい、いつも通り自信に満ちた答が返ってきた。


──13日後にDEEPフライ級GP準々決勝、宇田悠斗選手との試合を控えている(※取材は11月28日に行われた)状況で、東京まで来て出稽古を行った村元選手です。午前中に剛毅會の岩﨑達也氏に指導を受け、午後はGENで田牧一寿トレーナーのボクシング指導があるということですか、東京入りは昨夜だったのですか。

「いえ、朝にやってきました。昨日は石川で太田翔一郎さんに伝統派空手の指導を受けていたので。田牧トレーナーとの練習が終わったら名古屋に戻ります」

──田牧トレーナーや太田さんとの稽古はこれまで続けていていたことなので、そこは時間と距離との兼ね合いなのでしょうが、このタイミングで岩﨑さんに武術空手を習う。それはどういう理由からなのでしょうか。

「今回が稽古は2度目なのですが、11月の最初に岩﨑さんがRIZIN LANDMARKで平本(蓮)選手のセコンドで名古屋に来ていた時に、ハセケン(長谷川賢)さんから誘いがあって一緒に食事をさせてもらったんです。

その時に『東京に来た時に練習に参加しても構わないよ』と言っていただいて。僕も田牧さんとの練習もあり、東京に来ることがあるので実際に教え欲しいと思いました」

──平本選手の試合を見て、そうしようと思ったのではないですか(笑)。

「それもあったのですが、ホントに試合前日に食事をしている時に岩﨑さんの打撃論を伺って興味深かったのと、合点のいくことがありました。いくら平本選手の試合を見ていても、その時の話が納得できるものじゃなかったら指導を受けたいとは思わないです。フィーリングも合ったというか……そもそも岩﨑さんのことを、それまで知らなかったのですが……」

──ハハハハハ。重ねてお伺いしますが、だからといって試合まで1カ月を切って2度指導を受けただけの技術や動きが試合に生きるのですか。

「生きます。指導をお願いした際に、『次の試合のためだから』ということで相手の映像と、僕の映像を見せてほしいと岩﨑さんに言っていただきました。自分が技術的に問題点として捉えていたことに対して、LINEと電話でまず相談をしました。それから実際に動きを見てもらったので。

1度目の練習のあと、名古屋に戻ってALIVEのスパーリングで試した動きを動画に撮って岩﨑さんに送りました。そこでまた修正箇所を指摘してもらって、そうしていくことでスパーリングのなかで課題だったというか……欠点が、解消されていったんです。

同時にそれが全てでなく、自分がこれまでやってきたこととの兼ね合いでどういう風に生かすかを自分でも考えています。いずれせよ、分からないことはどんどん尋ねていますし。全てを理解できないことも分かって、試合直前であってもこうやって指導を受けに来ています」

──そこまでの気持ちでいるのかと感心させられた一方で、その志をもってなお試合前の理想と試合のパフォーマンスのギャップが……。

「アハハハハ。前の試合もそうでしたね。進歩したところを試合に出そうと思ったら、結局これまでと同じで(笑)。風我選手がイメージと違っていて、凄く強くなっていました」

──初回にピンチがあり、試合前に言っていた「極めに繋げるコントロール、これまでと違うスクランブル」という動きはできなかったです。それでも、これまで通りのスクランブル戦になると勝ち切れる。やはりそこが村元友太郎の強味でもあるかと。

「でも、それでは先に進むと勝てなくなります。このままではいけないので、今日の稽古もそうですが色々と足を運んで模索しています。今のままでは危うい感じなので、明確に倒し切ったり極め切れるようにならないといけないです」

──同時にああなった時は、気持ちで負けないという想いは?

「そこは誰とやっても負けないっていう気持ちはあります」

──では宇田戦で向けて。抽選では、結構選手が会話をして対戦が決まった感がありました。

「そうですね。福田(龍彌)と宇田が残っていて。僕はどっちでも良かったです。決勝に進めば、どちらかと当たると思っていた2人だったので、どっちでも良かった。で、最後に残っている安谷屋(智弘)さんに尋ねたんです。『僕はどっちでも良いから、どっちとやりたいですか』って。そうしたら安谷屋さんは前に福田に勝っているから、福田が良いって(笑)。福田も『安谷屋とやりたいです』って言って2人が盛り上がっているから、『なら宇田で良いです』という感じで」

──宇田選手は置いてけぼりじゃないですか(笑)。

「『あっ、ハイ。お願いします』みたいな感じでした(笑)」

──アハハハ。では、その宇田選手の印象を教えてください。

「修斗の1位でしたね。う~ん、フィジカル的にはパワーとかスピードが速い雰囲気はありますけど……まぁ、見せかけかなって思っています」

──おぉっ!!

「打撃の質とかも、パンチもパッと見は踏込みも早くて威力もヤバいのかと思うかもしれないですけど、完璧で倒している試合もないし。なんか……質は低いんじゃないかと。僕は貰わないですし、貰っても前に出て根性で……ここまでやってきたことも違うし、気迫も含めて全てで圧倒したいと思っています」

──島袋チカラ選手との試合では、ケージに押し込まれた状態でヒジ打ちの連打でTKO勝ちを収めました。あのような予想外、あるいは想像の範囲を越えた何かを持っているかもしれないという警戒心は?

「ないです。あれはあそこで止まっているからもらうだけで。僕はあんなにのんびりしていなくて動き続けます。ポテンシャルとか、底がまだ余り見えていない選手だと思いますけど、宇田悠斗の底が知れる試合になりますよ」

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