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【BRAVE CF57】バンタム級王座を賭けて、カトーナ戦へ。バーレーンMMA界のパイオニア、ハムザ・コヘジ

【写真】 1993年1月生まれの29歳。MMA戦績は11勝2敗だ(C)MMAPLANET

11日(金・現地時間)、バーレーンはマナーマのハリファ・スポーツシティ・アリーナで開催されるBRAVE CF57。そのメインでバーレーン人ファイターのハムザ・コヘジが、ブラッド・カトーナとバンタム級王座決定戦を戦う。

10年前、MMAのMの字もなかったバーレーンで、MMAファイターを目指し、ひたすら練習だけをしていたコヘジのMMAファイター人生は、バーレーンの歴史でもある。


――BRAVE CF史上、最大の大会といえる今大会のメインでブラッド・カトーナとバンタム級王座決定戦を戦います。今の調子は?

「絶好調だよ。過去、最高のキャンプができた。僕はずっとハードトレーニングを自分に課してきたし、コーチが練習量を抑えてようとするぐらい追い込んできたよ。全てをやってきた。良い試合になる自信があるよ」

――この試合に向けてキャンプはKHK MMAで行ってきたのですか。

「ホームのバーレーンでのキャンプの前にダゲスタンで調整してきたんだ」

――ダゲスタンですか!!

「そうだよ。それにバーレーンに戻ってきてもKHK MMAには多くのダゲスタン人ファイターが在籍しているから、引き続きハードなトレーニングができたよ。実際、ジムはKHKジムではなくKHKの皆と違う場所で、必要なエキップメントも移動させて練習してきたんだけどね」

――BRAVE CFでも本拠となるバーレーン人ファイターは少ないです。そしてまだまだ日本のファンはバーレーンのMMA事情を知りません。ハムザの歴史を尋ねるとともに、バーレーンのことが少しでも伝えることができればと思います。

「ありがとう。そういってもらえ、感謝しているよ。僕のことやバーレーンのことを日本のファンに伝えてもらえるなんて。僕が10年前、19歳際の時に喧嘩に明け暮れていてマーシャルアーツに興味を持つようになった。弟がムエタイと柔術をしていたこともあってね。ただし、MMAのジムはなかった。柔術のジムが一つ、ムエタイやキックが少し。あとは空手とテコンドーの道場ばかりで。

子供のころテコンドーをしたかったけど、僕の街にはジムがなかった。高校を卒業して、より自由になったときに新しいジムができて、会費も高くなくて飛び込んだんだ。もともとはテコンドーの先生だったけど、世界を回ってグラップリングの経験があったんだ。

ただ僕らにはレスリングも柔術もなかったよ。MMAを教えてもらえることも当然なかった。コーチ自身が22歳で、YouTubeで見たことを試したりして。全く科学的ではないけど、めちゃくちゃハードな練習だけ繰り返していたんだ。昔から人と同じことをやりたくなかったから、MMAにはまったのかもしれないね。あの頃、まったくMMAはバーレーンに存在していなかったから。でも明日は明日の風が吹く。とにかく、その日を懸命に練習した。今でもBRAVEが出来て、この国でMMAは本当に盛んになってきたけど、僕が始めたころは明日をもしれなかったよ……2年ぐらい、そういう感じだった」

――つまりハムザはバーレーンMMAのパイオニアなわけですね。

「そうだね、今も戦っている人間としては。MMAを始めても試合もなかったから、ドバイでセミプロの試合に出ようと思った。でも飛行機代がなくて、出られなかった。アマチュアの試合にしても、国内になくて外国に行く必要があったけど、そんな金はポケットをひっくり返しても出てこなかったからね。

そんな時にコーチがインドで試合があり、飛行機代も出ると教えてくれた。2012年、11月の話だよ。ハイレベルでなかった。アマチュア並みだったけど、あれがあって実戦経験のない僕はファイターとして戦う機会を得ることができるようになった。

Super Fight Leagueでデビューした後、UAEのDesert Forceがバーレーン大会を開くことになり、僕だけがMMA経験のあるバーレーン人だったら出場することができた。インドの試合から1年半も経っていたよ。そしてDesert Forceで3試合を経験したときに、BRAVE CFが活動を始めたんだ」

――それでもよく、MMAファイターを目指しましたね。

「精神的には厳しかったよ。練習だけしていて。ずっと同じ2人と練習していて。自分がどれだけ強くなれているのかも、分からなかったし。とにかく機会を得たときに、結果を残せるように何でも練習した。試合がなくても猛練習だけは続けた。あの時に相当、メンタルは鍛えられたと思う」

――そして話に出たBRAVEが母国で活動を始めたと。

「Desert Forceのタイトル戦に敗れ、夢も破れたと思った。そんな時にBRAVE CFが始まって、2試合連続で試合ができた。初めてだよ、3カ月の間隔で試合ができるなんて。本当にBRAVEの旗揚げで僕のキャリアは変わった。

でも、その2年前からバーレーンでMMAが始まることは分かっていた。もうすでにKHK MMAがオープンしていて、僕も練習していたから。まだ練習は3人だけだったけど、殿下が国内でナショナル・トライアウトを開き、選手を見出してジムは一気に賑やかになった。それからどんどん大きくなった、ジムもBRAVEも。

ホント、全てが変わったよ。殿下のおかげで、一気に変わった。この7年で、全くMMAをめぐる環境は変わったし、ジムも増えた。ゼロからここまで一気だ。まぁピンからキリまでだけどね。まだ始まったばかりだよ。

この変化を目の前で見てきた。素晴らしい経験ができたと思う。昔は日本の映画とかに出てくるマーシャルアーツの在り方が理解できなかったけど、実際に自分で練習するようになって規律を学ぶことができたんだ」

――そしていよいよBRAVE CFのバンタム級王座を賭けて戦う機会を手にできました。

「ずっとスティーブン・ローマンと戦うことが目標だった……2017年からね。でも、なかなか実現しない間に彼は1年間試合をしないで、BRAVEを去ってしまった。ずっと待ちぼうけを食わされたんだ。それもあって1度、ベラルーシでプロファイターとアマチュア戦を戦ったよ。試合をしたくて。そして、ついにタイトル戦が決まったんだ」

――カトーナはTUFを制し、UFCでも2勝2敗の選手です。

「経験豊かなのは確かだけど、経験が豊かなファイターがチャンピオンに居続けられることもない。若い力が育ってくるからね。彼がUFC出身とか関係ないよ。BRAVEでタフな相手と戦ってきたから」

――タイトル戦をホームクラウドの前で戦います。

「バーレーンのファンの声援は、いつも僕を後押ししてくれる。今回の試合はMMAだけでなくバーレーンのスポーツをステップアップさせる大切な戦いだよ。バーレーンには世界レベルで戦えるスポーツがほとんどないからね。僕らもできるという試合して、バーレーンのスポーツ界を変える……それが僕の使命だよ。

僕の目標は若い世代に、新しいスポーツの可能性を見せること。そして強い人間にはより責任感があり、守るべき規律がある。そこを理解してこそ、真の意味で強い人間になるということを若い世代に伝えたい。

だからこそ技術や経験だけじゃなくて、気持ちで戦うという姿勢を見せたい。バーレーン、アラブの人間は戦う気持ちを持っている。ここからの2年間が、僕らにとって本当に意味のある……勝負の年になる」

■視聴方法(予定)
3月12日(土・日本時間)
午前1時00分~ BRAVE TV

■ BRAVE CF57対戦カード

<BRAVE CFバンタム級王座決定戦/5分5R>
ハマザ・コヘジ(バーレーン)
ブラッド・カトーナ(カナダ)

<BRAVE CFライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
モハマド・ファフレディン(レバノン)
モハメド・サイード・マレム(スイス)

<BRAVE CF暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
アブディサラム・クバチニエフ(キルギス)
クレイトン・シウバ(ブラジル)

<スーパーウェルター級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
ルイス・フィリッピ・ディアズ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
サム・パターソン(英国)
クンカルパシャ・オスマエフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
アス・アルマバエフ(カザフスタン)
イムラム・マガラモフ(アゼルバイジャン)

<ライト級/5分3R>
フセイン・カジマゴメアエフ(スイス)
アグシン・ババエフ(アゼルバイジャン)

<ライトヘビー級/5分3R>
ムルタザ・タルハ・アリ(バーレーン)
ミクヒル・サジニアニ(ジョージア)

<バンタム級/5分3R>
モハメッド・ファハッド(インド)
メイサラ・ムハメッド(エジプト)

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バーレーン3日目、9日(水・現地時間)より、BRAVE International Combat Weekの二本の軸の一つ、MMA SUPER CUPが始まりました。

IMMAFランキング上位6カ国に2つのワイルドカード・チームを加えた8チームが男子7階級、女子2階級の9×9の国別対抗戦を行い、優勝した国の協会に10万ドルの賞金が与えられるという今大会。

ロシアのウクライナ侵攻の影響で両国の参加が見送られ、参加チームはアイルランド、オセアニア、メキシコ、アラブ王者、バルカン王者、カザフスタン、バーレーンの8チームとなりました。


ハリファ・スポーツシティ・アリーナでは朝の9時からアイルランド×オセアニアが始まり、普通にプロレベルの攻防が目の前で繰り広げられていました。

ボクシングができて、蹴りが使える。テイクダウンもスクランブルも、バックチョークも下からの仕掛けも。彼らがチーム別のラッシュを着ていなければ、誰もがプロの試合だと思ったはずです。

3分×3R、ヒールなし、エルボーなし。パウンドありを普通に戦い、何よりも怖いのはフライ級からヘビー級まで選手を揃えられて、一定以上の力をアイルランド勢、オセアニア勢が揃って持っていたこと。これは脅威意外の何ものでもないです。

ヤバいなぁ、日本は……とすぐに考えてしまうのですが、続くメキシコ×アラブ王者を見て、ここでベスト6に入るのか――なら、それほど悲観することないと思いなおすことができました。

ただし、それは余りにもアラブ王者チームが非力だったことも影響しているに違いありません。

早々に5勝を挙げたメキシコ勢は、それ以降の選手が翌日の準決勝を考慮してエナジーセーブ、試合開始直後にタップするという01秒決着後は、入場して不戦敗→ついには入場もなくメキシコ勢の勝利が場内に伝えられました。

ルールの盲点というか、先に対策が講じられて然りの状況において、この日のために準備をし、計量も済ませたにも関わらずヘラヘラ笑いながら、不戦敗を伝えるメキシコ勢を呆然と見つめるアラブ王者チームの後半出場予定だった4選手が、気の毒すぎました。

この試合後、会場ではカザフ×バルカン王者チームの試合が実施されましたが、記者団はマナーマ市内に戻り、BRAVE CF57の公開会見場であるオアシス・モールへ向かいました。

金曜日開催のBRAVE CFではバンタム級王座決定戦=ハムザ・コヘジ×ブラッド・カトーナ、ライトヘビー級王座決定戦=モハメド・ファフレディン×モハメド・サリード・マレム、暫定ライト級王座決定戦=アブディサラム・クバチニエフ×クレイトン・シウバら3つのタイトル戦を中心に、中央アジアなど旧ソ連圏、アラブ国家と世界17カ国から選手が集う、その日本での無名ぶりが楽しみでならない大会です。

会見にはバンタム級とライトヘビー級王座を賭けて戦う4選手、暫定ライト級のベルトに挑むクバチニエフとバンタム級戦出場のモハメッド・ファハッドが出席。ちなみに彼らの国籍はバーレーン、カナダ、レバノン、アルジェリア(※スイス在住)、キルギス、インドとなります。

選手権以外の試合の出場選手であるファハッドの会見出席とあいなったのは、マナーマにもヒンドゥー寺院があるようにバーレーンの労働力の主となっているのがインド人ということが影響していると思われます。

実際、会見のあったモールで「ラムを食べたい」とインフォメーションで尋ねると「アラビックのレストランはない。インド料理と中国料理がある」と言われたほどです……。ちなみにモールやホテルで働く人々は。英語はマストのように話しています。

そして両替所ではパキスタンやアフリカの家族に送金する人たちの姿が目立つ――市中を歩く機会はほとんどないなかで、感じたバーレーンの様子です(スーパーではアルファベット表記だけのフルーツジュースと、アラビア語表記のあるジュースでは値段が3倍ほど違うのと、ローストされたアーモンドを購入して、ホテルの部屋でグラスに入れておいても、まったくしけることがないほど、乾燥しています)。

閑話休題――会見では、思わぬバーレーン人気質を直視し驚かされました。メインで同国のヒーロー=コヘジと対戦するカトーナへのブーイングが半端なく、「僕はBRAVE CFで2勝、他でのキャリアは彼と違うし、そういう場所でタフな相手に勝ってきた」という発言に、「ステロイド!!」というヤジが飛ばすファンまでいるほど。

カトーナは苦笑いを浮かべながらコメントを続けると、コヘジ・チャントで妨害するという徹底ぶりでした。素直に、この人たちともめたくない――そう思った次第です。

そんな会見を終え、ハリファ・スポーツシティ・アリーナへトンボ帰りすると、SUPER CUP最後の準々決勝バーレーン×タジキスタンの開始直前でした。

実は雑誌の締め切りと、週末の世界各国の大会の記事を書くためにホテルに戻ろうとしていたところ、BRAVE CFの広報として働くブラジル人のジョアオ・ヴィトー君に「この試合を見ないと後悔するよ」と言われ、「ほんまかよ」と思いつつ同行した次第です。

ヴィトー君から直前に――自分も現地に行った2011年8月のUFCリオ大会=アンデウソン・シウバ×岡見勇信をブラジルの新聞社在籍時代に取材していたことを聞かされ、何より長年の友人でありブラジルMMAメディアのパイオニア=マルセーロ・アロンソを崇拝している彼の言葉を信じてみようと思った次第です。

結果、これはもうアマチュアではない。そしてブラジル人とロシア人で構成されたチーム・バーレーンに対して、タジキスタン勢の奮闘ぶりは……こ、本当に世界と戦うということは、どういう意味を持つようになるのか。再度、考えを改めないといけないことに気づかされました。

バーレーンの一番手は女子ストロー級のアリーサ・ベルトソ。

彼女は1月のIMMAF世界選手権の優勝者で、素晴らしい切れのジャブから蹴りのコンビネーション、さらにテイクダウン後も一本こそ取れなかったですが、RNCや三角絞め、腕十字とアグレッシブに攻め続け、判定勝ちに不満を感じるという強さを見せつけました。きっと1Rが3分でなく5分なら試合を終わらせていたに違いありません。女子戦の印象が強くないBRAVEですが、今後どのようなキャリアを積んでいくのか要注目です。

さらに2番手の女子バンタム級には前回のADCC女子60キロ級世界王者ビア・バジリオがバーレーン国旗を掲げて登場!! 荒いが馬力あふれる打撃から、テイクダウン――ここから先のマウント奪取、殴って腕十字という流れは見事の一言、反則モノの強さでした。

反則モノといえば、ウェルター級に出場したロシアからの帰化ファイター=ラマザン・ギチノフです。対戦相手のジョビドン・マクムドフがまた素晴らしいテイクダウンディフェンスと正確かつパワフルなストライカーだったことが、ギチノフの強さを際立たせました。

先の世界選手権MVPのギチモフが、マクムドフの打撃に屈せず組んで消耗させまくると、最後は逆にテイクダウンを狙ったマクムドフをアナコンダチョークで仕留め、世界大会決勝の再戦で返り討ちを果たしました。

フォークスタイルこそMMAに欠かせないという自分の信念にも似た想いを改める必要があるのか。とにかくロシアからの帰化選手に限らず、中央アジアやコーカサス勢のケージレスリングの強さはずぬけています。そしてBRAVEの中東勢は、そんなダゲスタンでキャンプを張る環境を持っています。

こんなアマチュアあってたまるか。EXFIGHTが可愛く見える……。日本だと修斗、パンクラス、DEEPの王者クラスの力が既にある、そう思ってしまうギチモフらバーレーン勢、準決勝はバルカン王者チームを5‐0で圧倒したカザフ勢とのマッチアップとなります。

「これ、見ない方が夢を見ることができた……」。ホテルに戻り、ざくろジュースを飲みながら「来て良かっただろう」と満面の笑みを浮かべるドラえもん体形のヴィトー君を思い出し、チョッピリ恨みたくなるSUPER CUPのレベルの高さでした。

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【BICW2022】BRAVE国際コンバットウィーク in バーレーン―02―『白バイの先導でキャラバン爆走!』

【写真】ステージが豪華だから、どうだ――ということはいえますが、圧巻。やはり、羨ましい。そして日本人選手の強化につながらないかということです(C)MMAPLANET

9日(水・現地時間)、BRAVE International Combat Weekの事実上の初日はBRAVE CF57の公開練習が午後2時からKHK MMAジムで行われる予定でしたが、直前で時間と場所が変更となりました。

まさにホテルを出る1時間を前にして、KHK MMAジムはBRAVE CF57まで閉められているという連絡が入りました。


いわばバーレーン王国の所有物といっても過言でない同ジムがどのような設備を誇っているのか、非常に楽しみにしていたため残念な知らせです。

と同時に――ぞわっ、ひょっとしてクラスターかと思いきや、MMA SUPER CUPに出場するチーム・バーレーン勢に加え、BRAVE CF57のメインでBRAVE CFバンタム級王座決定戦でブラッド・カトーナと対戦するハムザ・コヘジらは、この週末までKHK MMAではなくストロング・ヴィレッジというジムでトレーニングを行っているからジムは閉められている。それが理由でした。

コヘジのファイトキャンプには海外からコーチを招き、ロシアやブラジル人の帰化選手が加わるチーム・バーレーンの面々にも寝泊まりする施設が必要で、ストロング・ヴィレッジジムには宿泊環境が整っている。

そんなことが公開練習当日は伝わっていない。自分の以前からあったイメージ、お金持ちのブラジル=中東にまさに当てはまるアクシデントというか、インシデントとの影響でKHK MMA訪問はまたの機会となりました。

それでもMMA SUPER CUPは午後4時からルールブリーフィング、午後7時から開幕式と予定されたスケジュールが滞りなく進行していました。

自分はブリーフィングの様子を少し眺めさせてもらい、午後4時半からBRAVE CFのムハンマド・シャヒド代表と取材というか歓談の時間を提供してもらい、30分ほどBRAVE NATIONや現状のMMA産業の在り方という彼の得意分野の話題から、キャプテン翼、刃牙など様々な話、そしてJMMAFについて意見を交換させてもらいました。

印象深かったのはシャヒド代表がSUPER CUPでロシアとウクライナの選手団の派遣がならなかった話題になると、猛烈な勢いで話し続ける熱血漢の表情が、一気に沈痛な面持ちに変わったことです。

バーレーンMMA界、KHK MMAはロシアとつながりが強く、帰化ファイターも少なくありません。ヘッドコーチのBRAVE スーパーライト級王者エルダル・エルダノフもそんな1人です。

IMMAFではIOCの措置に準じて、今回のロシアチームの参加を取りやめ、ウクライナ選手団は出国ができない(できても望まない?)――なか、この原稿を書いている時点から、数時間後にSUPER CUPの準々決勝がスタートします。

シャヒド代表と歓談後、一旦部屋に戻り――たった1人の滞在に我が家のリビングの倍はあるスペース&ジャグジー付きのバスタブ有り――片隅につくったワーキングプレースで、日本の各所、米国のロクサン・モダフェリと連絡を取りあい、SUPER CUP開会式に向かいました。

8チームの選手団、メディア、IMMF勢のため小型パスが10台用意され、白バイの先導でハリファ・スポーツシティ・アリーナに向かいます。鉄道のないバーレーン、マナーマ市内は幹線道路のジャンクションのたびにひどい渋滞に起こり、その緩和のために造られている大型のロータリーも、サークル部分に車が入れない状態です。

が、白バイ野郎(失礼!)は青い閃光を放ち、強大なサイレン音で八面六臂の活躍。合流路線から、幹線の車線から、どんどん他の車の制止し、キャラバンを爆走させます。しかも10台のバスのドライバーもこういうことに慣れているのか、2車線、3車線を相当な勢いで疾走しつつ、互いの車線変更のスペースを創って、見事なコンビネーションで会場まで突き進みました。

正直、肝を冷やす乗り心地でしたが、無事セレモニーの開幕10分以上前に我々は現地に到着することができました。

セレモニーというか、会場内の舞台セットは想像をはるかに超える豪華さで、対して配信を視聴しているだけでは分からなかったことですが、サークルケージのキャットウォークは照明用で、スペースも狭く、足元も柔らかかったです。

さすが、リングガールを持たないBRAVEのケージという感じでした。

式はIMMAF会長の挨拶、バーレーンMMA協会の会長の挨拶があり、「MMAはバーレーンで唯一国際レベルにあるスポーツだ」という話が聞かれました。

「そんなことねぇよ」というのは簡単です。しかし、これだけアマ大会から力をいれ、国際市場に打って出るプロ大会がある。さらに帰化選手が現状をリードし、そこに若い世代が力をつけるという未来を侮ることはできないです。

一方で、先人といっても過言でないUAE、いやアブダビの状況を見て、潤沢すぎる資金があっても母国の選手強化は予定通り進むとは限らないですが、BRAVEとバーレーンの試みは産業形態の変化、地盤から変えることなので、アブダビと同じスケールは用いることはできないかもしれないです。

いずれにせよ、この環境があればバーレーン一国だけでなく、中東全体の底上げになることは絶対です。それは先日、PFL CSで本戦契約を勝ち取ったBRAVEウェルター級&ウェルター級王者――ヨルダンのライオン、ジャラ・フセイン・アルシラウィを見ても明らかだと思います。

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【BRAVE CF57】ムハンマド・シャヒド代表―02―「重要なのは選手が2人、どちらが強いかを競い合うこと」

【写真】選手団の宿泊する首都マナーマ市内のホテルはBRABE CF57とMMA SUPER CUP一色だ (C)MMAPLANET

中東バーレーンで8日(火・現地時間)から12日(土・同)までBRAVE International Combat Weekが開催される。BICWは8日から開会式、9日が準決勝、12日に決勝が行われるアマチュアの国別トーナメント=MMA SUPER CUPと11日(金・同)に3大タイトル戦が組まれたBRAVE CF57で構成されている。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、両国の出場がなくなり、オセアニア、アイルランド、メキシコ、アラブ王者、カザフスタン、バルカン王者、バーレーン、タジキスタンの8チームで争われることになったSuper Cupこそ、ムハンマド・シャヒドBRAVE CF代表によると新しいBRAVE CFの旅、その第一歩となるという。

BRAVEが目指す、MMA産業――その未来図とは。

<ムハンマド・シャヒド・インタビューPart.01はコチラから>


――BRAVEの使命というのは?

「リーグ・モデルを構築して、MMAのフォーマットを変えなければならない。世界中の国がナショナル協会を創設し、他のスポーツのように政府の援助を受けるようなスポーツにMMAを進化させたいんだよ。そういう世界にするには良い面ばかりを発していてはいけない。改善しないといけないダメな面にも言及すべきなんだ。

日本にもこの世界を代表するプロモーションが存在していたけど、あの時からMMAは何が変わっただろうか。構造は何も変わっていないままだろう。これからの10年、この点が本当に重要になってくる。

スポーツとして協会が存在し、政府から資金を得ることができるスポーツにならないと、MMAは変わらないままだ。バーレーンではこのスポーツが普及するために、資金を投入しサポートしている。だから、こんなに急激にMMAは発展したんだ。

今年のIMMAFの世界選手権には67ヵ国からの参加者があった。でも、MMAがスポーツとして発展するためのフォーマットはできていない。選手たちが日々の努力がもたらすことが、ただ戦うだけになってしまう。そうしないためにニューモデルが必要になるんだ。その必要性を世界に広めるための機会をバーレーンは提供している」

――とはいえ、現状も真の実力者はMMAで十分な成功を収めることができています。

「そう。ただし、平等だろうか? 日本人選手で英語が話せず、トラッシュトークを英語圏の人々に披露できないことで、戦う機会を失っているケースはないだろうか。力はある、でも投資に値する市場を持たないから契約はできない選手は? 30歳を過ぎた、若くないから契約できない――そういう選手が存在しないといえるかい」

――絶対的な力の持ち主であれば、それだけでUFCと契約できると思います。ただし、同じ実力、あるいは強さは上でも今、シャヒドが言われた条件に満たず、チャンスを与えられない選手がいることも確かでしょう。

「それがスポーツだろうか。ビールを飲んで、床を踏み鳴らし、大声で叫ぶ人たちはフライ級の試合を見たくない。ヘビー級の殴り合いみたい。だからフライ級を廃止しようだとか。それこそが――これまでのMMAの発展方法だ。

ただし、MMA産業の潜在能力はそんなものではない。1ビリオン・ドル(10億ドル=1千億円)規模のカンパニーであっても、十分じゃないよ。このスポーツはもっと巨大になれるんだ。UFCは7ビリオン・ドル規模のカンパニーだ。けれども、サッカーになると24ビリオン・ドル規模の組織がある。

それはカンパニーの発展という方法論で歩んできたからでなく、世界中の国に協会があり、実力だけでプレイヤーが勝負できるからだよ。英語で相手をののしる必要がない環境整備こそ、MMAがサッカーのようなスポーツ産業になるための前提だと我々は考えている。

個々の国の協会が選手をスカウティングし、成長を助長する。そして国際的な舞台へ進む。選手のチャンスも増え、優秀な選手が余すことなくステップアップできる。そうなったときこそ、MMAが本当の姿で普及したといえる。英語で受け答えができなくても、ケージのなかで最高のパフォーマンスを見せることができればそれで構わないはずだ。凄く強い選手だ。でもアジア人で体が小さく、英語が話せないからスターにはなれない――そんなことはあってはならないんだ。

これはマーシャルアーツだよ。マイ・フレンド!! 重要なのは選手が2人、ケージに足を踏み入れどちらが強いかを競い合うということなんだ」

――……。確かにその通りなのですが……。

「ムサシ・ミヤモトはマーシャルアーツの強さだけで、その地位を得たはずだ。必要なのは技量であって、英語でアピールできる能力ではない。マーシャルアーツに必要なのはリスペクトと相手を倒すことだ。MMAは世界中で急激に発展したけど、置き去りになったことがある。それがナショナル協会、インターナショナル協会という組織構成だ。

スーパーカップにブラジルが出ていない。米国も、日本もだ。これらの国のアマチュア選手は不満に感じるだろう。でも、心配はないよ。この世界観を共有し、MMAのニューモデルを確立しようとする人々を我々はサポートする。

ドラマチックで、どの試合もエキサイト。そういうアメリカン・スポーツがどれだけ世界に普及しているか。NASCARを見てみよう、アメリカ人はF1よりもあのレースが好きだろう。ただし、同じレギュレーションのレースが他の国に存在するだろうか。彼らからすれば『そんなものは必要ない』と言うだろうね。米国という市場でやっていける――TV放映料、チケット収入、マーチャンダイスからね。他の国は必要ないんだ」

―確かにそうですね。米国内で成り立つスポーツ・リーグだらけです。

「MMAはそれぞれの国の人たちに合ったプロモーションが存在するグローバルスポーツだ。だからこそ選手だけでなく、このスポーツ全体が一体化すればさらなる発展が望める。それぞれの国の協会とリーグを持ち、その時点でも国際交流は見られ、さらなる巨大なリーダーシップを持つ国際組織と各国の協会とリーグが通じる規模になれば、政府がMMAを援助するようになる。

1人の男がこのスポーツをコントロールするのではなくて、全ての国に通じる組織が巨額の投資を複数から得られると、その利をすべての国に分配できる。結果、それぞれの国の組織も国の援助、ナショナル・カンパニーのサポートが受けられるようになるはずだ。世界中でファイターは成長でき、一つの世界観でMMAは成り立つようになる。選手たちの選択肢も増えるしね。どうやってキャリアアップを果たすのか。どこでピークを迎えるのか。選択権はプロモーションでなく、ファイターが持つ世界にしたいんだ。

ストラクチャーが曖昧。それが現状のMMAの最大の問題点になっている。世界中から選手が生まれているのに、世界中でMMAは発展していない。そこにメスを入れる、第一歩がスーパーカップの開催だ。ほんの小さな変化だよ、全体像からすれば。でも、ここから世界のMMAは変わっていく。一つの組織の傘下に各国が入り、安全な競技運営がなされ、各国のリーグが運営される――そういうスポーツにね」

――話が大きく感じるのですが、サッカーを想像すれば良いわけですね。NFLではなくて。

「IMMAFはパンナム、オセアニア、アジアン、ヨーロピアン選手権を開催し、そこから世界選手権に進むカレンダーがある。今年から世界選手権が終わり、国別のランキングで現状はトップ6と2つの地域がワイルドカードで出場しているスーパーカップが始まる。将来的には16ヵ国が競うトーナメントにしていきたい。

4年に1度でなく、毎年開催してく予定だよ。そしてアマチュアだけでなく、このネイションはプロのスーパーカップを行う。国を代表して戦うことは、現状のMMAには存在しない。どれだけ富を得ても、その国のこのスポーツの発展に関係ないからだね。そんなモノ必要ないと感じるファイターは存在するだろうし、それで構わない。でも国を背負って戦うことで、得らえるのは名誉だけでない。それはもう五輪を見ても分かるだろう。BRAVE NATIONが目指すのは、そういう世界観だ。母国のスポーツの発展に通じるファイトをする。それは今のMMAとは別物になるだろうね」

――5ヵ年計画で、第何次までを構想しているのでしょうか。

「アハハハ。そんなに時間はかからない。プロバージョンのスーパーカップは3年から5年のうちに実現させるよ。過去20年のMMAの成長の早さを振り返ってほしい。10年計画は必要ない。このスポーツは発展する一方だからね。企業同士の競争が迎える発展の先に見えるものは……巨大な勝者と、強大な敗者の存在だよ。結果、産業は荒廃する。メディアは衰退し、ファイターは困難な状況に陥る。ジムは成り立たない。失うモノばかりだ。スポーツの発展は一つのカンパニーの利益ではなく、産業としての利益を追求しないと望むことはできない。

スモール・プロモーションは現状では、巨大プロモーションに太刀打ちできない。ただし、そういう人々が生きていける産業にしないとMMAは、本当の意味での発展は見込めない。だからこそ、我々BRAVEはそういうプロモーションと手を取り合って、世界各国でイベントを行ってきた。新しいMMA界を迎えるための準備を2016年から2021年まで行ってきた」

――だから……。

「そう2022年、BRAVEは新しい旅を始めるんだ。インタビューの最初に言ったようにね(笑)」

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【BICW2022】BRAVE国際コンバットウィーク in バーレーン―01―『ディズニー+が視聴できない!!』

【写真】8日間のバーレーン滞在が始まりました。F1テスト、行きてぇ(C)MMAPLANET

8日(火・現地時間)から12日(土・同)までBRAVE International Combat Weekが、中東バーレーンのハリファ・スポーツシティ・アリーナで開催され初めて中東の地にやってきました。

これまでアブダビ、ドバイにはADCC世界大会とONE ChampionshipでUAEを訪れたことはありますが、バーレーンは始めてです。サウジアラビアが大半を占めるアラビア半島の東側、UAWやカタールなどと同様にペルシャ湾に面した……というよりもペルシャ湾に浮かぶムハッラク島を中心とした33の島からなる立憲君主国家、モスクからコーランが聞こえてくるイスラム教の国です。


ハリド・ビン・ハマド・アル・ハリファ王子が興したスポーツ振興のための持ち株会社KHKスポーツを母体とするBRAVE CFは2016年よりここバーレーンを拠点にインドやフィリピンなどアジア、ブラジル、ロシア、モロッコと世界各国で現地プロモーションと手を結びイベントを開催してきました。

個人的に注目するようになったのは、ブルーノ・マルファシーニやホゼ・トーレスが契約した時期ですが、現地取材をしようと思うまでになったのはコロナ・パンデミックが起ってからでした。

パンデミックが起ったのち、BRAVE CFは3月と4月大会をキャンセルし5&6月を活動休止すると、7月にはルーマニア、8月にはスウェーデンで集中的にイベントを再開させ、昨年3月から4月にかけて首都マナーマの歴史的建造物であるバーレーン要塞内に特設ケージを組み立て4週連続で大会を行いました。

その資金力とビジョン、またUFCに選手を送り出し、逆転にUFCベテランと契約しているBRAVE CF。当時は完全なバブル方式を取り入れ、PCRテストを繰り返してイベントを開いていましたが、今やバーレーンは飛行機に搭乗する際の陰性証明は必要なく、空港での検査もなく――ついでにいうと、ビザもチラ見、インビテーションレターは一目もくれず入国できました。

帰国の途に就く際は搭乗の72時間前のテストによる陰性証明書と成田空港での検査を経てですが、3度ワクチン接種を行っている日本人は自宅での隔離も必要ありません。

BICWとBRAVE CFもPCR検査はなく、マナーマ市内ではモールや観劇などパブリックブレイスではマスク着用は義務とされ、違反者は20ディナール――約6000円の罰金に処せられるということです。

その一方で大会出場選手の検査がないことで正直、日本国内にいるよりもずっと感染する可能性は高いという自覚を持っての現地入りでもあります。案の定、食事はビュッフェ・スタイル、選手たちは予想通りマスクをすることもなく大声で話しているという状況です。

同じ週に始まるF1の合同テストでは、そんなことはないのだろうなとほぼ両替とスーパーへの買い出し以外は、自己隔離ならぬ自己防衛のためにホテルに引きこもっている状態です。

コロナ関連の話はもう辟易、バーレーンの紹介と大会の様子を――旅日記的に記事を掲載しようと思っていたのですが、そんなわけでマナーマ市内の様子はほとんど分かりません。

そしてバーレーンではU-NEXTは当然として……エミレーツ航空で途中まで視ていたブラックウィドーの続きを視聴しようしたのですが、ディズニー+は進出しておらずNetflix頼りになりそうな日々です。

そんな選手団が宿泊するウィンダムガーデンホテル・マナーマは、外観ばかりかエントラントのデコレーション、エレベーターの裏扉までBRAVE CFやMMA SUPER CUPのペイントが施され、まさにBICW一色という感じです。

9人構成の国別対抗戦に8チームが参戦し、BRAVE CF57はプロ12試合、バーレーンも含めると13ヵ国のファイターが集まるビッグショーですから、ドバイからバーレーンまでの飛行機には大音量でマリアッチを流すメキシコ勢やアイルランド、オセアニア、プロもキルギスから出場し暫定ライト級王座決定戦に出場するアブディサラム・クバチニエフらの姿が確認されました。

そして両替をするために訪れたホテル近くのモールには、ケージを模ったBRAVE CFブースが見られるなど、少なくともこの一角は相当に力の入ったプロモーション活動を行われているようです。

ほとんどコンバットウィークに関係する記事が書けない初日となりましたが、明日はバーレーンMMA界の総本山KHKジム視察、SUPER CUP開会式などのジワリと取材が始まります。ドアトゥドアでほぼ20時間、時差が6時間。今夜は早々に眠りに就こうと思います――が、徐々に目が冴えてきているのが怖いバーレーン初夜です。

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【BRAVE CF57】MMA国家プロジェクト「市場の競争ではなく、市場の変革」ムハンマド・シャヒド代表

【写真】3年振りのBICWを開催が控えるムハンマド・シャヒドBRAVE CF代表 (C)MMAPLANET

中東バーレーンで8日(火・現地時間)から12日(土・同)までBRAVE International Combat Weekが開催される。BICWは8日に開会式が行われるアマチュアの国別トーナメント=MMA SUPER CUPが9日(水・同)に準々決勝、10日(木・同)に準決勝、そして12日(土・同)に決勝と3決が実施され、決勝前日は11日(金・同)にBRAVE CF57が取り行われる。

Super Cup及び、BRAVE57はハリファ・スポーツシティ・アリーナで行われる。2022年に世界を襲ったコロナパンデミックにも同年7月から活動を再開し、欧州、ロシア、本拠バーレーンでイベントを持続開催し、またUFCファイターも輩出してきたBRAVE CF。

ハリド・ビン・ハマド・アル・ハリファ王子がKHKスポーツを基盤に、国家プロジェクトの一環としてMMAの普及にと詰めるBRAVE CFは日本ではまだまだ注目されていないが、2017年の活動開始から、中東発世界を相手に着実にMMA界で存在感を示してきた。

ここではコロナ禍で2年間実現しなかったBICWの再開を前にして、いる同プロモーションのムハンマド・シャヒド代表にインタビュー──MMAを産業として、変化させる。壮大な目標を聞かれた。


──2021年、BRAVEはロシアから4週連続のバーレーン大会、そしてベラルーシ、イタリア、カザフスタン、ポーランド、もう1度ロシア、そしてセルビア大会と国際大会を開き続けました。これであっているか、分からないですが(笑)。

「アハハハ。本当に多くの国でイベントを開いたよ。2021年は2022年に続き、パンデミックにより世界中の人々が厳しい状態にあった。ビジネスもそうだし、スポーツもそうだ。でも我々は活動をストップするわけにはいかなかった。BRAVEはこのMMA産業を変えるという目標を持っているからパンデミックになろうが、使命を果たさなければいけない。でも大陸によっては訪れることが難しい国もある。

だから、昨年は欧州のマーケットに重点を置いたんだ。東南アジア、南米、アフリカはコロナの影響をより多く受けていたからね。特にセルビア、ベラルーシ、イタリア大会は重要だった。欧州は数多くの言語が存在している。英語圏である英国は米国との結びつきが深い。それはMMAでも同じだ。ただし、他の国を見ればポーランドのKSWやロシアの大会が他国でイベントを開いているぐらいだ。そういう欧州の国に進出することが2021年の計画で、どこも成功を収めることができた。

2020年からPFLやONEというプロ―ションは活動停止を強いられた。本当にこのスポーツにとっても、ハードな期間が続いている。2021年は渡航制限が緩くなる国が増えたとはいえ7カ国で大会を開くことができたのは、BRAVEの底力を見せたことになったと思う。

無観客、イベント中止という事態になることを恐れず、普及に努めた。2021年は5年、10年後のBRAVEにとって非常に大切な1年になったと思う。コロナ禍でスタッフとともにそれらの国を回り、同じストラクチャーで大会を開くことができた。この経験は、我々の財産になるだろう。

そして2022年にはBRAVEはまた新しい人生、新しい旅を始める。去年とは違う、新しいことに取り組むことになっている。それはMMAの将来のために変革を加える時が来たということになるんだ」

──BICWも2019年以来、3年振りに開催されます。

「ようやくフェスティバルを開くことができるよ。コロナ禍になって中東は今や、コンバットスポーツのメッカになっている。ペルシャ湾岸でUFCやボクシングの世界戦は中東で行われてきた。それはBRAVEが6年前に扉を開いたからだよ。だから年に1度の祭典を再び行うことができて嬉しい。BRAVEは一つのブランドではなくて、世界中にコネクションを持っている。

BRAVEが他のMMA大会と違う点は、1つ目にグローバルライセンスを持つこと。2つ目は2023年からナショナルリーグという新しいフォーマットをスタートさせる。これは昨年、アナウンスすることができた。3つ目は2017年からIMMAFに協力し、各国に通じるスポーツ・レギュレーションを普及させてきたことだ。3年でIMMAFの世界選手権は、コンバットスポーツ界で有数のトーナメントになっている。

MMAを一つの会社という規模で捉えるのではなく、新たなるスポーツ産業とするために世界選手権から、MMAスーパーカップを開くことにした。国別対抗戦となるスーパーカップはMMAの未来形なんだ。サッカーを見てみよう。ブラジルといえばイエローとブルーだ。イタリアはブルー、オランダはオレンジだ。

誰もがすぐにイメージできる。そこをスーパーカップで目指す。ファンはどこの国の選手か理解できる。そしてIMMAFの世界の支部が、コンペティションによって賞金を手にすることが可能になる。ハリファ殿下と我々は、過去に五輪委員会とともに38種のスポーツイベントを開いてきた。それが我々の強味だ。

サッカーもクリケットも国際協会と自国の協会がある。MMAもそういう世界を構築していくんだ。即効性ある儲け話では全くないよ。金儲けの手段なら、幾らでもある。ただし、MMAが世界中に普及するためにスーパーカップ構想は欠かせない。各国の協会が、スーパーカップの賞金によって、自国でのMMAの普及に投資ができるシステムを初めてMMAに導入できることになったんだ。こういう試みは世界最大のMMA組織も実施したことがない。

この国別対抗戦はチーム戦であることで、ファンによりシンプルにMMAを楽しんでもらい、選手たちは母国の誇りを賭けて戦う。そのために各階級で9人のベストファイター達を選んで本気に勝ちに行くんだ。旅費、滞在費は一切必要ない。そして優勝すれば10万ドルを母国の協会に持ち帰ることができる。国別対抗戦にして、どちらがリードして、どちらが勝つのかが安易に理解できることで、商業化がより進むはずだ。BICWでスーパーカップが初開催されることは、大きく声明になるよ」

──6カ国が参加し、2つの選抜地域代表で覇権が競われます。

「2つの地域は、この国別トーナメントに参加できない国の選手たちの救済処置になり、今回はバルカンとアラブがワールドカードで出場となる。ワイルドカード制は毎年維持していくつもりだよ」

──スーパーカップ出場国はIMMAFのランキングによって決定しますが、米国、ブラジル、メキシコ、カナダ、英国や豪州、韓国、中国、日本、フィリピンなどIMMAFのトーナメントが活発でない……いや、それ以上に活発にアマトーナメントやプロイベントが存在する国からの参加がないです。その状況で世界にこの大会の意義が伝わるのでしょうか。

「なぜブラジルや米国が参加せず、アイルランドやカザフスタン、タジキスタン、バーレーンが参加しているのか。ブラジルは人材宝庫だ、海外に出て現状のプロモーションでいくらでも活躍している選手がいる。米国にはUFCとBellatorという世界の二大プロモーションが活動している。

このシステムにより受けるサポートの必要がなくても、MMAが普及しているんだよ。何より我々の目指すモノは市場の競争ではなく、市場の変革なんだ。MMAは世界中に広まっているが、MMAを競技として普及させている組織はない。全ての国のMMAイベントは、そのイベントを盛り上げる──カンパニーの利益のために活動をしている。

バランスシートと睨めっこして、ゲート収入、PPVの売り上げを考えて運営されているんだよ。それは結果的にMMAを広めているが、広めた後のことは考えられていない。なぜなら、一つの会社の利益のために広まっているからだ。だからこそ、BRAVEには世界と手を取り合って果たす使命が存在しているんだよ」

<この項、続く>

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【BRAVE CF57】BICWが3月に開催。IMMAF=アマMMA国別対抗戦の優勝賞金は10万ドル(1150万円)!!

【写真】KHK sports、IMMAF、BRAVE CF、BMMAFが共同で記者会見を開き、BRAVE Internatioal Combat Weekの開催が明らかとなった (C)MMAPLANET

10日(月・現地時間)、バーレーンのマナマにあるウィンダムガーデンホテル・マナマでKHK sports、IMMAF、BRAVE CF、BMMAF(バーレーンMMAフェデレーション)の四者による記者会見を開かれ、3月に同国でBRAVE International COMBAT Week2020が行われることが発表された。

BICWは2017年より2019年まで3度開かれたことがあり、2020年と昨年はコロナパンデミックの影響で開催が見送られた──バーレーン王国が所有する持株会社=KHKスポーツが持つアマ=IMMAFとプロ=BRAVE CFの共催が中心となる格闘技の祭典だ。


2017年からIMMAFの世界大会はBICW期間中に実施されるようになり2018年は45カ国から300人の選手、2019年には52カ国から450名のアマファイターがバーレーンに集結していた。IMMAF世界大会期間中にBRAVE CFのプロイベントが取り行われるのも、これまでの慣わしだ。

しかし、昨日の会見ではIMMAFの世界大会は今年から個人戦ではなく8カ国参加の国別対抗トーナメントに様変わりすることが明らかとなった。

IMMAFランキング上位の6カ国に2つのワイルドカードチームが男子7人&女子2人の9人でチーム編成され、勝ち残りトーナメントを戦い、名称もMMA Super Cupに変更された。

出場選手の階級は男子がバンタム、フェザー、ライト、ウェルター、ミドル、ライトヘビー、ヘビー級、女子はフライ級とバンタム級となっており、チーム戦で勝ち星が多い国が勝ち上がる。

試合は3分3R制でドローの場合は延長Rで決着をつけ、ドローはない。驚くべきはその優勝賞金だ。優勝した国には10万ドル(約1150万円)、準優勝国には7万5千ドル(約862万円)、そして3位の国には5万ドル(約575万円)が──それぞれの協会が手にできる。
 
そんな羨ましいアマMMA国別対抗トーナメントの参加国はロシア、ウクライナ、バーレーン、カザフスタン、アイルランド、タジキスタンの6カ国とワイルドカードのバルカン・チームとアラブ・チームとなっている。

今年のBICWは3月7日(月・同)に出場選手がバーレーン入りし、8日(火・同)に開会式。9日(水・同)に準々決勝、10日(木・同)に準決勝、11日(金・同)にBRAVE CF57、12日(土・同)がMMA Super Cupの決勝日、13日(日・同)に帰国の途に就くというスケジュールに決まり、試合はカリファ・スポーツシティ・アリーナで行われる。

また昨日の会見では2020年初のイベントとなるBRAVE CFでスティーブ・ローマンの返上より空位となっていたBRAVE CFバンタム級王座決定戦が、バーレーンのエース=ハムザ・コヘジとアイルランド在住のカナダ人ファイター=ブラッド・カトーナの間で組まれることも明らかとなっている。

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